JP2005299883A - 歯車伝動機構及び電動工具 - Google Patents

Abstract

【解決手段】電動モータに連動する入力軸５と、工具を取り付けるチャックに連動する出力軸６との間に、歯車減速機構４を介在させて、入力軸５の回転をその歯車減速機構４により減速して出力軸６に伝動する。この歯車減速機構４においては、入力軸５と出力軸６とを歯車列９（入力側歯車１５、中間歯車１３，１４、出力側歯車１６）を介して同一の回転中心線Ｐ上で配設し、入力軸５に設けた嵌合軸部１７と出力軸６に設けた嵌合穴部１８とを、それらの間に軸受ブッシュ１９を介在させて相対回転可能に支持している。
【効果】歯車減速機構４、並びに、その歯車減速機構４を備えた電動工具を小型化することができる。
【選択図】図２

Description

本発明は、入力軸と出力軸とを歯車を介して同一の回転中心線上で配設した歯車伝動機構、並びに、その歯車伝動機構を備えた電動工具に関するものである。

従来、この種の歯車伝動機構において、入力軸には入力側歯車が入力側の両軸受間で入力軸と一体に回転するように支持されているとともに、出力軸には出力側歯車が出力側の両軸受間で出力軸と一体に回転するように支持されている。

しかし、入力軸と出力軸とを同一の回転中心線上で配設するため、互いに面する入力側歯車と出力側歯車との間に入力側軸受と出力側軸受とを設ける必要があり、入力側歯車と出力側歯車との間隔が広がって歯車伝動機構の軸線方向幅が大きくなる問題があった。

この発明は、歯車伝動機構、並びに、その歯車伝動機構を備えた電動工具を小型化することを目的としている。

後記実施形態の図面（図１〜３）の符号を援用して本発明を説明する。
請求項１の発明にかかる歯車伝動機構（４）においては、入力軸（５）と出力軸（６）とを歯車（９）を介して同一の回転中心線（Ｐ）上で配設し、入力軸（５）またはこの入力軸（５）と一体に回転する入力側歯車（１５）と、出力軸（６）またはこの出力軸（６）と一体に回転する出力側歯車（１６）とのうち、一方に設けた嵌合軸部（１７）と他方に設けた嵌合穴部（１８）とを、それらの間に軸受（１９）を介在させてまたは直接互いに嵌合して相対回転可能に支持している。この軸受としては、請求項２の発明にかかるすべり軸受としてのブッシュ（１９）以外に、ころがり軸受を採用してもよい。すべり軸受と嵌合軸部（１７）または嵌合穴部（１８）との嵌合や、嵌合軸部（１７）と嵌合穴部（１８）との直接嵌合の場合、それらが相対回転し得るようにはめあい公差におけるすきまばめを採用する。歯車伝動機構については、歯車減速機構（４）と歯車増速機構とがあり、一部に歯車以外の伝動部材を含んでいてもよい。

請求項１の発明では、互いに面する入力側歯車（１５）と出力側歯車（１６）との間に入力側軸受と出力側軸受とを設ける必要がなくなり、入力側歯車（１５）と出力側歯車（１６）との間隔を狭くして歯車伝動機構（４）の軸線方向幅を小さくすることができる。

請求項１の発明を前提とする請求項２の発明において、前記軸受は嵌合穴部（１８）の内周部に嵌合されたブッシュ（１９）であり、前記嵌合軸部（１７）はそのブッシュ（１９）の内周部に嵌合されている。その場合、例えば、ブッシュ（１９）と嵌合穴部（１８）とがはめあい公差におけるしまりばめにより相対回転せず、ブッシュ（１９）と嵌合軸部（１７）とがはめあい公差におけるすきまばめにより相対回転する。請求項２の発明では、嵌合軸部（１７）と嵌合穴部（１８）との相対回転を円滑にすることができる。

請求項３の発明にかかる電動工具（１）においては、電動モータ（３）に連動する入力軸（５）と、工具を取り付けるチャック（２）に連動する出力軸（６）との間に、請求項１または請求項２に記載の歯車伝動機構（４）を介在させて、入力軸（５）の回転をその歯車伝動機構（４）により減速して出力軸（６）に伝動する。請求項３の発明では、請求項１または請求項２の発明の効果を電動工具（１）の歯車伝動機構（４）において発揮させることができる。

本発明は、歯車伝動機構（４）、並びに、その歯車伝動機構（４）を備えた電動工具（１）を小型化することができる。

まず、本発明の第一実施形態にかかる歯車伝動機構を備えた電動工具について図１〜２を参照して説明する。
電動工具１において、工具を取り付けるチャック２は、電動モータ３により歯車減速機構４（歯車変速機構、歯車伝動機構）を介して回転する。この歯車減速機構４においては、電動モータ３に連動する入力軸５とチャック２に連動する出力軸６とが同一の回転中心線Ｐ上でそれぞれ軸受７，８により支持されて配設され、その入力軸５の回転が歯車列９（変速歯車）を介して出力軸６に伝動される。この歯車列９においては、入力軸５及び出力軸６の回転中心線Ｐと平行な回転中心線Ｑを有する連動軸１０の両端部がそれぞれ軸受１１，１２により支持され、この両軸受１１，１２間でその連動軸１０の両側にそれぞれ中間歯車１３，１４（平歯車）が互いに隣接して連動軸１０と一体に回転するように支持され、この入力軸５には入力側歯車１５（平歯車）が入力軸５と一体に回転するように支持されているとともに、この出力軸６には出力側歯車１６（平歯車）が出力軸６と一体に回転するように支持されている。

前記入力軸５の端部及び入力側歯車１５と出力軸６の端部及び出力側歯車１６とは前記入力側軸受７と出力側軸受８との間において回転中心線Ｐの方向で互いに面している。この入力軸５はその端部に入力軸５と一体に回転するように嵌着された嵌合軸部１７を有している。この出力軸６はその端部に出力軸６と一体に回転するように形成された嵌合穴部１８を有している。この嵌合穴部１８の内周部にはブッシュ１９が出力軸６と一体に回転するように嵌着されている。このブッシュ１９の内周部には入力軸５の嵌合軸部１７の外周部がはめあい公差におけるすきまばめにより嵌合されて支持されている。電動モータ３により入力軸５が回転すると、その回転は入力側歯車１５と中間歯車１３と連動軸１０と中間歯車１４と出力側歯車１６とにより減速されて出力軸６に伝動される。その際、入力軸５の嵌合軸部１７と出力軸６の嵌合穴部１８とがブッシュ１９を介して互いに支持し合って軸受としての機能を果たす。

図３に示す第二実施形態においては、独立した減速装置内に歯車減速機構４が組み込まれ、入力軸５の端部自体が嵌合軸部１７になっている点で第一実施形態と異なる。
上記第一実施形態及び第二実施形態では、（イ） 入力軸５の嵌合軸部１７と出力軸６の嵌合穴部１８とをそれらの間にブッシュ１９を介在させて互いに嵌合して相対回転可能に支持している。この構成に代えて、例えば下記のように変更してもよい。

（ロ） 入力軸５と一体に回転する入力側歯車１５のボスに嵌合軸部１７を設け、入力側歯車１５の嵌合軸部１７と出力軸６の嵌合穴部１８とをそれらの間にブッシュ１９を介在させて互いに嵌合して相対回転可能に支持する。

（ハ） 出力軸６と一体に回転する出力側歯車１６のボスに嵌合穴部１８を設け、入力軸５の嵌合軸部１７と出力側歯車１６の嵌合穴部１８とをそれらの間にブッシュ１９を介在させて互いに嵌合して相対回転可能に支持する。

（ニ） 入力軸５と一体に回転する入力側歯車１５のボスに嵌合軸部１７を設けるとともに、出力軸６と一体に回転する出力側歯車１６のボスに嵌合穴部１８を設け、入力側歯車１５の嵌合軸部１７と出力側歯車１６の嵌合穴部１８とをそれらの間にブッシュ１９を介在させて互いに嵌合して相対回転可能に支持する。

（ホ） 上記（イ）（ロ）（ハ）（ニ）において、ブッシュ１９を省略し、嵌合軸部１７と嵌合穴部１８とを直接互いに嵌合して相対回転可能に支持する。
（ヘ） 上記（イ）（ロ）（ハ）（ニ）（ホ）において、嵌合軸部１７を出力側に設け、嵌合穴部１８を入力側に設ける。

第一実施形態にかかる電動工具において歯車減速機構を切り欠いて示す正面図である。 図１に示す歯車減速機構の部分拡大断面図である。 第二実施形態にかかる歯車減速機構の部分拡大断面図である。

符号の説明

１…電動工具、２…チャック、３…電動モータ、４…歯車減速機構（歯車変速機構、歯車伝動機構）５…入力軸。６…出力軸、９…歯車列（変速歯車）、１５…入力側歯車、１６…出力側歯車、１７…嵌合軸部、１８…嵌合穴部、１９…ブッシュ（軸受）、Ｐ…回転中心線。

Claims (3)

1. 入力軸と出力軸とを歯車を介して同一の回転中心線上で配設した歯車伝動機構において、前記入力軸またはこの入力軸と一体に回転する入力側歯車と、前記出力軸またはこの出力軸と一体に回転する出力側歯車とのうち、一方に設けた嵌合軸部と他方に設けた嵌合穴部とを、それらの間に軸受を介在させてまたは直接互いに嵌合して相対回転可能に支持したことを特徴とする歯車伝動機構。
2. 前記軸受は嵌合穴部の内周部に嵌合されたブッシュであり、前記嵌合軸部はそのブッシュの内周部に嵌合されていることを特徴とする請求項１に記載の歯車伝動機構。
3. 電動モータに連動する入力軸と、工具を取り付けるチャックに連動する出力軸との間に、請求項１または請求項２に記載の歯車伝動機構を介在させて、入力軸の回転をその歯車伝動機構により減速して出力軸に伝動することを特徴とする電動工具。

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