JP2005273817A - 車両用自動変速操作装置 - Google Patents

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【課題】
ギアを介して操作レバーの回動操作を自動変速機に伝達するものにおいて、容易に当該ギアの噛み合いを正規な位置で組み付けることができ、組み立て時の作業性を向上させることができる車両用自動変速操作装置を提供する。
【解決手段】
ブラケット1a、1bと、該ブラケットに回動自在に支持された操作レバー2と、歯面3aが形成されたレバーブラケット3と、該レバーブラケット3の歯面3aと噛み合う歯面4aが形成されてギアを構成するとともに、変速機との間に介在するワイヤにより当該変速機を操作するセレクトリンク4とを具備した車両用自動変速操作装置において、歯面3aと歯面4aとをブラケット1bに対して正規の位置で噛み合わせて組み付けるための治具ピンPを挿通させ得る位置決め用孔がレバーブラケット3、セレクトリンク4及びブラケット1bにそれぞれ形成されたものである。
【選択図】図9

Description

本発明は、操作レバーの回動動作をギアを介してセレクトリンクに伝達し変速操作を行い得る車両用自動変速操作装置に関するものである。
一般に、自動変速機(オートマチック トランスミッション)を具備した車両においては、運転者がその操作を行うための操作レバーを有した自動変速操作装置が配設されており、該操作レバーは、例えばパーキング位置(P)、リバース位置(R)、ニュートラル位置(N)及びドライブ位置(D)等の間で回動自在とされている。また、操作レバーの基端には、自動変速機とプッシュプルワイヤ等を介して接続されるレバーブラケットが固着されており、このレバーブラケットに操作レバーの回動軸が形成されている。
然るに、近時におけるユーザーの嗜好の多様化により車内のレイアウトの制約等が厳しくなりつつあり、自動変速操作装置の構造や配設位置等においても種々の構造のものが求められるようになっているのが実情である。そこで、従来より、例えば特許文献1で開示されているように、操作レバーの揺動方向と自動変速機まで延びるプッシュプルワイヤの動作方向とを同一とすべく、ギアを介在させた構成のものが提案されるに至っている。
かかる従来の自動変速操作装置は、そのレバーブラケットに歯面を形成するとともに、該歯面と噛み合う歯面を有してギアを形成するセレクトリンクを具備して構成されている。このセレクトリンクは、操作レバーと同様、ブラケットに対して回動自在に支持されているとともに、自動変速機まで延びるプッシュプルワイヤが接続されている。そして、操作レバーを操作すると、その回動動作がギアを介してセレクトリンクに伝達され回動し、自動変速機を操作可能とされていた。
特開平7−315070号公報
しかしながら、上記従来の車両用自動変速操作装置においては、操作レバーの基端側に配設されたレバーブラケットの歯面とセレクトリンクに形成された歯面とによりギアを構成し、当該操作レバーの回動動作をセレクトリンクに伝達して自動変速機の操作を行うよう構成されていたので、組み立て過程において以下のような問題があった。
即ち、レバーブラケット及びセレクトリンクをブラケットに組み立てる際、正規の位置からずれた位置で両部材の歯面同士を噛み合わせてしまう虞があり、かかる状態でレバーブラケット及びセレクトリンクが組み付けられると、操作レバーの回動動作に対するギアの位置関係がずれてしまい、プッシュプルワイヤを介して行われる操作レバーと自動変速機との同期が行われなくなってしまうという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ギアを介して操作レバーの回動操作を自動変速機に伝達するものにおいて、容易に当該ギアの噛み合いを正規な位置で組み付けることができ、組み立て時の作業性を向上させることができる車両用自動変速操作装置を提供することにある。
請求項1記載の発明は、車両に固定されるブラケットと、該ブラケットに回動自在に支持された操作レバーと、該操作レバーの基端側に設けられ、歯面が形成されたレバーブラケットと、該レバーブラケットの歯面と噛み合う歯面が形成されてギアを構成するとともに、前記操作レバーの回動動作が伝達されて回動可能とされ、車両が具備する変速機との間に介在するワイヤにより当該変速機を操作するセレクトリンクとを具備した車両用自動変速操作装置において、前記レバーブラケットの歯面と前記セレクトリンクの歯面とを前記ブラケットに対して正規の位置で噛み合わせて組み付けるための治具ピンを挿通させ得る位置決め用孔が当該レバーブラケット、セレクトリンク及びブラケットにそれぞれ形成されたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の車両用自動変速操作装置において、前記位置決め用孔は、前記ブラケットの両側面に亘って前記治具ピンを貫通し得るよう形成されたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、ギアを介して操作レバーの回動操作を自動変速機に伝達する車両用自動変速操作装置において、容易に当該ギアの噛み合いを正規な位置で組み付けることができるので、車両用自動変速操作装置の組み立て時の作業性を向上させることができる。
請求項2の発明によれば、位置決め用孔がブラケットの両側面に亘って治具ピンを貫通し得るよう形成されたので、車両用自動変速操作装置の組み立て時におけるレバーブラケット及びセレクトリンクの組み付けを容易に行わせることができるとともに、当該車両用自動変速操作装置を車両に組み付ける際など、位置決め用孔に別途の固定ピンを貫通させることができ、作業中、ブラケットに対して操作レバー(レバーブラケット含む)及びセレクトリンクを固定させておくことができる。
即ち、位置決め用孔をブラケットの両側面に貫通させて形成することにより、組み立て時には治具ピンを挿通させてレバーブラケット及びセレクトリンクの位置決めを行わせることができるとともに、車両への組み付け作業時などには固定ピンを挿通させて操作レバー及びセレクトリンクを一時的に固定させておくことができ、両作業において有効なものとなり得るのである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る車両用自動変速操作装置は、操作レバーの回動動作をギアを介してセレクトリンクに伝達し変速操作を行い得るものであり、図1に示すように、車両に固定されるブラケット1a、1bと、組み付けられたブラケット1a、1b内で回動自在に支持された操作レバー2と、該操作レバー2の基端側に設けられたレバーブラケット3(図2参照)と、セレクトリンク4とから主に構成されている。
ブラケット1aは、金属製の板状部材から成り、操作レバー2の位置に応じた形状の誤操作防止窓部1aaが形成されるとともに、操作レバー2或いはセレクトリンク4の回動軸L1、L2を挿通させる孔1ac及び1adが形成されている。更に、ブラケット1aの所定位置には、同図及び図7に示すように、後述する治具ピンPや固定ピン(不図示)を挿通させ得る位置決め用孔1abが形成されている。そして、当該ブラケット1aがブラケット1bに組み付けられて、自動変速操作装置の筐体を構成し、車体に固定されるようになっている。
ブラケット1bは、図6に示すように、回動軸L1、L2を有してレバーブラケット3及びセレクトリンク4を回動自在に保持し得るとともに、上部側壁面には、波形状部1baが形成されている。かかる波形状部1baには、レバーブラケット3側にディテントスプリング9(図3参照)を介して取り付けられたボール10(同図参照)が当接することとなり、操作レバー2を回動操作した際の節度が付与される。また、ブラケット1bには、ブラケット1aに形成された誤操作防止窓部1aaと同様な誤操作防止窓部1bcが形成されており、該誤操作防止窓部1bcも操作レバー2の位置に応じた形状とされている。
更に、ブラケット1bの所定位置には、図6に示すように、治具ピンPや固定ピンを挿通させ得る位置決め用孔1bbが形成されている。回動軸L1及びL2にの突端は雄ネジが形成されており、ブラケット1bにレバーブラケット3やセレクトリンク4等を組み付けた後、ブラケット1aを介して当該雄ネジにナットN1、N2を螺合させて車両用自動変速操作装置が組み立てられるよう構成されている。そして、組み立てられた状態にて、ブラケット1bの位置決め用孔1bbとブラケット1aの位置決め用孔1abとが対向するようになっている。
操作レバー2は、変速操作時に運転者が把持して任意の位置まで回動可能とされたもので、図2に示すように、上端側にはプッシュノブ2aが配設されるとともに下側はレバーパイプ3b(図3参照)を介してレバーブラケット3に連結されている。かかるレバーパイプ3b内には、図3に示すように、スプリング8を介してロッドロックピン7が配設されており、該ロッドロックピン7には既述の誤操作防止窓部1aa、1bcに挿通し得るロックピン2bが配設される。
然るに、操作レバー2がパーキング位置(P)にあるとき、ロックピン2bが誤操作防止窓部1aaに係止されて、当該操作レバー2のリバース位置(R)側への回動操作が規制されている一方、プッシュノブ2aを押圧操作すれば、ロッドロックピン7がスプリング8の付勢力に抗して下降してロックピン2bによる係止が解かれ、操作レバー2をパーキング位置(P)からリバース位置(R)へ回動可能としている。
かかる構成により、所定の変速操作時にはプッシュノブ2aを押圧しながら操作レバー2を回動させる必要があり、誤操作の防止が図られている。尚、同様に、操作レバー2をリバース位置(R)からパーキング位置(P)、ニュートラル位置(N)からリバース位置(R)、及びドライブ位置(D)から2速位置(2)まで回動させる際にも、プッシュノブ2aを押圧操作しないと操作レバー2が回動しないようになっている。
レバーブラケット3は、既述の如く操作レバー2の下端側(基端側)に形成されて当該操作レバー2と共に回動し得るもので、回動軸L1を挿通し得る挿通孔3cが形成されている。また、挿通孔3cより下側(即ち、回動軸L1より下方)には、複数の歯を有した歯面3aが形成されており、かかる歯面3aも操作レバー2と共に回動されるよう構成されている。更に、レバーブラケット3の下部には、図4に示すように、リブ3daが延設されており、該リブ3daに位置決め用孔3dが形成されている。
セレクトリンク4は、回動軸L2が挿通される挿通孔4bが形成され、当該回動軸L2を中心に回動自在とされたもので、上部にはレバーブラケット3の歯面3aと噛み合う歯面4aが形成されている。また、セレクトリンク4の下部にはエンドボルト5を挿通し得る孔4cが形成されており、該エンドボルト5と車両の自動変速機との間にプッシュプルワイヤW(図2参照)が接続されるよう構成されている。更に、セレクトリンク4の所定部位には、図5に示すように、位置決め用孔4dが形成されている。
これにより、歯面3aと4aとでギアを構成しており、操作レバー2を操作すると、当該ギアにより、操作レバー2の回動動作がセレクトリンク4に伝達され、プッシュプルワイヤWを介して自動変速機を操作し得るようになっている。即ち、操作レバー2の回動方向とプッシュプルワイヤWの動作方向とが同一となるのである。尚、図3における符号6は操作レバーカバーを示しており、該操作レバーカバー6の略中央に形成された孔6a内にレバーパイプ3bが挿通され、操作レバー2の回動操作と共に操作レバーカバー6が動作するよう構成されている。
ここで、ブラケット1b、レバーブラケット3及びセレクトリンク4のそれぞれに形成された位置決め用孔1bb、3d及び4dは、当該ブラケット1bに対して正規な位置(設計上予定された位置)にて歯面3aと4aとが噛み合って組み付けられた状態で、合致するようになっている。即ち、ブラケット1bの位置決め用孔1bbに治具台Gから上方に突出した治具ピンPを挿通させておき(図8参照)、該治具ピンPに位置決め用孔3dを挿通させてレバーブラケット3を組み付けた後、位置決め用孔4dを挿通させてセレクトリンク4を組み付ければ、ブラケット1bに対して正規の位置にてレバーブラケット3及びセレクトリンク4が組み付けられるようになっている。
従って、治具ピンPに対して順にブラケット1b、レバーブラケット3、セレクトリンク4を挿通させるだけで、容易に歯面3a及び4aが成すギアの噛み合いを正規な位置で組み付けることができ、車両用自動変速操作装置の組み立て時の作業性を向上させることができる。その後、図9に示すように、治具ピンPにブラケット1aの位置決め用孔1abを挿通させ、回動軸L1及びL2の突端にナットN1及びN2を螺合させれば組み立て作業が完了するので、車両用自動変速装置を治具台Gから取り除く。
然るに、上記の如く組み立てられた車両用自動変速装置を車両へ組み付ける際、操作レバー2やセレクトリンク4の回動軸L1、L2を中心とした回動を規制すべく、これら部材を一時的に固定させる必要がある。かかる作業において、治具ピンPと略同一径である別途の固定ピン(不図示)をブラケット1aの位置決め用孔1abとブラケット1bの位置決め用孔1bbとに亘って挿通させれば、操作レバー2やセレクトリンク4の回動を一時的に規制することができ、車両への組み付け作業を向上させることができる。
このように、位置決め用孔をブラケットの両側面に貫通させて形成することにより、車両用自動変速操作装置の組み立て時には治具ピンPを挿通させてレバーブラケット3及びセレクトリンク4の位置決めを行わせることができるとともに、車両への組み付け作業時には固定ピンを挿通させて操作レバー2及びセレクトリンク4を一時的に固定させておくことができ、両作業において有効なものとなり得るのである。
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えばブラケット1aに位置決め用孔1abを設けず、レバーブラケット3及びセレクトリンク4のブラケット1bに対する組み付け時の位置決めのみを行わせるものとしてもよい。また、位置決め用孔は、本実施形態の如く丸孔に限定されず、治具ピンPの断面形状に倣った形状であれば、楕円や矩形状の孔としてもよい。
更に、本発明は、本実施形態のものとはブラケットの形状が異なるもの、或いは操作レバー2の外観形状が異なるもの等にも適用することができる。勿論、自動変速操作装置においては一般的なパーキングロック機構等は如何なる形態のものであってもよい。
レバーブラケットの歯面とセレクトリンクの歯面とをブラケットに対して正規の位置で噛み合わせて組み付けるための治具ピンを挿通させ得る位置決め用孔が当該レバーブラケット、セレクトリンク及びブラケットにそれぞれ形成された車両用自動変速操作装置であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたものにも適用することができる。
本発明の実施形態に係る車両用自動変速操作装置を示す斜視図 同車両用自動変速操作装置の板状のブラケットを取り外した状態を示す側面図 同車両用自動変速操作装置を示す分解斜視図 同車両用自動変速操作装置におけるレバーブラケットの位置決め用孔を示す拡大図 同車両用自動変速操作装置におけるセレクトリンクの位置決め用孔を示す拡大図 同車両用自動変速操作装置におけるブラケット1bの内側を示す模式図 同車両用自動変速操作装置におけるブラケット1aを示す模式図 同車両用自動変速操作装置を組み立てる過程であって、治具ピンにブラケットの位置決め用孔を挿通させた状態を示す断面模式図 同車両用自動変速操作装置を組み立てる工程を示し、治具ピンにブラケット、レバーブラケット、セレクトリンク及び板状のブラケットの各位置決め用孔を挿通させた状態を示す断面模式図
符号の説明
1a、1b ブラケット
1ab、1bb 位置決め用孔
2 操作レバー
3 レバーブラケット
3a 歯面
3d 位置決め用孔
4 セレクトリンク
4a 歯面
4d 位置決め用孔
5 エンドボルト
6 操作レバーカバー
7 ロッドロックピン
8 スプリング
9 ディテントスプリング
10 ボール
L1、L2 回動軸
P 治具ピン

Claims (2)

  1. 車両に固定されるブラケットと、
    該ブラケットに回動自在に支持された操作レバーと、
    該操作レバーの基端側に設けられ、歯面が形成されたレバーブラケットと、
    該レバーブラケットの歯面と噛み合う歯面が形成されてギアを構成するとともに、前記操作レバーの回動動作が伝達されて回動可能とされ、車両が具備する変速機との間に介在するワイヤにより当該変速機を操作するセレクトリンクと、
    を具備した車両用自動変速操作装置において、
    前記レバーブラケットの歯面と前記セレクトリンクの歯面とを前記ブラケットに対して正規の位置で噛み合わせて組み付けるための治具ピンを挿通させ得る位置決め用孔が当該レバーブラケット、セレクトリンク及びブラケットにそれぞれ形成されたことを特徴とする車両用自動変速操作装置。
  2. 前記位置決め用孔は、前記ブラケットの両側面に亘って前記治具ピンを貫通し得るよう形成されたことを特徴とする請求項1記載の車両用自動変速操作装置。
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