JP7287398B2 - 重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、沈殿重合法により、粒子径分布が狭く、比較的均一な粒子径を有する架橋ポリマー微粒子を効率よく得る方法が記載されている。特許文献2には、逆相懸濁重合法又は逆相乳化重合法によりビーズ状吸水性ポリマーを製造するにあたり、重合時に重合安定化剤を存在させることにより、微量の金属イオン存在下であっても重合の安定化を図ることができる旨が記載されている。
しかし、高い単量体濃度条件下で重合反応を行った場合、多大な重合熱が発生するため、重合温度の制御が難しいという問題がある。重合温度の制御が不十分な場合、重合体の安定性に悪影響を及ぼすため、製造安定性を確保できないことがあった。また、本発明者らの検討によれば、例えば、懸濁重合法により架橋型重合体を製造する際に重合温度を所望の範囲に制御することができず、ピーク温度(即ち、重合開始後に達する最高温度)が高くなった場合などには、意図しない異形粒子が発生するという不具合が生じることが分かった。
〔1〕金属化合物及びリン化合物の存在下、ビニル系単量体の重合を行う重合工程を備え、
前記金属化合物の濃度は、反応相中における金属濃度として300ppb以下である、重合体の製造方法。
〔2〕前記重合工程は、懸濁重合法によりビニル系単量体の重合を行う工程を含む〔1〕に記載の重合体の製造方法。
〔3〕前記ビニル系単量体は、カルボキシル基を有するビニル系単量体を含む〔1〕又は〔2〕に記載の重合体の製造方法。
〔4〕前記金属化合物は銅化合物である〔1〕~〔3〕のいずれか1つに記載の重合体の製造方法。
〔5〕前記重合工程における前記ビニル系単量体の重合は、さらにキレート剤の存在下に行われる〔1〕~〔4〕のいずれか1つに記載の重合体の製造方法。
〔6〕前記キレート剤は、α-ヒドロキシ酸である〔5〕に記載の重合体の製造方法。
以下、本製造方法について詳細に説明する。
(重合方法)
本製造方法における重合工程では、金属化合物及びリン化合物の存在下、ビニル系単量体の重合が行われる。重合方法は特に制限されるものではなく、公知のラジカル重合法のいずれの方法であってもよい。具体的には、溶液重合法及びバルク重合法等の均一系の重合方法であってもよく、沈殿重合法、懸濁重合法(例えば、逆相懸濁重合法が挙げられる)及び乳化重合法等の不均一系の重合方法であってもよい。これらの内、逆相懸濁重合法は、親水性の(架橋)重合体微粒子を効率的に製造する場合に好適な重合方法である。
また、逆相懸濁重合法では、分散安定剤の種類、及び量、又は攪拌回転数等を変更することによって、得られる微粒子の粒子径を調整することができる。
逆相懸濁重合法に用いる重合開始剤は、熱分解型重合開始剤、またはレドックス型重合開始剤等、公知の重合開始剤を使用することが可能であるが、レドックス型重合開始剤を使用することが好ましい。レドックス反応は低温での重合開始が可能であり、重合反応液中のビニル系単量体濃度を高くすること、また重合速度を大きくすることが可能となるため、生産性、および生成重合体の分子量を高くすることが可能となる。
また、油溶性酸化剤と水溶性還元剤を使用するレドックス型重合開始剤を使用した場合、凝集粒子の発生が抑制され、粒度分布の狭い重合体微粒子が得られる傾向があるため、特に好ましい。
油溶性酸化剤の使用量は、ビニル系単量体の合計量100モルに対して0.001モル~0.15モルであることが好ましく、特に好ましくは0.003モル~0.07モルである。
また、油溶性酸化剤と水溶性還元剤の比率は特に限定されないが、モル比率で油溶性酸化剤:水溶性還元剤が1.0:0.25~1.0:15.0であることが好ましく、特に好ましくは1.0:1.0~1.0:10.0である。
上記範囲内であると、単量体の反応率が向上し、粒子を構成する重合体の鎖長が長くなったり、重合終了後の触媒の残存が抑制されたりするなどによって、凝集物の発生が抑制される。
本発明の逆相懸濁重合法においては、分散安定剤を使用することができる。
分散安定剤の具体例としては、マクロモノマー型分散安定剤、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のノニオン性界面活性剤が挙げられる。上記の分散安定剤は、1種のみを単独で用いてよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
分散安定剤の使用量は、良好な分散安定性を維持しながら、粒径の揃った親水性重合体微粒子を得る観点から、ビニル系単量体の合計100質量部に対して、0.1質量部~50質量部であることが好ましく、0.2質量部~20質量部であることがより好ましく、0.5質量部~10質量部であることが更に好ましい。分散安定剤の使用量が、0.1質量部以上であると、ビニル系単量体および生成した重合体微粒子の分散安定性が良好になり、生成した重合体微粒子同士の凝集、沈降、粒径のばらつき等が生じにくくなる。一方、分散安定剤の使用量が50質量部以下であると、副生微粒子(1μm以下)の生成量が少なくなる傾向にある。
逆相懸濁重合法に用いるビニル系単量体としては、ラジカル重合性のビニル系単量体であればいずれでもよく、特に制限されない。ビニル系単量体としては、例えば、カルボキシル基、アミノ基、リン酸基、スルホン酸基、アミド基、水酸基、4級アンモニウム基などの親水性基を有する親水性ビニル系単量体を使用することができる。
親水性ビニル系単量体の使用量は、ビニル系単量体総量に対し、好ましくは50質量%以上100質量%以下である。親水系ビニル系単量体の使用量は、70質量%以上であってもよく、80質量%以上であってもよく。90質量%以上であってもよく、95質量%以上であってもよい。親水系ビニル系単量体の使用量は、99.9質量%以下であってもよく、99.8質量%以下であってもよく、99.5質量%以下であってもよく、99質量%以下であってもよく、98質量%以下であってもよく。95質量%以下であってもよい。
したがって、本明細書における「ビニル系単量体」は、単官能ビニル系単量体および多官能ビニル系単量体の総称である。
金属化合物を使用することにより重合温度の急激な上昇を抑制又は低減することができ、重合温度を所望の範囲に制御することが可能となる。
金属化合物としては、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、銅及び亜鉛等の遷移金属、並びに反応相においてこれらの金属イオンを生じる遷移金属化合物を用いることができる。これらの内でも、重合温度の制御がより容易となる点で、銅及び銅化合物が好ましい。具体的な銅化合物としては、酢酸第一銅、酢酸第二銅、硫酸第一銅、硫酸第二銅、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅及び臭化第二銅等の無機銅化合物、並びに、安息香酸銅、チオシアン酸銅及びチオフェン-2-カルボン酸銅等の有機銅化合物が挙げられる。これらの化合物は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
反応相中における金属化合物の濃度は、原料として用いた当該金属化合物の使用量から計算によって求められる他、ICP(誘導結合プラズマ)発光分析により測定することもできる。
リン化合物を使用することにより重合安定性が向上するため、例えば製品のろ過性を改善することができる。
上記リン化合物としては特段の制限はなく、公知の無機リン化合物及び有機リン化合物を使用することができる。無機リン化合物としては、例えば、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、メタリン酸、ピロリン酸及びトリポリリン酸等、並びにそれらの塩が挙げられる。有機リン化合物としては、エタンジホスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸及びリン酸ビス(4-ニトロフェニル)等の有機リン酸化合物、並びにそれらの塩が挙げられる。これらの化合物は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
反応相中におけるリン化合物の濃度は、原料として用いた当該リン化合物の使用量から計算によって求められる他、ICP(誘導結合プラズマ)発光分析により測定することもできる。
本製造方法では、重合工程におけるビニル系単量体の重合は、さらにキレート剤の存在下に行うことができる。キレート剤を使用した場合、重合安定性をさらに向上する効果が得られることから好ましい。
キレート剤としては特に制限はなく、公知のキレート剤を使用することができる。具体的には、エチレンジアミン四酢酸及びトリエチレンテトラミン六酢酸等のアミノカルボン酸系キレート剤、並びに、α-ヒドロキシ酸又はその塩が挙げられる。これらの化合物は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
反応相中におけるキレート剤の濃度は、原料として用いた当該キレート剤の使用量から計算によって求めることができる。
重合工程の重合温度は、使用する単量体の種類及び濃度等の条件にもよるが、20℃~150℃が好ましく、40℃~100℃がより好ましい。重合温度は一定であってもよいし、重合工程の期間において変化するものであってもよい。また、重合時間は1分間~10時間が好ましく、10分間~5時間がより好ましく、30分間~2時間がさらに好ましい。
重合工程では、一種又は二種以上の重合反応を行うことができる。
上記重合工程を経て得られた重合体反応液は、そのまま溶液又は分散液等の状態で使用することも可能であるが、その後必要に応じて脱溶媒工程を設け、溶剤等の揮発成分を留去することにより重合体の粉末を得ることもできる。
脱溶媒工程では、重合体反応液を加熱及び/又は減圧処理し、溶媒等を留去することにより該重合体の乾燥粉末を得ることができる。加熱条件は留去する溶媒の種類及び用いる装置等により異なるが、一般に40℃~200℃程度であり、60℃~150℃程度が好ましい。また、減圧する場合は、1kPa~100kPa程度の条件を採用することができ、好ましくは10kPa~70kPaである。
なお、以下において「篩ON量」とは、濾過の後に篩の上に残った量を意味する。
コンデンサー、傾斜翼を備えた攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えた3000mlフラスコにノルマルヘプタン481g、乳化剤としてモノオレイン酸ソルビタン(花王株式会社製 商品名AO-10V)6.5gを投入し、撹拌及び溶解した。その後、フラスコを内温15℃に維持して油相を調製した。これとは別の容器でアクリル酸133gに25%アンモニア水91gを加えて中和液を調製し、これにポリエチレングリコールジアクリレート(東亞合成株式会社製 商品名アロニックス M-243L)11gを加え、水相を調製した。ICP発光分析によりこの水相中のCu及びPの濃度を測定した処、共に検出限界(10ppb)以下であった。尚、「アロニックス」は東亞合成株式会社の登録商標である。
窒素吹き込み下、内温15℃で油相を撹拌しながら、上記で調製した水相を投入した。水相投入後の内温を15℃に調整した後、ハイドロサルファイトナトリウム(富士フイルム和光純薬株式会社製)0.12gを、イオン交換水4.6gを用いて流し込み、更にクメンハイドロパーオキサイト(日本油脂株式会社製 商品名パークミルH)0.1gを添加した。直ちに重合が開始され、内温は62.0℃に達した。重合開始時の温度とピーク温度との差(△t)は47.0℃と算出された(△t=62.0-15.0=47.0℃)。
その後、フラスコを冷却し、目開き75μmのJIS標準篩(JIS Z8801(ISO 3310)に準拠)で濾過した処、篩ON量は330ppmであった。これを光学顕微鏡で観察した処、真球粒子でない、意図しない異形粒子が確認された(図1参照)。
重合開始温度を15℃から12℃に変更した以外は、比較例1と同様の操作を行った。重合開始後の内温は58.8℃に達し、△tは46.8℃と算出された(△t=58.8-12.0=46.8℃)。目開き75μmのJIS標準篩で濾過した処、篩ON量は250ppmであったが、光学顕微鏡観察により異形粒子が確認された。
コンデンサー、傾斜翼を備えた攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えた3000mlフラスコにノルマルヘプタン481g、AO-10Vを6.5g投入し、撹拌及び溶解した。その後、フラスコを内温15℃に維持して油相を調製した。これとは別の容器でアクリル酸133gに25%アンモニア水91gを加えて中和液を調製し、これにアロニックス M-243Lを11g加え、更に硫酸第二銅・2水和物(富士フイルム和光純薬株式会社製)を水相中のCu濃度が59ppbとなる様に添加した。
窒素吹き込み下、内温15℃で油相を撹拌しながら、上記で調製した水相を投入した。水相投入後の内温を15℃に調整した後、ハイドロサルファイトナトリウム0.12gを、イオン交換水4.6gを用いて流し込み、更にパークミルH0.1gを添加した。直ちに重合が開始され、内温は58.6℃に達した。重合開始時の温度とピーク温度との差(△t)は43.6℃と算出された(△t=58.6-15.0=43.6℃)。
その後、フラスコを冷却し、目開き75μmのJIS標準篩で濾過した処、篩ON量は1110ppmと多量であった。光学顕微鏡観察では、凝集粒子は見られたものの、異形粒子は確認されなかった(図2参照)。
コンデンサー、傾斜翼を備えた攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えた3000mlフラスコにノルマルヘプタン481g、AO-10Vを6.5g投入し、撹拌及び溶解した。その後、フラスコを内温15℃に維持して油相を調製した。これとは別の容器でアクリル酸133gに25%アンモニア水91gを加えて中和液を調製し、これにアロニックス M-243Lを11g加え、更に硫酸第二銅・2水和物及び次亜リン酸ナトリウム・1水和物(それぞれ富士フイルム和光純薬株式会社製)を水相中のCu濃度が12ppb、P濃度が59ppbとなる様に添加した。
窒素吹き込み下、内温15℃で油相を撹拌しながら、上記で調製した水相を投入した。水相投入後の内温を15℃に調整した後、ハイドロサルファイトナトリウム0.12gを、イオン交換水4.6gを用いて流し込み、更にパークミルH0.1gを添加した。直ちに重合が開始され、内温は58.8℃に達した。重合開始時の温度とピーク温度との差(△t)は43.8℃と算出された(△t=58.8-15.0=43.8℃)。
その後、フラスコを冷却し、目開き75μmのJIS標準篩で濾過した処、篩ON量は120ppmであった。光学顕微鏡観察では異形粒子は認められず、極少量の凝集粒子が確認されるのみであった。
水相中のCu濃度、P濃度をそれぞれ12ppb、118ppbに調整した以外は実施例1と同様の操作を行った。内温のピーク温度は60.4℃であり、△tは45.4℃と算出された(△t=60.4-15.0=45.4℃)。
目開き75μmのJIS標準篩で濾過した処、篩ON量は40ppmと少量であり、光学顕微鏡観察では異形粒子は認められず、凝集粒子の存在も確認できなかった。
水相中のCu濃度、P濃度をそれぞれ61ppb、18ppbに調整した以外は実施例1と同様の操作を行った。内温のピーク温度は59.1℃であり、△tは44.1℃と算出された(△t=59.1-15.0=44.1℃)。
目開き75μmのJIS標準篩で濾過した処、篩ON量は230ppmであり、光学顕微鏡観察では異形粒子は認められず、極少量の凝集粒子が確認されるのみであった。
コンデンサー、傾斜翼を備えた攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えた3000mlフラスコにノルマルヘプタン481g、AO-10Vを6.5g投入し、撹拌及び溶解した。その後、フラスコを内温15℃に維持して油相を調製した。これとは別の容器でアクリル酸133gに25%アンモニア水91gを加えて中和液を調製し、これにアロニックス M-243Lを11g加え、更に硫酸第二銅・2水和物、次亜リン酸ナトリウム・1水和物及びクエン酸・1水和物(それぞれ富士フイルム和光純薬株式会社製)を水相中のCu濃度が35ppb、P濃度が119ppb、クエン酸濃度が105ppbとなる様に添加した。
窒素吹き込み下、内温15℃で油相を撹拌しながら、上記で調製した水相を投入した。水相投入後の内温を15℃に調整した後、ハイドロサルファイトナトリウム0.12gを、イオン交換水4.6gを用いて流し込み、更にパークミルH0.1gを添加した。直ちに重合が開始され、内温は59.5℃に達した。重合開始時の温度とピーク温度との差(△t)は44.5℃と算出された(△t=59.5-15.0=44.5℃)。
その後、フラスコを冷却し、目開き75μmのJIS標準篩で濾過した処、篩ON分は認められなかった。
水相中のCu濃度、P濃度及びクエン酸濃度をそれぞれ53ppb、45ppb及び82ppbに調整した以外は実施例4と同様の操作を行った。内温のピーク温度は58.8℃であり、△tは43.8℃と算出された(△t=58.8-15.0=43.8℃)。
目開き75μmのJIS標準篩で濾過した処、篩ON量は60ppmと少量であり、光学顕微鏡観察では異形粒子は認められず、極少量の凝集粒子が確認されるのみであった。
水相中のCu濃度、P濃度をそれぞれ175ppb、18ppbに調整した以外は実施例1と同様の操作を行った。内温のピーク温度は57.4℃であり、△tは42.4℃と算出された(△t=57.4-15.0=42.4℃)。
目開き75μmのJIS標準篩で濾過した処、篩ON量は390ppmであり、光学顕微鏡観察では異形粒子は認められず、少量の凝集粒子が確認されるのみであった。
水相中のCu濃度、P濃度をそれぞれ35ppb、164ppbに調整した以外は実施例1と同様の操作を行った。内温のピーク温度は59.1℃であり、△tは44.1℃と算出された(△t=59.1-15.0=44.1℃)。
目開き75μmのJIS標準篩で濾過した処、篩ON量は280ppmであり、光学顕微鏡観察では異形粒子は認められず、少量の凝集粒子が確認されるのみであった。
コンデンサー、傾斜翼を備えた攪拌機、温度計、及び窒素導入管を備えた3000mlフラスコにノルマルヘプタン481g、AO-10Vを6.5g投入し、撹拌及び溶解した。その後、フラスコを内温15℃に維持して油相を調製した。これとは別の容器でアクリル酸133gに25%アンモニア水91gを加えて中和液を調製し、これにアロニックス M-243Lを11g加え、、更に硫酸第二銅・2水和物及び次亜リン酸ナトリウム・1水和物(それぞれ富士フイルム和光純薬株式会社製)を水相中のCu濃度が450ppb、P濃度が20ppbとなる様に添加した。
窒素吹き込み下、内温15℃で油相を撹拌しながら、上記で調製した水相を投入した。水相投入後の内温を15℃に調整した後、ハイドロサルファイトナトリウム0.12gを、イオン交換水4.6gを用いて流し込み、更にパークミルH0.1gを添加した。直ちに重合が開始され、内温は50.5℃に達した。重合開始時の温度とピーク温度との差(△t)は35.5℃と算出された(△t=50.5-15.0=35.5℃)。
その後、フラスコを冷却し、目開き75μmのJIS標準篩で濾過した処、篩ON量は2000ppmと多量であった。光学顕微鏡観察では、異形粒子ではないものの凝集した粒子が確認された。
Claims (5)
- 金属化合物及びリン化合物の存在下、ビニル系単量体の重合を行う重合工程を備え、
前記重合工程は、懸濁重合法によりビニル系単量体の重合を行う工程を含み、
前記金属化合物の濃度は、反応相中における金属濃度として300ppb以下である、重合体の製造方法。 - 前記ビニル系単量体は、カルボキシル基を有するビニル系単量体を含む請求項1に記載の重合体の製造方法。
- 前記金属化合物は銅化合物である請求項1又は2に記載の重合体の製造方法。
- 前記重合工程における前記ビニル系単量体の重合は、さらにキレート剤の存在下に行われる請求項1~3のいずれか1項に記載の重合体の製造方法。
- 前記キレート剤は、αヒドロキシ酸である請求項4に記載の重合体の製造方法。
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