JPH10299894A - 手動変速機の変速操作機構 - Google Patents

手動変速機の変速操作機構

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JPH10299894A
JPH10299894A JP11891197A JP11891197A JPH10299894A JP H10299894 A JPH10299894 A JP H10299894A JP 11891197 A JP11891197 A JP 11891197A JP 11891197 A JP11891197 A JP 11891197A JP H10299894 A JPH10299894 A JP H10299894A
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shaft
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Shinichi Takamura
伸一 高村
Jun Yabuta
潤 藪田
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Aisin Corp
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Aisin Seiki Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 前進6段・後進1段の手動変速機のための変
速操作機構の簡素化を図る。 【解決手段】 所定のセレクト位置におけるレバー部材
(28)と第1フォーク部材(35)とを一方向に対し
てのみ係合させる第1係合部材(38)と、第1フォー
ク部材(35)と第2フォーク部材(36)とに対して
相対移動可能な可動部材(40)と、前記所定のセレク
ト位置におけるレバー部材(28)を可動部材(40)
に係合させる第2係合部材(44)と、可動部材(4
0)が第2フォーク部材(36)に対して前記反対方向
に所定量以上相対移動する際にこれらを係合させる第3
係合部材(45)と、セレクト位置から前記いずれかの
方向に前記可動部材(40)およびいずれかのフォーク
部材(35,36)が共に移動した場合に、これら可動
部材(40)といずれかのフォーク部材(35,36)
とを、少なくともセレクト位置に向けた移動方向に一体
化する選択連結機構(39)とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、手動変速機の変
速操作機構に関し、特にシフトレバーなどの変速操作手
段で選択する変速段の相対位置とギヤ列における所定の
変速段用ギヤ対の相対位置とが異なっている手動変速機
に好適な変速操作機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように手動変速機は、ドライバー
ズシートの近傍のフロアーやステアリングコラムなどに
設けたシフトレバーによって変速段を選択し、かつその
変速段位置にシフト操作することにより、このシフトレ
バーの動作を同期装置などの変速装置に伝達し、このよ
うにして運転者が手動操作で選択した変速段を達成する
ように構成されている。そして変速操作性を良好にする
ために、各変速段の位置は、隣接する変速段が可及的に
対向するように設定している。具体的には、ニュートラ
ルポジションから延びるガイド溝を挟んだ両側に、互い
に隣接する2つの変速段位置を設定しておき、シフトレ
バーをこれら2つの変速段位置の間のセレクト位置に移
動させ、ここからいずれか一方の変速段位置にシフト操
作するように構成している。したがって通常は、第1速
と第2速、第3速と第4速、第5速と第6速とが互いに
セレクト位置を挟んで対向するように構成されている。
【0003】一方、変速機におけるギヤ対の配列は、車
載性や製造性などの要請に基づいて決められ、したがっ
て必ずしも隣接する変速段のためのギヤ対が並んで配置
されるわけではない。例えば5速変速機に新たに第6速
を追加し、部品の共通化を図りつつ6速変速機とする場
合、ギヤ対の上では、第5速のギヤ対と後進段のギヤ対
とが対向もしくは並んで配置されるとともに第6速のギ
ヤ対が単独で配置され、あるいは第6速のギヤ対と後進
段のギヤ対が対向もしくは並んで配置されるとともに、
第5速のギヤ対が単独で配置される場合がある。
【0004】このような構成の手動変速機では、第5速
と第6速とのセレクト位置からシフト操作を行った場合
に、そのシフト操作方向によって、異なるシフトフォー
クを動作させるように構成する必要がある。そこで特開
平7−91541号公報に記載された発明では、シフト
アンドセレクトレバーシャフトとフォークシャフトとの
間にワンウェイ機構を設けるとともに、5速−リバース
シフトフォークとシフトアンドセレクトレバーシャフト
との間に連結機構を設けている。
【0005】すなわち上記の公報に記載された発明で
は、第5速にシフトする場合、ワンウェイ機構がシフト
アンドセレクトレバーシャフトを伴ってその軸線方向に
移動し、かつそのシフトアンドセレクトレバーシャフト
に連結機構を介して5速−リバースシフトフォークが連
結され、その結果、5速−リバースシフトフォークが同
期装置を動作させて第5速が達成される。第6速へのシ
フト操作の方向は、第5速へのシフト操作の方向とは反
対であり、この場合は、ワンウェイ機構がフォークシャ
フトと一体化し、このフォークシャフトに取り付けてあ
る6速用シフトフォークが同期装置を動作させ、第6速
が達成される。さらにリバースにシフト操作すると、連
結機構によるシフトアンドセレクトレバーシャフトと5
速−リバースシフトフォークとの連結が外れ、そのシフ
トフォークが第5速とは反対方向に移動して後進段(リ
バース)が達成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の変速操
作機構は、シフト操作されて移動する部材に連結される
部材を、ワンウェイ機構と連結機構とのそれぞれ独立し
た2つの機構によって選択するように構成されている。
そのため、シフト装置上では第5速と第6速とが対向し
ているのに対して、ギヤトレーン上では第5速とリバー
スとが対向している変速機の変速操作を支障なく行うこ
とができるが、互いに全く独立した2つの選択機構を設
けているので、構成が複雑になり、製造性やコストの点
で改善すべき余地があった。
【0007】この発明は上記の事情を背景にしてなされ
たものであり、構造を簡素化することのできる変速操作
機構を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の課
題を解決するために、この発明は、所定のセレクト位置
からシフト操作することによりレバー部材から操作力を
受けて一方向に動作させられる第1フォーク部材と、前
記セレクト位置から前記シフト操作とは反対方向にシフ
ト操作することにより前記レバー部材から操作力を受け
て前記第1フォーク部材の動作方向とは反対方向に動作
させられ、かつ他のセレクト位置からシフト操作するこ
とによりレバー部材から操作力を受けて前記第1フォー
ク部材と同方向に動作させられる第2フォーク部材とを
備えた手動変速機の変速操作機構において、前記所定の
セレクト位置におけるレバー部材の前記一方向に向けた
操作力のみを第1フォーク部材に伝達する第1係合部材
と、前記第1フォーク部材と第2フォーク部材とに対し
て前記一方向およびこれと反対の方向の両方向に相対移
動可能な可動部材と、前記所定のセレクト位置における
レバー部材の前記一方向およびこれと反対の方向の両方
向に対する操作力を前記可動部材に伝達する第2係合部
材と、前記可動部材が前記第2フォーク部材に対して前
記反対方向に所定量以上相対移動する際に可動部材と第
2フォーク部材とをその移動方向に一体化させる第3係
合部材と、前記セレクト位置から前記いずれかの方向に
前記可動部材およびいずれかのフォーク部材が共に移動
した場合に、これら可動部材といずれかのフォーク部材
とを、少なくともセレクト位置に向けた移動方向に一体
化する選択連結機構とを備えていることを特徴とするも
のである。
【0009】したがってこの発明の変速操作機構では、
前記所定のセレクト位置ではレバー部材が前記一方向に
操作されることにより、そのレバー部材が第1係合部材
によって第1フォーク部材に連結され、第1フォーク部
材が前記一方向に移動させられる。これにより所定の変
速段へのシフト操作が行われる。その場合、第2係合部
材によってレバー部材と可動部材とが連結されるので、
可動部材が第1フォーク部材と共に移動する。その結
果、選択連結機構が可動部材と第1フォーク部材とを、
少なくともセレクト方向に移動するように連結する。し
たがってレバー部材がセレクト位置に向けて操作された
場合、すなわち前記一方向とは反対方向に向けて操作さ
れた場合、可動部材および選択連結機構を介して第1フ
ォーク部材が移動させられる。
【0010】一方、前記所定のセレクト位置から前記一
方向とは反対の方向にレバー部材が操作された場合、レ
バー部材と可動部材とが第2係合部材によってその移動
方向に対して一体化されているので、可動部材が移動す
る。そしてこの可動部材と第2フォーク部材とが、第3
係合部材によってその移動方向に対して一体化させられ
るので、結局、レバー部材によって第2フォーク部材が
前記反対方向に移動させられ、所定の変速段へのシフト
操作が行われる。その変速段から他の変速段に変速する
場合、レバー部材と可動部材とが第2係合部材によって
連結されているので、可動部材がセレクト位置に向けて
移動する。その場合、シフト操作時に可動部材と第2フ
ォーク部材とが共に移動したから、これらが選択連結機
構によって一体化されており、したがって可動部材のセ
レクト位置への移動によって第2フォーク部材がセレク
ト位置に向けて移動させられる。
【0011】さらに他のセレクト位置においてはレバー
部材が第2フォーク部材に係合しており、ここでレバー
部材が前記一方向に移動するようにシフト操作すると、
第2フォーク部材がその方向に移動する。その場合、第
2フォーク部材と可動部材とが第3係合部材によってそ
の移動方向に一体化されるので、可動部材が第2フォー
ク部材と共に移動する。しかしながらこの状態では第1
フォーク部材と可動部材とは相対移動可能であるから、
第1フォーク部材が移動することはない。また可動部材
と第2フォーク部材とが共に移動したために、選択連結
機構によってこれらがセレクト位置に向けた移動に対し
て一体化され、したがってレバー部材を反対方向に操作
した場合には、第2フォーク部材の移動によって可動部
材がセレクト位置に向けて移動させられる。
【0012】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の具体例を添付
の図面を参照して説明する。ここに示す具体例は、前進
6段・後進1段を設定することのできる手動変速機に用
いられる変速操作機構であり、そこで先ず、その手動変
速機のギヤトレーンについて説明する。
【0013】図5において、入力軸1と同一軸線上に出
力軸2が配置されており、これらのの入力軸1および出
力軸2と平行にカウンター軸3が配置されている。入力
軸1における出力軸2側の端部には、第4速用ドライブ
ギヤ4が一体に形成されており、この第4速用ドライブ
ギヤ4に噛合した第4速用ドリブンギヤ5がカウンター
軸3に一体に形成されている。これに対して出力軸2の
入力軸1側の端部には、第3速用ドリブンギヤ6が回転
自在に取り付けられており、この第3速用ドリブンギヤ
6に噛合した第3速用ドライブギヤ7がカウンター軸3
に一体回転するように取り付けられている。
【0014】そして第4速用ドライブギヤ4と第3速用
ドリブンギヤ6との間には、第3速・第4速同期装置8
が設けられている。この同期装置8は、従来知られてい
るものと同様であって、出力軸2に一体化したハブの外
周側にハブスリーブを軸線方向に移動可能に配置し、こ
のハブスリーブが第4速用ドライブギヤ4側もしくは第
3速用ドリブンギヤ6側に移動することにより、第4速
用ドライブギヤ4もしくは第3速用ドリブンギヤ6をハ
ブを介して出力軸2に連結するように構成されている。
【0015】出力軸2には、第3速用ドリブンギヤ6に
続けて図5の右方向に順に、第5速用ドリブンギヤ9、
第2速用ドリブンギヤ10、第1速用ドリブンギヤ1
1、第6速用ドリブンギヤ12、リバース(後進段)用
ドリブンギヤ13が、それぞれ回転自在に取り付けられ
ている。これに対してカウンター軸3には、図5の左か
ら順に、第5速用ドリブンギヤ9に噛合した第5速用ド
ライブギヤ14、第2速用ドリブンギヤ10に噛合した
第2速用ドライブギヤ15、第1速用ドリブンギヤ11
に噛合した第1速用ドライブギヤ16、第6速用ドリブ
ンギヤ12に噛合した第6速用ドライブギヤ17、リバ
ース用ドリブンギヤ13にリバースアイドラ(図示せ
ず)を介して連結されているリバース用ドライブギヤ1
8がそれぞれカウンター軸3と共に回転するように設け
られている。
【0016】そして、第3速用ドリブンギヤ6と第5速
用ドリブンギヤ9との間には、前進第5速を選択的に設
定するための第5速同期装置19が設けられている。ま
た第2速用ドリブンギヤ10と第1速用ドリブンギヤ1
1との間には、第1速・第2速同期装置20が設けられ
ている。さらに第6速用ドリブンギヤ12とリバース用
ドリブンギヤ13との間には、第6速・リバース同期装
置21が設けられている。これらの同期装置19,2
0,21は前述した第4速・第3速同期装置8と同様に
従来から知られているものと同様な構成である。
【0017】各同期装置8,19,20,21における
ハブスリーブには、シフトフォーク22,23,24,
25が、軸線方向に対して一体的に移動するようにそれ
ぞれ係合している。そしてこれらのシフトフォーク2
2,23,24,25は、出力軸2と平行に配置したフ
ォークシャフト(1速−2速用のフォークシャフト26
のみを図示してある)に一体化されている。これらのフ
ォークシャフトには、シフトアンドセレクトレバーシャ
フト27に一体化させてあるシフトインナーレバー28
が選択的に係合し、このシフトインナーレバー28によ
って軸線方向に(図5の左右方向)に移動させられて所
定のシフト操作を行うように構成されている。
【0018】そのシフトアンドセレクトレバーシャフト
27は、前記フォークシャフト26と直交する方向に配
置されている。図5においては紙面に垂直な方向に配置
され、所定角度回転しかつ軸線方向に移動可能に保持さ
れている。またこのシフトアンドセレクトレバーシャフ
ト27に一体化してあるシフトインナーレバー28の先
端部は、凸円弧面もしくは球面を備えたものであって、
その凸円弧面もしくは球面部分でフォークシャフト26
におけるヘッド29に係合するように構成されている。
なお、このヘッド29の一例は図5に示すようにインナ
ーレバー28を挟み込む一対の突起部によって構成され
ている。
【0019】上記のシフトアンドセレクトレバーシャフ
ト27は、図示しないシフトレバーをセレクト操作する
ことにより、軸線方向に移動させられ、また所定のセレ
クト位置でシフト操作することにより回動するように構
成されている。そのシフトレバーによって選択される変
速段位置(シフトポジションパターン)は図6に示すと
おりである。すなわち丸で囲んだNの文字で示す位置が
ニュートラルポジションであって、ここを挟んで第3速
位置と第4速位置とが対向して配置されている。その第
3速位置に対して図6の左側に第1速位置、右側に第5
速位置がそれぞれ配置されている。そして第1速位置に
対向して第2速位置が配置され、また第5速位置に対向
して第6速位置が配置されている。そしてこれら互いに
対向する変速段位置の中間部がそれぞれの変速段につい
てのセレクト位置である。そして図6における第1速位
置の左側にリバース位置が配置されている。
【0020】したがって、シフト装置における変速段位
置では、第5速と第6速とが対向しているが、ギヤトレ
ーンにおいては、第5速と第6速とが離れた位置に配置
され、第6速とリバースとが互いに隣接もしくは対向し
て配置され、これに対して第5速は単独で配置されてい
る。
【0021】上述した手動変速機を対象とするこの発明
にかかる変速操作機構を、図1および図2を参照して説
明する。これらの図1および図2において符号30はケ
ースを示しており、このケース30は、主ケース31と
主ケース31に対してサポート部材32を挟んで取り付
けられた副ケース33とによって構成されている。この
ケース30の内部には、図1の上から順に、3速−4速
フォークシャフト34、1速−2速フォークシャフト2
6、5速フォークシャフト35、6速−リバースフォー
クシャフト36がそれぞれ軸線方向に移動するようにか
つ互いに平行に配置されている。
【0022】3速−4速フォークシャフト34は、主ケ
ース31とサポート部材32とによって両端部を支持さ
れている。これに隣接する1速−2速フォークシャフト
26も同様に、主ケース31とサポート部材32とによ
って両端部を支持されている。これらのフォークシャフ
ト34,26には、図5に示した一対の突起部からなる
ヘッド37,29が形成されている。なお、これらのヘ
ッド37,29は、図1に示すように、互いに接近して
配置されかつそれぞれの突起部の対向面の中心が一直線
上に並ぶようになっている。さらに3速−4速フォーク
シャフト34には、前述した第3速・第4速同期装置8
におけるハブスリーブに係合したシフトフォーク22が
一体化されている。またこれと同様に、1速−2速フォ
ークシャフト26には、第1速・第2速同期装置20に
おけるハブスリーブに係合したシフトフォーク24が一
体化されている。
【0023】他方、5速フォークシャフト35は、1速
−2速フォークシャフト26から幾分離れて配置されて
おり、この5速フォークシャフト35は主ケース31と
サポート部材32とによって両端部を支持されている。
この5速フォークシャフト35がこの発明における第1
フォーク部材に相当し、この5速フォークシャフト35
には、一つの突起部からなるヘッド38が形成されてい
る。またこの5速フォークシャフト35には前述した第
5速同期装置19におけるハブスリーブに係合したシフ
トフォーク23が一体化されている。
【0024】さらに6速−リバースフォークシャフト3
6は、5速フォークシャフト35に接近して配置されて
おり、この6速−リバースフォークシャフト36は、サ
ポート部材32を貫通し、その一方の端部が副ケース3
3に嵌合し、したがってこれらサポート部材32と副ケ
ース33とによって軸線方向に移動可能に支持されてい
る。この6速−リバースフォークシャフト36の主ケー
ス31側の端部はサポート部材32を貫通し、主ケース
31側に大きく突出しており、その先端部にこの発明の
選択連結機構に相当するワンウェイ機構39が設けられ
ている。
【0025】このワンウェイ機構39は、5速フォーク
シャフト35と6速−リバースフォークシャフト36と
のそれぞれに相対移動可能に嵌合したスリーブ部材40
と、このスリーブ部材40に保持され、かついずれかの
フォークシャフト35,36に選択的に係合するワンウ
ェイボール41とを主な構成要素とするものである。す
なわちスリーブ部材40は、図2に示すように、5速フ
ォークシャフト35を貫通させる貫通孔と6速−リバー
スフォークシャフト36を貫通させる貫通孔とを備え、
これらの貫通孔を連結させる連通孔を形成したものであ
って、その連通孔の内部にワンウェイボール41が移動
自在に保持されている。
【0026】このワンウェイボール41の外径は、2本
の貫通孔の間隔、すなわち5速フォークシャフト35の
外面と6速−リバースフォークシャフト36の外面との
間隔よりも若干大きい直径である。これに対して5速フ
ォークシャフト35と6速−リバースフォークシャフト
36のそれぞれにはワンウェイボール41が若干入り込
む凹部42,43が形成されている。これらの凹部4
2,43の軸線方向(図1における左右方向)の位置
は、ニュートラル状態(セレクト位置)においてワンウ
ェイボール41と一致する位置であり、またその凹部4
2,43の深さはワンウェイボール41を一方の凹部4
2,43から抜け出せることのできる深さである。
【0027】すなわちスリーブ部材40と一方のフォー
クシャフト35,36とが相対移動することにより、凹
部42,43の位置がワンウェイボール41の位置から
ずれ、こうして相対移動したフォークシャフト35,3
6の凹部42,43からワンウェイボール41が抜け出
し、他方の凹部42,43に入り込む。その結果、一方
のフォークシャフト35,36のスリーブ部材40に対
する相対移動を許容すると同時に、他方のフォークシャ
フト35,36とスリーブ部材40とをワンウェイボー
ル41によって軸線方向に対して連結一体化するように
なっている。したがって、スリーブ部材40がこの発明
における可動部材に相当している。
【0028】このスリーブ部材40のうち5速フォーク
シャフト35の外周側の部分には、一対の突起部からな
るヘッド44が形成されている。このヘッド44を構成
する一方の突起部(図1における左側の突起部)は前述
した3速−4速フォークシャフト34におけるヘッド3
7あるいは1速−2速フォークシャフト26におけるヘ
ッド29と同様な構成であり、これに対して他方の突起
部(図1における右側の突起部)は、厚さがほぼ半分に
形成されている。この薄い突起部は5速フォークシャフ
ト35におけるヘッド38に隣接して配置されており、
この5速フォークシャフト35におけるヘッド38も他
のヘッドにおける突起部のほぼ半分の厚さである。した
がってこれら2つの突起部がスリーブ部材40における
ヘッド用の他方の突起部とほぼ同一の厚さとなってい
る。すなわち後述するようにこのスリーブ部材40にお
けるヘッド44にシフトインナーレバーの先端が挿入さ
れた場合、そのシフトインナーレバーの先端部がスリー
ブ部材40におけるヘッド44と5速フォークシャフト
35におけるヘッド38との両方向に同時に係合するよ
うになっている。
【0029】なおここで、5速フォークシャフト35は
図1の右方向に移動することにより第5速へのシフト操
作を行うものであり、したがってそのヘッド38はシフ
トインナーレバーからの操作力を図1の右方向に向けて
受ける位置に形成されている。
【0030】この5速フォークシャフト35におけるヘ
ッド38がこの発明における第1係合部材に相当し、ま
たスリーブ部材40におけるヘッド44がこの発明にお
ける第2係合部材に相当している。
【0031】他方、6速−リバースフォークシャフト3
6におけるスリーブ部材40を貫通した先端部には、ス
ナップリング45が取り付けられており、スリーブ部材
40が図1の左方向に移動した場合にこのスナップリン
グ45によってスリーブ部材40と6速−リバースフォ
ークシャフト36とが連結されるように構成されてい
る。したがってスナップリング45が、この発明におけ
る第3係合部材に相当している。
【0032】そして、6速−リバースフォークシャフト
36にはヘッド46が一体的に取り付けられている。こ
のヘッド46は、前述した各ヘッドと同様に、一対の対
向面を備えており、ここに後述するシフトインナーレバ
ーが入り込むようになっている。そしてこれらのヘッド
37,29,38,44,46は、図1に示すように同
一直線上に配列されている。さらに6速−リバースフォ
ークシャフト36のうち副ケース33の内部に位置する
箇所には、第6速・リバース同期装置21のハブスリー
ブに係合したシフトフォーク25が一体的に取り付けら
れている。
【0033】なおここで、インターロック機構について
簡単に説明する。インターロック機構はいわゆる二重係
合防止装置であって、前述したサポート部材32の内部
に設けられている。すなわちサポート部材32の内部に
は、3速−4速フォークシャフト34の貫通部分と1速
−2速フォークシャフト26の貫通部分とを連通させた
連通孔47と、1速−2速フォークシャフト26を貫通
させた貫通部分と5速フォークシャフト35を貫通させ
た貫通部分とを連通する第2の連通孔48と、5速フォ
ークシャフト35を貫通させた貫通部分と6速−リバー
スフォークシャフト36を貫通させた貫通部分とを連通
する第3の連通孔49とが同一直線上に形成されてい
る。これらの連通孔47,48,49には、その長さよ
り若干長いロックピン50,51もしくは外径が若干大
きいロックボール52が収容されている。
【0034】また1速−2速フォークシャフト26に
は、ロックピン50,51に挟み付けられたピン53
が、半径方向に貫通する孔の内部に設けられている。こ
れと同様に5速フォークシャフト35には、ロックピン
51とロックボール52とに挟み付けられたピン54
が、半径方向に貫通する孔の内部に配置されている。
【0035】図1に示す状態はニュートラル状態であ
り、したがって各ロックピン50,51、ロックボール
52ならびにピン53,54が一直線上に並んでおり、
一方の端部側に位置する3速−4速フォークシャフト3
4に形成した溝にロックピン50が入り込むことがで
き、また他方の端部に位置する6速−リバースフォーク
シャフト36に形成した凹部にロックボール52が入り
込むことができるような状態である。この状態でいずれ
かのフォークシャフト34,26,35,36がシフト
操作によって軸線方向に移動した場合、そのフォークシ
ャフト34,26,35,36に隣接して位置している
ロックピン50,51もしくはロックボール52が、そ
のフォークシャフトの表面によって図1の上下方向に押
される。その結果、それらのロックピン50,51もし
くはロックボール52が他のフォークシャフトとサポー
ト部材32との境界部分に跨って位置することになる。
したがってそれらのロックピン50,51もしくはロッ
クボール52が他のフォークシャフトとサポート部材3
2とを軸線方向に対して連結した状態となり、他のフォ
ークシャフトが軸線方向に移動し得ないようになる。す
なわち他のフォークシャフトによるシフト操作およびそ
れに起因する二重係合が阻止される。
【0036】上記のフォークシャフト34,26,3
5,36を軸線方向に移動させるシフト操作のための機
構を図2に示してある。前記のヘッド37,29,3
8,44,46を配列してある直線の上方箇所(図2お
よび図5での上方)には、シフトアンドセレクトレバー
シャフト27が軸線方向への移動と中心軸を中心とした
回転とを行ない得るように配置されている。このシフト
アンドセレクトレバーシャフト27の一方の端部はケー
ス30に支持されており、また他方の端部はケース30
を貫通し、その貫通部分でケース30によって支持され
ている。そしてそのシフトアンドセレクトレバーシャフ
ト27のケース30から突出した先端部には、シフトア
ウターレバー55が取り付けられており、このシフトア
ウターレバー55の先端部に図示しないシフトレバーが
ケーブルにより連結されている。
【0037】このシフトアンドセレクトレバーシャフト
27の中間部には、2本のシフトインナーレバー28,
56が取り付けられている。これらのシフトインナーレ
バー28,56は、シフトアンドセレクトレバーシャフ
ト27にスプライン嵌合した円筒部とその円筒部から前
記フォークシャフト34,26,35,36側に延びた
レバー部とから構成されている。
【0038】第1のシフトインナーレバー28のレバー
部は、3速−4速フォークシャフト34および1速−2
速フォークシャフト26におけるヘッド37,29側に
延びており、これらのヘッド37,29のいずれかに選
択的に係合するように構成されている。すなわちこれら
のヘッド37,29を構成している一対の突起部の間に
入り込み、フォークシャフト34,26の軸線方向に係
合し、操作力をこれらのフォークシャフト34,26に
伝達するようになっている。またそのシフトインナーレ
バー28が回動動作するのに対して、フォークシャフト
34,26は軸線方向へ直線運動させるために、それら
のシフトインナーレバー28の先端部のうちヘッド3
7,29に接触する面が図5に示すように凸円弧面もし
くは球面に形成されている。
【0039】また第2のシフトインナーレバー56がこ
の発明のレバー部材に相当し、その半径方向に突出した
レバー部は、5速フォークシャフト35におけるヘッド
38およびスリーブ部材40におけるヘッド44ならび
に6速−リバースフォークシャフト36におけるヘッド
46側に延びており、それらのヘッド38,44,46
に選択的に係合するように構成されている。この第2の
シフトインナーレバー56における先端部は、第1のシ
フトインナーレバー28の先端部とほぼ同様な形状であ
り、その先端部の厚さは、5速フォークシャフト35に
おけるヘッド44を構成している一方の突起部の厚さ、
あるいは6速−リバースフォークシャフト36における
ヘッド46を構成している一対の対向面の幅とほぼ等し
く形成されている。したがってこの第2のシフトインナ
ーレバー56の先端部がスリーブ部材40におけるヘッ
ド44に係合した状態では、同時に5速フォークシャフ
ト35のヘッド38に係合するようになっている。
【0040】これらのシフトインナーレバー28,56
は図1の上下方向(図2の左右方向)に移動することに
より、いずれかのヘッドに係合するものであり、このよ
うな動作すなわちセレクト動作を行うためのセレクトレ
バーが設けられている。すなわち図5および図2に示す
ようにケース30の上部には、ケース30を貫通した回
転軸57が設けられており、そのケース30内の端部に
は、シフトアンドセレクトレバーシャフト27側に延び
たセレクトインナーレバー58が取り付けられている。
そしてこのセレクトインナーレバー58の先端部は、シ
フトアンドセレクトレバーシャフト27に一体化してあ
る第2のシフトインナーレバー56に係合している。
【0041】また回転軸57のケース30の外部に突出
した端部にはセレクトアウターレバー59が取り付けら
れている。そのセレクトアウターレバー59の先端部に
シフトレバーに取り付けたケーブル(図示せず)が連結
され、シフトレバーのセレクト操作力をここに伝達し、
それに伴ってシフトアンドセレクトレバーシャフト27
が図2の左右方向に往復移動するように構成されてい
る。
【0042】つぎに上述した変速操作機構の作用につい
て説明する。先ずこの発明の特徴的構成である選択連結
機構に相当するワンウェイ機構39を動作させる変速操
作について説明する。図示しないシフトレバーを第5速
と第6速とのセレクト位置に移動させると、その動作が
ケーブルによって前記セレクトアウターレバー59に伝
達され、このセレクトアウターレバー59と共に回転軸
57とセレクトインナーレバー58とが回転動作を行
う。その結果、セレクトインナーレバー58の先端部が
図2の右方向に移動し、これによってシフトアンドセレ
クトレバーシャフト27が図2の最も右側に移動する。
【0043】この状態では、第1のインナーレバー28
の先端部が、いずれのヘッドからも外れた位置に移動す
る。これに対してこの発明のレバー部材に相当する第2
のインナーレバー56が5速シフトレバー35における
ヘッド38およびスリーブ部材40におけるヘッド44
に係合する位置に移動する。この状態を図3の(A)に
示してある。
【0044】このセレクト位置からシフトレバーを第5
速の変速段位置にシフト操作すると、その動作がケーブ
ルを介して前記シフトアウターレバー55に伝達され、
このシフトアウターレバー55と共にシフトアンドセレ
クトレバーシャフト27が回転動作する。この回転動作
は、各インナーレバー28,56の先端部が図1および
図3の右方向に移動する回転動作である。その結果、こ
のような操作力が第2のインナーレバー56を介してこ
れが係合している各ヘッド38,44に伝達される。す
なわちこれらのヘッド38,44と一体の5速フォーク
シャフト35とスリーブ部材40とが図1および図3の
右方向に移動させられる。
【0045】その場合、スリーブ部材40が保持してい
るワンウェイボール41が、6速−リバースフォークシ
ャフト36に形成した凹部43から抜け出して5速フォ
ークシャフト35に形成した凹部42に入り込む。この
ようにして5速フォークシャフト35とスリーブ部材4
0とが、ワンウェイボール41を介して移動方向に対し
て一体化される。
【0046】5速フォークシャフト35とスリーブ部材
40とが第5速を設定する位置に移動した状態を図3の
(B)に示してある。この状態では、5速フォークシャ
フト35と一体のシフトフォーク23が図3および図5
の右方向に移動し、その結果、第5速同期装置19によ
って第5速用ドリブンギヤ9が出力軸2に連結され、第
5速が達成される。
【0047】なお、5速フォークシャフト35が第5速
を設定する方向に移動することにより、ロックボール5
2が6速−リバースフォークシャフト36側に押し出さ
れ、またロックピン51が1速−2速フォークシャフト
26側に押し出され、さらにこれに伴ってロックピン4
7が3速−4速フォークシャフト34側に押し出され
る。したがってこれらのフォークシャフト34,26,
36がロックピン50,51およびロックボール52に
よってサポート部材32に係合し、その移動が阻止され
る。すなわち二重係合が防止される。
【0048】この第5速の状態からシフトレバーをセレ
クト位置に戻す場合、インナーレバー56の先端部は、
上述した場合とは反対方向に移動する。すなわち図1お
よび図3の左方向に移動する。このインナーレバー56
の先端部は、スリーブ部材40のヘッド44に対して両
方向に係合しているので、インナーレバー56がこのよ
うに動作することにより、スリーブ部材40が図1およ
び図3の左方向に操作力を受けて移動する。これに対し
て5速フォークシャフト35に形成されたヘッド38
は、単一の突起部によって形成されていて第5速へのシ
フト方向にのみ操作力を受けるように構成されているの
で、セレクト位置に向けたインナーレバー56の動作に
よっては直接には操作力を受けない。
【0049】しかしながら前述したように5速フォーク
シャフト35は、スリーブ部材40と共に移動したこと
によってワンウェイボール41によってスリーブ部材4
0と一体化されているので、スリーブ部材40が、その
ヘッド44に係合したインナーレバー56から操作力を
受けて移動することにより、5速フォークシャフト35
がこれと共に図1および図3の左方向に移動する。こう
してセレクト位置もしくはニュートラルポジションまで
シフトレバーを操作すれば、図3の(A)に示す状態に
復帰する。
【0050】また第5速・第6速セレクト位置から第6
速側にシフトレバーをシフト操作した場合、第2のイン
ナーレバー56の先端部が上述した場合とは反対方向に
移動する。すなわち第2インナーレバー56の先端部
が、図3の(A)に示すセレクト位置から図1および図
3の左方向に移動する。その場合、5速フォークシャフ
ト35に形成したヘッド38は、単一の突起部によって
形成され、第6速へのシフト方向にはインナーレバー5
6と係合しないので、5速フォークシャフト35に対し
ては操作力が作用せず、5速フォークシャフト35はそ
のままの位置に留め置かれる。
【0051】これに対してスリーブ部材40に形成した
ヘッド44は、両方向に対してインナーレバー56と係
合するから、上記のように第2のインナーレバー56が
第6速方向に動作すると、それに併せてスリーブ部材4
0が図1および図3の左方向に移動する。このスリーブ
部材40と6速−リバースフォークシャフト36とは、
第6速へのシフト方向に向けてスナップリング(この発
明の第3係合部材に相当する。)45によって係合・一
体化されているので、スリーブ部材40が上記のように
移動することにより、6速−リバースフォークシャフト
36が図1および図3の左方向、すなわち第6速方向に
移動する。
【0052】したがって6速−リバースフォークシャフ
ト36に取り付けたシフトフォーク25が図5の左方向
に移動し、第6速・リバース同期装置21のハブスリー
ブが図5の左方向に移動して第6速用ドリブンギヤ12
が出力軸2に連結され、第6速が達成される。
【0053】この場合、スリーブ部材40と共に6速−
リバースフォークシャフト36が移動するので、スリー
ブ部材40が保持しているワンウェイボール41が5速
フォークシャフト35の凹部42から抜け出て6速−リ
バースフォーシャフト36の凹部43に入り込む。その
結果、スリーブ部材40と6速−リバースフォークシャ
フト36とが、ワンウェイボール41によってその移動
方向に対して一体化される。その状態を図3の(C)に
示してある。
【0054】したがってシフトレバーを第6速位置から
第5速・第6速セレクト位置に向けてシフト操作した場
合、第2のインナーレバー56の先端部が図3の(C)
に示す位置から右方向に移動する。それに伴ってスリー
ブ部材40がそのヘッド44を介して操作力を受け、図
1および図3の右方向に移動する。その場合、スリーブ
部材40はスナップリング45から離れる方向に移動す
るので、この部分での操作力の伝達は生じないが、スリ
ーブ部材40と6速−リバースフォークシャフト36と
は、ワンウェイボール41によって連結・一体化されて
いるので、スリーブ部材40のセレクト位置に向けた移
動によって6速−リバースフォークシャフト36が図1
および図3の右方向に移動する。そして図3の(A)に
示す状態に復帰する。
【0055】なお、第6速にシフトすることに伴ってイ
ンターロック機構により他のフォークシャフト34,2
6,35の移動が阻止されることは、上述した第5速に
シフトする場合と同様である。
【0056】さらに後進段を設定するためにシフトレバ
ーをリバースセレクト位置に移動させると、その動作が
シフトアンドセレクトレバーシャフト27に伝達され、
このシフトアンドセレクトレバーシャフト27が図2の
最も左側に移動する。その結果、第1のインナーレバー
28はいずれのヘッドとも係合せず、これに対して第2
のインナーレバー56の先端部が、6速−リバースフォ
ークシャフト36に設けたヘッド46に係合する。この
ヘッド46は前述したように、第2のインナーレバー5
6の先端部を挟み込む一対の対向面を備えていて、図の
左右両方向に対してインナーレバー56に係合する。そ
の状態を図3の(D)に示してある。
【0057】したがってリバースセレクト位置から後進
段位置にシフトレバーをシフト操作すると、第2のイン
ナーレバー56の先端部が、図3の(D)の位置から右
方向に移動し、それに伴って6速−リバースフォークシ
ャフト36が図1および図3の右方向に移動する。そし
てこれに取り付けてあるシフトフォーク25が図5の右
方向に移動することにより、後進段用ドリブンギヤ13
が第6速・リバース用同期装置21によって出力軸2に
連結され、後進段が達成される。その状態を図3の
(E)に示してある。
【0058】このようにして後進段にシフト操作した場
合、6速−リバースフォークシャフト36とスリーブ部
材40とがスナップリング45によって係合した状態に
なり、スリーブ部材40が、6速−リバースフォークシ
ャフト36と共に移動する。しかしながらこのスリーブ
部材40と5速フォークシャフト35とは相対移動可能
であり、しかもワンウェイボール41が5速フォークシ
ャフト35の凹部42から抜け出るので、スリーブ部材
40と5速フォークシャフト35とは係合しない。すな
わち5速フォークシャフト35はそのまま留め置かれ
る。また後進段へのシフト時においても前記インターロ
ック機構が上述した場合と同様に動作して他のフォーク
シャフトの移動を阻止する。
【0059】なお、6速−リバースフォークシャフト3
6に形成したヘッド46には、第2のインナーレバー5
6の先端部が、図の左右両方向に対して係合するので、
第2のインナーレバー56の先端部が図3の(D)に示
す位置から左方向に移動すれば、6速−リバースフォー
クシャフト36およびこれに取り付けてあるシフトフォ
ーク25が左方向に移動し、第6速へのシフトが生じて
しまうが、図6に示すように、後進段位置に対してセレ
クト位置を挟んで対向するシフトポジションが設定され
ていないから、このようなシフト操作は生じない。な
お、このようなシフト操作を防止する機構を変速機もし
くは変速操作装置の内部に設けることは、必要に応じて
行うことができる。
【0060】上述した第5速、第6速、後進段の各変速
段以外の変速段への変速操作およびそれに伴う変速操作
機構の動作は、従来のものとほぼ同様である。以下、第
1速ないし第4速への変速について簡単に説明する。ニ
ュートラルポジョンは、前述したように第3速と第4速
と中間の位置であり、ここからシフトレバーを第1速・
第2速セレクト位置に移動させると、シフトアンドセレ
クトレバーシャフト27が図2に示す位置から左方向に
移動し、第1のインナーレバー28が1速−2速フォー
クシャフト26におけるヘッド29に係合する位置に設
定される。この状態から第1速にシフト操作すると、イ
ンナーレバー28の先端部が図1および図5の右方向に
移動し、その結果、1速−2速フォークシャフト26お
よびこれに一体化させてあるシフトフォーク24が同様
に移動する。そして第1速・第2速同期装置20によっ
て第1速用ドリブンギヤ11が出力軸2に連結され、第
1速が達成される。
【0061】これとは反対に第2速へのシフト操作を行
うと、1速−2速フォークシャフト26およびこれに一
体化してあるシフトフォーク24が、上記の第1速の場
合とは反対方向に移動し、第2速用ドリブンギヤ10が
出力軸2に連結されて第2速が達成される。
【0062】さらに第3速・第4速セレクト位置にシフ
トレバーを操作すると、シフトアンドセレクトレバーシ
ャフト27は図2に示す位置にあり、ここで第3速にシ
フト操作すると、第1のインナーレバー28の先端部が
図1および図5の右方向に移動し、これに伴って3速−
4速フォークシャフト34およびこれに一体のシフトフ
ォーク22が同様に移動する。その結果、第3速・第4
速同期装置22が動作して第3速用ドリブンギヤ6が出
力軸2に連結されて第3速が達成される。
【0063】これに対して第4速にシフト操作すると、
3速−4速フォークシャフト34が図1および図5の右
方向に移動する。そして第3速・第4速同期装置22に
よって第4速用ドライブギヤ4が出力軸2に連結され、
第4速が達成される。
【0064】以上、この発明を具体例に基づいて説明し
たが、この発明は、上記の具体例に限定されないのであ
って、第1係合部材は、上述した5速フォークシャフト
35における単一の突起部からなるものに限定されず、
要は、これと同様の作用を行うものであればよい。また
この発明の第2係合部材および第3係合部材について
も、要は、上述した具体例におけるヘッド44やスナッ
プリング45と同様な作用を行うものであればよい。さ
らに上記の具体例では、シフトインナーレバーをフォー
クシャフトに形成したヘッドに係合させる構成とした
が、シフトインナーレバーはシフトフォークに直接係合
させる構成としてもよく、したがってこの発明における
第1および第2のフォーク部材は、上述したフォークシ
ャフトとシフトフォークとからなるものに限定されな
い。そしてこの発明で対象とする手動変速機は、前進6
段・後進1段以外のものであってもよい。
【0065】また上記の具体例では、シフトアンドセレ
クトレバーシャフトが軸線方向に移動してセレクト動作
を行い、かつそのシフトアンドセレクトレバーシャフト
が回転することによってシフト動作を行うように構成し
たが、この発明では、これとは反対に、回転動作するこ
とによりセレクト動作が行われ、かつ軸線方向に移動す
ることによってシフト動作が行われるように構成するこ
ともできる。その一例を図4に記載してある。
【0066】ここに示す変速操作機構は、いわゆるダイ
レクトシフトタイプと称されるものであり、ケース30
の内部の所定箇所にシフトアンドセレクトレバーシャフ
ト100が回転自在でかつ軸線方向に移動自在に保持さ
れている。このシフトアンドセレクトレバーシャフト1
00の図4での上部には、球面受け座101を備えたシ
フトレバーハウジング102が設けられている。シフト
レバー103は、このシフトレバーハウジング102の
上方に位置しており、その中間部に形成された球面の支
持部104によってケース30の受け座105に保持さ
れている。したがってシフトレバー103は、図4での
左右方向および図4の紙面に垂直な方向のいずれにも揺
動動作できるように構成されている。
【0067】一方、シフトアンドセレクトレバーシャフ
ト100には、その半径方向に突出した3本のシフトイ
ンナーレバー106,107,108が一体的に設けら
れている。その第1のシフトインナーレバー106の回
動範囲に、1速−2速フォークシャフト26から延びた
ヘッド29と、3速−4速フォークシャフト34から延
びたヘッド37とが配置されている。なお、これらのフ
ォークシャフト26,34は、前記シフトアンドセレク
トレバーシャフト100と平行に配置され、それぞれの
軸線方向に移動自在にケース30に支持されている。
【0068】また第2のシフトインナーレバー107の
回動範囲に、5速フォークシャフト35から延びたヘッ
ド38と、スリーブ部材40から延びたヘッド44とが
配置されている。さらに第3のシフトインナーレバー1
08の回動範囲に6速−リバースフォークシャフト36
から延びたヘッド46が配置されている。これらの各ヘ
ッドと各シフトインナーレバーとの位置関係は、以下の
とおりである。
【0069】すなわちシフトレバー103がニュートラ
ルポジションに位置する状態では、第1のシフトインナ
ーレバー106のみが、3速−4速フォークシャフト3
4におけるヘッド37のみに係合する。これに対して第
1速・第2速セレクト位置にシフトレバー103を操作
した状態では、第1のシフトインナーレバー106のみ
が1速−2速フォークシャフト26のヘッド29のみに
係合する。さらに第5速・第6速セレクト位置にシフト
レバー103をセレクト操作した状態では、第2のシフ
トインナーレバー107のみが、5速フォークシャフト
35のヘッド38とスリーブ部材40のヘッド44とに
係合する。そして後進段セレクト位置にシフトレバー1
03をセレクト操作した状態では、第3のシフトインナ
ーレバー108のみが6速−リバースフォークシャフト
36のヘッド46のみに係合する。
【0070】図4に示す変速操作機構では、シフトレバ
ー103の上述したセレクト操作によってそれぞれのセ
レクト位置において所定のシフトインナーレバーが所定
のヘッドに係合し、その状態でシフトレバー103をシ
フト操作すれば、インナーレバーがヘッドを介して所定
のフォークシャフトを移動させ、それに取り付けられて
いるシフトフォークが同期装置を動作させるので、シフ
ト操作に応じた変速段が達成される。
【0071】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明の変速操作
機構は、第1レバー部材と第1フォーク部材とを方向性
のある状態で係合させる第1係合部材と、可動部材と第
1レバー部材とを方向性がなく係合させる第2係合部材
と、可動部材と第1フォーク部材および第2フォーク部
材とを選択的に連結する選択連結機構とを備えた構成で
あるから、シフト装置では対向位置にありかつギヤトレ
ーンでは対向位置にない変速段を有する変速機の変速操
作を、前記可動部材を中心とした簡単な構成で達成する
ことができ、特に前進6段・後進1段などの多数の変速
段を達成する変速機を、既存の変速機を改良して得る場
合、改良の範囲を少なくでき、さらには部品の共通化を
図ることができるなどの実用上優れた効果を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一例を示す断面図である。
【図2】そのシフトアンドセレクトレバーシャフトの構
成を説明するための断面図である。
【図3】第5速、第6速および後進段を設定する際の動
作を説明するための説明図である。
【図4】この発明の他の例を説明するための断面図であ
る。
【図5】この発明で対象とする手動変速機のギヤトレー
ンの一例を示すスケルトン図である。
【図6】シフト装置におけるシフトポジションの配列
(シフトパターン)を示す図である。
【符号の説明】
28 インナーレバー 35 5速フォークシャフト 36 6速−リバースフォークシャフト 38 ヘッド 39 ワンウェイ機構 40 スリーブ部材 44 ヘッド 45 スナップリング

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のセレクト位置からシフト操作する
    ことによりレバー部材から操作力を受けて一方向に動作
    させられる第1フォーク部材と、前記セレクト位置から
    前記シフト操作とは反対方向にシフト操作することによ
    り前記レバー部材から操作力を受けて前記第1フォーク
    部材の動作方向とは反対方向に動作させられ、かつ他の
    セレクト位置からシフト操作することによりレバー部材
    から操作力を受けて前記第1フォーク部材と同方向に動
    作させられる第2フォーク部材とを備えた手動変速機の
    変速操作機構において、 前記所定のセレクト位置におけるレバー部材の前記一方
    向に向けた操作力のみを第1フォーク部材に伝達する第
    1係合部材と、 前記第1フォーク部材と第2フォーク部材とに対して前
    記一方向およびこれと反対の方向の両方向に相対移動可
    能な可動部材と、 前記所定のセレクト位置におけるレバー部材の前記一方
    向およびこれと反対の方向の両方向に対する操作力を前
    記可動部材に伝達する第2係合部材と、 前記可動部材が前記第2フォーク部材に対して前記反対
    方向に所定量以上相対移動する際に可動部材と第2フォ
    ーク部材とをその移動方向に一体化させる第3係合部材
    と、 前記セレクト位置から前記いずれかの方向に前記可動部
    材およびいずれかのフォーク部材が共に移動した場合
    に、これら可動部材といずれかのフォーク部材とを、少
    なくともセレクト位置に向けた移動方向に一体化する選
    択連結機構とを備えていることを特徴とする手動変速機
    の変速操作機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013113387A (ja) * 2011-11-29 2013-06-10 Fuji Heavy Ind Ltd 手動変速機の変速操作装置

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