以下、本発明の一実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について図面を参照しつつ説明する。
まず、本実施形態のカード供給装置40が組み込まれるカードプリンタ50について説明する。
図1は、本実施形態のカードプリンタ50を概略的に示す正面図である。
図1を含む以下の図中及び以下の説明において、理解を容易にするために、水平面内において互いに直交する2方向をX方向及びY方向とし、垂直方向、つまり、X方向及びY方向に直交する方向をZ方向とする。X方向は、図1の左右方向とし、右方向を+X方向、左方向を-X方向とする。Y方向は、図の1の紙面手前奥方向とし、手前側から奥側への方向を+Y方向とし、奥側から手前側への方向を-Y方向とする。Z方向は、図1の上下方向であり、上方向を+Z方向とし、下方向を-Z方向とする。また、以下の説明において、Z方向を垂直方向又は縦方向といい、XY面の面内方向を水平方向又は横方向ということもある。また、カードプリンタ50の図1における奥側から手前側へ向かう方向(つまり、-Y方向)を正面側方向といい、その反対である手前側から奥側へ向かう方向(つまり、+Y方向)を背面側方向とする。
このカードプリンタ50は、例えば、カード使用者の個人情報が書き込まれたICカードを作成することが可能な装置であるが、その他の種類のカードを作成するために使用されるものであってもよい。
図1に示すように、カードプリンタ50は、カードCを収納及び供給するカード供給装置40と、カードプリンタ50内においてカードCをベルトコンベアなどにより搬送するカード搬送部53と、カードCを反転させるカード反転装置54と、カードCに顔写真や文字情報などを印刷する情報印刷部55と、カードCに透明保護層を付与する透明保護層付与部56と、を有している。
カード供給装置40は、予め枚葉状にカットされた複数枚のカードCを収納するカード収納装置20と、カード収納装置20に収納されているカードCをカードプリンタ50のカード搬送部53まで移送するカード移送機構30と、を有している。図1に示す例では、カード供給装置40は、4つのカード収納装置20を有している。この4つのカード収納装置20は、それぞれ異なる種類のカードを収納している。
カード収納装置20に収納されているカードは、印刷が施される面(例えば、顔写真を記録する面)を下に向け、印刷が施されない面を上に向けて、積層されている。より詳しく説明すると、カードCは、支持体と受像層とからなり、支持体が上に向けられ、受像層が下に向けられた状態でカードCがストックされる。カード移送機構30は、カードCを、選択されたカード収納装置20から所定のタイミングで1枚ずつ上方に取り出し、カードプリンタ50のカード搬送部53に自動供給する。
カード収納装置20から取り出されたカードCは、まず、カード移送機構30により、印刷を施されない面を上方に向けられた状態でカード搬送部53に置かれる。その後、カードCは、カード搬送部53によって反転装置54に送られ、カード反転装置54によって反転された後、情報印刷部55に供給される。本実施形態では、カードCが情報印刷部55内で上方から印刷を施されるため、上述したカード反転装置54が設けられる。
なお、カードCは、カード収納装置20において印刷を施される面を上に向けてストックされてもよく、この場合には、カード反転装置54は設けられなくてもよい。ただし、後述の印刷不良の発生を抑制するために、カードCは、カード収納装置20において印刷を施される面を下に向けてストックされていることが好ましい。
情報印刷部55は、昇華印刷ユニット55aと、溶融印刷ユニット55bと、を有している。昇華印刷ユニット55aは、カードCが移動されている間に、Y印刷(イエロー印刷)、M印刷(マゼンタ印刷)、C印刷(シアン印刷)及びOP印刷(オーバープリント印刷)などにより、その受像層の所定領域にカード使用者の顔写真等の諧調を有する画像を印刷する。溶融印刷ユニット55bは、文字リボン等の熱転写シートによる熱転写で、その氏名やカード発行日等の認証識別情報を印刷する。
透明保護層付与部56では、転写箔カセット(図示せず)が配置され、この転写箔カセットに対応して熱転写ヘッド(図示せず)が配置されている。そして、この透明保護層付与部56によって、カードC上に透明保護層が設けられる。
次に、カード収納装置20について説明する。
図2は、本実施形態のカード収納装置20の斜視図である。図3は、本実施形態のカード収納装置20を構成するユニットを分離した状態を示す斜視図である。
カード収納装置20は、カードマガジン10を収納するマガジンホルダ21と、カードプリンタ50に固定され、マガジンホルダ21が保持されて装着されるホルダ保持台22と、を有する。カードマガジン10は、複数のカードCを上下方向に積層して収納するカード包装容器である。マガジンホルダ21は、ホルダ保持台22に着脱自在に装着されるとともに、カードマガジン10を所定位置に保持した状態で収納する。ホルダ保持台22は、ホルダ保持台22に保持されたマガジンホルダ21がマガジンホルダ21の正面側下方端部に設けられた回動軸を中心として回動することができるように、つまり、ホルダ保持台22に保持されたマガジンホルダ21を正面側に傾けて倒すことができるように、構成されている。
図4は、本実施形態のカードマガジン10の背面側の斜視図である。
カードマガジン10は、マガジン本体10Bと、マガジン本体10Bの上方に設けられた第1開口10Aと、フラップ10C,10Dと、挿入孔10CA,10DAと、を有する。また、マガジン本体10Bは、背面側の側壁部に設けられ、マガジン本体10Bから容易に取り外すことが可能な部分又は部材である易開封性部100を有している。
カードマガジン10の材料は、特に限定されないが、樹脂製が好ましく、プラスチック製がより好ましい。特に、軽量且つ折り畳み可能な軟質のプラスチックで成形したカードマガジン10は、使用前及び使用後のカードマガジン10の保管スペース及び輸送コスト、並びに、廃棄コストを抑えることができる。
カードマガジン10は、上方に開口する第1開口10Aを設けられ、マガジンホルダ21に収納される前の状態において複数のカードCを第1開口10Aから上下方向に積層して収納可能となっている。図4に示すように、カードマガジン10は、上述の第1開口10Aを含むマガジン本体10Bと、第1開口10Aの周縁に折り曲げ自在に接続された折曲部としてのフラップ10D,10Cとを有している。
2つのフラップ10C,10Dは、第1開口10Aを挟んで対向する位置関係にある。図4に示す例では、一方のフラップ10Cは、カードマガジン10の蓋として機能するものとなっている。この場合、他方のフラップ10Dを第1開口10A側に折り込んだ後に蓋として機能するフラップ10Cを第1開口10A側に折り込むことで、第1開口10Aを閉鎖することが可能となる。また、図4に示すカードマガジン10においては、マガジン本体10Bに、第1開口10Aの周縁から下方に延びる易開封性部100が形成されている。
易開封性部100は、マガジン本体10Bから容易に取り外すことが可能な部分又は部材であって、取り外された際に、背面側に開口し且つ上下方向に延びる第1スリット100Aを形成するか又は開口させるように構成されている。本実施形態では、図4の破線L1で囲まれる部分が易開封性部100に対応しており、易開封性部100が取り外された際には、破線L1で囲まれた部分に対応する形状の第1スリット100Aが形成される。
後述の図7に示すマガジンホルダ21に収納された状態のカードマガジン10においては、易開封性部100が取り外されており、第1スリット100Aが形成されている。第1スリット100Aは、第1開口11Aから下方に長尺状に延びている。なお、易開封性部100は、マガジンホルダ21にカードマガジン10を収納する前に取り外しても良いが、カードマガジン10のマガジンホルダ21への装填容易性、及び、カードマガジン10内に収納されたカードCの落下防止性を考慮すると、マガジンホルダ21にカードマガジン10を収納した後に取り外す方が好ましい。
本実施形態における易開封性部100は、カードマガジン10上において破線L1の箇所に位置するミシン目によって区画される区域によって形成されている。ここで、カードマガジン10は、前述のとおり、好ましくは樹脂製、より好ましくはプラスチック製となっている。カードマガジン10がプラスチック製である場合、易開封性部100の取り外しの容易化を考慮すると、易開封性部100を規定するミシン目はマイクロミシン目であることが好ましく、具体的には、0.25mm以上0.35mm以下のスリット状の貫通部分と、0.15mm以上0.25mm以下の非貫通部分とが線状に交互に並ぶように形成されるミシン目であることが好ましい。
また、本実施形態では、易開封性部100の第1開口10A側とは反対の側の端部が、先細りの三角形状に形成されている。この場合、第1開口10A側から下方に易開封性部100を引っ張ることにより、下方の一方向のみに力をかけることで易開封性部100を取り外すことができるため、取り外し時の作業性を向上でき、またミシン目以外の部分が裂けるような開口不良も抑制することができる。なお、易開封性部100の端部の形状が半円形などであっても同様の効果が得られる。さらに、易開封性部100の第1開口10A側は開封後の角部で手を切らないようにR形状やテーパ形状にしても良く、ミシン目と第1開口10Aが交差する部分に、誘導するための切込みを入れておいても良い。
なお、本発明の易開封性部100は、ミシン目によって区画される領域によって形成されるものに限定されず、第1スリット100Aを閉じるようにカードマガジン10に粘着されるテープ等であってもよい。ただし、ミシン目は部材を増加させることなく形成できることから、本発明の易開封性部100は、ミシン目によって区画される領域によって形成されるものが好ましい。
図4に示すように、マガジン本体10Bは第1開口10Aを上方に向けた状態で有底筒状をなす。このような第1開口10Aが上方に向く状態を基準として、本実施形態では、マガジン本体10Bにおいて第1開口10Aに対向して位置する床部を底床部10Eと呼び、底床部10Eから立ち上がり、その先端に第1開口10Aを含む壁部を側壁部と呼ぶものとする。また、正面側の側壁部、背面側の側壁部、左側面側の側壁部及び右側面側の側壁部を、それぞれ、正面側壁部、背面側壁部、左側壁部及び右側壁部と呼ぶものとする。以下においては、本実施形態におけるカードマガジン10の構成について更に詳述する。
カードマガジン10の側壁部は横断面視で長方形状に形成され、側壁部の先端部分が形成する第1開口10Aの周縁は、一対の長辺部と、一対の長辺部の両端部を連結する一対の短辺部とで構成される。カードCも長方形状であり、カードマガジン10内に収納される際には、その長手方向をマガジン本体10Bにおける側壁部の長手方向に沿わせた状態で収納される。
本実施形態では、第1開口10Aの周縁の一対の短辺部のうちの一方に、易開封性部100が設けられている。また、一対の長辺部のうちの一方に、フラップ10Cが接続され、他方に、フラップ10Dが接続されている。つまり、本実施形態のカードマガジン21は、左側壁部の上端部に接続されたフラップ10Dと、右側壁部の上端部に接続されたフラップ10Cと、を有している。
また、本実施形態では、フラップ10Cのうちの第1開口10Aの周縁に近接した部分に挿入孔10CAが設けられるとともに、フラップ10Dのうちの第1開口10Aの周縁に近接した部分に挿入孔10DAが設けられている。挿入孔10CA,10DAの形状は特に限られるものではないが、本実施形態では、挿入孔10CA,10DAがそれぞれ、第1開口10Aの長辺部に沿って延びるスリット状に形成されている。これら挿入孔10CA,10DAには、後述の図7に示すように、マガジンホルダ21に設けられた後述の突起21C,21Dが挿入される。なお、カードマガジン10の落下時等における挿入孔10CA,10DAを起点した破損を抑制するために、挿入孔10CA,10DAの長手方向(つまり、Y方向)の長さは、20mm以下とすることが好ましく、マガジンホルダ21に設ける突起21C,21Dの形状の安全性や強度及び突起21C,21Dとのクリアランスを考慮すると、長手方向(つまり、Y方向)の長さは5mm以上とすることが好ましい。また挿入孔10CA,10DAの長手方向に直交する方向での長さは2mm以上4mm以下が好ましい。
図5は、本実施形態のマガジンホルダ21の正面側の斜視図である。図6は、本実施形態のマガジンホルダ21の背面側の斜視図である。図7は、本実施形態のカードマガジン10を収納するマガジンホルダ21の背面側の斜視図である。
マガジンホルダ21は、ホルダ本体21Bと、ホルダ本体21Bの上方に設けられた第2開口21Aと、背面側の側壁部に設けられた第2スリット210Aと、突起21C,21Dと、カードマガジン10のフラップ10C,10Dを保持するフラップ保持部211と、を有する。また、マガジンホルダ21は、ホルダ保持台22への装着のための構成である、回動軸部215及び固定軸部216を有する装着部21Gと、持手部218と、ガイド突起部217と、を有する。このホルダ保持台22への装着のための構成については後述する。
マガジンホルダ21は、その上方に開口した第2開口21Aが設けられており、第2開口21Aを通してカードマガジン10を収納することが可能となっている。マガジンホルダ21がカードマガジン10を収納した状態では、第2開口21Aが、上方に開口してカードマガジン10の第1開口10Aを外部に露出させるようになっている。また、マガジンホルダ21は、カードマガジン10を収納した状態で第1スリット100A又は易開封性部100に対向し、背面側に開口して且つ上下方向に延びる第2スリット210Aが設けられており、第2スリット210Aは第2開口21Aから下方に長尺状に延びている。
易開封性部100が取り外されていないカードマガジン10をマガジンホルダ21に収納した際に、本実施形態では、第2スリット210Aを通して易開封性部100を取り外すことが可能になっている。ここで、第2スリット210Aの上下方向の長さは、第1スリット100Aの上下方向の長さ以上でマガジン本体10Bの第1スリット100Aが設けられた面の上下方向の長さ以下になっており、第2スリット210Aの左右方向の長さは、第1スリット100Aの左右方向の長さ以上でマガジン本体10Bの第1スリット100Aが設けられた面の左右方向の長さ以下になっている。つまり、カードマガジン10がマガジンホルダ21に挿入されたとき、背面視において、第1スリット100Aが第2スリット210Aの内側の領域に含まれるようになっている。
なお、マガジン本体10Bの第1スリット100Aが設けられた面の長さとは、当該面と対面した状態で当該面を見た際に、上下方向における当該面の端部間の寸法であり、マガジン本体10Bの第1スリット100Aが設けられた面の左右方向の長さとは、左右方向における当該面の端部間の寸法である。
これにより、作業員は自身の手を第2スリット210Aに通して易開封性部100を容易に取り外すことができる。また、カードマガジン10をマガジンホルダ21に収納した後に易開封性部100を取り外すことから、カードマガジン10内のカードCに汚れや傷がつくことを効果的に抑制できる。
マガジンホルダ21は、上述の第2開口21Aを含むホルダ本体21Bと、第2開口21Aの周縁から突出し、カードマガジン10がマガジンホルダ21に収納された際にカードマガジン10の挿入孔10CA,10DAに挿入される上述した一対の突起21C,21Dと、を有している。
マガジンホルダ21もカードマガジン10を収納する前の状態において第2開口21Aを上方に向けた状態で使用され得る。この際、マガジンホルダ21のホルダ本体21Bも有底筒状をなす。したがって、マガジンホルダ21に関しても第2開口21Aが上方に向く状態を基準として、ホルダ本体21Bにおいて第2開口21Aに対向して位置する床部を底床部と呼び、底床部から立ち上がり、その先端に第2開口21Aを有する壁部を側壁部と呼ぶものとする。また、正面側の側壁部、背面側の側壁部、左側面側の側壁部及び右側面側の側壁部を、それぞれ、正面側壁部、背面側壁部、左側壁部及び右側壁部と呼ぶものとする。
マガジンホルダ21の側壁部は、横断面視でカードマガジン10の側壁部より一回り大きい長方形状に形成され、側壁部の先端部分が形成する第2開口21Aの周縁も、一対の長辺部と、一対の長辺部の両端部を連結する一対の短辺部とで構成される。ここで、本実施形態では、第1スリット100A又は易開封性部100が第2スリット210Aに対向する状態でカードマガジン10がマガジンホルダ21に収納される状態が正規の収納向きとなる。しかし、マガジンホルダ21に対しては、正規の向きとは反対の向きでもカードマガジン10を収納することができ、その結果、本実施形態では誤装填の問題が生じ得る。
そこで、本実施形態では、図5から図7に示すように、上述した一対の突起21C,21Dが、第2開口21Aの中心C2から外れた位置を挟んで対向するように設けられている。すなわち、本実施形態では、一対の突起21C,21Dのうちの一方が第2開口21Aの周縁における一対の長辺部のうちの一方に設けられ、一対の突起21C,21Dのうちの他方が一対の長辺部のうちの他方に設けられる。図示された例では、マガジンホルダ21の左側壁部及び右側壁部の上端部に突起21C,21Dが設けられている。そして各突起21C,21Dは、対応する長辺部の中点から同じ側に偏倚した位置(図示された例では、背面側方向に偏倚した位置)に設けられている。そしてカードマガジン10における一対の挿入孔10CA,10DAは、カードマガジン10がマガジンホルダ21に正規の収納向きで収納された際に、一対の突起21C,21Dが挿入可能となる位置に設けられている。
以上のような突起21C,21Dの構成により、本実施形態では誤装填の問題が抑制され得るとともに、突起21C,21Dを挿入孔10CA,10DAに挿入することにより、カードマガジン10をマガジンホルダ21において安定的に保持できる。これにより、マガジンホルダ21内のカードマガジン10のずれが抑制されるため、後述するカード移送機構30やカード移送機構30で移送中のカードCがカードマガジン10に接触することを抑制できる。
また、本実施形態におけるマガジンホルダ21のホルダ本体21Bは、カードマガジン10をマガジンホルダ21に収納した状態でフラップ10D,10Cが折り曲げられて第1開口10Aを開口させた際に、フラップ10D,10Cが第1開口10Aを覆う位置まで移動しないようにフラップ10D,10Cを保持するフラップ保持部211を有する。
図5から図7に示すように、本実施形態におけるフラップ保持部211は、マガジンホルダ21のホルダ本体21Bの側壁部における突起21Cが設けられる側の外壁面と突起21Dが設けられる側の外壁面とに設けられている。フラップ保持部211は、下端部が外壁面に接続した面状の部材であり、対応する外壁面との間に、折り曲げられたフラップ10D,10Cの挿入空間を形成する。
本実施形態では、図7に示すように、フラップ保持部211によってフラップ10D,10Cが保持されることにより、後述するカード移送機構30やカード移送機構30で移送中のカードCがフラップ10D,10Cに接触することを抑制できる。また、本実施形態では、フラップ10D,10Cがマガジンホルダ21の外壁面に沿う状態で保持されるため、カードマガジン10の占有スペースを抑制できる。なお、フラップ保持部211は特に限られるものではなく、例えばゴムバンド等であってもよい。
続いて、本実施形態のカード移送機構30について説明する。
図8は、本実施形態のカード供給装置40を概略的に示す正面図である。図9A及び図9Bは、本実施形態のカード供給装置40を概略的に示す縦断面図であり、図8のA-A断面を示すものである。
カード移送機構30は、複数のカード収納装置20のうちの1つを選択し、そのカード収納装置20のマガジンホルダ21の外部から、後述のホルダ保持台22の第3スリット220A、第2スリット210A及び第1スリット100Aを通して、カードマガジン10の内部まで延び、カードCを保持しつつ上方に移動することにより、保持したカードCを第1開口10A及び第2開口21Aから取り出して、その後、カード搬送部53に移送する。
カード移送機構30は特に限られるものではないが、本実施形態におけるカード移送機構30は、一例として、カードマガジン10内の最上面のカードCを吸着によって保持する保持吸着部30Aと、保持吸着部30Aを上下方向及び横方向に移動させる移動ステージ30Bと、を有している。
図8、図9A及び図9Bに示すように、移動ステージ30Bは、板面が上下方向に平行となるようにカードプリンタ50のフレーム又は筐体等に固定されるベースプレート301と、ベースプレート301上に固定され、横方向に延びる横方向レール302と、横方向レール302に移動自在に支持され、上下方向に延びる上下方向レール303と、上下方向レール303に移動自在に支持されたスライダ304とを有している。本実施形態では、移動ステージ30Bがカードプリンタ50の一部に支持されることになるが、カードプリンタ50とは別の部分に支持されてもよい。
一方で、保持吸着部30Aは、スライダ304に支持されて且つ横方向レール302が延びる方向及び上下方向レール303が延びる方向の両方に直交する方向に延びるアーム305と、アーム305の先端部に固定されたサポート板306と、下方に吸着面を向けた状態でサポート板306に支持された吸着部307と、を有している。この構成により、吸着部307は、上下方向及び水平方向に移動可能となっている。吸着部307は、例えば、吸盤により構成される。
このようなカード移送機構30は、上下方向レール303を横方向レール302上で横方向に移動させることにより、図9Aに示すように、保持吸着部30Aのアーム305が第1スリット100A、第2スリット210A及び後述のホルダ保持台22の第3スリット220Aの上方に位置し、且つ、サポート板306及び吸着部307が、選択されたカード収納装置20のカードマガジン10の第1開口10Aの上方に位置する状態となるように、保持吸着部30Aを移動させる。その後、図9Bに示すように、スライダ304を上下方向レール303上で下方に移動させることにより、カードマガジン10内の最上面のカードCを吸着部307で保持できる。ここで、吸着部307によって吸着されるカードCの面は印刷を施されない面であるため、印刷不良の発生が抑制される。
その後、スライダ304を上下方向レール303上で上方に移動させることにより、保持吸着部30Aで保持したカードCを第1開口10A及び第2開口21Aから取り出すことができる。そして、図8に示すように、上下方向レール303を横方向レール302上で横方向に移動させることにより、保持吸着部30Aで保持したカードCをカード搬送部53に移送することができる。
このように、本実施形態のカード収納装置20及びカード移送機構30を有するカード供給装置40は、カード収納装置20の外部から後述のホルダ保持台22の第3スリット220A、マガジンホルダ21の第2スリット210A及びカードマガジン10の第1スリット100Aまで延び、カードマガジン10に収納されたカードCを保持しつつ上方に移動することにより、保持したカードCをカードマガジン10から取り出すことができる。そのため、カード移送機構30を上下方向に大型化することなく、カードCを適正にカードプリンタ50へ移送できる。したがって、カードプリンタ50に対しカードCを容易にセットでき、且つ、大型化を抑制しながらカードCをカードプリンタ50に供給することが可能となる。
また、図9A及び図9Bに示される符号31は、光学センサを示している。光学センサ31は保持吸着部30Aに配置されており、受光するカードCの表面からの光と、カードCが無くなった場合に受光する光との相違から、カードCの有無を検出する。本実施形態では、カードマガジン10の内部にカードCとは異なる態様で光を乱反射又は吸収する底材15が設けられ、底材15の表面反射率はカードCの表面反射率と異なっている。底材15上にカードCが積層されている。光学センサ31は、本例では赤外線センサであるが、特に限られるものではない。この底材15により、光学センサ31によってカードCの有無を検出する際の検出精度を向上させることができる。
底材15は、赤外線吸収剤を有するものとすることによりカードCとは異なる態様で光を吸収するようになっていてもよいし、表面粗さをカードCよりも大きくすることによりカードCとは異なる態様で光を乱反射させるようになっていてもよい。また、本実施形態では、カードCの印刷を施される面が下を、すなわち底材15側を向くが、底材15があることでカードマガジン10の底床部とカードCとの接触による傷の発生を抑制できる。プラスチック製のカードマガジン10は一般に、4つのフラップを折り込んで底床部が形成されるが、この場合、凹凸が生じる。このような凹凸とカードCとの接触が底材15によって回避されるため、カードCに傷が発生することを抑制できる。
次に、本実施形態のホルダ保持台22及びホルダ保持台22へのマガジンホルダ21の装着について説明する。
図10は、本実施形態のホルダ保持台22の右側面図である。図11は、本実施形態のホルダ保持台22を概略的に示す上面図である。図12は、本実施形態のホルダ保持台22にマガジンホルダ21が装着された状態を示す右側面図である。図13は、本実施形態のホルダ保持台22にマガジンホルダ21が装着された状態を示す背面図である。図14は、本実施形態のマガジンホルダ21がホルダ保持台22に装着されている状態を概略的に示す底面図である。なお、図11を含む以下の図面においては、マガジンホルダ21のフラップ保持部211の記載が省略されている。
ホルダ保持台22は、マガジンホルダ21が、載置されることにより、保持されて装着されるホルダ保持部22Gと、正面側に傾けて倒されたマガジンホルダ21を、マガジンホルダ21が所定の角度で傾いている状態で、支持するホルダ支持部223と、を有する。また、マガジンホルダ21及びホルダ保持台22に、マガジンホルダ21の移動を規制するロック状態と、その規制が解除されたロック解除状態と、をとるロック機構が設けられている。
本実施形態のカード収納装置20では、マガジンホルダ21は、ホルダ保持台22に保持されたときに、正面側に傾けて倒すことができるように構成されている。そのため、マガジンホルダ21の装着部21Gは、マガジンホルダ21がホルダ保持台22に保持されたときに、マガジンホルダ21を、その正面側下方端部に設けられた回動軸を中心として回動させることにより、正面側に傾けて倒すことができるように構成されている。そして、ホルダ保持部22Gは、保持されたマガジンホルダ21を、マガジンホルダ21の正面側下方端部に設けられた回動軸を中心として回動させることによって、正面側に傾けて倒すことができるように構成されている。
図示された例では、マガジンホルダ21の装着部21Gは、回動軸部215と、固定軸部216と、を有している。そして、ホルダ保持台22のホルダ保持部22Gは、マガジンホルダ21の回動軸部215を受ける回動軸受部221と、マガジンホルダ21の固定軸部216を受ける固定軸受部222と、を有している。
マガジンホルダ21の回動軸部215は、マガジンホルダ21の底床部の正面側の下方に設けられた、左右方向に延びる柱状の部材である。ホルダ保持台22の回動軸受部221は、ホルダ保持台22に保持されたマガジンホルダ21の回動軸部215の両端部のそれぞれの近傍(より具体的には、端部からわずかに中央側に寄った位置)の下方に位置する箇所に設けられている。回動軸受部221は、YZ平面に平行な壁状の部材であって、上端部に半円状の凹部を有する。この半円状の凹部は、マガジンホルダ21の回動軸部215の半径よりもわずかに大きな曲率半径を有している。そして、マガジンホルダ21がホルダ保持台22に保持されたとき、ホルダ保持台22の回動軸受部221は、その半円状の凹部とマガジンホルダ21の回動軸部215とが嵌合することにより、マガジンホルダ21の回動軸部215を受けることになる。
マガジンホルダ21の固定軸部216は、マガジンホルダ21の底床部の背面側の下方に設けられた、左右方向に延びる柱状の部材である。ホルダ保持台22の固定軸受部222は、ホルダ保持台22に保持されたマガジンホルダ21の固定軸部216の両端部のそれぞれの近傍(より具体的には、端部からわずかに中央側に寄った位置)の下方に位置する箇所に設けられている。固定軸受部222は、YZ平面に平行な壁状の部材であって、上端部に半円状の凹部を有する。この半円状の凹部は、マガジンホルダ21の固定軸部216の半径よりもわずかに大きな曲率半径を有している。そして、マガジンホルダ21がホルダ保持台22に保持されたとき、ホルダ保持台22の固定軸受部222は、その半円状の凹部とマガジンホルダ21の固定軸部216とが嵌合することにより、マガジンホルダ21の固定軸部216を受けることになる。
このように、本実施形態のホルダ保持部22Gは、回動軸部215の両端部付近の2か所及び固定軸部216の両端部付近の2か所の合計4か所で、マガジンホルダ21の装着部21Gを受けるので、保持されたマガジンホルダ21を安定的に保持することができる。さらに、マガジンホルダ21の回動軸部215とホルダ保持台22の回動軸受部221とを有する構成により、ホルダ保持台22に保持されたマガジンホルダ21は、持手部218を持って正面側に力を加えることにより、容易に、回動軸部215を中心として回動させること、つまり、正面側に傾けて倒すことができるようになっている。
また、本実施形態のホルダ保持台22は、ホルダ保持部22Gの左側、右側及び背面側(つまり、正面側以外の側)に設けられた側壁部22Fと、背面側の側壁部22Fに設けられた第3スリットと、左右の側壁部22Fに設けられたにガイド突起受部224と、を有する。
背面側の側壁部22Fに設けられた第3スリット220Aは、カード移送機構30のアーム305が、そのカード収納装置20の外部から、ホルダ保持台22の第3スリット220A、マガジンホルダ21の第2スリット210A及びカードマガジン10の第1スリット100Aを通して、カードマガジン10の内部まで延びるとともに、上下方向に移動できるようにするために設けられている。そのため、第3スリット220Aの上下方向の長さは、第2スリットの上下方向の長さ以上になっており、第3スリット220Aの左右方向の長さは、第2スリット210Aの左右方向の長さ以上になっている。つまり、背面視において、第2スリット210Aが第3スリット220Aの内側の領域に含まれるようになっている。
左右の側壁部22Fに設けられたにガイド突起受部224は、マガジンホルダ21がその正面側下方端部に設けられた回動軸を中心として回動するときにガイド突起部217が描く円弧状の軌道と重なる溝として構成されている。このガイド突起受部224及びマガジンホルダ21のガイド突起部217により、保持されたマガジンホルダ21を正面側に傾けて倒すことと、マガジンホルダ21をホルダ保持台22へ保持することと、が容易にできるようになっている。
図15は、本実施形態のカード収納装置20のロック機構23を概略的に示す斜視図である。図15の上図はロック状態を示し、下図はロック解除状態を示している。
ロック機構23は、板状の基材部230と、基材部230の正面側端部に設けられたロック解除レバー233と、マガジンホルダ21の回動軸部215を係止する2つ第1フック部231と、マガジンホルダ21の固定軸部216を係止する2つの第2フック部232と、ホルダ保持台22本体と基材部230とをつなぎ、ロック機構23がロック状態をとるように基材部を付勢する付勢ばね234と、を有する。
待機状態においては、図15の上図に示すように、ロック機構23の基材部230が付勢ばね234によって正面側(つまり、-Y方向)に付勢されており、第1フック部231及び第2フック部232は、それぞれマガジンホルダ21の回動軸部215及び固定軸部216に嵌合することにより、回動軸部215及び固定軸部216を係止している状態となる。つまり、待機状態では、ロック機構23は、マガジンホルダ21の移動を規制するロック状態をとる。
待機状態からロック解除レバー233を背面側(つまり、Y方向)に押し込むと、図15の下図に示すように、ロック機構23の基材部230も背面側に移動し、第1フック部231及び第2フック部232は、それぞれマガジンホルダ21の回動軸部215及び固定軸部216から外れた位置に移動し、回動軸部215及び固定軸部216を係止していない状態となる。つまり、ロック解除レバー233を背面側に押し込んでいる状態では、ロック機構23は、マガジンホルダ21の移動の規制が解除されたロック解除状態をとる。そして、ロック解除レバー233から手を離すと、ロック機構23の基材部230が付勢ばね234によって正面側(つまり、-Y方向)に移動し、待機状態に戻ることになる。
また、ロック機構23の第1フック部231及び第2フック部232は、その上部に正面側から背面側に向かって上昇する傾斜部231a,232aを有している。この傾斜部231a,232aは、ロック機構23の待機状態においてマガジンホルダ21がホルダ保持台22に保持されるときに、第1フック部231の傾斜部231aにマガジンホルダ21の回動軸部215が接触し、第2フック部232の傾斜部232aにマガジンホルダ21の固定軸部216が接触するように設けられている。
これにより、ロック機構23の待機状態においてマガジンホルダ21がホルダ保持台22に保持されるときに、下方に移動する回動軸部215及び固定軸部216によって、正面側から背面側に向かって上昇する傾斜部231a,232aに下方向の力が働き、傾斜部231a,232aが設けられた第1フック部231及び第2フック部232は、背面側に移動することになる。第1フック部231及び第2フック部232に接触した回動軸部215及び固定軸部216が、さらに下方に移動して、第1フック部231及び第2フック部232が嵌合できる位置までくると、第1フック部231及び第2フック部232は、付勢ばね234の付勢によって、待機状態の位置に戻り、回動軸部215及び固定軸部216を係止している状態となる。つまり、ロック機構23は、マガジンホルダ21がホルダ保持台22に保持されるときに自動的にロック状態となるように構成されている。
図16A及び図16Bは、本実施形態のカード収納装置20においてマガジンホルダ21を正面側に傾けて倒す動作を示す右側面図である。
ホルダ保持台22に保持されたマガジンホルダ21を正面側に傾けて倒すときは、まずは、図16Aに示すように、ロック解除レバー233を正面側に押し込んでロック機構23をロック解除状態とし、その状態で、マガジンホルダ21を、その回動軸部215を中心に回動させることにより、正面側にわずかに傾ける。次に、ロック解除レバー233の押し込みをやめて、ロック機構23をロック状態とする。
次に、図16Bに示すように、マガジンホルダ21を、その回動軸部215を中心に回動させることにより、マガジンホルダ21がホルダ保持台22のホルダ支持部223に接触するまで正面側に傾ける。
このとき、マガジンホルダ21の回動軸部215はロック機構23の第1フック部231により係止されていることから、マガジンホルダ21に余計な上方への力が加えられた場合であっても、回動軸部215がホルダ保持台22の回動軸受部221から外れることが防止される。
ホルダ保持台22のホルダ支持部223は、傾けて倒されたマガジンホルダ21を、マガジンホルダ21が所定の角度で傾いている状態で、安定的に支持する。本実施形態のホルダ支持部223は、正面側から背面側に向かって下降するように傾けて配置された板状の部材であり、マガジンホルダ21が接触する面にポリテトラフルオロエチレンのテープなどにより構成された低摩擦部を有している。なお、ホルダ支持部223は、板状の部材に限定されず、例えば棒状の部材を平行に並べた部材などであってもよい。
ホルダ支持部223に支持されているマガジンホルダ21の傾きの所定の角度は、マガジンホルダ21が安定的に支持されるとともに、後述のカードマガジン10のマガジンホルダ21への挿入がしやすくなるように設定される。この観点から、ホルダ支持部223に支持されているマガジンホルダ21の傾きの所定の角度は、側面視での垂直方向からの角度(つまり、X方向からの観察におけるZ方向からの角度)が、30度以上、40度以下となるように設定されることが好ましい。
図17は、本実施形態のカード収納装置20にカードマガジン10を装着する態様を示す右側面図である。
カード収納装置20にカードマガジン10を装着するときは、まずは、前述のとおり、ホルダ保持台22に保持されたマガジンホルダ21を傾けて倒し、ホルダ保持台22のホルダ支持部223に支持させる。
次に、カードCを積層して収納したカードマガジン10を準備し、第1開口10Aが開口するようにフラップ10D,10Cを開いた状態で、そのカードマガジン10を、斜め上方から、マガジンホルダ21の第2開口21Aを通してマガジンホルダ21内に挿入して収納する。ここで、前述のとおり、マガジンホルダ21の突起21Cが、フラップ10Cに設けられた挿入孔10CAに挿入され、マガジンホルダ21の突起21Dが、フラップ10Dに設けられた挿入孔10DAに挿入される。また、前述のとおり、フラップ10D,10Cは、マガジンホルダ21のフラップ保持部211に保持される。
次に、マガジンホルダ21の第2スリット210Aを通してカードマガジン10の易開封性部100が把持され、易開封性部100が取り外される。これにより、図7に示すように、マガジン10に第1スリット100Aが形成される。
次に、マガジンホルダ21を、背面側に押し込むことによって、傾けて、再び、マガジンホルダ21をホルダ保持台22に保持させことで、カード収納装置20へのカードマガジン10の装着が完了する。このとき、前述のとおり、カード収納装置20のロック機構23は、自動的にロック状態となる。
また、カード収納装置20からカードマガジン10を取り外すときは、まずは、前述のとおり、ホルダ保持台22に保持されたマガジンホルダ21を傾けて倒し、ホルダ保持台22のホルダ支持部223に支持させる。そして、その状態で、マガジンホルダ21からカードマガジン10を斜め上方に引き抜くことにより、カード収納装置20からカードマガジン10を取り外す。このとき、カードマガジン10は、その第1スリット100Aが上方を向いた状態で、斜め上方に引き出されることになる。そのため、カードマガジン10内にカードCが残っている場合であっても、カードマガジン10のたわみなどの変形により第1スリット100AからカードCが抜け出して散らばってしまうことを防止することができる。
このように、本実施形態のカード収納装置20は、マガジンホルダ21に容易にアクセスでき、且つ、マガジンホルダ21をガイドとして、カードマガジン10を容易で安全確実に着脱できるようになっている。また、本実施形態のカード収納装置20は、カードマガジン10をマガジンホルダ21に収納した後、マガジンホルダ21を背面側に押し込むだけで自動的にロックがかかり、マガジンホルダ21がホルダ保持台22に確実に固定されるようになっている。さらに、本実施形態のカード収納装置20は、カードマガジン10をマガジンホルダ21に斜め上方から挿入することにより取り付けるものであり、従来のカードプリンタのカード収納装置において必要であった反転の作業を行うことなく、カードマガジン10をカード収納装置20に装着できる。
図18A及び図18Bは、本実施形態のカード収納装置20からマガジンホルダ21を取り外す態様を示す右断面図である。
カード収納装置20からマガジンホルダ21を取り外すときは、まずは、前述のとおり、ホルダ保持台22に保持されたマガジンホルダ21を傾けて倒し、ホルダ保持台22のホルダ支持部223に支持させる。
次に、図16Aに示すように、ロック解除レバー233を正面側に押し込んでロック機構23をロック解除状態とし、その状態で、マガジンホルダ21を、ホルダ保持台22のホルダ支持部223に沿って斜め上方にわずかに移動させる。次に、ロック解除レバー233の押し込みをやめて、ロック機構23をロック状態とする。
そして、図18Bに示すように、マガジンホルダ21を、ホルダ保持台22のホルダ支持部223に沿って斜め上方に滑らせて移動させることにより、カード収納装置20からマガジンホルダ21を取り外す。このとき、前述のとおり、ホルダ保持台22のホルダ支持部223は低摩擦部を有していることから、マガジンホルダ21を滑りよく取り外すことができるとともに、マガジンホルダ21がホルダ支持部223との摩擦により傷つくことも防止される。
このように、本実施形態のカード収納装置20は、マガジンホルダ21を容易に取り外すことができ、メンテナンスなどの作業性向上に寄与するものとなっている。
図19A及び図19Bは、本実施形態のカード収納装置20のより詳細な構成を示す右側面図である。
本実施形態のカード収納装置20のホルダ保持台22は、さらに、ホルダ保持台22にマガジンホルダ21が保持されているか否かを検知するホルダ保持状態検知部225と、ホルダ保持台22にマガジンホルダ21が適切に保持されているか否かを示す情報を表示するホルダ保持状態表示部226と、ホルダ保持台22の左右の側壁部に配置され、ホルダ保持台22に保持されたマガジンホルダ21のガイド突起部217を、上方から下方へ力を作用させて、抑えるガイド突起抑え部227と、を有している。
ホルダ保持状態検知部225は、図示された例では、受光部と発光部とを有し、受光部と発光部との間の障害物の存在を検知する光学センサにより構成されている。この光学センサは、図19Aに示すように、受光部と発光部とを結ぶ直線が、ホルダ保持台22に保持されたマガジンホルダ21の底床部と背面側壁部との接続部付近において、マガジンホルダ21と交差するように配置されている。これにより、図19Bに示すように、マガジンホルダ21が正面側に傾いたとき、光学センサの受光部と発光部とを結ぶ直線がマガジンホルダ21と交差しない状態となり、光学センサは、マガジンホルダ21が適切な保持状態から外れていることを検知することができる。
ホルダ保持状態表示部226は、図示された例では、LEDなどの発光素子により構成されている。そして、この発光素子により構成されたホルダ保持状態表示部226は、例えば、ホルダ保持台22にマガジンホルダ21が適切に保持されている場合に発光状態をとり、ホルダ保持台22にマガジンホルダ21が適切に保持されていない場合に非発光状態をとるようなものとすることが考えられる。
ガイド突起抑え部227は、正面側から背面側に向かう方向に長辺を有する長尺状の部材であり、その中央部付近に配置された回動軸227aを中心に回動することができるようになっている。ガイド突起抑え部227は、その回動軸227aよりも正面側の下部に、マガジンホルダ21のガイド突起部217に上方から嵌合することのできる円弧状の凹部227bを有している。また、ガイド突起抑え部227は、その回動軸227aよりも背面側の箇所に、付勢ばね227cの一端が固定されている。この付勢ばね227cの他端は、ホルダ保持台22の側壁部のガイド突起抑え部227よりも上方にある箇所に固定されている。この付勢ばね227cにより、ガイド突起抑え部227の回動軸227aよりも背面側は上方に付勢され、ガイド突起抑え部227の回動軸227aよりも正面側は下方に付勢されている。
これにより、マガジンホルダ21がホルダ保持台22に保持された状態において、ガイド突起抑え部227は、マガジンホルダ21のガイド突起部217を、上方から下方へ力を作用させて、抑えるようになっている。また、ガイド突起抑え部227の円弧状の凹部227bの円弧の中心よりも正面側の部分は、背面側から正面側に向かって下降する傾斜となっており、マガジンホルダ21を正面側に傾けたときに、その部分に当接したガイド突起部217から上方へ作用する力を受けて、ガイド突起抑え部227の回動軸227aよりも正面側が上方に移動することになる。このとき、その反作用により、マガジンホルダ21のガイド突起部217にも、マガジンホルダ21を正面側に傾けることに対向する力が作用することになる。これにより、マガジンホルダ21を正面側に傾けるために、一定の強さを超える力が必要となり、マガジンホルダ21がより安定してホルダ保持台22に保持されるようになっている。
また、ガイド突起抑え部227の正面側の端部は、正面側から背面側に向かって下降する傾斜部227dとなっている。そのため、マガジンホルダ21をホルダ保持台22に保持するとき、その傾斜部227dがガイド突起抑え部227の傾斜部227dに当接したマガジンホルダ21のガイド突起部217から上方へ作用する力を受けて、ガイド突起抑え部227の回動軸227aよりも正面側は、上方に移動することになる。その後、マガジンホルダ21のガイド突起部217がガイド突起抑え部227の円弧状の凹部227bに嵌合することができる位置までくると、付勢ばね227cの付勢力によって、ガイド突起抑え部227の回動軸227aよりも正面側が下方に移動し、ガイド突起抑え部227の円弧状の凹部227bがマガジンホルダ21のガイド突起部217に嵌合した状態となる。
次に、本発明のカード収納装置20の変形例について説明する。
本実施形態のホルダ保持台22は、ホルダ保持部22Gの右側、左側及び背面側に設けられた側壁部22Fと、左右の側壁部22Fに設けられたにガイド突起受部224と、を有するものであるが、本発明のホルダ保持台22は、これらのすべて又は一部を有しないものであってもよい。ただし、マガジンホルダ21の安定的な支持などの観点から、本発明のホルダ保持台22は、これらのすべて又は一部を有するものが好ましい。なお、背面側の側壁部22Fを有しないものとした場合には、第3スリット220Aを設けることができないが、背面側が解放された状態となるので、第3スリット220Aは不要となる。
本実施形態のマガジンホルダ21の回動軸部215は、床底部の正面側端部の下方に設けられているが、本発明のマガジンホルダ21の回動軸部215は、これに限定されず、床底部の正面側端部の正面側方向に設けられていてもよい。ただし、水平方向の占有スペースなどの観点から、本発明のマガジンホルダ21の回動軸部215は、本実施形態のように、床底部の正面側端部の下方に設けられることが好ましい。
本実施形態のロック機構23は、2つの第1フック部231と2つの第2フック部232とを有するものであるが、本発明のロック機構23は、これに限定されず、1つ又は3つ以上の第1フック部231と、1つ又は3つ以上の第1フック部232と、を有するものであってもよい。
また、本発明のロック機構23は、マガジンホルダ21の回動軸部215を係止する第1フック部231を設けずに、フック部として、マガジンホルダ21の固定軸部216を係止する第2フック部232のみを有するものとしてもよい。つまり、本発明のロック機構23は、少なくとも、ホルダ保持台22に保持されたマガジンホルダ21の正面側下方端部に設けられた回動軸を中心とした回動を規制するものであればよい。
本実施形態のホルダ保持台22の回動軸受部221は、マガジンホルダ21の回動軸部215と嵌合する半円状の凹部を有し、マガジンホルダ21の回動軸部215を上方に移動させることができるように構成されているが、本発明のホルダ保持台22の回動軸受部221は、これに限定されず、マガジンホルダ21の回動軸部215が貫通する円状の孔部を有し、マガジンホルダ21の回動軸部215を上方に移動させることができないように構成されたものであってもよい。ただし、メンテナンスなどの作業性の観点から、本発明のホルダ保持台22の回動軸受部221は、本実施形態のように、マガジンホルダ21の回動軸部215と嵌合する半円状の凹部を有し、マガジンホルダ21の回動軸部215を上方に移動させることができるように構成されたものであることが好ましい。
本実施形態のカード収納装置20では、マガジンホルダ21に回動軸部215を有し、ホルダ保持台22に回動軸受部221を有しているが、本発明カード収納装置20は、そのようなものに限定されず、マガジンホルダ21が、その底床部の正面側下方端部に設けられた回動軸を中心として回動するものであればよい。例えば、ホルダ保持台22に回動軸部を有し、マガジンホルダ21に回動軸受部を有するものであってもよい。
本実施形態のマガジンホルダ21の装着部21Gは、回動軸部215及び固定軸部216を有するものであるが、本発明のマガジンホルダ21の装着部21Gは、これに限定されず、固定軸部216を設けずに、回動軸部215と、ホルダ保持台22のホルダ保持部22Gと接触する接触部と、ロック機構23の第2フック部232が嵌合する溝などからなるフック受部と、を有するものであってもよい。ただし、保持の安定性及び構成の簡易さなどの観点から、本発明のマガジンホルダ21の装着部21Gは、本実施形態のように、回動軸部215及び固定軸部216を有するものが好ましい。
本実施形態のカード供給装置40は、カード収納装置20の外部から第3スリット220A、第2スリット210A及び第1スリット100Aを通してカードマガジン10まで延びるアーム305と、アーム305の先端に設けられ、カードCを吸着する吸着部307を有し、吸着部307が上下方向及び水平方向に移動可能なカード移送機構30を有するものであるが、本発明のカード供給装置40は、そのようなものに限定されず、カード収納装置20の外部からカードCを吸着する吸着部307を有し、吸着部307が上下方向及び水平方向に移動可能なカード移送機構30を有するものであればよい。
以上に説明したとおり、本実施形態のカードプリンタによれば、カードプリンタ50に対しカードCを容易にセットでき、且つ、装置の大型化を抑制しながらカードCをカードプリンタ50に供給することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上述の実施の形態に限られるものではなく、各実施の形態においては種々の変更を加えることができる。