JP2008208375A - (メタ)アクリル酸系単量体と不飽和ポリアルキレングリコール系単量体の共重合体組成物およびその製造方法 - Google Patents
(メタ)アクリル酸系単量体と不飽和ポリアルキレングリコール系単量体の共重合体組成物およびその製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】S=(ポリマーに含まれるS量)/(全S量)×100で定義される硫黄元素導入量S値が3以上であることを特徴とする不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体組成物。
【選択図】 なし
Description
しかしながら、上記特許文献1に開示されている技術では、(メタ)アクリル酸単量体と不飽和ポリアルキレングリコール系単量体との共重合体の場合において、重合濃度を20質量%程度まで下げなければ、重合体の分子量が増大してしまい、場合によってはゲル化してしまうという問題が生じうる。 また、上記特許文献2または特願2002−180455号に記載されている技術は、低分子量の重合体を高濃度で製造することが可能であるものの、主に(メタ)アクリル酸系単量体を用いて重合体を製造する技術であるため、得られる重合体は、液体洗剤への相溶性が不十分である。
このように、従来の技術においては、色相が良く、液体洗剤への相溶性,分散能,耐ゲル化性に優れた低分子量の重合体を、高濃度で効率よく製造することにおいてさらなる改善の余地がある。
また、本発明が解決しようとする課題は、液体洗剤との相溶性や分散能に優れ、色相が良い、不飽和ポリアルキレングリコール系重合体組成物の製造方法において、高濃度で生産性良く重合できる、不飽和ポリアルキレングリコール系重合体組成物の製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明の目的は、下記(1)〜(10)の(メタ)アクリル酸系単量体と不飽和ポリアルキレングリコール系単量体の共重合体組成物およびその製造方法、並びに該組成物を用いてなる用途である洗剤ビルダーおよび洗剤組成物,セメント添加剤により達成されるものである。
(2)単量体Bがアリルアルコールにアルキレンオキサイドを付加させてなる不飽和ポリアルキレングリコールである請求項1記載の重合体組成物。
(3)(メタ)アクリル酸系単量体Aとアリルアルコールにアルキレンオキサイドを付加させてなる不飽和ポリアルキレングリコール系単量体Dおよび単量体A、Dに共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体Cを共重合した重合体であって、末端に硫黄酸素酸を持ち、S=(ポリマーに含まれるS量)/(全S量)×100で定義される硫黄元素導入量S値が3以上であることを特徴とする重合体組成物。
40質量%水溶液の色相(b値)が2以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の重合体組成物。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載の重合体組成物の製造方法であって、開始剤として過硫酸塩および重亜硫酸塩をそれぞれ1種類以上組み合わせて用いることを特徴とする製造方法。
(6)過硫酸塩/重亜硫酸塩が重量比で0.1〜10で、その2つの合計が単量体1molあたり1〜30gの範囲で(メタ)アクリル酸系単量体と(1)又は(2)に記載の単量体B、あるいは(3)に記載の単量体Dを必須に含む単量体成分を共重合した重合体組成物の製造方法。
(7)(1)〜(4)のいずれかに記載の重合体組成物を含有してなる洗剤用ビルダー。
(8)(1)〜(4)のいずれかに記載の重合体組成物を含有してなる液体洗剤用ビルダー。
(9)(1)〜(4)のいずれかに記載の重合体組成物を含有してなる洗剤組成物。
(1)〜(4)のいずれかに記載の重合体組成物を含有してなるセメント添加剤
本発明に係る不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体組成物は、S=(ポリマーに含まれるS量)/(全S量)×100で定義される硫黄元素導入量S値が3以上であることを特徴とするものである。とりわけ、(メタ)アクリル酸系単量体Aとアルキレンオキサイドの繰り返し単位が6以上300以下である不飽和ポリアルキレングリコール系単量体B、またはアリルアルコールにアルキレンオキサイドを付加させてなる不飽和ポリアルキレングリコール系単量体Dおよび単量体A、B、Dに共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体Cを含む単量体組成物を水溶液中で重合してなる不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体であって、末端にスルホン酸基等の硫黄含有基を有する。
すなわち、分散能、キレート能に加えて、耐ゲル性にも優れた低分子量の水溶性重合体である。不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体組成物において、硫黄元素導入量S値を3以上とするには、製造過程で重合温度と中和度を所定の範囲でコントロールすれば達成可能であることを見出し、これにより多量の亜硫酸ガスの発生を抑制し、さらに不純物の発生を抑制することができ、こうした製造過程を経て得られる硫黄元素導入量S値が3以上の不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体組成物では、不純物が極めて少なく、該不純物に起因する性能低下を格段に低く抑えることができ、また水溶液形態での低温保存時の不純物の析出も格段に低く抑えることができ、従来の不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体水溶液に比べて無色透明で色調も良好であるなど、より一層の性能向上を図ることができるものである。
したがって、本発明の不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体組成物には、精製されてなる不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体だけの場合も当該組成物に含まれるものとする。このように、本発明の不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体組成物は、上記硫黄元素導入量S値を満足するものであればよく、その名称に拘泥されることなく最も広義に解釈されるべきものであり、単に不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体組成物だけに狭く解釈(制限)されるべきものではない。すなわち、製造工程の簡素化の観点からは、重合により得られた不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体を含む水溶液をそのまま、分散剤やスケール防止剤、洗剤ビルダーなどとして利用するのが望ましい。また、輸送コスト低減の観点からは、水溶液のようにかさばる形態ではなく、固形物として輸送し、分散剤やスケール防止剤、洗剤ビルダーなどとして配合する際に、必要に応じて水溶液化してもよい。また、製品の品質安定化、保存安定性の観点からは、重合により得られた不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体を含む水溶液から不純物を取り除いた形で製品化してもよいなど、使用用途に応じて適宜最適な形態や成分組成にすればよいといえる。
また、本発明に係る不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体組成物の色相(b値)は、2以下。好ましくは1.5以下であるのが望ましく、黄〜褐色を帯びた従来技術の不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体組成物に比べて無色透明性に優れるものである。そのため、洗剤のようにほぼ白色である製品では、一般消費者(利用者)が品定めする上で、洗剤の色調までも考慮に入れられることはよくあることであり、洗剤自体に黄色を帯びているようなものよりも無色透明性に優れるものが商品力が高いものとなっていることから、無色透明性に優れることは極めて有利である。
ここで、Ca捕捉能が200以上の場合、ゲル化度q値は、0.1未満、好ましくは0.095未満であることが望ましい。また、Ca捕捉能が200未満の場合、耐ゲル能Q値は、30以上、好ましくは35以上、より好ましくは40以上であることが望ましい。該q値が0.1以上の場合、あるいは該Q値が、30以下の場合には、耐ゲル能が十分でないために、その使用用途が制限される場合がある。なお、該q値の下限あるいは該Q値の上限に関しては特に制限されるべきものではない。
なお、不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体またはその水溶液の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)の測定方法については、後述する実施例にて説明する。
また、本発明に係る不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体組成物の中和度の範囲は、特に制限されるべきものではなく、利用目的に応じて適宜調整すればよく、1〜100%、好ましくは20〜99%、より好ましくは50〜95%の範囲である。
また、本発明の不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体組成物は、上記硫黄元素導入量S値の要件を具備し、さらに30〜99質量%の(メタ)アクリル酸系単量体と、1〜70質量%不飽和ポリアルキレングリコール系単量体、0〜60質量%の上記単量体に共重合可能な水溶性モノエチレン性不飽和単量体とを含む単量体組成物(ただし、(メタ)アクリル酸系単量体、不飽和ポリアルキレングリコール系単量体および上記単量体に共重合可能な水溶性モノエチレン性不飽和単量体の質量%の合計は100とする。)を水溶液中で重合してなる重合体であって、末端や主鎖にスルホン酸基等の硫黄含有基を有する不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体を含む水溶液であることが望ましい。かかる要件を満足する不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体組成物では、重合体末端や側鎖にスルホン酸基等の硫黄含有基を有していることから、低分子量の重合体とはいえ、従来の耐ゲル性を有する重合体に比べて分子量が比較的大きくなっているにも関わらず、上記従来の重合体以上の良好な耐ゲル性を示すことができる。さらに、不純物が少なく重合体組成物が潜在的(本来的)に持ち得る分散能、キレート能および耐ゲル性などの高い性能を低下させることなく最大限に引き出させることができる優れた低分子量の水溶性重合体とすることができ、分散剤やスケール防止剤、洗剤ビルダーなどの用途に好適に用いることができる。なお、本発明の不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体組成物は、必ずしも30〜99質量%の(メタ)アクリル酸系単量体と、1〜70質量%不飽和ポリアルキレングリコール系単量体、0〜60質量%の上記単量体に共重合可能な水溶性モノエチレン性不飽和単量体とを含む単量体組成物(ただし、(メタ)アクリル酸系単量体、不飽和ポリアルキレングリコール系単量体および上記単量体に共重合可能な水溶性モノエチレン性不飽和単量体の質量%の合計は100とする。)を水溶液中で重合してなる重合体であって、末端や主鎖にスルホン酸基等の硫黄含有基を有する要件を外れるものであっても、上記硫黄元素導入量S値の要件を満足することができるものであれば、本発明の作用効果を奏することができるものである。例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸、そのコポリマーなど、後述する単量体Cに例示される単量体とのコポリマーなどの不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体水溶液についても、本発明の上記硫黄元素導入量S値の要件を満足するものであれば、本発明に含まれるものである。
上記単量体A成分としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、(メタ)アクリル酸をナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属により部分中和した塩、または完全中和した塩;アンモニアあるいはモノエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの有機アミン類により部分中和した塩、または完全中和した塩が挙げられる。これらは、1種単独であってもよいし、双方を併用してもよいが、好ましくは、アクリル酸単独もしくはアクリル酸とメタクリル酸とを所定比率で混合してなる混合物を用いるのが望ましい。
上記単量体組成物中の単量体Aの配合量は、単量体組成物全量に対して、30〜99質量%、好ましくは40〜99質量%、より好ましくは50〜99質量%の範囲である。該単量体Aの配合量が30質量%未満の場合には、キレート能と分散能をバランスよく発現させることができない。
また、上記単量体Bにおいて炭素数2〜18のアルキレンオキサイドとしては、スチレンオキサイド、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等を挙げることができるが、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを用いるのが好ましい。エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを併用する場合、その結合順序に制限はない。
エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドの付加mol数が6mol以下の場合、アルキレンオキサイドが付加していない不飽和アルコールが多く存在することもあり、液体洗剤への相溶性に悪影響を与える恐れがあるため、好ましくない。また、300molを超えた場合、本発明の効果の向上は見られず、単に多量の添加量が必要となるだけとなり、好ましくない。
また、上記単量体Dにおいて炭素数2〜18のアルキレンオキサイドとしては、スチレンオキサイド、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等を挙げることができるが、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを用いるのが好ましい。エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを併用する場合、その結合順序に制限はない。
上記モノエチレン性不飽和単量体Cとしては、特に限定されないが、例えば、スチレン;スチレンスルホン酸;酢酸ビニル;(メタ)アクリロニトリル;(メタ)アクリルアミド;メチル(メタ)アクリレート;エチル(メタ)アクリレート;ブチル(メタ)アクリレート;2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート;アリルアルコール;3−メチル−3−ブテン−1−オール;3−メチル−2−ブテン−1−オール;2−メチル−3−ブテン−2−オール;3−(メタ)アクリロキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン;3−(メタ)アクリロキシ−1,2−ジ(ポリ)オキシエチレンエーテルプロパン;3−(メタ)アクリロキシ−1,2−ジ(ポリ)オキシプロピレンエーテルプロパン;3−(メタ)アクリロキシ−1,2−ジヒドロキシプロパンホスフェートおよびその1価金属塩、2価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、または、炭素数1〜4のアルキル基のモノもしくはジエステル;3−(メタ)アクリロキシ−1,2−ジヒドロキシプロパンサルフェートおよびその1価金属塩、2価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、または、炭素数1〜4のアルキル基のエステル;3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸およびその1価金属塩、2価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、または、炭素数1〜4のアルキル基のエステル;3−(メタ)アクリロキシ−2−(ポリ)オキシエチレンエーテルプロパンスルホン酸およびその1価金属塩、2価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、または、炭素数1〜4のアルキル基のエステル;3−(メタ)アクリロキシ−2−(ポリ)オキシプロピレンエーテルプロパンスルホン酸およびその1価金属塩、2価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、または、炭素数1〜4のアルキル基のエステル;3−アリロキシプロパン−1,2−ジオール;3−アリロキシプロパン−1,2−ジオールホスフェート;3−アリロキシプロパン−1,2−ジオールスルホネート;3−アリロキシプロパン−1,2−ジオールサルフェート;3−アリロキシ−1,2−ジ(ポリ)オキシエチレンエーテルプロパン;3−アリロキシ−1,2−ジ(ポリ)オキシエチレンエーテルプロパンホスフェート;3−アリロキシ−1,2−ジ(ポリ)オキシエチレンエーテルプロパンスルホネート;3−アリロキシ−1,2−ジ(ポリ)オキシプロピレンエーテルプロパン;3−アリロキシ−1,2−ジ(ポリ)オキシプロピレンエーテルプロパンホスフェート;3−アリロキシ−1,2−ジ(ポリ)オキシプロピレンエーテルプロパンスルホネート;6−アリロキシヘキサン−1,2,3,4,5−ペンタオール;6−アリロキシヘキサン−1,2,3,4,5−ペンタオールホスフェート;6−アリロキシヘキサン−1,2,3,4,5−ペンタオールスルホネート;6−アリロキシヘキサン−1,2,3,4,5−ペンタ(ポリ)オキシエチレンエーテルヘキサン;6−アリロキシヘキサン−1,2,3,4,5−ペンタ(ポリ)オキシプロピレンエーテルヘキサン;ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3−アリロキシ−2−(ポリ)オキシエチレンプロパンスルホン酸、3−アリロキシ−2−(ポリ)オキシプロピレンプロパンスルホン酸およびなどのスルホン酸基を有するモノエチレン性不飽和単量体その1価金属塩、2価金属塩、アンモニウム塩、もしくは、有機アミン塩、または、これらの化合物のリン酸エステルもしくは硫酸エステルおよびそれらの1価金属塩、2価金属塩、アンモニウム塩、または、有機アミン塩; (メタ)アクリル酸、クロトン酸、α−ヒドロキシアクリル酸などのモノエチレン性不飽和脂肪族モノカルボン酸;上記モノエチレン性不飽和脂肪族モノカルボン酸をアルカリ金属により部分中和した塩、または完全中和した塩;上記モノエチレン性不飽和脂肪族モノカルボン酸をアンモニア、あるいはモノエタノールアミンやトリエタノールアミンなどの有機アミン類により部分中和した塩、または完全中和した塩;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などのモノエチレン性不飽和脂肪族ジカルボン酸;上記モノエチレン性不飽和脂肪族ジカルボン酸をアルカリ金属により部分中和した塩、または完全中和した塩;上記モノエチレン性不飽和脂肪族ジカルボン酸をアンモニア、あるいはモノエタノールアミンやトリエタノールアミンなどの有機アミン類により部分中和した塩、または完全中和した塩などを挙げることができるが特に限定されるものではない。
ここで、上記単量体組成物を水溶液中で重合する際に重合反応系に用いられる溶媒としては、水、アルコール、グリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール類などの水性の溶媒であることが好ましく、特に好ましくは水である。これらは1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。また、上記単量体組成物の溶媒への溶解性を向上させるために、各単量体の重合に悪影響を及ぼさない範囲で有機溶媒を適宜加えてもよい。
上記溶媒の使用量としては、単量体組成物全量に対して40〜200質量%、好ましくは45〜180質量%、より好ましくは50〜150質量%の範囲である。該溶媒の使用量が10質量%未満の場合には、分子量が高くなってしまう。一方、該溶媒の使用量が200質量%を超える場合には、製造された不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体の濃度が低くなり、必要によっては溶媒除去が必要となる。なお、該溶媒の多くまたは全量は、重合初期に反応容器内に仕込んでおけばよいが、溶媒の一部については、単独で重合中に反応系内に適当に添加(滴下)するようにしてもよいし、あるいは単量体成分や開始剤成分やその他の添加剤を予め溶媒に溶解させた形で、これらの成分と共に重合中に反応系内に適当に添加(滴下)するようにしてもよい。
また、開始剤の1種である重亜硫酸塩を上記溶媒、好ましくは水に溶解して重亜硫酸塩の溶液(好ましくは水溶液)の形態で添加してもよい。該重亜硫酸塩溶液(好ましくは水溶液)として用いる場合の濃度としては、10〜40質量%、好ましくは20〜40質量%、より好ましくは30〜40質量%である。ここで、重亜硫酸塩溶液の濃度が10質量%未満の場合には、製品の濃度が低下してしまい、輸送および保管が繁雑となる。一方、重亜硫酸塩溶液の濃度が40質量%を超える場合には、重亜硫酸塩が析出するおそれがある。
また、本発明の製造方法では、上記単量体組成物の重合反応は、酸性条件下で行うのが望ましい。酸性条件下で行うことによって、重合反応系の水溶液の粘度の上昇を抑制し、低分子量の不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体を良好に製造することができる。しかも、従来よりも高濃度の条件下で重合反応を進行させることができるため、製造効率を大幅に上昇させることができる点で極めて有利である。特に、重合中の中和度を1〜25mol%と低くすることで、上記開始剤量低減による効果を相乗的に高めることができるものであり、不純物の低減効果を格段に向上させることができる点で望ましく、さらに重合中の反応溶液の25℃でのpHが1〜6となるように調整するのが望ましい。このような酸性条件下で重合反応を行うことにより、高濃度かつ一段で重合を行うことができる。そのため、従来の製造方法では場合によっては必要であった濃縮工程を省略することができる。それゆえ、不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体水溶液の生産性が大幅に向上し、製造コストの上昇も抑制することが可能となる。
ここで、重合反応が終了した時点(重合時間終了時点)とは、全ての滴下成分の滴下が終了した時点であってもよいが、好ましくはその後、所定の熟成時間を経過し(重合が完結し)た時点を言うものとする。
なお、本発明のセメント添加剤においては、上記不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体組成物以外の他の組成成分や配合比率に関しては、特に制限されるべきものではなく、従来公知のスケール防止剤に有効に適用されてなる各種成分およびその配合比率に基づき、本発明の作用効果を損なわない範囲で、適宜適用(利用)することができるものである。
本発明の不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体組成物の配合量が1質量%未満であると添加効果が現れず、また20質量%を超えるともはや添加した効果が洗浄力の向上につながらず経済的にも不利となり好ましくない。また、洗剤組成物の主剤である界面活性剤の量が上記の範囲を外れると、他の成分とのバランスが崩れ洗剤組成物の洗浄力に悪影響を及ぼす恐れがあり好ましくない。酵素を配合した場合、洗浄力の向上に寄与するが、5質量%を超えると、もはや添加した効果が現れず経済的にも不利となり好ましくない。
界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤およびカチオン界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、これらの界面活性剤は1種または2種以上使用することができる。2種以上使用する場合にはアニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤を合わせた使用量は、活性剤全体に対して50質量%以上が好ましく、60質量%以上が更に好ましく、70質量%以上が特に好ましく、80質量%以上が最も好ましい。
カチオン界面活性剤としては、特には限定されないが、例えば、第4級アンモニウム塩等を挙げることができる。
さらに、本発明の洗剤組成物には、必要に応じて、公知のアルカリビルダー、キレートビルダー、再付着防止剤、ソイルリリース剤、色移り防止剤、柔軟剤、可溶化剤、蛍光剤、漂白剤、漂白助剤、香料等の洗剤組成物に常用される成分を配合してもよい。また、ゼオライトを配合してもよい。
なお、該洗剤組成物には、家庭用洗剤の合成洗剤、繊維工業その他の工業用洗剤、硬質表面洗浄剤のほか、その成分の1つの働きを高めた漂白洗剤など特定の用途にのみ用いられる洗剤組成物も含まれるものとする。
(実施例)
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、実施例および比較例に記載の「%」は、特に断りがなければ「質量%」を示す。
また、本発明にかかる不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体組成物の
(1)ポリマーに含まれるS量、全S量およびこれらを測定するのに用いる透析法
(2)重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)
(3)耐ゲル能を求めるのに用いるゲル化度
(4)色相(b値)
(5)Ca補足能
(6)クレー分散能
(7)液体洗剤への相溶性
は、以下に示す方法により測定または定量した。
重合により得られた不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体組成物の透析処理前後のS量を誘導結合プラズマ(Inductively Coupled Plasma,ICP)発光分光分析法によって定量した。ここで、透析処理前の不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体組成物のS量を「全S量」とし、透析処理後の不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体のS量を「ポリマーに含まれるS量」とした。以下にここでの透析法につき説明する。
1.重合により得られた不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体組成物につき、適量の純水を加えて、固形分濃度30質量%の(メタ)アクリル酸系重合体組成物を調製し、これを透析膜40cm(長さ)中に20g入れ密閉した。透析膜にはSpectra/Por Membrane MWCO:1000 分画分子量1000(SPECTRUM LABORATORIES INC製)を用いた(なお、本発明では、当該透析膜と同程度の分画分子量を有するものであればよい。)。
2.これを2リットルビーカーに入った2000gの純水に浸し、スターラーで攪拌した。
3.6時間後、ビーカーから透析膜を取り出し、透析膜の外側を水でよく洗い流した後、透析膜の中身を取り出した。
4.これをエヴァポレーターで濃縮したものを透析処理後の不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体組成物サンプルとした。
なお、透析処理前の不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体組成物サンプルには、上記1.の重合により得られた不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体組成物を上記4.と同様にしてエヴァポレーターで濃縮したものを用いた。
不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体組成物の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、共にGPC(ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー)により測定した。測定条件、装置などは以下の通りである。
装置:日立社製L−7000シリーズ
検出器:RI
カラム:SHODEX社製 Asahipak GF310−HQ,GF710−HQ,GF−1G 7B
カラム温度:40℃
検量線:創和科学株式会社製 POLYACRYLIC ACID STANDARD
GPCソフト:日本分光社製BORWIN
溶離液:0.1M酢酸バッファー(pH8.0)/アセトニトリル=3/1(重量比)
(3)ゲル化度(q値)の測定
ゲル化度qの測定においては、まず、ホウ酸緩衝溶液、塩化カルシウム水溶液、および1%重合体溶液を調製した。ホウ酸緩衝溶液は、ホウ酸7.42g、塩化ナトリウム1.75gおよびホウ酸ナトリウム10水和物7.63gに純水を加えて全量を1000gとしたものである。塩化カルシウム水溶液は、塩化カルシウム2水和物1.47gに純水を加えて全量を2500gとしたものである。ここで、上記1%重合体水溶液には、上記(1)の透析法1.の重合により得られた不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体組成物を適量の水で希釈して固形分濃度1質量%に調整したものを用いた。
次に、上記各溶液を所定の順序および所定の量で500mlのトールビーカーに仕込んだ。この所定の順序および所定の量を示すと、第一番目として純水250mlを仕込み、第二番目としてホウ酸緩衝溶液10mlを仕込み、第三番目として1%重合体水溶液5mlを仕込み、最後に塩化カルシウム水溶液250mlを仕込んだ。
この順序で仕込まれた各溶液を混合することにより、1%重合体水溶液に含まれる重合体をゲル化させて試験液とした。試験液を仕込んだトールビーカーに蓋をして、あらかじめ90℃に調整しておいた恒温槽に該トールビーカーを1時間静置した。1時間経過後、直ちに試験液を5cmの石英セルに入れ、UV波長380nmにおける吸光度aを測定した。
一方、上記試験液として仕込まれる四つの成分のうち、塩化カルシウム水溶液250mlを純水250mlに代えてブランク溶液とした。このブランク溶液に対して、上記試験液と同様の操作を行い、UV波長380nmでブランク溶液の吸光度(ブランク値)bを測定した。そして、上記吸光度aおよびブランク値bから、ゲル化度q=a−bとして算出した。
重合体または重合体水溶液を純水で希釈、または濃縮し、重合体濃度が40質量%になるように調整する。日本電色工業社製測色色差計ND−1001DPを用い、調整した水溶液の透過測定を行うことにより、Lab値のb値を測定した。b値は、正の数の方向で、大きいほど水溶液の黄色が濃くなる。
検量線用カルシウムイオン標準液として、塩化カルシウム2水和物を用いて、0.01mol/l、0.001mol/l、0.0001mol/lの水溶液を50g調製し、4.8%NaOH水溶液でpH9〜11の範囲に調製し、更に4mol/lの塩化カリウム水溶液(以下4M−KCl水溶液と略す)を1ml添加し、更にマグネチックスターラーを用いて十分に攪拌して検量線用サンプル液を作製した。また、試験用カルシウムイオン標準液として、同じく塩化カルシウム2水和物を用いて、0.001mol/lの水溶液を必要量(1サンプルにつき50g)調製した。
次いで、100ccビーカーに試験サンプル(重合体)を固形分換算で10mg秤量し、上記の試験用カルシウムイオン標準液50gを添加し、マグネチックスターラーを用いて十分に攪拌した。更に、検量線用サンプルと同様に、4.8%NaOH水溶液でpH9〜11の範囲に調製し、4M―KCl水溶液を1ml添加して、試験用サンプル液を作製した。
この様にして、作製した検量線用サンプル液、試験用サンプル液を平沼産業株式会社製滴定装置COMTITE−550を用いて、オリオン社製カルシウムイオン電極93−20,比較電極90−01により測定を行なった。
検量線及び試験用のサンプル液の測定値より、サンプル(重合体)が捕捉したカルシウムイオン量を計算により求め、その値を重合体固形分1gあたりの捕捉量を炭酸カルシウム換算のmg数で表し、この値をカルシウムイオン捕捉能値とした。
グリシン67.56g、塩化ナトリウム52.6g、NaOH2.4gに純水を加え、600gとした(これをバッファー・とする)。バッファー・60gに塩化カルシウム二水和物0.3268gを加え、更に純水を加え、1000gとした(これをバッファー・とする)。測定対象の共重合体の0.1重量%水溶液(固形分重量換算)4gに、バッファー・を36g加え、攪拌し分散液とした。試験管(IWAKI GLASS製:直径18mm、高さ180mm)にクレー(社団法人日本粉体工業技術協会製、試験用ダスト8種)0.3gを入れた後、上記の分散液を30g加え、密封する。
試験管を振り、クレーを均一に分散させた。その後、試験管を暗所に20時間静置した。20時間後、分散液の上澄みを5cc取り、UV分光器(島津製作所、UV−1200;1cmセル、波長380nm)で吸光度を測定した。この値が大きいほど、クレイ分散性が高いことを示す。
下記実施例で得られた新規共重合体を含む洗剤組成物について、液体洗剤に対する相溶性の評価を行った。
すなわち、実施例で得られた新規共重合体及び以下の成分を用いて各種洗剤組成物を調整した。各成分が均一になる様に充分に攪拌し、25℃での濁度値を測定した。濁度値は、日本電色株式会社製NDH2000(濁度計)を用いてTurbidity(カオリン濁度mg/l)を測定した。
評価結果は次の3段階を基準とした。
○:濁度値(0〜50(mg/l))、目視で分離、沈殿又は白濁していない。
△:濁度値(50〜200(mg/l))、目視で僅かに白濁している。
×:濁度値(200(mg/l)以上)、目視で白濁している。
洗剤配合:
SFT−70H(ソフタノール70H、日本触媒社製、ポリオキシエチレンアルキルエーテル);11g
ネオペレックスF−65(花王株式会社製、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム);32g
ジエタノールアミン;10g
エタノール;5g
プロピレングリコール;15g
実施例で得られた新規共重合体および比較重合体;1.5g
純水;バランス
実施例1
還流冷却器、攪拌機を備えた容量2.5リットルのSUS製セパラブルフラスコに、純水145.0gを仕込み(初期仕込)、攪拌下、90℃まで昇温した。
次いで攪拌下、約90℃一定状態の重合反応系中に80%アクリル酸水溶液(以下、80%AAと略す)180.0g(2.00mol)、48%水酸化ナトリウム(以下、48%NaOHと称す)8.33g(0.10mol)、80%3−メチル−3−ブテン−1−オールにエチレンオキサイドを10mol付加した不飽和アルコール(以下80%IPN−10と称す)328.8g(0.50mol)、15%過硫酸ナトリウム水溶液(以下15%NaPSと略す)66.7g(対単量体投入量(ここで、単量体投入量とは、単量体組成物の全ての投入量をいう。以下同様とする。)に換算すると4.0g/mol)、35%重亜硫酸ナトリウム水溶液(以下、35%SBSと略す)57.1g(対単量体投入量に換算すると8.0g/mol)、純水100gをそれぞれ別個の滴下ノズルより滴下した。それぞれの滴下時間は、80%AA、48%NaOHを180分間、80%IPN−10を170分間、35%SBSを175分間、15%NaPS、純水を210分間とした。また、それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。
滴下終了後、さらに30分間に渡って反応溶液を90℃に保持して熟成し重合を完結せしめた。重合の完結後、反応溶液を放冷し、48%水酸化ナトリウム水溶液75.0g(すなわち0.90mol)を攪拌下、反応溶液に徐々に滴下して中和した。このようにして、固形分濃度が45質量%、最終中和度が50mol%の不飽和ポリアルキレングリコール系共重合体組成物(以下、重合体組成物(1)とする)を得た。重合処方を下記表1にまとめた。
得られた重合体組成物(1)を用いて、その分子量、S、b、Q値、カルシウム捕捉能、クレー分散能、液体洗剤への相溶性を測定した結果を下記表12,14に示す。
実施例1と同様に重合した。重合処方を下記表1および表2にまとめた。
得られた重合体組成物(2)〜(8)を用いて、それぞれの分子量、S、b、Q値、カルシウム捕捉能、クレー分散能、液体洗剤への相溶性を測定した結果を下記表12、14に示す
80%IPN−10の代わりに50%3−メチル−3−ブテン−1−オールにエチレンオキサイドを50mol付加した不飽和アルコール(以下50%IPN−50と称す)を使用する以外は、実施例1と同様に重合した。重合処方を下記表3にまとめた。
得られた重合体組成物(9)〜(10)を用いて、それぞれの分子量、S、b、Q値、カルシウム捕捉能、クレー分散能、液体洗剤への相溶性を測定した結果を下記表12、14に示す。
80%IPN−10の代わりに80%アリルアルコールにエチレンオキサイドを5mol付加した不飽和アルコール(以下80%PEA−5と称す)を使用する以外は、実施例1と同様に重合した。重合処方を下記表4にまとめた。
得られた重合体組成物(11)を用いて、それぞれの分子量、S、b、Q値、カルシウム捕捉能、クレー分散能、液体洗剤への相溶性を測定した結果を下記表12、14に示す。
80%IPN−10の代わりに80%アリルアルコールにエチレンオキサイドを10mol付加した不飽和アルコール(以下80%PEA−10と称す)を使用する以外は、実施例1と同様に重合した。重合処方を下記表5にまとめた。
得られた重合体組成物(12)〜(17)を用いて、それぞれの分子量、S、b、Q値、カルシウム捕捉能、クレー分散能、液体洗剤への相溶性を測定した結果を下記表12、14に示す。
80%IPN−10の代わりに80%アリルアルコールにエチレンオキサイドを15mol付加した不飽和アルコール(以下80%PEA−15)と称す)を使用する以外は、実施例1と同様に重合した。重合処方を下記表6にまとめた。
得られた重合体組成物(18)、(19)を用いて、それぞれの分子量、S、b、Q値、カルシウム捕捉能、クレー分散能、液体洗剤への相溶性を測定した結果を下記表12、14に示す。
80%IPN−10の代わりに60%アリルアルコールにエチレンオキサイドを25mol付加した不飽和アルコール(以下60%PEA−25)と称す)を使用する以外は、実施例1と同様に重合した。重合処方を下記表7にまとめた。
得られた重合体組成物(20)〜(24)を用いて、それぞれの分子量、S、b、Q値、カルシウム捕捉能、クレー分散能、液体洗剤への相溶性を測定した結果を下記表12、14に示す。
80%IPN−10の代わりに60%アリルアルコールにエチレンオキサイドを35mol付加した不飽和アルコール(以下60%PEA−35)と称す)を使用する以外は、実施例1と同様に重合した。重合処方を下記表8にまとめた。
得られた重合体組成物(25)〜(27)を用いて、それぞれの分子量、S、b、Q値、カルシウム捕捉能、クレー分散能、液体洗剤への相溶性を測定した結果を下記表12、14に示す。
80%IPN−10の代わりに50%アリルアルコールにエチレンオキサイドを50mol付加した不飽和アルコール(以下50%PEA−50)と称す)を使用する以外は、実施例1と同様に重合した。重合処方を下記表9にまとめた。
得られた重合体組成物(28)〜(30)を用いて、それぞれの分子量、S、b、Q値、カルシウム捕捉能、クレー分散能、液体洗剤への相溶性を測定した結果を下記表12、14に示す。
3種類目の単量体成分として無水マレイン酸(以下100%MAと称す)を使用する以外は、実施例1と同様に重合した。重合処方を下記表10にまとめた。
得られた重合体組成物(31)を用いて、それぞれの分子量、R、Q値、カルシウム捕捉能を測定した結果を下記表12、14に示す。
3種類目の単量体成分として100%メタクリル酸(以下100%MAAと称す)を使用する以外は、実施例1と同様に重合した。重合処方を下記表11にまとめた。
得られた重合体組成物(32)を用いて、それぞれの分子量、S、b、Q値、カルシウム捕捉能、クレー分散能、液体洗剤への相溶性を測定した結果を下記表12、14に示す。
攪拌機、冷却管、温度計、窒素導入管、滴下ロートを備えた、1000mlセパラブルフラスコに、63.87重量%のIPN−10水溶液200gを仕込み窒素置換後、攪拌しながら65℃まで昇温した。所定の温度になった時点で30重量%の過酸化水素水1.58gを一括で投入した。その後、100重量%のアクリル酸32.61g、2.1重量%のL−アスコルビン酸水溶液29.29g、3重量%メルカプトプロピオン酸水溶液17.22gをそれぞれ滴下した。ただし、アクリル酸モノマーとメルカプトプロピオン酸は、60分かけての滴下で、L−アスコルビン酸は90分かけて滴下した。L−アスコルビン酸水溶液の滴下終了後、同温度で120分間熟成し重合を完結させ、比較重合体(1)を得た。
得られた比較重合体(1)を用いて、その分子量、S、b、Q値、カルシウム捕捉能、クレー分散能、液体洗剤への相溶性を測定した結果を下記表13,14に示す。
攪拌機、冷却管、温度計、窒素導入管、滴下ロートを備えた、500mlセパラブルフラスコに、純水167.24gを仕込み窒素置換後、攪拌しながら95℃まで昇温した。所定の温度になった時点で3重量%の過硫酸アンモニウム水溶液28.9g、50重量%のIPN−25水溶液82.67g、80%アクリル酸水溶液8.25gと40%アクリル酸アンモニウム48.75g混合した水溶液をそれぞれ滴下した。ただし、IPN−25とアクリル酸モノマーは、120分かけての滴下で、過硫酸アンモニウム水溶液は150分かけて滴下した。IPN−25とアクリル酸モノマーの滴下終了後、同温度で30分間熟成し重合を完結させ、重合後、28%アンモニア水1.5g加えることで、比較重合体(2)を得た。
得られた比較重合体(2)を用いて、その分子量、S、b、Q値、カルシウム捕捉能、クレー分散能、液体洗剤への相溶性を測定した結果を下記表13,14に示す。
攪拌機、冷却管、温度計、窒素導入管、滴下ロートを備えた、500mlセパラブルフラスコに、純水174.2gを仕込み窒素置換後、攪拌しながら100℃まで昇温した。所定の温度になった時点で3重量%の過硫酸ナトリウム水溶液32.5g、50重量%のIPN−10水溶液82.67g、80%アクリル酸水溶液8.25gと37%アクリル酸ナトリウム56.2g混合した水溶液をそれぞれ滴下した。ただし、IPN−10とアクリル酸モノマーは、120分かけての滴下で、過硫酸ナトリウム水溶液は150分かけて滴下した。IPN−10とアクリル酸モノマーの滴下終了後、同温度で30分間熟成し重合を完結させ、重合後、48%水酸化ナトリウム7.43g加えることで、比較重合体(3)を得た。
得られた比較重合体(3)を用いて、その分子量、S、b、Q値、カルシウム捕捉能、クレー分散能、液体洗剤への相溶性を測定した結果を下記表13,14に示す。
攪拌機、冷却管、温度計、窒素導入管、滴下ロートを備えた、1000mlセパラブルフラスコに、純水312.9gを仕込み窒素置換後、攪拌しながら100℃まで昇温した。所定の温度になった時点で10重量%の過硫酸ナトリウム水溶液68.9g、80重量%のIPN−10水溶液32.5g、80%アクリル酸水溶液15.6gと37%アクリル酸ナトリウム332.1g混合した水溶液をそれぞれ滴下した。ただし、IPN−10とアクリル酸モノマーは、120分かけての滴下で、過硫酸ナトリウム水溶液は150分かけて滴下した。IPN−10とアクリル酸モノマーの滴下終了後、同温度で30分間熟成し重合を完結させ、比較重合体(4)を得た。
得られた比較重合体(4)を用いて、その分子量、S、b、Q値、カルシウム捕捉能、クレー分散能、液体洗剤への相溶性を測定した結果を下記表13,14に示す。
攪拌機、冷却管、温度計、窒素導入管、滴下ロートを備えた、1000mlセパラブルフラスコに、純水385.6gを仕込み窒素置換後、攪拌しながら100℃まで昇温した。所定の温度になった時点で10重量%の過硫酸ナトリウム水溶液29.4g、60重量%のPEA−10水溶液124.3g、80%アクリル酸水溶液28.0gと37%アクリル酸ナトリウム185.2g混合した水溶液をそれぞれ滴下した。ただし、PEA−10とアクリル酸モノマーは、120分かけての滴下で、過硫酸ナトリウム水溶液は150分かけて滴下した。PEA−10とアクリル酸モノマーの滴下終了後、同温度で30分間熟成し重合を完結させ、比較重合体(5)を得た。
得られた比較重合体(5)を用いて、その分子量、S、b、Q値、カルシウム捕捉能、クレー分散能、液体洗剤への相溶性を測定した結果を下記表13,14に示す。
Claims (5)
- (メタ)アクリル酸系単量体Aとポリアルキレンオキサイドの繰り返し単位が6以上300以下である不飽和ポリアルキレングリコール系単量体Bを含有する単量体組成物を25〜99℃で共重合した重合体を含む重合体組成物あって、
該重合体は末端に硫黄酸素酸を持ち、
S=(ポリマーに含まれるS量)/(全S量)×100で定義される硫黄元素導入量S値が3以上であることを特徴とする重合体組成物。 - 請求項1に記載の重合体組成物の製造方法であって、開始剤として過硫酸塩および重亜硫酸塩をそれぞれ1種類以上組み合わせて用いることを特徴とする製造方法。
- 請求項1に記載の重合体組成物を含有してなる洗剤用ビルダー。
- 請求項1に記載の重合体組成物を含有してなる洗剤組成物。
- 請求項1に記載の重合体組成物を含有してなるセメント添加剤。
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