JP2017183680A - プレ熱伝導シートの製造方法および熱伝導シートの製造方法 - Google Patents

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Keisuke Ito
圭佑 伊藤
小川 貴弘
Takahiro Ogawa
貴弘 小川
将純 小島
Masazumi Kojima
将純 小島
尚宏 挾間
Naohiro Hazama
尚宏 挾間
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Abstract

【課題】取扱い性に優れ、熱伝導性フィラーが水平面内方向に良好に配向したプレ熱伝導シートを、支持フィルムを用いることなく連続製造できる、プレ熱伝導シートの製造方法、並びに取扱い性及び熱伝導性に優れた熱伝導シートを連続製造できる、熱伝導シートの製造方法を提供する。【解決手段】常温固体の熱可塑性樹脂と、粒子状炭素材料とを含む組成物を調製する工程と、該組成物を、回転軸が互いに略水平かつ互いに平行に配置された少なくとも一対の圧延ロール間を重力方向に通過させて圧延することにより、プレ熱伝導シートを得る工程と、を含む、プレ熱伝導シートの製造方法。前記製造方法で製造されたプレ熱伝導シートを、厚み方向に複数枚積層して、或いは、折畳または捲回して、積層体を形成する工程と、該積層体を、積層方向に対して45°以下の角度でスライスして、熱伝導シートを得る工程と、を含む、熱伝導シートの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、プレ熱伝導シートの製造方法および熱伝導シートの製造方法に関する。
近年、プラズマディスプレイパネル(PDP)や集積回路(IC)チップ等の電子部品は、高性能化に伴って発熱量が増大している。その結果、電子部品を用いた電子機器では、電子部品の温度上昇による機能障害対策を講じる必要が生じている。
電子部品の温度上昇による機能障害対策としては、一般に、電子部品等の発熱体に対し、金属製のヒートシンク、放熱板、放熱フィン等の放熱体を取り付けることによって、放熱を促進させる方法が採られている。そして、放熱体を使用する際には、発熱体から放熱体へと熱を効率的に伝えるために、熱伝導率が高いシート状の部材(熱伝導シート)を介し、この熱伝導シートに対して所定の圧力をかけることで発熱体と放熱体とを密着させている。そして、発熱体と放熱体との間に挟み込んで使用される熱伝導シートには、高い熱伝導率に加え、高い柔軟性を有することが求められてきた。
熱伝導シートは、一般に、柔軟性に優れる樹脂と熱伝導性に優れる炭素材料とを含む組成物から製造されている。そして、熱伝導シートの熱伝導率を高める目的で、熱伝導シートに含有される炭素材料として異方形状の炭素材料を使用し、当該炭素材料をシートの厚み方向に配向して含有する熱伝導シートを製造することが考えられてきた。
例えば、特許文献1では、アクリルゴムなどのガラス転移温度(Tg)が0℃以下である有機高分子化合物を樹脂として、膨張黒鉛などの黒鉛粒子を炭素材料として含み、更に、エポキシ樹脂と該エポキシ樹脂の硬化剤とを含む組成物から一次シート(プレ熱伝導シート)を形成する一次シートの製造方法と、これら形成した一次シートを積層して、略垂直方向からスライスすることで、黒鉛粒子が厚み方向に配向した高い熱伝導性を持つ熱伝導シートの製造方法を開示している。当該熱伝導シートでは、エポキシ樹脂と該エポキシ樹脂の硬化剤を添加することで、高い接着性を付与している。
特開2015−61924号公報
しかしながら、特許文献1では、樹脂と炭素材料とを含む組成物を混練シートの形態とし、離型処理を施した支持フィルム(保護フィルムとも称される)に挟んでロール圧延することによって、プレ熱伝導シートをバッチ式で製造している。こうして製造されたプレ熱伝導シートは、支持フィルムに挟まれているため、熱伝導シート(二次シート)の製造に用いる場合には、積層体を形成する前に当該支持フィルムを除去する必要がある。このように支持フィルムを用いてプレ熱伝導シートを製造すると、プレ熱伝導シートの製造および熱伝導シートの製造において支持フィルムの使用に伴うコストおよび工程数が増加するだけでなく、プレ熱伝導シートの製造から積層体の形成工程へ連続的に移行させることも難しかった。
そこで、支持フィルムを用いることなく、プレ熱伝導シートを連続製造する方法を検討した。しかしながら、従来の熱伝導シートの組成では、硬さと粘着性とのバランスの点で課題を残し、支持フィルムを用いることなく連続製造することができなかった。
上記問題点を鑑み、本発明は、取扱い性に優れ、熱伝導性フィラーが水平面内方向に良好に配向したプレ熱伝導シートを、支持フィルムを用いることなく連続製造することができる、プレ熱伝導シートの製造方法を提供することを目的とする。本発明でプレ熱伝導シート(一次シート)について用いられる「取扱い性に優れる」とは、硬さと粘着性とのバランスに優れており、使用時、例えば、プレ熱伝導シート製造時および熱伝導シート製造時の作業性に優れることを意味する。
また、本発明は、取扱い性および熱伝導性に優れた熱伝導シートを連続製造することができる、熱伝導シートの製造方法を提供することを目的とする。本発明で熱伝導シート(二次シート)について用いられる「取扱い性に優れる」とは、硬さと粘着性とのバランスに優れており、使用時、例えば、放熱装置などへの取り付け時および交換時の作業性に優れることを意味する。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った。そして、常温固体の熱可塑性樹脂と粒子状炭素材料とを含む組成物を、所定の位置関係に配置された少なくとも一対の圧延ロール間を重力方向に通過させて圧延することにより、熱伝導性フィラーである粒子状炭素材料が水平面内方向に良好に配向したプレ熱伝導シートを、支持フィルムを用いることなく連続製造できることを見いだし、本発明を完成させた。
即ち、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明のプレ熱伝導シートの製造方法は、常温固体の熱可塑性樹脂と、粒子状炭素材料とを含む組成物を調製する工程と、該組成物を、回転軸が互いに略水平かつ互いに平行に配置された少なくとも一対の圧延ロール間を重力方向に通過させて圧延することにより、プレ熱伝導シートを得る工程と、を含むことを特徴とする。常温固体の熱可塑性樹脂と、粒子状炭素材料とを含む組成物を調製し、調製された組成物を、上記所定の位置関係に配置された少なくとも一対の圧延ロール間を重力方向に通過させて圧延することにより、取扱い性に優れ、粒子状炭素材料が水平面内方向に良好に配向したプレ熱伝導シートを、支持フィルムを用いることなく連続製造することができる。
本発明のプレ熱伝導シートの製造方法では、前記常温固体の熱可塑性樹脂が、常温固体のフッ素樹脂であることが好ましい。常温固体の熱可塑性樹脂が常温固体のフッ素樹脂であると、耐熱性、耐油性、および耐薬品性を向上させることに加え、プレ熱伝導シートの取扱い性を向上させ、ひいては熱伝導シートの取扱い性を向上させることができる。
本発明のプレ熱伝導シートの製造方法では、前記粒子状炭素材料が、膨張化黒鉛であることが好ましい。粒子状炭素材料が膨張化黒鉛であると、プレ熱伝導シートの熱伝導性を高め、ひいては熱伝導シートの熱伝導性を高めることができる。
本発明のプレ熱伝導シートの製造方法では、前記組成物中の前記粒子状炭素材料の含有割合が、前記常温固体の熱可塑性樹脂100質量部に対し、40〜900質量部であることが好ましい。組成物中の粒子状炭素材料の含有割合が上記範囲であると、プレ熱伝導シートの熱伝導性、柔軟性および強度をバランスよく高め、ひいては熱伝導シートの熱伝導率、柔軟性および強度をバランス良く高めることができるからである。
本発明の熱伝導シートの製造方法は、本発明のプレ熱伝導シートの製造方法によって製造されたプレ熱伝導シートを厚み方向に複数枚積層して、或いは、該プレ熱伝導シートを折畳または捲回して、積層体を形成する工程と、該積層体を、積層方向に対して45°以下の角度でスライスして、熱伝導シートを得る工程と、を含むことを特徴とする。本発明のプレ熱伝導シートの製造方法によって製造された、支持フィルムを使用しないプレ熱伝導シートを用いることにより、プレ熱伝導シートの製造に続いて、製造ラインを停止させることなく、連続的に積層体形成工程を行うことができる。また、本発明の製造方法によって製造されたプレ熱伝導シートは、粒子状炭素材料などの熱伝導性フィラーが水平面内方向に良好に配向しているため、積層およびスライス後に厚み方向の熱伝導性に優れた熱伝導シートを製造することができる。
本発明の熱伝導シートの製造方法では、前記積層体を、前記プレ熱伝導シートの折畳によって形成することが好ましい。プレ熱伝導シートの折畳によって積層体を形成することにより、製造ラインを停止させることなく、連続的に積層体形成工程を行うことができる。
本発明によれば、取扱い性に優れ、粒子状炭素材料などの熱伝導性フィラーが水平面内方向に良好に配向したプレ熱伝導シートを、支持フィルムを用いることなく連続製造することができる、プレ熱伝導シートの製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、取扱い性および熱伝導性に優れた熱伝導シートを連続製造することができる、熱伝導シートの製造方法を提供することができる。
以下、本発明をその実施形態に基づき詳細に例示説明する。
(プレ熱伝導シートの製造方法)
本発明のプレ熱伝導シートの製造方法は、常温固体の熱可塑性樹脂と、粒子状炭素材料とを含む組成物を調製する工程と、該組成物を、回転軸が互いに略水平かつ互いに平行に配置された少なくとも一対の圧延ロール間を重力方向に通過させることによって圧延して、プレ熱伝導シートを得る工程と、を含むことを特徴とする。
本発明のプレ熱伝導シートの製造方法において、プレ熱伝導シートへ成形される組成物は、常温固体の熱可塑性樹脂と、粒子状炭素材料とを含む。プレ熱伝導シートが粒子状炭素材料を含有しない場合には、当該プレ熱伝導シートを用いて製造した熱伝導シートが十分な熱伝導性を有することができない。また、プレ熱伝導シートが常温固体の熱可塑性樹脂を含有しない場合には、製造過程および生成物において十分な柔軟性が得られない。
[樹脂]
本発明のプレ熱伝導シートの製造方法において、プレ熱伝導シートへ成形される組成物は、樹脂として、常温固体の熱可塑性樹脂を含む。ここで、「常温」とは、23℃を指す。プレ熱伝導シートへ成形される組成物は、樹脂として常温固体の熱可塑性樹脂を含むことにより、温度条件の制御などを通じて、硬さと粘着性とを所望の通りに制御することができ、支持フィルムを使用することなくプレ熱伝導シートを製造することができる。
なお、本発明において、ゴムおよびエラストマーは、「樹脂」に含まれるものとする。
[[常温固体の熱可塑性樹脂]]
本発明では、常温固体の熱可塑性樹脂として、特に限定されることなく、プレ熱伝導シートや熱伝導シートの形成に使用され得る既知の常温固体の熱可塑性樹脂を用いることができる。そのような常温固体の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリ(アクリル酸2−エチルヘキシル)、アクリル酸とアクリル酸2−エチルヘキシルとの共重合体、ポリメタクリル酸またはそのエステル、ポリアクリル酸またはそのエステルなどのアクリル樹脂;シリコーン樹脂;フッ素樹脂;ポリエチレン;ポリプロピレン;エチレン−プロピレン共重合体;ポリメチルペンテン;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリ酢酸ビニル;エチレン−酢酸ビニル共重合体;ポリビニルアルコール;ポリアセタール;ポリエチレンテレフタレート;ポリブチレンテレフタレート;ポリエチレンナフタレート;ポリスチレン;ポリアクリロニトリル;スチレン−アクリロニトリル共重合体;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂);スチレン−ブタジエンブロック共重合体またはその水素添加物;スチレン−イソプレンブロック共重合体またはその水素添加物;ポリフェニレンエーテル;変性ポリフェニレンエーテル;脂肪族ポリアミド類;芳香族ポリアミド類;ポリアミドイミド;ポリカーボネート;ポリフェニレンスルフィド;ポリサルホン;ポリエーテルサルホン;ポリエーテルニトリル;ポリエーテルケトン;ポリケトン;ポリウレタン;液晶ポリマー;アイオノマー;などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
[[常温液体の熱可塑性樹脂]]
本発明では、樹脂として、常温固体の熱可塑性樹脂と常温液体の熱可塑性樹脂とを併用してもよい。常温固体の熱可塑性樹脂と常温液体の熱可塑性樹脂とを組み合わせて用いることにより、取り付け時および交換時の室温環境下、すなわち、常温環境下では、固体の熱可塑性樹脂と液体の熱可塑性樹脂とが共存することにより、熱伝導シートの硬さと粘着性とのバランスを向上させて、取扱い性を向上させることができる。また、使用時(放熱時)の高温環境下では、常温固体の熱可塑性樹脂が可塑化することにより、界面密着性を高めて界面熱抵抗を低下させ、本発明によって製造される熱伝導シートの熱伝導性(すなわち、放熱特性)を向上させることができる。
併用できる常温液体の熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂として併用する場合の常温固体の熱可塑性樹脂と常温液体の熱可塑性樹脂との割合は、特に限定されないが、常温固体の熱可塑性樹脂100質量部に対し、常温液体の熱可塑性樹脂を、好ましくは25質量部以上、より好ましくは50質量部以上、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下の割合で組み合わせることが好ましい。かかる割合で組み合わせることにより、取扱い性および熱伝導性を一層向上させることができる。
[[常温固体の熱可塑性フッ素樹脂]]
本発明で樹脂として使用される常温固体の熱可塑性樹脂は、常温固体の熱可塑性フッ素樹脂を含むことが好ましく、常温固体の熱可塑性フッ素樹脂からなることがより好ましい。常温固体の熱可塑性樹脂として常温固体の熱可塑性フッ素樹脂を含むことにより、取扱い性、耐熱性、耐油性、および耐薬品性を向上させることができる。
常温固体の熱可塑性フッ素樹脂としては、例えば、フッ化ビニリデン系、テトラフルオロエチレン−プロピレン系、テトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル系等、フッ素含有モノマーを重合して得られるエラストマーなどが挙げられる。より具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリクロロトリフルオロエチレン、エチレン−クロロフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロジオキソール共重合体、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレンのアクリル変性物、ポリテトラフルオロエチレンのエステル変性物、ポリテトラフルオロエチレンのエポキシ変性物およびポリテトラフルオロエチレンのシラン変性物等が挙げられる。これらの中でも、加工性の観点から、ポリテトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレンのアクリル変性物、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体が好ましい。
市販の常温固体の熱可塑性フッ素樹脂としては、例えば、ダイキン工業株式会社製のダイエル(登録商標)G−700シリーズ(ポリオール加硫・2元ポリマー;フッ化ビニリデン系フッ素樹脂)、ダイエルG−550シリーズ/G−600シリーズ(ポリオール加硫・3元ポリマー;フッ化ビニリデン系フッ素樹脂)、ALKEMA社製のKYNAR(登録商標)シリーズ(フッ化ビニリデン系フッ素樹脂)、KYNAR FLEX(登録商標)シリーズ(ビニリデンフロライド/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレンの共重合体の三元系フッ素樹脂)が挙げられる。
[[常温液体の熱可塑性フッ素樹脂]]
また、本発明では、樹脂として、常温固体の熱可塑性フッ素樹脂と常温液体の熱可塑性フッ素樹脂とを併用してもよい。併用できる常温液体の熱可塑性フッ素樹脂は、常温(23℃)で液体状のフッ素樹脂であれば、特に限定されない。例えば、ビニリデンフルオライド/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロペンテン−テトラフルオロエチレン3元共重合体、パーフルオロプロペンオキサイド重合体、テトラフルオロエチレン−プロピレン−フッ化ビニリデン共重合体などが挙げられる。これら常温液状の熱可塑性フッ素樹脂として、例えば、バイトン(登録商標)LM(デュポン株式会社製)、ダイエルG−101(ダイキン工業株式会社製)、ダイニオンFC2210(スリーエム株式会社製)、SIFELシリーズ(信越化学工業株式会社製)などの市販品を使用することもできる。
常温液体の熱可塑性フッ素樹脂の粘度は、特には限定されないが、混練性、流動性、架橋反応性が良好で、成形性にも優れるという点から、105℃における粘度が、500〜30,000mPa・sであることが好ましく、550〜25,000mPa・sであることがより好ましい。
[[熱硬化性樹脂]]
本発明では、熱伝導シートの特性および効果を失わないことを条件として、樹脂として、任意に熱硬化性樹脂を含むことができる。使用し得る熱硬化性樹脂としては、例えば、天然ゴム;ブタジエンゴム;イソプレンゴム;ニトリルゴム;水素化ニトリルゴム;クロロプレンゴム;エチレンプロピレンゴム;塩素化ポリエチレン;クロロスルホン化ポリエチレン;ブチルゴム;ハロゲン化ブチルゴム;ポリイソブチレンゴム;エポキシ樹脂;ポリイミド樹脂;ビスマレイミド樹脂;ベンゾシクロブテン樹脂;フェノール樹脂;不飽和ポリエステル;ジアリルフタレート樹脂;ポリイミドシリコーン樹脂;ポリウレタン;熱硬化型ポリフェニレンエーテル;熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル;などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
[粒子状炭素材料]
粒子状炭素材料としては、特に限定されることなく、例えば、人造黒鉛、鱗片状黒鉛、薄片化黒鉛、天然黒鉛、酸処理黒鉛、膨張性黒鉛、膨張化黒鉛などの黒鉛;カーボンブラック;などを用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
中でも、粒子状炭素材料としては、膨張化黒鉛を用いることが好ましい。膨張化黒鉛を使用すれば、本発明によって製造されるプレ熱伝導シートおよび熱伝導シートの熱伝導性を向上させることができるからである。
[[膨張化黒鉛]]
ここで、粒子状炭素材料として好適に使用し得る膨張化黒鉛は、例えば、鱗片状黒鉛などの黒鉛を硫酸などで化学処理して得た膨張性黒鉛を、熱処理して膨張させた後、微細化することにより得ることができる。そして、膨張化黒鉛としては、例えば、伊藤黒鉛工業株式会社製のEC1500、EC1000、EC500、EC300、EC100、EC50(いずれも商品名)等が挙げられる。
[[粒子状炭素材料の性状]]
ここで、本発明で使用される粒子状炭素材料の平均粒子径は、0.1μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましく、250μm以下であることが好ましい。粒子状炭素材料の平均粒子径が上記範囲内であれば、熱伝導シートの熱伝導性を向上させることができるからである。
また、本発明で使用される粒子状炭素材料のアスペクト比(長径/短径)は、1以上10以下であることが好ましく、1以上5以下であることがより好ましい。
なお、本発明において、「平均粒子径」は、プレ熱伝導シートまたは熱伝導シートをメチルエチルケトンなどの有機溶媒に溶かして得られた粒子状炭素材料分散液をレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定し、体積基準のモード径の値で評価できる。
また、本発明において、「アスペクト比」は、プレ熱伝導シートの水平表面または熱伝導シートの厚み方向における断面をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察し、任意の50個の粒子状炭素材料について、最大径(長径)と、最大径に直交する方向の粒子径(短径)とを測定し、長径と短径の比(長径/短径)の平均値を算出することにより求めることができる。
[[粒子状炭素材料の含有割合]]
そして、本発明でプレ熱伝導シートへ成形される組成物における粒子状炭素材料の含有割合は、常温固体の熱可塑性樹脂100質量部に対し、40質量部以上であることが好ましく、70質量部以上であることがより好ましく、100質量部以上であることが更に好ましく、900質量部以下であることが好ましく、400質量部以下であることがより好ましく、300質量部以下であることが更に好ましい。当該組成物中の粒子状炭素材料の含有割合が上記範囲であれば、製造した熱伝導シートの熱伝導率、柔軟性および強度をバランス良く十分に高めることができるからである。また、粒子状炭素材料の含有割合が900質量部以下であれば、粒子状炭素材料の粉落ちを十分に防止することができるからである。
[繊維状炭素材料]
本発明でプレ熱伝導シートへ成形される組成物は、任意に繊維状炭素材料を含有してもよい。任意に含有される繊維状炭素材料としては、特に限定されることなく、例えば、カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維、有機繊維を炭化して得られる炭素繊維、およびそれらの切断物などを用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
そして、本発明でプレ熱伝導シートへ成形される組成物に繊維状炭素材料を含有させれば、本発明によって製造されるプレ熱伝導シートおよび熱伝導シートの熱伝導性を更に向上させることができると共に、粒子状炭素材料の粉落ちを防止することもできる。なお、繊維状炭素材料を配合することで粒子状炭素材料の粉落ちを防止することができる理由は、明らかではないが、繊維状炭素材料が三次元網目構造を形成することにより、熱伝導性や強度を高めつつ粒子状炭素材料の脱離を防止しているためであると推察される。
上述した中でも、繊維状炭素材料としては、カーボンナノチューブなどの繊維状の炭素ナノ構造体を用いることが好ましく、カーボンナノチューブを含む繊維状の炭素ナノ構造体を用いることがより好ましい。カーボンナノチューブなどの繊維状の炭素ナノ構造体を使用すれば、本発明によって製造されるプレ熱伝導シートの熱伝導性フィラー配向性および取扱い性ならびに熱伝導シートの熱伝導性および強度を更に向上させることができるからである。
[[カーボンナノチューブを含む繊維状の炭素ナノ構造体]]
ここで、繊維状炭素材料として好適に使用し得る、カーボンナノチューブを含む繊維状の炭素ナノ構造体は、カーボンナノチューブ(以下、「CNT」と称することがある。)のみからなるものであってもよいし、CNTと、CNT以外の繊維状の炭素ナノ構造体との混合物であってもよい。
なお、繊維状の炭素ナノ構造体中のCNTとしては、特に限定されることなく、単層カーボンナノチューブおよび/または多層カーボンナノチューブを用いることができるが、CNTは、単層から5層までのカーボンナノチューブであることが好ましく、単層カーボンナノチューブであることがより好ましい。単層カーボンナノチューブを使用すれば、多層カーボンナノチューブを使用した場合と比較し、本発明によって製造されるプレ熱伝導シートの熱伝導性フィラー配向性および取扱い性ならびに熱伝導シートの熱伝導性および強度を更に向上させることができるからである。
また、CNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体としては、平均直径(Av)に対する、直径の標準偏差(σ)に3を乗じた値(3σ)の比(3σ/Av)が0.20超0.60未満の炭素ナノ構造体を用いることが好ましく、3σ/Avが0.25超の炭素ナノ構造体を用いることがより好ましく、3σ/Avが0.50超の炭素ナノ構造体を用いることが更に好ましい。3σ/Avが0.20超0.60未満のCNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体を使用すれば、炭素ナノ構造体の配合量が少量であっても本発明によって製造されるプレ熱伝導シートの熱伝導性フィラー配向性および取扱い性ならびに熱伝導シートの熱伝導性および強度を十分に高めることができる。したがって、CNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体の配合により本発明によって製造されるプレ熱伝導シートおよび熱伝導シートの硬度が上昇する(即ち、柔軟性が低下する)のを抑制して、本発明によって製造されるプレ熱伝導シートの硬さおよび粘着性ならびに熱伝導シートの熱伝導性および柔軟性を十分に高いレベルで並立させることができる。
なお、「繊維状の炭素ナノ構造体の平均直径(Av)」および「繊維状の炭素ナノ構造体の直径の標準偏差(σ:標本標準偏差)」は、それぞれ、透過型電子顕微鏡を用いて無作為に選択した繊維状の炭素ナノ構造体100本の直径(外径)を測定して求めることができる。そして、CNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体の平均直径(Av)および標準偏差(σ)は、CNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体の製造方法や製造条件を変更することにより調整してもよいし、異なる製法で得られたCNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体を複数種類組み合わせることにより調整してもよい。
そして、CNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体としては、前述のようにして測定した直径を横軸に、その頻度を縦軸に取ってプロットし、ガウシアンで近似した際に、正規分布を取るものが通常使用される。
更に、CNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体は、ラマン分光法を用いて評価した際に、Radial Breathing Mode(RBM)のピークを有することが好ましい。なお、三層以上の多層カーボンナノチューブのみからなる繊維状の炭素ナノ構造体のラマンスペクトルには、RBMが存在しない。
また、CNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体は、ラマンスペクトルにおけるDバンドピーク強度に対するGバンドピーク強度の比(G/D比)が1以上20以下であることが好ましい。G/D比が1以上20以下であれば、繊維状の炭素ナノ構造体の配合量が少量であっても本発明によって製造されるプレ熱伝導シートおよび熱伝導シートの熱伝導性および強度を十分に高めることができる。したがって、繊維状の炭素ナノ構造体の配合により熱伝導シートの硬度が上昇する(即ち、柔軟性が低下する)のを抑制して、本発明によって製造されるプレ熱伝導シートおよび熱伝導シートの熱伝導性および柔軟性を十分に高いレベルで並立させることができる。
更に、CNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体の平均直径(Av)は、0.5nm以上であることが好ましく、1nm以上であることが更に好ましく、15nm以下であることが好ましく、10nm以下であることが更に好ましい。繊維状の炭素ナノ構造体の平均直径(Av)が0.5nm以上であれば、繊維状の炭素ナノ構造体の凝集を抑制して炭素ナノ構造体の分散性を高めることができる。また、繊維状の炭素ナノ構造体の平均直径(Av)が15nm以下であれば、本発明によって製造されるプレ熱伝導シートおよび熱伝導シートの熱伝導性および強度を十分に高めることができる。
また、CNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体は、合成時における構造体の平均長さが100μm以上5000μm以下であることが好ましい。なお、合成時の構造体の長さが長いほど、分散時にCNTに破断や切断などの損傷が発生し易いので、合成時の構造体の平均長さは5000μm以下であることが好ましい。
更に、CNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体のBET比表面積は、600m/g以上であることが好ましく、800m/g以上であることが更に好ましく、2500m/g以下であることが好ましく、1200m/g以下であることが更に好ましい。更に、繊維状の炭素ナノ構造体中のCNTが主として開口したものにあっては、BET比表面積が1300m/g以上であることが好ましい。CNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体のBET比表面積が600m/g以上であれば、本発明によって製造されるプレ熱伝導シートおよび熱伝導シートの熱伝導性および強度を十分に高めることができる。また、CNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体のBET比表面積が2500m/g以下であれば、繊維状の炭素ナノ構造体の凝集を抑制して本発明によって製造されるプレ熱伝導シートおよび熱伝導シート中のCNTの分散性を高めることができる。
なお、本発明において、「BET比表面積」とは、BET法を用いて測定した窒素吸着比表面積を指す。
更に、CNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体は、後述のスーパーグロース法によれば、カーボンナノチューブ成長用の触媒層を表面に有する基材上に、基材に略垂直な方向に配向した集合体(配向集合体)として得られるが、当該集合体としての、繊維状の炭素ナノ構造体の質量密度は、0.002g/cm以上0.2g/cm以下であることが好ましい。質量密度が0.2g/cm以下であれば、繊維状の炭素ナノ構造体同士の結びつきが弱くなるので、熱伝導シート中で繊維状の炭素ナノ構造体を均質に分散させることができる。また、質量密度が0.002g/cm以上であれば、繊維状の炭素ナノ構造体の一体性を向上させ、バラけることを抑制できるため取り扱いが容易になる。
そして、上述した性状を有するCNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体は、例えば、カーボンナノチューブ製造用の触媒層を表面に有する基材上に、原料化合物およびキャリアガスを供給して、化学的気相成長法(CVD法)によりCNTを合成する際に、系内に微量の酸化剤(触媒賦活物質)を存在させることで、触媒層の触媒活性を飛躍的に向上させるという方法(スーパーグロース法;国際公開第2006/011655号参照)に準じて、効率的に製造することができる。なお、以下では、スーパーグロース法により得られるカーボンナノチューブを「SGCNT」と称することがある。
ここで、スーパーグロース法により製造したCNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体は、SGCNTのみから構成されていてもよいし、SGCNTに加え、例えば、非円筒形状の炭素ナノ構造体等の他の炭素ナノ構造体が含まれていてもよい。
[[繊維状炭素材料の性状]]
そして、プレ熱伝導シートへ成形される組成物に含まれうる繊維状炭素材料の平均繊維径は、1nm以上であることが好ましく、3nm以上であることがより好ましく、2μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましい。繊維状炭素材料の平均繊維径が上記範囲内であれば、熱伝導シートの熱伝導性、柔軟性および強度を十分に高いレベルで並立させることができるからである。ここで、繊維状炭素材料のアスペクト比は、10を超えることが好ましい。
なお、本発明において、「平均繊維径」は、熱伝導シートの厚み方向における断面をSEM(走査型電子顕微鏡)またはTEM(透過型電子顕微鏡)で観察し、任意の50個の繊維状炭素材料について繊維径を測定し、測定した繊維径の個数平均値を算出することにより求めることができる。特に、繊維径が小さい場合は、同様の断面をTEM(透過型電子顕微鏡)にて観察することが好適である。
[[繊維状炭素材料の含有割合]]
そして、プレ熱伝導シートへ成形される組成物における繊維状炭素材料の含有割合は、常温固体の熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.05質量部以上であることが好ましく、0.2質量部以上であることがより好ましく、5質量部以下であることが好ましく、3質量部以下であることがより好ましい。当該組成物中の繊維状炭素材料の含有割合が0.05質量部以上であれば、熱伝導シートの熱伝導性および強度を十分に向上させることができると共に、粒子状炭素材料の粉落ちを十分に防止することができるからである。更に、熱伝導シート中の繊維状炭素材料の含有割合が5質量部以下であれば、繊維状炭素材料の配合により熱伝導シートの硬度が上昇する(即ち、柔軟性が低下する)のを抑制して、熱伝導シートの熱伝導性および柔軟性を十分に高いレベルで並立させることができるからである。
[添加剤]
プレ熱伝導シートへ成形される組成物には、必要に応じて、熱伝導シートの形成に使用され得る既知の添加剤を配合することができる。そして、熱伝導シートに配合し得る添加剤としては、特に限定されることなく、例えば、脂肪酸エステルなどの可塑剤;赤りん系難燃剤、りん酸エステル系難燃剤などの難燃剤;ウレタンアクリレートなどの靭性改良剤;酸化カルシウム、酸化マグネシウムなどの吸湿剤;シランカップリング剤、チタンカップリング剤、酸無水物などの接着力向上剤;ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などの濡れ性向上剤;無機イオン交換体などのイオントラップ剤;等が挙げられる。
<組成物調製工程>
常温固体の熱可塑性樹脂と、粒子状炭素材料とを含み、プレ熱伝導シートへ成形される組成物は、常温固体の熱可塑性樹脂および粒子状炭素材料と、任意に、その他の樹脂、繊維状炭素材料および添加剤とを混合して調製することができる。そして、樹脂、粒子状炭素材料、繊維状炭素材料および添加剤としては、本発明の製造方法で使用し得る樹脂、粒子状炭素材料、繊維状炭素材料および添加剤として上述したものを用いることができる。因みに、熱伝導シートの樹脂を架橋型の樹脂とする場合には、組成物に架橋型の樹脂を添加してもよいし、組成物に架橋可能な樹脂と硬化剤とを添加してプレ熱伝導シートを形成して、プレ熱伝導シート成形工程後に架橋可能な樹脂を架橋させることにより、熱伝導シートに架橋型の樹脂を含有させてもよい。
なお、上述した成分のうち、特に繊維状炭素材料は、凝集し易く、分散性が低いため、そのままの状態で樹脂や膨張化黒鉛などの他の成分と混合すると、組成物中で良好に分散し難い。一方、繊維状炭素材料は、溶媒(分散媒)に分散させた分散液の状態で樹脂や膨張化黒鉛などの他の成分と混合すれば凝集の発生を抑制することはできるものの、分散液の状態で混合した場合には混合後に固形分を凝固させて組成物を得る際などに多量の溶媒を使用するため、組成物の調製に使用する溶媒の量が多くなる虞が生じる。そのため、プレ熱伝導シートの形成に用いる組成物に繊維状炭素材料を配合する場合には、繊維状炭素材料は、溶媒(分散媒)に繊維状炭素材料を分散させて得た分散液から溶媒を除去して得た繊維状炭素材料の集合体(易分散性集合体)の状態で他の成分と混合することが好ましい。繊維状炭素材料の分散液から溶媒を除去して得た繊維状炭素材料の集合体は、一度溶媒に分散させた繊維状炭素材料で構成されており、溶媒に分散させる前の繊維状炭素材料の集合体よりも分散性に優れているので、分散性の高い易分散性集合体となる。従って、易分散性集合体と、樹脂や膨張化黒鉛などの他の成分とを混合すれば、多量の溶媒を使用することなく効率的に、組成物中で繊維状炭素材料を良好に分散させることができる。
ここで、繊維状炭素材料の分散液は、例えば、溶媒に対して繊維状炭素材料を添加してなる粗分散液を、キャビテーション効果が得られる分散処理または解砕効果が得られる分散処理に供して得ることができる。なお、キャビテーション効果が得られる分散処理は、液体に高エネルギーを付与した際、水に生じた真空の気泡が破裂することにより生じる衝撃波を利用した分散方法である。そして、キャビテーション効果が得られる分散処理の具体例としては、超音波ホモジナイザーによる分散処理、ジェットミルによる分散処理および高剪断撹拌装置による分散処理が挙げられる。また、解砕効果が得られる分散処理は、粗分散液にせん断力を与えて繊維状炭素材料の凝集体を解砕・分散させ、さらに粗分散液に背圧を負荷することで、気泡の発生を抑制しつつ、繊維状炭素材料を溶媒中に均一に分散させる分散方法である。そして、解砕効果が得られる分散処理は、市販の分散システム(例えば、商品名「BERYU SYSTEM PRO」(株式会社美粒製)など)を用いて行うことができる。
また、分散液からの溶媒の除去は、乾燥やろ過などの既知の溶媒除去方法を用いて行うことができるが、迅速かつ効率的に溶媒を除去する観点からは、減圧ろ過などのろ過を用いて行うことが好ましい。
常温固体の熱可塑性樹脂および粒子状炭素材料と、任意に、その他の樹脂、繊維状炭素材料および添加剤との混合は、特に限定されることなく、ニーダー、ロール、ヘンシェル(登録商標)ミキサー、ホバートミキサー等の既知の混合装置を用いて行うことができる。また、混合は、酢酸エチル等の溶媒の存在下で行ってもよい。溶媒に予め樹脂を溶解または分散させて樹脂溶液として、他の炭素材料および任意の添加剤と混合してもよい。混合時間は、例えば5分以上6時間以下とすることができる。また、混合温度は、例えば5℃以上150℃以下とすることができる。
上述のように混合して調製した組成物は、任意により乾燥および解砕した後に、後述するプレ熱伝導シート成形工程を行う。上記混合時に溶媒を用いている場合には、溶媒を除去してからプレ熱伝導シート成形工程を行うことが好ましい。例えば、真空乾燥を用いて乾燥を行えば、溶媒の除去を行うことができる。真空乾燥は、市販の真空乾燥機などを用いて行うことができる。真空乾燥時間は、例えば10分以上24時間以下とすることができる。
乾燥を行った後の組成物は、一般に塊状となり、そのままの状態で圧延ロール間を通過させると、成形されるプレ熱伝導シートが不均質となり得る。そのため、乾燥を行った後の組成物を解砕して粗粉体として、プレ熱伝導シート成形工程を行うことが好ましい。解砕は、市販の解砕機などを用いて行うことができる。解砕時間は、例えば5秒以上10分以下とすることができる。解砕して得られた粗粉体は、そのままの状態で次の工程に用いてもよいが、均質なプレ熱伝導シートを成形する観点から、ふるい掛けして粉体の大きさを均一にすることが好ましい。ふるい掛けは、手動でまたは市販のふるい機などを用いて行うことができる。使用するふるいの目開きは、例えば100μm以上2mm以下とすることができる。
<プレ熱伝導シート成形工程>
そして、上述のようにして調製した組成物を、回転軸が互いに略水平かつ互いに平行に配置された少なくとも一対の圧延ロール間を重力方向に通過させて圧延することにより、プレ熱伝導シートを成形する。本発明所定の組成を有する組成物を、回転軸が互いに略水平かつ互いに平行に配置された少なくとも一対の圧延ロール間を重力方向に通過させて圧延することにより、取扱い性に優れ、粒子状炭素材料が水平面内方向に良好に配向したプレ熱伝導シートを、支持フィルムを用いることなく連続製造することができる。
上記圧延は、ロールプレス機(「ロール圧延機」とも称される)を用いて行うことができる。上記圧延に使用できるロールプレス機は、回転軸が互いに略水平かつ互いに平行に配置された少なくとも一対の圧延ロールと、当該回転軸に対して垂直方向に当該圧延ロール対の両端に配置された一対の仕切板とを備える。前記圧延ロール対は、2本のロール(「プレス用ロール」または「プレスロール」とも称される)から構成され、当該2本のロールは、回転軸が互いに略水平かつ互いに平行に配置されている。ここで、略水平とは、当該2本のロールについて、水平方向から見て、各回転軸を通る2つの水平面間で0°〜60°の角度を構成することを意味する。尚、水平方向から見て、2つの水平面間で0°の角度を構成する場合は、水平である。また、平行とは、当該2本のロールについて、鉛直方向から見て、2本の回転軸間で0°の角度を構成することを意味する。この対となった圧延ロール(圧延ロール対)は、回転軸を中心に各々逆方向に回転し、互いに近接する圧延ロール間側では、各々のロール面が下向きに回転する。当該対の圧延ロールは、更に、各々が水平方向に移動することができ、双方が圧延ロール間方向へ略水平に移動することによって、圧延ロール間に存在する物質に圧力を加えることができる。このように当該2本のロールが回転しながら圧延ロール間方向へ加圧することによって、圧延ロール対の上部から投入した組成物が、圧延ロール間を重力方向(すなわち、下方)へ通過させられて圧延され、当該圧延ロール対の下部へシート状に成形されたプレ熱伝導シートが排出される。前記一対の仕切板は、圧延ロール対の両端に回転軸に対して垂直方向に配置されることにより、圧延ロール対に上部から投入される組成物が圧延ロール間から漏出することを防止することができる。このような構成のロールプレス機は、一般に、「縦型ロールプレス機」や「縦型ロール圧延機」と称される。例えばヒラノ技研製の「ロールプレス機」などの市販品として入手することができる。
圧延は、回転軸が互いに略水平かつ互いに平行に配置された圧延ロール対を一つ用いれば実施することができるが、当該圧延ロール対を二つ以上、すなわち、二対以上の圧延ロールを用いて実施することもできる。少なくとも一対の圧延ロールのロール温度は、特に限定されないが、例えば、5℃以上150℃とすることができる。少なくとも一対の圧延ロールのプレス線圧は、特に限定されないが、例えば、0.1kN/cm以上150kN/cm以下とすることができる。
プレ熱伝導シートの厚みは、対となる圧延ロール間の最も近接した隙間幅を調整することにより制御することができ、特に限定されないが、例えば50μm以上2mm以下とすることができる。また、熱伝導シートの熱伝導性を更に向上させる観点からは、プレ熱伝導シートの厚みは、粒子状炭素材料の平均粒子径の20倍超5000倍以下であることが好ましい。プレ熱伝導シートの密度は、組成物の組成および調製条件ならびに圧延で加えられる圧力などによって制御することができ、特に限定されないが、1.3〜2.5g/cmが好ましく、1.5〜2.0g/cmがより好ましい。汎用性が高く、例えば電子部品などの製品に実装した際に、かかる電子部品の軽量化に寄与することができる熱伝導シートの製造に好適に使用できるからである。
[プレ熱伝導シート]
上述する本発明によって製造されたプレ熱伝導シートは、粒子状炭素材料などの熱伝導性フィラーが、主として面内方向に配列し、水平面内方向の熱伝導性に優れると推察される。このように製造されたプレ熱伝導シートは、熱伝導シート(二次シート)の製造において、例えば、後述する積層体形成工程で一次シートとして用いられて、積層体を形成することができる。
(熱伝導シートの製造方法)
<積層体形成工程>
積層体形成工程では、本発明のプレ熱伝導シートの製造方法で得られたプレ熱伝導シートを厚み方向に複数枚積層して、或いは、該プレ熱伝導シートを折畳または捲回して、積層体を得る。プレ熱伝導シートを複数枚積層することによる積層体の形成は、特に限定されることなく、プレ熱伝導シートを所望のサイズに手動でまたは市販の裁断機を用いて切断し、切断したプレ熱伝導シートを2枚以上1枚ずつ所望の高さまで手動でまたは市販の積層装置で積層することにより行うことができる。また、プレ熱伝導シートの折畳による積層体の形成は、特に限定されることなく、手動でまたは市販の折機を用いてプレ熱伝導シートを一定幅で折り畳むことにより行うことができる。また、プレ熱伝導シートの捲回による積層体の形成は、特に限定されることなく、プレ熱伝導シートの短手方向または長手方向に平行な軸の回りにプレ熱伝導シートを手動でまたは市販の巻取機を用いて捲き回すことにより行うことができる。巻取機は、市販のロールプレス機に付帯しているものを用いることもできる。これらの中でも、プレ熱伝導シートの折畳によって積層体を形成することが好ましい。折畳によって積層体を形成することにより、プレ熱伝導シートの製造におけるプレ熱伝導シート成形工程に続いて、製造ラインを停止させることなく、積層体形成工程を行うことができる。
[折畳方法]
本発明の熱伝導シートの製造方法の積層体形成工程で用いることができる折畳方法は、特に限定されず、既知の折畳方法のいずれかを用いることができる。例えば、折り目が外側に出るように折る山折り、折り目が内側に隠れるように折る谷折り、山折りと谷折りとを交互になるように繰り返して折る蛇腹折り、谷折りを繰り返して中に巻き込んでいく巻折りや巻々折り、これらの組み合わせなどが挙げられる。これらの折畳方法において、折り目は、特に限定されないが、例えば、プレ熱伝導シートの短手方向または長手方向に平行とすることができる。短手方向に平行な折り目での折畳方法と長手方向に平行な折り目での折畳方法とを組み合わせてもよい。例えば、プレ熱伝導シートの短手方向に平行な折り目で蛇腹折り、巻折りまたは巻々折りを行ってから、プレ熱伝導シートの長手方向に平行な折り目で山折りまたは谷折りを任意の回数で行うこともできる。これらの中でも、製造ラインを停止させることなく連続的に折り畳むことができるという観点から、プレ熱伝導シートの短手方向に平行な折り目での蛇腹折りによって折り畳むことが好ましい。
ここで、通常、積層体形成工程で得られる積層体において、プレ熱伝導シートの表面同士の接着力は、プレ熱伝導シートを積層する際の圧力や折畳または捲回する際の圧力により充分に得られる。しかし、接着力が不足する場合や、積層体の層間剥離を十分に抑制する必要がある場合には、プレ熱伝導シートの表面を溶剤で若干溶解させた状態で積層体形成工程を行ってもよいし、プレ熱伝導シートの表面に接着剤を塗布した状態またはプレ熱伝導シートの表面に接着層を設けた状態で積層体形成工程を行ってもよい。
なお、プレ熱伝導シートの表面を溶解させる際に用いる溶剤としては、特に限定されることなく、プレ熱伝導シート中に含まれている樹脂成分を溶解可能な既知の溶剤を用いることができる。
また、プレ熱伝導シートの表面に塗布する接着剤としては、特に限定されることなく、市販の接着剤や粘着性の樹脂を用いることができる。中でも、接着剤としては、プレ熱伝導シート中に含まれている樹脂成分と同じ組成の樹脂を用いることが好ましい。そして、プレ熱伝導シートの表面に塗布する接着剤の厚さは、例えば、10μm以上1000μm以下とすることができる。
更に、プレ熱伝導シートの表面に設ける接着層としては、特に限定されることなく、両面テープなどを用いることができる。
なお、層間剥離を抑制する観点からは、得られた積層体は、積層方向に0.05MPa以上1.0MPa以下の圧力で押し付けながら、20℃以上100℃以下で1〜30分プレスすることが好ましい。
なお、組成物に繊維状炭素材料を加えた場合、あるいは粒子状炭素材料として膨張化黒鉛を使用した場合には、プレ熱伝導シートを積層、折畳または捲回して得られる積層体にて、膨張化黒鉛や繊維状炭素材料が積層方向に略直交する方向に配列していると推察される。
<スライス工程>
スライス工程では、積層体形成工程で得られた積層体を、積層方向に対して45°以下の角度でスライスし、積層体のスライス片よりなる熱伝導シートを得る。ここで、積層体をスライスする方法としては、特に限定されることなく、例えば、マルチブレード法、レーザー加工法、ウォータージェット法、ナイフ加工法等が挙げられる。中でも、熱伝導シートの厚みを均一にし易い点で、ナイフ加工法が好ましい。また、積層体をスライスする際の切断具としては、特に限定されることなく、スリットを有する平滑な盤面と、このスリット部より突出した刃部とを有するスライス部材(例えば、鋭利な刃を備えたカンナやスライサー)を用いることができる。
当該刃部を構成する刃は、刃先の表裏両側が切刃となっている「両刃」であってもよく、刃の表側のみが切刃となっている「片刃」であってもよい。刃部の刃先の断面形状も、特に限定されず、刃先の最先端を通る中心軸に対して、非対称でも対称でもよい。刃は、1段刃でもよく、2段刃でもよい。
刃の枚数は、特に限定されず、例えば、1枚の刃からなる1枚刃で構成されていてもよく、2枚の刃からなる2枚刃で構成されていてもよい。2枚刃で構成される場合、2枚の刃は、それぞれ、片刃であっても両刃であってもよい。2枚の刃のうちの一方または両方の刃が両刃の場合、当該両刃は、対称刃であっても非対称刃であってもよい。また、2枚の刃は、それぞれ、1段刃であっても2段刃であってもよい。
また、刃の材質は特に特定されず、金属、セラミック、プラスチックいずれでもよいが、特に衝撃に耐える観点から超硬合金が望ましい。すべり性向上、切削性向上目的で、刃の表面にシリコーン、フッ素等をコーティングしてもよい。
なお、熱伝導シートの熱伝導性を高める観点からは、積層体をスライスする角度は、積層方向に対して30°以下であることが好ましく、積層方向に対して15°以下であることがより好ましく、積層方向に対して略0°である(即ち、積層方向に沿う方向である)ことが好ましい。
また、積層体を容易にスライスする観点からは、スライスする際の積層体の温度は−20℃以上40℃以下とすることが好ましく、10℃以上30℃以下とすることがより好ましい。更に、同様の理由により、スライスする積層体は、積層方向とは垂直な方向に圧力を負荷しながらスライスすることが好ましく、積層方向とは垂直な方向に0.1MPa以上0.5MPa以下の圧力を負荷しながらスライスすることがより好ましい。このようにして得られた熱伝導シート内では、粒子状炭素材料や繊維状炭素材料が厚み方向に配列していると推察される。従って、上述の工程を経て調製された熱伝導シートは、厚み方向の熱伝導性だけでなく、導電性も高い。
また、上述のように調製した熱伝導シートを厚み方向に複数枚重ね合わせて、所定の時間静置することによって一体化させたものを、熱伝導シートとして使用してもよい。このようにして得られた熱伝導シート内では、粒子状炭素材料や繊維状炭素材料が厚み方向に配列したままであると推察される。従って、上述のように調製した熱伝導シートを厚み方向に複数枚重ね合わせて一体化させることにより、厚み方向の熱伝導性や導電性を損なうことなく、使用目的に応じて所望の厚さの熱伝導シートを得ることができる。
[熱伝導シート]
本発明によって製造された熱伝導シートは、常温固体の熱可塑性樹脂を含むため、使用時(放熱時)の高温環境下で、熱伝導シートの柔軟性を向上させ、熱伝導シートを介して発熱体と放熱体とを良好に密着させることができる。
そして、本発明によって製造された熱伝導シートは、特に限定されることなく、以下の性状を有していることが好ましい。
[[熱伝導シートの硬度]]
本発明によって製造された熱伝導シートは、25℃でのアスカーC硬度が、60以上であることが好ましく、65以上であることがより好ましく、70以上であることが更に好ましい。25℃でのアスカーC硬度が60以上であれば、室温で適度な硬さを有することができ、取り付け時および交換時の作業性を良好なものとすることができる。
また、本発明によって製造された熱伝導シートは、25℃でのアスカーC硬度が、90以下であることが好ましく、80以下であることがより好ましい。25℃でのアスカーC硬度が90以下であれば、室温環境下で十分な粘着性を有することができ、取り付け時および交換時の作業性をより向上させることができる。
尚、「アスカーC硬度」は、日本ゴム協会規格(SRIS)のアスカーC法に準拠し、硬度計を用いて所定の温度で測定することができる。
また、本発明によって製造された熱伝導シートは、70℃でのアスカーC硬度が、55以上であることが好ましく、60以上であることがより好ましい。70℃でのアスカーC硬度が55以上であれば、使用時(放熱時)の高温環境下でも十分な硬さを維持することができ、交換時の剥離性を十分なものとして、放熱装置の躯体に熱伝導シート成分を残留させることなく交換することができる。
また、本発明によって製造された熱伝導シートは、70℃でのアスカーC硬度が、70以下であることが好ましく、65以下であることがより好ましい。70℃でのアスカーC硬度が70以下であれば、使用時(放熱時)の高温環境下で十分な界面密着性を有することができ、熱伝導性をより向上させることができる。
[[熱伝導シートの熱抵抗]]
本発明によって製造された熱伝導シートは、0.5MPa加圧下の熱抵抗の値が0.20℃/W以下であり、0.15℃/W以下であることが好ましい。0.5MPa加圧下の熱抵抗の値が0.20℃/W以下であると、比較的高い圧力が加えられる使用環境下で、優れた熱伝導性を有することができる。
ここで、熱抵抗の値は、熱伝導シートの熱抵抗を測定するのに通常用いられる既知の測定方法を用いて測定することができ、樹脂材料熱抵抗試験器(例えば、株式会社日立テクノロジーアンドサービス製、商品名「C47108」)などで測定することができる。
また、本発明によって製造された熱伝導シートは、0.1MPa加圧下の熱抵抗の値が0.40℃/W以下であることが好ましく、0.35℃/W以下であることがより好ましい。0.1MPa加圧下の熱抵抗の値が0.40℃/W以下であると、比較的高い圧力が加えられる使用環境下で、優れた熱伝導性を維持することができる。
[[熱伝導シートのタック]]
本発明によって製造された熱伝導シートは、プローブタック試験で測定したタックが0.85N以下であることが好ましく、0.80N以下であることがより好ましい。「タック」とは、JIS Z0109:2015で規定される通り、軽い力で短時間に被着体に接着する特性を意味し、本明細書中では「接着性」とも称する。熱伝導シートのタックは、プローブタック試験で測定される。具体的には、25℃の温度条件で、φ10mmの平らなプローブを荷重0.5Nの圧力を加えながら測定対象の熱伝導シートに10秒間押し付けた後、プローブを該熱伝導シートから引き離すときに要する力として測定される。プローブタック試験で測定したタックが0.85N以下であると、使用時には良好な密着性を示しつつ、取り付け時および交換時に良好な剥離性を有し、発熱体や放熱体などの取付物から、熱伝導シートを破壊することなく、すなわち、当該取付物に熱伝導シート成分を残存させることなく、熱伝導シートを取り外すことができる。言い換えると、プローブタック試験で測定したタックの数値が小さい程、取扱い性に優れる。
なお、本発明によって製造された熱伝導シートのタックは、プローブタック試験機(例えば、株式会社レスカ製、商品名「TAC1000」)などで測定することができる。
[[熱伝導シートの熱伝導率]]
本発明によって製造された熱伝導シートは、厚み方向の熱伝導率が、25℃において、20W/m・K以上であることが好ましく、30W/m・K以上であることがより好ましく、40W/m・K以上であることが更に好ましい。熱伝導率が20W/m・K以上であれば、例えば熱伝導シートを発熱体と放熱体との間に挟み込んで使用した場合に、発熱体から放熱体へと熱を効率的に伝えることができる。ここで、熱伝導率の値は、熱伝導シートの熱伝導率を測定するのに通常用いられる既知の測定方法を用いて測定することができ、樹脂材料熱抵抗試験器(例えば、株式会社日立テクノロジーアンドサービス製、商品名「C47108」)などで測定することができる。
[[熱伝導シートの厚み]]
本発明によって製造された熱伝導シートの厚みは、好ましくは0.1mm〜10mmである。本発明によって製造された熱伝導シートは、取扱い性を損なわない限りにおいて、厚みを薄くする程、熱抵抗値を小さくすることができ、熱伝導性および放熱装置に使用した場合の放熱特性を向上させることができる。
[[熱伝導シートの密度]]
さらに、本発明によって製造された熱伝導シートは、密度が1.8g/cm以下であることが好ましく、1.6g/cm以下であることがより好ましい。このような熱伝導シートは、汎用性が高く、例えば電子部品などの製品に実装した際に、かかる電子部品の軽量化に寄与することができるからである。
(熱伝導シートの用途)
本発明によって製造された熱伝導シートは、熱伝導性、強度、導電性に優れている。従って、当該熱伝導シートは、例えば、各種機器および装置などにおいて使用される放熱材料、放熱部品、冷却部品、温度調節部品、電磁波シールド部材、電磁波吸収部材、被圧着物を加熱圧着する場合に被圧着物と加熱圧着装置との間に介在させる熱圧着用ゴムシートとして好適である。
ここで、各種機器および装置などとしては、特に限定されることなく、サーバー、サーバー用パソコン、デスクトップパソコン等の電子機器;ノートパソコン、電子辞書、PDA、携帯電話、ポータブル音楽プレイヤー等の携帯電子機器;液晶ディスプレイ(バックライトを含む)、プラズマディスプレイ、LED、有機EL、無機EL、液晶プロジェクタ、時計等の表示機器;インクジェットプリンタ(インクヘッド)、電子写真装置(現像装置、定着装置、ヒートローラ、ヒートベルト)等の画像形成装置;半導体素子、半導体パッケージ、半導体封止ケース、半導体ダイボンディング、CPU、メモリ、パワートランジスタ、パワートランジスタケース等の半導体関連部品;リジッド配線板、フレキシブル配線板、セラミック配線板、ビルドアップ配線板、多層基板等の配線基板(配線板にはプリント配線板なども含まれる);真空処理装置、半導体製造装置、表示機器製造装置等の製造装置;断熱材、真空断熱材、輻射断熱材等の断熱装置;DVD(光ピックアップ、レーザー発生装置、レーザー受光装置)、ハードディスクドライブ等のデータ記録機器;カメラ、ビデオカメラ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、顕微鏡、CCD等の画像記録装置;充電装置、リチウムイオン電池、燃料電池等のバッテリー機器等が挙げられる。
更に、本発明によって製造された熱伝導シートを用いて、放熱装置を構成することもできる。前記放熱装置は、本発明によって製造された熱伝導シートを発熱体と放熱体の間に介在させてなることを特徴とする。前記放熱装置の使用温度は、250℃を超えないことが好ましく、−20〜200℃の範囲であるのがより好ましい。使用温度が250℃を超えると、樹脂成分の柔軟性が急激に低下し、放熱特性が低下する場合があるからである。当該使用温度の発熱体としては、例えば、半導体パッケージ、ディスプレイ、LED、電灯等が挙げられる。
一方、放熱体としては、例えば、アルミ、銅のフィン・板等を利用したヒートシンク、ヒートパイプに接続されているアルミや銅のブロック、内部に冷却液体をポンプで循環させているアルミや銅のブロック、ペルチェ素子およびこれを備えたアルミや銅のブロック等が挙げられる。
前記放熱装置は、発熱体と放熱体との間に、本発明によって製造された熱伝導性に優れる熱伝導シートを介在させてなるため、優れた放熱特性を有することができる。また、本発明によって製造された熱伝導シートは適度な硬さと粘着性とを併せ持ち、取扱い性に優れるため、当該熱伝導シートを用いた放熱装置は、製造、保守点検、修理などにおける作業性や、耐用性に優れる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、量を表す「%」および「部」は、特に断らない限り、質量基準である。
(CNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体Aの調製)
国際公開第2006/011655号の記載に従って、スーパーグロース法によってSGCNTを含む繊維状の炭素ナノ構造体Aを得た。
得られた繊維状の炭素ナノ構造体Aは、G/D比が3.0、BET比表面積が800m/g、質量密度が0.03g/cmであった。また、透過型電子顕微鏡を用い、無作為に選択した100本の繊維状の炭素ナノ構造体Aの直径を測定した結果、平均直径(Av)が3.3nm、直径の標本標準偏差(σ)に3を乗じた値(3σ)が1.9nm、それらの比(3σ/Av)が0.58、平均長さが100μmであった。また、得られた繊維状の炭素ナノ構造体Aは、主に単層CNT(「SGCNT」とも称する)により構成されていた。
(繊維状の炭素ナノ構造体Aの易分散性集合体の調製)
<分散液の調製>
繊維状炭素材料としての繊維状の炭素ナノ構造体Aを400mg量り取り、溶媒としてのメチルエチルケトン2L中に混ぜ、ホモジナイザーにより2分間撹拌し、粗分散液を得た。湿式ジェットミル(株式会社常光製、商品名「JN−20」)を使用し、得られた粗分散液を湿式ジェットミルの0.5mmの流路に100MPaの圧力で2サイクル通過させて、繊維状炭素ナノ構造体Aをメチルエチルケトンに分散させた。そして、固形分濃度0.20質量%の分散液Aを得た。
<溶媒の除去>
その後、得られた分散液Aをキリヤマろ紙(No.5A)を用いて減圧ろ過し、シート状の易分散性集合体を得た。
<製造例1:粉末状組成物A>
繊維状炭素材料としての炭素ナノ構造体Aの易分散性集合体を0.1質量部と、粒子状炭素材料としての膨張化黒鉛(伊藤黒鉛工業株式会社製、商品名「EC−50」、平均粒子径:250μm)を130質量部と、樹脂としてのフッ素ゴム(ダイキン工業株式会社製、商品名「ダイエルG―704BP」)80質量部と、セバシン酸エステル(大八化学工業株式会社製、商品名「DOS」)10質量部とを、溶媒としての酢酸エチル100質量部の存在下においてホバートミキサー(株式会社小平製作所製、商品名「ACM−5LVT型」)を用いて5分攪拌混合した。得られた混合物を真空乾燥機に投入して30分酢酸エチルの除去を行って、組成物を得た。得られた組成物を解砕機(大阪ケミカル株式会社製、商品名「D3V−10」)に投入して10秒間解砕した後、ふるい(東京スクリーン株式会社製、目開き:850μm)に通して、粉末状組成物を得た。以下、これを粉末状組成物Aと称する。
(実施例1)
<プレ熱伝導シート成形工程>
製造例1で調製した粉末状組成物Aを、縦型ロールプレス機(ヒラノ技研工業株式会社製)のプレス用ロール(ロール温度50℃、プレス線圧10kN/cm)に供給して、圧延した。圧延された粉末状組成物Aは、厚み500μm、密度1.8g/ccのプレ熱伝導シートとして、縦型ロールプレス機から排出された。結果として、基材としての支持フィルム等を用いることなく、取扱い性に優れたプレ熱伝導シートを得ることができた。
<積層体形成工程>
縦型ロールプレス機のプレス用ロールから排出されたプレ熱伝導シートを、レシプロ折機(ホップテック株式会社製)を用いて、プレ熱伝導シートの短手方向に平行な折り目の蛇腹折りによって折り畳むことにより、積層体を形成した。結果として、プレ熱伝導シートの製造に続いて製造ラインを停止させること無く、積層体を得ることができた。
(実施例2)
<プレ熱伝導シート成形工程>
実施例1と同様にプレ熱伝導シート成形工程を行って得たプレ熱伝導シートを用いて、積層体形成工程を行った。実施例1の結果と同様に、基材としての支持フィルム等を用いることなく、取扱い性に優れたプレ熱伝導シートを得ることができた。
<積層体形成工程>
縦型ロールプレス機のプレス用ロールから排出されたプレ熱伝導シートの上下をロールで挟みながら移動式裁断機(有限会社アイヤ精工製)に送って300mm×300mmのサイズに裁断した。裁断したプレ熱伝導シートを、ベルトコンベアにて積層装置(日機装株式会社製、商品名「ST10−300−L」)へ搬送して300枚積層することにより、積層体を形成した。結果として、プレ熱伝導シートの製造に続いて製造ラインを停止させること無く、積層体を得ることができた。
(実施例3)
<プレ熱伝導シート成形工程>
実施例1と同様にプレ熱伝導シート成形工程を行って得たプレ熱伝導シートを用いて、積層体形成工程を行った。実施例1の結果と同様に、基材としての支持フィルム等を用いることなく、取扱い性に優れたプレ熱伝導シートを得ることができた。
<積層体形成工程>
縦型ロールプレス機のプレス用ロールから排出されたプレ熱伝導シートを、縦型ロールプレス機に付帯している巻き取り機で捲回することにより、積層体を形成した。結果として、プレ熱伝導シートの製造に続いて製造ラインを停止させること無く、積層体を得ることができた。
<製造例2:粉末状組成物B>
繊維状炭素材料としての炭素ナノ構造体Aの易分散性集合体を0.1質量部と、粒子状炭素材料としての膨張化黒鉛(伊藤黒鉛工業株式会社製、商品名「EC−50」、平均粒子径:250μm)を85質量部と、樹脂としての常温固体の熱可塑性フッ素ゴム(ダイキン工業株式会社製、商品名「ダイエルG―704BP」)40質量部と、樹脂としての熱可塑性液状フッ素ゴム(ダイキン工業株式会社製、商品名「ダイエルG―101」)45質量部と、可塑剤としてのセバシン酸エステル(大八化学工業株式会社製、商品名「DOS」)5質量部とを、溶媒としての酢酸エチル100質量部の存在下においてホバートミキサー(株式会社小平製作所製、商品名「ACM−5LVT型」)を用いて5分攪拌混合した。得られた混合物を真空乾燥機に投入して30分酢酸エチルの除去を行って、組成物を得た。得られた組成物を解砕機(大阪ケミカル株式会社製、商品名「D3V−10」)に投入して10秒間解砕した後、ふるい(東京スクリーン株式会社製、目開き:850μm)に通して、粉末状組成物Bを得た。
(実施例4)
<プレ熱伝導シート成形工程>
製造例2で調製した粉末状組成物Bを用いた以外は、実施例1と同様にして、プレ熱伝導シート成形工程を行った。結果として、基材としての支持フィルム等を用いることなく、取扱い性に優れたプレ熱伝導シートを得ることができた。
<積層体形成工程>
縦型ロールプレス機のプレス用ロールから排出されたプレ熱伝導シートを、実施例1と同様に、レシプロ折機(ホップテック株式会社製)を用いて、プレ熱伝導シートの短手方向に平行な折り目の蛇腹折りによって折り畳むことにより、積層体を形成した。結果として、プレ熱伝導シートの製造に続いて製造ラインを停止させること無く、積層体を得ることができた。
下記表1は、上記実施例1〜4について、組成物の組成、プレ熱伝導シート成形の実施条件、積層体形成の実施条件、および結果をまとめたものである。
Figure 2017183680
表1より、常温固体の熱可塑性樹脂と粒子状炭素材料とを含む組成物である粉末状組成物AまたはBを縦型ロールプレス機で圧延してプレ熱伝導シートを製造した実施例1〜4では、基材として支持フィルムを使用することなく、取扱い性に優れたプレ熱伝導シートを連続製造できたことが分かる。
また表1より、本発明のプレ熱伝導シートの製造方法によって製造したプレ熱伝導シートを、折畳、厚み方向に複数枚積層、または捲回して積層体を形成した実施例1〜4では、支持フィルムを使用することなく、プレ熱伝導シートの製造から製造ラインを停止させることなく連続して積層体を形成できたことが分かる。そして、このように積層体の形成を行って形成された積層体を、ベルトコンベア等で搬送して、積層方向に対して45°以下の角度でスライスすることにより、製造ラインを停止させることなく熱伝導シートを製造できることが分かる。
本発明のプレ熱伝導シートの製造方法は、取扱い性に優れ、熱伝導性フィラーが水平面内方向に良好に配向したプレ熱伝導シートを好適に提供することができる。当該プレ熱伝導シートは、熱伝導シートの製造において一次シートとして好適に用いることができる。
また本発明の熱伝導シートの製造方法は、取扱い性および熱伝導性に優れた熱伝導シートを好適に提供することができる。当該熱伝導シートは、各種機器および装置などにおいて使用される放熱材料、放熱部品、冷却部品、温度調節部品、電磁波シールド部材、電磁波吸収部材、被圧着物を加熱圧着する場合に被圧着物と加熱圧着装置との間に介在させる熱圧着用ゴムシートとして好適に使用することができる。また、当該熱伝導シートは、発熱体と放熱体との間に介在させることによって、放熱装置の製造にも好適に使用することができる。

Claims (6)

  1. 常温固体の熱可塑性樹脂と、粒子状炭素材料とを含む組成物を調製する工程と、
    該組成物を、回転軸が互いに略水平かつ互いに平行に配置された少なくとも一対の圧延ロール間を、重力方向に通過させて圧延することにより、プレ熱伝導シートを得る工程と、
    を含む、プレ熱伝導シートの製造方法。
  2. 前記常温固体の熱可塑性樹脂が、常温固体のフッ素樹脂である、請求項1に記載のプレ熱伝導シートの製造方法。
  3. 前記粒子状炭素材料が、膨張化黒鉛である、請求項1または2に記載のプレ熱伝導シートの製造方法。
  4. 前記組成物中の前記粒子状炭素材料の含有割合が、前記常温固体の熱可塑性樹脂100質量部に対し、40〜900質量部である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のプレ熱伝導シートの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法によって製造されたプレ熱伝導シートを厚み方向に複数枚積層して、或いは、該プレ熱伝導シートを折畳または捲回して、積層体を形成する工程と、
    該積層体を、積層方向に対して45°以下の角度でスライスして、熱伝導シートを得る工程と、
    を含む、熱伝導シートの製造方法。
  6. 前記積層体を、前記プレ熱伝導シートの折畳によって形成する、請求項5に記載の熱伝導シートの製造方法。
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