JP7256943B2 - フォークモジュールおよびフォークモジュール用治具並びに変速機の組立て方法 - Google Patents

フォークモジュールおよびフォークモジュール用治具並びに変速機の組立て方法 Download PDF

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Description

本発明は、シフトノブの操作に応じて所望のギヤ比を確立するように作動可能なフォークモジュール、および、コントロールロッドと第1および第2フォークロッドとを所定の位置関係で位置決め可能なフォークモジュール用治具並びにシフトノブの操作に応じて所望のギヤ比を確立し、確立した当該ギヤ比をもって動力を伝達可能な変速機の組立て方法に関する。
特開平5-209684号公報(特許文献1)には、1速-2速用のシフトフォーク、3速-4速用のシフトフォーク、および、オーバードライブ-リバース用のシフトフォークのそれぞれに挿通された各フォークロッドをサブフレームを用いて結合したフォークモジュールが記載されている。
当該フォークモジュールでは、各フォークロッドが、サブフレームに設けられたディテント機構によって、一定の位置関係に位置決めされているため、ギヤ列を構成する各ギヤや同期装置等が組付けられたメインシャフトおよびカウンタシャフトを、各ギヤ列の対応するギヤが噛み合うように互いに結合させたギヤモジュールに、フォークモジュールを組付ける際に、各シフトフォークを各同期装置の対応するスリーブに容易に係合させることができる。これにより、組立作業の容易化が図られている。
特開平5-209684号公報
ところで、各フォークロッドをシフト操作およびセレクト操作するためには、コントロールロッドが必要であり、ギヤモジュールとフォークモジュールとを一体化した内部機構全体ユニットをケースに組付ける際には、当該コントロールロッドも同時に組付ける必要性が生じる場合もある。しかしながら、上述した公報に記載のフォークモジュールでは、当該コントロールロッドの組付けについては、何ら言及がされておらず、変速機の組立作業性のさらなる向上という点において、なお改良の余地がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、変速機の組立作業性のさらなる向上に資する技術を提供することを目的とする。
本発明のフォークモジュールおよびフォークモジュール用治具並びに変速機の組立て方法は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係るフォークモジュールの好ましい形態によれば、シフトノブの操作に応じて所望のギヤ比を確立するように作動可能なフォークモジュールが構成される。当該フォークモジュールは、シフトノブが接続可能なコントロールブラケットを有するコントロールロッドと、当該コントロールロッドに一体にされたシフトセレクトレバーと、当該コントロールロッドに平行に配置される第1フォークロッドと、当該第1フォークロッドに固定された第1シフトフォークと、シフトセレクトレバーが係合可能な第1凹部を有する第1フォークブラケットと、コントロールロッドおよび第1フォークロッドに平行に配置される第2フォークロッドと、当該第2フォークロッドに固定された第2シフトフォークと、シフトセレクトレバーが係合可能な第2凹部を有する第2フォークブラケットと、コントロールロッドと第1および第2フォークロッドとを支持する支持部材と、フォークモジュール用治具と、を備えている。コントロールロッドは、シフトノブのシフト操作に応じて軸線方向に移動すると共にシフトノブのセレクト操作に応じて回転する。第1および第2フォークブラケットは、それぞれ第1および第2フォークロッドに固定されている。そして、フォークモジュール用治具は、コントロールロッドの軸線方向におけるシフトセレクトレバーの位置と,第1および第2フォークロッドの軸線方向における第1および第2凹部の位置と,が一致するようにコントロールロッドと第1および第2フォークロッドとを軸線方向に位置決めする。また、フォークモジュール用治具は、コントロールロッドの回転方向におけるコントロールブラケットの回転方向の位置が第1位置となるようにコントロールロッドを回転方向に位置決めする。さらに、フォークモジュール用治具は、第1および第2凹部が整合して第1および第2フォークロッドの軸線方向に直交状の一条の凹溝が構成されるように第1および第2フォークロッドを回転方向に位置決めする。
本発明によれば、コントロールブラケットおよびシフトセレクトレバーを有するコントロールロッドと、第1および第2フォークブラケットおよび第1および第2シフトフォークを有する第1および第2フォークロッドと、を所定の位置関係に位置決めすることができるため、コントロールロッドを含むフォークモジュールのギヤモジュールやケースへの組付け性を向上することができる。これにより、変速機の組立作業性のさらなる向上を図ることができる。
本発明に係るフォークモジュールの更なる形態によれば、フォークモジュール用治具は、本体部と、当該本体部に一体にされた第1,第2および第3挟持部と、本体部に一体にされた係合腕と、本体部に一体にされた第1および第2回転規制部と、を有している。第1および第2挟持部は、コントロールロッドの軸線方向におけるシフトセレクトレバーの両側においてコントロールロッドを挟持可能である。係合腕は、第1および第2凹部に係合可能に第1および第2挟持部の間に配置されている。第1回転規制部は、第1シフトフォークまたは第1フォークブラケットに当接して、第1フォークブラケットが第2フォークブラケットから遠ざかる方向に第1フォークロッドが回転することを規制する。第2回転規制部は、第2シフトフォークまたは第2フォークブラケットに当接して、第2フォークブラケットが第1フォークブラケットから遠ざかる方向に第2フォークロッドが回転することを規制する。第3挟持部は、第1または第2フォークロッドを挟持可能である。そして、第1および第2挟持部がコントロールロッドを挟持すると共に係合腕が第1および第2凹部に係合されることによって、コントロールロッドの軸線方向におけるシフトセレクトレバーの位置と,第1および第2フォークロッドの軸線方向における第1および第2凹部の位置と,が一致するようにコントロールロッドと第1および第2フォークロッドとが軸線方向に位置決めされる。また、第1回転規制部が第1シフトフォークまたは第1フォークブラケットに当接すると共に第2回転規制部が第2シフトフォークまたは第2フォークブラケットに当接することによって、第1および第2凹部が整合して第1および第2フォークロッドの軸線方向に直交状の一条の凹溝が構成されるように第1および第2フォークロッドが回転方向に位置決めされる。さらに、第1および第2挟持部がコントロールロッドを挟持すると共に第3挟持部が第1または第2フォークロッドを挟持することによって、コントロールブラケットが第1位置となるようにコントロールロッドが回転方向に位置決めされる。
本形態によれば、第1および第2フォークロッドをシフト操作およびセレクト操作するためのコントロールロッドと、第1および第2フォークブラケットおよび第1および第2シフトフォークを有する第1および第2フォークロッドと、を簡易な構成で所定の位置関係に位置決めすることができる。
本発明に係るフォークモジュールの更なる形態によれば、第1および/または第2フォークロッドは、当該第1および/または第2フォークロッドの軸線方向に交差する方向に突出する第1および/または第2突出片を有している。また、第1および/または第2シフトフォークは、円筒状の第1および/または第2ボスを介して第1および/または第2フォークロッドに固定されている。さらに、フォークモジュール用治具は、第1および/または第2突出片に当接可能に本体部に一体にされた第1および/または第2当接片をさらに有している。そして、第1および第2挟持部がコントロールロッドを挟持すると共に第3挟持部が第1または第2フォークロッドを挟持した際に、第1および/または第2当接片が第1および/または第2フォーロッドの軸線方向における第1方向から第1および/または第2突出片に当接すると共に、第1および/または第2ボスが第1方向から支持部材に当接することによって、第1および/または第2フォークロッドが軸線方向に位置決めされる。
本形態によれば、第1および/または第2フォークロッドの第1および/または第2突出片がフォークモジュール用治具の第1および/または第2当接片に当接されると共に、第1および/または第2シフトフォークの第1および/または第2ボスが支持部材に当接される構成、より具体的には、第1および/または第2フォークロッドの第1および/または第2突出片と第1および/または第2シフトフォークの第1および/または第2ボスとの間に、フォークモジュール用治具の第1および/または第2当接片と支持部材とを挟み込んだ状態で、第1および/または第2当接片が第1および/または第2突出片に当接されると共に第1および/または第2ボスが支持部材に当接される構成であるため、第1および/または第2フォークロッドの軸線方向の位置決めをより正確かつ確実に行うことができる。
本発明に係るフォークモジュールの更なる形態によれば、フォークモジュール用治具は、第1および第2挟持部によるコントロールロッドの挟持を解除する際に、コントロールロッドの回転方向におけるコントロールブラケットの回転方向の位置を第2位置にすると共にシフトセレクトレバーが第1および第2凹部と所定の係合状態となるようにコントロールロッドを回転させる。
本形態によれば、フォークモジュールをギヤモジュールやケースに組付ける際には、フォークモジュール用治具によってコントロールロッドを組付けに必要な姿勢、即ち、コントロールブラケットが第1位置となるようにコントロールロッドを回転方向に位置決めしておき、フォークモジュールのギヤモジュールやケースへの組付けが完了した際には、フォークモジュール用治具のコントロールロッドへの係合解除に伴って、コントロールロッドを使用時に必要な姿勢、即ち、コントロールブラケットが第2位置となるようにコントロールロッドを回転させることができる。これにより、フォークモジュールの組付け性の向上と、変速機として機能させるうえで必要なコントロールロッドの要求姿勢の確保と、の両立を図ることができる。
本発明に係るフォークモジュールの更なる形態によれば、シフトセレクトレバーが第1および第2凹部の両方に同時に係合することを防止するために、コントロールロッドに配置されたインターロックをさらに備えている。当該インターロックは、第1および第2凹部に係合可能なようにコントロールロッドの回転方向におけるシフトセレクトレバーの両側に配置された第1および第2係合片と、当該第1および第2係合片をコントロールロッドに支持する支持部と、を有している。そして、支持部は、コントロールロッドが軸線方向へ移動自在、かつ、第1および第2係合片がコントロールロッドと一体回転可能なように第1および第2係合片をコントロールロッドに支持している。
本形態によれば、インターロックを有するフォークモジュールにおける本発明の効果をより顕著なものとすることができる。
本発明に係るフォークモジュールの更なる形態によれば、係合腕は、コントロールロッドが第1および第2挟持部によって挟持されると共に第1または第2フォークロッドが第3挟持部によって挟持されたときに、インターロックに当接して、コントロールブラケットが第1位置となるまでコントロールロッドを回転させることができる長さを有している。
本形態によれば、コントロールブラケットおよびシフトセレクトレバーを含むコントロールロッド、第1フォークブラケットおよび第1シフトフォークを含む第1フォークロッド、および、第2フォークブラケットおよび第2シフトフォークを含む第2フォークロッドにフォークモジュール用治具を係合するのみで、コントロールブラケットが第1位置となるまでコントロールロッドを回転させることができる。
本発明に係るフォークモジュールの更なる形態によれば、フォークモジュール用治具は、当該フォークモジュール用治具に対する相対回転を規制した状態で支持部を挟持する第4挟持部をさらに備えている。
本形態によれば、フォークモジュール用治具に対するコントロールロッドの相対回転を規制することができる。これにより、コントロールロッドと、第1および第2フォークロッドと、をより確実に所定の位置関係に位置決めすることができる。
本発明に係るフォークモジュール用治具の好ましい形態によれば、シフトノブのセレクト操作に応じて回転すると共にシフトノブのシフト操作に応じて軸線方向に移動するコントロールロッドと、第1フォークロッドと、第2フォークロッドと、を所定の位置関係で位置決め可能なフォークモジュール用治具が構成される。コントロールロッドは、シフトノブが接続可能なコントロールブラケットと、シフトセレクトレバーと、が一体にされている。第1フォークロッドは、第1シフトフォークと、シフトセレクトレバーが係合可能な第1凹部を有する第1フォークブラケットと、が一体にされている。第2フォークロッドは、第2シフトフォークと、シフトセレクトレバーが係合可能な第2凹部を有する第2フォークブラケットと、が一体にされている。そして、当該フォークモジュール用治具は、コントロールロッドの軸線方向におけるシフトセレクトレバーの軸線方向の位置と、第1および第2フォークロッドの軸線方向における第1および第2凹部の軸線方向の位置と、が一致するようにコントロールロッドと第1および第2フォークロッドとを軸線方向に位置決めする。また、フォークモジュール用治具は、コントロールロッドの回転方向におけるコントロールブラケットの回転方向の位置が第1位置となるようにコントロールロッドを回転方向に位置決めする。さらに、フォークモジュール用治具は、第1および第2凹部によって第1および第2フォークロッドの軸線方向に直交状の一条の凹溝が構成されるように第1および第2フォークロッドを回転方向に位置決めする。
本発明によれば、コントロールブラケットおよびシフトセレクトレバーを有するコントロールロッドと、第1および第2フォークブラケットおよび第1および第2シフトフォークを有する第1および第2フォークロッドと、を所定の位置関係に位置決めすることができるため、コントロールロッドを含むフォークモジュールのギヤモジュールやケースへの組付け性を向上することができる。これにより、変速機の組立作業性のさらなる向上を図ることができる。
本発明に係るフォークモジュール用治具の更なる形態によれば、本体部と、当該本体部に一体にされた第1,第2および第3挟持部と、本体部に一体にされた係合腕と、本体部に一体にされた第1回転規制部および第2回転規制部と、を有している。第1および第2挟持部は、コントロールロッドの軸線方向におけるシフトセレクトレバーの両側においてコントロールロッドを挟持可能である。係合腕は、第1および第2凹部に係合可能に第1および第2挟持部の間に配置されている。第1回転規制部は、第1シフトフォークまたは第1フォークブラケットに当接して第1フォークブラケットが第2フォークブラケットから遠ざかる方向に第1フォークロッドが回転することを規制する。第2回転規制部は、第2シフトフォークまたは第2フォークブラケットに当接して第2フォークブラケットが第1フォークブラケットから遠ざかる方向に第2フォークロッドが回転することを規制する。第3挟持部は、第1または第2フォークロッドを挟持可能である。そして、第1および第2挟持部がコントロールロッドを挟持すると共に係合腕が第1および第2凹部に係合されることによって、コントロールロッドの軸線方向におけるシフトセレクトレバーの位置と,第1および第2フォークロッドの軸線方向における第1および第2凹部の位置と,が一致するようにコントロールロッドと第1および第2フォークロッドとが軸線方向に位置決めされる。また、第1回転規制部が第1シフトフォークまたは第1フォークブラケットに当接すると共に第2回転規制部が第2シフトフォークまたは第2フォークブラケットに当接することによって、第1および第2凹部が整合して第1および第2フォークロッドの軸線方向に直交状の一条の凹溝が構成されるように第1および第2フォークロッドが回転方向に位置決めされる。さらに、第1および第2挟持部がコントロールロッドを挟持すると共に第3挟持部が第1または第2フォークロッドを挟持することによって、コントロールブラケットが第1位置となるようにコントロールロッドが回転方向に位置決めされる。
本形態によれば、第1および第2フォークロッドをシフト操作およびセレクト操作するためのコントロールロッドと、第1および第2フォークブラケットおよび第1および第2シフトフォークを有する第1および第2フォークロッドと、を簡易な構成で所定の位置関係に位置決めすることができる。
本発明に係るフォークモジュール用治具の更なる形態によれば、第1および第2挟持部によるコントロールロッドの挟持を解除する際に、コントロールロッドの回転方向におけるコントロールブラケットの回転方向の位置を第2位置にすると共にシフトセレクトレバーが第1および第2凹部と所定の係合状態となるようにコントロールロッドを回転させる。
本形態によれば、フォークモジュールをギヤモジュールやケースに組付ける際には、フォークモジュール用治具によってコントロールロッドを組付けに必要な姿勢、即ち、コントロールブラケットが第1位置となるようにコントロールロッドを回転方向に位置決めしておき、フォークモジュールのギヤモジュールやケースへの組付けが完了した際には、フォークモジュール用治具のコントロールロッドへの係合解除に伴って、コントロールロッドを使用時に必要な姿勢、即ち、コントロールブラケットが第2位置となるようにコントロールロッドを回転させることができる。これにより、フォークモジュールの組付け性の向上と、変速機として機能させるうえで必要なフォークモジュールの要求姿勢の確保と、の両立を図ることができる。
本発明に係る変速機の組立て方法の好ましい形態によれば、シフトノブの操作に応じて所望のギヤ比を確立し、確立した該ギヤ比をもって動力を伝達可能な変速機の組立て方法が構成される。当該変速機の組立て方法では、(a)第1または第2回転軸に支持された第1遊転歯車および/または第2遊転歯車と、第2または第1回転軸に支持された第1固定歯車および/または第2固定歯車と、を噛み合わせることによってギヤモジュールを構成し、(b)シフトノブが接続可能なコントロールブラケットとシフトセレクトレバーとが一体にされたコントロールロッドと、第1シフトフォークとシフトセレクトレバーが係合可能な第1凹部を有する第1フォークブラケットとが一体にされた第1フォークロッドと、第2シフトフォークとシフトセレクトレバーが係合可能な第2凹部を有する第2フォークブラケットとが一体にされた第2フォークロッドと、を支持部材に挿通し、(c)コントロールロッドの軸線方向におけるシフトセレクトレバーの位置と,第1および第2フォークロッドの軸線方向における第1および第2凹部の位置と,が一致するようにコントロールロッドと第1および第2フォークロッドとを軸線方向に位置決めすると共に、コントロールロッドの回転方向におけるコントロールブラケットの回転方向の位置が第1位置となるようにコントロールロッドを回転方向に位置決めし、かつ、第1および第2凹部が整合して第1および第2フォークロッドの軸線方向に直交状の一条の凹溝が構成されるように第1および第2フォークロッドを回転方向に位置決めしてフォークモジュールを構成し、(d)第1および第2シフトフォークを第1または第2回転軸に支持された第1同期装置および/または第2同期装置に係合させることによって、フォークモジュールをギヤモジュールに組付けて変速機構モジュールを構成し、(e)当該変速機構モジュールをケースに組付ける。
本発明によれば、コントロールブラケットおよびシフトセレクトレバーを有するコントロールロッドと、第1および第2フォークブラケットおよび第1および第2シフトフォークを有する第1および第2フォークロッドと、を所定の位置関係に位置決めすることができるため、コントロールロッドを含むフォークモジュールのギヤモジュールへの組付け性、および、フォークモジュールおよびギヤモジュールからなる変速機構モジュールのケースへの組付け性を向上することができる。これにより、変速機の組立作業性のさらなる向上を図ることができる。
本発明に係る変速機の組立て方法の更なる形態によれば、ステップ(c)は、コントロールブラケットおよびシフトセレクトレバーを含むコントロールロッド、第1フォークブラケットおよび第1シフトフォークを含む第1フォークロッド、および、第2フォークブラケットおよび第2シフトフォークを含む第2フォークロッドに、フォークモジュール用治具を係合させることによって、フォークモジュールを構成するステップである。そして、(f)コントロールロッド,第1フォークロッドおよび第2フォークロッドと、フォークモジュール用治具と、の係合を解除する際、コントロールロッドの回転方向におけるコントロールブラケットの回転方向の位置が第2位置となるようにコントロールロッドを回転させるステップをさらに備えている。
本形態によれば、フォークモジュールをギヤモジュールやケースに組付ける際には、フォークモジュール用治具によってコントロールロッドを組付けに必要な姿勢、即ち、コントロールブラケットが第1位置となるようにコントロールロッドを回転方向に位置決めしておき、フォークモジュールのギヤモジュールやケースへの組付けが完了した際には、フォークモジュール用治具のコントロールロッドへの係合解除に伴って、コントロールロッドを使用時に必要な姿勢、即ち、コントロールブラケットが第2位置となるようにコントロールロッドを回転させることができる。これにより、フォークモジュールの組付け性の向上と、変速機として機能させるうえで必要なフォークモジュールの要求姿勢の確保と、の両立を図ることができる。
本発明によれば、変速機の組立作業性のさらなる向上を図ることができる。
本発明の実施の形態に係る変速機1の構成の概略を示す概略構成図である。 変速操作機構20の外観を示す斜視図である。 変速操作機構20の外観を示す斜視図である。 変速操作機構20の外観を示す斜視図である。 インターロック40の構成の概略を示す概略構成図である。 台座60の外観を示す外観図である。 エクステンションケース12の外観を示す斜視図である。 エクステンションケース12の側面図である。 エクステンションケース12を凹部12aの開口方向から見た正面図である。 アダプタープレート14の平面図である。 ギヤモジュール70にフォークモジュール72を組み付けた状態を示す説明図である。 フォークモジュール72の外観を示す斜視図である。 フォークモジュール72の外観を示す斜視図である。 フォークロッド26a,26b,26c,26dおよびコントロールロッド28の軸線方向の位置関係を示す説明図である。 フォークモジュール用治具80の外観を示す斜視図である。 フォークモジュール用治具80の外観を示す斜視図である。 フォークモジュール用治具80の外観を示す斜視図である。 フォークモジュール用治具80の外観を示す外観図である。 フォークモジュール用治具80の外観を示す外観図である。 フォークモジュール用治具80の外観を示す外観図である。 コントロールロッド挟持部86,86によるコントロールロッド28の挟持の状態およびインターロック挟持部84,84による第1および第2支持片44a,44bの挟持の状態を示す説明図である。 フォークモジュール用治具80によるコントロールロッド28およびフォークロッド26a,26b,26c,26dの軸線方向の位置決めと、インターロック40およびシフトフォーク22a,22b,22c,22dの回転方向の位置決めの様子を示す説明図である。 フォークモジュール用治具80によるコントロールロッド28およびフォークロッド26a,26b,26c,26dの軸線方向の位置決めと、インターロック40およびシフトフォーク22a,22b,22c,22dの回転方向の位置決めの様子を示す説明図である。 フォークモジュール用治具80によるコントロールロッド28およびフォークロッド26a,26b,26c,26dの軸線方向の位置決めと、インターロック40およびシフトフォーク22a,22b,22c,22dの回転方向の位置決めの様子を示す説明図である。 フォークモジュール用治具80によるコントロールロッド28およびフォークロッド26a,26b,26c,26dの軸線方向の位置決めと、インターロック40およびシフトフォーク22a,22b,22c,22dの回転方向の位置決めの様子を示す説明図である。 フォークモジュール用治具80によるコントロールロッド28およびフォークロッド26a,26b,26c,26dの軸線方向の位置決めと、インターロック40およびシフトフォーク22a,22b,22c,22dの回転方向の位置決めが完了した状態を示す説明図である。 フォークロッド26cの回転規制および突出部32aの回転方向の位置決めの様子を示す説明図である。 フォークロッド26cの回転規制および突出部32aの回転方向の位置決めの様子を示す説明図である。 フォークロッド26cの回転規制および突出部32aの回転方向の位置決めの様子を示す説明図である。 変速機構モジュール74をエクステンションケース12に組み付けた状態を示す説明図である。 変速機構モジュール74をエクステンションケース12に組み付けたときの突出部32aの回転方向の位置を示す説明図である。 フォークモジュール用治具80が取り外されたときの突出部32aの回転方向の位置を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための最良の形態を、実施例を用いて説明する。
本実施の形態に係る変速機1は、フロントエンジン・リヤドライブ(FR)式の車両に搭載されるFR車用の手動変速機として構成されており、図1に示すように、入力軸2と、入力軸2に平行に配置されたカウンタ軸4と、入力軸2に同軸上に配置された出力軸6と、入力軸2とカウンタ軸4とを接続するリダクションギヤ機構RGMと、入力軸2またはカウンタ軸4と出力軸6とを接続する変速ギヤ機構TMと、シフトノブ90と変速ギヤ機構TMとを接続する変速操作機構20と、これらを収容する変速機ケース8と、を備えている。
入力軸2は、図示しないクラッチを介してエンジン(図示せず)の動力が入力されるシャフトであり、図1に示すように、変速機ケース8のうち後述するケース本体10にベアリングB1を介して回転可能に支持されている。入力軸2の後端部分(出力軸6が挿入される側の端部)には、リダクションドライブギヤRGが一体形成されている。
カウンタ軸4は、図1に示すように、前端部(図1の下側の端部)がケース本体10にベアリングB2を介して回転可能に支持され、後端部(図1の上側の端部)が変速機ケース8のうち後述するエクステンションケース12にベアリングB3を介して回転可能に支持され、中間部(カウンタ軸4の前端部と後端部との間であって、後端部寄りの部分)がエクステンションケース12に締結されたアダプタープレート14にベアリングB4を介して回転可能に支持されている。
また、カウンタ軸4の前端部には、図1に示すように、リダクションドライブギヤRGと噛み合うリダクションドリブンギヤRG’が一体形成されている。リダクションドリブンギヤRG’のギヤ径は、リダクションドライブギヤRGのギヤ径よりも大きく形成されている。これにより、入力軸2の回転数が減速されてカウンタ軸4に伝達される。リダクションドリブンギヤRG’とリダクションドライブギヤRGとによって、リダクションギヤ機構RGMが構成される。カウンタ軸4は、本発明における「第1回転軸」に対応する実施構成の一例である。
出力軸6は、動力を出力するためのシャフトであり、図1に示すように、前端部(図示しないクラッチやエンジンが配置される側の端部)が入力軸2の内部に挿入されて、パイロットベアリングPBを介して入力軸2に回転可能に支持されると共に、中間部がアダプタープレート14にベアリングB5を介して回転可能に支持されている。出力軸6は、本発明における「第2回転軸」に対応する実施構成の一例である。
変速ギヤ機構TMは、図1に示すように、カウンタ軸4に設けられた複数の駆動ギヤG1,G2,G3,G5,G6,Grevと、当該駆動ギヤG1,G2,G3,G5,G6,Grevと噛み合うと共に出力軸6に設けられた複数の被駆動ギヤG1’,G2’,G3’,G5’,G6’,Grev’と、駆動ギヤG1,G2,G3,G5,G6,Grevまたは被駆動ギヤG1’,G2’,G3’,G5’,G6’,Grev’のうち、カウンタ軸4または出力軸6と相対回転可能に設けられたギヤ(遊転ギヤ)をカウンタ軸4または出力軸6に選択的に固定する複数のシンクロ機構S1,S2,S3,S4と、から構成されている。
駆動ギヤG1,G2,G3,G5,G6,Grevは、図1に示すように、カウンタ軸4上において前側(リダクションドリブンギヤRG’側であって図1の下側)から、3速駆動ギヤG3、6速駆動ギヤG6、5速駆動ギヤG5、2速駆動ギヤG2、1速駆動ギヤG1およびリバース駆動ギヤGrevの順に配置されている。なお、3速駆動ギヤG3、2速駆動ギヤG2、1速駆動ギヤG1およびリバース駆動ギヤGrevは、カウンタ軸4にスプライン嵌合によって固定あるいは一体形成された固定ギヤとして構成されており、5速駆動ギヤG5および6速駆動ギヤG6は、カウンタ軸4に対して相対回転可能に配置された遊転ギヤとして構成されている。1速駆動ギヤG1、2速駆動ギヤG2、3速駆動ギヤG3およびリバース駆動ギヤGrevは、本発明における「第1固定歯車」に対応し、5速駆動歯車G5および6速駆動歯車G6は、本発明における「第1遊転歯車」に対応する実施構成の一例である。
被駆動ギヤG1’,G2’,G3’,G5’,G6’,Grev’は、出力軸6上において前側(リダクションドライブギヤRG側であって図1の下側)から、3速被駆動ギヤG3’、6速被駆動ギヤG6’、5速被駆動ギヤG5’、2速被駆動ギヤG2’、1速被駆動ギヤG1’およびリバース被駆動ギヤGrev’の順に配置されている。なお、3速被駆動ギヤG3’,2速被駆動ギヤG2’、1速被駆動ギヤG1’ およびリバース被駆動ギヤGrev’は、出力軸6に対して相対回転可能に配置された遊転ギヤとして構成されており、5速被駆動ギヤG5’および6速被駆動ギヤG6’は、出力軸6に一体形成された固定ギヤとして構成されている。1速被駆動歯車G1’、2速被駆動歯車G2’、3速被駆動歯車G3’およびリバース被駆動ギヤGrev’は、本発明における「第2遊転歯車」に対応し、5速被駆動歯車G5’および6速被駆動歯車G6’は、本発明における「第2固定歯車」に対応する実施構成の一例である。
シンクロ機構S1,S2,S3,S4は、詳細な説明は省略するが、カウンタ軸4や出力軸6にスプライン嵌合などによって固定されたシンクロハブ(図示せず)と、後述するシフトフォーク22a,22b,22c,22dが係合されると共にシンクロハブに対して一体回転可能かつ軸方向(図1の上下方向)に移動可能なように構成されカップリングスリーブ(図示せず)と、シンクロナイザリング(図示せず)と、クラッチギヤ(図示せず)と、を備えている。
シンクロ機構S1は、出力軸6上であって1速被駆動ギヤG1’と2速被駆動ギヤG2’との間に配置されており、シンクロ機構S2は、出力軸6上であってリダクションドライブギヤRGと3速駆動ギヤG3との間に配置されており、シンクロ機構S3は、カウンタ軸4上であって5速駆動ギヤG5と6速駆動ギヤG6との間に配置されており、シンクロ機構S4は、出力軸6上であってリバース被駆動ギヤGrev’とアダプタープレート14との間に配置されている。
シンクロ機構S1によって1速被駆動ギヤG1’あるいは2速被駆動ギヤG2’が出力軸6に固定されることにより、入力軸2からリダクションギヤ機構RGMを介してカウンタ軸4に伝達された動力が1速あるいは2速に相当するトルクに変換されて出力軸6に伝達される。同様に、シンクロ機構S2によって3速被駆動ギヤG3’が出力軸6に固定されることにより、入力軸2からリダクションギヤ機構RGMを介してカウンタ軸4に伝達された動力が3速に相当するトルクに変換されて出力軸6に伝達され、シンクロ機構S3によって5速駆動ギヤG5あるいは6速駆動ギヤG6がカウンタ軸4に固定されることにより、入力軸2からリダクションギヤ機構RGMを介してカウンタ軸4に伝達された動力が5速あるいは6速に相当するトルクに変換されて出力軸6に伝達される。また、シンクロ機構S4によってリバース被駆動ギヤGrev’が出力軸6に固定されることにより、入力軸2の回転が逆転されて出力軸6に伝達される。なお、シンクロ機構S2は、リダクションドライブギヤRG(入力軸2)を出力軸6に固定、即ち、入力軸2と出力軸6とを直結することにより、エンジンからの動力がそのまま出力軸6に伝達される(4速に相当)。シンクロ機構S3は、本発明における「第1同期装置」に対応し、シンクロ機構S4は、本発明における「第2同期装置」に対応する実施構成の一例である。
変速操作機構20は、図2に示すように、シフトフォーク22a,22b,22c,22dおよびフォークブラケット24a,24b,24c,24d(図22参照)が固定されたフォークロッド26a,26b,26c,26dと、フォークロッド26a,26b,26c,26dのいずれかに選択的に係合可能なように当該フォークロッド26a,26b,26c,26dに平行配置されたコントロールロッド28と、フォークロッド26a,26b,26c,26dおよびコントロールロッド28を支持する台座60と、から構成されている。ここで、シフトフォーク22dは、図2および図3に示すように、円筒状のボス22d’を介してフォークロッド26dに固定されている。フォークロッド26cおよびフォークロッド26dは、それぞれ本発明における「第1フォークロッド」および「第2フォークロッド」に対応する実施構成の一例である。また、シフトフォーク22cおよびシフトフォーク22dは、それぞれ本発明における「第1シフトフォーク」および「第2シフトフォーク」に対応する実施構成の一例である。さらに、フォークブラケット24cおよびフォークブラケット24dはそれぞれ本発明における「第1フォークブラケット」および「第2フォークブラケット」に対応する実施構成の一例である。また、ボス22d’は、本発明における「第2ボス」に対応し、突出片23bは、本発明における「第2突出片」に対応する実施構成の一例である。
シフトフォーク22a,22b,22c,22dは、それぞれシンクロ機構S1,S2,S3,S4(図1参照)の図示しないカップリングスリーブに係合される。ここで、シフトフォーク22bは、図2に示すように、フォークロッド26a,26dを挿通可能な挿通孔22b1,22b2を有している。また、シフトフォーク22cは、図26に示すように、後述するフォークモジュール用治具80の突出片81aが当接する当接部23aを有している。さらに、シフトフォーク22dは、図2および図3に示すように、後述するフォークモジュール用治具80の突出片81c(図29参照)が当接する突出片23bを有している。
フォークブラケット24a,24b,24c,24dの先端部(フォークロッド26a,26b,26c,26dに接続された側とは反対側の端部)には、図2および図3に示すように、U字状の凹部25a,25b,25c,25dが形成されている(図14も併せて参照)。なお、フォークロッド26a,26b,26c,26dは、軸線方向に移動可能なように台座60に支持されている。
コントロールロッド28は、軸線方向に移動可能かつ軸線を中心に回転可能に台座60に支持されている。コントロールロッド28には、図3および図4に示すように、シフトセレクトレバー30およびコントロールブラケット32が固定されていると共に、インターロック40が配置されている。シフトセレクトレバー30は、コントロールロッド28と一体回転可能なように、例えば、ボルトなどの締結部材によって固定されている。シフトセレクトレバー30は、コントロールロッド28が回転されることによって、フォークブラケット24a,24b,24c,24dの凹部25a,25b,25c,25dのいずれかと選択的に係合可能に構成されている。なお、シフトセレクトレバー30は、図5に示すように、コントロールロッド28の回転方向に沿う方向の厚み寸法が、フォークブラケット24a,24b,24c,24dの板厚寸法よりも若干小さい値に設定されている。また、シフトセレクトレバー30は、コントロールロッド28の軸線方向に沿う方向の幅寸法が、フォークブラケット24a,24b,24c,24dの凹部25a,25b,25c,25dの幅寸法よりも若干小さい値に設定されている。ここで、凹部25a,25b,25c,25dの幅寸法とは、フォークロッド26a,26b,26c,26dの軸線方向に沿う方向の寸法である。
コントロールブラケット32は、図2に示すように、コントロールロッド28の径方向の外方に向かって突出する突出部32aを有している。なお、コントロールブラケット32には、図1に示すように、ケーブルCa,Caを介してシフトノブ90に接続されたレバーLb,Lbが係合される。換言すれば、コントロールロッド28は、コントロールブラケット32を介してシフトノブ90に接続されている。これにより、シフトノブ90をセレクト方向(図1の紙面に垂直な方向)に揺動操作(「セレクト操作」ともいう。)することによって、コントロールロッド28が回転される。この結果、シフトセレクトレバー30がフォークブラケット24a,24b,24c,24dの凹部25a,25b,25c,25dを介してフォークロッド26a,26b,26c,26dのいずれかに係合されて、いずれかのシフトフォーク22a,22b,22c,22dが選択される。
当該状態で、シフトノブ90をシフト方向(図1の上下方向)に揺動操作(「シフト操作」ともいう。)することによって、コントロールロッド28が軸線方向に移動される。この結果、選択されたシフトフォーク22a,22b,22c,22dが対応するシンクロ機構S1,S2,S3,S4の図示しないカップリングスリーブを軸線方向に移動して所望のギヤ(1速被駆動ギヤG1’、2速被駆動ギヤG2’、3速被駆動ギヤG3’、リダクションドライブギヤRG(4速駆動ギヤに相当)、5速駆動ギヤG5、6速駆動ギヤG6、リバース被駆動ギヤGrev’)が出力軸6やカウンタ軸4に固定されて所望のギヤ比が確立される。
なお、コントロールロッド28には、インターロック40が配置されているため、シフトセレクトレバー30が、選択されたシフトフォーク22a,22b,22c,22d以外のシフトフォーク22a,22b,22c,22dと係合されることが防止される。これにより、選択されたシフトフォーク22a,22b,22c,22d以外のシフトフォーク22a,22b,22c,22dに対応するシンクロ機構S1,S2,S3,S4の図示しないカップリングスリーブが軸線方向に移動されることはない。
インターロック40は、図5に示すように、本体部42と、当該本体部42に一体にされた第1および第2舌片部48a,48bと、から構成されている。本体部42は、平面視略長方形状の底板43と、当該底板43の長手方向の両端部に一体に垂設された第1および第2支持片44a,44bと、を有している。本体部42は、本発明における「支持部」に対応する実施構成の一例である。また、第1および第2舌片部48a,48bは、それぞれ本発明における「第1係合片」および「第2係合片」に対応する実施構成の一例である。
底板43の中央部には、図5に示すように、底板43の長手方向(コントロールロッド28の軸線方向)に沿う方向に長い長孔43aが形成されている。当該長孔43aの短手方向の寸法は、シフトセレクトレバー30の厚み寸法(コントロールロッド28の回転方向に沿う方向の寸法)よりも若干大きい値に設定されている。当該長孔43aには、シフトセレクトレバー30が挿通される。
第1および第2支持片44a,44bは、図5に示すように、コントロールロッド28を挿通するための挿通孔44ah,44bhが形成されている。また、第1および第2支持片44a,44bは、延出端部(底板43との接続部とは反対側の端部)に略半円形状の円弧面45a,45bを有しており、当該円弧面45a,45bから底板43との接続部までの部分には、当該円弧面45a,45bの接線方向に延在する互いに平行な一対の平面46a,46a,46b,46bを有している。
第1および第2舌片部48a,48bは、図5に示すように、底板43の長手方向の中央部に配置されており、当該底板43を含む平面に平行な方向であって当該底板43の長手方向に直交する方向に、互いに離れるように当該底板43から延出した後、第1および第2支持片44a,44bの延出方向とは反対方向に折り曲げられた形状を有している。なお、第1および第2舌片部48a,48bの先端部(底板43との接続部側とは反対側の端部)は、シフトセレクトレバー30近傍、より具体的には、コントロールロッド28の回転方向におけるシフトセレクトレバー30の両側近傍まで延在している。即ち、第1および第2舌片部48a,48bは、図4および図5に示すように、シフトセレクトレバー30をコントロールロッド28の回転方向の両側から挟む形状を有している。なお、底板43の長手方向に沿う方向の第1および第2舌片部48a,48bの幅寸法は、シフトセレクトレバー30の幅寸法とほぼ同じ、換言すれば、フォークブラケット24a,24b,24c,24dの凹部25a,25b,25c,25dの幅寸法よりも若干小さい値に設定されている。
こうして構成されたインターロック40は、コントロールロッド28の回転がシフトセレクトレバー30を介して第1および第2舌片部48a,48bに伝達されるため、コントロールロッド28と一体に回転する。一方、インターロック40は、コントロールロッド28の軸線方向への移動は規制しない。ここで、第1および第2舌片部48a,48bは、図5に示すように、シフトセレクトレバー30と共にフォークブラケット24a,24b,24c,24dの凹部25a,25b,25c,25dに係合されて、シフトセレクトレバー30が所望の凹部25a,25b,25c,25d以外の凹部25a,25b,25c,25dと係合することを抑制する。これにより、シフトセレクトレバー30が係合されたシフトフォーク22a,22b,22c,22dを有するフォークロッド26a,26b,26c,26dのみを軸線方向に移動させることができる。
台座60は、図6に示すように、取付ボス62,64,66,67,68,69を有している。取付ボス62には、フォークロッド26a,26b,26c,26dを挿通可能な挿通孔62a,62b,62c,62dが形成されており、取付ボス64には、コントロールロッド28が挿通される挿通孔64aが形成されている。また、取付ボス66,67,68,69には、台座60を後述するアダプタープレート14に締結するための図示しないボルトが挿通されるボルト挿通孔66a,67a,68a,69aが形成されている。台座60は、ボルト挿通孔66a,68aを結ぶ仮想直線の延在方向に長い細長形状を有している。台座60は、本発明における「支持部材」に対応する実施構成の一例である。
変速機ケース8は、図1に示すように、ケース本体10と、ケース本体10に図示しないボルトなどで締結されるエクステンションケース12と、から構成されている。ケース本体10は、図1に示すように、略鼓形に形成されている。より具体的には、ケース本体10は、長手方向(図1の上下方向)の中間部に隔壁10aを有し、当該隔壁10aを挟んで長手方向(図1の上下方向)の両側が開口された凹部10b,10cに形成されている。
凹部10bは、入力軸2に設置される図示しないクラッチを収容するためのクラッチ収容空間を構成する。一方、凹部10cは、後述するエクステンションケース12と共に入力軸2やカウンタ軸4、出力軸6、変速ギヤ機構TM、変速操作機構20の一部(フォークロッド26a,26b,26c,26dや、シフトフォーク22a,22b,22c,22d、コントロールロッド28など)を収容するための変速機構収容空間を構成する。当該変速機収容空間内には、変速ギヤ機構TM、リダクションギヤ機構RGM、ベアリングB1,B2,B3,B4,B5、パイロットベアリングPB、および、変速操作機構20などの変速機1の構成要素を潤滑するための潤滑油が貯留される。
エクステンションケース12は、長手方向(図1の上下方向)の一方側(図1の下側)が開口された凹部12a(図1および図7参照)と、長手方向(図8の左右方向)に直交する方向(図8の紙面に垂直方向)の一方側が開口された凹部12b(図8参照)と、を有している。凹部12aと凹部12bとは、図7および図9に示すように、凹部12aの底壁13に形成された開口13aを介して連通している。開口13aは、底壁13に直交する方向の一方側から見た場合に、縦長(図9の上下方向に長い)の略長方形状を有している。また、底壁13には、図9に示すように、ベアリングB4(図1参照)が取り付けられる取付孔13bと、出力軸6が挿通される挿通孔13cと、アダプタープレート14を締結するための図示しないボルトがネジ係合されるネジ孔13dと、が形成されている。さらに、凹部12bは、図7および図9に示すように、コントロールロッド28を支持するための支持孔12b’を有している。当該支持孔12b’は、凹部12aおよび開口13aと同じ方向に開口されており、凹部12aの開口側から見た場合に、開口13aの左上隅部に配置されている(図9参照)。エクステンションケース12は、本発明における「ケース」に対応する実施構成の一例である。
アダプタープレート14は、図10に示すように、カウンタ軸4を回転可能に支持するためのベアリングB3を取り付けるための取付孔14aと、出力軸6を回転可能に支持するためのベアリングB5を取り付けるための取付孔14bと、フォークロッド26cが挿通されるフォークロッド挿通孔14cと、台座60を締結するための図示しないボルトがネジ係合される雌ネジ孔14dと、アダプタープレート14をエクステンションケース12に締結するための図示しないボルトが挿通されるボルト挿通孔14e,14fと、を有している。なお、ボルト挿通孔14eには、台座60のボルト挿通孔66a,68aを介して図示しないボルトが挿通される。即ち、ボルト挿通孔14eに挿通される図示しないボルトによって、台座60はアダプタープレート14に共締めされる。なお、アダプタープレート14は、台座60が締結された際に、コントロールロッド28が配置される位置に対応する部分、および、フォークロッド26a,26b,26dが配置される位置に対応する部分のそれぞれに切欠き15a,15bを有している。
次に、こうして構成された変速機1の組立て方法について説明する。変速機1の組立てでは、まず、ギヤモジュール70およびフォークモジュール72それぞれの組付けを行い、当該ギヤモジュール70およびフォークモジュール72を互いに組付けて変速機構モジュール74を構成し(図11参照)、当該変速機構モジュール74を変速機ケース8(図1参照)に組付けることによって行う。
ギヤモジュール70の組付けは、まず、リバース駆動ギヤGrevを除く駆動ギヤG1,G2,G3,G5,G6、リダクションドリブンギヤRG’、シンクロ機構S3およびベアリングB2,B4をカウンタ軸4に取り付けると共に、リバース被駆動ギヤGrev’を除く被駆動ギヤG1’,G2’,G3’,G5’,G6’、シンクロ機構S4を除くシンクロ機構S1,S2、パイロットベアリングPBおよびベアリングB5を出力軸6に取り付ける。
次に、ベアリングB1を取り付けた入力軸2の後端部分の内部に、パイロットベアリングPBを介して出力軸6を挿入して、入力軸2に出力軸6を組付けた後、リダクションドリブンギヤRG’および駆動ギヤG1,G2,G3,G5,G6と、リダクションドライブギヤRGおよび被駆動ギヤG1’,G2’,G3’,G5’,G6’と、を噛合わせた状態でカウンタ軸4および出力軸6をアダプタープレート14の取付孔14a,14bに挿通する。
そして、カウンタ軸4の後端部(アダプタープレート14を挟んで駆動ギヤG1,G2,G3,G5,G6、リダクションドリブンギヤRG’、シンクロ機構S3およびベアリングB2,B4が取り付けられた側とは反対側の端部)からリバース駆動ギヤGrevを取り付けると共に、出力軸の後端部(アダプタープレート14を挟んで被駆動ギヤG1’,G2’,G3’,G5’,G6’、シンクロ機構S1,S2、パイロットベアリングPBおよびベアリングB5が取り付けられた側とは反対側の端部)からリバース被駆動ギヤGrev’およびシンクロ機構S4を取り付けることによって、ギヤモジュール70の組付けが完成する。
フォークモジュール72の組付けは、まず、図12に示すように、フォークロッド26a,26b,26c,26dをそれぞれ台座60の取付ボス62の挿通孔62a,62c,62d,62bに挿通すると共に、コントロールロッド28を台座60の取付ボス64の挿通孔64a(図6参照)に挿通する。このとき、フォークロッド26a,26dは、図12および図13に示すように、シフトフォーク22bの挿通孔22b1,22b2に挿通される。これにより、フォークロッド26bの回転が規制される。
次に、図14に示すように、各フォークブラケット24a,24b,24c,24dの凹部25a,25b,25c,25dをフォークロッド26a,26b,26c,26dの軸線方向において整合させると共に、コントロールロッド28の軸線方向におけるシフトセレクトレバー30およびインターロック40(第1および第2舌片部48a,48b)の位置と、フォークロッド26a,26b,26c,26dの軸線方向における各凹部25a,25b,25c,25dの位置と、を一致させた状態で、コントロールロッド28、インターロック40およびフォークロッド26cをフォークモジュール用治具80によって挟持することにより、フォークモジュール72の組付けが完了する。なお、フォークロッド26a,26b,26c,26dの軸線方向に凹部25a,25b,25c,25dを整合させることで、フォークロッド26a,26b,26c,26dの軸線方向に直交状の一条の凹溝25(図5参照)が構成される。
ここで、フォークモジュール用治具80は、樹脂製であり、図15ないし図18に示すように、長手方向に細長い形状を有する柄部81と、当該柄部81の長手方向の一端部に一体にされたフォークロッド挟持部82と、柄部81の長手方向の他端部に一体にされたインターロック挟持部84,84と、インターロック挟持部84,84に一体にされたコントロールロッド挟持部86,86と、インターロック挟持部84,84近傍において柄部81に一体にされた腕部88と、を備えている。
柄部81は、図18に示すように、略C字状に若干湾曲しており、図15ないし図19に示すように、長手方向のうちフォークロッド挟持部82の近傍部に一体にされた突出片81aと、長手方向のうち腕部88の近傍部に一体にされた突起81b(図15および図18参照)と、長手方向のうち突出片81aと突起81bとのほぼ中間位置に一体にされた突出片81cと、長手方向のうちインターロック挟持部84,84近傍部に一体にされた把手81d(図15および図18参照)と、を有している。以下、説明の便宜上、柄部81のうちC字の内側を「柄部81の内側」と称し、柄部81のうちC字の外側を「柄部81の外側」と称する。柄部81は、本発明における「本体部」に対応する実施構成の一例である。
突出片81aは、図15に示すように、柄部81の内側に向かって突出すると共に、柄部81の長手方向、および、柄部81の外側から内側に向かう方向の両方向に直交する方向に突出している。また、突起81bは、図15および図18に示すように、柄部81の内側に配置されている。さらに、突出片81cは、図15および図19に示すように、柄部81の長手方向、および、柄部81の外側から内側に向かう方向の両方向に直交する方向に突出している。突出片81cの突出量は、同方向における突出片81aの突出量よりも小さい。把手81dは、図16,図17,図19および図20に示すように、柄部81の長手方向の他端部と一方のインターロック挟持部84とを連結する円環状を有している。突出片81aは、本発明における「第1回転規制部」に対応する実施構成の一例である。また、突起81bは、本発明における「第2回転規制部」に対応する実施構成の一例である。さらに、突出片81cは、本発明における「第2当接片」に対応する実施構成の一例である。
フォークロッド挟持部82は、フォークロッド26cを挟持可能なように、図15ないし図18に示すように、柄部81の内側が開口された略C字状を有している。フォークロッド挟持部82には、把手片82aが一体に設けられている。把手片82aは、図18に示すように、柄部81の長手方向に概ね沿う方向に向かって延出している。フォークロッド挟持部82は、本発明における「第3挟持部」に対応する実施構成の一例である。
インターロック挟持部84,84は、図19に示すように、柄部81を挟むように、柄部81の長手方向、および、柄部81の外側から内側に向かう方向の両方向に直交する方向(図19の左右方向)に所定距離離れて配置されている。なお、所定距離は、図21に示すように、シフトセレクトレバー30のボス部30aの長手方向寸法よりも大きく、インターロック40の第1および第2支持片44a,44bの間隔よりも小さい寸法となるように設定されている。
また、インターロック挟持部84,84は、インターロック40の第1および第2支持片44a,44bを挟持可能なように、図18に示すように、柄部81の内側が開口された略C字状を有している。より具体的には、インターロック挟持部84,84の開口は、フォークロッド挟持部82の開口が向く方向(図18の右方向)に対して、若干、柄部81の長手方向のうちの他端部側(図18の上側)に傾斜した方向を向いている。インターロック挟持部84,84は、インターロック40の第1および第2支持片44a,44bの円弧面45a,45bおよび一対の平面46a,46a,46b,46bに対応する円弧面84a,84aおよび一対の平面84b,84bを有している。円弧面84a,84aは、円弧面45a,45bの外径とほぼ同じ内径を有している。
当該インターロック挟持部84,84が、インターロック40の第1および第2支持片44a,44bを挟持することによって、より具体的には、インターロック挟持部84,84の一対の平面84b,84bによってインターロック40の一対の平面46a,46a,46b,46bが挟持されることによって、インターロック40の回転、即ち、コントロールロッド28の回転が規制される。なお、コントロールロッド28は、図26ないし図29に示すように、シフトセレクトレバー30がインターロック挟持部84,84の開口方向を向いた状態、換言すれば、コントロールブラケット32の突出部32aがフォークロッド26c側を向いた状態で回転方向に位置決めされる。インターロック挟持部84,84は、本発明における「第4挟持部」に対応する実施構成の一例である。
コントロールロッド挟持部86,86は、図18に示すように、インターロック挟持部84,84の内側において、当該インターロック挟持部84,84に一体にされており、コントロールロッド28を挟持可能なように、図15ないし図18に示すように、柄部81の内側が開口された略C字状を有している。より具体的には、コントロールロッド挟持部86,86の開口は、インターロック挟持部84,84の開口と同方向を向いている。コントロールロッド挟持部86,86の内周面は、コントロールロッド28の外径とほぼ同じ内径を有している。
また、コントロールロッド挟持部86,86は、図21に示すように、インターロック挟持部84,84と同様、柄部81を挟むように、柄部81の長手方向、および、柄部81の外側から内側に向かう方向の両方向に直交する方向(図21の左右方向)に所定距離離れて配置されている。なお、所定距離は、図21に示すように、シフトセレクトレバー30のボス部30aの長手方向寸法よりも大きい寸法となるように設定されている。具体的には、コントロールロッド挟持部86,86は、図21に示すように、インターロック40の第1および第2支持片44a,44bとシフトセレクトレバー30のボス部30aとの間に配置されたコントロールロッド28を挟持可能に構成されている。コントロールロッド挟持部86,86は、本発明における「第1挟持部」および「第2挟持部」に対応する実施構成の一例である。
腕部88は、図15および図18に示すように、柄部81の内側に配置されており、インターロック挟持部84,84が配置された側(図8の上側)に向かって湾曲した円弧形状を有している。より具体的には、腕部88は、コントロールロッド挟持部86,86の内周面と同心の円弧形状を有している。当該腕部88は、フォークモジュール用治具80によってインターロック40、コントロールロッド28およびフォークロッド26cが挟持されたとき、より具体的には、インターロック挟持部84,84によってインターロック40の第1および第2支持片44a,44bが挟持されると共に、コントロールロッド挟持部86,86によってコントロールロッド28が挟持され、かつ、フォークロッド挟持部82によってフォークロッド26cが挟持されたときに、フォークロッド26a,26b,26c,26dの軸線方向において整合された各フォークブラケット24a,24b,24c,24dの凹部25a,25b,25c,25d(フォークロッド26a,26b,26c,26dの軸線方向に直交状の一条の凹溝25)に係合可能な位置に配置されている。なお、腕部88は、図26に示すように、フォークモジュール用治具80がコントロールロッド28、インターロック40およびフォークロッド26cを挟持したときに、インターロック40の第2舌片部48bに当接可能な長さを有している。
こうして構成されたフォークモジュール用治具80によるコントロールロッド28、インターロック40およびフォークロッド26cの挟持は、まず、フォークモジュール用治具80のコントロールロッド挟持部86,86によってコントロールロッド28を挟持すると共に(図22参照)、フォークモジュール用治具80のインターロック挟持部84,84によってインターロック40の第1および第2支持片44a,44bを挟持することにより行う(図22参照)。なお、コントロールロッド挟持部86,86およびインターロック挟持部84,84によるコントロールロッド28および第1および第2支持片44a,44bの挟持は、把手81dを用いて、コントロールロッド挟持部86,86およびインターロック挟持部84,84をコントロールロッド28および第1および第2支持片44a,44bに向けて押圧することによって、容易に行うことができる。
続いて、コントロールロッド挟持部86,86およびインターロック挟持部84,84によってコントロールロッド28および第1および第2支持片44a,44bを挟持した状態で、フォークロッド挟持部82がフォークロッド26cに当接するまで、コントロールロッド28を中心にフォークモジュール用治具80を回転させる(図22の反時計回り)。
このとき、図23ないし図25に示すように、フォークモジュール用治具80の腕部88は、インターロック40の第2舌片部48bに当接した状態で、フォークブラケット24dの凹部25d、フォークブラケット24aの凹部25a、フォークブラケット24bの凹部25b、フォークブラケット24cの凹部25cの順に係合される。換言すれば、腕部88は、第2舌片部48bを介してコントロールロッド28を回転させながら、凹部25d,25a,25b,25c(フォークロッド26a,26b,26c,26dの軸線方向に直交状の一条の凹溝25)に順に係合される。
そして、最後に、把手片82aを用いてフォークロッド挟持部82をフォークロッド26cに押圧して、フォークロッド挟持部82によってフォークロッド26cを挟持する。把手片82aを用いることで、フォークロッド挟持部82によるフォークロッド26cの挟持を容易に行うことができる(図26参照)。このとき、図26に示すように、シフトフォーク22cの当接部23aがフォークモジュール用治具80の柄部81の突出片81aに当接されると共に、フォークブラケット24dがフォークモジュール用治具80の柄部81の突起81bに当接される。また、図13、図28および図29に示すように、フォークロッド26dの突出片23bがフォークモジュール用治具80の柄部81の突出片81cに当接されると共に、シフトフォーク22dのボス22d’が台座60に当接される。より具体的には、フォークロッド26dの突出片23bとシフトフォーク22dのボス22d’との間に、フォークモジュール用治具80の突出片81cと台座60とを挟み込んだ状態で、突出片23bが突出片81cに当接されると共にボス22d’が台座60に当接される。ここで、フォークロッド26dの突出片23bとシフトフォーク22dのボス22d’との間に、フォークモジュール用治具80の突出片81cと台座60とを挟み込んだ状態で、突出片23bが突出片81cに当接されると共にボス22d’が台座60に当接される態様は、本発明における「前記第1および/または第2当接片が前記第1および/または第2フォーロッドの軸線方向における第1方向から前記第1および/または第2突出片に当接すると共に、前記第1および/または第2ボスが前記第1方向から前記支持部材に当接する」態様に対応する実施構成の一例である。
こうして、フォークモジュール用治具80によってコントロールロッド28、インターロック40およびフォークロッド26cが挟持されることによって、コントロールロッド28およびフォークロッド26cが所定の軸線方向位置および所定の回転方向位置に位置決めされる。より具体的には、図26に示すように、コントロールロッド挟持部86,86によるコントロールロッド28の挟持、および、腕部88の凹溝25(凹部25a,25b,25c,25d)への係合によって、凹部25a,25b,25c,25dにシフトセレクトレバー30が係合可能な姿勢(フォークロッド26a,26b,26c,26dの軸線方向における凹部25a,25b,25c,25dの位置と、コントロールロッド28の軸線方向におけるシフトセレクトレバー30およびインターロック40(第1および第2舌片部48a,48b)の位置と、を一致させた状態、図14参照)を維持した状態で、フォークロッド26a,26b,26c,26dおよびコントロールロッド28が軸線方向に位置決めされる。なお、フォークロッド26dは、突出片23bがフォークモジュール用治具80の柄部81の突出片81cに当接されると共に、シフトフォーク22dのボス22d’が台座60に当接されることによっても、軸線方向に位置決めされる(図13および図28参照)。
また、インターロック挟持部84,84による第1および第2支持片44a,44bの挟持と、腕部88の第2舌片部48bへの当接と、フォークロッド挟持部82によるフォークロッド26cの挟持と、によって、コントロールロッド28が所定回転角度だけ回転されて、コントロールブラケット32の突出部32aがフォークロッド26c側を向くように、コントロールロッド28が回転方向に位置決めされる(図26ないし図29参照)。
さらに、シフトフォーク22cの当接部23aの突出片81aへの当接によって(図26,図27および図29参照)、フォークブラケット24cが隣接するフォークブラケット24bから離れる方向(図26の時計回り)へのフォークロッド26cの回転が規制されると共に、フォークブラケット24dの突起81bへの当接によって(図26参照)、フォークブラケット24dが隣接するフォークブラケット24aから離れる方向(図26の反時計回り)へのフォークロッド26dの回転が規制される。なお、フォークブラケット24cが隣接するフォークブラケット24bに近付く方向へのフォークロッド26cの回転、フォークブラケット24bが隣接するフォークブラケット24aに近付く方向へのフォークロッド26bの回転、および、フォークブラケット24aが隣接するフォークブラケット24dに近付く方向へのフォークロッド26aの回転は、フォークブラケット24dの突起81bへの当接によって規制され、フォークブラケット24dが隣接するフォークブラケット24aに近付く方向へのフォークロッド26dの回転、フォークブラケット24aが隣接するフォークブラケット24bに近付く方向へのフォークロッド26aの回転、および、フォークブラケット24bが隣接するフォークブラケット24cに近付く方向へのフォークロッド26bの回転は、シフトフォーク22cの当接部23aの突出片81aへの当接によって規制される。
こうしてフォークモジュール用治具80によって所定の姿勢に位置決めされたフォークモジュール72をギヤモジュール70に組付ける。フォークモジュール72のギヤモジュール70への組付けは、各シフトフォーク22a,22b,22c,22dを対応するシンクロ機構S1,S2,S3,S4の図示しないカップリングスリーブに係合すると共に、台座60をアダプタープレート14に締結することにより行う(図11参照)。
そして、ギヤモジュール70にフォークモジュール72を組付けることによって構成された変速機構モジュール74を、図30に示すように、エクステンションケース12に組付ける。ここで、変速機構モジュール74のエクステンションケース12への組付けに際し、カウンタ軸4は、ベアリングB4を介してエクステンションケース12の取付孔13bに支持されると共に、出力軸6は、エクステンションケース12の挿通孔13cに挿通される。また、コントロールロッド28は、エクステンションケース12の開口13aに挿通される。なお、コントロールロッド28は、図31に示すように、エクステンションケース12を凹部12aの開口側から見た場合に、開口13aのうち左上隅部を通って当該開口13aに挿通されて、当該開口13aの左上隅部に配置されるが、コントロールブラケット32の突出部32aがフォークモジュール用治具80によって図31の下方を向くように位置決めされているため、突出部32aが底壁13に干渉されることなく、コントロールロッド28を開口13aに円滑に挿通することができる。こうして、カウンタ軸4の取付孔13bへの支持、出力軸6の挿通孔13cへの挿通、および、コントロールロッド28の開口13aへの挿通が終わった後、アダプタープレート14をエクステンションケース12に締結して、変速機構モジュール74のエクステンションケース12への組付けが完了する。このとき、コントロールロッド28は、支持孔12b’に挿通されている。
続いて、フォークモジュール用治具80によるコントロールロッド28、インターロック40およびフォークロッド26cの挟持を解除する。具体的には、まず、把手片82aを用いてフォークロッド挟持部82によるフォークロッド26cの挟持を解除して(図25)、フォークロッド挟持部82がフォークロッド26cから遠ざかる方向に、コントロールロッド28を中心にフォークモジュール用治具80を回転させる(図25の時計回り、図21ないし図24参照)。
このとき、コントロールロッド28がインターロック挟持部84,84を介してフォークモジュール用治具80によって図25の時計回りに回転されると共に、腕部88の凹溝25への係合が、凹部25c、凹部25b、凹部25a、凹部25dの順に解除される(図22ないし図25参照)。腕部88の凹溝25への係合が完全に解除されるまでフォークモジュール用治具80が回転されると(図22参照)、インターロック40の第1および第2舌片部48a,48bとシフトセレクトレバー30とが凹溝25に係合されると共に(図22参照)、コントロールブラケット32の突出部32aがエクステンションケース12の凹部12b内にて回転されて凹部12bの開口方向に向かって突出した状態となる(図32参照)。当該状態で、把手81dを用いて、インターロック挟持部84,84によるインターロック40の第1および第2支持片44a,44bの挟持と、コントロールロッド挟持部86,86によるコントロールロッド28の挟持と、を解除することによって、フォークモジュール用治具80の取り外しが完了する。
こうしてフォークモジュール用治具80の取り外しが完了した後、エクステンションケース12へ組付けられた変速機構モジュール74の上方(入力軸2側)からケース本体10を被せ、ケース本体10とエクステンションケース12とを締結することによって、変速機1の組立てが完了する。
以上説明した本実施の形態に係る変速機1によれば、フォークロッド26a,26b,26c,26dおよびコントロールロッド28を台座60に支持させた後、各フォークブラケット24a,24b,24c,24dの凹部25a,25b,25c,25dをフォークロッド26a,26b,26c,26dの軸線方向において整合させると共に、コントロールロッド28の軸線方向におけるシフトセレクトレバー30およびインターロック40(第1および第2舌片部48a,48b)の位置と、フォークロッド26a,26b,26c,26dの軸線方向における各凹部25a,25b,25c,25d(凹溝25)の位置と、を一致させた状態で、コントロールロッド28、インターロック40およびフォークロッド26cをフォークモジュール用治具80によって挟持することによって、コントロールロッド28およびフォークロッド26cが、変速機1の組立てに要求される所定の軸線方向位置および所定の回転方向位置に位置決めされたフォークモジュール72を構成するため、フォークモジュール72のギヤモジュール70への組付け性、および、フォークモジュール72をギヤモジュール70へ組付けた変速機構モジュール74のエクステンションケース12への組付け性を向上することができる。これにより、変速機1の組立作業性のさらなる向上を図ることができる。
また、本実施の形態に係る変速機1によれば、変速機構モジュール74をエクステンションケース12に組付けた後に、フォークモジュール用治具80によるフォークロッド26c、コントロールロッド28およびインターロック40の挟持を解除する際に、コントロールロッド28を回転させて、コントロールブラケット32の突出部32aおよびインターロック40が、変速機1を機能させるうえで必要な回転方向位置となるようにセットすることができる。これにより、変速機1の組立て性の向上と、変速機1として機能させるうえで必要なコントロールロッド28の要求姿勢の確保と、の両立を図ることができる。
さらに、本実施の形態に係る変速機1によれば、フォークロッド26dの突出片23bがフォークモジュール用治具80の柄部81の突出片81cに当接されると共に、シフトフォーク22dのボス22d’が台座60に当接される構成、より具体的には、フォークロッド26dの突出片23bとシフトフォーク22dのボス22d’との間に、フォークモジュール用治具80の突出片81cと台座60とを挟み込んだ状態で、突出片23bが突出片81cに当接されると共にボス22d’が台座60に当接される構成であるため、フォークロッド26dの軸線方向における位置決めをより正確かつ確実に行うことができる。
本実施の形態では、コントロールロッド28にインターロック40が配置される構成としたが、コントロールロッド28にインターロック40が配置されていなくても良い。
本実施の形態では、フォークモジュール用治具80のフォークロッド挟持部82がフォークロッド26cを挟持する構成としたが、これに限らない。フォークモジュール用治具80のフォークロッド挟持部82は、フォークロッド26cに替えてフォークロッド26a,26b,26dのいずれかを挟持する構成としても良い。あるいは、フォークモジュール用治具80にフォークロッド挟持部82を複数設けて、複数のフォークロッド26a,26b,26c,26dを挟持する構成としても良い。
本実施の形態では、フォークロッド26dが突出片23bを有すると共に、シフトフォーク22dが円筒状のボス22d’を介してフォークロッド26dに固定される構成とし、フォークモジュール用治具80には突出片23bに当接する突出片81cを設ける構成として、フォークロッド26dの突出片23bとシフトフォーク22dのボス22d’との間に、フォークモジュール用治具80の突出片81cと台座60とを挟み込んだ状態で、突出片23bが突出片81cに当接されると共にボス22d’が台座60に当接される構成としたが、これに限らない。例えば、フォークロッド26dに替えて、あるいは、フォークロッド26dに加えて、フォークロッド26a,26b,26cのいずれか、あるいは、全てに突出片を設けると共に、シフトフォーク22a,22b,22cのいずれか、あるいは全てを円筒状のボスを介してフォークロッド26a,26b,26cに固定する構成とし、フォークモジュール用治具80には各突出片に当接する突出片を設ける構成として、フォークロッド26a,26b,26cの突出片とシフトフォーク22a,22b,22cのボスとの間に、フォークモジュール用治具80の各突出片と台座60とを挟み込んだ状態で、フォークロッド26a,26b,26cの突出片がフォークモジュール用治具80の各突出片に当接されると共にシフトフォーク22a,22b,22cのボスが台座60に当接される構成としても良い。この場合、フォークロッド26cに設けた突出片は、本発明における「第1突出片」に対応し、フォークロッド26cに設けた突出片に当接するフォークモジュール用治具80の突出片は、本発明における「第1当接片」に対応する実施構成の一例である。また、シフトフォーク22cのボスは、本発明における「第1ボス」に対応する実施構成の一例である。
本実施の形態では、フロントエンジン・リヤドライブ(FR)式の車両に搭載されるFR車用の変速機に適用したが、フロントエンジン・フロントドライブ(FF)式の車両に搭載されるFF車用の変速機に適用しても良い。
本実施形態は、本発明を実施するための形態の一例を示すものである。したがって、本発明は、本実施形態の構成に限定されるものではない。
1 変速機
2 入力軸
4 カウンタ軸(第1回転軸)
6 出力軸(第2回転軸)
8 変速機ケース
10 ケース本体
10a 隔壁
10b 凹部
10c 凹部
12 エクステンションケース(ケース)
12a 凹部
12b 凹部
12b’ 支持孔
13 底壁
13a 開口
13b 取付孔
13c 挿通孔
13d ネジ孔
14 アダプタープレート
14a 取付孔
14b 取付孔
14c フォークロッド挿通孔
14d 雌ネジ孔
14e ボルト挿通孔
14f ボルト挿通孔
15a 切欠き
15b 切欠き
20 変速操作機構
22a シフトフォーク
22b シフトフォーク
22b1 挿通孔
22b2 挿通孔
22c シフトフォーク(第1シフトフォーク)
22d シフトフォーク(第2シフトフォーク)
22d’ ボス(第2ボス)
23a 当接部
23b 突出片(第2突出片)
24a フォークブラケット
24b フォークブラケット
24c フォークブラケット(第1フォークブラケット)
24d フォークブラケット(第2フォークブラケット)
25 凹溝(凹溝)
25a 凹部
25b 凹部
25c 凹部(第1凹)
25d 凹部(第2凹部)
26a フォークロッド
26b フォークロッド
26c フォークロッド(第1フォークロッド)
26d フォークロッド(第2フォークロッド)
28 コントロールロッド(コントロールロッド)
30 シフトセレクトレバー(シフトセレクトレバー)
32 コントロールブラケット(コントロールブラケット)
32a 突出部
40 インターロック(インターロック)
42 本体部(支持部)
43 底板
43a 長孔
44a 第1支持片
44ah 挿通孔
44b 第2支持片
44bh 挿通孔
45a 円弧面
45b 円弧面
46a 平面
46b 平面
48a 第1舌片部(第1係合片)
48b 第2舌片部(第2係合片)
60 台座(支持部材)
62 取付ボス
62a 挿通孔
62b 挿通孔
62c 挿通孔
62d 挿通孔
64 取付ボス
64a 挿通孔
66 取付ボス
66a ボルト挿通孔
68 取付ボス
68a ボルト挿通孔
70 ギヤモジュール(ギヤモジュール)
72 フォークモジュール(フォークモジュール)
74 変速機構モジュール(変速機構モジュール)
80 フォークモジュール用治具(フォークモジュール用治具)
81 柄部(本体部)
81a 突出片(第1回転規制部)
81b 突起(第2回転規制部)
81c 突出片(第2当接片)
81d 把手
82 フォークロッド挟持部(第3挟持部)
82a 把手片
84 インターロック挟持部(第4挟持部)
86 コントロールロッド挟持部(第1および第2挟持部)
88 腕部(係合腕)
90 シフトノブ(シフトノブ)
RGM リダクションギヤ機構
TM 変速ギヤ機構
RG リダクションドライブギヤ
RG’ リダクションドリブンギヤ
B1 ベアリング
B2 ベアリング
B3 ベアリング
B4 ベアリング
B5 ベアリング
PB パイロットベアリング
G1 1速駆動ギヤ(第1固定歯車)
G2 2速駆動ギヤ(第1固定歯車)
G3 3速駆動ギヤ(第1固定歯車)
G5 5速駆動ギヤ(第1遊転歯車)
G6 6速駆動ギヤ(第1遊転歯車)
Grev リバース駆動ギヤ(第1固定歯車)
G1’ 1速被駆動ギヤ(第2遊転歯車)
G2’ 2速被駆動ギヤ(第2遊転歯車)
G3’ 3速被駆動ギヤ(第2遊転歯車)
G5’ 5速被駆動ギヤ(第1固定歯車)
G6’ 6速被駆動ギヤ(第1固定歯車)
Grev’ リバース被駆動ギヤ(第2遊転歯車)
S1 シンクロ機構
S2 シンクロ機構
S3 シンクロ機構(第1同期装置)
S4 シンクロ機構(第2同期装置)
Ca ケーブル
Lb レバー

Claims (12)

  1. シフトノブの操作に応じて所望のギヤ比を確立するよう作動可能なフォークモジュールであって、
    前記シフトノブが接続可能なコントロールブラケットを有し、前記シフトノブのセレクト操作に応じて回転すると共に前記シフトノブのシフト操作に応じて軸線方向に移動するコントロールロッドと、
    該コントロールロッドに一体にされたシフトセレクトレバーと、
    該コントロールロッドに平行に配置される第1フォークロッドと、
    該第1フォークロッドに固定された第1シフトフォークと、
    前記シフトセレクトレバーが係合可能な第1凹部を有すると共に前記第1フォークロッドに固定された第1フォークブラケットと、
    前記コントロールロッドおよび前記第1フォークロッドに平行に配置される第2フォークロッドと、
    該第2フォークロッドに固定された第2シフトフォークと、
    前記シフトセレクトレバーが係合可能な第2凹部を有すると共に前記第2フォークロッドに固定された第2フォークブラケットと、
    前記コントロールロッドと前記第1および第2フォークロッドとを支持する支持部材と、
    前記コントロールロッドの軸線方向における前記シフトセレクトレバーの位置と,前記第1および第2フォークロッドの軸線方向における前記第1および第2凹部の位置と,が一致するよう前記コントロールロッドと前記第1および第2フォークロッドとを軸線方向に位置決めすると共に、前記コントロールロッドの回転方向における前記コントロールブラケットの回転方向の位置が第1位置となるよう前記コントロールロッドを回転方向に位置決めし、かつ、前記第1および第2凹部が整合して前記第1および第2フォークロッドの軸線方向に直交状の一条の凹溝が構成されるよう前記第1および第2フォークロッドを回転方向に位置決めするフォークモジュール用治具と、
    を備えるフォークモジュール。
  2. 前記フォークモジュール用治具は、本体部と、前記コントロールロッドの軸線方向における前記シフトセレクトレバーの両側において前記コントロールロッドを挟持可能に前記本体部に一体にされた第1および第2挟持部と、前記第1および第2凹部に係合可能に前記第1および第2挟持部の間に配置されると共に前記本体部に一体にされた係合腕と、前記第1シフトフォークまたは前記第1フォークブラケットに当接して前記第1フォークブラケットが前記第2フォークブラケットから遠ざかる方向に前記第1フォークロッドが回転することを規制するよう前記本体部に一体にされた第1回転規制部と、前記第2シフトフォークまたは前記第2フォークブラケットに当接して前記第2フォークブラケットが前記第1フォークブラケットから遠ざかる方向に前記第2フォークロッドが回転することを規制するよう前記本体部に一体にされた第2回転規制部と、前記第1または第2フォークロッドを挟持可能に前記本体部に一体にされた第3挟持部と、を有しており、
    前記第1および第2挟持部が前記コントロールロッドを挟持すると共に前記係合腕が前記第1および第2凹部に係合されることによって、前記コントロールロッドの軸線方向における前記シフトセレクトレバーの位置と,前記第1および第2フォークロッドの軸線方向における前記第1および第2凹部の位置と,が一致するよう前記コントロールロッドと前記第1および第2フォークロッドとが軸線方向に位置決めされ、
    前記第1回転規制部が前記第1シフトフォークまたは前記第1フォークブラケットに当接すると共に前記第2回転規制部が前記第2シフトフォークまたは前記第2フォークブラケットに当接することによって、前記第1および第2凹部が整合して前記第1および第2フォークロッドの軸線方向に直交状の一条の凹溝が構成されるよう前記第1および第2フォークロッドが回転方向に位置決めされ、
    前記第1および第2挟持部が前記コントロールロッドを挟持すると共に前記第3挟持部が前記第1または第2フォークロッドを挟持することによって、前記コントロールブラケットが前記第1位置となるよう前記コントロールロッドが回転方向に位置決めされる
    請求項1に記載のフォークモジュール。
  3. 前記第1および/または第2フォークロッドは、該第1および/または第2フォークロッドの軸線方向に交差する方向に突出する第1および/第2突出片を有しており、
    前記第1および/または第2シフトフォークは、円筒状の第1および/または第2ボスを介して前記第1および/または第2フォークロッドに固定されており、
    前記前記フォークモジュール用治具は、前記第1および/または第2突出片に当接可能に前記本体部に一体にされた第1および/または第2当接片をさらに有しており、
    前記第1および第2挟持部が前記コントロールロッドを挟持すると共に前記第3挟持部が前記第1または第2フォークロッドを挟持した際に、前記第1および/または第2当接片が前記第1および/または第2フォーロッドの軸線方向における第1方向から前記第1および/または第2突出片に当接すると共に、前記第1および/または第2ボスが前記第1方向から前記支持部材に当接することによって、前記第1および/または第2フォークロッドが軸線方向に位置決めされる
    請求項2に記載のフォークモジュール。
  4. 前記フォークモジュール用治具は、前記第1および第2挟持部による前記コントロールロッドの挟持を解除する際に、前記コントロールロッドの回転方向における前記コントロールブラケットの回転方向の位置を第2位置にすると共に前記シフトセレクトレバーが前記第1および第2凹部と所定の係合状態となるよう前記コントロールロッドを回転させる
    請求項2または3に記載のフォークモジュール。
  5. 前記シフトセレクトレバーが前記第1および第2凹部の両方に同時に係合することを防止するために、前記コントロールロッドに配置されたインターロックをさらに備えており、
    該インターロックは、前記第1および第2凹部に係合可能なよう前記コントロールロッドの回転方向における前記シフトセレクトレバーの両側に配置された第1および第2係合片と、該第1および第2係合片を前記コントロールロッドに支持する支持部と、を有しており、
    前記支持部は、前記コントロールロッドが軸線方向へ移動自在、かつ、前記第1および第2係合片が前記コントロールロッドと一体回転可能なよう前記第1および第2係合片を前記コントロールロッドに支持している
    請求項1ないし4のいずれか1項に記載のフォークモジュール。
  6. 前記係合腕は、前記コントロールロッドが前記第1および第2挟持部によって挟持されると共に前記第1または第2フォークロッドが前記第3挟持部によって挟持されたときに、前記インターロックに当接して、前記コントロールブラケットが前記第1位置となるまで前記コントロールロッドを回転させることができる長さを有している
    請求項2ないし4のいずれか1項に従属する請求項5に記載のフォークモジュール。
  7. 前記フォークモジュール用治具は、該フォークモジュール用治具に対する相対回転を規制した状態で前記支持部を挟持する第4挟持部をさらに備えている
    請求項5または6に記載のフォークモジュール。
  8. シフトノブが接続可能なコントロールブラケットと,シフトセレクトレバーと,が一体にされ、前記シフトノブのセレクト操作に応じて回転すると共に前記シフトノブのシフト操作に応じて軸線方向に移動するコントロールロッドと、
    第1シフトフォークと,前記シフトセレクトレバーが係合可能な第1凹部を有する第1フォークブラケットと,が一体にされた第1フォークロッドと、
    第2シフトフォークと,前記シフトセレクトレバーが係合可能な第2凹部を有する第2フォークブラケットと,が一体にされた第2フォークロッドと、
    を所定の位置関係で位置決め可能なフォークモジュール用治具であって、
    前記コントロールロッドの軸線方向における前記シフトセレクトレバーの軸線方向の位置と,前記第1および第2フォークロッドの軸線方向における前記第1および第2凹部の軸線方向の位置と,が一致するよう前記コントロールロッドと前記第1および第2フォークロッドとを軸線方向に位置決めすると共に、前記コントロールロッドの回転方向における前記コントロールブラケットの回転方向の位置が第1位置となるよう前記コントロールロッドを回転方向に位置決めし、かつ、前記第1および第2凹部によって前記第1および第2フォークロッドの軸線方向に直交状の一条の凹溝が構成されるよう前記第1および第2フォークロッドを回転方向に位置決めする
    フォークモジュール用治具。
  9. 前記フォークモジュール用治具は、本体部と、前記コントロールロッドの軸線方向における前記シフトセレクトレバーの両側において前記コントロールロッドを挟持可能に前記本体部に一体にされた第1および第2挟持部と、前記第1および第2凹部に係合可能に前記第1および第2挟持部の間に配置されると共に前記本体部に一体にされた係合腕と、前記第1シフトフォークまたは前記第1フォークブラケットに当接して前記第1フォークブラケットが前記第2フォークブラケットから遠ざかる方向に前記第1フォークロッドが回転することを規制するよう前記本体部に一体にされた第1回転規制部と、前記第2シフトフォークまたは前記第2フォークブラケットに当接して前記第2フォークブラケットが前記第1フォークブラケットから遠ざかる方向に前記第2フォークロッドが回転することを規制するよう前記本体部に一体にされた第2回転規制部と、前記第1または第2フォークロッドを挟持可能に前記本体部に一体にされた第3挟持部と、を有しており、
    前記第1および第2挟持部が前記コントロールロッドを挟持すると共に前記係合腕が前記第1および第2凹部に係合されることによって、前記コントロールロッドの軸線方向における前記シフトセレクトレバーの位置と,前記第1および第2フォークロッドの軸線方向における前記第1および第2凹部の位置と,が一致するよう前記コントロールロッドと前記第1および第2フォークロッドとが軸線方向に位置決めされ、
    前記第1回転規制部が前記第1シフトフォークまたは前記第1フォークブラケットに当接すると共に前記第2回転規制部が前記第2シフトフォークまたは前記第2フォークブラケットに当接することによって、前記第1および第2凹部が整合して前記第1および第2フォークロッドの軸線方向に直交状の一条の凹溝が構成されるよう前記第1および第2フォークロッドが回転方向に位置決めされ、
    前記第1および第2挟持部が前記コントロールロッドを挟持すると共に前記第3挟持部が前記第1または第2フォークロッドを挟持することによって、前記コントロールブラケットが前記第1位置となるよう前記コントロールロッドが回転方向に位置決めされる
    請求項8に記載のフォークモジュール用治具。
  10. 前記第1および第2挟持部による前記コントロールロッドの挟持を解除する際に、前記コントロールロッドの回転方向における前記コントロールブラケットの回転方向の位置を第2位置にすると共に前記シフトセレクトレバーが前記第1および第2凹部と所定の係合状態となるよう前記コントロールロッドを回転させる
    請求項9に記載のフォークモジュール用治具。
  11. シフトノブの操作に応じて所望のギヤ比を確立し、確立した該ギヤ比をもって動力を伝達可能な変速機の組立て方法であって、
    (a)第1または第2回転軸に支持された第1遊転歯車および/または第2遊転歯車と、前記第2または第1回転軸に支持された第1固定歯車および/または第2固定歯車と、を噛み合わせることによってギヤモジュールを構成し、
    (b)前記シフトノブが接続可能なコントロールブラケットとシフトセレクトレバーとが一体にされたコントロールロッドと、第1シフトフォークと前記シフトセレクトレバーが係合可能な第1凹部を有する第1フォークブラケットとが一体にされた第1フォークロッドと、第2シフトフォークと前記シフトセレクトレバーが係合可能な第2凹部を有する第2フォークブラケットとが一体にされた第2フォークロッドと、を支持部材に挿通し、
    (c)前記コントロールロッドの軸線方向における前記シフトセレクトレバーの位置と,前記第1および第2フォークロッドの軸線方向における前記第1および第2凹部の位置と,が一致するよう前記コントロールロッドと前記第1および第2フォークロッドとを軸線方向に位置決めすると共に、前記コントロールロッドの回転方向における前記コントロールブラケットの回転方向の位置が第1位置となるよう前記コントロールロッドを回転方向に位置決めし、かつ、前記第1および第2凹部が整合して前記第1および第2フォークロッドの軸線方向に直交状の一条の凹溝が構成されるよう前記第1および第2フォークロッドを回転方向に位置決めしてフォークモジュールを構成し、
    (d)前記第1および第2シフトフォークを前記第1または第2回転軸に支持された第1同期装置および/または第2同期装置に係合させることによって、前記フォークモジュールを前記ギヤモジュールに組付けて変速機構モジュールを構成し、
    (e)該変速機構モジュールをケースに組付ける
    変速機の組立て方法。
  12. 前記ステップ(c)は、前記コントロールブラケットおよび前記シフトセレクトレバーを含む前記コントロールロッド、前記第1フォークブラケットおよび前記第1シフトフォークを含む前記第1フォークロッド、および、前記第2フォークブラケットおよび前記第2シフトフォークを含む前記第2フォークロッドに、フォークモジュール用治具を係合させることによって、前記フォークモジュールを構成するステップであり、
    (f)前記コントロールロッド,前記第1フォークロッドおよび前記第2フォークロッドと、前記フォークモジュール用治具と、の係合を解除する際、前記コントロールロッドの回転方向における前記コントロールブラケットの回転方向の位置が第2位置となるよう前記コントロールロッドを回転させるステップをさらに備える
    請求項11に記載の変速機の組立て方法。
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