以下、本発明の一実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について、図面を参照しつつ説明する。
まず、本実施形態のカード供給装置40が組み込まれるカードプリンタ50について説明する。
図1は、本実施形態のカードプリンタ50を概略的に示す正面図である。
図1を含む以下の図中及び以下の説明において、理解を容易にするために、水平面内において互いに直交する2方向をX方向及びY方向とし、垂直方向、つまり、X方向及びY方向に直交する方向をZ方向とする。X方向は、図1の左右方向とし、右方向を+X方向、左方向を-X方向とする。Y方向は、図の1の紙面手前奥方向とし、手前から奥への方向を+Y方向とし、奥から手前への方向を-Y方向とする。Z方向は、図1の上下方向であり、上方向を+Z方向とし、下方向を-Z方向とする。また、以下の説明において、Z方向を垂直方向又は縦方向といい、XY面の面内方向を水平方向又は横方向ということもある。また、カードプリンタ50の図1における手前側を正面側といい、その反対である奥側を背面側とする。
このカードプリンタ50は、例えば、カード使用者の個人情報が書き込まれたICカードを作成することが可能な装置であるが、その他の種類のカードを作成するために使用されるものであってもよい。
図1に示すように、カードプリンタ50は、カード1を収納及び供給するカード供給装置40と、カードプリンタ50内においてカード1をベルトコンベアなどにより搬送するカード搬送部53と、カード1を反転させるカード反転装置54と、カード1に顔写真や文字情報などを印刷する情報印刷部55と、カード1に透明保護層を付与する透明保護層付与部56と、を有している。
カード供給装置40は、予め枚葉状にカットされた複数枚のカード1を収納するカード収納装置20と、カード収納装置20に収納されているカード1をカードプリンタ50のカード搬送部53まで移送するカード移送機構30と、を有している。図1に示す例では、カード供給装置40は、4つのカード収納装置20を有している。この4つのカード収納装置20は、それぞれ異なる種類のカードを収納している。
カード収納装置20に収納されているカードは、印刷が施される面(例えば、顔写真を記録する面)を下に向け、印刷が施されない面を上に向けて、積層されている。より詳しく説明すると、カード1は、支持体と受像層とからなり、支持体が上に向けられ、受像層が下に向けられた状態でカード1がストックされる。カード移送機構30は、カード1を、選択されたカード収納装置20から、所定のタイミングで1枚ずつ上方に取り出し、カードプリンタ50のカード搬送部53に自動供給する。
カード収納装置20から取り出されたカード1は、まず、カード移送機構30により、印刷を施されない面を上方に向けられた状態でカード搬送部53に置かれる。その後、カード1は、カード搬送部53によって反転装置54に送られ、カード反転装置54によって反転された後、情報印刷部55に供給される。本実施形態では、カード1が情報印刷部55内で上方から印刷を施されるため、上述したカード反転装置54が設けられる。
なお、カード1は、カード収納装置20において印刷を施される面を上に向けてストックされてもよく、この場合には、カード反転装置54は設けられなくてもよい。ただし、後述の印刷不良の発生を抑制するために、カード1は、カード収納装置20において印刷を施される面を下に向けてストックされていることが好ましい。
情報印刷部55は、昇華印刷ユニット55aと、溶融印刷ユニット55bと、を有している。昇華印刷ユニット55aは、カード1が移動されている間に、Y印刷(イエロー印刷)、M印刷(マゼンタ印刷)、C印刷(シアン印刷)及びOP印刷(オーバープリント印刷)などにより、その受像層の所定領域にカード使用者の顔写真等の諧調を有する画像を印刷する。溶融印刷ユニット55bは、文字リボン等の熱転写シートによる熱転写で、その氏名やカード発行日等の認証識別情報を印刷する。
透明保護層付与部56では、転写箔カセット(図示せず)が配置され、この転写箔カセットに対応して熱転写ヘッド(図示せず)が配置されている。そして、この透明保護層付与部56によって、カード1上に透明保護層が設けられる。
次に、カード収納装置20について説明する。
図1に示すように、カード収納装置20は、カードマガジン10を収納するマガジンホルダ21と、カードプリンタ50に固定され、マガジンホルダ21が載置されて装着されるホルダ載置台22と、を有する。カードマガジン10は、複数のカード1を上下方向に積層して収納するカード包装容器である。マガジンホルダ21は、ホルダ載置台22に着脱自在に装着されるとともに、カードマガジン10を所定位置に保持した状態で収納する。
図2は、本実施形態のカードマガジン10の背面側の斜視図である。
カードマガジン10は、上面視において矩形形状を有する有底筒状、つまり、四角筒状、のマガジン本体10Bと、マガジン本体10Bの上方に設けられた第1開口10Aと、フラップ10C,10Dと、挿入孔10CA,10DAと、を有する。また、マガジン本体10Bは、背面側の側壁部に設けられ、マガジン本体10Bから容易に取り外すことが可能な部分又は部材である易開封性部100を有している。
カードマガジン10の材料は、特に限定されないが、樹脂製が好ましく、プラスチック製がより好ましい。特に、軽量且つ折り畳み可能な軟質プラスチックで成形したカードマガジン10は、使用前及び使用後のカードマガジン10の保管スペース及び輸送コスト、並びに、廃棄コストを抑えることができる。本実施形態のマガジンホルダ21は、この軟質プラスチックで成形したカードマガジン10を収納するのに特に適したものとなっている。そのため、本発明のカードマガジン10は、軟質プラスチック製であることが好ましい。また、本実施形態のマガジンホルダ21は、繊維紙又は合成紙などの紙製のカードマガジンを収納するのにも適したものとなっている。
なお、本明細書において、軟質プラスチックとは、熱可塑性樹脂の中でも汎用プラスチック(一般的に耐熱温度100℃未満の材料)に分類されるものとする。
カードマガジン10は、上方に開口する第1開口10Aを設けられ、マガジンホルダ21に収納される前の状態において複数のカード1を第1開口10Aから上下方向に積層して収納可能となっている。図2に示すように、カードマガジン10は、上述の第1開口10Aを含むマガジン本体10Bと、第1開口10Aの周縁に折り曲げ自在に接続された折曲部としてのフラップ10C,10Dとを有している。
2つのフラップ10C,10Dは、第1開口10Aを挟んで対向する位置関係にある。図2に示す例では、一方のフラップ10Cは、カードマガジン10の蓋として機能するものとなっている。この場合、他方のフラップ10Dを第1開口10A側に折り込んだ後に蓋として機能するフラップ10Cを第1開口10A側に折り込むことで、第1開口10Aを閉鎖することが可能となる。また、図2に示すカードマガジン10においては、マガジン本体10Bに、第1開口10Aの周縁から下方に延びる易開封性部100が形成されている。
易開封性部100は、マガジン本体10Bから容易に取り外すことが可能な部分又は部材であって、取り外された際に、背面側に開口し且つ上下方向に延びる第1スリット100Aを形成するか又は開口させるように構成されている。本実施形態では、図2の破線L1で囲まれる部分が易開封性部100に対応しており、易開封性部100が取り外された際には、破線L1で囲まれた部分に対応する形状の第1スリット100Aが形成される。
後述の図5に示すマガジンホルダ21に収納された状態のカードマガジン10においては、易開封性部100が取り外されており、第1スリット100Aが形成されている。第1スリット100Aは、第1開口10Aから下方に長尺状に延びている。なお、易開封性部100は、マガジンホルダ21にカードマガジン10を収納する前に取り外しても良いが、カードマガジン10のマガジンホルダ21への装填容易性、及び、カードマガジン10内に収納されたカード1の落下防止性を考慮すると、マガジンホルダ21にカードマガジン10を収納した後に取り外す方が好ましい。
本実施形態における易開封性部100は、カードマガジン10上において破線L1の箇所に位置するミシン目によって区画される区域によって形成されている。ここで、カードマガジン10は、前述のとおり、好ましくは樹脂製、より好ましくはプラスチック製となっている。カードマガジン10がプラスチック製である場合、易開封性部100の取り外しの容易化を考慮すると、易開封性部100を規定するミシン目はマイクロミシン目であることが好ましく、具体的には、0.25mm以上0.35mm以下のスリット状の貫通部分と、0.15mm以上0.25mm以下の非貫通部分とが線状に交互に並ぶように形成されるミシン目であることが好ましい。
また、本実施形態では、易開封性部100の第1開口10A側とは反対の側の端部が、先細りの三角形状に形成されている。この場合、第1開口10A側から下方に易開封性部100を引っ張ることにより、下方の一方向のみに力をかけることで易開封性部100を取り外すことができるため、取り外し時の作業性を向上でき、またミシン目以外の部分が裂けるような開口不良も抑制することができる。なお、易開封性部100の端部の形状が半円形などであっても同様の効果が得られる。さらに、易開封性部100の第1開口10A側は開封後の角部で手を切らないようにR形状やテーパ形状にしても良く、ミシン目と第1開口10Aが交差する部分に、誘導するための切込みを入れておいても良い。
なお、本発明の易開封性部100は、ミシン目によって区画される領域によって形成されるものに限定されず、第1スリット100Aを閉じるようにカードマガジン10に粘着されるテープ等であってもよい。ただし、ミシン目は部材を増加させることなく形成できることから、本発明の易開封性部100は、ミシン目によって区画される領域によって形成されるものが好ましい。
図2に示すように、マガジン本体10Bは第1開口10Aを上方に向けた状態で有底筒状をなす。このような第1開口10Aが上方に向く状態を基準として、本実施形態では、マガジン本体10Bにおいて第1開口10Aに対向して位置する上面視において矩形形状の床部を底床部10Eと呼び、底床部10Eから立ち上がり、その先端に第1開口10Aを含む壁部を側壁部10Fと呼ぶものとする。また、正面側の側壁部10F、背面側の側壁部10F、左側面側の側壁部10F及び右側面側の側壁部10Fを、それぞれ、正面側壁部10FF、背面側壁部10FB、左側壁部10FL及び右側壁部10FRと呼ぶものとする。また、側壁部10Fを側壁体と呼び、その側壁体を構成する正面側壁部10FF、背面側壁部10FB、左側壁部10FL及び右側壁部10FRのそれぞれを側壁と呼ぶこともある。以下においては、本実施形態におけるカードマガジン10の構成について更に詳述する。
カードマガジン10の側壁部10Fは横断面視で長方形状に形成され、側壁部10Fの先端部分が形成する第1開口10Aの周縁は、一対の長辺部と、一対の長辺部の両端部を連結する一対の短辺部とで構成される。カード1も長方形状であり、カードマガジン10内に収納される際には、その長手方向をマガジン本体10Bにおける側壁部10Fの長手方向に沿わせた状態で収納される。
本実施形態では、第1開口10Aの周縁の一対の短辺部のうちの一方に、易開封性部100が設けられている。また、一対の長辺部のうちの一方に、フラップ10Cが接続され、他方に、フラップ10Dが接続されている。つまり、本実施形態のカードマガジン10は、左側壁部10FLの上端部に接続されたフラップ10Dと、右側壁部10FRの上端部に接続されたフラップ10Cと、を有している。
また、本実施形態では、フラップ10Cのうちの第1開口10Aの周縁に近接した部分に挿入孔10CAが設けられるとともに、フラップ10Dのうちの第1開口10Aの周縁に近接した部分に挿入孔10DAが設けられている。挿入孔10CA,10DAの形状は特に限られるものではないが、本実施形態では、挿入孔10CA,10DAがそれぞれ、第1開口10Aの長辺部に沿って延びるスリット状に形成されている。これら挿入孔10CA,10DAには、後述の図5に示すように、マガジンホルダ21に設けられた後述の突起21C,21Dが挿入される。なお、カードマガジン10の落下時等における挿入孔10CA,10DAを起点した破損を抑制するために、挿入孔10CA,10DAの長手方向(つまり、Y方向)の長さは、20mm以下とすることが好ましく、マガジンホルダ21に設ける突起21C,21Dの形状の安全性や強度及び突起21C,21Dとのクリアランスを考慮すると、長手方向(つまり、Y方向)の長さは5mm以上とすることが好ましい。また挿入孔10CA,10DAの長手方向に直交する方向での長さは2mm以上4mm以下が好ましい。
前述のとおり、本実施形態のカードマガジン10は、フラップ10C,10Dを有しているが、本発明のカードマガジン10は、フラップ10C,10Dを有していないものであってもよい。フラップ10C,10Dを有していないカードマガジン10は、挿入孔10CA,10DAも有していないものとなる。
図3は、本実施形態のマガジンホルダ21の正面側の斜視図である。図4は、本実施形態のマガジンホルダ21の背面側の斜視図である。図5は、本実施形態のカードマガジン10を収納するマガジンホルダ21の背面側の斜視図である。
マガジンホルダ21は、上面視において矩形形状を有する有底筒状、つまり、四角筒状、のホルダ本体21Bと、ホルダ本体21Bの上方に設けられた第2開口21Aと、背面側の側壁部に設けられた第2スリット210Aと、突起21C,21Dと、カードマガジン10のフラップ10C,10Dを保持するフラップ保持部80と、を有する。
マガジンホルダ21は、その上方に開口した第2開口21Aを設けられており、第2開口21Aを通してカードマガジン10を収納することが可能となっている。マガジンホルダ21がカードマガジン10を収納した状態では、第2開口21Aが、上方に開口してカードマガジン10の第1開口10Aを外部に露出させるようになっている。また、マガジンホルダ21は、カードマガジン10を収納した状態で第1スリット100A又は易開封性部100に対向し、背面側に開口して且つ上下方向に延びる第2スリット210Aが設けられており、第2スリット210Aは第2開口21Aから下方に長尺状に延びている。
易開封性部100が取り外されていないカードマガジン10をマガジンホルダ21に収納した際に、本実施形態では、第2スリット210Aを通して易開封性部100を取り外すことが可能になっている。ここで、第2スリット210Aの上下方向の長さは、第1スリット100Aの上下方向の長さ以上でマガジン本体10Bの第1スリット100Aが設けられた面の上下方向の長さ以下になっており、第2スリット210Aの左右方向の長さは、第1スリット100Aの左右方向の長さ以上でマガジン本体10Bの第1スリット100Aが設けられた面の左右方向の長さ以下になっている。つまり、カードマガジン10がマガジンホルダ21に挿入されたとき、背面視において、第1スリット100Aが第2スリット210Aの内側の領域に含まれるようになっている。
なお、マガジン本体10Bの第1スリット100Aが設けられた面の長さとは、当該面と対面した状態で当該面を見た際に、上下方向における当該面の端部間の寸法であり、マガジン本体10Bの第1スリット100Aが設けられた面の左右方向の長さとは、左右方向における当該面の端部間の寸法である。
これにより、作業員は、自身の手を第2スリット210Aに通して、易開封性部100を容易に取り外すことができる。また、カードマガジン10をマガジンホルダ21に収納した後に易開封性部100を取り外すことから、カードマガジン10内のカード1に汚れや傷がつくことを効果的に抑制できる。
マガジンホルダ21は、上述の第2開口21Aを含むホルダ本体21Bと、第2開口21Aの周縁から突出し、カードマガジン10がホルダ21に収納された際にカードマガジン10の挿入孔10CA,10DAに挿入される上述した一対の突起21C,21Dと、を有している。
マガジンホルダ21もカードマガジン10を収納する前の状態において第2開口21Aを上方に向けた状態で使用され得る。この際、マガジンホルダ21のホルダ本体21Bも有底筒状をなす。したがって、マガジンホルダ21に関しても第2開口21Aが上方に向く状態を基準として、ホルダ本体21Bにおいて第2開口21Aに対向して位置する上面視において矩形形状の床部を底床部21Eと呼び、底床部21Eから立ち上がり、その先端に第2開口21Aを有する壁部を側壁部21Fと呼ぶものとする。また、正面側の側壁部21F、背面側の側壁部21F、左側面側の側壁部21F及び右側面側の側壁部21Fを、それぞれ、正面側壁部21FF、背面側壁部21FB、左側壁部21FL及び右側壁部21FRと呼ぶものとする。また、側壁部10Fを側壁体と呼び、その側壁体を構成する正面側壁部10FF、背面側壁部10FB、左側壁部10FL及び右側壁部10FRのそれぞれを側壁と呼ぶこともある。
マガジンホルダ21の側壁部21Fは、横断面視でカードマガジン10の側壁部10Fより一回り大きい長方形状に形成され、側壁部21Fの先端部分が形成する第2開口21Aの周縁も、一対の長辺部と、一対の長辺部の両端部を連結する一対の短辺部とで構成される。ここで、本実施形態では、第1スリット100A又は易開封性部100が第2スリット210Aに対向する状態でカードマガジン10がマガジンホルダ21に収納される状態が正規の収納向きとなる。しかし、マガジンホルダ21に対しては、正規の向きとは反対の向きでもカードマガジン10を収納することができ、その結果、本実施形態では誤装填の問題が生じ得る。
そこで、本実施形態では、図3から図5に示すように、上述した一対の突起21C,21Dが、第2開口21Aの中心から外れた位置を挟んで対向するように設けられている。すなわち、本実施の形態では、一対の突起21C,21Dのうちの一方が第2開口21Aの周縁における一対の長辺部のうちの一方に設けられ、一対の突起21C,21Dのうちの他方が一対の長辺部のうちの他方に設けられる。図示された例では、マガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRの上端部に突起21C,21Dが設けられている。そして各突起21C,21Dは、対応する長辺部の中点から同じ側に偏倚した位置(図示された例では、背面側方向に偏倚した位置)に設けられている。そしてカードマガジン10における一対の挿入孔10CA,10DAは、カードマガジン10がマガジンホルダ21に正規の収納向きで収納された際に、一対の突起21C,21Dが挿入可能となる位置に設けられている。
以上のような突起21C,21Dの構成により、本実施形態では誤装填の問題が抑制され得るとともに、突起21C,21Dを挿入孔10CA,10DAに挿入することにより、カードマガジン10をマガジンホルダ21において安定的に保持できる。これにより、マガジンホルダ21内のカードマガジン10のずれが抑制されるため、後述するカード移送機構30やカード移送機構30で移送中のカード1がカードマガジン10に接触することを抑制できる。
また、本実施形態におけるマガジンホルダ21のホルダ本体21Bは、カードマガジン10をマガジンホルダ21に収納した状態でフラップ10C,10Dが折り曲げられて第1開口10Aを開口させた際に、フラップ10C,10Dが第1開口10Aを覆う位置まで移動しないように、フラップ10C,10Dを、マガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRの外壁面に沿う状態で、保持するフラップ保持部80を有する。
フラップ保持部80によってフラップ10C,10Dがマガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRの外壁面に沿う状態で保持されるため、カードマガジン10のフラップ10C,10Dと左側壁部10FL又は右側壁部10FRと接続部も直線状になるように保持されることになり、その結果、マガジンホルダ21に収納されたカードマガジン10の撓みが抑制される。さらに、フラップ保持部80によってフラップ10C,10Dが保持されることによって、後述するカード移送機構30やカード移送機構30で移送中のカードがフラップに接触することを抑制できる。さらに、フラップ保持部80によってフラップ10C,10Dが保持されることによって、カードマガジン10の占有スペースを抑制できる。
前述のとおり、本発明のカードマガジン10は、フラップ10C,10Dを有していないものであってもよい。フラップ10C,10Dを有していないカードマガジン10を収納するマガジンホルダ21は、突起21C,21D及びフラップ保持部80を有さずに、カードマガジン10の側壁部10Fの上端部とマガジンホルダ21の側壁部21Fの上端部とを重ね合わせた状態で挟持するマガジン挟持部90を有するものとすることが考えられる。このマガジン挟持部90により、マガジンホルダ21に収納されたカードマガジン10の撓みが抑制される。
フラップ保持部80は、カードマガジン10の一部を構成するフラップ10C,10Dをマガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRの外壁面に沿う状態で保持することにより、カードマガジン10を抑える。また、マガジン挟持部90は、カードマガジン10の側壁部10Fの上端部とマガジンホルダ21の側壁部21Fの上端部とを重ね合わせた状態で挟持することにより、カードマガジン10を抑える。このように、フラップ保持部80とマガジン挟持部90とは、ともに、カードマガジン10を抑えるものである。つまり、本発明のマガジンホルダ21は、マガジンホルダ21の側壁部21Fの上端部付近に、カードマガジンを抑えるマガジン抑え部80,90を有している。このマガジン抑え部80,90を構成するフラップ保持部80及びマガジン挟持部90の具体的構成については後述する。
また、マガジンホルダ21は、ホルダ本体21Bの下端部に、ホルダ載置台22に挿入される挿入部21Gを有する。本実施形態では、この挿入部21Gがホルダ載置台22に上方から着脱自在に取り付けられることで、マガジンホルダ21がカードプリンタ50に装着されるようになっている。
続いて、本実施形態のカード移送機構30について説明する。
図6は、本実施形態のカード供給装置40を概略的に示す正面図である。図7A及び図7Bは、本実施形態のカード供給装置40を概略的に示す縦断面図であり、図6のA-A断面を示すものである。
カード移送機構30は、複数のカード収納装置20のうちの1つを選択し、そのカード収納装置20のマガジンホルダ21の外部から第2スリット210A及び第1スリット100Aを通してカードマガジン10の内部まで延び、カード1を保持しつつ上方に移動することにより、保持したカード1を第1開口10A及び第2開口21Aから取り出して、その後、カード搬送部53に移送する。
カード移送機構30は特に限られるものではないが、本実施形態におけるカード移送機構30は、一例として、カードマガジン10内の最上面のカード1を吸着によって保持する保持吸着部30Aと、保持吸着部30Aを上下方向及び横方向に移動させる移動ステージ30Bと、を有している。
図6、図7A及び図7Bに示すように、移動ステージ30Bは、板面が上下方向に平行となるようにカードプリンタ50のフレーム又は筐体等に固定されるベースプレート301と、ベースプレート301上に固定され、横方向に延びる横方向レール302と、横方向レール302に移動自在に支持され、上下方向に延びる上下方向レール303と、上下方向レール303に移動自在に支持されたスライダ304とを有している。本実施形態では、移動ステージ30Bがカードプリンタ50の一部に支持されることになるが、カードプリンタ50とは別の部分に支持されてもよい。
一方で、保持吸着部30Aは、スライダ304に支持されて且つ横方向レール302が延びる方向及び上下方向レール303が延びる方向の両方に直交する方向に延びるアーム305と、アーム305の先端部に固定されたサポート板306と、下方に吸着面を向けた状態でサポート板306に支持された吸着部307と、を有している。この構成により、吸着部307は、上下方向及び水平方向に移動可能となっている。吸着部307は、例えば、吸盤により構成される。
このようなカード移送機構30は、上下方向レール303を横方向レール302上で横方向に移動させることにより、図7Aに示すように、保持吸着部30Aのアーム305が第1スリット100A及び第2スリット210Aの上方に位置し、且つ、サポート板306及び吸着部307が、選択されたカード収納装置20のカードマガジン10の第1開口10Aの上方に位置する状態となるように、保持吸着部30Aを移動させる。その後、図7Bに示すように、スライダ304を上下方向レール303上で下方に移動させることにより、カードマガジン10内の最上面のカード1を吸着部307で保持できる。ここで、吸着部307によって吸着されるカード1の面は印刷を施されない面であるため、印刷不良の発生が抑制される。
その後、スライダ304を上下方向レール303上で上方に移動させることにより、保持吸着部30Aで保持したカード1を第1開口10A及び第2開口21Aから取り出すことができる。そして、図6に示すように、上下方向レール303を横方向レール302上で横方向に移動させることにより、保持吸着部30Aで保持したカード1をカード搬送部53に移送することができる。
このように、本実施形態のカード供給装置40及びカード移送機構30を有するカード供給装置40は、カード収納装置20の外部からマガジンホルダ21の第2スリット210A及びカードマガジン10の第1スリット100Aまで延び、カードマガジン10に収納されたカード1を保持しつつ上方に移動することにより、保持したカード1をカードマガジン10から取り出すことができる。そのため、カード移送機構30を上下方向に大型化することなく、カード1を適正にカードプリンタ50へ移送できる。したがって、カードプリンタ50に対しカード1を容易にセットでき、且つ、大型化を抑制しながらカード1をカードプリンタ50に供給することが可能となる。
また、図7A及び図7Bに示される符号31は、光学センサを示している。光学センサ31は保持吸着部30Aに配置されており、受光するカード1の表面からの光と、カード1が無くなった場合に受光する光との相違から、カード1の有無を検出する。本実施形態では、カードマガジン10の内部にカード1とは異なる態様で光を乱反射又は吸収する底材15が設けられ、底材15の表面反射率はカード1の表面反射率と異なっている。底材15上にカード1が積層されている。光学センサ31は、本例では赤外線センサであるが、特に限られるものではない。この底材15により、光学センサ31によってカード1の有無を検出する際の検出精度を向上させることができる。
底材15は、赤外線吸収剤を有するものとすることによりカード1とは異なる態様で光を吸収するようになっていてもよいし、表面粗さをカード1よりも大きくすることによりカード1とは異なる態様で光を乱反射させるようになっていてもよい。また、本実施形態では、カード1の印刷を施される面が下を、すなわち底材15側を向くが、底材15があることでカードマガジン10の底床部10Eとカード1との接触による傷の発生を抑制できる。プラスチック製のカードマガジン10は一般に、4つのフラップを折り込んで底床部10Eが形成されるが、この場合、凹凸が生じる。このような凹凸とカード1との接触が底材15によって回避されるため、カード1に傷が発生することを抑制できる。
次に、本実施形態のマガジンホルダ21のフラップ保持部80について説明する。
図8A、図8B及び図8Cは、本実施形態のフラップ保持部80を有するマガジンホルダ21の斜視図である。図9は、本実施形態のフラップ保持部80を有するマガジンホルダ21の上面図であり、図8Cの状態を示すものである。
本実施形態のフラップ保持部80は、マガジンホルダ21の左側壁部21FL、右側壁部21FR及び正面側壁部21FFの上端部付近の外壁面を覆う状態となることのできる板状の回動保持枠81を有している。回動保持枠81は、上面視においてU字型の形状である。
より具体的には、回動保持枠81は、マガジンホルダ21の左側壁部21FLと対向できるように配置された左部材81Lと、左部材81Lの正面側端部(左部材81Lが左側壁部21FLと対向して配置された状態において観察した正面側端部をいう。以下同じ。)と接続し、マガジンホルダ21の正面側壁部21FFと対向できるように配置された正面部材81Fと、正面部材81Fの右端部と接続し、マガジンホルダ21の右側壁部21FRと対向できるように配置された右部材81Rと、を有している。正面部材81Fは、左部材81Lと右部材81Rとを連結する連結部材となっている。また、図示された例では、左部材81L、右部材81R及び正面部材81Fは一体的に形成されている。
回動保持枠81は、その両端部に、つまり、左部材81L及び右部材81Rの背面側端部に、左側壁部21FL及び右側壁部21FRのそれぞれの背面側端部からわずかに背面側に離れた位置に固定された回動軸部81aを有している。回動軸部81aは、図9に示すように、マガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRのそれぞれの背面側端部からわずかに背面側に離れた位置に回動軸部81aを固定できるように形成された回動軸固定部81bに固定されている。回動軸部81aは、背面側壁部21FBの外壁面に平行且つ水平方向方向(つまり、X方向)に延びる回動軸を有している。回動保持枠81は、この回動軸部81aを中心として回動することができるようになっている。
つまり、回動保持枠81は、図8Aに示す、マガジンホルダ21の背面側にある状態から、図8Bに示すように、回動軸部81aを中心として回動することにより、図8Cに示す、マガジンホルダ21の左側壁部21FL、右側壁部21FR及び正面側壁部21FFの上端部付近の外壁面を覆う状態となることができる。
また、回動保持枠81は、マガジンホルダ21の左側壁部21FL、右側壁部21FR及び正面側壁部21FFの上端部付近の外壁面を覆う状態において、マガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRの外壁面と、回動保持枠81のマガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRに対向する板面と、の間に空間81sが存在することになるように配置されている。この空間81sは、マガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRの外壁面に沿う状態に折り曲げられたカードマガジン10のフラップ10C,10Dの一部が収容される収容空間となる。
また、回動保持枠81は、その正面部材81Cに、マガジンホルダ21の左側壁部21FL、右側壁部21FR及び正面側壁部21FFの上端部付近の外壁面を覆う状態において、マガジンホルダ21の正面側壁部21FFに当接する突出部である当接突出部81cを有している。この当接突出部81cにより、回動保持枠81がマガジンホルダ21の左側壁部21FL、右側壁部21FR及び正面側壁部21FFの上端部付近の外壁面を覆う状態における回動保持枠81の配置がより安定的になる。図示された例では、当接突出部81cは、回動保持枠81を構成する板材を折り曲げることにより形成されている。
回動保持枠81の材料は、特に限定されないが、フラップ10C,10Dを安定的に保持するために、ある程度の重量を有することが好ましい。そのため、回動保持枠81の材料は、鋼又はステンレスなどの金属であることが好ましい。
マガジンホルダ21にカードマガジン10を装着するときは、まず、図8Aに示す状態のマガジンホルダ21にカードマガジン10を挿入する。次に、カードマガジン10のフラップ10C,10Dをマガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRの外壁面に沿う状態になるように折り曲げる。次に、図8B及び図8Cに示すように、マガジンホルダ21の回動保持枠81を回動させて、回動保持枠81を、マガジンホルダ21の左側壁部21FL、右側壁部21FR及び正面側壁部21FFの上端部付近の外壁面を覆う状態とする。このとき、マガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRの外壁面と、回動保持枠81のマガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRに対向する板面と、の間の空間81sに、カードマガジン10のフラップ10C,10Dの一部が収納される。これにより、カードマガジン10のフラップ10C,10Dがマガジンホルダ21の側壁部の外壁面に沿う状態で保持される。
図10A及び図10Bは、第1変形例のフラップ保持部80を有するマガジンホルダ21の斜視図である。図11は、第1変形例のフラップ保持部80を有するマガジンホルダ21の上面図であり、図10Bの状態を示すものである。
第1変形例のフラップ保持部80は、マガジンホルダ21の左側壁部21FLの上端部付近の外壁面を覆うことのできる板状の開閉保持板82Lと、マガジンホルダ21の右側壁部21FRの上端部付近の外壁面を覆う状態となることのできる板状の開閉保持板82Rと、を有している。開閉保持板82L,82Rは、図示された例では、板面から垂直な方向からの観察において矩形形状の板状部材である。
開閉保持板82L,82Rは、その一端に、左側壁部21FL又は右側壁部21FRの背面側端部付近に固定された開閉軸部82aを有している。開閉軸部82aは、垂直方向(つまり、Z方向)に延びる回動軸を有している。開閉保持板82L,82Rは、この開閉軸部82aの回動軸を中心として回動することができるようになっている。
つまり、開閉保持板82L,82Rは、図10Aに示す、マガジンホルダ21の背面側にある状態から、開閉軸部82aの回動軸を中心として回動することにより、図10Bに示す、マガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRの上端部付近の外壁面を覆う状態となることができる。
また、マガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRの正面側端部付近には、開閉保持板82L,82Rを吸着することのできる吸着突起部82bが設けられている。吸着突起部82bは、上下方向に長辺を有する長尺状の突起である。吸着突起部82bが開閉保持板82L,82Rを吸着する方法は、特に限定されないが、図示された例では磁石が用いられている。具体的には、開閉保持板82L,82Rが金属で形成され、吸着突起部82bは磁石を有している。
なお、吸着突起部82bは、マガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRの正面側端部付近に設けることに替えて、開閉保持板82L,82Rの開閉軸部82a側とは反対側の端部付近に設けて、その吸着突起部82bがマガジンホルダ21の側壁部21Fに吸着するようにしてもよい。
また、開閉保持板82L,82Rは、マガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRの上端部付近の外壁面を覆う状態において、マガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRの外壁面と、開閉保持板82L,82Rのマガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRに対向する板面と、の間に空間82sが存在することになるように配置されている。この空間は、マガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRの外壁面に沿う状態に折り曲げられたカードマガジン10のフラップ10C,10Dの一部が収容される収容空間となる。
また、開閉保持板82L,82Rは、開閉保持板82L,82Rの開閉軸部82a側とは反対側の端部付近を吸着突起部82bから離れる方向に折り曲げた折曲部82cを有している。この折曲部82cにより、開閉保持板82L,82Rの開閉の作業がしやすくなっている。
開閉保持板82L,82Rの材料は、特に限定されないが、フラップ10C,10Dを安定的に保持するために、ある程度の重量を有することが好ましい。また、吸着突起部82bの吸着の方法としては、磁石を用いることが簡易である。そのため、開閉保持板82L,82Rの材料は、全体又は一部が鋼であることが好ましい。
マガジンホルダ21にカードマガジン10を装着するときは、まず、図10Aに示す状態のマガジンホルダ21にカードマガジン10を挿入する。次に、カードマガジン10のフラップ10C,10Dをマガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRの外壁面に沿う状態になるように折り曲げる。次に、図10Bに示すように、マガジンホルダ21の開閉保持板82L,82Rを回動させて、マガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRの吸着突起部82bに吸着させ、開閉保持板82L,82Rを、マガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRの上端部付近の外壁面を覆う状態とする。このとき、マガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRの外壁面と、開閉保持板82L,82Rのマガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRに対向する板面と、の間の空間82sに、カードマガジン10のフラップ10C,10Dの一部が収納される。これにより、カードマガジン10のフラップ10C,10Dがマガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRの外壁面に沿う状態で保持される。
なお、第1変形例の開閉保持板82L,82Rは、マガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRの背面側端部付近に固定された回動軸部82aを有しているが、本発明の開閉保持板82L,82Rは、マガジンホルダの左側壁部21FL及び右側壁部21FRの正面側端部付近に固定された回動軸部82aを有していてもよい。
図12A及び図12Bは、第2変形例のフラップ保持部80を有するマガジンホルダ21の斜視図である。図13は、第2変形例のフラップ保持部80を有するマガジンホルダ21の上面図であり、図12Bの状態を示すものである。
第2変形例のフラップ保持部80は、マガジンホルダ21の左側壁部21FL、右側壁部21FR及び正面側壁部21FFの上端部付近の外壁面を覆う状態となることのできる板状のスライド保持枠83を有している。スライド保持枠83は、上面視においてU字型の形状である。
より具体的には、スライド保持枠83は、マガジンホルダ21の左側壁部21FLと対向して配置された左部材83Lと、左部材83Lの正面側端部と接続し、マガジンホルダ21の正面側壁部21FFと対向して配置された正面部材83Fと、正面部材83Fの右端部と接続し、マガジンホルダ21の右側壁部21FRと対向して配置された右部材83Rと、を有している。正面部材82Fは、左部材82Lと右部材82Rとを連結する連結部材となっている。また、図示された例では、左部材82L、右部材82R及び正面部材82Fは、一体的に形成されている。
スライド保持枠83は、左部材83L及び右部材83Rのそれぞれに、正面側から背面側の方向(つまり、Y方向)に長辺を有する長尺状の孔であるガイド孔部83aを有している。マガジンホルダ21の正面側壁部21FFの上端部付近の外壁面には、左右方向に長辺を有する長尺状のガイド突起部83bが配置されている。
ガイド突起部83bの左端部は、マガジンホルダ21の左側壁部21FLの外壁面よりも左側に突出している。同様に、ガイド突起部83bの右端部は、マガジンホルダ21の右側壁部21FRの外壁面よりも右側に突出している。そして、このガイド突起部83bのマガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRの外壁面よりも突出している部分が、それぞれ、スライド保持枠83の左部材83L及び右部材83Rのガイド孔部83aに挿入されることにより収容されている。
このガイド孔部83a及びガイド突起部83bにより、スライド保持枠83は、正面側から背面側の方向にスライドして移動することができるようになっている。また、ガイド突起部83bは、正面側から背面側の方向の長さがガイド孔部83aの上下方向の長さよりも大きく設定されている。これにより、スライド保持枠83がガイド突起部83bを軸として回動することが防止され、姿勢を保ったまま水平移動することができるようになっている。
つまり、スライド保持枠83は、図12Aに示す、マガジンホルダ21の左側壁部21FL又は右側壁部21FRの上端部付近の外壁面から退避している状態から、スライド保持枠83をスライドして移動させることにより、図12Bに示す、マガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRの上端部付近の外壁面を覆う状態となることができる。
また、スライド保持枠83は、マガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRの上端部付近の外壁面を覆う状態において、マガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRの外壁面と、スライド保持枠83の左部材83L及び右部材83Rのマガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRに対向する板面と、の間に空間82sが存在することになるように配置されている。この空間は、マガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRの外壁面に沿う状態に折り曲げられたカードマガジン10のフラップ10C,10Dの一部が収容される収容空間となる。
スライド保持枠83の材料は、特に限定されないが、フラップ10C,10Dを安定的に保持するために、ある程度の重量を有することが好ましい。そのため、開閉保持板82L,82Rの材料は、鋼又はステンレスなどの金属であることが好ましい。
マガジンホルダ21にカードマガジン10を装着するときは、まず、図12Aに示す状態のマガジンホルダ21にカードマガジン10を挿入する。次に、カードマガジン10のフラップ10C,10Dをマガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRの外壁面に沿う状態になるように折り曲げる。次に、図12Bに示すように、マガジンホルダ21のスライド保持枠を正面側から背面側に向かってスライドさせて、スライド保持枠83の左部材83L及び右部材83Rを、マガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRの上端部付近の外壁面を覆う状態とする。このとき、マガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRの外壁面と、スライド保持枠83の左部材83L及び右部材83Rのマガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRに対向する板面と、の間の空間82sに、カードマガジン10のフラップ10C,10Dの一部が収納される。これにより、カードマガジン10のフラップ10C,10Dがマガジンホルダ21の左側壁部21FL及び右側壁部21FRの外壁面に沿う状態で保持される。
なお、ガイド突起部83bは、マガジンホルダ21に着脱自在に固定されていてもよい。例えば、磁石を有するガイド突起部23bを用いて、ガイド突起部83bをマガジンホルダ21から着脱自在のものとすることが考えられる。このような構成では、マガジンホルダ21にカードマガジン10を装着するときに、マガジンホルダ21の外部からスライド保持枠83をマガジンホルダ21の上端部付近の外壁面にはめ込むことが可能となる。
図14A及び図14Bは、第3変形例のマガジン挟持部90を有するマガジンホルダ21の斜視図であり、カードマガジン10が収納された状態を示すものである。図15は、第3変形例のマガジン挟持部90を有するマガジンホルダ21の一部を示す縦断面図であり、図14BのB-B断面を示している。
第3変形例のマガジン挟持部90を有するマガジンホルダ21は、フラップ10C,10Dを有していないカードマガジン10を収納するものである。そのため、第3変形例のマガジンホルダ21は、左側壁部21FL及び右側壁部21FRの上端部に突起21C,21Dを有さずに、カードマガジン10の側壁部10Fの上端部とマガジンホルダ21の側壁部21Fの上端部とを重ね合わせた状態で挟持するマガジン挟持部90を有している。
第3変形例のマガジン挟持部90は、マガジンホルダ21の側壁部21Fの上端部を覆う状態となることのできる枠状の回動挟持枠91を有している。回動挟持枠91は、上面視において切取部を有する矩形形状であり、L字型の断面形状を有している。
より具体的には、回動挟持枠91は、背面側壁部21FBの上端部の第2スリット210Aの左側の領域と対向できるように配置された背面左部材91BLと、背面左部材91BLの左端部と接続し、左側壁部21FLの上端部と対向できるように配置された左部材91Lと、左部材91Lの正面側端部(左部材91Lが左側壁部21FLと対向して配置されたときの正面側端部をいう。以下同様。)と接続し、正面側壁部21FFの上端部と対向できるように配置された正面部材91Fと、正面部材91Fの右端部と接続し、右側壁部21FRの上端部と対向できるように配置された右部材91Rと、右部材91Rの背面側端部と接続し、マガジンホルダ21の背面側壁部21FBの上端部の第2スリット210Aの右側の領域と対向できるように配置された背面右部材91BRと、を有している。図示された例では、背面左部材91BL、左部材91L、正面部材91F、右部材91R及び背面右部材91BRは、一体的に形成されている。
回動挟持枠91は、背面左部材91BL及び背面右部材91BRに、それぞれ、背面側壁部21FBの上端部の第2スリット210Aの右側及び左側の領域に固定された回動軸部91aを有している。この回動軸部91aは、マガジンホルダ21の背面側壁部の壁面に平行且つ水平方向(つまり、X方向)に延びる回動軸を有しており、回動挟持枠91はその回動軸を中心として回動することができるようになっている。
つまり、回動挟持枠91は、図14Aに示す、マガジンホルダ21の背面側にある状態から、回動軸部91aを中心として回動することにより、図14Bに示す、マガジンホルダ21の側壁部21Fの上端部を覆う状態となることができる。
また、回動挟持枠91は、図14Aに示すように、外周壁部91bと、当接面部91cと、弾性壁部91dと、を有する。
外周壁部91bは、回動挟持枠91の外周壁を構成する壁部である。当接面部91cは、回動挟持枠91がマガジンホルダ21の側壁部21Fの上端部を覆う状態となったときに、マガジンホルダ21の側壁部21F又はカードマガジン10の側壁部10Fの上端部が当接する面部であり、外周壁部91bの内側に配置されている。この当接面部91cは、外周壁部91bと弾性壁部91dとの間に空間を有するようにするためのスペーサを兼ねている。
弾性壁部91dは、回動挟持枠91がマガジンホルダ21の側壁部21Fの上端部及びカードマガジン10の側壁部10Fの上端部を挟持するときに、弾性変形をすることができる壁部であり、回動挟持枠91の4つの角領域(つまり、背面左部材91BLと左部材91Lとの接続部、左部材91Lと正面部材91Fとの接続部、正面部材91Fと右部材91Rとの接続部、及び、右部材91Rと背面右部材91BRとの接続部)のそれぞれにおいて、当接面部91cを挟んで外周壁部91bの内壁面と対向して配置されている。
回動挟持枠91がマガジンホルダ21の側壁部21Fの上端部を覆う状態となったとき、図15に示すように、マガジンホルダ21の側壁部21F及びカードマガジン10の側壁部10Fの上端部は、回動挟持枠91の当接面部91cに当接するともに、回動挟持枠91の4つの角領域において、回動挟持枠91の外周壁部91bと弾性壁部91dとの間の空間に収容されることになる。このとき、マガジンホルダ21の側壁部21Fは、弾性壁部91dにより、カードマガジン10の側壁部10Fに抑えつけられることになる。このように、回動挟持枠91は、カードマガジン10の側壁部10F及びマガジンホルダ21の側壁部21Fの上端部を重ね合わせた状態で挟持する。
外周壁部91bと当接面部91cとは、図示された例では、一体的に形成されているが、別々の部材により構成されていてもよい。外周壁部91b及び当接面部91cの材料は、特に限定されないが、マガジンホルダ21の側壁部の上端部を安定的に保持するために、ある程度の重量を有することが好ましい。そのため、外周壁部91b及び当接面部91cの材料は、鋼又はステンレスなどの金属であることが好ましい。弾性壁部91dの材料は、特に限定されないが、例えば、ゴム又はシリコン樹脂などを挙げることができる。
マガジンホルダ21にカードマガジン10を装着するときは、まず、図14Aに示す状態のマガジンホルダ21にカードマガジン10を挿入する。次に、図14B及び図15に示すように、マガジンホルダ21の回動挟持枠91を回動させて、回動挟持枠91を、マガジンホルダ21の側壁部21Fの上端部を覆う状態とする。このとき、マガジンホルダ21の側壁部21F及びカードマガジン10の側壁部10Fの上端部は、回動挟持枠91の当接面部91cに当接するともに、回動挟持枠91の4つの角領域において、回動挟持枠91の外周壁部91bと弾性壁部91dとの間の空間に収容される。これにより、カードマガジン10の側壁部10Fの上端部は、マガジンホルダ21の側壁部21Fに抑えつけられて保持される。
なお、第3変形例の回動挟持枠91は、背面左部材91BL及び背面右部材91BRに、それぞれ、背面側壁部21FBの上端部の第2スリット210Aの右側及び左側の領域に固定された回動軸部91aを有しているが、本発明の回動挟持枠91は、正面部材91Fに正面側壁部21FFの上端部に固定された回動軸部を有していてもよい。ただし、回動挟持枠91の安定性の観点から、回動挟持枠91は、第3変形例のように、背面左部材91BL及び背面右部材91BRに、それぞれ、背面側壁部21FBの上端部の第2スリット210Aの右側及び左側の領域に固定された回動軸部91aを有していることが好ましい。
図16A及び図16Bは、第4変形例のマガジン挟持部90を有するマガジンホルダ21の斜視図であり、カードマガジン10が収納された状態を示すものである。図17は、第4変形例のマガジン挟持部90を有するマガジンホルダ21の一部を示す縦断面図であり、図16BのC-C断面を示している。
第4変形例のマガジン挟持部90を有するマガジンホルダ21も、第3変形例と同様、フラップ10C,10Dを有していないカードマガジン10を収納するものであり、左側壁部21FL及び右側壁部21FRの上端部に突起21C,21Dを有さずに、カードマガジン10の側壁部10Fの上端部とマガジンホルダ21の側壁部21Fの上端部とを重ね合わせた状態で挟持するマガジン挟持部90を有している。
第4変形例のマガジン挟持部90は、マガジンホルダ21の側壁部21Fの上端部を覆う状態となることのできる枠状の分離型挟持枠92を有している。分離型挟持枠92は、上面視において切取部を有する矩形形状であり、逆U字型の断面形状を有しており、マガジンホルダ21のホルダ本体21Bから分離した部材として構成されている。
より具体的には、分離型挟持枠92は、背面側壁部21FBの上端部の第2スリット210Aの左側の領域と対向できるように配置された背面左部材92BLと、背面左部材92BLの左端部と接続し、左側壁部21FLの上端部と対向できるように配置された左部材92Lと、左部材92Lの正面側端部(左部材92Lが左側壁部21FLと対向して配置されたときの正面側端部をいう。以下同様。)と接続し、正面側壁部21FFの上端部と対向できるように配置された正面部材92Fと、正面部材92Fの右端部と接続し、右側壁部21FRの上端部と対向できるように配置された右部材92Rと、右部材92Rの背面側端部と接続し、背面側壁部21FBの上端部の第2スリット210Aの右側の領域と対向できるように配置された背面右部材92BRと、を有している。図示された例では、背面左部材92BL、左部材92L、正面部材92F、右部材92R及び背面右部材92BRは、一体的に形成されている。
つまり、分離型挟持枠92は、図16Aに示す、マガジンホルダ21の上方にある状態から、下方へ移動することにより、図16Bに示す、マガジンホルダ21の側壁部21Fの上端部を覆う状態となることができる。
また、分離型挟持枠92は、図17に示すように、外周壁部92bと、当接面部92cと、対向壁部92dとを有している。外周壁部92bは、分離型挟持枠92の外周壁を構成する壁部である。当接面部92cは、分離型挟持枠92がマガジンホルダ21の側壁部21Fの上端部を覆う状態となったときに、マガジンホルダ21の側壁部21F又はカードマガジン10の側壁部10Fの上端部が当接する面部であり、外周壁部91bの内側に配置されている。対向壁部92dは、外周壁部91bの内壁面と対向するように配置された壁部である。当接面部92cは、外周壁部92bと対向壁部92dとの間に空間を有するようにするためのスペーサを兼ねている。
図示された例では、外周壁部92bと当接面部92cと対向壁部とは、一体的に形成されており、分離型挟持枠92がマガジンホルダ21の側壁部21Fの上端部及びカードマガジン10の側壁部10Fの上端部を挟持するときに、弾性変形をすることができるようになっている。
分離型挟持枠92がマガジンホルダ21の側壁部21Fの上端部を覆う状態となったとき、図17に示すように、マガジンホルダ21の側壁部21F及びカードマガジン10の側壁部10Fの上端部は、分離型挟持枠92の当接面部92cに当接するともに、分離型挟持枠92の外周壁部92bと対向壁部92dとの間の空間に収容されることになる。このとき、マガジンホルダ21の側壁部21Fは、対向壁部92dにより、カードマガジン10の側壁部10Fに抑えつけられることになる。このように、分離型挟持枠92は、カードマガジン10の側壁部10F及びマガジンホルダ21の側壁部21Fの上端部を重ね合わせた状態で挟持する。
また、分離型挟持枠92は、その対向壁部92dに内側に向かうにつれて上昇する傾斜部92eを有している。この傾斜部92eにより、カード移送機構30によって、カード1上方に移送されるとき、分離型挟持枠92へのカード1の引っかかりが抑制される。
外周壁部92b、当接面部92c及び対向壁部92dは、図示された例では、一体的に形成されているが、別々の部材により構成されていてもよい。外周壁部92b、当接面部92c及び対向壁部92dの材料は、特に限定されないが、マガジンホルダ21の側壁部10Fの上端部を安定的に保持するために、ある程度の弾性を有することが好ましい。外周壁部92b、当接面部92c及び対向壁部92dの材料として、例えば、ゴム又はシリコン樹脂などが考えられる。
マガジンホルダ21にカードマガジン10を装着するときは、まず、マガジンホルダ21にカードマガジン10を挿入する。次に、図16A、図16B及び図17に示すように、分離型挟持枠92をマガジンホルダ21の上方から下方に移動させて、分離型挟持枠92を、マガジンホルダ21の側壁部21Fの上端部を覆う状態とする。このとき、マガジンホルダ21の側壁部21F及びカードマガジン10の側壁部10Fの上端部は、分離型挟持枠92の当接面部92cに当接するともに、分離型挟持枠92の外周壁部92bと対向壁部92dとの間の空間に収容される。これにより、カードマガジン10の側壁部10Fの上端部は、マガジンホルダ21の側壁部21Fに抑えつけられて保持される。
以上に説明したとおり、本実施形態のカードプリンタによれば、カードプリンタ50に対しカード1を容易にセットでき、且つ、装置の大型化を抑制しながらカード1をカードプリンタ50に供給することが可能となる。また、本実施形態のマガジンホルダ21のマガジン抑え部によれば、マガジンホルダ21に収納されたカードマガジン10の撓みが抑制される。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上述の実施の形態に限られるものではなく、各実施の形態においては種々の変更を加えることができる。
本実施形態のカードマガジン10及びマガジンホルダ21の本体は、上面視において矩形形状を有するものであるが、本発明のカードマガジン10及びマガジンホルダ21は、これに限定されず、上面視において四角形形状を有するものであってもよい。