JP2023118503A - 車両用変速機 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両用変速機が大型化することを抑制しつつ、パーキングロック機構を配置できる車両用変速機を提供すること。【解決手段】自動変速機2は、操作力により回転するマニュアルシャフト48を有し、マニュアルシャフト48は、リバース軸23の軸方向と直交する方向でリバースアイドラギヤ23Bに沿って延びており、リバースアイドラギヤ23Bと隔壁5Aの間のマニュアルシャフト収容室61に配置されている。【選択図】図1
Description
本発明は、車両用変速機に関する。
パーキングロック機構を備えた車両用変速機としては、例えば、特許文献1に記載される変速装置が知られている。
特許文献1に記載される変速装置は、入力部材の駆動歯車に噛合する複数の従動歯車を有する出力部材をハウジングに対して固定するパーキング機構を備えている。
パーキング機構は、ハウジングに回動可能に支持され、出力部材に固定されたパーキングギヤと係合して出力部材の回転を規制する規制位置とパーキングギヤから離脱して出力部材の回転を許容する規制解除位置との間で移動する係止部材を備えている。
これに加えて、パーキング機構は、ハウジングに対し軸方向に移動可能に取付けられるとともに、係止部材と摺接するカム面を有したロッド部材を有しており、ロッド部材を軸方向に移動させて、カム面により押圧された係止部材をパーキングギヤに係合させ、ロッド部材は、軸方向への入力が加えられる入力部とカム面との間において、反転ギヤを回転軸方向に貫通している。
ロッド部材の端部は、作動レバーに取付けられており、作動レバーは、シフトレバーの操作によって回転される回動軸部に連結されている。
係止部材は、反転ギヤと反転ギヤを支持する隔壁に対して出力部材を支持する第2リヤケース側に配置されており、回動軸部は、反転ギヤと隔壁に対して係止部材と反対側であって、出力部材よりも下方のトランスミッションケースの空間に配置されている。
特許文献1に記載される変速装置にあっては、回動軸部が長尺である上に、回動軸部に比較的大型な作動レバーが取付けられているので、反転ギヤと隔壁に対して係止部材と反対側であって、出力部材よりも下方のトランスミッションケースに広い空間を確保し、その空間に回動軸部を配置する必要がある。
これにより、回動軸部を配置するための広い設置スペースが必要となり、変速装置が大型化するおそれがある。
本発明は、上記のような事情に着目してなされたものであり、車両用変速機が大型化することを抑制しつつ、パーキングロック機構を配置できる車両用変速機を提供することを目的とするものである。
本発明は、クラッチ室と変速機室とを隔てる隔壁を有する変速機ケースと、前記隔壁に支持されるように前記変速機室に収容され、駆動輪に連動する変速機軸と、前記隔壁に支持されるように前記変速機室に収容され、前記変速機軸よりも短い軸長に形成されたリバース軸と、前記リバース軸に設けられ、前記変速機軸に設けられたギヤ部材に駆動力を伝達するリバースギヤと、前記変速機室に収容されたパーキングロック機構とを有し、前記パーキングロック機構は、前記変速機軸に設けられたパーキングギヤと、前記パーキングギヤに嵌合することにより、前記変速機軸の回転を規制するパーキングポールと、操作力により回転するマニュアルシャフトと、前記パーキングポールが前記パーキングギヤに噛み合う噛み合い位置と噛み合いが解除される解除位置とに移動するように前記パーキングポールを操作する操作部材とを含んで構成されており、前記マニュアルシャフトは、前記リバース軸の軸方向と直交する方向で前記リバースギヤに沿って延びており、前記リバースギヤと前記隔壁の間の空間に配置されていることを特徴とする。
このように上記の本発明によれば、車両用変速機が大型化することを抑制しつつ、パーキングロック機構を配置できる。
本発明の一実施の形態に係る車両用変速機は、クラッチ室と変速機室とを隔てる隔壁を有する変速機ケースと、隔壁に支持されるように変速機室に収容され、駆動輪に連動する変速機軸と、隔壁に支持されるように変速機室に収容され、変速機軸よりも短い軸長に形成されたリバース軸と、リバース軸に設けられ、変速機軸に設けられたギヤ部材に駆動力を伝達するリバースギヤと、変速機室に収容されたパーキングロック機構とを有し、パーキングロック機構は、変速機軸に設けられたパーキングギヤと、パーキングギヤに嵌合することにより、変速機軸の回転を規制するパーキングポールと、操作力により回転するマニュアルシャフトと、パーキングポールがパーキングギヤに噛み合う噛み合い位置と噛み合いが解除される解除位置とに移動するようにパーキングポールを操作する操作部材とを含んで構成されており、マニュアルシャフトは、リバース軸の軸方向と直交する方向でリバースギヤに沿って延びており、リバースギヤと隔壁の間の空間に配置されている。
これにより、本発明の一実施の形態に係る車両用変速機は、車両用変速機が大型化することを抑制しつつ、パーキングロック機構を配置できる。
以下、本発明の一実施例に係る車両用変速機について、図面を用いて説明する。
図1から図7は、本発明の一実施例に係る車両用変速機を示す図である。
図1から図7は、本発明の一実施例に係る車両用変速機を示す図である。
図1から図7において、上下前後左右方向は、車両に配置された状態の車両用変速機を基準とし、車両の前後方向を前後方向、車両の左右方向(車幅方向)を左右方向、車両の上下方向(車両の高さ方向)を上下方向とする。
まず、構成を説明する。
車両の図示しないエンジンルームには内燃機関としてのエンジン1と、エンジン1に連結される自動変速機2とが設けられている。本実施例の自動変速機2は、車両用変速機を構成する。
車両の図示しないエンジンルームには内燃機関としてのエンジン1と、エンジン1に連結される自動変速機2とが設けられている。本実施例の自動変速機2は、車両用変速機を構成する。
自動変速機2は、AMT(Automated Manual Transmission)から構成されている。自動変速機2は変速機ケース3を備えており、変速機ケース3は、レフトケース4とライトケース5を備えている。
レフトケース4とライトケース5の合わせ面にはフランジ部4F、5Fが形成されており、レフトケース4とライトケース5は、フランジ部4Fとフランジ部5Fが図示しないボルトによって締結されることにより、一体化されている。
図2に示すように、レフトケース4には変速機構6(図6、図7参照)が収容されており、ライトケース5には摩擦クラッチ7が収容されている。図3に示すように、レフトケース4とライトケース5にはディファレンシャル装置10が収容されており、ディファレンシャル装置10は、変速機構6の後方に配置されている。
図2、図3に示すように、ライトケース5には隔壁5Aが設けられており、変速機ケース3は、隔壁5Aによって摩擦クラッチ7を収容するクラッチ室8Aと変速機構6を収容する変速機室8Bとに仕切られている。
レフトケース4には、変速機構6を上下方向および前後方向から取り囲む環状壁4Aが設けられており、環状壁4Aの左端部には側壁4Bが設けられている。
自動変速機2は、摩擦クラッチ7を介してエンジン1の駆動力を変速機構6に入力し、後述する同期装置の作動により変速機構6において変速を行い、変速された回転(回転速度)をディファレンシャル装置10により、図示しないドライブシャフトを介して図示しない駆動輪に伝達する。
図2に示すように、変速機構6は、レフトケース4に収容され、それぞれ平行に延びる入力軸21、カウンタ軸22およびリバース軸23を備えている。
入力軸21は、摩擦クラッチ7を介してエンジン1の図示しないクランク軸に連結可能となっており、入力軸21にはエンジン1から摩擦クラッチ7を介して駆動力が伝達される。
図7に示すように、カウンタ軸22は、入力軸21よりも後斜め下方に配置されており、リバース軸23は、入力軸21の前斜め下方に配置されている。
カウンタ軸22とリバース軸23は略同じ高さ位置に配置されており、入力軸21の軸方向から見て、入力軸21の軸線(軸芯)21aとカウンタ軸22の軸線22aとリバース軸23の軸線23aとを結んだ仮想線Lは三角形に形成されている。本実施例のカウンタ軸22は、変速機軸を構成する。
これにより、カウンタ軸22とリバース軸23を可能な限り近づけて入力軸21の下方に設置でき、変速機ケース3に対する入力軸21とカウンタ軸22とリバース軸23との設置スペースを低減できる。
図2に示すように、隔壁5Aには開口部5hを有する軸受支持部5aが形成されており、入力軸21は、開口部5hを通してクラッチ室8Aと変速機室8Bとに設置されている。入力軸21の摩擦クラッチ7側は玉軸受9Aを介して軸受支持部5aに回転自在に支持されている。
側壁4Bは、入力軸21やリバース軸23の軸方向で隔壁5Aに対向しており、側壁4Bには軸受支持部4aが形成されている。入力軸21の左端部は、玉軸受9Bを介して軸受支持部4aに回転自在に支持されている。
図3に示すように、隔壁5Aには軸受支持部5b、支持部5cが形成されており、側壁4Bには軸受支持部4bが形成されている。
カウンタ軸22の右端部はローラー軸受9Cを介して軸受支持部5bに回転自在に支持されており、カウンタ軸22の左端部は、玉軸受9Dを介して軸受支持部4bに回転自在に支持されている。なお、カウンタ軸22は側壁4Bを貫通しており、玉軸受9Dよりも左方に突出するカウンタ軸22の左端には、後述するパーキングギヤ42が取付けられている。
レフトケース4には中壁4Cが設けられており、中壁4Cは、リバース軸23の軸方向で隔壁5Aと側壁4Bの間に配置されている。中壁4Cは、レフトケース4の前側に位置する環状壁4Aから後方に突出し上下方向に沿って形成されている。
この中壁4Cは、後述するシフトアンドセレクト軸31を取付ける為のレフトケース4の開口よりも右側に形成されている。中壁4Cには支持部4cが形成されており、リバース軸23の左端部は支持部4cに支持されている。リバース軸23の右端部は支持部5cに支持されている。
図2、図5、図6に示すように、入力軸21には1速入力ギヤ21A、2速入力ギヤ21B、3速入力ギヤ21C、4速入力ギヤ21D、5速入力ギヤ21E、6速入力ギヤ21Fおよびリバース入力ギヤ21Gを有する。
1速入力ギヤ21Aは、エンジン1側に配置されており、エンジン1から入力軸21の軸方向に遠ざかるに従ってリバース入力ギヤ21G、2速入力ギヤ21B、3速入力ギヤ21C、4速入力ギヤ21D、5速入力ギヤ21Eおよび6速入力ギヤ21Fが配置されている。
入力ギヤは、最低速段の1速入力ギヤ21Aから最高速段の6速入力ギヤ21Fになる程、外径が徐々に大きく形成されている。
1速入力ギヤ21A、リバース入力ギヤ21Gおよび2速入力ギヤ21Bは、入力軸21に固定されており、3速入力ギヤ21C、4速入力ギヤ21D、5速入力ギヤ21Eおよび6速入力ギヤ21Fは、入力軸21と相対回転自在に設けられている。
カウンタ軸22には1速カウンタギヤ22A、2速カウンタギヤ22B、3速カウンタギヤ22C、4速カウンタギヤ22D、5速カウンタギヤ22E、6速カウンタギヤ22F、リバースカウンタギヤ22Gおよびファイナルドライブギヤ22Hを有している。
ファイナルドライブギヤ22Hは、エンジン1側に位置しており、エンジン1からカウンタ軸22の軸方向に遠ざかるに従ってリバースカウンタギヤ22G、1速カウンタギヤ22A、2速カウンタギヤ22B、3速カウンタギヤ22C、4速カウンタギヤ22D、5速カウンタギヤ22Eおよび6速カウンタギヤ22Fの順に設けられている。
カウンタギヤ22Aからカウンタギヤ22Fは、同一の変速段を構成する入力ギヤ21Aから入力ギヤ21Fに常時噛み合っており、最低速段の1速カウンタギヤ22Aから最高速段の6速カウンタギヤ22Fになる程、外径が徐々に小さく形成されている。これにより、最低速段のギヤ比が最も大きく、最高速段のギヤ比が最も小さい。
リバース軸23は、入力軸21とカウンタ軸22の軸長よりも短く形成されている。具体的には、リバース軸23の軸長は、入力軸21の軸長やカウンタ軸22の軸長の1/3程度の長さとなっている。
リバース軸23にはリバースアイドラギヤ23A、23Bが設けられている。リバースアイドラギヤ23Aは、リバース入力ギヤ21Gに噛み合っており、リバースアイドラギヤ23Bは、リバースカウンタギヤ22Gに噛み合っている。本実施例のリバースアイドラギヤ23Bは、リバースギヤを構成し、リバースカウンタギヤ22Gは、ギヤ部材を構成する。
リバースアイドラギヤ23Aは、ニードル軸受を介してリバース軸23に相対回転自在に設けられており、リバースアイドラギヤ23Bは、ニードル軸受を介してリバース軸23と相対回転自在に設けられている。
カウンタ軸22には1速/2速用の同期装置24が設けられており、同期装置24のスリーブは、カウンタ軸22の軸方向に移動自在となっている。
入力軸21には3速/4速用の同期装置25、5速/6速用の同期装置26が設けられており、同期装置25、26のスリーブは、入力軸21の軸方向に移動自在となっている。
リバース軸23にはリバース用の同期装置27が設けられており、同期装置27のスリーブは、リバース軸23の軸方向に移動自在となっている。
同期装置25、26、27が中立位置にある状態から、1速/2速用の同期装置24のスリーブが1速カウンタギヤ22A側に移動すると、1速カウンタギヤ22Aが同期装置24を介してカウンタ軸22に連結される。このとき、エンジン1の駆動力が入力軸21から1速入力ギヤ21A、1速カウンタギヤ22Aを介してカウンタ軸22に伝達される。
また、同期装置25、26、27が中立位置にある状態から、リバース用の同期装置27のスリーブがリバースアイドラギヤ23B側に移動すると、リバースアイドラギヤ23Bが同期装置27を介してリバースアイドラギヤ23Aに連結される。
このとき、エンジン1の駆動力が入力軸21からリバース入力ギヤ21G、リバースアイドラギヤ23A、リバースアイドラギヤ23Bおよびリバースカウンタギヤ22Gを介してカウンタ軸22に伝達される。
同期装置24から同期装置27は、シフトアンドセレクト軸31によって操作される。図2、図3に示すように、シフトアンドセレクト軸31は、レフトケース4の上側に位置する環状壁4Aに形成された開口から挿入されて、レフトケース4に収容されている。
図4、図7に示すようにシフトアンドセレクト軸31は、上下方向に延びており、リバース軸23の軸方向でリバース軸23の左側にリバース軸23と並んで配置されている。つまり、シフトアンドセレクト軸31は、リバース軸23の軸線と交差するように上下方向に延びており、リバース軸23の軸線の左側への延長方面に配置されている。
シフトアンドセレクト軸31は、軸方向(セレクト方向)に移動自在でかつ、軸線周り(シフト方向)に回転自在に設けられている。
自動変速機2は、電気式、油圧式あるいは機械式の図示しないアクチュエータが設けられている。
アクチュエータは、運転者によって操作される図示しないシフトレバーがリバースポジション、ニュートラルポジションおよびドライブポジションの各ポジションに操作されると、図示しないECU(Electronic Control Unit)から出力される制御信号に基づいてシフトアンドセレクト軸31をシフト方向およびセレクト方向に操作する。
図7に示すように、シフトアンドセレクト軸31の下部にはカム部材32が設けられており、カム部材32はシフトアンドセレクト軸31と一体で移動する。カム部材32にはフィンガー部32Aが設けられており、フィンガー部32Aは、図示しない1速/2速用のヨーク、3速/4速用のヨーク、5速/6速用のヨーク、リバース用のヨークに選択的に嵌合する。
例えば、1速/2速用のヨークは、図示しない1速/2速用のシフト軸に連結されており、1速/2速用のシフト軸には1速/2速用のシフトフォークが連結されている。
1速/2速用のシフトフォークは、1速/2速用の同期装置24のスリーブに連結されている。1速に変速される場合に、まず、アクチュエータによってシフトアンドセレクト軸31がセレクト方向に移動してフィンガー部32Aが1速/2速用のヨークに選択的に嵌合する。
そして、フィンガー部32Aが1速/2速用のシフトヨークに嵌合される位置でアクチュエータによってシフト方向に操作されると、1速/2速用のシフト軸を介してシフトフォークが1速/2速用の同期装置24のスリーブを1速カウンタギヤ22A側に移動させる。これにより、1速カウンタギヤ22Aが同期装置24を介してカウンタ軸22に連結される。
図3、図6に示すように、ディファレンシャル装置10は、ファイナルドリブンギヤ11が固定されたデフケース12と、ピニオンシャフト13と、ピニオンシャフト13に回転自在に支持された一対のピニオンギヤ14A、14Bと、ピニオンギヤ14A、14Bに噛み合う一対のサイドギヤ15A、15Bとを有している。
サイドギヤ15A、15Bは、それぞれ図示しない左右のドライブシャフトに連結されている。本実施例のドライブシャフトは、入力軸21と平行に配置されてサイドギヤ15A、15Bに連結されている。
本実施例の自動変速機2は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両において、横置きに配置されるエンジン1に取付けられる横置きの自動変速機2である。
ファイナルドリブンギヤ11は、ファイナルドライブギヤ22Hに噛み合っており、ディファレンシャル装置10は、左右の駆動輪の差動を許容しつつ、ファイナルドライブギヤ22Hの回転を左右の駆動輪に伝達する。
図3に示すように、デフケース12の右端部は、円錐ころ軸受9Eによってライトケース5に回転自在に支持されており、デフケース12の左端部は、円錐ころ軸受9Fによってレフトケース4に回転自在に支持されている。これにより、ディファレンシャル装置10は、左右方向に変位することが規制される。
図5、図6に示すように、自動変速機2にはパーキングロック機構41が設けられている。パーキングロック機構41は、パーキングギヤ42、パーキングポール43、パーキングロッド44、サポート部材45、カム部材46、カムスプリング47、マニュアルシャフト48、レバープレート49、ディテントプレート50およびディテントスプリング51を含んで構成されている。
図3、図6に示すように、パーキングギヤ42は、玉軸受9Dによりも左方においてカウンタ軸22の左端部に取付けられている。
図1、図3に示すように、レフトケース4の側壁4Bの外方にはパーキングギヤ収容室33が設けられており、パーキングギヤ42は、パーキングギヤ収容室33に収容されている。
パーキングギヤ収容室33は、側壁4Bと側壁4Bの左側面に取付けられたパーキングカバー34とによって囲まれる空間から構成されており、側壁4Bによって変速機室8Bと仕切られている。
図4、図7に示すように、パーキングギヤ42の外周部には複数の歯部42Aが周方向に等間隔に設けられている。
図1、図3に示すように、パーキングポール43は、パーキングギヤ収容室33に収容されており、パーキングギヤ42と前後方向に並んで配置されている(図7参照)。
パーキングポール43は、パーキングポールシャフト52を介して側壁4Bに回動自在に支持されている(図3参照)。図4、図7に示すように、パーキングポール43には爪部43Aが形成されている。
図7において、爪部43Aは、パーキングポール43がパーキングポールシャフト52を中心に左回り(反時計回り)に回動すると、パーキングギヤ42の歯部42Aに噛み合う。爪部43Aは、パーキングポール43がパーキングポールシャフト52を中心に右回り(時計回り)に回動すると、歯部42Aとの噛み合いが解除される。
このようにパーキングポール43は、爪部43Aが歯部42Aに噛み合う噛合い位置と、爪部43Aが歯部42Aと噛み合わない解除位置との間で回動する。
爪部43Aが歯部42Aに噛み合うと、パーキングギヤ42の回転が規制され、カウンタ軸22の回転が規制される。
カウンタ軸22は、エンジン1からディファレンシャル装置10までの駆動力伝達経路において入力軸21とリバース軸23よりも下流側に位置し、駆動輪に連動する。
これにより、パーキングギヤ42の回転が規制されると、カウンタ軸22とディファレンシャル装置10のファイナルドリブンギヤ11の回転が規制される。この結果、ドライブシャフトを介して駆動輪が回転することが規制され、車両の停車状態が維持される。
パーキングポール43は、パーキングポールシャフト52に巻き掛けられた図示しないリターンスプリングによって、歯部42Aから爪部43Aが離隔するように付勢されている。
図2に示すように、パーキングロッド44は、レフトケース4に収容されている。パーキングロッド44は、入力軸21とリバース軸23に隣接してリバース軸23の軸方向(左右方向)に延びている。
図2に示すように、隔壁5Aの前上部には膨出壁5W(図4参照)が形成されている。膨出壁5Wは、リバース軸23の軸方向でリバースアイドラギヤ23Bの側面に対向しており、軸受支持部5aよりも前側において隔壁5Aからクラッチ室8A側に膨出し、リバース軸23の軸方向と直交する上下方向に沿って延びている。
マニュアルシャフト48は、リバースアイドラギヤ23Bと膨出壁5Wの間のマニュアルシャフト収容室61に配置されている。
図1、図4に示すように、ライトケース5の上壁5Bには貫通孔5dが形成されており、マニュアルシャフト48の上部はマニュアルシャフト収容室61から貫通孔5dを通してライトケース5の上部外方に突出している。本実施例のマニュアルシャフト収容室61は、リバースギヤと隔壁の間の空間を構成する。
図2に示すように、マニュアルシャフト収容室61には支持底壁5Cが形成されており、支持底壁5Cは、軸受支持部5cよりも上方でリバース軸23の軸方向に沿って延びている。支持底壁5Cにはマニュアルシャフト48の下部が回転自在に支持されている。
すなわち、マニュアルシャフト48は、リバース軸23の軸方向と直交する上下方向で膨出壁5Wに沿って延びている。
このように、マニュアルシャフト48は、下部が支持底壁5Cに回転自在に支持され、かつ、上部が貫通孔5dに挿通されて貫通孔5dに支持されることにより、傾くことや倒れることがないようにライトケース5に支持されている。
マニュアルシャフト48の上部には図示しないケーブル部材の一端部が連結されている。ケーブル部材の他端部は、運転者によって操作されるシフトレバーに連結されている。
ケーブル部材は、シフトレバーがパーキングポジションと非パーキングポジションとの間で切替え操作される動きをマニュアルシャフト48に伝え、マニュアルシャフト48を回転させる。
このようにマニュアルシャフト48は、シフトレバーの操作に連動してライトケース5に対して回転する。
レバープレート49はマニュアルシャフト48の下部に取付けられており、マニュアルシャフト48から径方向(水平方向)に前方に向って延びるように突出している。図2に示すように、レバープレート49は、マニュアルシャフト収容室61内に配置されており、マニュアルシャフト48の回転に連動してマニュアルシャフト収容室61内で揺動される。詳細には、レバープレート49は、前後に長い形状の部品であって、膨出壁5Wとリバースアイドラギヤ23Bとの間に配置され、リバースアイドラギヤ23Bに沿ってマニュアルシャフト48から前方に延びるよう配置されている。
レバープレート49の前端には、左右方向に延びるパーキングロッド44の右端部が揺動自在に連結されており、レバープレート49の前端の左右方向の揺動はパーキングロッド44を左右方向に動かすことになる。つまり、パーキングロッド44は、レバープレート49に連動して軸方向(左右方向)に移動自在となっている。
図5、図6に示すように、カム部材46は、パーキングロッド44の左端部に取付けられている。カム部材46は、パーキングロッド44が貫通し、パーキングポール43の上方を通過するパーキングロッド44にパーキングロッド44の軸方向に沿って移動自在に取り付けられている。
図3に示すように、側壁4Bには開口部4hが形成されている。開口部4hには後述するサポート部材45がパーキングギヤ収容室33側から取付けられており、サポート部材45にはパーキングロッド44が貫通している。
つまり、パーキングロッド44の左端部は、側壁4Bを貫通し開口部4hからパーキングギヤ収容室33内に出没可能となっており、カム部材46は、開口部4hを通してサポート部材45からパーキングギヤ収容室33に出没可能となっている。
図5に示すように、パーキングロッド44にはストッパ部44aが形成されており、カムスプリング47は、一端がストッパ部44aによって抜け止めされ、他端部がカム部材46に当接している。つまり、カムスプリング47は、カム部材46とストッパ部44aとの間に配置され、カム部材46をストッパ部44aから離れる方向に付勢するように設けられている。
パーキングロッド44の先端部には図示しない先端ストッパ部が形成されており、カム部材46は、この図示しないこの先端ストッパ部によりパーキングロッド44からの脱落が阻止され、先端ストッパ部よりもマニュアルシャフト48側に設けられている。
カムスプリング47は、カム部材46が先端ストッパ部に接触するまでカム部材46をパーキングロッド44の左端部側に付勢しており、カム部材46は、ストッパ部に接触することによりパーキングロッド44から抜け出ない。
カム部材46は、パーキングポール43側に向かって先細りのテーパ形状に形成されている。カムの中央付近でテーパ形状の角度が大きくなる二段形状になっており、パーキングポール43側の方が角度が大きい。
図6に示すように、サポート部材45は筒状に形成されており、サポート部材45の内部にはカム部材46が挿入されている。
図5、図6に示すように、サポート部材45は、円筒部45Aと半円形状の突出部45Bを有する。円筒部45Aは、側壁4Bに取付けられており(図3参照)、円筒部45Aの内部にカム部材46が挿入されている。
突出部45Bは、円筒部45Aの上部からパーキングポール43に向かって突出しており、パーキングポール43の上面に当接している。
パーキングロック機構41において、シフトレバーがパーキングポジションに操作されると、マニュアルシャフト48が一方向に回転し、マニュアルシャフト48の回転に伴ってレバープレート49が一方向に揺動する。
このとき、パーキングロッド44がレバープレート49に押されてパーキングポール43側に移動し、カムスプリング47によって付勢されたカム部材46がサポート部材45の円筒部45Aから突出部45Bとパーキングポール43の上面との間に入り込む。
カム部材46は、パーキングポール43に向かって先細り形状のテーパカム部に形成されているので、カム部材46が突出部45Bとパーキングポール43の上面との間に入り込んで左方に移動するのに伴ってカム部材46がパーキングポール43の前端部を下方に押し下げる。
このとき、パーキングポール43は、リターンスプリングの付勢力に抗してパーキングポールシャフト52を中心に図7において反時計回りに回動される。
これにより、パーキングポール43の爪部43Aがパーキングギヤ42の歯部42Aに嵌合してパーキングギヤ42の回転が規制され、カウンタ軸22とディファレンシャル装置10のファイナルドリブンギヤ11の回転が規制される。この結果、ドライブシャフトを介して駆動輪が回転することが規制され、車両の停車状態が維持される。
この状態では、カム部材46の角度が小さいテーパ部がパーキングポール43とサポート部材45の突出部45Bとの間に位置することにより、パーキングポール43が戻ることが規制されて爪部43Aと歯部42Aとの噛み合いが外れることはない。
パーキングロック機構41において、シフトレバーが非パーキングポジションに操作されると、マニュアルシャフト48が他方向に回転し、マニュアルシャフト48の回転に伴ってレバープレート49が他方向に揺動される。
このとき、パーキングロッド44がパーキングポール43から離れるマニュアルシャフト48側に移動し、カム部材46がサポート部材45の突出部45Bとパーキングポール43の上面との間から円筒部45Aの内部に退避する。
このとき、パーキングポール43は、リターンスプリングに付勢され、パーキングポールシャフト52を中心にして図7で時計回りに回動する。
これにより、パーキングポール43の爪部43Aがパーキングギヤ42の歯部42Aから離れ、爪部43Aと歯部42Aとの嵌合が解除される。この結果、パーキングギヤ42の回転が許容され、車両が走行可能状態となる。
爪部43Aと歯部42Aとの嵌合が解除された状態では、パーキングポール43の上面がサポート部材45の突出部45Bに当接することにより、パーキングポール43の前部が上方に移動することが規制され、パーキングポール43の回動が規制される。本実施例のパーキングロッド44およびカム部材46は、操作部材を構成する。
図4に示すように、ディテントプレート50は、レバープレート49よりも上方に位置するようにマニュアルシャフト48の上部に取付けられており、マニュアルシャフト48の回転によりマニュアルシャフト48を中心に揺動する扇形の部材である。
図6に示すように、ディテントプレート50は、マニュアルシャフト48からリバースアイドラギヤ23Bの上方に向かって左右方向に沿って延びるように位置しており、マニュアルシャフト48の軸方向でリバースアイドラギヤ23Bと並んで配置されている。
すなわち、ディテントプレート50は、自動変速機2の上面視でリバースアイドラギヤ23Bと重なっており、リバース軸23の上方を覆っている。
ディテントプレート50の左端部は、マニュアルシャフト48の回転によりマニュアルシャフト48を中心にリバースアイドラギヤ23Bの上方で前後方向に揺動する。
ディテントプレート50の外周部(左側端縁)には、嵌合溝50A、50Bが形成されている。嵌合溝50Aは、パーキングポジションに対応した溝であり、嵌合溝50Bは、非パーキングポジションに対応した溝である。
嵌合溝50A、50Bには、ディテントスプリング51の先端部が嵌合する。ディテントスプリング51は、前後方向に沿って延びるように配置されているばね部材であって、ディテントプレート50への当接によって先端部が左側に弾性変形している。
図4に示すように、ディテントスプリング51は、その基端部が入力軸21の上方においてボルト62によってライトケース5の隔壁5Aに取付けられている。
ディテントスプリング51の先端部にはローラ部材51Aが回動自在に設けられている。ローラ部材51Aは、嵌合溝50A、50Bに嵌合自在となっており、ディテントスプリング51は、ローラ部材51Aをディテントプレート50に押し付ける押し付け力を有する。
運転者のパーキングポジションへのシフト操作により、マニュアルシャフト48が回転してディテントプレート50が揺動し、嵌合溝50Aにローラ部材51Aが嵌合する。嵌合溝50Aにローラ部材51Aが嵌合した状態では、パーキングポール43が回動して爪部43Aがパーキングギヤ42の歯部42Aに噛み合う噛み合い位置にある。
一方、運転者の非パーキングポジションへのシフト操作により、マニュアルシャフト48が回転してディテントプレート50が揺動し、嵌合溝50Bにローラ部材51Aが嵌合する。嵌合溝50Bにローラ部材51Aが嵌合した状態では、パーキングポール43がサポート部材45の突出部45Bに当接して爪部43Aがパーキングギヤ42の歯部42Aから外れた解除位置にある。
ディテントプレート50とディテントスプリング51とは、ディテント機構を構成しており、運転者によるパーキングポジションと非パーキングポジションとのシフト操作時にローラ部材51Aが嵌合溝50Aあるいは嵌合溝50Bに嵌入する動作と脱出する動作とにより、シフト操作時の運転者に切換え感触(所謂、クリック感)を与える。
また、シフト操作の完了時にローラ部材51Aが嵌合溝50Aまたは嵌合溝50Bに嵌合することにより、マニュアルシャフト48を回転方向に位置決めする。本実施例のディテントスプリング51は、嵌合部材を構成する。
図4、図5に示すように、レバープレート49とディテントプレート50は、筒状部材53に取付けられており、筒状部材53と一体化されている。筒状部材53にはマニュアルシャフト48が挿通されており、筒状部材53は、図示しないピン等によってマニュアルシャフト48に固定され、マニュアルシャフト48と一体で回転する。
これにより、レバープレート49とディテントプレート50は、マニュアルシャフト48と一体で同時に揺動する。
このようにレバープレート49とディテントプレート50は、筒状部材53と一体でマニュアルシャフト48に取付けられるので、マニュアルシャフト48にレバープレート49とディテントプレート50を容易に取付けることができる。
図6に示すように、リバースアイドラギヤ23Aを間に挟んでリバース軸23の軸方向の右方側(一方側)にマニュアルシャフト48が配置されており、リバース軸23の軸方向の左方側(他方側)にパーキングポール43が配置されている。
すなわち、リバース軸23の軸方向でリバースアイドラギヤ23Aは、マニュアルシャフト48とパーキングポール43の間に配置されている。
図4から図6に示すように、パーキングロッド44は、第1のロッド部44A、屈曲部44Bおよび第2のロッド部44Cを有する。
第1のロッド部44Aは、レバープレート49からリバースアイドラギヤ23A、23Bの径方向の外側(詳細には、リバースアイドラギヤ23A、23Bの前上方)を通過してリバースアイドラギヤ23A、23Bよりもパーキングポール43側に達するように左右方向に延びている。第1のロッド部44Aは、入力軸21の側方において入力軸21と同じ高さ位置に位置している(図5参照)。
屈曲部44Bは、第1のロッド部44Aに連絡されており、第1のロッド部44Aの端部44b(図5、図6参照)からパーキングポール43側になるほどリバースアイドラギヤ23A、23Bの径方向内方となるように斜めに延び、シフトアンドセレクト軸31の前方を通過している。つまり、屈曲部44Bと第1のロッド部44Aは、端部44bにて屈曲している。
第2のロッド部44Cは、端部44cにて屈曲して屈曲部44Bに連絡されており、屈曲部44Bの端部44c(図5、図6参照)からカム部材46まで左右方向に延びている。第2のロッド部44Cは、カウンタ軸22の側方において入力軸21とカウンタ軸22の間の高さ位置に位置している(図5参照)。
そして、図7に示すようにリバース軸23の軸方向から見て、第2のロッド部44Cは、リバース軸23の高さとほぼ同じ位置に位置しており、シフトアンドセレクト軸31を間に挟んでリバース軸23の前方となるように配置されている。ストッパ部44aは第2のロッド部44Cに設けられている。
図7に示すように、リバース軸23の軸方向から見て、パーキングポールシャフト52は、前後方向でリバース軸23とカウンタ軸22の間で、かつ、入力軸21の下方に配置されており、リバース軸23は、前後方向でカム部材46とパーキングポールシャフト52の間に配置されている。
図1、図2に示すように、中壁4Cには貫通孔4dが形成されており、貫通孔4dは、リバース軸23の軸方向に貫通している。
パーキングロッド44は、レバープレート49から貫通孔4dを貫通してカム部材46まで延びており、端部44bが貫通孔4dに位置している。
次に、本実施例の自動変速機2の効果を説明する。
本実施例の自動変速機2は、クラッチ室8Aと変速機室8Bとを隔てる隔壁5Aを有する変速機ケース3と、隔壁5Aに回転自在に支持されるように変速機室8Bに収容され、駆動輪に連動するカウンタ軸22と、隔壁5Aに支持されるように変速機室8Bに収容され、カウンタ軸22よりも短い軸長に形成されたリバース軸23とを有する。
本実施例の自動変速機2は、クラッチ室8Aと変速機室8Bとを隔てる隔壁5Aを有する変速機ケース3と、隔壁5Aに回転自在に支持されるように変速機室8Bに収容され、駆動輪に連動するカウンタ軸22と、隔壁5Aに支持されるように変速機室8Bに収容され、カウンタ軸22よりも短い軸長に形成されたリバース軸23とを有する。
また、自動変速機2は、リバース軸23に設けられ、カウンタ軸22に設けられたリバースカウンタギヤ22Gに駆動力を伝達するリバースアイドラギヤ23Bと、変速機室8Bに収容されたパーキングロック機構41とを有する。
パーキングロック機構41は、カウンタ軸22に設けられたパーキングギヤ42と、パーキングギヤ42に嵌合することにより、カウンタ軸22の回転を規制するパーキングポール43とを有する。
これに加えて、パーキングロック機構41は、操作力により回転するマニュアルシャフト48と、パーキングポール43がパーキングギヤ42に噛み合う噛み合い位置と噛み合いが解除される解除位置とに移動するようにパーキングポール43を操作するパーキングロッド44およびカム部材46とを有する。
そして、マニュアルシャフト48は、リバース軸23の軸方向と直交する方向でリバースアイドラギヤ23Bに沿って延びており、リバースアイドラギヤ23Bと隔壁5Aの間のマニュアルシャフト収容室61に配置されている。
これにより、変速機ケース3のデッドスペースを利用してマニュアルシャフト48を配置でき、変速機ケース3が大型化することを抑制できる。この結果、自動変速機2が大型化することを抑制しつつパーキングロック機構41を配置できる。
具体的には、マニュアルシャフト48は、レバープレート49やディテントプレート50を伴って回転するため、広い設置スペースが必要となる。
リバース軸23は入力軸21やカウンタ軸22よりも軸長が短いので、リバース軸23の左方の空間にマニュアルシャフト48を配置すると、マニュアルシャフト48を配置するために変速機ケース3の外径が大きくなり、自動変速機2が大型化する。
本実施例の自動変速機2においては、リバースアイドラギヤ23Bに対向する隔壁5Aに、クラッチ室8A側に膨出する膨出壁5Wを設けることにより、リバースアイドラギヤ23Bと隔壁5Aの間に広いスペースのマニュアルシャフト収容室61を設け、マニュアルシャフト収容室61にマニュアルシャフト48が配置されている。
つまり、クラッチ室8Aは、多数の部品を有する変速機構6が配置される変速機室8Bに比べてスペース的に余裕があるので、リバースアイドラギヤ23Bに対向する隔壁5Aに、クラッチ室8A側に膨出する膨出壁5Wを設けることにより、デッドスペースを活用してマニュアルシャフト収容室61に設け、マニュアルシャフト収容室61にマニュアルシャフト48が配置されている。
これにより、変速機ケース3の外径を大きくすることなく、長尺のマニュアルシャフト48を配置することができ、マニュアルシャフト48の設置スペースが増大しない分だけ、パーキングロック機構41の設置スペースが増大することを抑制し、自動変速機2が大型化することを抑制できる。
また、本実施例の自動変速機2によれば、マニュアルシャフト48に取付けられ、マニュアルシャフト48の回転に連動して揺動することにより、パーキングロッド44を軸方向に移動させるレバープレート49を有する。
パーキングロッド44は、右端部がレバープレート49に取付けられており、レバープレート49の揺動に連動して軸方向に移動自在となっている。また、カム部材46は、パーキングロッド44の左端部に設けられており、パーキングポール43を噛み合い位置と解除位置とに回動させる。
そして、レバープレート49は、リバースアイドラギヤ23Bと隔壁5A(膨出壁5W)の間のマニュアルシャフト収容室61に前後方向に沿って配置されている。
これにより、マニュアルシャフト収容室61でレバープレート49を充分に揺動させるためのスペースを確保でき、パーキングロッド44を軸方向に必要な量だけ移動させることができる。
すなわち、マニュアルシャフト収容室61は、左右方向は狭いスペースでありながら、前後方向のスペースは容易に確保できるので、前後方向に長いレバープレート49を充分に揺動させるためのスペースを確保でき、パーキングロッド44の必要な移動量を容易に確保できる。
本実施例の自動変速機2においては、レバープレート49を前後方向に沿って(リバースアイドラギヤ23A、23Bの側面に沿って)配置することにより、狭いスペースにレバープレート49を配置でき、パーキングロッド44の動き量を決定する腕長さを充分に確保できる。
また、本実施例の自動変速機2によれば、変速機室8Bに、エンジン1から駆動力が伝達される入力軸21と、入力軸21から駆動力が伝達されるカウンタ軸22とが収容されている。
変速機ケース3のレフトケース4は、カウンタ軸22の軸方向で隔壁5Aに対向する側壁4Bを有する。
隔壁5Aには入力軸21とカウンタ軸22の軸方向の右端部が回転自在に支持されており、側壁4Bには入力軸21とカウンタ軸22の軸方向の左端部が回転自在に支持されているとともに、パーキングポールシャフト52が回動自在に支持されている。
側壁4Bよりも左側となるカウンタ軸22の左端部にはパーキングギヤ42が設けられており、左右方向において、リバースアイドラギヤ23Aを間に挟んで、右方側にマニュアルシャフト48が配置され、左方側にパーキングポール43が配置されている。
これにより、マニュアルシャフト48を隔壁5A側に配置しつつ、マニュアルシャフト48から離れた位置であるカウンタ軸22の左端部にパーキングギヤ42を取付けることができる。
この結果、マニュアルシャフト48をデッドスペースであるマニュアルシャフト収容室61に配置して自動変速機2を小型化した場合であっても、従来と同様に信頼性の高いパーキングロック機構41を採用することができ、パーキングロック機構41の製造コストが増大することを抑制できる。
また、本実施例の自動変速機2によれば、パーキングロッド44は、レバープレート49からリバースアイドラギヤ23A、23Bの外周を通過してリバースアイドラギヤ23A、23Bよりもパーキングポール43側に延びる第1のロッド部44Aと、第1のロッド部44Aに連絡され、第1のロッド部44Aの端部44bから屈曲してリバースアイドラギヤ23A、23Bの径方向内方に延びる屈曲部44Bと、屈曲部44Bに連絡され、屈曲部44Bの端部44cからカム部材46まで延びる第2のロッド部44Cとを含んで構成されている。
これにより、図7に示すように軸方向から見て、リバースアイドラギヤ23A、23Bの周囲に配置される第1のロッド部44A以外の屈曲部44Bと第2のロッド部44Cとを、リバースアイドラギヤ23A、23Bの径方向内方に配置することができる。
このため、パーキングロッド44の設置スペースが増大することを抑制して変速機ケース3の外径が大きくなることを抑制でき、自動変速機2が大型化することをより効果的に抑制できる。
また、本実施例の自動変速機2によれば、パーキングポール43は、パーキングポールシャフト52を介して側壁4Bに回動自在に支持されている。
リバース軸23の軸方向から見て、パーキングポールシャフト52は、前後方向でリバース軸23とカウンタ軸22の間で、かつ、入力軸21の下方に配置されており、リバース軸23は、前後方向でカム部材46とパーキングポールシャフト52の間に配置されている。
これにより、パーキングポール43をコンパクトに配置することができ、自動変速機2を小型化できる。
具体的には、リバース軸23の軸方向から見て、入力軸21は、リバース軸23の軸線21aとカウンタ軸22の軸線22aを結んだ仮想線L1よりも上方に配置されているので、自動変速機2を大型化することなく、パーキングポール43を配置する空間を確保することができる。
また、玉軸受9Bを介して入力軸21を支持する剛性の高い軸受支持部4aと、玉軸受9Dを介してカウンタ軸22を支持する剛性の高い軸受支持部4bの近傍にパーキングポールシャフト52を配置できるので、パーキングポール43の支持剛性を高くできる。
また、図7に示すように、リバース軸23の軸方向から見て、リバースアイドラギヤ23A、23Bを配置するために、比較的スペースに余裕があるリバース軸23側にパーキングポール43を延ばすことができるので、自動変速機2が大型化することを抑制し、パーキングポール43を配置するための空間を容易に確保できる。
これに加えて、図7に示すように軸方向から見て、パーキングポール43の前端部を、リバース軸23よりも前側まで延ばし、パーキングポール43の先端部をカム部材46によって操作できる。
これにより、リバースアイドラギヤ23A、23Bの径方向におけるパーキングロッド44の第1のロッド部44Aと第2のロッド部44Cとのオフセット量を小さくすることができ、すなわち、端部44b、44cの屈曲量を小さくすることができる。
このため、パーキングロッド44を軸方向に移動させたときにカム部材46によってパーキングポール43を確実に、かつ安定して作動させることができ、パーキングロック機構41の信頼性を向上できる。
また、本実施例の自動変速機2によれば、レフトケース4は、リバース軸23の軸方向で隔壁5Aと側壁4Bの間に配置され、リバース軸23の軸方向の左端部を支持する中壁4Cを有する。
中壁4Cは、リバース軸23の軸方向に貫通する貫通孔4dを有し、パーキングロッド44は、レバープレート49から貫通孔4dを貫通してカム部材46まで延びている。
これにより、マニュアルシャフト収容室61にマニュアルシャフト48を配置した場合であっても、中壁4Cによってリバース軸23の支持剛性を充分に確保しつつ、レバープレート49からカム部材46までパーキングロッド44を設置できる。
また、本実施例の自動変速機2によれば、マニュアルシャフト48に取付けられ、マニュアルシャフト48の回転により揺動するディテントプレート50と、ディテントプレート50の嵌合溝50A、50Bに嵌合してマニュアルシャフト48を回転方向に位置決めするディテントスプリング51とを有する。
ディテントプレート50は、リバースアイドラギヤ23Bの上方に位置し、かつ、マニュアルシャフト48の軸方向でリバースアイドラギヤ23Bと並んで配置されている。
これにより、マニュアルシャフト48から左右方向に広がる設置面積の大きいディテントプレート50を、リバースアイドラギヤ23Bと干渉することなく配置できる。
また、ディテントスプリング51は、組み付け性や組付け手順を考慮すると、隔壁5Aに取付けられ、左右方向でローラ部材51Aがディテントプレート50の嵌合溝50A、50Bに嵌合されることになる。
このため、ディテントプレート50を配置するために、比較的広いマニュアルシャフト48の軸垂直面上の空間が必要となるが、リバースアイドラギヤ23Bの上方の空間を活用することにより、自動変速機2が大型化することを抑制しつつ、ディテントプレート50を配置できる。
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1...エンジン(内燃機関)、2...自動変速機(車両用変速機)、3...変速機ケース、4B...側壁、4C...中壁、4d...貫通孔、5A...隔壁、8A...クラッチ室、8B...変速機室、21...入力軸、22...カウンタ軸(変速機軸)、22G...リバースカウンタギヤ(ギヤ部材)、23...リバース軸、23B...リバースアイドラギヤ(リバースギヤ)、41...パーキングロック機構、42...パーキングギヤ、43...パーキングポール、44...パーキングロッド(操作部材)、44A...第1のロッド部、44B...屈曲部、44C...第2のロッド部、46...カム部材(操作部材)、48...マニュアルシャフト、49...レバープレート、50...ディテントプレート、51...ディテントスプリング(嵌合部材)、52...パーキングポールシャフト、61...マニュアルシャフト収容室(リバースギヤと隔壁の間の空間)
Claims (7)
- クラッチ室と変速機室とを隔てる隔壁を有する変速機ケースと、
前記隔壁に回転自在に支持されるように前記変速機室に収容され、駆動輪に連動する変速機軸と、
前記隔壁に支持されるように前記変速機室に収容され、前記変速機軸よりも短い軸長に形成されたリバース軸と、
前記リバース軸に設けられ、前記変速機軸に設けられたギヤ部材に駆動力を伝達するリバースギヤと、
前記変速機室に収容されたパーキングロック機構とを有し、
前記パーキングロック機構は、
前記変速機軸に設けられたパーキングギヤと、
前記パーキングギヤに嵌合することにより、前記変速機軸の回転を規制するパーキングポールと、
操作力により回転するマニュアルシャフトと、
前記パーキングポールが前記パーキングギヤに噛み合う噛み合い位置と噛み合いが解除される解除位置とに移動するように前記パーキングポールを操作する操作部材とを含んで構成されており、
前記マニュアルシャフトは、
前記リバース軸の軸方向と直交する方向で前記リバースギヤに沿って延びており、前記リバースギヤと前記隔壁の間の空間に配置されていることを特徴とする車両用変速機。 - 前記マニュアルシャフトに取付けられ、前記マニュアルシャフトの回転に連動して揺動することにより、前記操作部材を軸方向に移動させるレバープレートを有し、
前記操作部材は、一端部が前記レバープレートに取付けられ、前記レバープレートの揺動に連動して軸方向に移動自在に設けられたパーキングロッドと、
前記パーキングロッドの他端部に設けられ、前記パーキングポールを前記噛み合い位置と前記解除位置とに回動させるカム部材とを有し、
前記レバープレートは、前記リバースギヤと前記隔壁の間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用変速機。 - 前記変速機室に、内燃機関から駆動力が伝達される入力軸と、前記入力軸から駆動力が伝達され、前記変速機軸を構成するカウンタ軸とが収容されており、
前記変速機ケースは、前記変速機軸の軸方向で前記隔壁に対向する側壁を有し、
前記隔壁に、前記入力軸と前記カウンタ軸の一端部が回転自在に支持されており、
前記側壁に、前記入力軸と前記カウンタ軸の他端部が回転自在に支持されているとともに、前記パーキングポールが回動自在に支持されており、
前記側壁側の前記カウンタ軸の他端部に前記パーキングギヤが設けられており、
前記リバースギヤを間に挟んで、前記リバース軸の軸方向の一方側に前記マニュアルシャフトが配置され、前記リバース軸の軸方向の他方側に前記パーキングポールが配置されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用変速機。 - 前記パーキングロッドは、前記レバープレートから前記リバースギヤの外周を通過して前記リバースギヤよりも前記パーキングポール側に延びる第1のロッド部と、前記第1のロッド部に連絡され、前記第1のロッド部の端部で屈曲し前記リバースギヤの径方向内方に延びる屈曲部と、前記屈曲部に連絡され、前記屈曲部の端部から前記カム部材まで延びる第2のロッド部とを含んで構成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の車両用変速機。
- 前記パーキングポールは、パーキングポールシャフトを介して前記側壁に回動自在に支持されており、
前記リバース軸の軸方向から見て、前記パーキングポールシャフトは、前記リバース軸と前記カウンタ軸の間で、かつ、前記入力軸の下方に配置されており、
前記リバース軸は、前記カム部材と前記パーキングポールシャフトの間に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の車両用変速機。 - 前記変速機ケースは、前記リバース軸の軸方向で前記隔壁と前記側壁の間に配置され、前記リバース軸の他端部を回転自在に支持する中壁を有し、
前記中壁は、前記リバース軸の軸方向に貫通する貫通孔を有し、
前記パーキングロッドは、前記レバープレートから前記貫通孔を貫通して前記カム部材まで延びていることを特徴とする請求項3に記載の車両用変速機。 - 前記マニュアルシャフトに取付けられ、前記マニュアルシャフトの回転により揺動するディテントプレートと、
前記ディテントプレートの外周部に嵌合して前記マニュアルシャフトを回転方向に位置決めする嵌合部材とを有し、
前記ディテントプレートは、前記リバースギヤの上方に位置し、かつ、前記マニュアルシャフトの軸方向で前記リバースギヤと並んで配置されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の車両用変速機。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022021482A Pending JP2023118503A (ja) | 2022-02-15 | 2022-02-15 | 車両用変速機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023118503A (ja) |
-
2022
- 2022-02-15 JP JP2022021482A patent/JP2023118503A/ja active Pending
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