JP7235708B2 - 熱伝導シートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱伝導シート並びにこれを用いた電子機器及び車載装置、並びに、熱伝導シートの製造方法に関する。
自動車には種々の電子機器が搭載されており、電子機器にはパワー半導体素子などの発熱体が用いられることがある。電子機器は、発熱体から発せられる熱によって正常に作動しなくなるおそれがあるため、発熱体が高温にならないように、発熱体から効率よく熱を奪う必要がある。そこで、発熱体とヒートシンクのような放熱体との間に熱伝導シートを配置し、発熱体の熱を、熱伝導シートを通じて放熱体に伝えることで、発熱体を冷却する手法が取られている。
熱伝導シートとしては、樹脂に熱伝導フィラーが分散されたものが知られている。このような熱伝導シートの製造方法として、特許文献1には、面方向に配向したフィラーを含む樹脂シート前駆体を、押出方向に対して略垂直な方向に折り畳みながら融着させ、フィラーを樹脂シートの厚さ方向に配向させる方法が開示されている。
特開2015-71287号公報
熱伝導フィラーが樹脂シートの厚さ方向に配向している場合、厚さ方向に熱伝導パスが形成されるため、発熱体から効率よく熱を奪うことができる。しかしながら、特許文献1の方法では、樹脂シート前駆体は、流路の断面積の大きさの差を利用して樹脂シート前駆体の流れを変化させて折り畳んでいる。そのため、樹脂シートは蛇行しながら折り畳まれるおそれがあり、フィラーの配向を正確に制御することが困難である。そして、樹脂シートが蛇行して折り畳まれた場合には、十分な熱伝導性が得られないおそれがある。
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、厚さ方向に高い熱伝導性を有する熱伝導シート並びにこれを用いた電子機器及び車載装置、並びに、熱伝導シートの製造方法を提供することにある。
本発明の態様に係る熱伝導シートは、シリコーンゴムと、シリコーンゴム内に分散された異方性の熱伝導フィラーとを含有する樹脂組成物を備える。樹脂組成物に対する熱伝導フィラーの含有量は52体積%以上75体積%以下である。熱伝導フィラーの長軸は厚さ方向に配向し、熱伝導シートの厚さ方向からX線回折法で測定したスペクトルのうち(100)面のピーク強度に対する(002)面のピーク強度の割合は0.31以下である。
本発明の他の態様に係る熱伝導シートの製造方法は、シリコーンと、シリコーン内に分散された異方性の熱伝導フィラーとを含有する樹脂組成物を備え、熱伝導フィラーの長軸が面方向に配向する樹脂シートを、樹脂シートの一方の面側に配置された第1ブレードと、樹脂シートの一方の面とは反対の面側に配置された第2ブレードとでプリーツ加工によって折り畳んで積層体を形成する積層体形成工程を含む。熱伝導シートの製造方法は、積層体中のシリコーンを架橋して架橋された積層体を生成する架橋工程を含む。樹脂組成物に対する熱伝導フィラーの含有量は52体積%以上75体積%以下である。熱伝導シートの厚さ方向からX線回折法で測定したスペクトルのうち(100)面のピーク強度に対する(002)面のピーク強度の割合は0.31以下である。
本発明によれば、厚さ方向に高い熱伝導性を有する熱伝導シート並びにこれを用いた電子機器及び車載装置、並びに、熱伝導シートの製造方法を提供することができる。
本実施形態に係る熱伝導シートの一例を示す断面図である。 本実施形態に係る熱伝導シートの製造方法の一例を示す模式図である。
以下、図面を用いて本実施形態に係る熱伝導シート、電子機器及び車載装置、並びに、熱伝導シートの製造方法について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
[熱伝導シート]
本実施形態に係る熱伝導シート10は樹脂組成物を備える。樹脂組成物は、図1に示すように、シリコーンゴム11と、シリコーンゴム11内に分散された異方性の熱伝導フィラー12とを含有する。
シリコーンゴム11は、シリコーンを架橋した架橋体を含む。シリコーンゴム11は、物理的な振動を吸収する効果が高いため、車両などのように振動が多い場所でも使用することが可能である。シリコーンは、主鎖がシロキサン結合で構成されたポリオルガノシロキサンである。シリコーンは、ジメチルシロキサンのようなオルガノシロキサンの単独重合体又は共重合体を含んでいてもよい。シリコーンは、ビニルシリコーン、フェニルシリコーン及びフッ化シリコーンからなる群より選択される少なくとも1以上のシリコーンが含まれていてもよい。
シリコーンゴム11は、過酸化物架橋型、付加反応架橋型又はこれらの組み合わせであってもよい。過酸化物架橋型では、例えば、有機過酸化物をシリコーンに添加してフリーラジカルを発生させることでシリコーンが架橋されてシリコーンゴム11が生成される。付加反応架橋型では、例えば、白金触媒存在下でビニル基を有するシリコーンをヒドロシリル化することによって架橋されてシリコーンゴム11が生成される。
熱伝導フィラー12は熱伝導性を有するフィラーであり、発熱体から効率よく熱を奪うことができる。熱伝導フィラー12の熱伝導率は、シリコーンゴム11の熱伝導率よりも大きいことが好ましい。具体的には、熱伝導フィラー12の熱伝導率は、5W/m・K以上であることが好ましく、10W/m・K以上であることがより好ましい。また、熱伝導フィラー12の熱伝導率は、大きい程好ましいため上限はないが、例えば500W/m・K以下であってもよく、300W/m・K以下であってもよい。熱伝導率は、熱拡散率、比熱容量及び密度の積を算出することにより得ることができる。熱拡散率は、JIS R1611に準じてレーザーフラッシュ法によって測定することができる。比熱容量は、JIS K7123-1987に準じてDSC(Differential scanning calorimetry)法によって測定することができる。密度は、JIS K7112:1999に準じて水中置換法によって測定することができる。
熱伝導フィラー12は、無機物質及び金属の少なくともいずれか一方を含んでいてもよい。無機物質は、例えば、窒化ホウ素、炭素、アルミナ及び窒化アルミニウムからなる群より選択される少なくとも1つの物質を含んでいてもよい。なお、熱伝導性及び電気絶縁性に優れていることから、熱伝導フィラー12は窒化ホウ素を含むことが好ましい。
熱伝導フィラー12は異方性を有し、例えば、球状又は略球状以外の形状を有する。具体的には、熱伝導フィラー12は、中心を通る断面の長軸と短軸のアスペクト比が例えば2以上である。アスペクト比は5以上であってもよく、10以上であってもよい。また、アスペクト比は100以下であってもよく、50以下であってもよい。長軸は熱伝導フィラー12の中心を通る最も長い部分であり、短軸は熱伝導フィラー12の中心を通る最も短い部分である。熱伝導フィラー12は、例えば、鱗片、板、膜、円柱、楕円、扁平、螺旋、繊維及び針からなる群より選択される少なくとも1つの形状を有していてもよい。
熱伝導フィラー12は、窒化ホウ素、黒鉛及びグラフェンなどを有する鱗片状、板状、膜状、円柱状、楕円状及び扁平形状のフィラーであってもよい。また、熱伝導フィラー12は、炭素、アルミナ、窒化アルミニウム、金属、窒化ホウ素ナノチューブ及びカーボンナノチューブのような繊維状又は針状のフィラーであってもよい。
熱伝導フィラー12の平均粒子径は20μm以上100μm以下であることが好ましい。平均粒子径が20μm以上であると、シリコーン内に分散された熱伝導フィラー12同士が配向した状態で接触して熱伝導パスが形成されやすくなるため、熱伝導シート10の放熱性を向上させることができる。また、平均粒子径が100μm以下であると、安定した形状を有する熱伝導シート10を得ることができる。なお、本明細書において、平均粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査型電子顕微鏡(SEM)などの顕微鏡を用いて測定した少なくとも10以上の無機粒子の長軸の平均値である。
樹脂組成物に対する熱伝導フィラー12の含有量は52体積%以上75体積%以下である。熱伝導フィラー12の含有量を52体積%以上とすることにより、熱伝導シート10の熱伝導性を高くすることができる。また、熱伝導フィラー12の含有量を75体積%以下とすることにより、安定した形状を有する熱伝導シート10を得ることができる。熱伝導フィラー12の含有量は、70体積%以下であることが好ましく、65体積%以下であることがより好ましく、60体積%以下であることがさらに好ましく、58体積%以下であることが特に好ましい。
樹脂組成物は、シリコーン及び異方性の熱伝導フィラー12に加え、球状又は略球状の等方性の熱伝導フィラーを含有していてもよい。等方性の熱伝導フィラーは、異方性の熱伝導フィラー12と同様の材料を含んでいてもよく、異なる材料を含んでいてもよい。また、樹脂組成物は、シリコーン及び熱伝導フィラーに加え、補強剤、充填剤、軟化剤、可塑剤、老化防止剤、粘着付与剤、帯電防止剤、練り込み接着剤等の公知の添加剤を含有していてもよい。
熱伝導フィラー12の長軸は厚さ方向に配向し、熱伝導シート10の厚さ方向からX線回折法で測定したスペクトルのうち(100)面のピーク強度に対する(002)面のピーク強度の割合は0.31以下である。(100)面と(002)面とは互いに直行する結晶面である。上記割合を0.31以下とすることにより、シートの厚さ方向に熱伝導フィラー12の(100)面が配向する割合が大きくなるため、熱伝導シート10の厚さ方向の熱伝導性が向上する。結晶面のピーク強度は、熱伝導シート10の厚さ方向の表面をX線回折法によって測定することができる。なお、本明細書において、ピーク強度は、ピークの積分面積を表す。
熱伝導シート10の厚さ方向の熱伝導率は、8W/m・K以上であることが好ましい。このような熱伝導シート10は、一方の面から他方の面への熱伝導性が高いため、発熱体から効率よく熱を奪うことができる。熱伝導率は、高い程好ましいため上限は特に限定されないが、例えば100W/m・Kである。熱伝導率は、上述した方法によって測定することができる。
熱伝導シート10の厚さは、用途に応じて適宜変更することができるが、例えば、0.1mm~10mmであってもよい。熱伝導シート10の厚さがこのような範囲であると、熱の放散性も高く、取り扱いが容易である。
以上の通り、本実施形態に係る熱伝導シート10は、シリコーンゴム11と、シリコーンゴム11内に分散された異方性の熱伝導フィラー12とを含有する樹脂組成物を備える。樹脂組成物に対する熱伝導フィラー12の含有量は52体積%以上75体積%以下である。熱伝導フィラー12の長軸は厚さ方向に配向し、熱伝導シート10の厚さ方向からX線回折法で測定したスペクトルのうち(100)面のピーク強度に対する(002)面のピーク強度の割合は0.31以下である。そのため、熱伝導シート10は厚さ方向に高い熱伝導性を有する。したがって、熱伝導シート10で発熱体を被覆した場合に、発熱体から熱を効率よく奪うことができる。
[電子機器]
本実施形態に係る電子機器は熱伝導シート10を備える。上述の通り、熱伝導シート10は厚さ方向に高い熱伝導性を有する。そのため、電子機器に熱伝導シート10を用いることで、電子機器の発熱による不具合を防ぐことができる。電子機器は、発熱体と、発熱体を被覆する熱伝導シート10とを備えてもよい。発熱体を熱伝導シート10で被覆することにより、熱伝導シート10の一方の面に配置された発熱体から熱を奪い、熱伝導シート10のもう一方の面である放熱面から熱を放散することができる。熱伝導シート10の放熱面には、ヒートシンクのような放熱体が設けられてもよい。発熱体と熱伝導シート10とは直接接していてもよく、接着剤のような層を介して間接的に接していてもよい。また、熱伝導シート10と放熱体とは直接接していてもよく、接着剤のような層を介して間接的に接していてもよい。
発熱体は、例えば、パワー半導体素子及びIC(Integrated Circuit)などを含む。パワー半導体素子は、例えば、ダイオード、サイリスタ、ゲートターンオフサイリスタ、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)、及びIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などが挙げられる。
電子機器の熱伝導シート10にはシリコーンゴム11が用いられており、シリコーンゴム11が振動を吸収しやすいことから、電子機器は車載用とすることもできる。ただし、電子機器は、車載用に限らず、家庭用電子機器であってもよい。
[車載装置]
本実施形態に係る車載装置は、上述した電子機器と、電子機器に電気的に接続されるワイヤーハーネスとを備える。上述の通り、電子機器は、熱伝導シート10によって効果的に熱を奪うすることができる。そのため、上記電子機器を備える車載装置は、熱による不具合を低減することができる。
ワイヤーハーネスは、複数の絶縁電線と、複数の絶縁電線の端部に設けられたコネクタとを備えていてもよい。絶縁電線は、金属導体と、金属導体を被覆する絶縁層とを備えていてもよい。コネクタは、相手方コネクタと電気的に接続可能なように設けられており、相手方コネクタと接続されることで、相手方コネクタが設けられた電子機器と電気的に接続可能である。
[熱伝導シートの製造方法]
熱伝導シート10の製造方法は、積層体形成工程と、架橋工程と、スライス工程とを含む。熱伝導シート10は、例えば図2に示すように、押出機20及び積層体成形機30によって製造することができる。以下、図2を用いて本実施形態に係る熱伝導シート10の製造方法について説明する。
(積層体形成工程)
積層体形成工程は、まず、シリコーンと、シリコーン内に分散された異方性の熱伝導フィラー12とを含有する樹脂組成物を備え、熱伝導フィラー12の長軸が面方向に配向する樹脂シート25が生成される。樹脂シート25は、例えば押出機20によって形成することができる。シリコーン及び熱伝導フィラー12などの原料は、混練機で事前に混練されてから間接的に押出機20に投入されてもよく、押出機20に直接的に投入されてもよい。原料は、混練機又は押出機20に、同時に一段階で投入されてもよく、個別に多段階に分けて投入されてもよい。
混練機は原料を混練することができれば特に限定されず、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー及びロールミル等の公知の混練機を使用することができる。また、押出機20は、単軸押出成形機及び二軸押出成形機のような公知の押出機を使用することができる。押出機20の出口には、例えばTダイが設けられており、樹脂組成物をTダイからシート状に押し出し、シート状の押出物を引き取ることで、熱伝導フィラー12の長軸を押出方向(Machine Direction)に配向することができる。すなわち、熱伝導フィラー12の長軸を樹脂シート25の面方向に配向させることができる。シート状の押出物は、引き取りの際、必要に応じ、冷却ロールなどで冷却してもよい。
なお、本実施形態では、押出機20を用いて樹脂シート25を作製する例について説明したが、このような形態に限定されない。例えば、ロールミルなどで原料が混練され、生成された樹脂シート25を、熱伝導フィラー12の長軸が面方向に配向する樹脂シート25として使用することもできる。
シリコーンは、例えば、ジメチルジクロロシランのようなオルガノハロシランから生成されるシラノールを脱水縮合することで得ることができる。また、シリコーンは、例えば、環状ジオルガノシロキサンを開環重合することで得ることもできる。
熱伝導フィラー12は上述したものを使用することができる。また、樹脂組成物に対する熱伝導フィラー12の含有量は52体積%以上75体積%以下である。熱伝導フィラー12は、シリコーンに対する反応性を向上させるため、例えばシランカップリング剤及び界面活性剤などの表面処理剤で表面処理されてもよい。熱伝導フィラー12は、シリコーンに添加される前に表面処理されてもよく、シリコーンと一緒に混合しながらインテグラルブレンド法で表面処理されてもよい。ただし、シリコーンに対する熱伝導フィラー12の反応性をより向上させるためには、熱伝導フィラー12はシリコーンに添加される前に表面処理されることが好ましい。
原料は、架橋剤、シリコーンオイルなどの可塑剤、及び上述した補強剤などの添加剤を含んでいてもよい。架橋剤は例えば有機過酸化物を含んでいてもよい。有機過酸化物を添加することによって、後述する架橋工程において、シリコーンにフリーラジカルを発生させることができる。有機過酸化物は、例えば、2,5-ジメチル-2,5-ビス(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、ジ-tert-ブチルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(tert-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル-4,4-ビス(tert-ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、tert-ブチルパーオキシベンゾエート、tert-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、及び、tert-ブチルクミルパーオキサイドなどを用いることができる。有機過酸化物は、一種を単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。有機過酸化物の添加量は、シリコーン100質量部に対して0.05~3質量部であることが好ましい。
押出成形機での成形温度は、シリコーンが架橋剤によって架橋される温度よりも低い温度であることが好ましい。成形温度は、樹脂組成物の組成などによって適宜変更することができるが、例えば、20℃~50℃である。
樹脂シート25は、熱伝導シート10の上記ピーク強度比が所定の値以下となれば特に限定されないが、押出時のシート厚を調節することによって、熱伝導フィラー12の長軸を樹脂シート25の押出方向に配向させることができる。具体的には、シート厚の設定条件を例えば0.3~2.0mmの範囲とすることで、熱伝導フィラー12の長軸をシートの押出方向に配向させることができる。
樹脂シート25の厚さは特に限定されないが、生産速度の観点から、0.1mm以上であることが好ましく、0.3mm以上であることがより好ましい。また、樹脂シート25の厚さは、生産の容易さの観点から、5mm以下であることが好ましく、2mm以下であることがより好ましい。
樹脂シート25は、巻取ロールでロール状に巻き取られた後に後述する積層体成形機30に間接的に供給されてもよく、樹脂シート25を巻取ロールなどで巻き取らずに積層体成形機30に直接供給されてもよい。
(積層体形成工程)
積層体形成工程では、樹脂シート25を、プリーツ加工によって折り畳んで積層体26を形成する。プリーツ加工は、図2に示すように、例えばアコーディオンプリーツマシンのような積層体成形機30によって形成することができる。積層体成形機30は、例えば、載置台31と、第1ブレード32と、第2ブレード33と、第1プレート34と、第2プレート35と、スライド部36とを備えている。
巻取ロール又は押出機20から積層体成形機30に供給された樹脂シート25は、載置台31の上に載置される。載置台31は、樹脂シート25を搬送する際に樹脂シート25を支持する。載置台31は、一時的に樹脂シート25を支持するために用いられるものであるため、載置台31に代えて樹脂シート25を搬送する搬送ロールのようなものが用いられてもよい。載置台31を通過した樹脂シート25は、第1ブレード32及び第2ブレード33の間を通過し、第1プレート34、第2プレート35及びスライド部36で包囲された空間37に向かって搬送される。
第1ブレード32は、樹脂シート25の一方の面側に配置されている。第1ブレード32は、具体的には、樹脂シート25の上方に配置されている。第1ブレード32は、樹脂シート25の押出方向かつ厚さ方向に対して垂直方向である幅方向に延在する略矩形状のブレードである。第1ブレード32は、樹脂シート25の厚さ方向及び押出方向に動くように設けられている。そのため、第1ブレード32が下方へ移動することで、第1ブレード32の下方を通過する樹脂シート25を、第1ブレード32が接する部分で、樹脂シート25の幅方向に沿って屈曲部(屈曲線)が形成されるように樹脂シート25を屈曲させながら押し下げる。また、第1ブレード32が樹脂シート25に接した状態で押出方向前方に移動することにより、樹脂シート25を押出方向前方に移動させる。
第2ブレード33は、樹脂シート25の一方の面とは反対の面側に配置されている。第2ブレード33は、具体的には、樹脂シート25の下方に配置されている。第2ブレード33は、樹脂シート25の幅方向に延在する略矩形状のブレードである。第2ブレード33は、樹脂シート25の厚さ方向及び押出方向に動くように設けられている。そのため、第2ブレード33が上方へ移動することで、第2ブレード33の上方を通過する樹脂シート25を、第2ブレード33が接する部分で、樹脂シート25の幅方向に沿って屈曲部が形成されるように樹脂シート25を屈曲させながら押し上げる。また、第2ブレード33が樹脂シート25に接した状態で押出方向前方に移動することにより、樹脂シート25を押出方向前方に移動させる。
第1ブレード32と第2ブレード33とは、押出方向において、所定の間隔を空けて配置されている。第1ブレード32が樹脂シート25を屈曲させながら押し下げ、第2ブレード33が樹脂シート25を屈曲させながら押し上げる。また、第1ブレード32及び第2ブレード33は押出方向前方に移動する。そのため、樹脂シート25は、Z字状に屈曲しながら空間37に収容される。なお、第1ブレード32及び第2ブレード33によって樹脂シート25がZ字状に屈曲する際、樹脂シート25は屈曲部間で引き伸ばされてもよい。これにより、樹脂シート25の押出方向に熱伝導フィラー12の長軸が配向しやすくなる。
第1ブレード32及び第2ブレード33は、Z字状の樹脂シート25が空間37に収容されると元の位置に戻る。そして、第1ブレード32は厚さ方向下側及び押出方向前方に移動し、第2ブレード33は厚さ方向上側及び押出方向前方に移動することで、先ほどと同様に、樹脂シート25をZ字状に屈曲させる。これが繰り返されることにより、第1ブレード32及び第2ブレード33は、押出方向において所定の間隔を空けて、樹脂シート25を繰り返しZ字状に屈曲させることができる。なお、本実施形態では、第1ブレード32は第2ブレード33に対して押出方向において前方に配置されているが、第1ブレード32は第2ブレード33に対して押出方向において後方に配置されてもよい。
空間37の樹脂シート25の押出方向前方には、スライド部36が設けられている。第2プレート35は第1プレート34と空間37を介して平行に配置されており、スライド部36は第1プレート34と第2プレート35との間に配置されている。スライド部36は、第1プレート34及び第2プレート35に対してスライド可能なように設けられている。空間37には、略Z字状に屈曲した樹脂シート25が搬送され続ける。蛇腹のように交互に繰り返し屈曲して積層した樹脂シート25は、スライド部36の反作用によって、空間37内で樹脂シート25の積層方向に加圧されることによって、積層体26が形成される。積層体26を加圧する力は、スライド部36の荷重を変更することにより調整することができる。また、第1プレート34と第2プレート35との距離は変動可能なように設けられており、第1プレート34と第2プレート35との距離を変更することによって、積層体26の幅方向の厚さを変更することができる。
以上のように、積層体形成工程では、樹脂シート25を、第1ブレード32と第2ブレード33とでプリーツ加工によって折り畳んで積層体26を形成する。
(架橋工程)
架橋工程では、積層体26中のシリコーンを架橋して架橋された積層体26を生成する。積層体26中のシリコーンを架橋することにより、シリコーン同士が架橋され、物理的特性に優れたシリコーンゴム11を生成することができる。架橋の際には、樹脂シート25内のシリコーン同士、及び、樹脂シート25間のシリコーン同士が架橋される。
シリコーンは、積層体26を加熱する加熱部によって加熱することができる。加熱部は、例えば、第1プレート34に含まれていてもよい。加熱温度は、原料となるシリコーン及び架橋剤の種類にもよるが、例えば、120℃~190℃である。シリコーンの加熱時間は、原料となるシリコーン及び架橋剤の種類にもよるが、例えば、3分~20分である。積層体26は加圧しながら加熱してもよく、積層体26を加圧する圧力は、例えば、5kPa~15kPaである。なお、本実施形態では、第1プレート34が加熱部を含む例について説明したが、加熱部は、第2プレート35又はスライド部36のような部材に含まれていてもよい。
(スライス工程)
スライス工程では、架橋された積層体26を、樹脂シート25の屈曲部が露出する面に対して平行にスライスしてもよい。樹脂シート25は、上述のように、幅方向に沿って屈曲部が形成されるように略Z字状に屈曲される。そのため、積層体26では、屈曲部が露出する面に対して垂直方向に、熱伝導フィラー12の長軸が配向している。そのため、上記のようにスライスすることにより、所望の厚さを有し、熱伝導フィラー12の長軸が厚さ方向に配向する熱伝導シート10を得ることができる。なお、スライス前の積層体26が所望の厚さを有している場合には、スライス工程は必要でなく、積層体26を熱伝導シート10としてそのまま電子機器などに用いてもよい。
このようにして製造される熱伝導シート10の厚さ方向からX線回折法で測定したスペクトルのうち(100)面のピーク強度に対する(002)面のピーク強度の割合は0.31以下である。上記割合を0.31以下とすることにより、熱伝導シート10の厚さ方向に熱伝導フィラー12の(100)面が配向するため、熱伝導シート10の厚さ方向の熱伝導性が向上する。なお、熱伝導シート10の厚さ方向は、積層体26の屈曲部が露出する面に対して垂直方向に相当する。
以上の通り、本実施形態に係る熱伝導シート10の製造方法は、積層体形成工程と、架橋工程とを含む。積層体形成工程では、樹脂シート25を、樹脂シート25の一方の面側に配置された第1ブレード32と、樹脂シート25の一方の面とは反対の面側に配置された第2ブレード33とでプリーツ加工によって折り畳んで積層体26を形成する。樹脂シート25は、シリコーンと、シリコーン内に分散された異方性の熱伝導フィラー12とを含有する樹脂組成物を備え、熱伝導フィラー12の長軸が面方向に配向する。架橋工程では、積層体26中のシリコーンを架橋して架橋された積層体26を生成する。樹脂組成物に対する熱伝導フィラー12の含有量は52体積%以上75体積%以下である。また、熱伝導シート10の厚さ方向からX線回折法で測定したスペクトルのうち(100)面のピーク強度に対する(002)面のピーク強度の割合は0.31以下である。
本実施形態に係る熱伝導シート10の製造方法によれば、上述したような厚さ方向に高い熱伝導性を有する熱伝導シート10を製造することができる。また、上記方法によれば、積層体成形機30のピッチ及びクリアランスなどの設定を変更することで熱伝導フィラーの長軸の配向を容易に制御することができる。そのため、従来技術のように、特殊な金型を用いて押出成形しなくても、熱伝導性の高い熱伝導シート10を製造することができる。また、従来技術のように、特殊な金型を用いて樹脂の流動性を制御する必要がないため、生産性を向上させることも期待できる。なお、ピッチは、第1ブレード32が最も下側に移動し、第2ブレード33が最も上側に移動した場合における、第1ブレード32と第2ブレード33との間であって、樹脂シート25の積層方向における距離に相当する。クリアランスは、第1プレート34と第2プレート35との間の距離であり、樹脂シート25の屈曲部間の距離に相当する。
以下、本実施形態を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の材料を表1に示す比率で十分に混練され、熱伝導フィラーの長軸が面方向(押出方向)に配向する樹脂シートを単軸押出成形機で作製した。作製した樹脂シートの厚さを表1に示す。なお、表1の熱伝導フィラーの体積割合は、熱伝導フィラーの質量及び密度から算出された体積を、熱伝導シートの体積で除することによって算出した。
シリコーン ダウ社SILASTIC(登録商標)DY32-1005U
架橋剤A 2,5-ジメチル-2,5-ビス(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン ダウ社SILASTIC(登録商標)RC-4 50P
架橋剤B ダウ社SILASTIC(登録商標)MR-53
可塑剤 シリコーンオイル 信越化学工業株式会社信越シリコーン(登録商標)KF9600-3000cs
熱伝導フィラー 異方性窒化ホウ素(BN) Momentive社製PolarTherm(登録商標)PT110 平均粒子径45μm
得られた樹脂シートを、図2に示すような株式会社東洋工機製のアコーディオンプリーツマシン(製品名 アコーディオンプリーツマシン TK-11)で蛇腹状にプリーツ加工した。上記マシンは、上述したように、樹脂シート25を、樹脂シート25の一方の面側に配置された第1ブレード32と、樹脂シート25の一方の面とは反対の面側に配置された第2ブレード33とでプリーツ加工によって折り畳んで積層体26を形成することができる。アコーディオンプリーツマシンは、スライド部36の荷重を4kg以上、ピッチ及びクリアランスを表1に示すように設定した。なお、ピッチは、第1ブレード32が最も下側に移動し、第2ブレード33が最も上側に移動した場合における、第1ブレード32と第2ブレード33との間であって、樹脂シート25の積層方向における距離に相当する。クリアランスは、第1プレート34と第2プレート35との間の距離であり、樹脂シート25の屈曲部間の距離に相当する。
上記マシンの第1プレート34が加熱部を含んでおり、加熱部の温度を170℃に設定した。そして、得られた積層体26中のシリコーンが架橋された積層体26を生成した。架橋された積層体26を、樹脂シートの屈曲部が露出する面に対して平行に厚さ1mmでスライスした。このようにして、熱伝導シートを得た。
Figure 0007235708000001
[評価]
(X線回折)
熱伝導シートの厚さ方向の最表面を、広角X線回折装置を用い、X線源Cu-Kα、管電圧50V及び管電流1000μA測定した。測定して得られたXRDパターンから、(100)面のピーク強度に対する(002)面のピーク強度の割合((002)面のピーク強度/(100)面のピーク強度)を算出した。
(熱伝導率)
熱伝導シートの厚さ方向の熱伝導率を熱伝導率測定装置(英弘精機株式会社製熱伝導率測定装置HC-110)を用いて測定した。熱伝導率は、以下の数式(1)を算出することにより得た。
λ=α・ρ・Cp ・・・・(1)
上記数式(1)中、λは25℃の熱伝導率(W/m・K)、αは25℃の熱拡散率(m/s)、Cpは25℃の比熱容量(J/kg・K)、ρは25℃の密度(kg/m)を表す。なお、熱拡散率はJIS R1611に準じてレーザーフラッシュ法によって測定した。比熱容量はJIS K7123-1987に準じてDSC法によって測定した。密度はJIS K7112:1999に準じて水中置換法によって測定した。
この測定結果を表1に示す。
実施例1の熱伝導シートでは、熱伝導率が8.0W/m・K以上であった。(100)面のピーク強度に対する(002)面のピーク強度の割合が0.31以下であったためと考えられる。
一方、比較例1の熱伝導シートは、実施例1と同一の樹脂シートを用いて作製したが、熱伝導率は7.8W/m・K以下であった。プリーツマシンのピッチ及びクリアランスを広くして樹脂成形体を作製したため、プリーツ加工時に樹脂シートが延伸されず、熱伝導シートの配向が十分ではなかったと考えられる。そのため、ピーク強度比が0.31を超え、実施例1の熱伝導シートよりも熱伝導率が低下したと考えられる。
比較例2及び比較例3の熱伝導シートでは、プリーツ加工できなかった。熱伝導フィラーの含有量が少なく、シートのべたつきが大きいため、プリーツマシン内で形状が崩れてしまい、配向方向を保てなかったためと考えられる。
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
10 熱伝導シート
11 シリコーンゴム
12 熱伝導フィラー
25 樹脂シート
26 積層体
32 第1ブレード
33 第2ブレード

Claims (3)

  1. 熱伝導シートの製造方法であって、
    シリコーンと、前記シリコーン内に分散された異方性の窒化ホウ素を含む熱伝導フィラーとを含有する樹脂組成物を備え、前記熱伝導フィラーの長軸が面方向に配向する樹脂シートを、前記樹脂シートの一方の面側に配置された第1ブレードと、前記樹脂シートの前記一方の面とは反対の面側に配置された第2ブレードとでプリーツ加工によって折り畳んで積層体を形成する積層体形成工程と、
    前記積層体中の前記シリコーンを架橋して架橋された積層体を生成する架橋工程と、
    を含み、
    樹脂組成物に対する前記熱伝導フィラーの含有量は52体積%以上75体積%以下であり、
    前記熱伝導シートの厚さ方向からX線回折法で測定したスペクトルのうち前記窒化ホウ素の(100)面のピーク強度に対する前記窒化ホウ素の(002)面のピーク強度の割合は0.31以下である、熱伝導シートの製造方法。
  2. 前記架橋された積層体を、前記樹脂シートの屈曲部が露出する面に対して平行にスライスするスライス工程をさらに含む、請求項に記載の熱伝導シートの製造方法。
  3. 前記第1ブレードが最も前記一方の面側に移動し、前記第2ブレードが最も前記反対の面側に移動した場合における、前記第1ブレードと前記第2ブレードとの間であって、前記樹脂シートの積層方向における距離は10mm以下であり、
    前記樹脂シートの屈曲部間の距離は15mm以下である、請求項1又は2に記載の熱伝導シートの製造方法。
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