JP7214895B2 - 回転電機の電機子巻線および回転電機 - Google Patents

回転電機の電機子巻線および回転電機 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、回転電機の電機子巻線および回転電機に関する。
一般に、3相交流の回転電機(以下、「回転電機」と称す。)は、図7に示すように電機子部1、界磁部2、シャフト3等から構成される。電機子部1と界磁部2とは、どちらか一方が回転子として回転し、もう一方は固定子として固定される。ここでは、電機子部1が固定子、界磁部2が回転子である場合を例に挙げて説明する。
図7の電機子部1は電機子鉄心5と電機子巻線6からなり、電機子鉄心5は積層鉄板を積層して構成され、この電機子鉄心5の周囲部に設けられたスロット7には電機子巻線6が収められている。この電機子巻線6は、スロット開口部に近い側の上コイル片8と、スロット底側の下コイル片9の2層に配置され、その外周部が主絶縁層で覆われている。
回転電機の電機子巻線6の巻線方式には、重ね巻と波巻とがある(例えば特許文献1および非特許文献1)。2つのコイル片により亀甲形状のコイルを形成するものを重ね巻、コイル片が各磁極を順次通過して一方向に巻き進むものを波巻という。波巻は重ね巻きに比べ極間渡り線を省略でき製造が容易となり、極間渡り線で発生する交流損が低減でき回転電機の性能向上に効果があることから水車発電機等の大容量の回転電機で採用されている。以下、波巻に関して説明する。
図8に、3相12極72スロット4並列回路の回転電機における一般的な波巻の電機子巻線の展開模式図を示す。図8に示されるように、電機子巻線は、U相巻線、V相巻線、およびW相巻線から構成され、各相の各並列回路は各磁極を順次通過して電機子を周回するように巻回される。
図9は、図8に示される電機子巻線の展開模式図を1相分のみとし、1相内の4並列回路を分けて示した図である。図9に示していない他の2相については、図示された相の電機子巻線の構成をそれぞれ電気角で120度及び240度ずつずらしたものとなる。
なお、図8、図9においては、スロットの番号が記載されているが、煩雑さを避けるために奇数番号のみを記載し、偶数番号の記載を省略している。
図9に示されるように、各並列回路の電機子巻線は、スロット内の開口部側に納められる上コイル片8と、スロット内の底側に納められる下コイル片9とを有し、これら上コイル片8、下コイル片9の端部同士が周回するに接続される接続側コイルエンド10と、その軸方向反対側で口出し部15,16に接続されない反接続側コイルエンド11とにおいて、それぞれ回転電機の周方向に一方向に順次直列に接続され、12個の相帯13により相帯群14を形成している。
ここで、相帯13とは、3相各相を複数に分割して割り当てられた電機子鉄心5に設けられた複数のスロット7にそれぞれ上コイル片8及び下コイル片9を2層に収めてこれらを接続して同一相を形成する巻線部分を言う。
また、多並列回路を有する回転電機において、各並列回路間で誘起される電圧が不平衡となると、並列回路間に循環電流が発生し、電機子巻線温度が上昇するため、最悪の場合には加熱や焼損事故の原因となる。そこで、各並列回路で誘起される電圧が平衡するようスロット7に配置する上下コイルの配列をジャンパ線12により入れ替えて巻回される。図9では各並列回路で誘起される電圧が平衡となるように6相帯毎にコイル配置を1スロット分入れ替えている。
図9に示される電機子巻線1相分の並列回路のコイル配置イメージを図10に、当該並列回路を有する回転電機の軸断面を図11に示す。
ここで、図9乃至図11に示される4並列回路(第1乃至第4の回路)のうち、第2の回路を例に、従来の電機子巻線の巻線方式を説明する。
図9に示されるように、第2の回路の巻線は、巻線口出し部15から、第67スロットの下コイル片を通り、第2スロットの上コイル片を通り、第7スロットの下コイル片を通り、第14スロットの上コイル片を通り、第19スロットの下コイル片を通り、第26スロットの上コイル片を通り、ジャンパ線12を通り、第30スロットの下コイル片を通り、第37スロットの上コイル片を通り、第42スロットの下コイル片を通り、第49スロットの上コイル片を通り、第54スロットの下コイル片を通り、第61スロットの上コイル片を通り、巻線口出し部16へと導かれる。
第1、第3、第4の回路の巻線も、第2の回路の巻線と同様な形態をとるが、それぞれ各回路で周方向に異なる位置に配置される。
日本国特開昭56-44360号公報
Mattias Wallin, Martin Ranlof, and Urban Lundin, "Reduction of Unbalanced Magnetic Pull in Synchronous Machines due to Parallel Circuits" IEEE TRANSACTIONS ON MAGNETICS, VOL.47,NO.12,DECEMBER2011, pp.4827-4833
回転電機は、通常、図11に示される回転電機の中心点(固定子の中心点)21を中心に回転子が回転しており、固定子と回転子との間のギャップ4は円周上で均一であるが、図11に示されるように固定子の中心点21から回転子の中心軸22がずれ、固定子と回転子との間のギャップ4が円周上で不均一となるギャップ偏心が生じることがある。ギャップ偏心が生じた場合、電機子と回転子とを結合する磁気エネルギーが全周上で不均一となり、磁気吸引力が働く。
回転電機を大容量化する場合、ギャップ偏心が生じた際の磁気吸引力が大きくなり、軸受やフレームに掛かる力が大きくなる。また、一般的な波巻の電機子巻線は、各相の各並列回路が図10のように電機子を周回する(1周する)ように巻回されていることから、ギャップ偏心が生じた際に、ギャップが狭くなる付近で磁極を形成する電流と、ギャップが広くなる付近で磁極を形成する電流とが打ち消しあって誘導電流が流れにくくなる部分が生じやすく、ギャップ偏心に対して回転子を元の位置に戻す力を十分に発揮できない。特に既存の回転電機の構造を変えずに大容量化すると、ギャップ偏心に対して回転子を元の位置に戻すことができなくなる。その場合、軸受やフレームが耐えられなくなり変形や破損、回転子と固定子との接触が起こる可能性がある。一方、このようなことを防止するために回転電機全体の再設計を行うとなると、多大な時間とコストを要する。こうした問題は、回転子が電機子部1、固定子が界磁部2を構成する場合においても同様に起こる。
例えば非特許文献1においては、3相6極108スロット2並列回路の回転電機を対象に2並列回路の各回路を回転機の軸断面から見て上半と下半に分けて巻線を構成することにより、ギャップ偏心時の電機子と回転子の間に働く磁気吸引力の低減を図っている。この非特許文献1の構成においては、回転電機の軸断面から見て上下方向のギャップ偏心が生じた場合には磁気吸引力の低減効果があるものの、左右方向のギャップ偏心に対しては磁気吸引力の低減効果が大幅に低下すると考えられる。
本発明が解決しようとする課題は、既存の構成を活かしつつ、電機子巻線の巻線方式を変更することで、回転電機の軸断面から見た全周方向のギャップ偏心に対し、ギャップ偏心発生時の回転子を元の位置に押し戻すことができる、回転電機の電機子巻線および回転電機を提供することにある。
実施形態の回転電機の電機子巻線は、3相6極以上の偶数極の2層巻き電機子巻線であって、各相に3並列以上の並列回路を備え、各回路を構成する個々のコイルは波巻により結線され、各回路は相帯群が隣接する両側の回路における「極数/2」個分の相帯とそれぞれ重なるように配置され、該相帯群は各回路で周方向に異なる位置に配置されている。
本発明によれば、既存の構成を活かしつつ、電機子巻線の巻線方式を変更することで、回転電機の軸断面から見た全周方向のギャップ偏心に対し、ギャップ偏心発生時の回転子を元の位置に押し戻すことができる。
図1は、実施形態による回転電機の電機子巻線の1相分の展開模式図である。 図2は、同実施形態における電機子巻線1相分の並列回路のコイル配置イメージ図である。 図3は、同実施形態における並列回路を有する回転電機の軸断面を示す図である。 図4は、従来の巻線方式と同実施形態のそれぞれの電機子巻線1相分の各並列回路のコイル設置とその設置範囲を示す図である。 図5は、回転子の偏心が生じた場合に回転子を元の位置に戻そうとする力が働く原理を説明する図。 図6は、従来例の巻線方法と本実施形態の巻線方法とで、ギャップ偏心発生時の回転子に働く磁気吸引力を数値解析によりそれぞれ求めた比較結果の一例を示す図である。 図7は、一般的な回転電機の軸断面を示す図である。 図8は、3相12極72スロット4並列回路の回転電機における一般的な波巻の電機子巻線の展開模式図である。 図9は、図8に示される電機子巻線の展開模式図を1相分のみとし、1相内の4並列回路を分けて示した図である。 図10は、従来の電機子巻線1相分の並列回路のコイル配置イメージ図である。 図11は、従来方法で配置された並列回路を有する回転電機の軸断面を示す図である。
実施形態
以下、図面を参照して、実施の形態について説明する。
図1は、実施形態による回転電機の電機子巻線の1相分の展開模式図である。なお、図1では、前述した要素と同一の要素には同一の符号を付している。
この実施形態では、12極72スロット4並列回路の回転電機を例として挙げる。図1では電機子巻線の1相分のみ示しているが、図1に示していない他の2相については、図示された相の電機子巻線の構成をそれぞれ電気角で120度及び240度ずつずらしたものとなる。なお、図1においては、スロットの番号が記載されているが、煩雑さを避けるために奇数番号のみを記載し、偶数番号の記載を省略している。
図1に示される回転電機の電機子は、積層鉄心から成る電機子鉄心5に72個のスロットが設けられ、これらのスロットに12極3相4並列回路の電機子巻線が2層に収められている。
各相の電機子巻線は、スロット内の開口部側に納められる上コイル片8と、スロット内の底側に納められる下コイル片9とを有し、これら上コイル片8、下コイル片9の端部同士を巻線口出し部15,16に接続される接続側コイルエンド10と、その軸方向反対側で巻線口出し部に接続されない反接続側コイルエンド11とにおいて、それぞれ回転電機の周方向に6個の相帯13の範囲に順次直列接続し、その後、ジャンパ線12を介して折り返して、更に周方向に6個の相帯13の範囲に順次接続される構成としている。更に、各並列回路の各相帯群14はそれぞれ3個の相帯群14をオーバラップさせるように巻回している。すなわち、各並列回路は相帯群14が隣接する両側の回路における極対数(極数/2)個分の相帯13とそれぞれ重なるように配置され、該相帯群14は各回路で周方向に異なる位置に配置されている。
図1に示される電機子巻線1相分の並列回路のコイル配置イメージを図2に、当該並列回路を有する回転電機の軸断面を図3に示す。
各並列回路は、図1に示される6個の相帯群14(機械角180度に相当)で巻回され、各並列回路の各相帯群14はそれぞれ3個の相帯群14(機械角90度に相当)をオーバラップさせるようにコイルを配置している。
ここで、図1乃至図3に示される4並列回路(第1乃至第4の回路)のうち、第2の回路を例に、本実施形態による電機子巻線の巻線方式を説明する。
図1に示されるように、第2の回路の巻線は、巻線口出し部15から、第18スロットの下コイル片を通り、第25スロットの上コイル片を通り、第30スロットの下コイル片を通り、第37スロットの上コイル片を通り、第42スロットの下コイル片を通り、第49スロットの上コイル片を通り、ジャンパ線12を通り、第44スロットの上コイル片を通り、第37スロットの下コイル片を通り、第32スロットの上コイル片を通り、第25スロットの下コイル片を通り、第20スロットの上コイル片を通り、第13スロットの下コイル片を通り、巻線口出し部16へと導かれる。
第1、第3、第4の回路の巻線も、第2の回路の巻線と同様な形態をとるが、それぞれ各回路で周方向に異なる位置に配置される。
なお、本実施形態では、3相6極の2層巻き電機子巻線の場合を例示しているが、これに限定されるものではない。例えば6極以上の偶数極であればよく、6極だけの場合に限られない。また、本実施形態では並列回路が4つの場合を例示しているが、これに限定されるものではない。例えば各相に3並列以上の並列回路があればよく、4並列の場合に限られない。その場合、極数/並列回路数が整数となるようにする。各回路の相帯群14は、位置を周方向に「相帯数/並列回路数」だけずらして配置することが望ましい。
極数を2P極、並列回路数をn並列回路(P,nは任意の自然数)とすれば、各回路は「4P/n」個の相帯13により相帯群14を形成しており、該相帯群14は各回路で周方向に「2P/n」個の相帯分ずらして配置されていることが望ましい。
上記の構成を採用すれば、ギャップ偏心が生じた場合、並列回路内でインダクタンスに差が生じて、各回路間の電圧に差が生じ、電圧が高くなる回路(ギャップ4が狭くなる位置に該当する回路)では磁気吸引力と逆方向の力を引き起こす循環電流が流れ、電圧が低くなる回路(ギャップ4が広くなる位置に該当する回路)では磁気吸引力と同方向の力を引き起こす循環電流が流れ、中心軸のずれた回転子を元の位置に押し戻す力が働く。
以下では、上記した作用について、図4及び図5を参照しながらより詳細に説明する。
図4(a)は、従来の巻線方式による電機子巻線1相分の各並列回路のコイル設置とその設置範囲を示す図である。一方、図4(b)は、本実施形態による電機子巻線1相分の各並列回路のコイル設置とその設置範囲を示す図である。
なお、図4(a)及び(b)では、各並列回路のコイル設置を理解しやすくするため、固定子(電機子部)1の電機子鉄心5に設けられたスロット7に収納されている各並列回路の電機子巻線6(上コイル片8、下コイル片9)のサイズを大きめに記載しており、また、回転子(界磁部)2の形状を簡略化して円形にした記載としている。
従来の巻線方式では、図4(a)に示されるように、4つの並列回路(第1の回路、第2の回路、第3の回路、第4の回路)はそれぞれ固定子1を周回する(1周する)ように配置されている。これに対し、本実施形態の巻線方式では、図4(b)に示されるように、4つの並列回路(第1の回路、第2の回路、第3の回路、第4の回路)がそれぞれ、周方向に機械角180度の範囲内に配置され且つ周方向に機械角90度ずつずらして配置されている。
このように従来の巻線方式と本実施形態の巻線方式とでは、巻線の配置が異なるため、作用・効果が後述するように異なる。
従来の巻線方式と本実施形態の巻線方式のそれぞれについて、図4(a)及び(b)のように、固定子1の中心点21から回転子2の中心軸がずれ、固定子1と回転子2との間のギャップ4が円周上で不均一となるギャップ偏心が生じた場合を考える。
図5に、回転子2によるギャップ偏心が生じた場合に回転子2を元の位置に戻そうとする力が働く原理の概要を示す。図5では、説明の複雑化を避けるため、電機子部1及び界磁部2が簡易な構成である場合の例を描写している。また、ここでは上コイル片と下コイル片の区別やその図示も省略している。
図5(a)に示されるように、回転子2の偏心により、その一部が固定子1から離れ、他の一部が固定子1に近づくと、回転子2と固定子1との間に不平衡電磁力が発生する。
このような不平衡電磁力が発生すると、回転子2と固定子1との間の電磁力を平衡状態に戻すべく回転子2を元の位置に戻そうとする力(反発力、吸引力)が働く。
例えば、図5(b)に示されるように、回転子2のN極の部分が固定子1に近づくと、固定子1側の対向する位置にN極を生じさせる(あるいは、回転子2のS極の部分が固定子1に近づくと、固定子1側の対向する位置にS極を生じさせる)ことにより、回転子2を元の位置に押し戻す反発力を発生させようと、誘導電流31c、32cが、固定子1側の電機子巻線(例えばスロット31の位置から矢印に示す方向(固定子軸方向)へ向かい、その後、逆方向に転換してスロット32の位置に戻ってくるように配置された電機子巻線)に流れる。また、このとき回転子2のS極の部分が固定子から離れると、固定子1側の対向する位置にN極を生じさせる(あるいは、回転子2のN極の部分が固定子1から離れると、固定子1側の対向する位置にS極を生じさせる)ことにより、回転子2を元の位置に引き戻す吸引力を発生させようと、誘導電流41c、42cが、固定子1側の電機子巻線(例えばスロット41の位置から矢印に示す方向(固定子軸方向)へ向かい、その後、逆方向に転換してスロット42の位置に戻ってくるように配置された電機子巻線)に流れる。
上述した反発力、吸引力は、従来の巻線方式と本実施形態の巻線方式のいずれにも生じ得るが、従来の巻線方式の場合は、図4(a)に示されるように4つの並列回路(第1の回路、第2の回路、第3の回路、第4の回路)がそれぞれ電機子部1を周回する(1周する)ように直列接続で配置されていることから、以下に説明するような弊害が生じる。
従来の巻線方式の場合は、図4(a)に示されるように、回転子2が固定子1に接近している付近に例えば第2の回路の電機子巻線6が存在すると共に、回転子2が固定子1から離れている付近にも第2の回路の電機子巻線6が存在する。回転子2が固定子1に接近している付近に存在する第2の回路の電機子巻線6では、誘導電流が反発力を発生させる方向に流れようとする一方で、回転子2が固定子1から離れている付近に存在する第2の回路の電機子巻線6では、誘導電流が吸引力を発生させる方向に流れようとする。
しかし、双方の電機子巻線6は直列接続されていることから、回転子2が固定子1に接近している付近に存在する第2の回路の電機子巻線6において反発力を発生させる方向に流れようとする誘導電流は、回転子2が固定子1から離れている付近に存在する第2の回路の電機子巻線6(即ち、誘導電流が吸引力を発生させる方向に流れようとしている電機子巻線6)にも流れようとし、双方の誘導電流が互いに打ち消し合う。同様に、回転子2が固定子1から離れている付近に存在する第2の回路の電機子巻線6において吸引力を発生させる方向に流れようとする誘導電流は、回転子2が固定子1に接近している付近に存在する第2の回路の電機子巻線6(即ち、誘導電流が反発力を発生させる方向に流れようとしている電機子巻線6)にも流れようとし、双方の誘導電流が互いに打ち消し合う。
このような誘導電流の打ち消し合いは、回転子2が第2の回路の電機子巻線6が存在する付近に接近する場合に限らず、回転子2が第1、第3、第4の回路の電機子巻線6のいずれかの付近に接近する場合においても同様に起こる。その結果、回転子2の偏心による不平衡電磁力の発生時に、回転子2を元の位置に戻そうとする力が有効に働かない。
一方、本実施形態の巻線方式の場合は、図4(b)に示されるように、回転子2が固定子1に接近している付近に例えば第2の回路の電機子巻線6が存在するが、回転子2が固定子1から離れている付近には第2の回路の電機子巻線6は存在せず、第1の回路もしくは第4の回路の電機子巻線6が存在する。回転子2が固定子1に接近している付近に存在する第2の回路の電機子巻線6では、誘導電流が反発力を発生させる方向に流れようとするが、回転子2が固定子1から離れている付近には、第2の回路の電機子巻線6は存在しないため、上述したような誘導電流の打ち消し合いは起こらず、第2の回路の電機子巻線6には反発力を発生させる方向の誘導電流が流れる。また、回転子2が固定子1から離れている付近に存在する第1の回路もしくは第4の回路の電機子巻線6では、誘導電流が吸引力を発生させる方向に流れようとするが、回転子2が固定子1に接近している付近には、第1の回路もしくは第4の回路の電機子巻線6は存在しないため、上述したような誘導電流の打ち消し合いは起こらず、第1の回路もしくは第4の回路の電機子巻線6には吸引力を発生させる方向の誘導電流が流れる。
このような作用は、回転子2が第2の回路の電機子巻線6が存在する付近に接近する場合に限らず、回転子2が第1、第3、第4の回路の電機子巻線6のいずれかの付近に接近する場合においても同様に起こる。また、各回路の設置範囲が隣接する回路の設置範囲と一部重複するような巻線配置になっていることから、回転子2の偏心がいずれの方向であっても不平衡電磁力を低減する効果が得られる。その結果、回転子2の偏心による不平衡電磁力の発生時には、回転子2を元の位置に戻そうとする力(反発力、吸引力)が有効に働く。
本実施形態によれば、回転電機の軸断面から見て上下方向のギャップ偏心が生じた場合は、主に第1の回路と第2の回路に循環電流が流れ、第1の回路には磁気吸引力と同方向の力を引き起こす循環電流が流れ、第2の回路には磁気吸引力と逆方向の力を引き起こす循環電流が流れることにより、ギャップ偏心発生時の回転子を元の位置に押し戻すことが可能になる。また、回転電機の軸断面から見て左右方向のギャップ偏心が生じた場合は、主に第3の回路と第4の回路において、中心軸のずれた回転子を元の位置に押し戻す力が働くように循環電流が流れる。その結果、本実施形態では、回転電機の軸断面から見た全周方向のギャップ偏心に対し、ギャップ偏心発生時の回転子を元の位置に押し戻すことができる効果が得られる。
図11の従来例の巻線方法と本実施形態の巻線方法とで、ギャップ偏心発生時の回転子に働く磁気吸引力を数値解析によりそれぞれ求めた比較結果の一例を図6に示す。図6中、横軸は従来例の巻線方式における回転子に働く磁気吸引力を1PUとしている。
図6の数値解析の結果から、本実施形態の巻線方法を適用することで従来例の巻線方法に比べ、中心軸のずれた回転子を元の位置に押し戻す効果が得られることが確認できた。
以上詳述したように、実施形態によれば、既存の構成を活かしつつ電機子巻線の巻線方式を変更することで、回転電機の軸断面から見た全周方向のギャップ偏心に対し、ギャップ偏心発生時の回転子を元の位置に押し戻すことが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

Claims (5)

  1. 3相6極以上の偶数極の2層巻き電機子巻線であって、
    各相に3並列以上の並列回路を備え、各回路を構成する個々のコイルは波巻により結線され、各回路は相帯群が隣接する両側の回路における「極数/2」個分の相帯とそれぞれ重なるように配置され、該相帯群は各回路で周方向に異なる位置に配置されている、
    回転電機の電機子巻線。
  2. 前記相帯群は各回路で周方向に「相帯数/並列回路数」だけずらして配置されている、
    請求項1に記載の回転電機の電機子巻線。
  3. 極数は2P極、並列回路数はn並列回路(P,nは任意の自然数)であり、
    各回路は「4P/n」個の相帯により相帯群を形成しており、該相帯群は各回路で周方向に「2P/n」個の相帯分ずらして配置されている、
    請求項1に記載の回転電機の電機子巻線。
  4. 極数/並列回路数が整数となる構成である、
    請求項1に記載の回転電機の電機子巻線。
  5. 請求項1に記載の電機子巻線を備えた回転電機。
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