以下、図面に記載の発明を実施するための形態に基づいて、この発明をより具体的に説明する。
《実施の形態-1》
図において、バイク駐輪装置100は、バイクの前輪FWの円周状の先端側を左右から挟圧して、バイクが動いたり倒れたりしないように保持して駐輪させる装置である。バイク駐輪装置100は、外形部分が例えば箱形の形状のフレームから構成され、バイクの前輪FWを左右から挟む左右一対の挟み板11、センターガイド12を始めとして、フレームの内側には移動台13、第2移動台31などのバイクの前輪FWを挟むための種々の構造が設けられている。
図1において、挟み板11、センターガイド12の高さは一定としているが、バイクの前輪FW直径の大小に合わせ、図示しない高さ調整機能を配設してもよい。また、図1ではフレームは、例えば上部フレーム1と下部フレーム2から構成され、上部フレーム1を下部フレーム2の上に載せた構造になっているが、上下に別々でなく、上下一体のフレーム構造でもよい。
バイク駐輪装置100の手前側には、バイクの前輪FWを上部フレーム1に向けて案内する案内板52が配置されている。案内板52は中央底が前後方向に平坦面で左右両側が外向きに開いた傾斜面から形成されている。案内板52の下面の前後方向の中間には左右幅方向にピン52aが取り付けられている。また、案内板52の後部側は少し斜め上向きに傾斜した形状に形成され、案内板52はピン52aを回動支点としてシーソーのように前後が傾いて、バイクの前輪FWが入り易く、叉入った後は抜けにくくしている。図1では、案内板52のピン52aの右側を重くしていて、空車時は二点鎖線で示すように着地している。
案内板52の下側には溝型の取付台53が床面にボルトなどで固定して取り付けられているが、取付台53を下部フレーム2と一体化してもよい。取付台53の溝型の左右の側面の後部側には、切欠き溝53aが形成されている。切欠き溝53aは前輪FWの大小に大別して複数箇所に形成してもよい。図1では後部側の2カ所に前後に間をあけて形成されている。この切欠き溝53aは、案内板52の下面に左右幅方向に取り付けられたピン52aがこの切欠き溝53aの溝内に回動自在に係合することで、案内板52をこのピン52aを回動支点してシーソーのように前後に傾かせて、前輪FWを案内板52内に入り易く、叉抜けにくくしている。
上部フレーム1は、バイクの前輪FWを左右から挟む左右一対の挟み板11を始めとして、その内部には移動台13、第2移動台31などのバイクの前輪FWを挟むための種々の構造が内装された箱形の形状から構成されている。上部フレーム1は側面側は覆われているがバイクの前輪FW側に臨む後面側の中央部分が開口されていて、左右一対の挟み板11及びセンターガイド12がこの開口された部分からバイクの前輪FWが駐輪する後方に向けて、突出して設けられている。上部フレーム1の天井側の開口されている部分にはカバー41にボルトなどで取り付けられている。このカバー41は上部フレーム1の内側に配置されている機器の点検や修繕などの場合には、必要に応じて適宜開けられる。
一方の下部フレーム2は、内部は空洞になっていて、その役目は上側に載る上部フレーム1の高さを調整する脚台の機能を果たすもので、同様に箱形の形状から構成されている。上部フレーム1と下部フレーム2とは、継ぎ板51によって上下に確りと連結されている。下部フレーム2はその下部が例えばアングル及びボルトなどを介して床面に固定されている。なお、前記したように下部フレーム2は上部フレーム1と一体型でもよい。
左右一対の挟み板11は、上記したように、バイクの前輪FWの先端側を左右から挟圧してバイクが動いたり倒れたりするのを防ぐもので、バイクの前輪FWと対面する上部フレーム1の後部側にバイクの前輪FW側に向けて突出する状態で取り付けられて設けられている。左右の挟み板11は上下方向にある程度の高さがあり、叉向かい合う内面側が平面からみて円弧状に湾曲する形状に形成されていて、この円弧状の部分でバイクの断面円形の前輪FWの先端側を挟み易いようになっている。
上下に高さのある左右の各挟み板11は、その上下側の外面側が水平板状の上部アーム11a及び下部アーム11bの各先端側からその内側寄りに固設されて支持されている。上部アーム11a及び下部アーム11bの基端側は、上部アーム11aの内側に入り込んでいて、上部フレーム1の内側に取り付けられている上下にコ字型のブラケット14の後半側の上面及び下面を上下に延びるシャフト16に固設して取り付けられている。
上下に延びるシャフト16はその上下側が上下にコ字型のブラケット14の後半側の上面及び下面を上下方向に回転自在に貫通して保持されている。シャフト16の上端側はブラケット14の上面を貫通して上部アーム11aの基端側に固設され、シャフト16の下端側はブラケット14の下面を貫通して下部アーム11bの基端側に固設されている。
シャフト16は、ブラケット14の上下面を貫通する部分は断面円形に形成され、叉シャフト16が貫通するブラケット14の上下面も円形孔に形成されていて、ブラケット14に対してシャフト16は正逆回転自在に軸支されている。ブラケット14の上下面を貫通したシャフト16の上下両端は例えば断面四角形で、この断面四角形部分が上部アーム11a及び下部アーム11bの基端側に連結されていて、上部アーム11a及び下部アーム11bは正逆回転するシャフト16と一体となって回動する構成になっている。
つまり上部アーム11a及び下部アーム11bは、シャフト16の上下両端側に対して自在に回転するようにはなっていない。このため、シャフト16の上下両端側が断面四角形でなく、断面多角形や断面円形の場合には、キーや締結具などで、上部アーム11a及び下部アーム11bの基端側が、シャフト16の上下両端側で自在に回転しないように固定している。
上下に延びるシャフト16が軸芯回りに正逆回転すると、上下の上部アーム11a及び下部アーム11bは、これと一体となって、基端側を中心として水平方向回りに正逆回転して、その先端側の挟み板11を左右方向に可動させて、バイクの前輪FWの先端側を左右から挟むのである。
上下に延びる左右の各シャフト16の中間の外周にはアーム開閉用のピニオン15a,15bが取り付けられている。このピニオン15a,15bは、上部フレーム1の左右の内側の後部寄りに水平に取り付けられているアーム開閉用のラック17とかみ合って、正逆回転して各シャフト16を同一方向に軸転させ、上記の上部アーム11a及び下部アーム11bを各基端側を中心として水平方向回りに正逆回転させて、上部アーム11a及び下部アーム11bを左右に可動させるのである。ピニオン15a,15bは、上下にコ字型に形成された左右の各ブラケット14の上下の中間位置に配置されている。
上記のブラケット14は、上部フレーム1の後部側に向けて、後半側が上下にコ字型に形成された上下の板片に分かれているが、その反対側、つまり上部フレーム1の内部の前部側に向けては、途中で上下の中間近くから一つの板片に形成されている。この途中から一つの板状になっているブラケット14の前半側は、上部フレーム1の内側に水平状に配置されている板状の移動台13の左右両側にそれぞれボルトナットにより取り付けられている。
左右の挟み板11の中央真下側には、後方に駐輪するバイク前輪FWに向けてY字型のセンターガイド12が設けられている。センターガイド12の後方に対してY字型に拡開する内側部分に向けてバイクの前輪FWを押し込むと、バイク前輪FWがセンターガイド12を前方に向けて押圧移動させるが、センターガイド12は前輪FWをバイク中央に寄せる機能を有する。
つまり、前方に向けて押圧されるセンターガイド12は、移動台13を前方に向けて移動させる。このため、センターガイド12の前部側は移動台13の下面に下向きに固設されたセンターガイド支持板12aに一体的に連結されていて、バイク前輪FWに押圧されて前方に向けて移動するセンターガイド12は、前部側が連結されたセンターガイド支持板12aを介して移動台13を前方方向に移動させる。
移動台13は、バイク駐輪装置100に駐輪されるバイクの前後移動方向と同じ方向に移動するものである。移動台13は、上記したように、バイク前輪FWに押圧されて前方に向けて移動するセンターガイド12によって前方方向、つまりバイクの前進方向にスライド移動する。
移動台13は、平面からみて、左右幅方向に幅広に形成され、バイク前輪FW側に臨む後部側の中央部位は後方に向けて横長な長方形状の後部突出片13aが形成されている。叉前部側は図面では中央より少し右寄り部分から前方に向けてやや縦長な長方形状の前部突出片13bが形成されている。
移動台13が前後方向に向けてスライド移動するように、移動台13の下面側には前後方向に向けて、下向きに溝型の形状のスライドガイド溝23が設けられている。移動台13の安定を図るために、その下面側の中央のセンターガイド支持板12aを挟んでその左右両側に、スライドガイド溝23はそれぞれ取り付けられている。左右の各スライドガイド溝23はその一部が上記の移動台13の後部突出片13aの下面側まで延びて取り付けられている。
移動台13の下方には、左右の各スライドガイド溝23と凹凸係合する一対のスライドガイド支持板23aが並設されている。左右のスライドガイド支持板23aは、上部フレーム1の内側の下部側に配置された底板1bに移動台13の前後移動方向に向けて平行に設けられている。上部フレーム1の内側の底板1bは、後半側が段差して低くなっていて、左右の各スライドガイド支持板23aは、後半側の低い側の底板1bに並設されている。各スライドガイド溝23は溝内部がスライドガイド支持板23aの上部側に係合してスライドし、その上側の移動台13を前後方向にスライド移動させる。
移動台13の前部側に突出形成された前部突出片13bの突出側面の片方には、その片方側に設けられた正逆回転するピニオン18と噛み合うラック20aが水平に取り付けられている。ピニオン18の回転中心部分にはその回転軸となるシャフト19が上下向きに取り付けられている。シャフト19は、上部フレーム1の前半側の段差で高くなっている側の底板1bに上向きに正逆回転自在に支承して取り付けられている。
ピニオン18は前後にスライドする移動台13の前後方向へのスライド移動を、移動台13の前部突出片13bに取り付けられたラック20aと、第2移動台31の中央寄りに取り付けられたラック20bとの働きにより、これと直角方向の第2移動台31の幅方向にそのスライド移動の向きを変える役目を果たす。
移動台13が前方にスライド移動すると、前部突出片13bのラック20aと噛み合うピニオン18は例えば反時計回りに回転して、これと噛み合うラック20bを第2移動台31の幅方向の図2では下側の矢印の前進方向に移動させる。つまり、ラック20bが取り付けられた第2移動台31を上部フレーム1の内側の幅方向のロック及びロック解除器42が取り付けられた側、図2では下側にスライド移動させるのである。
左右に幅広な移動台13の左右の幅端側の下面側には、ばね止軸24が下向きにそれぞれ取り付けられている。左右の各ばね止軸24の取り付け位置に対応する少し離れた後方側の底板1bには上向きにばね止軸25がそれぞれ取り付けられている。左右のそれぞれのばね止軸24,25の間には引張ばね26が前後向きに取り付けられている。
各引張ばね26の両端はその前後のばね止軸24,25に止められている。左右の引張ばね26は、前方にスライド移動した移動台13を後方に向けて付勢していて、バイク駐輪装置100からバイクを出庫させると、移動台13は左右の引張ばね26のばね力で後方の所定の停止位置まで引き戻される。
上部フレーム1の内側の片側の側面には、左右の引張ばね26で後方に引き戻された移動台13を所定の停止位置で止めるための、後退限ストッパー片21が突起して設けられている。この突起する後退限ストッパー片21に、後方に引き戻される移動台13の横長な片側の幅端に切り欠き形成されたストッパー受け21aが係止されることで、移動台13は所定の後退位置で止まる。これにより、上部フレーム1の内側から後方の外部に不用意に、はみ出るのが防がれる。ストッパー受け21aの前後方向への切り欠きは例えば移動台13の最大前進量STである。最大前進量STは二点鎖線で例えば図2に表示している。また、図4に表示する最大前進停止位置、つまり最大前進量ST直前が、巾狭の前輪FWの締め付け最低巾である。
第2移動台31は、バイク駐輪装置100に駐輪されるバイクの前後移動方向に対して、これと直角な左右幅方向に移動するものである。第2移動台31は、上記したように、バイク前輪FWに押圧されて前方に向けて移動する移動台13によって、上部フレーム1の内側でその幅方向の例えば図面では左方向にスライド移動する。
第2移動台31は、平面からみて、上部フレーム1の左右幅方向、つまり第2移動台31の移動方向に幅広に形成され、移動方向に直交する上部フレーム1の前後方向にはこれよりも狭い長さに形成されている。加えて第2移動台31の幅方向の中央よりの過半分側は半分程度の更に短い長さに形成されている。これは、この周辺に設けられているピニオン18やこれを正逆回転させる回転軸となるシャフト19などと接触しないようにするためである。
第2移動台31の中央よりの過半分側のさらに短い長さ部分には左右方向に水平にラック20bが取り付けられている。ラック20bはピニオン18と噛み合う側に取り付けられている。第2移動台31のラック20bは回転するピニオン18と噛み合って、前後方向にスライド移動する移動台13と直角な左右幅方向に第2移動台31をスライド移動させる。
第2移動台31の上面側には連結盤31aが取り付けられている。連結盤31aはロック及びロック解除器42が取り付けられる側となる第2移動台31の前後長さが大きい側に取り付けられている。この連結盤31aは、ロック及びロック解除器42と第2移動台31とを一体的に連結するためのものである。
第2移動台31は上部フレーム1の内側で前輪FWの前後移動方向に対して左右幅方向に向けてスライド移動するように、その下面側の中央側には、左右幅方向に向けて下向きに、溝型の形状のスライドガイド溝32が取り付けられている。スライドガイド溝32はその溝型の向きは前後向きに形成されている。スライドガイド溝23はロック及びロック解除器42が取り付けられる側となる第2移動台31の前後長さが大きい側に取り付けられている。
第2移動台31の下方には、スライドガイド溝32と凹凸係合するスライドガイド支持盤32aが設けられている。スライドガイド支持盤32aは、上部フレーム1の内側の下部側に配置された底板1bの前半側の段差で高くなっている側に、第2移動台31の左右移動方向に向けて設けられている。スライドガイド溝32は溝内部がスライドガイド支持盤32aの上部側に係合してスライドし、その上側の第2移動台31を左右方向にスライド移動させる。
ロック及びロック解除器42は、駐輪するバイクの前輪FWの先端側を挟み板11を通じてロックし、叉そのロックを解除する機器である。ロック及びロック解除器42には例えばトグルクランプが使用されている。トグルクランプは押し引き兼用型を採用しており、実施の形態ではロッド42aを引き側にてロックする方向を採用している。ロック及びロック解除器42は、バイクの前輪FWのロック及びロック解除の操作が行い易いように、上部フレーム1の片側の側面の外部側に突出して設けられている。
ロック及びロック解除器42は、進退移動する断面円形のロッド42aを有している。ロッド42aの先端側には例えばネジ棒からなるシャフト35の後端側が螺入して連結されている。ロッド42aに連結されたシャフト35は、上部フレーム1の内側の上記第2移動台31に連結されている連結盤31aを貫通し、貫通した両外側はそれぞれナット33により締結されて、連結盤31aと一体化されている。
ロッド42aはシャフト35を介して連結盤31aと連結している。ロック及びロック解除器42は、シャフト35を介してロッド42aが連結するこの連結盤31aを通じて第2移動台31と、そして第2移動台31を介して移動台13と、連動連結されている。
ロック及びロック解除器42には、横向きに摺動する断面円形の筒型摺動取付具36を備えている。横向きに摺動する筒型摺動取付具36はその先端側が上部フレーム1の片方の側面を挿通した状態で進退摺動自在に取り付けられている。筒型摺動取付具36は第2移動台31の移動方向と同一方向に進退移動する。
ロッド42aは、ロック前までは筒型摺動取付具36と一体となって進退移動する。ロック時及びロック解除時には筒型摺動取付具36は移動しないが、ロッド42aは単独でロックストロークS2だけ進退移動する構造になっている。ロックストロークS2は二点鎖線で例えば図2~図4に表示している。
ロッド42aはこの横向きに摺動する筒型摺動取付具36の内部空洞を挿通しているが、連結盤31a寄りの前部側の筒型摺動取付具36の挿通孔の内径はロッド42aの外径より十分に大きく、進退移動時のロッド42aが筒型摺動取付具36の前部側の挿通孔の内周面に接触することはない。筒型摺動取付具36の後部側の挿通孔の内径は段差して小さくなっていて、内部を挿通するロッド42aの外周側面は接触しながら摺動する。
筒型摺動取付具36の後部側の挿通孔の内径が段差して小さくなっているのは、ロック時及びロック解除時に内部をロックストロークS2だけ進退移動するロッド42aが進退方向やこれの直交方向に対してブレながら移動することがないようにするためである。ロッド42aの側周面は筒型摺動取付具36の後部側の挿通孔の内周側面に接触しながら進退方向に摺動することで、進退方向及び直交方向へのブレが防止されて、ロッド42aのロックストロークS2だけのスムーズな進退移動が図られている。
上部フレーム1の側面に挿通する先端側の反対側になる筒型摺動取付具36の後端側には、基盤36aが固設されていて、筒型摺動取付具36と一体となって進退移動する。基盤36aには挿通孔が形成されていて、上記ロッド42aはこの基盤36aの挿通孔を挿通している。ロッド42aはこの挿通孔を進退方向に摺動する。
ロッド42aがこの基盤36aの挿通孔を進退移動するのは、バイクの前輪FWの先端側を挟み板11で両側から挟圧して倒れないように仮締めした後、最後に挟み板11でさらに両側から前輪FWの先端側を強固に挟圧して、前輪FWが両挟み板11の間から完全に外れないようにロックする場合と、そのロックを解除する場合である。前輪FWのロックは前進量a~最大前進量STの範囲内であれば任意の位置でロック可能である。
ロックをする場合には、ロッド42aは上部フレーム1の側面の外側方向に向けて、図面の矢印の前進方向に向けて,基盤36aの挿通孔をロックストロークS2だけ移動する。ロック後のロッド42aの後端は、ロック前に比べてロックストロークS2だけ、図面の矢印の前進方向に向けて移動する。ロックを解除する場合には、これと逆で、ロックストロークS2だけ逆方向に戻る。
筒型摺動取付具36の後端側に固設された基盤36aには、連節リンク42cの一端が正逆回転自在に枢結されている。連節リンク42cの他端は、ロック及びロック解除器42を操作するハンドルレバー42bの基端寄り側の屈曲部分に正逆回転自在に枢結されている。連節リンク42cは、ロッド42aを挟んで両側に取り付けられ、両側の連節リンク42cは、連結板で一体的に連結されている。
ロック及びロック解除器42を操作するハンドルレバー42bは、途中から基端側に向けてY字型に両側に分岐している。両側に分岐したハンドルレバー42bの基端は、筒型摺動取付具36及び基盤36aの内部を挿通した上記ロッド42aの後端側の両側面と、正逆回転自在に枢結されている。
ロック及びロック解除器42は、その一部を構成する筒型摺動取付具36が回転型取付具支持受け37を挿通していて、先端側は上部フレーム1の内側に位置し、ハンドルレバー42bを有する後端側は上部フレーム1の側面の外側に位置している。筒型摺動取付具36は、その外周側の回転型取付具支持受け37が正逆方向に回転しながら支持することによって、進退方向への急激な移動が予防されて、ロック及びロック解除器42が急激な進退移動によって破損などが生じるのが未然に防がれている。
図10にしめすように、回転型取付具支持受け37は、内部に断面円形の摺動孔が形成され、その摺動孔内を上記筒型摺動取付具36は摺動自在に挿通している。回転型取付具支持受け37は、進退方向摺動自在に挿通する筒型摺動取付具36を、正逆回転しながら支持する。回転型取付具支持受け37は上部フレーム1の片方の外側面に正逆回転自在に取り付けられている。
回転型取付具支持受け37は、筒型摺動取付具36の摺動方向に一定の長さを有する円形リング状の形状から形成されている。回転型取付具支持受け37の内周面には、内部側に向けて突起するガイドピン38が取り付けられている。ガイドピン38は断面円形型の形状をしている。ガイドピン38は円周方向に180度の間隔をあけて2カ所に取り付けられている。
回転型取付具支持受け37の内部側を筒型摺動取付具36が進退方向に摺動しながら移動するが、図11に示すように、筒型摺動取付具36の外周側面の2カ所にはこのガイドピン38と係合する螺旋溝36bが形成されている。螺旋溝36bは、例えば、0度~60度、180度~240度間に形成されており、0度~60度、180度~240度で最大前進量STを満足する。ここで、上記螺旋溝36bは、0度~45度、180度~225度でも構成可能である。
回転型取付具支持受け37は、ガイドピン38が直線状に進退移動する筒型摺動取付具36の螺旋溝36bに係合することによって、所定方向に正逆回転する。直線状に進退移動する筒型摺動取付具36は、螺旋溝36bと係合するガイドピン38を通じて回転する回転型取付具支持受け37によって、急激な移動が防止されてゆっくりした移動になる。
回転型取付具支持受け37は、筒型摺動取付具36が上部フレーム1の側面から外側に向けて移動つまり前進移動する場合には例えば時計回りに回転する。反対に、筒型摺動取付具36が上部フレーム1の側面から内側に向けて移動する場合には例えば反時計回りに回転する。筒型摺動取付具36の正逆の回転方向は、筒型摺動取付具36に形成された螺旋溝36bの向きによって決まる。螺旋溝36bの長さは、筒型摺動取付具36の軸心方向の長さで最大前進量STである。筒型摺動取付具36はこの最大前進量STの範囲内で進退移動可能となる。
回転型取付具支持受け37は、上部フレーム1の外側面に臨む一端部の外周側面に段差状に外周側に突出するツバ37aがその円周方向に突出形成されている。回転型取付具支持受け37が取り付けられる上部フレーム1の外側面には、ツバ37aと係合して回転型取付具支持受け37を正逆回転自在に保持する円弧状の抜け防止座39が取り付けられている。抜け防止座39はボルトなどで取り付けられている。
抜け防止座39はその先端側に内側に向けて突出する円弧状のストッパーツバ39aが形成されている。抜け防止座39のストッパーツバ39aは、回転型取付具支持受け37のツバ37aの外周側に、回転型取付具支持受け37のツバ37aと互いにその一部が重なるように取り付けられている。このストッパーツバ39aにより、回転型取付具支持受け37が前進するのを防止しており、叉回転型取付具支持受け37が抜け落ちるが防がれている。抜け防止座39は、回転型取付具支持受け37のツバ37aの外周側の円周回りに例えば240度の範囲で取り付けられている。
ロック及びロック解除器42が取り付けられる側の上部フレーム1の側面には、挿通孔が形成され、その挿通孔の外周には外側に向けて一部突出する環状ストッパー片1aが形成されている。この環状ストッパー片1aの先端面には、回転型取付具支持受け37のツバ37aが形成された側が正逆回転自在な状態で面接触して取り付けられている。
次に、上記発明を実施するための形態の構成に基づく作用について以下説明する。
バイク入庫前は、バイク駐輪装置100の上部フレーム1の内側に、バイクの前輪FWの前進方向に向けて進退スライド移動自在に設けられた移動台13は、その下面側に下向きに取り付けられたばね止軸24と、上部フレーム1の底板1bに上向きに取り付けられたばね止軸25との間に取り付けられた引張ばね26により、移動台13の端部に形成されたストッパー受け21aが後退限ストッパー片21に当接して停止している。
バイクを入庫するために、バイクの前輪FWをバイク駐輪装置100の向けて前進移動させる。バイク駐輪装置100の下部側の下部フレーム2の手前側には、前輪FWを載せて上部フレーム1に向けて案内する案内板52が配置されているので、前輪FWはこの案内板52の後端側からこの中に入る。案内板52は後端側が左右幅方向に取り付けられたピン52aにより、当初は下向きに傾いているので、スムーズに前輪FWを案内板52の内側に入れて載せることができる。
バイクの前輪FWを案内板52内に載せて、さらに前進させると、左右幅方向のピン52aを支点としてシーソーのように前後に傾く案内板52は先端側が斜め下向きに傾き、後端側が斜め上向きに持ち上がり、前輪FWの後端側が案内板52が脱輪しににくなって前進する。前進する前輪FWの前方の上部フレーム1には、手前側に向けて一対の挟み板11が左右に開いている。
この左右に開いている挟み板11の内側に向けて前輪FWを押し入れる。この一対の開いている挟み板11の下側には、手前側に向けてY字型に開くセンターガイド12が設けられている。バイクの前輪FWをさらに前進させると、センターガイド12のY字型の内側に入り込み、前輪FWの先端側がセンターガイド12のY字型の内側に当接する。
当接したバイクの前輪FWをさらに前進させると、前進する前輪FWはセンターガイド12を前方に向けて押圧移動する。押圧されて前方に移動するセンターガイド12は、その先端側が移動台13の下面に下向きに取り付けられたセンターガイド支持板12aに連結されているので、センターガイド12はこのセンターガイド支持板12aを介して移動台13を前進移動させる。
このとき、移動台13は、移動台13の下面側のばね止軸24と上部フレーム1の底板1bのばね止軸25との間に取り付けられた引張ばね26によって、後方のバイクの前輪FW側に向けて、常時、付勢されている。しかしバイクの前輪FWのセンターガイド12を前方に向けて押圧する力が、引張ばね26の付勢力に勝るので、移動台13を前進させることができる。
移動台13はその下面側に中央を挟んでその両側にスライドガイド溝23が取り付けられ、このスライドガイド溝23と係合するスライドガイド支持板23aが上部フレーム1の底板1bに取り付けられている。このため、移動台13は、スライドガイド溝23とスライドガイド支持板23aにより、前方に向けてスライドしながら前進する。前進する移動台13の下面側の両側にはブラケット14がそれぞれ取り付けられている。
このブラケット14には上下向きにシャフト16が取り付けられ、上下向きの左右の各シャフト16の中間にはピニオン15a,15bが取り付けられている。このピニオン15a,15bと噛み合うラック17が上部フレーム1の内側の両側面の後部側に取り付られているので、移動台13の前進に連動してピニオン15a,15bは回転する。図面では左側のピニオン15aは反時計回りに回転し、右側のピニオン15bは時計回りに回転する。
ピニオン15a,15bの回転に連動してその回転中心側のシャフト16もそれぞれ同じ方向に回転する。ブラケット14の上下面からそれぞれ突出する上下向きのシャフト16の上下両端には上部アーム11a及び下部アーム11bの基端側がそれぞれ一体的に固設されている。このため、上部アーム11a及び下部アーム11bは、基端側のシャフト16の連結部を中心として水平回りに回動する。左右の上部アーム11a及び下部アーム11bは、移動台13が前進方向に移動する場合には、その先端側は互いに内側に向けて回動する。
左右の上部アーム11a及び下部アーム11bの先端側にはそれぞれ左右の挟み板11が取り付けられている。左右の挟み板11は、左右の上部アーム11a及び下部アーム11bが基端側を中心として向かい合うに内側に向けて回動することにより、左右の挟み板11の間に前進したバイクの前輪FWの先端側を両側から挟んで挟圧する。
バイク前輪FWの押圧によるセンターガイド12の最大前進位置で、バイクの前輪FWは左右の挟み板11によって仮締め状態となる。センターガイド12の最大前進位置で、移動台13は最大前進量STだけ移動前の停止位置から前進したことになる。
また、前進する移動台13では、上記の動作に同時並行して、次の動作が行われている。即ち、第2移動台31を上部フレーム1の幅方向へ移動させるのである。第2移動台31は、前進する移動台13に連動して、上部フレーム1の図面では左側の側面に向けて前進する。この前進移動する第2移動台31の移動方向の前方にはロック及びロック解除器42が取り付けられている。
移動台13の前部突出片13bの図面では左端側には、前後方向に向けてラック20aが取り付けられている。このラック20aと噛み合うピニオン18が取り付けられている。さらにピニオン18と噛み合うラック20bが、第2移動台31に取り付けられている。第2移動台31は、前後方向に移動する移動台13に対して、直角方向つまり上部フレーム1の左右幅方向に移動するように取り付けられている。
移動台13が前進すると、ラック20aも同一方向に連動して移動する。移動するラック20aはこれと噛み合うピニオン18を図面では反時計回りに回転させる。回転するピニオン18は、噛み合うラック20bを図面の矢印の前進方向に移動させる。ラック20bが取り付けられた第2移動台31もラック20bの移動に連動して同一方向つまり図面の矢印の前進方向に移動する。
第2移動台31はその下面側にスライドガイド溝32が取り付けられ、このスライドガイド溝32と係合するスライドガイド支持板32aが、上部フレーム1の段差して高くなっている底板1bに取り付けられている。第2移動台31は、スライドガイド溝32とスライドガイド支持板32aにより、前方に向けてスライドしながら前進する。
前進する第2移動台31の上面側に取り付けられた連結盤31aには、ロック及びロック解除器42のロッド42aの先端側が貫通して連結されているので、ロッド42aは連結盤31aを介して第2移動台31の前進方向に一体となって移動する。つまりロッド42aはその先端側から後端側に向けて全体が平行移動する。
ロッド42aの他端側はハンドルレバー42b及び連節リンク42cを介して基盤36aに連動連結され、基盤36aは筒型摺動取付具36の後端に固設されている。このため、ロッド42aがその他端側に向けて移動すると、筒型摺動取付具36も一体となって同一方向、つまり前進方向に移動する。
筒型摺動取付具36はその外周側が回転型取付具支持受け37に支持されており、しかも、筒型摺動取付具36の外周側面の螺旋溝36bには回転型取付具支持受け37のガイドピン38が係合している。このため、回転型取付具支持受け37は、筒型摺動取付具36が移動すると、前進量a叉は最大前進量STを吸収するように、係合するガイドピン38により、螺旋溝36bに沿って回動する。
この状態で、バイクは左右の挟み板11で前輪FWの先端側が挟圧されて仮締めとなり、安定して自立できる。また、このとき、回転型取付具支持受け37からの筒型摺動取付具36の作動前の停止位置における突出し量bが、b+a、叉はb+ST、となる。なお、前進量a、最大前進量STは、移動台13の前進移動量の大小の大きさである。
このあと、バイク駐輪装置100にバイクを駐輪させる者はバイクを離れ、バイクの前方のバイク駐輪装置100の上部フレーム1の側面の外側に側方に向けて取り付けられているロック及びロック解除器42のハンドルレバー42bをロック方向に操作する。
ロック及びロック解除器42はリンク機構の働きにより、ハンドルレバー42bの基端にその後端が枢結されているロッド42aは、ロックストロークS2だけさらに後端側に移動してロックされることになる。ロッド42aがロックストロークS2だけさらに後端側に移動つまり図の矢印方向に前進すると、ロッド42aの先端側にシャフト35を介して連動連結されている連結盤31aをロックストロークS2だけ前進移動させる。なお、この実施の形態におけるロックストロークS2の移動距離は数ミリの例えば2~3mm程度としているが、使用状況に応じて、移動距離を変更できるのは勿論である。
連結盤31aが移動すると、連結盤31aが連結されている下面側の第2移動台31も前進方向にロックストロークS2だけ移動する。第2移動台31が前進すると、ラック20b、ピニオン18、ラック20aを介して連動する移動台13も前進方向にロックストロークS2だけ移動する。図8,9では、ロック及びロック解除器42に使用しているトグルクランプは、ロックのときロッド42aが引かれ、引き側にて構成している。
移動台13がさらに前進すると、ラック17と噛み合う両側のピニオン15a,15bは上部アーム11a、下部アーム11bを中央の前輪FWに向けて回動させ、アーム11a,11bの先端側に設けられている左右の挟み板11は左右両側から前輪FWの先端側をさらに挟圧してより強固に固持することになり、バイクを安全にしかも転倒させることなく確実にバイク駐輪装置100に駐輪させることができる。
次に、バイク駐輪装置100からバイクを出庫させる場合は、ロック状態のロック及びロック解除器42のハンドルレバー42bを反ロック方向に操作する。するとロッド42aはロックストロークS2だけ後退方向に移動し、これと連動する第2移動台31、移動台13もロックストロークS2だけ後退方向にそれぞれ移動する。これにより、より強固に固持していた左右の挟み板11による前輪FWの先端側のロック状態が解除されて仮締め状態に戻るので、人力でバイクを後方に移動させることができ、前輪FWを左右の挟み板11の間から抜け出させ、駐輪状態のバイクをバイク駐輪装置100から出庫させることができる。
以上、述べたように、バイク駐輪装置100へのバイク入庫並びにバイク出庫動作に際して、ロック及びロック解除器42のハンドルレバー42bのワンタッチ操作のみで可能となる。
《実施の形態-2》
この実施の形態-2で前記した実施の形態-1と異なる部分は、ロック及びロック解除器42が設けられた箇所がバイク前輪FWの前進方向に対して側方向となるフレームの片側の側面でなく、バイク前輪FWの前進方向に対してフレームを挟んで反対方向の正面側である。ロック及びロック解除器42の設けられる箇所が異なることにより、実施の形態-2では第2移動台31が不要になっている。また、これに関連して、移動台13の前部突出片13bが不要となり、ピニオン18、シャフト19、ラック20a、ラック20bなどの部材も不要となって、コンパクト化されて構造もその分簡素化されている。
図において、バイク駐輪装置100は、バイクの前輪FWの円周状の先端側を左右から挟圧して、バイクが動いたり倒れたりしないように保持して駐輪させる装置である。バイク駐輪装置100は、外形部分が例えば箱形の形状のフレームから構成され、バイクの前輪FWを左右から挟む左右一対の挟み板11、センターガイド12を始めとして、フレームの内側には移動台13などのバイクの前輪FWを挟むための種々の構造が設けられている。
図12において、挟み板11、センターガイド12の高さは一定としているが、バイクの前輪FW直径の大小に合わせ、図示しない高さ調整機能を配設してもよい。また、図12ではフレームは、例えば上部フレーム1と下部フレーム2から構成され、上部フレーム1を下部フレーム2の上に載せた構造になっているが、上下に別々でなく、上下一体のフレーム構造でもよい。
バイク駐輪装置100の手前側には、バイクの前輪FWを上部フレーム1に向けて案内する案内板52が配置されている。案内板52は中央底が前後方向に平坦面で左右両側が外向きに開いた傾斜面から形成されている。案内板52の下面の前後方向の中間には左右幅方向にピン52aが取り付けられている。また、案内板52の後部側は少し斜め上向きに傾斜した形状に形成され、案内板52はピン52aを回動支点としてシーソーのように前後が傾いて、バイクの前輪FWが入り易く、叉入った後は抜けにくくしている。図12では、案内板52のピン52aの右側を重くしていて、空車時は二点鎖線で示すように着地している。
案内板52の下側には溝型の取付台53が床面にボルトなどで固定して取り付けられているが、取付台53を下部フレーム2と一体化してもよい。取付台53の溝型の左右の側面の後部側には、切欠き溝53aが形成されている。切欠き溝53aは前輪FWの大小に大別して複数箇所に形成してもよい。図12では後部側の2カ所に前後に間をあけて形成されている。この切欠き溝53aは、案内板52の下面に左右幅方向に取り付けられたピン52aがこの切欠き溝53aの溝内に回動自在に係合することで、案内板52をこのピン52aを回動支点してシーソーのように前後に傾かせて、前輪FWを案内板52内に入り易く、叉抜けにくくしている。
上部フレーム1は、バイクの前輪FWを左右から挟む左右一対の挟み板11を始めとして、その内部には移動台13、第2移動台31などのバイクの前輪FWを挟むための種々の構造が内装された箱形の形状から構成されている。上部フレーム1は側面側は覆われているがバイクの前輪FW側に臨む後面側の中央部分が開口されていて、左右一対の挟み板11及びセンターガイド12がこの開口された部分からバイクの前輪FWが駐輪する後方に向けて、突出して設けられている。上部フレーム1の天井側の開口されている部分にはカバー41にボルトなどで取り付けられている。このカバー41は上部フレーム1の内側に配置されている機器の点検や修繕などの場合には、必要に応じて適宜開けられる。
一方の下部フレーム2は、内部は空洞になっていて、その役目は上側に載る上部フレーム1の高さを調整する脚台の機能を果たすもので、同様に箱形の形状から構成されている。上部フレーム1と下部フレーム2とは、継ぎ板51によって上下に確りと連結されている。下部フレーム2はその下部が例えばアングル及びボルトなどを介して床面に固定されている。なお、前記したように下部フレーム2は上部フレーム1と一体型でもよい。
左右一対の挟み板11は、上記したように、バイクの前輪FWの先端側を左右から挟圧してバイクが動いたり倒れたりするのを防ぐもので、バイクの前輪FWと対面する上部フレーム1の後部側にバイクの前輪FW側に向けて突出する状態で取り付けられて設けられている。左右の挟み板11は上下方向にある程度の高さがあり、叉向かい合う内面側が平面からみて円弧状に湾曲する形状に形成されていて、この円弧状の部分でバイクの断面円形の前輪FWの先端側を挟み易いようになっている。
上下に高さのある左右の各挟み板11は、その上下側の外面側が水平板状の上部アーム11a及び下部アーム11bの各先端側からその内側寄りに固設されて支持されている。上部アーム11a及び下部アーム11bの基端側は、上部アーム11aの内側に入り込んでいて、上部フレーム1の内側に取り付けられている上下にコ字型のブラケット14の後半側の上面及び下面を上下に延びるシャフト16に固設して取り付けられている。
上下に延びるシャフト16はその上下側が上下にコ字型のブラケット14の後半側の上面及び下面を上下方向に回転自在に貫通して保持されている。シャフト16の上端側はブラケット14の上面を貫通して上部アーム11aの基端側に固設され、シャフト16の下端側はブラケット14の下面を貫通して下部アーム11bの基端側に固設されている。
シャフト16は、ブラケット14の上下面を貫通する部分は断面円形に形成され、叉シャフト16が貫通するブラケット14の上下面も円形孔に形成されていて、ブラケット14に対してシャフト16は正逆回転自在に軸支されている。ブラケット14の上下面を貫通したシャフト16の上下両端は例えば断面四角形で、この断面四角形部分が上部アーム11a及び下部アーム11bの基端側に連結されていて、上部アーム11a及び下部アーム11bは正逆回転するシャフト16と一体となって回動する構成になっている。
つまり上部アーム11a及び下部アーム11bは、シャフト16の上下両端側に対して自在に回転するようにはなっていない。このため、シャフト16の上下両端側が断面四角形でなく、断面多角形や断面円形の場合には、キーや締結具などで、上部アーム11a及び下部アーム11bの基端側が、シャフト16の上下両端側で自在に回転しないように固定している。
上下に延びるシャフト16が軸芯回りに正逆回転すると、上下の上部アーム11a及び下部アーム11bは、これと一体となって、基端側を中心として水平方向回りに正逆回転して、その先端側の挟み板11を左右方向に可動させて、バイクの前輪FWの先端側を左右から挟むのである。
上下に延びる左右の各シャフト16の中間の外周にはアーム開閉用のピニオン15a,15bが取り付けられている。このピニオン15a,15bは、上部フレーム1の左右の内側の後部寄りに水平に取り付けられているアーム開閉用のラック17とかみ合って、正逆回転して各シャフト16を同一方向に軸転させ、上記の上部アーム11a及び下部アーム11bを各基端側を中心として水平方向回りに正逆回転させて、上部アーム11a及び下部アーム11bを左右に可動させるのである。ピニオン15a,15bは、上下にコ字型に形成された左右の各ブラケット14の上下の中間位置に配置されている。
上記のブラケット14は、上部フレーム1の後部側に向けて、後半側が上下にコ字型に形成された上下の板片に分かれているが、その反対側、つまり上部フレーム1の内部の前部側に向けては、途中で上下の中間近くから一つの板片に形成されている。この途中から一つの板状になっているブラケット14の前半側は、上部フレーム1の内側に水平状に配置されている板状の移動台13の左右両側にそれぞれボルトナットにより取り付けられている。
左右の挟み板11の中央真下側には、後方に駐輪するバイク前輪FWに向けてY字型のセンターガイド12が設けられている。センターガイド12の後方に対してY字型に拡開する内側部分に向けてバイクの前輪FWを押し込むと、バイク前輪FWがセンターガイド12を前方に向けて押圧移動させるが、センターガイド12は前輪FWをバイク中央に寄せる機能を有する。
つまり、前方に向けて押圧されるセンターガイド12は、移動台13を前方に向けて移動させる。このため、センターガイド12の前部側は移動台13の下面に下向きに固設されたセンターガイド支持板12aに一体的に連結されていて、バイク前輪FWに押圧されて前方に向けて移動するセンターガイド12は、前部側が連結されたセンターガイド支持板12aを介して移動台13を前方方向に移動させる。
移動台13は、バイク駐輪装置100に駐輪されるバイクの前後移動方向と同じ方向に移動するものである。移動台13は、上記したように、バイク前輪FWに押圧されて前方に向けて移動するセンターガイド12によって前方方向、つまりバイクの前進方向にスライド移動する。
移動台13は、平面からみて、左右幅方向に幅広に形成され、バイク前輪FW側に臨む後部側の中央部位は後方に向けて横長な長方形状の後部突出片13aが形成されている。叉前部側は図面では中央より少し右寄り部分から前方に向けてやや縦長な長方形状の前部突出片13bが形成されている。
移動台13が前後方向に向けてスライド移動するように、移動台13の下面側には前後方向に向けて、下向きに溝型の形状のスライドガイド溝23が設けられている。移動台13の安定を図るために、その下面側の中央のセンターガイド支持板12aを挟んでその左右両側に、スライドガイド溝23はそれぞれ取り付けられている。左右の各スライドガイド溝23はその一部が上記の移動台13の後部突出片13aの下面側まで延びて取り付けられている。移動台13の前部中央には連結盤31aが取り付けられている。
移動台13の下方には、左右の各スライドガイド溝23と凹凸係合する一対のスライドガイド支持板23aが並設されている。左右のスライドガイド支持板23aは、上部フレーム1の内側の下部側に配置された底板1bに移動台13の前後移動方向に向けて平行に設けられている。各スライドガイド溝23は溝内部がスライドガイド支持板23aの上部側に係合してスライドし、その上側の移動台13を前後方向にスライド移動させる。
左右に幅広な移動台13の左右の幅端側の下面側には、ばね止軸24が下向きにそれぞれ取り付けられている。左右の各ばね止軸24の取り付け位置に対応する少し離れた後方側の底板1bには上向きにばね止軸25がそれぞれ取り付けられている。左右のそれぞれのばね止軸24,25の間には引張ばね26が前後向きに取り付けられている。
各引張ばね26の両端はその前後のばね止軸24,25に止められている。左右の引張ばね26は、前方にスライド移動した移動台13を後方に向けて付勢していて、バイク駐輪装置100からバイクを出庫させると、移動台13は左右の引張ばね26のばね力で後方の所定の停止位置まで引き戻される。
上部フレーム1の内側の片側の側面には、左右の引張ばね26で後方に引き戻された移動台13を所定の停止位置で止めるための、後退限ストッパー片21が突起して設けられている。この突起する後退限ストッパー片21に、後方に引き戻される移動台13の横長な片側の幅端に切り欠き形成されたストッパー受け21aが係止されることで、移動台13は所定の後退位置で止まる。これにより、上部フレーム1の内側から後方の外部に不用意に、はみ出るのが防がれる。ストッパー受け21aの前後方向への切り欠きは例えば移動台13の最大前進量STである。最大前進量STは二点鎖線で例えば図13に表示している。また、図4に表示する最大前進停止位置、つまり最大前進量ST直前が、巾狭の前輪FWの締め付け最低巾である。
ロック及びロック解除器42は、駐輪するバイクの前輪FWの先端側を挟み板11を通じてロックし、叉そのロックを解除する機器である。ロック及びロック解除器42には例えばトグルクランプが使用されている。トグルクランプは押し引き兼用型を採用しており、実施の形態ではロッド42aを引き側にてロックする方向を採用している。ロック及びロック解除器42は、バイク駐輪装置100の小型化と構造の簡素化のために、上部フレーム1を挟んでバイクの前輪FWと反対側の正面側の側面の外部側に突出して設けられている。
ロック及びロック解除器42は、進退移動する断面円形のロッド42aを有している。ロッド42aの先端側には例えばネジ棒からなるシャフト35の後端側が螺入して連結されている。ロッド42aに連結されたシャフト35は、上部フレーム1の内側の上記移動台13に連結されている連結盤31aを貫通し、貫通した両外側はそれぞれナット33により締結されて、連結盤31aと一体化されている。
ロッド42aはシャフト35を介して連結盤31aと連結している。ロック及びロック解除器42は、シャフト35を介してロッド42aが連結するこの連結盤31aを通じて移動台13と連動連結されている。
ロック及びロック解除器42には、横向きに摺動する断面円形の筒型摺動取付具36を備えている。横向きに摺動する筒型摺動取付具36はその先端側が上部フレーム1の正面側の側面を挿通した状態で進退摺動自在に取り付けられている。筒型摺動取付具36は移動台13の移動方向と同一方向に進退移動する。
ロッド42aは、ロック前までは筒型摺動取付具36と一体となって進退移動する。ロック時及びロック解除時には筒型摺動取付具36は移動しないが、ロッド42aは単独でロックストロークS2だけ進退移動する構造になっている。ロックストロークS2は二点鎖線で例えば図2~図4に表示している。
ロッド42aはこの横向きに摺動する筒型摺動取付具36の内部空洞を挿通しているが、連結盤31a寄りの前部側の筒型摺動取付具36の挿通孔の内径はロッド42aの外径より十分に大きく、進退移動時のロッド42aが筒型摺動取付具36の前部側の挿通孔の内周面に接触することはない。筒型摺動取付具36の後部側の挿通孔の内径は段差して小さくなっていて、内部を挿通するロッド42aの外周側面は接触しながら摺動する。
筒型摺動取付具36の後部側の挿通孔の内径が段差して小さくなっているのは、ロック時及びロック解除時に内部をロックストロークS2だけ進退移動するロッド42aが進退方向やこれの直交方向に対してブレながら移動することがないようにするためである。ロッド42aの側周面は筒型摺動取付具36の後部側の挿通孔の内周側面に接触しながら進退方向に摺動することで、進退方向及び直交方向へのブレが防止されて、ロッド42aのロックストロークS2だけのスムーズな進退移動が図られている。
上部フレーム1の側面に挿通する先端側の反対側になる筒型摺動取付具36の後端側には、基盤36aが固設されていて、筒型摺動取付具36と一体となって進退移動する。基盤36aには挿通孔が形成されていて、上記ロッド42aはこの基盤36aの挿通孔を挿通している。ロッド42aはこの挿通孔を進退方向に摺動する。
ロッド42aがこの基盤36aの挿通孔を進退移動するのは、バイクの前輪FWの先端側を挟み板11で両側から挟圧して倒れないように仮締めした後、最後に挟み板11でさらに両側から前輪FWの先端側を強固に挟圧して、前輪FWが両挟み板11の間から完全に外れないようにロックする場合と、そのロックを解除する場合である。前輪FWのロックは前進量a~最大前進量STの範囲内であれば任意の位置でロック可能である。
ロックをする場合には、ロッド42aは上部フレーム1の側面の外側方向に向けて、図面の矢印の前進方向に向けて,基盤36aの挿通孔をロックストロークS2だけ移動する。ロック後のロッド42aの後端は、ロック前に比べてロックストロークS2だけ、図面の矢印の前進方向に向けて移動する。ロックを解除する場合には、これと逆で、ロックストロークS2だけ逆方向に戻る。
筒型摺動取付具36の後端側に固設された基盤36aには、連節リンク42cの一端が正逆回転自在に枢結されている。連節リンク42cの他端は、ロック及びロック解除器42を操作するハンドルレバー42bの基端寄り側の屈曲部分に正逆回転自在に枢結されている。連節リンク42cは、ロッド42aを挟んで両側に取り付けられ、両側の連節リンク42cは、連結板で一体的に連結されている。
ロック及びロック解除器42を操作するハンドルレバー42bは、途中から基端側に向けてY字型に両側に分岐している。両側に分岐したハンドルレバー42bの基端は、筒型摺動取付具36及び基盤36aの内部を挿通した上記ロッド42aの後端側の両側面と、正逆回転自在に枢結されている。
ロック及びロック解除器42は、その一部を構成する筒型摺動取付具36が回転型取付具支持受け37を挿通していて、先端側は上部フレーム1の内側に位置し、ハンドルレバー42bを有する後端側は上部フレーム1の側面の外側に位置している。筒型摺動取付具36は、その外周側の回転型取付具支持受け37が正逆方向に回転しながら支持することによって、進退方向への急激な移動が予防されて、ロック及びロック解除器42が急激な進退移動によって破損などが生じるのが未然に防がれている。
図10に示すように、回転型取付具支持受け37は、内部に断面円形の摺動孔が形成され、その摺動孔内を上記筒型摺動取付具36は摺動自在に挿通している。回転型取付具支持受け37は、進退方向摺動自在に挿通する筒型摺動取付具36を、正逆回転しながら支持する。回転型取付具支持受け37は上部フレーム1の片方の外側面に正逆回転自在に取り付けられている。
回転型取付具支持受け37は、筒型摺動取付具36の摺動方向に一定の長さを有する円形リング状の形状から形成されている。回転型取付具支持受け37の内周面には、内部側に向けて突起するガイドピン38が取り付けられている。ガイドピン38は断面円形型の形状をしている。ガイドピン38は円周方向に180度の間隔をあけて2カ所に取り付けられている。
回転型取付具支持受け37の内部側を筒型摺動取付具36が進退方向に摺動しながら移動するが、図11に示すように、筒型摺動取付具36の外周側面の2カ所にはこのガイドピン38と係合する螺旋溝36bが形成されている。螺旋溝36bは、例えば、0度~60度、180度~240度間に形成されており、0度~60度、180度~240度で最大前進量STを満足する。ここで、上記螺旋溝36bは、0度~45度、180度~225度でも構成可能である。
回転型取付具支持受け37は、ガイドピン38が直線状に進退移動する筒型摺動取付具36の螺旋溝36bに係合することによって、所定方向に正逆回転する。直線状に進退移動する筒型摺動取付具36は、螺旋溝36bと係合するガイドピン38を通じて回転する回転型取付具支持受け37によって、急激な移動が防止されてゆっくりした移動になる。
回転型取付具支持受け37は、筒型摺動取付具36が上部フレーム1の正面側の側面から外側に向けて移動つまり前進移動する場合には例えば時計回りに回転する。反対に、筒型摺動取付具36が上部フレーム1の側面から内側に向けて移動する場合には例えば反時計回りに回転する。筒型摺動取付具36の正逆の回転方向は、筒型摺動取付具36に形成された螺旋溝36bの向きによって決まる。螺旋溝36bの長さは、筒型摺動取付具36の軸心方向の長さで最大前進量STである。筒型摺動取付具36はこの最大前進量STの範囲内で進退移動可能となる。
回転型取付具支持受け37は、上部フレーム1の外側面に臨む一端部の外周側面に段差状に外周側に突出するツバ37aがその円周方向に突出形成されている。回転型取付具支持受け37が取り付けられる上部フレーム1の外側面には、ツバ37aと係合して回転型取付具支持受け37を正逆回転自在に保持する円弧状の抜け防止座39が取り付けられている。抜け防止座39はボルトなどで取り付けられている。
抜け防止座39はその先端側に内側に向けて突出する円弧状のストッパーツバ39aが形成されている。抜け防止座39のストッパーツバ39aは、回転型取付具支持受け37のツバ37aの外周側に、回転型取付具支持受け37のツバ37aと互いにその一部が重なるように取り付けられている。このストッパーツバ39aにより、回転型取付具支持受け37が前進するのを防止しており、叉回転型取付具支持受け37が抜け落ちるが防がれている。抜け防止座39は、回転型取付具支持受け37のツバ37aの外周側の円周回りに例えば240度の範囲で取り付けられている。
ロック及びロック解除器42が取り付けられる側の上部フレーム1の正面側の側面には、挿通孔が形成され、その挿通孔の外周には外側に向けて一部突出する環状ストッパー片1aが形成されている。この環状ストッパー片1aの先端面には、回転型取付具支持受け37のツバ37aが形成された側が正逆回転自在な状態で面接触して取り付けられている
次に、上記発明を実施するための形態の構成に基づく作用について以下説明する。
バイク入庫前は、バイク駐輪装置100の上部フレーム1の内側に、バイクの前輪FWの前進方向に向けて進退スライド移動自在に設けられた移動台13は、その下面側に下向きに取り付けられたばね止軸24と、上部フレーム1の底板1bに上向きに取り付けられたばね止軸25との間に取り付けられた引張ばね26により、移動台13の端部に形成されたストッパー受け21aが後退限ストッパー片21に当接して停止している。
バイクを入庫するために、バイクの前輪FWをバイク駐輪装置100の向けて前進移動させる。バイク駐輪装置100の下部側の下部フレーム2の手前側には、前輪FWを載せて上部フレーム1に向けて案内する案内板52が配置されているので、前輪FWはこの案内板52の後端側からこの中に入る。案内板52は後端側が左右幅方向に取り付けられたピン52aにより、当初は下向きに傾いているので、スムーズに前輪FWを案内板52の内側に入れて載せることができる。
バイクの前輪FWを案内板52内に載せて、さらに前進させると、左右幅方向のピン52aを支点としてシーソーのように前後に傾く案内板52は先端側が斜め下向きに傾き、後端側が斜め上向きに持ち上がり、前輪FWの後端側が案内板52が脱輪しににくなって前進する。前進する前輪FWの前方の上部フレーム1には、手前側に向けて一対の挟み板11が左右に開いている。
この左右に開いている挟み板11の内側に向けて前輪FWを押し入れる。この一対の開いている挟み板11の下側には、手前側に向けてY字型に開くセンターガイド12が設けられている。バイクの前輪FWをさらに前進させると、センターガイド12のY字型に開く内側に入り込み、前輪FWの先端側がセンターガイド12のY字型の内側に当接する。
当接したバイクの前輪FWをさらに前進させると、前進する前輪FWはセンターガイド12を前方に向けて押圧移動する。押圧されて前方に移動するセンターガイド12は、その先端側が移動台13の下面に下向きに取り付けられたセンターガイド支持板12aに連結されているので、センターガイド12はこのセンターガイド支持板12aを介して移動台13を前進移動させる。
このとき、移動台13は、移動台13の下面側のばね止軸24と上部フレーム1の底板1bのばね止軸25との間に取り付けられた引張ばね26によって、後方のバイクの前輪FW側に向けて、常時、付勢されている。しかしバイクの前輪FWのセンターガイド12を前方に向けて押圧する力が、引張ばね26の付勢力に勝るので、移動台13を前進させることができる。
移動台13はその下面側に中央を挟んでその両側にスライドガイド溝23が取り付けられ、このスライドガイド溝23と係合するスライドガイド支持板23aが上部フレーム1の底板1bに取り付けられている。このため、移動台13は、スライドガイド溝23とスライドガイド支持板23aにより、前方に向けてスライドしながら前進する。前進する移動台13の下面側の両側にはブラケット14がそれぞれ取り付けられている。
このブラケット14には上下向きにシャフト16が取り付けられ、上下向きの左右の各シャフト16の中間にはピニオン15a,15bが取り付けられている。このピニオン15a,15bと噛み合うラック17が上部フレーム1の内側の両側面の後部側に取り付られているので、移動台13の前進に連動してピニオン15a,15bは回転する。図面では左側のピニオン15aは反時計回りに回転し、右側のピニオン15bは時計回りに回転する。
ピニオン15a,15bの回転に連動してその回転中心側のシャフト16もそれぞれ同じ方向に回転する。ブラケット14の上下面からそれぞれ突出する上下向きのシャフト16の上下両端には上部アーム11a及び下部アーム11bの基端側がそれぞれ一体的に固設されている。このため、上部アーム11a及び下部アーム11bは、基端側のシャフト16の連結部を中心として水平回りに回動する。左右の上部アーム11a及び下部アーム11bは、移動台13が前進方向に移動する場合には、その先端側は互いに内側に向けて回動する。
左右の上部アーム11a及び下部アーム11bの先端側にはそれぞれ左右の挟み板11が取り付けられている。左右の挟み板11は、左右の上部アーム11a及び下部アーム11bが基端側を中心として向かい合うに内側に向けて回動することにより、左右の挟み板11の間に前進したバイクの前輪FWの先端側を両側から挟んで挟圧する。
バイク前輪FWの押圧によるセンターガイド12の最大前進位置で、バイクの前輪FWは左右の挟み板11によって仮締め状態となる。センターガイド12の最大前進位置で、移動台13は最大前進量STだけ移動前の停止位置から前進したことになる。
また、前進する移動台13では、上記の動作に同時並行して、次の動作が行われている。即ち、前進する移動台13の上面側に取り付けられた連結盤31aには、ロック及びロック解除器42のロッド42aの先端側が貫通して連結されているので、ロッド42aは連結盤31aを介して移動台13の前進方向に一体となって移動する。つまりロッド42aはその先端側から後端側に向けて全体が平行移動する。
ロッド42aの他端側はハンドルレバー42b及び連節リンク42cを介して基盤36aに連動連結され、基盤36aは筒型摺動取付具36の後端に固設されている。このため、ロッド42aがその他端側に向けて移動すると、筒型摺動取付具36も一体となって同一方向、つまり前進方向に移動する。
筒型摺動取付具36はその外周側が回転型取付具支持受け37に支持されており、しかも、筒型摺動取付具36の外周側面の螺旋溝36bには回転型取付具支持受け37のガイドピン38が係合している。このため、回転型取付具支持受け37は、筒型摺動取付具36が移動すると、前進量a叉は最大前進量STを吸収するように、係合するガイドピン38により、螺旋溝36bに沿って回動する。
この状態で、バイクは左右の挟み板11で前輪FWの先端側が挟圧されて仮締めとなり、安定して自立できる。また、このとき、回転型取付具支持受け37からの筒型摺動取付具36の作動前の停止位置における突出し量bが、b+a、叉はb+ST、となる。なお、前進量a、最大前進量STは、移動台13の前進移動量の大小の大きさである。
このあと、バイク駐輪装置100にバイクを駐輪させる者はバイクを離れ、バイクの前方のバイク駐輪装置100の上部フレーム1の正面側の側面の外側に側方に向けて取り付けられているロック及びロック解除器42のハンドルレバー42bをロック方向に操作する。
ロック及びロック解除器42はリンク機構の働きにより、ハンドルレバー42bの基端にその後端が枢結されているロッド42aは、ロックストロークS2だけさらに後端側に移動してロックされることになる。ロッド42aがロックストロークS2だけさらに後端側に移動つまり図の矢印方向に前進すると、ロッド42aの先端側にシャフト35を介して連動連結されている連結盤31aをロックストロークS2だけ前進移動させる。なお、この実施の形態におけるロックストロークS2の移動距離は数ミリの例えば2~3mm程度としているが、使用状況に応じて、移動距離を変更できるのは勿論である。
連結盤31aが移動すると、連結盤31aが連結されている下面側の移動台13も前進方向にロックストロークS2だけ移動する。図14に示すように、ロック及びロック解除器42に使用しているトグルクランプは、ロックのときロッド42aが引かれ、引き側にて構成している。
移動台13がさらに前進すると、ラック17と噛み合う両側のピニオン15a,15bは上部アーム11a、下部アーム11bを中央の前輪FWに向けて回動させ、アーム11a,11bの先端側に設けられている左右の挟み板11は左右両側から前輪FWの先端側をさらに挟圧してより強固に固持することになり、バイクを安全にしかも転倒させることなく確実にバイク駐輪装置100に駐輪させることができる。
次に、バイク駐輪装置100からバイクを出庫させる場合は、ロック状態のロック及びロック解除器42のハンドルレバー42bを反ロック方向に操作する。するとロッド42aはロックストロークS2だけ後退方向に移動し、これと連動する移動台13もロックストロークS2だけ後退方向に移動する。これにより、より強固に固持していた左右の挟み板11による前輪FWの先端側のロック状態が解除されて仮締め状態に戻るので、人力でバイクを後方に移動させることができ、前輪FWを左右の挟み板11の間から抜け出させ、駐輪状態のバイクをバイク駐輪装置100から出庫させることができる。
以上、述べたように、バイク駐輪装置100へのバイク入庫並びにバイク出庫動作に際して、ロック及びロック解除器42のハンドルレバー42bのワンタッチ操作のみで可能となる。
なお、この発明は上記発明を実施するための形態に限定されるものではなく、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。