以下、本発明を具体化した一実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。図示された装置の構成は、その形態のみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
図1〜図4を参照し、本発明に係る印刷装置1の概略構成について説明する。なお、図4は、テープカセット80、リボンカセット90、及びチューブ9が、テープ装着部30、リボン装着部35、及びチューブ装着部40に夫々装着された状態を示す。以下の説明では、図1の左下方、右上方、左上方、右下方、上方、下方を、夫々、印刷装置1の前方、後方、左方、右方、上方、下方と定義する。
図1〜図3に示すように、印刷装置1は2つの印刷機構を備え、帯状の印刷媒体であるテープ8(図4参照)と、筒状の印刷媒体であるチューブ9(図4参照)との夫々に印刷可能な装置である。印刷装置1は、筐体10とカバー12を備える。筐体10は、左右方向に長い略直方体状の箱体である。筐体10は、複数の側面として、前後方向に対向する前面10A及び後面10Bと、左右方向に対向する左面10C及び右面10Dを有する。筐体10は、テープ印刷機構50(図4参照)、チューブ印刷機構60(図4参照)、制御基板18等を収容する。筐体10内の上部には、テープ装着部30、リボン装着部35及びチューブ装着部40が設けられ、夫々、筐体10の上面10Eに開口する。
カバー12は、筐体10の上側に配置された板状部材である。カバー12の後端部は、筐体10の後端部上側で、左右方向に延びる回転軸C(図2参照)を中心に回動可能に支持されている。カバー12は、前端部側を、回転軸Cの周方向A(図2参照)に沿って上下に回動し、筐体10の上面10Eの開口を開閉する。筐体10の前端部上側には、ロック機構13が設けられている。ロック機構13は、筐体10に対してカバー12が閉じられた場合に、カバー12の前端部を係止して開放を規制する。
カバー12が筐体10に対して閉じられている場合(図1参照)、カバー12は筐体10の上面10E(図2参照)を覆う。印刷装置1は、カバー12を開く場合、ロック機構13が操作されることによってカバー12の係止を解除し、カバー12をロック機構13から上側に回動させる。カバー12が筐体10に対して開かれている場合(図2参照)、筐体10の上面10Eは上方に露出する。
図3に示すように、カバー12の上面は、略平面に形成される。カバー12の上面には、2つの窓部12A,12Bが設けられる。カバー12が閉じられている場合、ユーザは、窓部12A,12Bを介し、テープカセット80及びリボンカセット90の装着状態を確認することができる。カバー12の上部には、装着部11が設けられる。装着部11には、後述するキーボード7が取り外し可能に装着される。装着部11は、一対の保持部3,4と規制部5を備える。
保持部3は、カバー12の上面で後側の端部に設けられ、カバー12の左右方向略全長に亘って上方へ向けて立設する壁状に形成される。保持部3の上面は、右側の端部3Aにおいてなだらかに傾斜し、カバー12上面に接続する。保持部3の上端には、前方に突出する鍔部3Bが形成される。鍔部3Bは、保持部3の左右方向略中央に設けられ、カバー12の左右方向の長さの1/3以上で1未満の長さを有する。本実施形態では、鍔部3Bの長さは、カバー12の左右方向の長さの3/4である。装着部11に主面7Aを上向きにしてキーボード7を装着したとき、鍔部3Bにはキーボード7後面下側の溝部77D(図9参照)が係合する。鍔部3Bの前面は、鍔部3Bの左右方向両端部においてなだらかに傾斜し、保持部3の前面に接続する。鍔部3Bの右端部寄りの位置には、前面が後方へ凹む形状に切り欠かれた切欠部3Cが形成されている。装着部11にキーボード7を装着したとき、切欠部3Cにはキーボード7の突起部78(図9参照)が係合し、キーボード7の装着部11からの外れを防止する。
保持部4は、カバー12の上面で前側の端部に、保持部3と一対の壁状に形成される。保持部4の右側の端部4Aは傾斜し、保持部4の上面をカバー12上面に接続する。保持部4の上端で左右方向略中央には、後方に突出し、鍔部3Bと対をなす鍔部4Bが形成される。鍔部4Bは、カバー12の左右方向の長さの1/3以上で1未満の長さを有する。本実施形態では、鍔部4Bの長さは、カバー12の左右方向の長さの3/4である。装着部11に主面7Aを上向きにしてキーボード7を装着したとき、鍔部4Bにはキーボード7前面下側の溝部77B(図9参照)が係合する。鍔部4Bの左右方向両端部は傾斜し、夫々、鍔部4Bの後面を保持部4の後面に接続する。鍔部4Bの右端部寄りの位置には、後面が前方へ凹む形状に切り欠かれた切欠部4Cが形成されている。装着部11にキーボード7を装着したとき、切欠部4Cにはキーボード7の突起部78(図9参照)が係合する。
規制部5は、カバー12の上面で左側の端部に設けられ、カバー12の前後方向略全長に亘って上方へ向けて立設する壁状に形成される。規制部5の前後方向両端部は、夫々、保持部3の左端部と保持部4の左端部に接続する。即ち、装着部11は、カバー12上面の四方の端部のうち、前方、後方及び左方の端部において連続し、カバー12上面を囲む形態に設けられる。保持部3,4及び規制部5の高さ(上下方向の長さ)は、全体に亘って略同じ高さである。
筐体10の側面には、テープ排出口14、チューブ挿入口15、チューブ排出口16(図2参照)、ユーザインターフェイス部17、及びハンドル2が設けられる。テープ排出口14は、テープ8を筐体10の外部に排出するための開口である。テープ排出口14は、前面10Aの右上部に設けられ、且つ上下方向に長い矩形状である。
チューブ挿入口15は、チューブ9を筐体10の内部に案内するための開口である。チューブ挿入口15は、右面10Dの後側上部に設けられ、且つ上下方向に若干長い矩形状である。チューブ排出口16は、チューブ9を筐体10の外部に排出するための開口である。チューブ排出口16は、左面10Cの後側上部に設けられ、且つ上下方向に若干長い矩形状である。チューブ排出口16は、チューブ挿入口15よりも若干前側にある。
ユーザインターフェイス部17は、表示部及び操作部を含む。本実施形態では、表示部は、印刷装置1の動作状態を示す複数のLEDである。操作部は、電源ボタン及びスタートボタンを含む複数の操作ボタンである。ユーザインターフェイス部17は、前面10Aにおけるテープ排出口14の右側に設けられる。
ハンドル2は、ユーザが印刷装置1を持ち運ぶときに把持する部材である。ハンドル2は、把持部21と一対の支持部25,26を備える。把持部21は左右方向に延び、筐体10の及びキーボード7の左右方向の長さよりも若干長い。把持部21は、ユーザが印刷装置1を持ち運ぶときに把持する部分である。支持部25は、一端部25Aが把持部21の右端部21Aに接続し、把持部21に直交する方向へ向けて延びる。支持部26は、一端部26Aが把持部21の左端部21Bに接続し、把持部21に直交する方向へ向けて、支持部25と平行に延びる。把持部21の右端部21Aと左端部21Bは、夫々、緩やかな曲線状に屈曲して支持部25,26に接続する。支持部25の他端部25Bは、右面10Dの上部で前後方向略中央の位置に取り付けられ、左右方向に延びる回動軸R(図1参照)を中心に回動可能に支持される。同様に、支持部26の他端部26B(図5参照)は、左面10Cの上部で前後方向略中央の位置に取り付けられ、支持部25と同軸の回動軸Rを中心に回動可能に支持される。即ち、ハンドル2は、左面10C及び右面10Dに架設され、支持部25,26の回動によって、把持部21を筐体10に対して上下に移動可能である。
筐体10とハンドル2の回動軸Rとの係合部には、回転禁止機構45(図5参照)が設けられる。把持部21は、回転禁止機構45によって、カバー12の装着部11よりも上方の第一位置P1と、装着部11よりも下方の第二位置P2との間で移動する。第一位置P1は、前後方向において筐体10の略中央に位置する。第二位置P2は、筐体10の前方且つ下方に位置する。把持部21は、筐体10の前方斜め上方の位置を経由して、第一位置P1と第二位置P2との間で移動する。なお、図1では、把持部21が第一位置P1に位置する場合のハンドル2の形態を一点鎖線で示し、把持部21が第二位置P2に位置する場合のハンドル2の形態を実線で示している。
図5に示すように、回転禁止機構45は、筐体10に設けられた禁止部材46と、支持部25,26の回動軸Rに夫々設けられた係止ピン25D,26Dとが協働し、支持部25,26の回動可能な範囲を制限する機構である。禁止部材46は、軸受部47、第一係止部48、第二係止部49を備える。軸受部47は、半円弧状の内周面を有する部位であり、回動軸Rの外周面に上方から係合する。第一係止部48は、軸受部47の前側で下方を向く面を有する部位である。第二係止部49は、軸受部47の後側で下方を向く面を有する部位である。係止ピン25D,26Dは、回動軸Rの外周面から径方向に突出する部位である。
把持部21が上方へ向けて移動する場合、支持部25,26は、係止ピン25D,26Dが第一係止部48に当接するまで回動することができる。係止ピン25D,26Dが第一係止部48に夫々当接する場合、把持部21は第一位置P1に位置する。把持部21が下方へ向けて移動する場合、支持部25,26は、係止ピン25D,26Dが第二係止部49に当接するまで回動することができる。係止ピン25D,26Dが第二係止部49に夫々当接する場合、把持部21は第二位置P2に位置する。このように、回転禁止機構45は、把持部21が第一位置P1よりも後方へ移動することを規制し、且つ、把持部21が第二位置P2よりも下方へ移動することを規制する。
図1〜図3、図5に示すように、支持部25,26は、一端部25A,26Aよりも他端部25B,26B寄りの位置に、夫々、屈曲部25C,26Cを有する。屈曲部25C,26Cは、把持部21が第一位置P1に位置する場合に、前後方向において第二位置P2側を山側にする向きに屈曲する。支持部25,26は、屈曲部25C,26Cにおいて、回動軸Rと把持部21とを結ぶ仮想直線上からずれた位置に膨らんで延びる。
図5に示すように、把持部21が第二位置P2に位置する場合、支持部25,26は、他端部25B,26Bから屈曲部25C,26Cへ向けて下方へ延び、屈曲部25C,26Cから一端部25A,26Aへ向けて、前斜め下方へ延びる。屈曲部25C,26Cと一端部25A,26Aとを結ぶ仮想直線L1が上下方向と直交する平面Sに対して傾斜する角度をθ1とする。他端部25B,26B(回動軸R)と一端部25A,26Aとを結ぶ仮想直線L2が平面Sに対して傾斜する角度をθ2とする。把持部21が第二位置P2に位置する場合、屈曲部25C,26Cは他端部25B,26Bよりも下方に位置するので、角度θ1は角度θ2よりも小さい。故に、支持部25,26は、屈曲部25C,26Cを有することによって、平面Sに対し、より緩やかな角度θ1で傾いて配置される。
把持部21が第一位置P1に位置する場合、他端部25B,26B(回動軸R)と一端部25A,26Aとを結ぶ仮想直線L3は、ほぼ上下方向に沿う。図1に示すように、支持部25,26の他端部25B,26Bは、前述したように、夫々、右面10D,左面10Cの上部で前後方向略中央の位置に取り付けられる。後述するが、キーボード7と筐体10とを接続するUSB(Universal Serial Bus)ケーブル79は、キーボード7を装着部11に装着した場合の前後方向略中央の位置から筐体10の右側に引き出される。故に、支持部25,26は、把持部21が第一位置P1に位置する場合、屈曲部25C,26Cを有することによって、キーボード7のUSBケーブル79との干渉を避けることができる。
また、上記したように、回転禁止機構45によって、把持部21が第一位置P1よりも後側に移動することが規制される。故に、支持部25,26の回動によって、ハンドル2がキーボード7のUSBケーブル79と干渉することが防止される。更に、筐体10の右面10Dの後側上部にはチューブ挿入口15が設けられ、左面10Cの後側上部にチューブ排出口16が設けられている。回転禁止機構45によって、把持部21が第一位置P1よりも後側に移動しないので、チューブ挿入口15から挿入され、チューブ排出口16から排出されるチューブ9とハンドル2が支持部25,26の回動によって干渉することも防止される。
図1、図2に示すように、把持部21は、把持部21が第二位置P2に位置する場合に上方を向く面に、凹部22と、一対の凹部23を有する。凹部22は、把持部21の左右方向略中央に形成され、左右方向に延びる。凹部22は平面視長円状を有し、両端部が夫々半割の半球状に形成され、中間部が半筒状に形成される。凹部22には、後述するキーボード7の突部75(図9参照)が係合する。一対の凹部23は、把持部21の左右方向両側の端部に夫々形成される。凹部23の形状は、半球状である。一対の凹部23には、後述するキーボード7の4つの脚部74のうち、後側に設けられる2つの脚部74(図9参照)が夫々係合する。
図2、図4に示すように、筐体10内上部には、テープ装着部30、リボン装着部35、チューブ装着部40等が設けられる。テープ装着部30は、テープカセット80を着脱可能な部位である。テープ装着部30は、上面10Eに開口する凹部であり、平面視でテープカセット80の外形形状と略対応する開口形状で形成される。本実施形態のテープ装着部30は、上面10Eの右部、且つチューブ装着部40の前側に設けられる。テープカセット80がテープ装着部30に装着された状態で、テープカセット80に収容された各種テープ及びインクリボンの幅方向は、上下方向と略平行である(図1参照)。
図4に示すように、搬送路33は、テープ装着部30の右前部から連続して前方に延びる溝部である。搬送路33の前端部は、テープ排出口14に接続する。テープガイド34は、搬送路33におけるテープ排出口14の後側に設けられる。テープガイド34は、左右方向に対向配置された一対のローラである。ローラは、筐体10の底面と直交する軸線を中心に回転可能な回転体である。、一対のローラ間にはテープ8が通過可能な隙間が形成される。テープガイド34は、一対のローラがテープ8を搬送する方向を設計変更することで、テープ排出口14からテープ8を排出する向きを変更できる。
リボン装着部35は、リボンカセット90を着脱可能な部位である。リボン装着部35は、上面10Eに開口する凹部であり、平面視でリボンカセット90の外形形状と略対応する開口形状で形成される。本実施形態のリボン装着部35は、上面10Eの左部、且つチューブ装着部40の前側に設けられる。即ち、テープ装着部30及びリボン装着部35は、互いに左右方向に並ぶように、後述のチューブ搬送方向に沿って配置される。本実施形態では、テープ装着部30の略全体とリボン装着部35の略全体とが左右方向に重なる。
チューブ装着部40は、チューブ9を着脱可能な部位である。チューブ装着部40は上面10Eに開口する溝部であり、チューブ挿入口15からチューブ排出口16まで延びる。チューブ排出口16はチューブ挿入口15よりも若干前側にあるため、チューブ装着部40は若干左前側に傾いて略左右方向に延びる。リボン装着部35の後端部は、チューブ排出口16の右側で、チューブ装着部40と空間的に繋がる。チューブ挿入口15からチューブ排出口16に向けてチューブ装着部40が延びる方向を、チューブ搬送方向という。チューブ搬送方向と直交するチューブ装着部40の溝幅は、チューブ装着部40とリボン装着部35とが空間的に繋がる部位を除いて、チューブ9の外径よりも僅かに大きい。ユーザは、カバー12が開かれた状態で、チューブ9をチューブ装着部40に対して上方から装着可能である。ユーザは、チューブ9がチューブ挿入口15からチューブ排出口16まで延びるように、チューブ9をチューブ搬送方向に沿って配置し、チューブ装着部40に装着する。
図4を参照して、制御基板18、テープ印刷機構50、チューブ印刷機構60、テープカセット80、及びリボンカセット90を説明する。制御基板18は、図示外のCPU、ROM、RAM、CGROM等が設けられた基板であり、印刷装置1の各種動作を制御する。例えば制御基板18は、テープ印刷機構50及びチューブ印刷機構60の各印刷動作を制御する。本実施形態の制御基板18は、筐体10(図2参照)の内部における右側下部に設けられる。制御基板18には、キーボード7から引き出されるUSBケーブル79が接続されるUSBコネクタ19(図2参照)が設けられる。USBコネクタ19は、筐体10の右面10D下部で後寄りの位置に凹部状に形成されたプラグ収容部10F(図2参照)内に露出され、USBケーブル79のプラグが差し込まれる。また、図示しないが、筐体10内には電源部も設けられる。電源部は、筐体10内に装着された電池(図示略)に接続され、又はコードを介して外部電源(図示略)に接続され、印刷装置1に電源を供給する。プラグ収容部10F内には、外部電源に接続するコードのコネクタ(図示略)も露出される。
テープカセット80は、少なくともテープ8を収容可能な箱状体である。本実施形態のテープカセット80は、テープ8としてフィルムテープ85及び両面粘着テープ87を収容し、且つインクリボン86を収容した、ラミネートタイプのテープカセットである。第一テープロール81、リボンロール82、リボン巻取スプール83、第二テープロール84、及びテープ駆動ローラ88は、テープカセット80内で夫々回転自在に支持される。
第一テープロール81は、スプール(図示略)に巻回された未使用のフィルムテープ85である。リボンロール82は、スプール(図示略)に巻回された未使用のインクリボン86である。リボン巻取スプール83は、使用済みのインクリボン86が巻回されるスプールである。第二テープロール84は、スプール(図示略)に巻回された未使用の両面粘着テープ87である。テープ駆動ローラ88は、テープ8を搬送するためのローラである。
テープ印刷機構50は、印刷ヘッド51、プラテンホルダ52、プラテンローラ53、可動搬送ローラ54、テープ駆動軸55、リボン巻取軸56、カッター57、第一駆動モータ(図示略)、カッターモータ(図示略)、第二駆動モータ(図示略)等を含む。印刷ヘッド51、テープ駆動軸55、及びリボン巻取軸56は、テープ装着部30の底面から上方に向けて夫々立設される。印刷ヘッド51は、テープ装着部30の右前部に設けられた、発熱体(図示略)を備えるサーマルヘッドである。テープ駆動軸55は、テープ駆動ローラ88を回転可能な軸である。リボン巻取軸56は、リボン巻取スプール83を回転可能な軸である。第一駆動モータ(図示略)は、テープ駆動軸55及びリボン巻取軸56を回転駆動するモータである。
プラテンローラ53は、印刷ヘッド51に相対して回転可能なローラである。可動搬送ローラ54は、テープ駆動軸55に相対して回転可能なローラである。プラテンローラ53及び可動搬送ローラ54は、プラテンホルダ52の先端で回転可能に支持される。プラテンホルダ52は、テープ装着部30の右側に配置され、カバー12(図1参照)の開閉に伴って作動位置と退避位置とに変位可能である。プラテンホルダ52が作動位置にある場合、プラテンローラ53及び可動搬送ローラ54はテープ装着部30の内側に配置される。プラテンホルダ52が退避位置にある場合、プラテンローラ53及び可動搬送ローラ54はテープ装着部30の外側に配置される。カッター57は、テープガイド34よりも後側に設けられ、搬送路33にあるテープ8を切断可能である。カッターモータ(図示略)は、カッター57を駆動するモータである。第二駆動モータ(図示外)は、テープガイド34の一対のローラを回転駆動するモータである。
カバー12が開かれると(図2参照)、プラテンホルダ52は退避位置に変位する。テープ装着部30にテープカセット80が装着されると、テープ駆動軸55及びリボン巻取軸56はテープ駆動ローラ88及びリボン巻取スプール83に夫々挿入される。その後、カバー12が閉じられると、プラテンホルダ52は作動位置に変位する。プラテンローラ53は、未使用のフィルムテープ85と未使用のインクリボン86とを重ねて、印刷ヘッド51に向けて付勢する。可動搬送ローラ54は、テープ駆動ローラ88との間で、印刷済みのフィルムテープ85と未使用の両面粘着テープ87とを挟む。
テープ印刷機構50は、制御基板18の制御に従って、以下の印刷動作を実行する。テープ印刷機構50の第一駆動モータは、テープ駆動軸55及びリボン巻取軸56を回転させることで、テープ駆動ローラ88及びリボン巻取スプール83を回転させる。テープ駆動ローラ88の回転に伴って、フィルムテープ85が第一テープロール81から引き出され、且つ両面粘着テープ87が第二テープロール84から引き出される。リボン巻取スプール83の回転に伴って、インクリボン86がリボンロール82から引き出される。引き出された両面粘着テープ87及びインクリボン86は、印刷ヘッド51とプラテンローラ53との間に搬送される。
印刷ヘッド51は、インクリボン86を使用してフィルムテープ85にキャラクタを鏡像印刷する。本実施形態の印刷ヘッド51は、その右側を経由するフィルムテープ85の左面にキャラクタを印刷する。使用済みのインクリボン86は、リボン巻取スプール83に巻き取られる。印刷済みのフィルムテープ85は、可動搬送ローラ54とテープ駆動ローラ88との間に搬送されて、引き出された両面粘着テープ87が貼り付けられる。これにより、フィルムテープ85の印刷面に両面粘着テープ87が貼り付けられたテープ8が作成される。なお、作成されたテープ8では、フィルムテープ85の印刷面とは反対側の面にキャラクタが現れる。
更にテープ8は、搬送路33内を通過して、テープガイド34まで前方に搬送される。テープ印刷機構50の第二駆動モータは、テープガイド34の一対のローラを回転駆動して、テープ8を更に前方に搬送する。搬送されたテープ8は、テープ8の幅方向が上下方向と略平行となる姿勢で、テープ排出口14から前方に排出される。このときテープ8は、その印刷面が右方を向くように、前面10Aから前方に排出される。テープ印刷機構50のカッターモータは、カッター57を駆動して、テープガイド34の後方でテープ8を切断する。切断されたテープ8(所謂ラベル)は、筐体10の前方で落下する。
リボンカセット90は、インクリボン93を収容可能な箱状体である。リボンロール91及びリボン巻取スプール92は、リボンカセット90内で夫々回転自在に支持される。リボンロール91は、スプール(図示略)に巻回された未使用のインクリボン93である。リボン巻取スプール92は、使用済みのインクリボン93が巻回されるスプールである。
チューブ印刷機構60は、印刷ヘッド61、可動搬送ローラ62、リボン巻取軸63、カッター64、刃受け板65、駆動モータ(図示略)、カッターモータ(図示略)等を含む。印刷ヘッド61及びリボン巻取軸63は、リボン装着部35の底面から上方に向けて夫々立設される。印刷ヘッド61は、リボン装着部35の後部に設けられた、発熱体(図示略)を備えるサーマルヘッドである。リボン巻取軸63は、リボン巻取スプール92を回転可能な軸である。
可動搬送ローラ62は、印刷ヘッド61に相対して回転可能なローラである。可動搬送ローラ62は、リボン装着部35の後側に配置され、カバー12(図1参照)の開閉に伴って作動位置と退避位置とに変位可能である。可動搬送ローラ62が作動位置にある場合、可動搬送ローラ62はチューブ装着部40の内側に配置されて、印刷ヘッド61に近接する。可動搬送ローラ62が退避位置にある場合、可動搬送ローラ62はチューブ装着部40の後側に配置されて、印刷ヘッド61から離隔する。駆動モータ(図示略)は、可動搬送ローラ62及びリボン巻取軸63を回転駆動するモータである。
カッター64及び刃受け板65は、チューブ排出口16よりもチューブ搬送方向の上流側、且つリボン装着部35よりもチューブ搬送方向の下流側に設けられる。カッター64及び刃受け板65は、チューブ装着部40を挟んで対向配置される。カッター64は、刃受け板65に向けて移動することで、チューブ装着部40にあるチューブ9を刃受け板65に押し当てて切断可能である。カッターモータ(図示略)は、カッター64を駆動するモータである。
カバー12が開かれると、可動搬送ローラ62は退避位置に変位する。リボン装着部35にリボンカセット90が装着されると、リボン巻取軸63はリボン巻取スプール92に挿入される。その後、カバー12が閉じられると、可動搬送ローラ62は作動位置に変位する。可動搬送ローラ62は、チューブ装着部40にあるチューブ9と未使用のインクリボン93とを重ねて、印刷ヘッド61に向けて付勢する。このときチューブ9は、可動搬送ローラ62の付勢力によって弾性変形して、インクリボン93を介して印刷ヘッド61と面接触する。
チューブ印刷機構60は、制御基板18の制御に従って、以下の印刷動作を実行する。チューブ印刷機構60の駆動モータは、可動搬送ローラ62及びリボン巻取軸63を回転させる。可動搬送ローラ62の回転に伴って、チューブ装着部40内にあるチューブ9は、チューブ搬送方向の下流側に搬送される。このとき、筐体10の外部にある印刷前のチューブ9は、チューブ挿入口15を介して右面10Dから、チューブ装着部40内に引き込まれる。リボン巻取軸63の回転に伴ってリボン巻取スプール92が回転することで、インクリボン93がリボンロール91から引き出される。
印刷ヘッド61は、引き出されたインクリボン93を使用して、搬送されるチューブ9にキャラクタを印刷する。本実施形態の印刷ヘッド61は、その後側を経由するチューブ9の前面にキャラクタを正像印刷する。従ってチューブ9の前面が、チューブ9の印刷面である。使用済みのインクリボン93は、リボン巻取スプール92に巻き取られる。印刷後のチューブ9は、可動搬送ローラ62からチューブ搬送方向の下流側に搬送されて、チューブ排出口16を介して筐体10から排出される。このときチューブ9は、その印刷面が前方を向くように、左面10Cから左方に排出される。チューブ印刷機構60のカッターモータは、カッター64を駆動して、チューブ排出口16よりもチューブ搬送方向の上流側でチューブ9を切断する。切断されたチューブ9は、筐体10の左方で落下する。
図6〜図9を参照して、キーボード7を説明する。なお、図6〜図9におけるキーボード7の向きは、キーボード7を装着部11に装着し、カバー12を閉じた状態(図1参照)において、印刷装置1の向きに倣うものとする。キーボード7は、平面視、略長方形状で左右方向に長い箱形状である。キーボード7の上下方向の高さは、装着部11の保持部3,4及び規制部5の高さよりも高い。キーボード7の前後方向及び左右方向の長さは、夫々、筐体10の前後方向及び左右方向の長さと略同じである。キーボード7は、上側を向く主面7Aに、入力を受け付ける複数のキーからなる操作部70と、情報を表示する表示部71を備える。表示部71は、例えば液晶ディスプレイである。ユーザは、表示部71の表示を見ながら操作部70を操作して、印刷媒体に印刷する文字、記号、図形等を編集することができる。
キーボード7は、下側を向く裏面7Bに、4つの脚部74と2つの突部75,76を備える。4つの脚部74は、裏面7Bの四隅に夫々設けられ、夫々が裏面7Bから高さH1(図9参照)で突出する。脚部74の表面は丸みを帯びて形成される。脚部74は、裏面7Bと一体に形成される。突部76は、裏面7Bの前側に設けた2つの脚部74間に設けられ、左右方向に延びる。突部76は、裏面7B前側の縁部に配置され、裏面7Bから高さH2(図9参照)で突出する。突部76は、裏面7B前側の脚部74よりも前側に位置する。突部75は、裏面7Bの後側に設けた2つの脚部74間に設けられ、左右方向に延びる。突部75は、裏面7B後側の縁部に配置され、裏面7Bから突部76と同じ高さH2で突出する。突部75は、裏面7B後側の脚部74よりも後側に位置する。突部75,76の表面は、夫々丸みを帯びて形成される。突部75,76は、裏面7Bと一体に形成される。脚部74が裏面7Bから突出する高さH1は、突部75,76が裏面7Bから突出する高さH2より高い。このため、キーボード7が平面上に配置された場合、4つの脚部74は平面に当接してキーボード7を支え、且つ突部75,76を平面から離した状態に維持する。
キーボード7の裏面7Bには、樹脂等のコーティングが施されている。4つの脚部74及び突部75,76の表面にもコーティングが施されることによって、脚部74及び突部75,76は、平面上に配置された場合に、滑り止め効果を得ることができる。なお、4つの脚部74及び突部75,76は、キーボード7の裏面7Bとは別体に形成されたゴム足等を貼り付けることによって、キーボード7に設けられてもよい。
キーボード7は、上下方向の略中央に、上下方向に対する周方向の一周に亘って外向きに張り出す膨出部72を備える。膨出部72の右面で、前後方向略中央には、キーボード7内の基板(図示略)にUSBケーブル79を接続する接続部73(図8参照)が形成されている。USBケーブル79は、キーボード7内の基板に直接接続されてもよいし、コネクタを介して取り外し可能に接続されてもよい。
キーボード7の前面で膨出部72の上側には、後方に凹んで左右方向に延びる溝部77Aが形成されている。キーボード7の前面で膨出部72の下側にも、後方に凹んで左右方向に延びる溝部77Bが形成されている。溝部77A,77Bは、膨出部72に対して上下方向に対称となる位置に設けられる。キーボード7の後面で膨出部72の上側には、前方に凹んで左右方向に延びる溝部77Cが形成されている。キーボード7の後面で膨出部72の下側にも、前方に凹んで左右方向に延びる溝部77Dが形成されている。溝部77C,77Dも同様に、膨出部72に対して上下方向に対称となる位置に設けられる。4つの溝部77A,77B,77C,77Dは、夫々、装着部11の鍔部3B,4Bよりも左右方向に長く延びる。溝部77Aと溝部77Cは、キーボード7の主面7Aを挟んで前後方向に対称となる位置に設けられる。溝部77Bと溝部77Dは、キーボード7の裏面7Bを挟んで前後方向に対称となる位置に設けられる。
4つの溝部77A,77B,77C,77Dは、夫々、装着部11の鍔部3B,4Bよりも左右方向に長く延びる。4つの溝部77A,77B,77C,77Dの左端部は、夫々、キーボード7の左端部に形成される。4つの溝部77A,77B,77C,77Dの右端部は、キーボード7の右端部には形成されておらず、夫々、右端部よりも左右方向において若干中央寄りの位置に形成される。キーボード7は、主面7Aを上向きにして装着部11に装着することができる(図1参照)。この場合、保持部3,4の鍔部3B,4Bには、溝部77D,77Bが夫々係合される。ユーザは、装着部11にキーボード7を装着した状態で、操作部70に対する操作を行い、印刷媒体に印刷する文字、記号、図形等を編集することができる。キーボード7は、裏面7Bを上向きにして装着部11に装着することもできる(図13参照)。この場合、保持部3,4の鍔部3B,4Bには、溝部77A,77Cが夫々係合される。印刷装置1は、キーボード7の操作部70を外部との接触から保護することができる。
また、USBケーブル79の接続部73は、キーボード7の右端部において前後方向の略中央に設けられている。故に、主面7Aと裏面7Bを反転させてキーボード7を装着部11に装着しても、USBケーブル79は、キーボード7や筐体10に絡まりにくい。更に、主面7Aと裏面7Bを反転させてキーボード7を装着部11に装着しても、接続部73は、筐体10に対し、前後方向の略中央に位置できる。故に、上記したように、ハンドル2の支持部25とUSBケーブル79との干渉を、屈曲部25Cによって避けることができる。
4つの溝部77A,77B,77C,77Dは、夫々の右端部寄りの位置に、溝底から溝内に突起する突起部78を有する。キーボード7を装着部11に装着したとき、突起部78は、保持部3,4の鍔部3B,4Bに形成された切欠部3C,4C(図3参照)に係合し、装着部11からのキーボード7の外れを防止する。
図10〜図12を参照して、ケーブルクリップ6を説明する。なお、図10〜図12におけるケーブルクリップ6の向きは、ケーブルクリップ6を筐体10の右面10Dに取り付けた状態(図1参照)において、印刷装置1の向きに倣うものとする。ケーブルクリップ6は、上下方向に延び、右面の一部が開環する半筒状の部材である。ケーブルクリップ6は、取付部6A、背部6C、前保持部6D及び後保持部6Eを有する。
背部6Cは、略矩形の板状部分である。取付部6Aは、背部6Cの上下方向及び左右方向の略中央から左方へ向けて二股に分かれて突出する。取付部6Aは、先端部分に鍔状の返し部6Bを有する。ケーブルクリップ6は、筐体10の右面10Dに形成された穴部(図示略)に挿入される取付部6Aが、筐体10内で穴部の径方向に広がり、返し部6Bが筐体10内面に引っ掛かることで、筐体10に取り付けられる。
前保持部6Dは、背部6Cの前端部から右方へ向けて延びる部分である。前保持部6Dと背部6Cとの接続部分は、平面視、緩やかな弧状に形成される。前保持部6Dの右端部6Fは、後方へ向けて、平面視、緩やかな弧状に屈曲する。後保持部6Eは、背部6Cの後端部から右方へ向けて、前保持部6Dと平行に延びる部分である。後保持部6Eと背部6Cとの接続部分は、平面視、緩やかな弧状に形成される。後保持部6Eの右端部6Gは、前方へ向けて、平面視、緩やかな弧状に屈曲する。前保持部6Dの右端部6Fと、後保持部6Eの右端部6Gは、前後方向に対向する。右端部6Fと右端部6Gとの間には、USBケーブル79の直径よりも大きい間隙を有する。背部6C、前保持部6D及び後保持部6Eは、平面視、略C字状に開環する半筒状に形成される。
図1に示すように、キーボード7を装着部11に装着したとき、ケーブルクリップ6の環内にUSBケーブル79が折り畳まれて挿入される。ケーブルクリップ6は、背部6C、前保持部6D及び後保持部6Eの内面でUSBケーブル79を挟み込み、環内に保持することができる。ユーザは、右端部6Fと右端部6Gとの間隙を通すことで、USBケーブル79を折り畳んだ状態でケーブルクリップ6の環内に挿入し、保持させることができる。また、ユーザは、右端部6Fと右端部6Gとの間隙を通すことで、ケーブルクリップ6の環内から折り畳んだ状態のUSBケーブル79を伸ばしながら取り出すことができる。
前述したように、印刷装置1のキーボード7は、装着部11に対し、取り外し可能に装着することができる。キーボード7の着脱は、ハンドル2の把持部21を第二位置P2に配置された状態で行われる。主面7Aを上向きにして装着する場合(図1参照)、キーボード7は、前面及び後面に形成された一対の溝部77B,77D(図9参照)が、装着部11の一対の鍔部4B,3B(図3参照)に夫々係合する。キーボード7は、溝部77B,77D及び鍔部4B,3Bが延びる左右方向に沿って装着部11に装着でき、且つ装着部11から取り外すことができる。カバー12の回転軸Cは、キーボード7の着脱方向である左右方向に延びる。カバー12の開閉時、カバー12上部の装着部11に装着されたキーボード7には、回転軸Cの周方向Aに接する接線B(図2参照)の延びる方向に、外力が加わる。接線Bが回転軸Cに直交するので、キーボード7の着脱方向は、カバー12の開閉時にキーボード7に加わる外力の方向に対して直交する。従って、カバー12開閉の勢いで、キーボード7が装着部11から外れてしまうことはない。また、ユーザが、カバー12を開くときにキーボード7を掴んで持ち上げたり、カバー12を閉じるときにキーボード7を上から押し下げたりする場合がある。この場合においても、キーボード7に掛かる外力の向きが着脱方向に直交し、着脱方向へは外力を受けないので、キーボード7が装着部11から外れてしまうことはない。
また、キーボード7を装着した状態でカバー12を閉じた場合に、キーボード7に付加される重力成分の方向は上下方向である。この状態でカバー12を開いた場合、キーボード7には、前後方向にも重力成分が付加される。しかし、左右方向は、重力の方向と直交するので、キーボード7の着脱方向に重力成分が付加されることはない。故に、キーボード7にかかる重力によって、キーボード7が装着部11から外れてしまうことはない。
また、キーボード7の溝部77B,77Dは、キーボード7の左端部に形成されているが、右端部には形成されていない。故に、キーボード7は、USBケーブル79の接続部73が設けられた右端部とは反対側の左端部側から、装着部11に装着することができる。装着部11は、左端部に規制部5を有し、右端部を開放する。故に、装着部11は、USBコネクタ19が露出するプラグ収容部10Fが設けられた筐体10の右面10D側からに限定し、キーボード7の着脱を行うことができる。従って、キーボード7の着脱時に、USBケーブル79が装着部11の右側、且つキーボード7の右側に位置し、装着部11を交差しないので、USBケーブル79に負荷がかかるのを抑制することができる。
装着部11の鍔部3B,4Bは、保持部3,4の左右方向の中央に設けられる。装着部11にキーボード7を装着したとき、キーボード7の重みによって鍔部3B,4Bにかかる負荷は、着脱方向の一方に偏って鍔部3B,4Bに加わりにくい。更に、鍔部3B,4Bと溝部77B,77Dとの非係合部分を係合部分の着脱方向両側に一対に配置することができる。故に装着部11は、キーボード7をバランスよく保持することができる。また、鍔部3B,4Bは、左右方向の長さがカバー12の長さの1/3以上1未満である。鍔部3B,4Bの左右方向の長さが1に近いほど、鍔部3B,4Bと溝部77B,77Dとの係合範囲を大きくできるので、装着部11は、より確実に、キーボード7を保持することができる。鍔部3B,4Bの左右方向の長さが1/3に近いほど、鍔部3B,4Bと溝部77B,77Dとの係合範囲は小さくなるが、装着部11は、キーボード7のスライド長さをより小さくしてキーボード7の装着及び取り外しを行うことができる。また、鍔部3B,4Bの左右方向の長さが1/3以上であれば、鍔部3B,4Bと溝部77B,77Dと係合部分の着脱方向両側に一対に配置される非係合部分の長さを、夫々、係合部分の長さより小さくすることができる。故に、装着部11は、非係合部分におけるキーボード7の重みによる負荷を、係合部分において十分に支えることができる。
ユーザが印刷装置1を持ち運ぶ場合、ハンドル2の把持部21が第一位置P1に移動される(図1参照)。ハンドル2の支持部25,26は、装着部11の左右方向に配置される。支持部25は、装着部11において規制部5がなく開放された右端部側に位置する。
即ち、装着部11にキーボード7が装着されている場合に、支持部25は、キーボード7の右側に位置する。例えば、運搬時の揺れ等によりキーボード7が着脱方向への外力を受け、鍔部3B,4Bの切欠部3C,4Cと溝部77B,77Dの突起部78との係合が外れた場合、キーボード7は、右面が支持部25に当接する。故に、キーボード7の着脱方向への移動が支持部25によって規制されるので、キーボード7が装着部11から外れてしまうことがない。
キーボード7は、USBケーブル79の接続部73を、右端部において前後方向の略中央に有する。ハンドル2の支持部25の他端部25Bは、筐体10の右面10Dにおいて、前後方向略中央の位置に取り付けられる。よって、ハンドル2の把持部21が第一位置P1に位置する場合、支持部25の他端部25Bと一端部25Aとを結ぶ仮想直線L3(図5参照)が、接続部73と交差する。ハンドル2の支持部25は、屈曲部25Cを有することによって、接続部73と重なる位置を回避して配置されるので、USBケーブル79との接触を避けることができる。
また、ハンドル2は、回転禁止機構45によって、把持部21が第一位置P1よりも後側に移動することが規制される。よって、支持部25,26は、チューブ挿入口15やチューブ排出口16を塞いだり、チューブ9と接触することがない。
キーボード7を装着部11から取り外した場合、ユーザは、平面上にキーボード7を配置して操作部70に対する操作を行い、印刷媒体に印刷する文字、記号、図形等を編集することができる。ケーブルクリップ6が開環状であるので、ユーザは、ケーブルクリップ6に保持したUSBケーブル79を容易に取り出して伸ばし、キーボード7を移動させることができる。キーボード7の裏面7Bの四隅に設けた4つの脚部74は、突部75,76を平面から離した状態に維持する。キーボード7は、裏面7Bの四隅に設けた4つの脚部74によって平面上で安定して支えられるので、ユーザによる操作部70の操作において、がたつかない。
ユーザは、装着部11から取り外したキーボード7を平面上に配置する場合に、ハンドル2に立て掛けることもできる(図3参照)。この場合、ハンドル2は、把持部21が第二位置P2に位置する状態(図1参照)に配置される。ユーザは、キーボード7の後側を把持部21上に配置する。キーボード7の左右方向の長さは把持部21の左右方向の長さよりも短いので、ユーザは、キーボード7を支持部25,26と干渉することなく支持部25,26間に配置することができる。ユーザは、支持部25,26によってキーボード7の左右方向の位置合わせを行うことができる。
ユーザは、把持部21上に配置したキーボード7を前後方向に移動させる。キーボード7の裏面7B後側の突部75が、把持部21が第二位置P2に位置する場合の上面に形成された凹部22に嵌まり、キーボード7と把持部21とが互いに位置決めされる。キーボード7と把持部21との位置合わせが突部75と凹部22との嵌め込みによって行われるので、ユーザは、凹部22に対する突部75の位置を覗き込まなくとも、容易に、把持部21に対するキーボード7の位置決めを行うことができる。なお、把持部21側を凹部形成したので、ユーザは、印刷装置1を持ち運ぶとき、把持部21を把持するユーザの手に突き当たるものがなく、持ち運びしやすい。また、突部75と凹部22は、夫々、キーボード7とハンドル2に一体に形成できるため、他の部品を取り付けなくとも、容易に設けることができる。
突部75と凹部22は左右方向に長く延びる。このため、突部75と凹部22は、係合した状態において、互いの接触面積をより広く確保することができ、係合状態を維持しやすい。故に、ユーザがキーボード7の操作部70に対する操作を行った場合に、振動等によるキーボード7の位置ずれを抑制することができる。また、突部75と凹部22とが左右方向に長く係合するので、キーボード7が、把持部21に対し、突部75と凹部22の係合位置を中心に回転する向きに位置ずれすることも抑制することができる。
また、把持部21には一対の凹部23が設けられている。突部75が凹部22に係合した状態で、一対の凹部23には、キーボード7の裏面7B後側の2つの脚部74が夫々係合する。脚部74と凹部23との係合によって、キーボード7は、より確実に、把持部21に対して位置決めすることができる。
ユーザは、把持部21に対して位置決めしたキーボード7の前側を、平面上に下ろす。キーボード7の後側は把持部21に立て掛けられた状態となり、把持部21の大きさ分、前側よりも高い位置に位置する。従って、キーボード7は、平面に対して主面7Aの前側を後側よりも下側に傾斜させた状態で、平面上に配置される(図3参照)。このように、キーボード7を傾斜させて配置することができるので、ユーザはキートップ及び表示部71が見やすくなり、操作部70に対する操作を行いやすい。
また、キーボード7の裏面7Bの前側に設けられた突部76は、裏面7B前側に設けられた2つの脚部74よりも前側に位置する。このため、キーボード7の後端部が把持部21に立て掛けられた場合に、突部76は、脚部74を平面から離した状態で、平面に当接することができる。突部76は左右方向に長く形成され、且つ滑り止め効果を有するため、平面に対するキーボード7の滑りを抑制することができる。故にユーザは、操作部70に対する操作を行いやすい。
また、前述したように、ハンドル2の支持部25,26が屈曲部25C,26Cを有することによって、支持部25,26が平面に対して傾く角度は、屈曲部25C,26Cがない場合と比べて緩やかな角度である。本実施形態のキーボード7は、左右方向の長さが把持部21より短いため、屈曲部25C,26Cの構成は、キーボード7を把持部21に立て掛けた場合の傾斜角度に影響しにくい。しかし、把持部21の形成において、キーボード7の突部75に係合する凹部22を形成するためには、把持部21に立て掛けた場合のキーボード7の傾斜角度に応じ、凹部22形成に必要な大きさを有する当接部を把持部21に設ける必要がある。屈曲部25C,26Cの構成によって支持部25,26が平面に対して傾く角度が緩やかとなることで、把持部21は、把持部21を大きく削って加工せずともキーボード7の裏面7Bとの当接面積を確保しやすいので、突部75に係合する凹部22の形成が容易である。
仮に、キーボードの左右方向の長さが把持部21より長い場合、キーボードを把持部21に立て掛けた場合に、キーボードの左右方向両側の端部は、支持部25,26の一端部25A,26Aに夫々当接する。この場合、平面に対するキーボードの傾斜角度は、支持部25,26との当接位置に応じて、本実施形態よりも大きくなる可能性がある。このような場合に、支持部25,26が屈曲部25C,26Cを有する構成であれば、キーボードが支持部25,26に当接しても、平面に対するキーボードの傾斜角度をより小さくすることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更を加えることが可能である。装着部11の保持部3,4は、夫々、カバー12の上面で後側の端部と前側の端部に設けたが、左側の端部と右側の端部に夫々設けてもよい。規制部5は、カバー12の上面で後側の端部に設けるとよい。この場合、キーボード7の着脱方向は、カバー12の開閉過程において、カバー12を閉じた場合の前後方向と、カバー12を開いた場合の上下方向との間で変化する。しかし、カバー12開閉過程のいずれの場合においても、キーボード7の着脱方向は、カバー12前端部において回転軸Cの周方向Aに接する接線Bが延びる方向に対し、直交する。従って、ユーザが、カバー12の開閉時に誤ってキーボード7を掴んでも、キーボード7が装着部11から外れてしまうことはない。
また、キーボード7は、例えば脚部74を廃し、突部75,76をキーボード7の左右方向の全長に亘って設け、突部75,76が脚部74を兼ねる構成であってもよい。あるいは、キーボード7は、例えば突部75,76を廃し、脚部74が突部75,76を兼ねて、把持部21に対する位置決めを行う構成であってもよい。
装着部11の規制部5はなくてもよい。装着部11の保持部3,4に、鍔部3B,4Bの代わりに溝部を形成し、キーボード7の前面及び後面に、溝部77A〜77Dの代わりに鍔部を設けてもよい。キーボード7と制御基板18とは、USBケーブル79を介した接続に限らず、例えばBluetooth(登録商標)等、無線通信による接続を行ってもよい。
本実施形態では、ハンドル2の把持部21に凹部22を設け、キーボード7に設けた突部75と係合させてキーボード7の位置決めを行った。これに限らず、キーボード7の裏面7Bに、例えばゴム板を張り付け、把持部21に対して摩擦力による位置決めを行ってもよい。又は、把持部21にゴム板を張り付け、キーボード7の裏面7Bに対して摩擦力による位置決めを行ってもよい。或いは、キーボード7にフック等を設け、把持部21にフックを掛け留めることによって把持部21に対するキーボード7の位置決めを行ってもよい。
上記実施形態において、テープ8及びチューブ9が、本発明の「印刷媒体」に相当する。テープ印刷機構50及びチューブ印刷機構60が、本発明の「印刷部」に相当する。制御基板18が、本発明の「制御部」に相当する。キーボード7が、本発明の「入力装置」に相当する。突部76が、本発明の「抑制部材」に相当する。