JP2008051174A - 自動変速機のパーキング機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】嵌込部の切欠部を、それぞれ収容空間90に開口した形状とし、さらに合わせ面10側にも開口した形状とすることにより、アクチュエータサポート5をリアカバー1の嵌込部に組み付ける際に、嵌込部の収容空間90側からアクチュエータサポート5を、回転防止突起53、54と嵌込部の切欠部との位置をおおよそ合わせて載置するだけで位置決めされるので、組み付け性がよい。回転防止突起53、54や切欠部をロッド7を挟んで対向する部位に設けるものとしたので、アクチュエータサポート5にロッド7を軸とする回転方向の力が加わった場合でも、回転方向の力が力の向きによって各回転防止突起53、54に分散されて加わり、アクチュエータサポート5耐久性を向上させることができる。
【選択図】図1
Description
ロッド100の作動に伴いカム101がロッド100の軸方向(図7中、手前から奥方向への移動)に移動すると、カム101がアクチュエータサポート102を乗り上げて、ロッド100の軸方向に対して垂直方向にパーキングポール104を押し上げ、パーキングポール104がパーキングギヤ105と噛み合う構造となっている。
アクチュエータサポート102におけるロッド100の軸方向への移動は、ケース103に設けられたケース側当接面と、サイドカバーに設けられたカバー側当接面とによってアクチュエータサポート102が挟み込まれることによって規制されている。
また、アクチュエータサポート102の回転を規制する係合突起102Aが1つであるため、たとえばパーキングポール104をパーキングギヤ105に噛み合わせる時に、回転するパーキングギヤ105によってパーキングポール104が弾かれて、パーキングポール104がアクチュエータサポート102を打ち付けた場合など、係合突起102Aに局所的に荷重が加わった場合には、アクチュエータサポート102が破損するなどの不具合が生じるといった問題があった。
またアクチュエータサポートの2つの回転防止突起や嵌込部の2つの切欠部をロッドを挟んで対向する部位に設けるものとしたので、アクチュエータサポートにロッドを軸とする回転方向の力が加わった場合でも、回転方向の力が力の向きによって各回転防止突起に分散されて加わるため、回転防止突起の1個当たりに加わる回転方向の力の頻度が減り、アクチュエータサポートや第1のケースの耐久性を向上させることができる。
なお、本実施例における自動変速機はFRタイプの車両に搭載される自動変速機であって、エンジンに接続されてエンジンの回転数変換を行う変速機構部などを収納する変速機ケースと、変速機ケースにおける車両後方側の開口を覆うリアカバーとを備える。
またリアカバーに、パーキングギヤと噛み合って車両の移動を規制するパーキングポールが備えられ、変速機ケース側からリアカバーに向けて差し込まれたパーキングロッドのカムがリアカバーに取り付けられたアクチュエータサポートを乗り上げて、パーキングポールを押し上げることによってパーキングポールがパーキングギヤと噛み合うものとする。
また図1中の手前側に変速機構部を収納する変速機ケース2(図2参照)が接続され、変速機構部の出力軸(図1中、手前側から奥側へ向けて伸びている)にパーキングギヤ3が取り付けられている。
図1に示すように、リアカバー1(第1のケース)にパーキングポール揺動軸45を軸として揺動するパーキングポール4が取り付けられる。
パーキングポール4は、パーキングギヤ3の下方側に位置し、パーキングギヤ3側に向けて突出する爪41を備えている。
なおパーキングポール4のパーキングポール揺動軸45の周りにはバネ42が巻き回されており、該バネ42は、パーキングポール4をパーキングギヤ3に対して反対側(爪41とパーキングギヤ3との噛み合いを解除する側)に付勢している。
ここで、パーキングポール4のパーキングポール揺動軸45側の端部を揺動軸側端部と呼び、他方側の端部を先端側端部と呼ぶ。
アクチュエータサポート5は、詳しくは後述するが断面が略円形の管を半割りとした形状となっている。
またアクチュエータサポート5は、断面半円形状の内側がパーキングポール4の先端側端部と対向している。
マニュアルプレート8は、車両の運転者によるシフトレバーの操作(たとえばPレンジからDレンジへのシフト操作)に連動してシャフト81を軸として回動する。
一方、マニュアルプレート8が図2において反時計回りに回転すると、ロッド7が左方向に移動する、すなわちパーキングポール4とアクチュエータサポート5との間にロッド7の先端が差し込まれる側に移動する。
なお図2は、ロッド7の先端がパーキングポール4とアクチュエータサポート5との間に最も差し込まれた状態(Pレンジ状態)を示している。
特にカム71は、スプリング73によって、ロッド7の先端側の端部に向けて付勢されている。
また、ロッド7の先端側の端部にはストッパ部72が取り付けられ、スプリング73によって付勢されるカム71がロッド7から脱落しないようになっている。
カム71は、スプリング73側に配置されたカム大径部74と、ストッパ部72側に配置されたカム小径部76と、カム大径部74とカム小径部76とをつなぐカム傾斜部75とより構成される。
なおカム小径部76とストッパ部72の外径は同一となるように形成され、ストッパ部72の外周面とカム小径部76の外周面とが滑らかに続くようになっている。
図3の(a)に、アクチュエータサポート5を組み付ける前のリアカバー1を示し、図3の(b)に、リアカバー1にアクチュエータサポート5を組み付けた状態を示す。
特に図2および図3の(b)に示すように、アクチュエータサポート5は、大径部50と、小径部52とより構成される。
また、アクチュエータサポート5の内側面において、大径部50と小径部52との接続部に傾斜面51が形成されている。
大径部50および小径部52は、それぞれ、断面が半円形状に形成されている。
アクチュエータサポート5の大径部50には、図3の(b)に示すように、
ロッドの軸を挟んで対向する位置の外側面から突出する回転防止突起53、54が設けられている。
特に図3の(a)に示すように、リアカバー1の所定位置に、アクチュエータサポート5が嵌め込まれる嵌込部12が形成される。
なお嵌込部12は、収容空間90側に開口する凹形状に形成され、かつ嵌込部12の図3の(a)中、手前側部分が合わせ面10に開口している。
嵌込部12は、アクチュエータサポート5の大径部50の外面と整合する大径側嵌込部14と、小径部52の外面と整合する小径側嵌込部13とより構成される。
小径側嵌込部13および大径側嵌込部14は、リアカバー1における変速機ケース2との合わせ面10から見たときに、半円形状となっている。
大径側嵌込部14における収容空間90側の開口縁において、ロッド7の軸を挟む両側の縁をそれぞれ切り欠いた切欠部15、16が設けられている。
また切欠部15、16は、図3の(a)中、手前側部分が合わせ面10に開口している。
アクチュエータサポート5の回転防止突起53、54がそれぞれ嵌込部12の切欠部15、16に嵌まり込むように、アクチュエータサポート5を嵌込部12の上方側(収容空間90側)から載置して組み付ける。
ここで、大径側嵌込部14に形成した切欠部15、16が収容空間90に開口し、さらにリアカバー1の合わせ面10側にも開口しているため、アクチュエータサポート5をリアカバー1の嵌込部12に載置する際に、嵌込部12の上方側からアクチュエータサポート5の回転防止突起53、54と、嵌込部12の切欠部15、16との位置をおおよそ合わせて載置するだけで位置決めがされ、組み付け性がよい。
これは製造誤差等を許容するためのものであり、アクチュエータサポート5がリアカバー1の合わせ面10から飛び出ることを防止している。
図4に、図1におけるB−B部断面を示す。
なお図1において、回転防止突起53、54において変速機ケース2側の面をそれぞれ保持面55、56と呼ぶ。
また保持面55、56上に仮想線で示す丸は、変速機ケース2から伸びる支持部25、26が保持面55、56と対向する部位を示す。
支持部25は、先端面が変速機ケース2におけるリアカバー1との接合面20と略同一高さとなるように形成されている。
これにより、リアカバー1にアクチュエータサポート5が備えられた状態でリアカバー1と変速機ケース2とを接合すると、支持部25の先端面とアクチュエータサポート5の保持面55とが対向しているため、アクチュエータサポート5が変速機ケース2側にずれたときに支持部25と保持面55とが当接して、アクチュエータサポート5がさらに変速機ケース2側へ移動することが規制される。
このように、アクチュエータサポート5の変速機ケース2側の面のうち比較的広い面積を確保することができる回転防止突起53、54の保持面55、56と、変速機ケース2から伸びる支持部25、26とを対向させることによってアクチュエータサポート5が変速機ケース2側にずれることが防止される。
図5は、ロッド7がパーキングポール4とアクチュエータサポート5との間から最も引き抜かれた状態におけるパーキング機構の要部を示す図であり、図6は、図5におけるC−C部断面を示す図である。なお図6中、ロッド7やカム71等は側面を示してある。
図示しないシフトレバーがPレンジ以外のレンジ(たとえばドライブ1速レンジ(D1)など)位置となり、マニュアルプレート8がPレンジの状態から時計回りに回転すると、図6に示すようにカム71のカム大径部74がアクチュエータサポート5の傾斜面51に到達せず、ストッパ部72またはカム小径部76が小径部52と接触した状態となる。
なお図6は、マニュアルプレート8が最も時計周りに回転した状態を示してある。
このとき、カム71がアクチュエータサポート5の傾斜面51にガイドされてカム大径部74が小径部52上に乗り上がる。
カム71のカム大径部74がアクチュエータサポート5の小径部52上に乗り上がることによって、カム大径部74がパーキングポール4を押し上げ、パーキングポール4の爪41がパーキングギヤ3と噛み合う。
なお特に図2に示すようにリアカバー1には、パーキングポール4とアクチュエータサポート5との間に差し込まれたロッド7の先端と干渉を避けるための逃げ部11が形成されている。
カム71のカム大径部74によってパーキングポール4を押し上げている状態(図1に示す状態)から、ロッド7が図2中の右方向に引き抜かれると、図5に示すようにパーキングポール4がバネ42の力によってアクチュエータサポート5の小径部52側に向けて揺動する。
またパーキングポール4は、小径部52の収容空間90側の両端と当接した状態で、小径部52の収容空間90側の両端を結ぶ線よりも小径部52側に入ることはない。
したがって図5に示すように、アクチュエータサポート5の小径部52にロッド7のストッパ部72またはカム小径部76当接している状態でパーキングポール4が小径部52側に揺動したとしても、パーキングポール4が小径部52の収容空間90側の両端と当接するため、パーキングポール4がロッド7のストッパ部72またはカム小径部76を打ち付けることが無い。
また、図5に示すようにシフトレバーがPレンジ以外の時(ロッド7のカム71がパーキングポール4を押し上げていないとき)には、バネ42の付勢力によってパーキングポール4が直接アクチュエータサポート5を下方側に押しつけるので、アクチュエータサポート5がリアカバー1から脱落することがない。
アクチュエータサポート5の回転防止突起53、54や嵌込部12の切欠部15、16をロッド7を挟んで対向する部位に設けるものとしたので、パーキングポール4やロッド7からアクチュエータサポート5にロッド7を軸とする回転方向の力が加わった場合でも、回転方向の力が力の向きによって各回転防止突起53、54に分散されて加わるため、回転防止突起の1個当たりに加わる回転方向の力の頻度が減り、アクチュエータサポート5やリアカバー1の耐久性を向上させることができる。 (以上、請求項1に対応する効果)
2 変速機ケース
3 パーキングギヤ
4 パーキングポール
5 アクチュエータサポート
7 ロッド
8 マニュアルプレート
10 合わせ面
11 逃げ部
12 嵌込部
13 小径側嵌込部
14 大径側嵌込部
15、16 切欠部
25、26 支持部
41 爪
42 バネ
45 パーキングポール揺動軸
50 大径部
51 傾斜面
52 小径部
53、54 回転防止突起
55、56 保持面
71 カム
72 ストッパ部
73 スプリング
74 カム大径部
75 カム傾斜部
76 カム小径部
81 シャフト
90 収容空間
Claims (2)
- 互いに合わせ面で結合されて、パーキングギヤを収容する収容空間を形成する第1のケースおよび第2のケースと、
シフトレバーに連動して軸方向に作動するロッドと、
該ロッドの先端部に装着されたカムと、
前記第1のケースの嵌込部に組み付けられ、前記カムが乗り上げる傾斜面を有するアクチュエータサポートと、
前記ロッドと共に前記カムが前記ロッドの軸方向に移動して前記カムが前記傾斜面を乗り上げることにより、前記カムの前記軸方向移動と直交する方向に前記カムによって押し上げられて爪を前記パーキングギヤに噛み合わせるパーキングポールとを備えた自動変速機のパーキング機構において、
前記嵌込部は、
前記第1のケースの内壁に、前記収容空間側に開口する凹形状に形成され、かつ該凹形状の一部が前記合わせ面に開口し、
さらに前記凹形状の前記収容空間側の開口縁において、前記ロッドの軸を挟む両側の縁をそれぞれ切り欠き、かつ前記合わせ面に開口させた2つの切欠部を備え、
前記アクチュエータサポートは、前記ロッドの軸を挟んで対向する位置の外側面から突出する2つの回転防止突起を備え、
前記2つの回転防止突起を前記2つの切欠部にそれぞれ嵌め込んで前記アクチュエータサポートを前記嵌込部に組み付けることによって、前記アクチュエータサポートが前記ロッドの軸を中心として回動することを規制したことを特徴とする自動変速機のパーキング機構。 - 前記第2のケースには、前記2つの回転防止突起に向かってそれぞれ伸びる支持部が2つ形成され、
前記アクチュエータサポートは、前記回転防止突起が前記支持部と当接することによって、前記第2のケース側への移動が規制されることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機のパーキング機構。
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