JP5231950B2 - 回転電機の電機子巻線 - Google Patents

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Description

本発明は、隣接するコイル片間の電位差を軽減して、コロナ放電の発生を抑制可能な回転電機の電機子巻線に関する。
従来の回転電機の電機子巻線としては、図33に示すような構造のものがある。
図33は回転電機の電機子鉄心のスロットに配置された電機子巻線の一例を示す断面図である。
図33において、12は積層鉄板を積層してなる電機子鉄心で、この電機子鉄心12の周囲部に設けられたスロット13には電機子巻線14が収められている。
この電機子巻線14は、スロット開口部に近い側の上コイル片15と、スロット底側の下コイル片16の2層に配置され、その外周部が主絶縁層24で覆われている。
なお、スロット底側に絶縁板10aが配置され、上コイル片15と下コイル片16との間を仕切る絶縁板10bが配置され、さらにスロット開口部側には絶縁板10cを介して楔9が打ち込まれている。
大容量の回転電機においては、電機子巻線14を構成する上コイル片15と下コイル片16を直列に接続することによって発生電圧を高め、機器容量を増大している。
また、電機子巻線14の電圧が高くなると耐電圧のために電機子巻線の主絶縁層24の厚さが厚くなり、その結果として導体部分の断面積が減少して電流密度が増加し、損失増加を招くことから、電機子巻線を複数の並列回路に分割することにより、機器の容量はそのままにして電機子巻線の電圧を低減して主絶縁層24の厚さを薄くし、損失低減および冷却能力の向上を図るようにしている。
まず、従来の電機子巻線の第1の例を述べる。
図34は、2極3相66スロットで2並列回路を有する電機子巻線の1相分の展開模式図であり、図35は図34で示したものと同じ電機子巻線の3相分の展開模式図である。図34に示していない他の2相については、図示された相の電機子巻線の構成をそれぞれ120度及び240度ずつずらしたものである。
図34に示すように、電機子巻線14に関しては、1相帯あたりの上下片側のコイル片が占めるスロット数は11である。
ここで、相帯とは、3相各相を複数に分割して割り当てられた積層鉄心(電機子鉄心)に有する複数のスロットにそれぞれ上コイル片及び下コイル片を2層に収めてこれらを順次直列接続して同一相を形成する巻線部分を言う。
図34に示すように各相の電機子巻線14は、スロット内の開口部側に納められる上コイル片15(15a、15b)と、スロット内の底側に納められる下コイル片16(16a、16b)とを有し、これら上コイル片15、下コイル片16の端部同士を巻線口出し部に接続される接続側コイルエンド19aと、その軸方向反対側で巻線口出し部に接続されない反接続側コイルエンド19bにおいてそれぞれ直列に接続されている。
さらに、電機子巻線14は、上下コイル片15、16を、電機子鉄心12に設けられた11個の(第1〜11、および第28〜38)スロット13に納める第1の相帯17と、同じく11個の(第34〜44および第61〜5)スロット13に納める第2の相帯18とを有している。
各相の電機子巻線14は、それぞれ2つの並列回路を有しており、それぞれ実線と破線で示している。
第1の相帯17および第2の相帯18は、上コイル片15が接続側および反接続側のコイルエンド19a、19bで所定のコイルピッチだけ離れた位置にある対応する下コイル片16と接続されることによって2つの並列回路を構成し、各並列回路は接続側コイルエンド19aに設けられる口出し導体21を介して並列接続され、電機子巻線14を形成している。
図では、反接続側においては、第1スロットに配置された上コイル片(第1上コイル片)と第28スロットに配置された下コイル片(第28下コイル片)とが接続されており、コイルピッチは27である。一方、接続側においては、第11スロットに配置された上コイル片(第11上コイル片)と第37スロットに配置された下コイル片(第37下コイル片)が接続されており、コイルピッチは26である。
なお、図34の電機子巻線において、巻線ピッチは例えば第1の相帯17の上コイル片15aが収められたスロット13と下コイル片が収められたスロット13とのピッチをいい、図の場合の巻線ピッチは27となり、すなわち、コイルピッチは、接続側コイルエンドでコイルピッチが巻線ピッチより1つ小さく、反接続側コイルエンドでコイルピッチが巻線ピッチに等しくなるように接続されている。
各相帯の並列回路数が極数以下の場合は、例えば特許文献1(Fig.2)にも見られるように、通常、相帯の端に口出し部を設けられており、相帯端部のコイル片と口出し部導体とが接続されている。例えば、図34において、第1の相帯17の接続側コイルエンド19aにおいて、出力端子22に接続された口出し接続導体21が第1上コイル片15aに接続され、また、第38下コイル片16aが口出し接続導体21と接続され、中性点端子23に接続される。
また、第2の相帯18においては、接続側コイルエンド19aにおいて、出力端子22に接続された口出し接続導体21が第5下コイル片16aに接続され、また、第34上コイル片15bが口出し接続導体21と接続されて中性点端子23に接続される。
なお、以下では図34に示すように磁極中心Pa、Pbを定め、第1の相帯において、第1上コイル片を磁極中心から遠い側の相帯端に位置する上コイル片と呼び、第11上コイル片を磁極中心に近い側の相帯端に位置する上コイル片と呼ぶ。一方、下コイル片については、第28下コイル片を磁極中心に近い側の相帯端に位置する下コイル片と呼び、第38下コイル片を磁極中心から遠い側の相帯端に位置する下コイル片と呼ぶ。
したがって、通常の接続では、磁極中心から遠い側の相帯端に位置する上コイル片である第1上コイル片と磁極中心に近い側の相帯端に位置する下コイル片である第28下コイル片とが接続されることになる。
電機子巻線14は、第1上コイル片、第28下コイル片、第2上コイル片、第29下コイル片と順次図34の左側から右側に向かって巻回されるが、このような場合に、以下では上コイル片が磁極中心に近づくように巻回する、と称す。
第2の相帯についても同様であり、第2の相帯では第5下コイル片、第44上コイル片、第4下コイル片、第43上コイル片と、下コイル片が磁極中心に近づくように巻回している。
以下の説明において、第1上コイル片から第11上コイル片が構成する相をV相、第12上コイル片から第22上コイル片が構成する相をU相、第23上コイル片から第33上コイル片が構成する相をW相、と便宜上呼ぶこととし、以下のコイル片ではこれが繰り返されるものとする。V相、U相、W相の配置や順序が変わっても構わないことは言うまでもない。
さて、次に、隣接コイル片間の電位差について説明するが、ここでは1相における誘起電圧に対する比の値で、p.u.表示するものとする。
図35の相帯端のコイル片に着目すると、例えば第23スロットに配置される上コイル片(以下第23上コイル片)の接続側端での電位は1[PU]であり、隣接する第22スロットに配置される上コイル片(以下第22上コイル片)の電位は10/11[PU]となる。
図36に図35の例における隣接コイル片間の電位差の例を示すベクトル図を示すが、第23上コイル片と第22上コイル片の電位差は位相差を考慮して1.653[PU]となる。
これに対し、第12スロットに配置される上コイル片(以下第12上コイル片)は中性点端子23に接続されるため、第12上コイル片の接続側端での電位は0[PU]であり、隣接する第11スロットに配置される上コイル片(以下第11上コイル片)の電位は1/11[PU]となり、図36のベクトル図にも示すように、第12上コイル片と第11上コイル片の電位差は、1/11=0.091[PU]となる。
これに対し、同相のコイル片間においては、どのコイル片間も電位差が1/11=0.091[PU]となる。
図37は、このようにして求めた隣接コイル片間の接続側コイルエンド部の電位差を上コイル片について図示したものである。図の凡例に相を示しているが、これは番号の小さい側のコイル片の相を示している。
図に示すように、上述した2極3相66スロットで2並列回路を有する電機子巻線では、隣接コイル片間の最大電位差は相帯の境界において1.654[PU]となる。
次に従来の電機子巻線の第2の例を説明する。
図38は、2極3相66スロットで1並列回路を有する電機子巻線の1相分の展開模式図であり、1相帯あたりの上下片側のコイル片が占めるスロット数は図34と同様に11である。
図38においても、巻線ピッチは27で、反接続側コイルエンド部19bのコイルピッチ27に等しく、接続側コイルエンド部19aのコイルピッチ26は巻線ピッチより1つ小さくなっている。
図38においても、図34と同様、相帯端部のコイル片と口出し部導体とが接続されている。例えば、図34において、第1の相帯17の接続側コイルエンド19aにおいて、第1上コイル片15aが口出し接続導体21に接続されて出力端子22に接続され、第2の相帯18の接続側コイルエンド19aにおいて、第34上コイル片15bが口出し接続導体21と接続されて、中性点端子23に接続される。
また、第1の相帯17の第38下コイル片16aと、第2の相帯18の第5下コイル片16bとが、接続側ジャンパ線20aで接続されている。
次に、隣接コイル片間の電位差について説明するが、例えば、図38の相帯端のコイル片に着目すると、例えば第44上コイル片の接続側端での電位は10/22[PU]であり、図示しないが隣接する第45上コイル片の電位は1[PU]となる。第44上コイル片と第45上コイル片の電位差は120度の位相差を考慮して1.289[PU]となる。
図39に隣接コイル片間の接続側コイルエンド部の電位差を上コイル片について図示するが、従来の第2の例の電機子巻線では、隣接コイル片間の最大電位差は相帯の境界において1.289[PU]となる。
次に従来の電機子巻線の第3の例について述べる。
大容量の回転電機で、特に間接冷却方式の場合は、電機子鉄心のスロットを多くして、電機子巻線の冷却周長を増加することが一般的であるため、3並列回路以上の並列回路を有する電機子巻線が必要になっている。2極で並列回路数が3の場合のように、並列回路数が極数を超える場合には、各並列回路の発生電圧を完全に同一にすることができないため、並列回路間に循環電流が発生し、電機子巻線の損失が増加するという問題が発生する。
この循環電流による損失を低減するためには、各並列回路の発生電圧の不平衡をできる限り小さくすることが肝要であり、そのために各相帯中の各並列回路に属するコイル配置に特別な配慮を必要とする。
図40は、特許文献4に記載されている電機子巻線の1相分の展開模式図であり、2極3相で電機子鉄心は72個スロットを有しており、1相帯あたりの上下片側のコイル片が占めるスロット数は12である。
電機子巻線は、図40に3種の線で示した1〜3の3つの並列回路からなり、第1の相帯17となる12個の上コイル片15a、下コイル片16aの並列回路番号をそれぞれ図の左側から順に1,2,3,1,2,3,1,2,3,1,2,3とし、同様に第2の相帯となる12個の上コイル片15b、下コイル片16bの並列回路番号をそれぞれ図の左側から順に3,2,1,3,2,1,3,2,1,3,2,1として、並列回路毎の電圧の大きさの偏差(平均的な相電圧からの偏差の絶対値)および並列回路毎の電圧の位相差の偏差(平均的な相電圧の位相角の偏差)が小さくなるようにしている。
また、このような接続を実現するため、図40の電機子巻線14は、第1の相帯17と第2の相帯18間に対応する各並列回路の口出し端を口出し接続導体21により接続している。
隣接コイル片間の電位差については、隣接コイル片間の最大電位差は相帯の境界において、例えば図示しない第72上コイル片と第1上コイル片間で、最大電位差は1.231[PU]となる。
次に従来の電機子巻線の第4の例を述べる。
特許文献5においては、従来の第3の例で示したような回転電機の電機子巻線を構造的に簡素化するための改善が示されている。
図41は、特許文献5に記載の方法に従って従来の第3の例の改善を行った回転電機の電機子巻線の1相分を示す展開模式図で、2極3相で電機子鉄心は72個スロットを有しており、1相帯あたりの上下片側のコイル片が占めるスロット数は12である。
電機子巻線は図40に3種の線で示した1〜3の3つの並列回路からなり、第1の相帯17となる12個の上コイル片15a、下コイル片16aの並列回路番号をそれぞれ図の左側から順に1,2,1,1,2,1,1,2,1,1,2,1とし、同様に第2の相帯となる12個の上コイル片15b、下コイル片16bの並列回路番号をそれぞれ図の左側から順に3,2,3,3,2,3,3,2,3,3,2,3として、並列回路1と3が同一相帯に配置するように、電気的に等価な、第1の相帯の並列回路3と、第2の相帯の並列回路1とを入れ替えている。
このような接続を実現するため、図41の電機子巻線14は、接続側のコイルエンド19aを2/相のジャンパ線20aによって設増するとともに、第1の相帯17と第2の相帯18間に対応する各並列回路の口出し端を口出し接続導体21により接続している。
隣接コイル片間の電位差については、隣接コイル片間の最大電位差は相帯の境界において、例えば図示しない第72上コイル片と第1上コイル片間で、最大電位差は1.625[PU]となる。
Baumann:米国公開特許 US2007/0170804 Al Auinger:米国特許 第4341970公報 特許第3578939号公報 Harrington:米国特許 第3152273公報 Willyoung :米国特許 第3660705公報
電機子巻線の電圧が高くなると隣接するコイル片の間の電位差が大きくなり、特に、前述した従来例の電機子巻線では相帯の境界でコイル片間の電位差が大きくなるため、運転中に相帯の境界部のコイルエンド部でコロナ放電が発生する場合がある。
中でも、電機子巻線を主絶縁層の外側から冷却するような間接冷却方式の回転電機で、冷媒を加圧していない空気とする場合には、冷媒を水素とする場合に比べてコロナ放電が発生し易く、絶縁を損傷し、ひいては回転電機を安定運転できなくなる可能性もあるため、回転電機を高電圧化、大容量化を行う上で問題となる。
理想状態は常温大気圧の空気中でコロナ放電の開始電界は3kV/mm程度とされているが、実際には、帯電物の表面状態などにより、これより低い電界でコロナ放電が発生する場合もある。
このように相帯の境界でのコイル片間のコロナ放電を防止するため、特許文献1では、コイルエンドの表面、つまりコロナ防止層のさらに外側に、マイカを含んだテープやシートを巻回することにより、コロナ耐性を向上させるようにしている。
また、コイルエンド間に放電が発生したとしても、コロナ耐性に優れるマイカを巻くことによって、放電によるコロナ防止あるいは絶縁の損傷を低減するというものである。
しかし、特許文献1に記載の発明は、コイルの形状を変更することなく、絶縁の損傷を低減するものであるが、コイル絶縁の外側に更にテープやシートを巻回するものであるため、絶縁部の熱伝達が悪くなり、コイルの冷却が悪化し局所過熱の原因となるほか、絶縁部を含めた寸法が大きくなるため、製作時、メンテナンス時の作業性も悪くなり、誤作業によって電機子を損傷する恐れもある。
また、特許文献2では、誘起される磁束の向きが異なる2種類のコイルグループを用意して、それらを組合せることで、コイル間の電位差を小さくすることが述べられている。
しかしながら、特許文献2に記載されたものでは、コイルエンド部の構造に制約ができ、またコイルグループの構造が複雑になって大型の火力用タービン発電機のような大容量の回転電機には適用できない。
更に、特許文献3では、3相4極72スロットで3つの並列回路を有する電機子巻線において、相帯の端部以外のコイル片を口出し部に接続した構造が見られ、並列回路間の電圧の不平衡を小さくするとともに、接続側において隣接する他相のコイル片との電位差を低く抑えることが記述されている。
しかしながら、特許文献3は、並列回路間の電圧の不平衡を小さくすることを目的とするもので、極数、スロット、及び並列回路数が特定の条件における巻線方式について述べたもので、並列回路間の電圧の不平衡に関して従来例と同じ状態を保ったうえで、隣接する他相のコイル片との電位差を低減するものではない。
その他、コイルエンド部で相間のコイル片間の距離を離すようにコイル間を大きく設計することが考えられるが、回転電機を必要より大型化することになり、使用材料が余計に必要なことや重量増加で輸送や設置に制約となる。また、組立後にコイルエンド部を変形させてコイル間距離を広げることも対策として考えられるが、コイルの変形時の絶縁の損傷や不平衡な電磁力の発生など回転電機の信頼性に関わる問題となる。
回転電機の大容量化を図るためには、線電流あるいは端子電圧を増加する必要があるが、線電流に関しては、コイル導体の温度上昇や寸法・重量の制限を受けるため、端子電圧を増加することが必要となる。このためには、前述のような電機子巻線のコロナ放電を抑制することが必要となる。
本発明は上述した事情を考慮してなされたものであり、コイルエンド部の絶縁物の寸法を増加することなく、隣接するコイル片間の電位差を軽減して、コロナ放電の発生を抑制できる信頼性の高い回転電機の電機子巻線を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、電機子鉄心に設けられた複数個のスロットにそれぞれ上コイル片及び下コイル片を2層に収めてこれら上コイル片と下コイル片とを接続側コイルエンド部及び反接続側コイルエンド部で順次直列接続して同一相を形成してなる巻線部の相帯がn個の並列回路を有し(nは1以上の整数)、且つ出力端子に繋がる出力端子口出し線と中性点端子に繋がる中性点端子口出し線とを前記各相帯の前記接続側コイルエンド部側のコイル片にそれぞれ接続する構成の3相2層巻きの電機子巻線において、前記出力端子に繋がる口出し線は、前記各相帯の端から数えて少なくとも1番目よりも相帯内内側のコイル片に接続され、前記相帯の端部に位置するコイル片と同相帯内のもう一方の端部から少なくともn(nは1以上の整数)番目以内に位置する同並列回路のコイル片をジャンパ線にて接続する構成とする。
本発明によれば、コイルエンド部の絶縁物の寸法を増加することなく、隣接するコイル片間の電位差を軽減して、コロナ放電の発生を抑制することが可能となり、信頼性の向上を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明による回転電機の電機子巻線の第1の実施形態を示す1相分の展開模式図であり、図2は同実施形態の3相分の展開模式図であり、図1で示した1相分の電機子巻線の構成に対して、電気角をそれぞれ120度および240度ずらして配置した2相を追加して示したものである。
図1に示すように回転電機の電機子11は積層鉄心から成る電機子鉄心12に66個のスロット13が設けられ、これらのスロット13に2極3相2並列回路の電機子巻線14が2層に収められている。各相の電機子巻線14は、スロット内の開口部側に納められる上コイル片15(15a、15b)と、スロット内の底側に納められる下コイル片16(16a、16b)とを有し、これら上コイル片15、下コイル片16の端部同士を巻線口出し部に接続される接続側コイルエンド19aと、その軸方向反対側で巻線口出し部に接続されない反接続側コイルエンド19bにおいてそれぞれ直列に接続されている。
さらに、電機子巻線14は、上下コイル片15、16を、電機子鉄心12に設けられた11個の(第1〜11、および第28〜38)スロット13に納める第1の相帯17と、同じく11個の(第34〜44および第61〜5)スロット13に納める第2の相帯18とを有している。
各相の電機子巻線14は、それぞれ2つの並列回路を有しており、それぞれ実線と破線で示している。
第1の相帯17および第2の相帯18は、上コイル片15が接続側および反接続側のコイルエンド19a、19bで所定のコイルピッチだけ離れた位置にある対応する下コイル片16と接続されることによって2つの並列回路を構成し、各並列回路は接続側コイルエンド19aに設けられる口出し導体21を介して並列接続され、電機子巻線14を形成している。図では、反接続側においては、第1スロットに配置された上コイル片(第1上コイル片)と第28スロットに配置された下コイル片(第28下コイル片)とが接続されており、コイルピッチは27である。一方、接続側においては、第11上コイル片と第37下コイル片が接続されており、コイルピッチは26である。
なお、図1の電機子巻線において、巻線ピッチは27となり、接続側コイルエンドのコイルピッチが巻線ピッチより1つ小さく、反接続側コイルエンドのコイルピッチが巻線ピッチに等しくなっている。
第1の実施形態においては、相帯の境界部におけるコイル片間の電位差を軽減するため、相帯の端部から2番目のスロットに収めたコイル片を口出し部に接続している。すなわち、図1および図2において、第1の相帯17の接続側コイルエンド19aにおいて、出力端子22に接続された口出し接続導体21が第2上コイル片15aに接続され、第2上コイル片から、第29下コイル片、第3上コイル片、第30下コイル片と、上コイル片が磁極中心に近づくように順次巻回され、第1の相帯17の磁極から遠い側の下コイル片の相帯端部、すなわち、第38下コイル片が、磁極から遠い側の上コイル片の相帯端部、すなわち、第1上コイル片と、ジャンパ線20aで接続される。
第1上コイル片は、磁極から近い側の下コイル片の相帯端部にある第28下コイル片に接続され、更に、口出し接続導体21を介して中性点端子23に接続される。
第2の相帯18においては、接続側コイルエンド19aにおいて、出力端子22に接続された口出し接続導体21が下コイル片16bに接続され、第4下コイル片から、第44上コイル片、第3下コイル片、第43上コイル片と、順次下コイル片が磁極中心に近づくように巻回され、磁極中心から遠い側の上コイル相帯端である第34上コイル片と磁極中心から遠い側の下コイル相帯端である第5下コイル片がジャンパ線20aで接続される。第4下コイル片は、第44上コイル片に接続され、更に第44上コイル片が口出し接続導体21を介して中性点端子23に接続される。
本実施形態の構造は、特許文献3で述べられたものと比べて、相帯内のコイル片間を接続するジャンパ線が、口出し部を接続したコイル片と同一の相帯に無いことや、上記ジャンパ線が相帯の端部以外のコイル片同士を接続するなどで異なっている。
次に隣接コイル片間の電位差について説明する。
表1は第1の実施形態の上下コイル片の接続側コイルエンド部電位を第1の相帯について示し、表2は第1の実施形態の上下コイル片の接続側コイルエンド部電位を第2の相帯について示すものである。
Figure 0005231950
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図2の相帯の端のコイル片に着目すると、例えば第23スロットに配置される上コイル片(以下第23上コイル片)の接続側端での電位は1/11[PU]であり、隣接する第22スロットに配置される上コイル片(以下第22上コイル片)の電位は0[PU]となる。
図3は第1の実施形態における隣接コイル片間の電位差の例を示すベクトル図である。
このベクトル図から明らかなように第23上コイル片と第22上コイル片の電位差は1/11=0.091[PU]となり、図34で示した従来例の電機子巻線に比べて、相帯端部で隣接するコイル片間の電位差が大幅に低減されることがわかる。
また、第12スロットに配置される上コイル片(以下第12上コイル片)の接続側端での電位は1/11[PU]であり、隣接する第11スロットに配置される上コイル片(以下第11上コイル片)の電位は2/11[PU]となり、図3のベクトル図において120度の位相差を考慮すると、第12上コイル片と第11上コイル片の電位差は、0.241[PU]となり、相帯の端部では、隣接するコイル片間の電位差は従来例に比べて大幅に小さくできる。
これに対し、同相のコイル片間において、例えば同じW相にある第24上コイル片の電位が1[PU]であり、第23上コイル片の電位が1/11[PU]となることから、これらコイル片間の電位差は10/11=0.909[PU]となる。
図4は、このようにして求めた隣接コイル片間の接続側コイルエンド部の電位差を上コイル片について図示したものである。
図に示すように、第1の実施形態の電機子巻線では、隣接コイル片間の最大電位差はこの0.909[PU]となり、従来例の1.653[PU]に比較して約55%と、大幅に小さくでき、コロナ放電の発生を抑制できる。
(第1の実施形態の変形例)
次に、図5および図6を用いて第1の実施形態の変形例を説明する。
図5は、本実施形態の変形例の1相分を示す展開模式図であり、図6は、同変形例の3相分を示す展開模式図である。
図2に示す第1の実施形態では、接続側コイルエンド部19aにおける取り出し位置において、図に口出し接続導体干渉部21xとして示したように、隣接する3つの上コイル片および3つの下コイル片に接続される口出し接続導体21が密に配置されている。
接続導体同士が近接すると、導体に流れる電流間に働く電磁力や、導体に流れる電流による隣接導体における渦電流損の増加が問題になる他、導体に絶縁テープを巻回するような絶縁を施す際の作業性が悪化し、絶縁不良を引き起こす可能性もある。
こうした課題を解決するため、第1の実施形態の変形例1においては、相帯の端部から4番目のスロットに収めたコイル片を口出し部に接続している。すなわち、図5および図6において、第1の相帯17の接続側コイルエンド19aにおいて、出力端子22に接続された口出し接続導体21が第4上コイル片15aに接続され、また、第30下コイル片16aが口出し接続導体21と接続されて、中性点端子23に接続される。
更に、第1の相帯17の磁極中心から遠い側の相帯端に位置する第1上コイル片15aと、第1の相帯17の磁極中心から遠い側の相帯端に位置する第38下コイル片16aとが、ジャンパ線20aで接続される。
第2の相帯18においては、接続側コイルエンド19aにおいて、出力端子22に接続された口出し接続導体21が第2下コイル片16aに接続され、また、第42上コイル片15aが口出し接続導体21を介して中性点端子23に接続される。
更に、第2の相帯18の磁極中心から遠い側の相帯端に位置する第34上コイル片15aと、第2の相帯18の磁極中心から遠い側の相帯端に位置する第5下コイル片16aとが、ジャンパ線20aで接続される。
前記電機子巻線14は、第1の相帯17においては、上コイル片が磁極中心に近づくように順次巻回され、第2の相帯18においては、下コイル片が磁極中心に近づくように順次巻回される。
このような構成とすれば、図6に示すように、接続側コイルエンド部19aでコイル片と口出し接続導体21との接続部同士の距離を図2の場合に比べて大きくすることができる。
隣接コイル片間の電位差に関しては、図6の相帯の端のコイル片に着目すると、例えば第23スロットに配置される上コイル片(以下第23上コイル片)の接続側端での電位は3/11[PU]であり、隣接する第22スロットに配置される上コイル片(以下第22上コイル片)の電位は2/11[PU]となる。また、第12スロットに配置される上コイル片(以下第12上コイル片)の接続側端での電位は3/11[PU]であり、隣接する第11スロットに配置される上コイル片(以下第11上コイル片)の電位は4/11[PU]となり、第12上コイル片と第11上コイル片の電位差は、0.553[PU]となり、相帯の端部で隣接するコイル片間の電位差は、前述の第1の実施形態に比べると大きくなるが、従来例に比べると、さらに大幅に小さくできている。
また、同相のコイル片間においては、例えば同じW相にある第26上コイル片の電位が1[PU]であり、第25上コイル片の電位が1/11[PU]となることから、この2コイル片の間の電位差は10/11=0.909[PU]で前述の第1の実施形態と同じ値となる。
図7はこのようにして求めた隣接コイル片間の接続側コイルエンド部の電位差を、上コイル片について図4と同様に図示したものである。
第1の実施形態の変形例の電機子巻線では、隣接コイル片間の最大電位差は0.909[PU]となり、前述の第1の実施形態と同様に、従来例の1.653[PU]に比較して約55%と、大幅に小さくでき、コロナ放電の発生を抑制できる。
このように第1の実施形態の変形例においては、隣接コイル片間の電位差を従来例よりも小さくしたうえで、接続導体同士の近接による、導体に流れる電流間に働く電磁力や、導体に流れる電流による隣接導体における渦電流損の増加、接続導体に絶縁を施す際の作業性悪化による絶縁不良などを軽減し、より信頼性の高い回転電機の電機子を提供することができる。
なお、本実施形態では、相帯の端部から2番目および4番目のスロットに収めたコイル片を口出し部に接続した例を示した。相帯の端部を除いて何番目のスロットに収めたコイル片を口出し部に接続するかは、適宜決定できるものであるが、出力端子口出し部に接続する上コイル片の配置するスロット位置を極中心Paに近づけるにしたがって、相帯間の電位差は大きくなる。
図8は、本実施形態で述べた2極3相66スロットの回転電機において、口出し部に接続するコイル片の配置するスロット位置Xと、相帯間の電位差の関係を示したものであり、図中に破線で相帯内コイル片間の最大電位差を示している。図のように、X≦6では、当該電機子巻線での最大電位差は、相帯内コイル片間の最大電位差に等しく、一定であるが、X>6では、相帯間の電位差が相帯内コイル片間の最大電位差を越えて、相帯間の電位差が電機子巻線での最大電位差となってしまう。すなわち、本実施形態で述べた回転電機では、口出し部に接続するコイル片の配置するスロット位置XはX≦6とすることが望ましい。
一般的に、1相帯あたりのスロット数をNとすると、相帯間の電位差が相帯内コイル片間の最大電位差を越えないという条件は、相帯境界のコイル片の電位がX/Nt[PU]および(X−1)/Nt[PU]で表されることから、120度位相の異なるこれらの電位のベクトル差が相帯内コイル片間の最大電位差(Nt−1)/Ntより小さいという関係式を整理すると、
3X(X−1) < Nt 2−2Nt
で表されるため、この条件を満たすようなXとすることで、コイル片間の最大電位差を増加させることなく、かつ接続導体間の干渉を抑えることができると言える。
また、上述の例では、口出し接続導体に接続するコイル片の相帯端部からの位置は、第1の相帯と第2の相帯とで同じ場合について示しているが、口出し接続導体に接続するコイル片の相帯端部からの位置を、第1の相帯と第2の相帯とで異なったものとしてもよい。
例えば、第1の相帯において、第1の実施形態の変形例のように(図1)、相帯端部から4番目の上コイル片を口出し接続導体に接続し、第2の相帯においては、第1の実施形態のように(図5)、相帯端部から2番目の下コイル片を口出し接続導体に接続すれば、隣接する口出し接続導体は、上下合わせて4個となり、図1の場合に比べれば、口出し接続導体の干渉を緩和できるので、接続導体同士の近接による、導体に流れる電流間に働く電磁力や、導体に流れる電流による隣接導体における渦電流損の増加、接続導体に絶縁を施す際の作業性悪化による絶縁不良などを軽減し、より信頼性の高い回転電機の電機子巻線を提供することができる。
なお、上記第1の実施形態では、巻線の各相帯の並列回路数が極数に等しい場合について述べたが、当該巻線の各相帯の並列回路数が極数よりも小さい、例えば2極1並列や4極2並列場合、或いは各相帯の並列回路数が極数の1.5倍、例えば2極3並列や4極6並列の場合にも前述同様に実施できるものである。
(第2の実施形態)
図9は、本発明による回転電機の電機子巻線の第2の実施形態を示す1相分の展開模式図であり、残りの2相については、電気角で120度および240度ずらして構成される。図1と同様の構成については説明を省略する。
図9に示すように回転電機の電機子11は積層鉄心より成る電機子鉄心12に66個のスロット13が設けられ、これらのスロット13に2極3相2並列回路の電機子巻線14が2層に収められている。
本実施形態においては、接続側コイルエンド19aのコイルピッチが28であって巻線ピッチより1つ大きく、反接続側コイルエンド19bのコイルピッチは27で巻線ピッチに等しい。
第2の実施形態においては、図9に示すように、第1の相帯17の接続側コイルエンド19aにおいて、出力端子22に接続された口出し接続導体21が第10上コイル片15aに接続され、第10上コイル片から、第37下コイル片、第9上コイル片、第36下コイル片と、上コイル片が磁極中心から離れるように順次巻回され、第1の相帯17の磁極中心に近い側の下コイル片の相帯端部、すなわち、第28下コイル片が、磁極中心に近い側の上コイル片の相帯端部、すなわち、第11上コイル片と、ジャンパ線20aで接続される。
第11上コイル片は、磁極中心から遠い側の下コイル片の相帯端部にある第38下コイル片に接続され、更に、口出し接続導体21と接続され中性点端子23に接続される。
第2の相帯18の接続側コイルエンド19aにおいては、出力端子22に接続された口出し接続導体21が第62下コイル片15aに接続され、第62下コイル片から、第35上コイル片、第63下コイル片、第36上コイル片と、下コイル片が磁極中心から離れるように順次巻回され、磁極中心に近い側の上コイル片の相帯端部、すなわち、第44上コイル片が、磁極中心に近い側の下コイル片の相帯端部、すなわち、第61下コイル片と、ジャンパ線20aで接続される。
第61下コイル片は、磁極から遠い側の上コイル片の相帯端部にある第34上コイル片に接続され、更に、口出し接続導体21に接続され、中性点端子23に接続される。
隣接コイル片間の電位差については、図2の相帯の端のコイル片に着目すると、例えば第1上コイル片の接続側端での電位は2/11[PU]であり、隣接する図示しない第66上コイル片の電位は2/11[PU]であるため、第1上コイル片と第66上コイル片の電位差は0.315[PU]となる。
同相のコイル片間において、例えば同じW相にある第32上コイル片の電位が1[PU]であり、第33上コイル片の電位が1/11[PU]となることから、この2コイル片の間の電位差は10/11=0.909[PU]となる。
このように第2の実施形態の電機子巻線では、隣接コイル片間の最大電位差はこの0.909[PU]となり、従来例の1.653[PU]に比較して約55%と、大幅に小さくでき、コロナ放電の発生を抑制できる。
(第3の実施形態)
図10は、本発明による回転電機の電機子巻線の第3の実施形態を示す1相分の展開模式図であり、2極3相2並列回路で電機子鉄心のスロット数66である。残りの2相については、電気角で120度および240度ずらして構成される。図1と同様の構成については説明を省略する。
図では、接続側においては、第1上コイル片と第28下コイル片とが接続され、コイルピッチは27であって巻線ピッチに等しい。一方、反接続側においては、第2上コイル片と第28下コイル片が接続されており、コイルピッチは26と巻線ピッチより1つ小さくなっている。
本実施形態においては、図10に示すように、第1の相帯17の接続側コイルエンド19aにおいて、出力端子22に接続された口出し接続導体21が第10上コイル片15aに接続され、第10上コイル片から、第36下コイル片、第9上コイル片、第35下コイル片と、上コイル片が磁極中心から離れるように順次巻回され、磁極中心から遠い側の相帯端に位置する第1上コイル片15aと、磁極中心から遠い側の相帯端に位置する第38下コイル片16aとが、反接続側ジャンパ線20bで接続される。
第38下コイル片は、磁極中心から近い側の上コイル片の相帯端部にある第11上コイル片、第37下コイル片と順次に接続され、更に、口出し接続導体21と接続され中性点端子23に接続される。
第2の相帯18の接続側コイルエンド19aにおいては、出力端子22に接続された口出し接続導体21が第62下コイル片16bに接続され、第62下コイル片から、第36上コイル片、第63下コイル片、第37上コイル片と、下コイル片が磁極中心から離れるように順次巻回され、磁極中心から遠い側の相帯端に位置する第1上コイル片15aと、磁極中心から遠い側の相帯端に位置する第5下コイル片16aが、反接続側ジャンパ線20bで磁極中心から遠い側の相帯端に位置する第34上コイル片に接続される。
第34上コイル片は、磁極中心からに近い側の下コイル片の相帯端部にある第61上コイル片、第35上コイル片と順次に接続され、更に、口出し接続導体21と接続され中性点端子23に接続される。
隣接コイル片間の電位差については、図10の相帯の端のコイル片に着目すると、例えば第1上コイル片の接続側端での電位は2/11[PU]であり、隣接する図示しない第66上コイル片の電位も2/11[PU]であるため、位相差を考慮すると第1上コイル片と第66上コイル片の電位差は0.315[PU]となる。
同相のコイル片間において、例えば同じW相にある第32上コイル片の電位が1[PU]であり、第33上コイル片の電位が1/11[PU]となることから、この2コイル片の間の電位差は10/11=0.909[PU]となる。
このように第3の実施形態の電機子巻線では、隣接コイル片間の最大電位差はこの0.909[PU]となり、従来例の1.653[PU]に比較して約55%と、大幅に小さくでき、コロナ放電の発生を抑制できる。
本実施形態では、相帯内のコイル片を接続するジャンパ線を反接続側に配置できるため、口出し接続導体の干渉を緩和できるので、接続導体同士の近接による、導体に流れる電流間に働く電磁力や、導体に流れる電流による隣接導体における渦電流損の増加、接続導体に絶縁を施す際の作業性悪化による絶縁不良などを軽減し、より信頼性の高い回転電機の電機子巻線を提供することができる。
(第4の実施形態)
図11は、本発明による回転電機の電機子巻線の第4の実施形態として、2極3相2並列回路の電機子巻線の1相分を示す展開模式図であり、スロット数は66である。残りの2相については、電気角で120度および240度ずらして構成される。図1と同様の構成については説明を省略する。
本実施形態においては、当該巻線の1相当たりの直列巻数が奇数で、接続側コイルエンドのコイルピッチが25であって巻線ピッチより2つ小さく、反接続側コイルエンドのコイルピッチは27で巻線ピッチに等しい。
図11に示すように、第1の相帯17の接続側コイルエンド19aにおいて、第2上コイル片15aが出力端子22に繋げられた口出し接続導体21と接続されて、第29下コイル片、第4上コイル片、第31下コイル片、と順次上記のコイルピッチで巻回され、第37下コイル片16aが接続側ジャンパ線20aで第1上コイル片に接続される。第1上コイル片は、第28下コイル片、第3上コイル片、第30下コイル片、と順次上記のコイルピッチで券回され、第38下コイル片が口出し接続導体21と接続されて、中性点端子23に接続される。
第2の相帯18の接続側コイルエンド19aにおいては、第4下コイル片16bが出力端子22に繋げられた口出し接続導体21と接続されて、第43上コイル片、第2下コイル片、第41上コイル片、と順次上記のコイルピッチで券回され、第35上コイル片16aが接続側ジャンパ線20aで第5下コイル片に接続される。第5下上コイル片は、第44上コイル片、第3下コイル片、第42上コイル片、と順次上記のコイルピッチで券回され、第34上コイル片が口出し接続導体21と接続されて、中性点端子23に接続される。
このように相帯内のジャンパ線については、第1実施形態乃至第3の実施形態では相帯端のコイル片同士を接続するようにしているのに対し、本実施形態では、相帯端のコイル片と、もう一方の相帯端から2番目のコイル片を接続している。
隣接コイル片間の電位差については、図11に示す相帯の端のコイル片に着目すると、例えば第1上コイル片の接続側端での電位は6/11[PU]であり、隣接する図示しない第66上コイル片の電位が5/11[PU]であるため、位相差を考慮すると第1上コイル片と第66上コイル片の電位差は0.867[PU]となる。
本実施形態では、同相のコイル片間の電位差は、第3の実施形態までとは異なっており、例えば同じW相にある第31上コイル片の電位が2/11[PU]で、第32上コイル片の電位が7/11[PU]であり、また第33上コイル片の電位が1/11[PU]となることから、この3コイル片の間の電位差は順次5/11=0.455[PU]、6/11=0.545[PU]となる。
なお、本実施形態では同相にあるコイル片間の電位差は前記電位差のいずれかとなる。
このように第4の実施形態の電機子巻線では、隣接コイル片間の最大電位差は相間のコイル片間の0.867[PU]となって、従来例の1.653[PU]のみならず第1乃至第3の実施形態で説明した電機子巻線のいずれよりも小さくなっており、コロナ放電の発生を抑制する効果が大きいと言える。
図12には、第4の実施形態の電機子巻線の3相分を示す展開模式図である。
図のように口出し接続導体21および接続側ジャンパ線20aを配置すれば、接続リング導体の数は6列で構成可能であり、従来例に比べて1列のみの増加で済み、第1の実施形態1乃至第3の実施形態で7列必要であるものよりも、接続リングの設置場所が少なくて済み、回転電機を小型化することができる。また、接続側コイルエンドのピッチが巻線ピッチより2つ小さいことから、接続側コイルエンド長さを短くすることができる。
(第4の実施形態の変形例)
図13は、第4の実施形態の変形例として2極3相2並列回路の電機子巻線の1相分を示す展開模式図であり、図11の第4の実施形態と比較してスロット数が60であることが異なっており、当該巻線の1相当りの直列巻数が10と偶数になっている。図1と同様の構成については説明を省略する。
本変形例においては、巻線ピッチは25であり、接続側コイルエンドのコイルピッチが23と巻線ピッチより2つ小さく、反接続側コイルエンドのコイルピッチは25で巻線ピッチに等しい。
図13に示すように、第1の相帯17の接続側コイルエンド19aにおいて、第2上コイル片15aが出力端子22に繋げられた口出し接続導体21と接続されて、第27下コイル片、第4上コイル片、第29下コイル片、と順次上記のコイルピッチで巻回され、相帯端部にある第35下コイル片16aが接続側ジャンパ線20aでもう一方の相帯端部にある第1上コイル片に接続される。
第1上コイル片は、第26下コイル片、第3上コイル片、第28下コイル片、と順次上記のコイルピッチで券回され、第34下コイル片が口出し接続導体21と接続されて、中性点端子23に接続される。
第2の相帯18の接続側コイルエンド19aにおいては、第4下コイル片16bが出力端子22に繋げられた口出し接続導体21と接続されて、第39上コイル片、第2下コイル片、第37上コイル片、と順次上記のコイルピッチで券回され、相帯端部にある第31上コイル片16aが接続側ジャンパ線20aでもう一方の相帯端部にある第5下コイル片に接続される。第5下上コイル片は、第40上コイル片、第3下コイル片、第38上コイル片、と順次上記のコイルピッチで券回され、第31上コイル片が口出し接続導体21と接続されて、中性点端子23に接続される。
このように相帯内のジャンパ線については、1相当りの直列巻回数が奇数である第4の実施形態(図11)の場合に比べて、本変形例では、相当りの直列巻回数が偶数で、相帯端のコイル片ともう一方の相帯端から2番目のコイル片を接続している。
隣接コイル片間の電位差については、図13に示す相帯の端のコイル片に着目すると、例えば第1上コイル片の接続側端での電位は5/10[PU]であり、隣接する図示しない第60上コイル片の電位が4/10[PU]であるため、位相差を考慮すると第1上コイル片と第66上コイル片の電位差は0.781[PU]となる。
一方で、第10上コイル片の接続側端での電位は6/10[PU]であり、隣接する図示しない第11上コイル片の電位が5/10[PU]であるため、位相差を考慮すると第10上コイル片と第11上コイル片の電位差は0.954[PU]となる。
本変形例に相当する60スロットの場合において、第1の実施形態乃至第3の実施形態で述べたのと同様の巻線について隣接間コイル片の最大電位差を同様に計算すると0.9[PU]となり、これよりも本変形例の方が大きくなっている。
同相のコイル片間の電位差は、例えば同じV相にある第8上コイル片の電位が7/10[PU]で、第9上コイル片の電位が1/10[PU]であり、また第10上コイル片の電位が6/10[PU]となることから、この3コイル片の間の電位差は順次6/10=0.6[PU]、5/10=0.5[PU]となる。
なお、本実施形態では同相にあるコイル片間の電位差は前記電位差のいずれかとなる。
このように第4の実施形態の電機子巻線では、隣接コイル片間の最大電位差は相間のコイル片間の0.954[PU]となる。
本変形例に相当する60スロット時の従来例では、同様の計算によれば隣接コイル片間の最大電位差は1.646[PU]となるが、これに比べて本変形例ではコロナ放電の発生を抑制する効果が大きいと言える。また、接続側コイルエンドのピッチが巻線ピッチより2つ小さいことから、接続側コイルエンド長さを短くすることができる。
(第5の実施形態)
図14は、本発明による回転電機の電機子巻線の第5の実施形態として2極3相2並列回路の電機子巻線の1相分を示す展開模式図であり、スロット数は66である。残りの2相については、電気角で120度および240度ずらして構成される。図1と同様の構成については説明を省略する。
本実施形態においては、第4の実施形態と同様に接続側コイルエンドのコイルピッチが25であって巻線ピッチより2つ小さく、反接続側コイルエンドのコイルピッチは27で巻線ピッチに等しい。
図14に示すように、第1の相帯17の接続側コイルエンド19aにおいて、第2上コイル片15aが出力端子22に繋げられた口出し接続導体21と接続されて、第29下コイル片、第4上コイル片、第31下コイル片、と順次上記のコイルピッチで第37下コイル片まで巻回され、第37下コイル片16aは1コイルピッチ分の接続側ジャンパ線20cで第11上コイル片に接続される。第11上コイル片は第38下コイル片に接続され、相帯端部である第38下コイル片が10コイルピッチ分の接続側ジャンパ線20aでもう一方の相帯端部である第1上コイル片に接続される。
第1上コイル片は、第28下コイル片、第3上コイル片、第30下コイル片、と順次上記のコイルピッチで券回され、第36下コイル片が口出し接続導体21と接続されて、中性点端子23に接続される。
第2の相帯18については、第4の実施形態と同様の接続になっている。
隣接コイル片間の電位差については、図11に示す相帯の端のコイル片に着目すると、例えば第1上コイル片の接続側端での電位は5/11[PU]であり、隣接する図示しない第66上コイル片の電位が5/11[PU]であるため、位相差を考慮すると第1上コイル片と第66上コイル片の電位差は0.787[PU]となる。
同相のコイル片間の電位差は、例えば同じV相にある第8上コイル片の電位が8/11[PU]で、第9上コイル片の電位が1/11[PU]であり、また第10上コイル片の電位が7/11[PU]となることから、この3コイル片の間の電位差は順次7/11=0.636[PU]、6/11=0.545[PU]となる。
なお、本実施形態では同相にあるコイル片間の電位差は前記の電位差のいずれかとなる。
このように第5の実施形態では、隣接コイル片間の最大電位差は相間のコイル片間の0.787[PU]となって、従来例の1.653[PU]のみならず第1の実施形態乃至第4の実施形態で説明した電機子巻線のいずれよりも小さくなっており、コロナ放電の発生を抑制する効果が大きいと言える。
このように本実施形態によれば、第4の実施形態の第1の相帯に1コイルピッチ分の接続側ジャンパ線を用いて、相帯端部のコイル片の電位を変えることで、相間のコイル片間電位差を低減することができる。
(第6の実施形態)
図15は、本発明による回転電機の電機子巻線の第6の実施形態として、2極3相2並列回路の電機子巻線の1相分を示す展開模式図であり、第4の実施形態の変形例と同様にスロット数は60である。
本実施形態においては、第4の実施形態の変形例と同様に巻線ピッチは25であり、接続側コイルエンドのコイルピッチが23と巻線ピッチより2つ小さく、反接続側コイルエンドのコイルピッチは25で巻線ピッチに等しい。
図15に示すように、第1の相帯17の接続側コイルエンド19aにおいて、第2上コイル片15aが出力端子22に繋げられた口出し接続導体21と接続されて、第27下コイル片、第4上コイル片、第29下コイル片、と順次上記のコイルピッチで巻回されるが、その次の第6上コイル片、第31下コイル片と接続された次には、第31下コイル片16aが1コイルピッチ分の接続側ジャンパ線20cで第7上コイル片に接続される。第7上コイル片は上記と同様のコイルピッチで、第32下コイル片に接続され、更に第9上コイル片、第34下コイル片と接続される。
第34下コイル片は、相帯端部にある第1上コイル片に10コイルピッチ分の接続側ジャンパ線20aで接続される。第1上コイル片は、第26下コイル片、第3上コイル片、第28下コイル片、第5上コイル片、第30下コイル片、と順次上記のコイルピッチで券回されるが、第30下コイル片は、1コイルピッチ分の接続側ジャンパ線20cで第8上コイル片に接続される。第8上コイル片は上記と同様のコイルピッチで、第33下コイル片に接続され、更に第10上コイル片、第35下コイル片と接続され、第35下コイル片が口出し接続導体21と接続されて、中性点端子23に接続される。
第2の相帯18については、第4の実施形態の変形例と同様に接続を行っている。
上記のように相帯内のジャンパ線については、1相当りの直列巻回数が奇数である第4の実施形態(図14)の場合に比べて、本実施形態では、1コイルピッチ分のジャンパ線を2個用いることが異なっている。
隣接コイル片間の電位差については、図15に示す相帯の端のコイル片に着目すると、例えば第1上コイル片の接続側端での電位は5/10[PU]であり、隣接する図示しない第60上コイル片の電位が4/10[PU]であるため、位相差を考慮すると第1上コイル片と第66上コイル片の電位差が0.781[PU]となることは第4の実施形態の変形例と同様であるが、一方で、第10上コイル片の接続側端での電位は1/10[PU]であり、隣接する図示しない第11上コイル片の電位が5/10[PU]であるため、位相差を考慮すると第10上コイル片と第11上コイル片の電位差は0.557[PU]となる。
このように本実施形態で、隣接間コイル片の最大電位差は、60スロットの場合において、第1の実施形態1乃至第3の実施形態で述べたのと同様の巻線での0.9[PU]や第4の実施形態の変形例1の0.954[PU]より小さくなっている。
同相の隣接コイル片間の最大電位差は0.6[PU]となるため、結局、第4の実施形態の電機子巻線では、隣接コイル片間の最大電位差は相間のコイル片間の0.781[PU]となり、当該巻線の1相当りの直列巻数が偶数の場合には、前述の実施形態の中で隣接コイル片間の最大電位差が最も小さくなり、コロナ放電の発生をより効果的に抑制することができる。
なお、本実施形態で述べた2箇所の1コイルピッチ分の接続部ジャンパ線の設置位置については、図15の位置に限定されないが、干渉を防ぐ観点からは、口出し部接続導体21から離して設置することが望ましい。
(第7の実施形態)
図16は、本発明による回転電機の電機子巻線の第7の実施形態として、2極3相2並列回路の電機子巻線の1相分を示す展開模式図であり、スロット数は60である。
本実施形態においては、接続側コイルエンドのコイルピッチが26であって巻線ピッチより1つ小さく、反接続側コイルエンドのコイルピッチは28で巻線ピッチより1つ大きい。
図16に示すように、第1の相帯17の接続側コイルエンド19aにおいて、第2上コイル片15aが出力端子22に繋げられた口出し接続導体21と接続されて、第30下コイル片、第4上コイル片、第32下コイル片、と順次上記のコイルピッチで第10上コイル片まで券回され、相帯の端部から2番目の第10上コイル片15aは10コイルピッチ分の反接続側ジャンパ線20bで相帯のもう一方の端部の第28下コイル片に接続される。
第28下コイル片は接続側で1コイルピッチ分の接続側ジャンパ線20cで第1上コイル片に接続される。第1上コイル片は第29下コイル片に接続され、第3上コイル片、第31下コイル片と順次上記のコイルピッチで券回され、第38下コイル片は、反接続側で1コイルピッチ分の反接続側ジャンパ線20dで第11上コイル片に接続された後、口出し接続導体21と接続されて、中性点端子23に接続される。
第2の相帯18については、接続側コイルエンド19aにおいて、第4下コイル片16bが出力端子22に繋げられた口出し接続導体21と接続されて、接続側で1コイルピッチ分の接続側ジャンパ線20cで第43上コイル片に接続される。引き続き、第3下コイル片、第41上コイル片、第1下コイル片、第39上コイル片、と順次上記のコイルピッチで第61下コイル片まで券回され、相帯の端部の第61下コイル片16bと11コイルピッチ分の反接続側ジャンパ線20bで相帯のもう一方の端部の第44上コイル片に接続される。
第44上コイル片は、接続側で1コイルピッチ分の接続側ジャンパ線20cで第5下コイル片に接続され、第5下上コイル片は反接続側で1コイルピッチ分の反接続側ジャンパ線20dで第42上コイル片に接続され、第2下コイル片、第40上コイル片と順次上記のコイルピッチで券回され、第34上コイル片が口出し接続導体21と接続されて、中性点端子23に接続される。
隣接コイル片間の電位差については、図11の相帯の端のコイル片に着目すると、例えば第1上コイル片の接続側端での電位は6/11[PU]であり、隣接する図示しない第66上コイル片の電位が5/11[PU]であるため、位相差を考慮すると第1上コイル片と第66上コイル片の電位差は0.867[PU]となる。
同相のコイル片間の電位差は、例えば同じV相にある第8上コイル片の電位が2/11[PU]で、第9上コイル片の電位が7/11[PU]であり、また第10上コイル片の電位が1/11[PU]となることから、この3コイル片の間の電位差は順次6/11=0.545[PU]、5/11=0.455[PU]となる。
なお、本実施形態では同相にあるコイル片間の電位差は前記の電位差のいずれかとなる。
このように第7の実施形態によれば、隣接コイル片間の最大電位差は相間のコイル片間の0.867[PU]となって、従来例の1.653[PU]よりも小さくなっており、コロナ放電の発生を抑制でき、健全な回転電機の電機子を提供することができる。
図17は、本実施形態の回転電機の電機子巻線の3相分を示す展開模式図である。
図のように口出し接続導体21および接続側ジャンパ線20aを配置すれば、接続リング導体の数は接続側において5列で構成可能であり、従来例と同じ列数で構成可能である。
反接続側にもリングが1列必要になるが、少なくとも接続側に関しては、上述した実施形態に比べて、接続リングの設置場所が少なくて済み、回転電機を小型化することができる。
(第8の実施形態)
図18は、本発明による回転電機の電機子巻線の第8の実施形態として、2極3相2並列回路の電機子巻線の1相分を示す展開模式図であり、スロット数は60である。なお、当該巻線の1相当りの直列巻数が10と偶数になっているため、第7の実施形態とは一部形態が異なる部分があるが、基本的な構成は同様である。
本実施形態においては、接続側コイルエンドのコイルピッチが24であって巻線ピッチより1つ小さく、反接続側コイルエンドのコイルピッチは26で巻線ピッチより1つ大きい。
図18に示すように、第1の相帯17の接続側コイルエンド19aにおいて、第2上コイル片15aが出力端子22に繋げられた口出し接続導体21と接続されて、第28下コイル片、第4上コイル片、第30下コイル片、と順次上記のコイルピッチで巻回され、相帯端の第10上コイル片に接続された次には、10コイルピッチ分の反接続側ジャンパ線20bで第26下上コイル片に接続される。
第26下コイル片は、1コイルピッチ分の接続側ジャンパ線20cで第1上コイル片に接続されて、以下上記と同様のコイルピッチで、第27下コイル片、更に第3上コイル片、第29下コイル片と順次接続され、第35下コイル片が口出し接続導体21と接続されて、中性点端子23に接続される。
第2の相帯18についても同様に、1個の1コイルピッチ分の接続側ジャンパ線20cと、1個の10コイルピッチ分の反接続側ジャンパ線20bを用いて、上記のコイルピッチで接続されている。
上記のように相帯内のジャンパ線については、1相当りの直列巻回数が奇数である第7の実施形態(図16)の場合に比べて、本実施形態では、ジャンパ線の個数が小さくなっている。
隣接コイル片間の電位差については、図18の相帯の端のコイル片に着目すると、例えば第1上コイル片の接続側端での電位は5/10[PU]であり、隣接する図示しない第60上コイル片の電位が5/10[PU]であるため、位相差を考慮すると第1上コイル片と第60上コイル片の電位差が0.866[PU]となる。
同相の隣接コイル片間の最大電位差は0.6[PU]となるため、第8の実施形態の電機子巻線では、隣接コイル片間の最大電位差は相間のコイル片間の0.866[PU]となり、従来例の最大電位差1.646[PU]より小さくでき、コロナ放電の発生をより効果的に抑制することができる。
図19は、本実施形態の回転電機の電機子巻線の3相分を示す展開模式図である。
図のように口出し接続導体21および接続側ジャンパ線20cを配置すれば、接続リング導体の数は接続側において5列で構成可能であり、従来例と同じ列数で構成できる。
反接続側にもリングが1列必要になるが、少なくとも接続側に関しては、上述の実施形態に比べて、接続リングの設置場所が少なくて済み、回転電機を小型化することができる。
(第9の実施形態)
図20は、本発明による回転電機の電機子巻線の第9の実施形態として、2極3相1並列回路(並列回路無し)の電機子巻線の1相分を示す展開模式図であり、スロット数は66である。
本実施形態においては、接続側コイルエンドのコイルピッチが26であって巻線ピッチより1つ小さく、反接続側コイルエンドのコイルピッチは27で巻線ピッチに等しい。
図20に示すように、第1の相帯17の接続側コイルエンド19aにおいて、第2上コイル片15aが出力端子22に繋げられた口出し接続導体21と接続されて、第29下コイル片、第3上コイル片、第30下コイル片、と順次上記のコイルピッチで巻回され、相帯端の第38下コイル片に接続された次には、11コイルピッチ分の接続側ジャンパ線20aでもう一方の相帯端の第1上コイル片に接続される。そして、第28下コイル片は相帯間の口出し接続導体21によって、第2の相帯18の第4下コイル片に接続される。
第2の相帯18については、第1の相帯17と極中心に対して対称に巻回され、第4下コイル片、第43上コイル片、第3下コイル片と順次接続し、第34上コイル片が、11コイルピッチ分の接続側ジャンパ線20aで第5下コイル片に接続され、第44上コイル片から、口出し接続導体21を介して中性点端子23に接続される。
隣接コイル片間の電位差については、図18の相帯の端のコイル片に着目すると、例えば第1上コイル片の接続側端での電位は12/22[PU]であり、隣接する図示しない第66上コイル片の電位が0[PU]であるため、位相差を考慮すると第1上コイル片と第66上コイル片の電位差は0.546[PU]となる。
また、第11上コイル片の接続側端での電位は13/22[PU]であり、隣接する図示しない第12上コイル片の電位が1/22[PU]であるため、位相差を考慮すると第11上コイル片と第12上コイル片の電位差は0.615[PU]となる。
同相のコイル片間の電位差は、例えば同じV相にある第1上コイル片の電位が12/22[PU]で、第2上コイル片の電位が1[PU]であり、また第3上コイル片の電位が21/22[PU]となることから、この3コイル片の間の電位差は順次10/22=0.455[PU]、1/22=0.045[PU]となる。
なお、本実施形態では同相にあるコイル片間の電位差は前記の電位差のいずれかとなる。
このように第9の実施形態の電機子巻線よれば、隣接コイル片間の最大電位差は相間のコイル片間の0.615[PU]となって、従来例の1.289[PU]よりも小さくなっており、コロナ放電の発生を抑制し健全な回転電機の電機子巻線を提供することができる。
図21は、本実施形態の回転電機の電機子巻線の3相分を示す展開模式図である。
図のように接続側コイルエンド部19aからの取り出し位置において、図に口出し接続導体干渉部21xと示したように、隣接する3つの上コイル片および3つの下コイル片に接続される口出し接続導体21が密に配置している。
接続導体同士が近接すると、導体に流れる電流間に働く電磁力や、導体に流れる電流による隣接導体における渦電流損の増加が問題になる他、導体に絶縁テープを巻回するような、絶縁を施す際の作業性が悪化し、絶縁不良を引き起こす可能性もあるため、口出し接続導体21の形状の決定および組立には注意を要する。
(第9の実施形態の変形例1)
図22は、第9の実施形態の変形例1を示す電機子巻線の1相分の展開模式図であり、図23は、同じく3相分の展開模式図である。
図に示すように、本変形例においては、第1の相帯は図20および図21で示した第9の実施形態のように、相帯端から2番目のコイル片を口出し部に接続しているが、第2の相帯は図38に示したような従来例の相帯端のコイル片を口出し部に接続している。
このような構成とすれば、図21では接続側コイルエンド部19aでコイル片と口出し接続導体21との接続部が密になっていた部分で、隣接するコイル片が、上コイル片3個、下コイル片3個であったものが、図23では上コイル片2個、下コイル片2個になっており、コイル片と口出し接続導体21との接続部同士の干渉を図21の場合に比べて緩和することができる。
一方、隣接コイル片間の電位差については、図22の相帯の端のコイル片に着目すると、例えば第1上コイル片の接続側端での電位は12/22[PU]であり、隣接する図示しない第66上コイル片の電位が10/22[PU]であるため、位相差を考慮すると第1上コイル片と第66上コイル片の電位差は0.867[PU]となる。
また、第11上コイル片の接続側端での電位は13/22[PU]であり、隣接する図示しない第12上コイル片の電位が0[PU]であるため、位相差を考慮すると第11上コイル片と第12上コイル片の電位差は0.591[PU]となる。
同相のコイル片間の電位差の最大値0.455[PU]となるので、第9の実施形態の変形例1では、隣接コイル片間の最大電位差は相間のコイル片間の0.867[PU]となって、第9の実施形態の0.615[PU]よりは増加する。しかしながら、従来例の1.289[PU]に比べると大きく改善されていることには変わりない。
本変形例のような構成とすることで、相帯間コイル片の電位差によるコロナ放電の発生を抑制できると共に、導体に流れる電流間に働く電磁力や、導体に流れる電流による隣接導体における渦電流損の増加、導体に絶縁を施す際の作業性悪化やそれによる絶縁不良などの恐れを軽減し、良好な回転電機の電機子巻線を提供することができる。
(第9の実施形態の変形例2)
図24は、第9の実施形態の変形例2を示す電機子巻線の1相分の展開模式図であり、図25は、同じく3相分の展開模式図である。
図に示すように、本変形例2においては、図20および図21で示した第9の実施形態で相帯端から2番目のコイル片を口出し部に接続しているが、図24および図25では相帯端から4番目のコイル片を口出し部に接続している。
このような構成とすれば、図21では接続側コイルエンド部19aでコイル片と口出し接続導体21との接続部が密になっていたが、本変形例2ではこの部分の接続部同士の干渉を緩和することができる。
一方、隣接コイル片間の電位差については、図22に示す相帯の端のコイル片に着目すると、例えば第1上コイル片の接続側端での電位は14/22[PU]であり、隣接する図示しない第66上コイル片の電位が2/22[PU]であるため、位相差を考慮すると第1上コイル片と第66上コイル片の電位差は0.686[PU]となる。また、第11上コイル片の接続側端での電位は15/22[PU]であり、隣接する図示しない第12上コイル片の電位が3/22[PU]であるため、位相差を考慮すると第1上コイル片と第66上コイル片の電位差は0.759[PU]となる。
同相のコイル片間の電位差の最大値0.455[PU]となるので、第9の実施形態の変形例2では、隣接コイル片間の最大電位差は相間のコイル片間の0.759[PU]となって、第9の実施形態の0.615[PU]より増加するものの、従来例の1.289[PU]や第9の実施形態の変形例1の0.867[PU]に比べると改善されている。
以上のように変形例2のような構成とすることで、相帯間コイル片の電位差によるコロナ放電の発生を抑制できると共に、導体に流れる電流間に働く電磁力や、導体に流れる電流による隣接導体における渦電流損の増加、導体に絶縁を施す際の作業性悪化やそれによる絶縁不良などの恐れを軽減し、良好な回転電機の電機子巻線を提供することができる。
ところで、図26は、第9の実施形態で述べた2極3相66スロットで1並列回路の回転電機において、口出し部に接続するコイル片の配置するスロット位置Xと、コイル片間の最大電位差の関係を示したものであり、白抜きの棒が第1の相帯のみで、口出し接続導体を相帯端部以外のコイル片に接続したものであり、ハッチングを施した棒が第1、第2の相帯ともに、口出し接続導体を相帯端部以外のコイル片に接続したものである。X=1が従来例のコイル片間の最大電位差を示している。図のX≧2では、当該電機子巻線での最大電位差は、Xを大きくするほど増加している。
第9の本実施形態では、1相帯当りの直列巻数が11であるため、X=6が相帯の中央に相当する。したがって、相帯端部におけるコイル片と口出し接続導体との干渉を緩和しつつ、コイル片間の電位差を抑えるには、3≦X≦6とすることが望ましいと言える。
(第9の実施形態の変形例3)
図27は、第9の実施形態の変形例3として、2極3相1並列回路でスロット数66の電機子巻線の1相分の展開模式図である。
変形例3においては、接続側コイルエンドのコイルピッチが28であって巻線ピッチより1つ大きく、反接続側コイルエンドのコイルピッチは27で巻線ピッチに等しい。
第9の実施形態および変形例1,2では、第1の相帯でコイル片番号が順次大きくなるように接続されたが、変形例3では、第1の相帯でコイル片番号が順次小さくなるように接続される。
図27に示すように、第1の相帯17の接続側コイルエンド19aにおいて、相帯中心側の端から2番目の第10上コイル片15aが出力端子22に繋げられた口出し接続導体21と接続されて、第37下コイル片、第9上コイル片、第36下コイル片、と順次上記のコイルピッチで巻回され、相帯端の第28下コイル片に接続された後、11コイルピッチ分の接続側ジャンパ線20aでもう一方の相帯端の第11上コイル片に接続される。引き続き第38下コイル片に接続され、第38下コイル片は相帯間の口出し接続導体21によって、第2の相帯18の第62下コイル片に接続される。
第2の相帯18については、第1の相帯17と極中心に対して対称に巻回され、第62下コイル片、第35上コイル片、第63下コイル片と順次接続し、第44上コイル片が、11コイルピッチ分の接続側ジャンパ線20aで第61下コイル片に接続され、第34上コイル片から、口出し接続導体21を介して中性点端子23に接続される。
隣接コイル片間の電位差については、図27の相帯の端のコイル片に着目すると、例えば第1上コイル片の接続側端での電位は13/22[PU]であり、隣接する図示しない第66上コイル片の電位が1/22[PU]であるため、位相差を考慮すると第1上コイル片と第66上コイル片の電位差は0.615[PU]となる。
また、第11上コイル片の接続側端での電位は12/22[PU]であり、隣接する図示しない第12上コイル片の電位が0[PU]であるため、位相差を考慮すると第11上コイル片と第12上コイル片の電位差は0.546[PU]となる。
変形例3の巻線では、第5下コイル片の接続側端での電位は2/22[PU]であり、隣接する図示しない第6下コイル片の電位が13/22[PU]であるため、位相差を考慮すると第1上コイル片と第66上コイル片の電位差は0.641[PU]となる。
同相のコイル片間の電位差は、0.455[PU]と0.045[PU]のいずれかとなり、結局、本変形例の電機子巻線では、隣接コイル片間の最大電位差は相間のコイル片間の0.641[PU]となって、従来例の1.289[PU]よりも小さくなっており、コロナ放電の発生を抑制し健全な回転電機の電機子巻線を提供することができる。
本変形例では、下コイル間にコイル片間最大電位差が現れることが特徴といえる。
(第10の実施形態)
図28は、本発明による回転電機の電機子巻線の第10の実施形態として、2極3相1並列回路(並列回路無し)の電機子巻線の1相分を示す展開模式図であり、スロット数は66である。
本実施形態においては、接続側コイルエンドのコイルピッチが27であって巻線ピッチに等しく、反接続側コイルエンドのコイルピッチは26で巻線ピッチより1つ小さくなっている。
図28に示すように、第1の相帯17の接続側コイルエンド19aにおいて、相帯中心側の端から2番目の第10上コイル片15aが出力端子22に繋げられた口出し接続導体21と接続されて、第36下コイル片、第9上コイル片、第35下コイル片、と順次上記のコイルピッチで巻回され、相帯端の第1上コイル片に接続された後に、11コイルピッチ分の反接続側ジャンパ線20bでもう一方の相帯端の第38下コイル片に接続される。
引き続き第11上コイル片、第37下コイル片と接続され、第37下コイル片は相帯間の口出し接続導体21によって、第2の相帯18の第62下コイル片に接続される。
第2の相帯18については、第1の相帯17と極中心に対して対称に巻回され、第62下コイル片、第36上コイル片、第63下コイル片と順次接続し、第5下コイル片が、11コイルピッチ分の反接続側ジャンパ線20bで第34上コイル片に接続され、第61下コイル片、第35上コイル片と接続され、第35上コイル片が、口出し接続導体21を介して中性点端子23に接続される。
隣接コイル片間の電位差については、図28の相帯の端のコイル片に着目すると、例えば第1上コイル片の接続側端での電位は13/22[PU]であり、隣接する図示しない第66上コイル片の電位が2/22[PU]であるため、位相差を考慮すると第1上コイル片と第66上コイル片の電位差は0.642[PU]となる。
また、第5下コイル片の接続側端での電位は2/22[PU]であり、隣接する図示しない第6下コイル片の電位が13/22[PU]であるため、位相差を考慮すると第5下コイル片と第6下コイル片の電位差も同じく0.642[PU]となり、これが本実施形態でのコイル片間最大電位差となる。
このように、第10の実施形態の電機子巻線では、隣接コイル片間の最大電位差は相間のコイル片間の0.642[PU]と従来例の1.289[PU]よりも小さくなる他、相帯内のコイル片間を接続するジャンパ線を反接続側に配置することができるため、接続部の接続リング数をその分低減できると共に、口出し部の接続導体の干渉を緩和し、コロナ放電の発生を抑制すると共に、導体に流れる電流間に働く電磁力や、導体に流れる電流による隣接導体における渦電流損の増加、導体に絶縁を施す際の作業性悪化やそれによる絶縁不良などの恐れを軽減し、良好な回転電機の電機子巻線を提供することができる。
(第10の実施形態の変形例)
図29は、第10の実施形態の変形例として、2極3相1並列回路でスロット数66の電機子巻線の1相分の展開模式図である。
本変形例においては、接続側コイルエンドのコイルピッチが27であって巻線ピッチに等しく、反接続側コイルエンドのコイルピッチは28で巻線ピッチより1つ大きくなっている。
図29に示すように、第1の相帯17の接続側コイルエンド19aにおいて、相帯端から2番目の第2上コイル片15aが出力端子22に繋げられた口出し接続導体21と接続されて、第29下コイル片、第3上コイル片、第30下コイル片、と順次上記のコイルピッチで巻回され、相帯端の第11上コイル片に接続された後、11コイルピッチ分の反接続側ジャンパ線20bでもう一方の相帯端の第28下コイル片に接続される。引き続き第1上コイル片、第29下コイル片と接続され、第29下コイル片は相帯間の口出し接続導体21によって、第2の相帯18の第4下コイル片に接続される。
第2の相帯18については、第1の相帯17と極中心に対して対称に巻回され、第4下コイル片、第42上コイル片、第3下コイル片と順次接続し、第61下コイル片が、11コイルピッチ分の反接続側ジャンパ線20bで第44上コイル片に接続され、第5下コイル片、第43上コイル片と接続され、第43上コイル片が、口出し接続導体21を介して中性点端子23に接続される。
隣接コイル片間の電位差については、図29の相帯の端のコイル片に着目すると、例えば第11上コイル片の接続側端での電位は13/22[PU]であり、隣接する図示しない第12上コイル片の電位が2/22[PU]であるため、位相差を考慮すると第1上コイル片と第66上コイル片の電位差は0.642[PU]となる。また、第38下コイル片の接続側端での電位は13/22[PU]であり、隣接する図示しない第39下コイル片の電位が2/22[PU]であるため、位相差を考慮すると第5下コイル片と第6下コイル片の電位差も同じく0.642[PU]となり、これが本変形例でのコイル片間最大電位差となる。
このように本変形例の電機子巻線では、隣接コイル片間の最大電位差は相間のコイル片間の0.642[PU]と従来例の1.289[PU]よりも小さくなる他、相帯内のコイル片間を接続するジャンパ線を反接続側に配置することができるため、接続部の接続リング数をその分低減できると共に、口出し部の接続導体の干渉を緩和し、コロナ放電の発生を抑制すると共に、導体に流れる電流間に働く電磁力や、導体に流れる電流による隣接導体における渦電流損の増加、導体に絶縁を施す際の作業性悪化やそれによる絶縁不良などの恐れを軽減し、良好な回転電機の電機子巻線を提供することができる。
(第11の実施形態)
図30は、本発明による回転電機の電機子巻線の第11の実施形態として、2極3相1並列回路(並列回路無し)の電機子巻線の1相分を示す展開模式図であり、スロット数は66である。
本実施形態においては、接続側コイルエンドのコイルピッチが25であって巻線ピッチより2つ小さく、反接続側コイルエンドのコイルピッチは27で巻線ピッチに等しい。
図30に示すように、第1の相帯17の接続側コイルエンド19aにおいて、第2上コイル片15aが出力端子22に繋げられた口出し接続導体21と接続されて、第29下コイル片、第4上コイル片、第31下コイル片、と順次上記のコイルピッチで巻回され、相帯端の第37下コイル片に接続された後、11コイルピッチ分の接続側ジャンパ線20aでもう一方の相帯端の第1上コイル片に接続される。引き続き第28下コイル片に接続され、第28下コイル片、第3上コイル片、第30下コイル片、と順次上記のコイルピッチで巻回され、第38下コイル片は相帯間の口出し接続導体21によって、第2の相帯18の第4下コイル片に接続される。
第2の相帯18については、第1の相帯17と極中心に対して対称に巻回され、第4下コイル片、第43上コイル片、第2下コイル片と順次接続し、第35上コイル片が、11コイルピッチ分の接続側ジャンパ線20cで第5下コイル片に接続され、第44上コイル片、第3下コイル片、第42上コイル片、第1下コイル片と順次接続し、第34上コイル片から、口出し接続導体21を介して中性点端子23に接続される。
隣接コイル片間の電位差については、図30に示す相帯の端のコイル片に着目すると、例えば第1上コイル片の接続側端での電位は17/22[PU]であり、隣接する図示しない第66上コイル片の電位が5/22[PU]であるため、位相差を考慮すると第1上コイル片と第66上コイル片の電位差は0.908[PU]となって本実施形態でのコイル片最大電位差となる。
同相のコイル片間の電位差は、0.273[PU]、0.227[PU]のいずれかとなり、同相コイル片間電位差の多くが1/22=0.045[PU]となる第9の実施形態及び第10の実施の形態に比べると大きくなっているが、これ以上の電位差にはならないため、同相コイル片間電位差の最大値という観点では、上記の例より低減できると言える。
このように第11の実施形態では、隣接コイル片間の最大電位差は相間のコイル片間の0.908[PU]となって、従来例の1.289[PU]よりは小さくなっており、コロナ放電の発生を抑制し健全な回転電機の電機子巻線を提供することができる。
前述した第1の実施形態乃至第11の実施形態において、接続導体間の干渉緩和策として、相帯1個あたりのスロット数をNとし、Nt2をN/2を下回らない最小の整数とし、口出し部に接続するコイル片が磁極中心側の相帯端部から数えてX番目であるとしたときに、Xが、3≦X≦Nt2を満たすようにすれば良い。
(第12の実施形態)
図31は、本発明による回転電機の電機子巻線の第12の実施形態として、2極3相の電機子巻線の1相分を示す展開模式図であり、スロット数72で3並列回路を有し、1相帯あたりの上下片側のコイル片が占めるスロット数は12であり、従来例3で述べた回転電機の電機子巻線を改善したものである。
図31において、電機子巻線は3種の線で示した1〜3の3つの並列回路からなり、第1の相帯17となる12個の上コイル片15a、下コイル片16aの並列回路番号をそれぞれ図の左側から順に1,2,3,1,2,3,1,2,3,1,2,3とし、同様に第2の相帯となる12個の上コイル片15b、下コイル片16bの並列回路番号をそれぞれ図の左側から順に3,2,1,3,2,1,3,2,1,3,2,1として、並列回路毎の電圧の大きさの偏差(平均的な相電圧からの偏差の絶対値)および並列回路毎の電圧の位相差の偏差(平均的な相電圧の位相角の偏差)が小さくなるようにしている。
本実施形態の第1の相帯において、口出し接続導体21は、回路2,3については、相帯の端部側にある第2上コイル片、第3上コイル片にそれぞれ接続しているが、回路1については第4上コイル片を口出し接続導体21に接続している。
第4上コイル片は、第34下コイル片、第7上コイル片、第37下コイル片、第10上コイル片、第40下コイル片と順次接続されて、第40下コイル片が接続側ジャンパ線20aによって第1上コイル片と接続して、更に第31下コイル片に接続された、相帯間接続導体21が、第2の相帯の第3下コイル片に接続される。
第2の相帯18においては、回路1について、第3下コイル片、第45上コイル片、第72下コイル片、第42上コイル片、第69下コイル片、第39上コイル片と順次接続されて、第39上コイル片が接続側ジャンパ線20aによって第6下コイル片と接続して、更に第36下コイル片に接続された、相帯間接続導体21が、中性点端子23に接続される。
隣接コイル片間の電位差については、図31に示す相帯の端のコイル片に着目すると、例えば第1上コイル片の接続側端での電位は5/8[PU]であり、隣接する図示しない第72上コイル片の電位が0[PU]であるため、第1上コイル片と第72上コイル片の電位差は5/8=0.625[PU]となる。
また、第12上コイル片の接続側端での電位は0[PU]であり、隣接する図示しない第13上コイル片の電位が5/8[PU]であるため、第1上コイル片と第72上コイル片の電位差は5/8=0.625[PU]と同じ値となる。
これらが本実施形態でのコイル片最大電位差となり、従来例3の最大電位差の1.231[PU]より半分近くに低減される。
(第13の実施形態)
図32は、本発明による回転電機の電機子巻線の第13の実施形態として、2極3相の電機子巻線の1相分を示す展開模式図であり、スロット数72で3並列回路を有し、1相帯あたりの上下片側のコイル片が占めるスロット数は12であり、従来例4で述べた回転電機の電機子巻線を改善したものである。
図32において、電機子巻線は3種の線で示した1〜3の3つの並列回路からなり、第1の相帯17となる12個の上コイル片15a、下コイル片16aの並列回路番号をそれぞれ図の左側から順に1,2,1,1,2,1,1,2,1,1,2,1とし、同様に第2の相帯となる12個の上コイル片15b、下コイル片16bの並列回路番号をそれぞれ図の左側から順に3,2,3,3,2,3,3,2,3,3,2,3として、並列回路毎の電圧の大きさの偏差(平均的な相電圧からの偏差の絶対値)および並列回路毎の電圧の位相差の偏差(平均的な相電圧の位相角の偏差)が小さくなるようにしている。
本実施形態において、回路2については従来例4と同様に接続されており、第1の相帯17と第2の相帯18の口出し端を口出し接続導体21により接続している。
本実施形態の第1の相帯において、回路1については第3上コイル片を口出し接続導体21に接続している。第3上コイル片は、第33下コイル片、第6上コイル片、第36下コイル片、第9上コイル片、第39下コイル片、第12上コイル片、と順次接続されて、第42下コイル片が接続側ジャンパ線20aによって第1上コイル片と接続して、更に第31下コイル片に接続され、更に第4上コイル片、第34下コイル片、第7上コイル片、第37下コイル片、第10上コイル片、第40下コイル片と順次接続されて、第40下コイル片は相帯間接続導体21によって、中性点端子23に接続される。
第2の相帯18においては、回路3について同様に接続され、第4下コイル片を口出し接続導体21に接続している。第4下コイル片は、第46上コイル片、第1下コイル片、第43上コイル片、第70下コイル片、第40上コイル片、第67下コイル片、と順次接続されて、第37上コイル片が接続側ジャンパ線20aによって第6下コイル片と接続して、更に第48上コイル片に接続され、更に第3下コイル片、第45上コイル片、第72下コイル片、第42上コイル片、第69下コイル片、第39上コイル片と順次接続されて、第39上コイル片は相帯間接続導体21によって、中性点端子23に接続される。
隣接コイル片間の電位差については、図32の相帯の端のコイル片に着目すると、例えば第12上コイル片の接続側端での電位は5/8[PU]であり、隣接する図示しない第13上コイル片の電位が4/8[PU]であるため、第12上コイル片と第13上コイル片の電位差は0.976[PU]となる。
また、第42下コイル片の接続側端での電位は4/8[PU]であり、隣接する図示しない第43下コイル片の電位が5/8[PU]であるため、第42下コイル片と第43下コイル片の電位差は同じく0.976[PU]と同じ値となる。
これらが本実施形態でのコイル片最大電位差となり、従来例4の最大電位差の1.625[PU]より大幅に低減される。
なお、本発明は、上記し且つ図面に示す実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組合せて実施してもよく、その場合、組合された効果が得られる。さらに、上記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
また、前述した各実施形態の何れかの電機子巻線を空気冷却方式の回転電機に適用すれば、巻線及び電機子鉄心を効果的に空気冷却することができる。
本発明による回転電機の電機子巻線の第1の実施形態を示す1相分の展開模式図。 同実施形態の3相分の展開模式図。 同実施形態における隣接コイル片間電位差を表すベクトル図。 同実施形態における隣接コイル片間電位差の分布図。 第1の実施形態の変形例を示す1相分の展開模式図。 同実施形態における電機子巻線の変形例を示す3相分の展開模式図。 同変形例の隣接コイル片間電位差の分布図。 本発明の第1の実施形態において、回転電機の口出し部に接続するコイル片を配置するスロット位置と相帯間の電位差の関係を示す図。 本発明による回転電機の電機子巻線の第2の実施形態を示す1相分の展開模式図。 本発明による回転電機の電機子巻線の第3の実施形態を示す1相分の展開模式図。 本発明による回転電機の電機子巻線の第4の実施形態として、2極3相2並列回路の電機子巻線の1相分を示す展開模式図。 同実施形態の3相分の展開模式図。 第4の実施形態の変形例を示す1相分の展開模式図。 本発明による回転電機の電機子巻線の第5の実施形態として2極3相2並列回路の電機子巻線の1相分を示す展開模式図。 本発明による回転電機の電機子巻線の第6の実施形態として、2極3相2並列回路の電機子巻線の1相分を示す展開模式図。 本発明による回転電機の電機子巻線の第7の実施形態として、2極3相2並列回路の電機子巻線の1相分を示す展開模式図。 同実施形態の3相分を示す展開模式図。 本発明による回転電機の電機子巻線の第8の実施形態として、2極3相2並列回路の電機子巻線の1相分を示す展開模式図。 同実施形態の3相分を示す展開模式図。 本発明による回転電機の電機子巻線の第9の実施形態として、2極3相1並列回路の電機子巻線の1相分を示す展開模式図。 同実施形態の3相分を示す展開模式図。 第9の実施形態における電機子巻線の変形例1を示す1相分の展開模式図。 同変形例1の3相分を示す展開模式図。 第9の実施形態における電機子巻線の変形例2を示す1相分の展開模式図。 同変形例2の3相分を示す展開模式図。 第9の実施形態における回転電機の口出し部に接続するコイル片の配置するスロット位置とコイル片間の最大電位差の関係を示す図。 第9の実施形態における電機子巻線の変形例3を示す1相分の展開模式図。 本発明による回転電機の電機子巻線の第10の実施形態として、2極3相1並列回路の電機子巻線の1相分を示す展開模式図。 第10の実施形態における電機子巻線の変形例を示す1相分の展開模式図。 本発明による回転電機の電機子巻線の第11の実施形態として、2極3相1並列回路の電機子巻線の1相分を示す展開模式図。 本発明による回転電機の電機子巻線の第12の実施形態として、2極3相の電機子巻線の1相分を示す展開模式図。 本発明による回転電機の電機子巻線の第13の実施形態として、2極3相の電機子巻線の1相分を示す展開模式図。 回転電機の電機子のスロット部を示す断面図。 従来の回転電機の電機子巻線の第1の例を示す1相分の展開模式図。 同じく従来の第1の例を示す3相分の展開模式図。 同じく従来の第1の例における隣接コイル片間電位差を表すベクトル図。 同じく従来の第1の例における隣接コイル片間電位差の分布図。 従来の回転電機の電機子巻線の第2の例を示す1相分の展開模式図。 同じく従来の第2の例における隣接コイル片間電位差の分布図。 従来の回転電機の電機子巻線の第3の例を示す1相分の展開模式図。 従来の回転電機の電機子巻線の第4の例を示す1相分の展開模式図。
符号の説明
11…電機子、12…電機子鉄心、13…スロット、14…電機子巻線、15,15a,15b…上コイル片、16,16a,16b…下コイル片、17…第1の相帯、18…第2の相帯、19a…接続側コイルエンド、19b…反接続側コイルエンド、20a,20c…接続側ジャンパ線、20b,20d…反接続側ジャンパ線、21…口出し接続導体、21x…口出し接続導体干渉、22…出力端子、23…中性点端子、24…主絶縁

Claims (41)

  1. 電機子鉄心に設けられた複数個のスロットにそれぞれ上コイル片及び下コイル片を2層に収めてこれら上コイル片と下コイル片とを接続側コイルエンド部及び反接続側コイルエンド部で順次直列接続して同一相を形成してなる巻線部の相帯がn個の並列回路を有し(nは1以上の整数)、且つ出力端子に繋がる出力端子口出し線と中性点端子に繋がる中性点端子口出し線とを前記各相帯の前記接続側コイルエンド部側のコイル片にそれぞれ接続する構成の3相2層巻きの電機子巻線において、
    前記出力端子に繋がる口出し線は、前記各相帯の端から数えて少なくとも1番目よりも相帯内内側のコイル片に接続され、前記相帯の端部に位置するコイル片と同相帯内のもう一方の端部から少なくともn(nは1以上の整数)番目以内に位置する同並列回路のコイル片をジャンパ線にて接続することを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  2. 請求項1に記載の回転電機の電機子巻線において、
    当該巻線の各相帯の並列回路数が極数以下であることを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  3. 請求項2に記載の回転電機の電機子巻線において、
    前記巻線の各相帯の並列回路数が極数に等しいことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  4. 請求項2に記載の回転電機の電機子巻線において、
    当該巻線の各相帯の並列回路数が極数よりも小さいことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  5. 請求項1に記載の回転電機の電機子巻線において、
    当該巻線の各相帯の並列回路数が極数の1.5倍であることを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  6. 請求項3に記載の回転電機の電機子巻線において、
    前記相帯1個あたりのスロット数をNとし、前記口出し部に接続するコイル片が磁極中心側の相帯端部から数えてX番目であるとしたときに、Xが、
    3X(X−1) < Nt 2−2Nt
    を満たすことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  7. 請求項3に記載の回転電機の電機子巻線において、
    前記接続側コイルエンド部のコイルピッチを巻線ピッチよりも1つ大きくし、反接続側コイルエンド部のコイルピッチを巻線ピッチに等しくしたことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  8. 請求項3に記載の回転電機の電機子巻線において、
    接続側コイルエンド部のコイルピッチを巻線ピッチに等しく、反接続側コイルエンド部のコイルピッチを巻線ピッチよりも1つ小さくしたことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  9. 請求項3に記載の回転電機の電機子巻線において、
    接続側コイルエンド部のコイルピッチを巻線ピッチよりも2つ小さくし、反接続側コイルエンド部のコイルピッチを巻線ピッチに等しくしたことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  10. 請求項9に記載の回転電機の電機子巻線において、
    当該巻線の1相当りの直列巻数が奇数で、相帯内の前記ジャンパ線が、相帯端に位置するコイル片と、もう一方の相帯端から2番目に位置するコイル片とを接続することを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  11. 請求項9に記載の回転電機の電機子巻線において、
    当該巻線の1相当りの直列巻数が偶数で、相帯内の前記ジャンパ線が、相帯端に位置するコイル片と、もう一方の相帯端に位置するコイル片とを接続することを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  12. 請求項9に記載の回転電機の電機子巻線において、
    当該巻線の1相当りの直列巻数が奇数で、相帯内の前記ジャンパ線が、相帯端に位置するコイル片と、もう一方の相帯端に位置するコイル片とを接続し、
    1相のうちの少なくとも1つの相帯において、接続側コイルエンド部に1コイルピッチ分のジャンパ線を1箇所設けたことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  13. 請求項9に記載の回転電機の電機子巻線において、
    当該巻線の1相当りの直列巻数が偶数で、
    相帯内の前記ジャンパ線が、相帯端に位置するコイル片と、もう一方の相帯端から2番目に位置するコイル片とを接続し、
    1相のうちの少なくとも1つの相帯において、接続側コイルエンド部に1コイルピッチ分のジャンパ線を2箇所設けたことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  14. 請求項3に記載の回転電機の電機子巻線において、
    接続側コイルエンド部のコイルピッチを巻線ピッチよりも1つ小さくし、反接続側コイルエンド部のコイルピッチを巻線ピッチよりも1つ大きくしたことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  15. 請求項9に記載の回転電機の電機子巻線において、
    当該巻線の1相当りの直列巻数が奇数で、
    1相のうちの1つの相帯において、
    相帯内の前記ジャンパ線が、相帯端に位置するコイル片と、もう一方の相帯端から2番目に位置するコイル片とを接続し、かつ、接続側コイルエンド部と反接続側コイルエンド部に1コイルピッチ分のジャンパ線をそれぞれ1箇所ずつ設け、
    前記相のもう一方の相帯において、
    相帯内の前記ジャンパ線が、相帯端に位置するコイル片と、もう一方の相帯端に位置するコイル片とを接続し、かつ、接続側コイルエンド部に1コイルピッチ分のジャンパ線を1箇所、反接続側コイルエンド部に1コイルピッチ分のジャンパ線を2箇所、それぞれ設けたことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  16. 請求項9に記載の回転電機の電機子巻線において、
    当該巻線の1相当りの直列巻数が偶数で、
    相帯内の前記ジャンパ線が、相帯端に位置するコイル片と、もう一方の相帯端に位置するコイル片とを接続し、
    接続側コイルエンド部に1コイルピッチ分のジャンパ線を1箇所、各相帯に設けたことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  17. 請求項4に記載の回転電機の電機子巻線において、
    相帯内の前記ジャンパ線が、相帯端に位置するコイル片と、もう一方の相帯端に位置するコイル片とを接続し、
    接続側コイルエンド部のコイルピッチを巻線ピッチよりも1つ小さくし、反接続側コイルエンド部のコイルピッチを巻線ピッチに等しくしたことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  18. 請求項4に記載の回転電機の電機子巻線において、
    相帯内の前記ジャンパ線が、相帯端に位置するコイル片と、もう一方の相帯端に位置するコイル片とを接続し、
    接続側コイルエンド部のコイルピッチを巻線ピッチよりも1つ大きくしたことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  19. 請求項4に記載の回転電機の電機子巻線において、
    相帯内の前記ジャンパ線が、相帯端に位置するコイル片と、もう一方の相帯端に位置するコイル片とを接続し、
    接続側コイルエンド部のコイルピッチを巻線ピッチに等しくし、反接続側コイルエンド部のコイルピッチを巻線ピッチよりも1つ小さくしたことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  20. 請求項4に記載の回転電機の電機子巻線において、
    相帯内の前記ジャンパ線が、相帯端に位置するコイル片と、もう一方の相帯端に位置するコイル片とを接続し、
    接続側コイルエンド部のコイルピッチを巻線ピッチに等しくし、反接続側コイルエンド部のコイルピッチを巻線ピッチよりも1つ大きくしたことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  21. 請求項4に記載の回転電機の電機子巻線において、
    相帯内の前記ジャンパ線が、相帯端に位置するコイル片と、もう一方の相帯端から2番目に位置するコイル片とを接続し、
    接続側コイルエンド部のコイルピッチを巻線ピッチよりも2つ小さくし、反接続側コイルエンド部のコイルピッチを巻線ピッチよりも1つ大きくしたことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  22. 請求項1〜4,6〜21に記載の回転電機の電機子巻線において、
    前記相帯1個あたりのスロット数をNとし、Nt2をN/2を下回らない最小の整数とし、口出し部に接続するコイル片が磁極中心側の相帯端部から数えてX番目であるとしたときに、Xが、
    3≦X≦Nt2
    を満たすことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  23. 請求項1〜22に記載の回転電機の電機子巻線において、
    相帯内の前記ジャンパ線を反接続側コイルエンド部に設けたことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  24. 請求項6に記載の回転電機の電機子巻線であって、
    各相の1つの相帯を形成する巻線部において、前記出力端子口出し線は各相帯の両端以外の上コイル片に接続され、
    前記巻線部は、接続側コイルエンド部のコイルピッチを巻線ピッチより1つ小さく、反接続側コイルエンド部のコイルピッチが巻線ピッチに等しくなるように、上コイル片が極中心に向かうように順次巻回され、
    相帯内の前記ジャンパ線が、接続側コイルエンド部で極中心から遠い側の相帯端に位置する下コイル片と、極中心から遠い側の相帯端に位置する上コイル片との間に接続され、
    該ジャンパ線に接続された前記上コイル片と前記コイルピッチで接続された極中心に近い側の相帯端の下コイル片が前記中性点端子口出し線に接続され、
    各相のもう1つの相帯を形成する巻線部において、前記出力端子口出し線は各相帯の両端以外の下コイル片に接続され、
    前記巻線部は、接続側コイルエンド部のコイルピッチを巻線ピッチより1つ小さく、反接続側コイルエンド部のコイルピッチが巻線ピッチに等しくなるように、下コイル片が極中心に向かうように順次巻回され、
    相帯内の前記ジャンパ線が、接続側コイルエンド部で極中心から遠い側の相帯端に位置する上コイル片と極中心から遠い側の相帯端に位置する下コイル片との間に接続され、
    該ジャンパ線に接続された前記下コイル片と前記コイルピッチで接続された極中心に近い側の相帯端の上コイル片が前記中性点端子口出し線に接続されたことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  25. 請求項7に記載の回転電機の電機子巻線であって、
    各相の1つの相帯を形成する巻線部において、前記出力端子口出し線は各相帯の両端以外の上コイル片に接続され、
    前記巻線部は、接続側コイルエンド部のコイルピッチを巻線ピッチより1つ大きく、反接続側コイルエンド部のコイルピッチを巻線ピッチに等しくなるように、上コイル片が極中心から離れるように順次巻回され、
    相帯内の前記ジャンパ線が、接続側コイルエンド部で極中心から近い側の相帯端に位置する下コイル片と、極中心から近い側の相帯端に位置する上コイル片との間に接続され、
    該ジャンパ線に接続された前記上コイル片から、下コイル片、上コイル片と前記コイルピッチで巻回され、更に該上コイル片が、前記中性点端子口出し線に接続され、
    各相のもう1つの相帯を形成する巻線部において、前記出力端子口出し線は各相帯の両端以外の下コイル片に接続され、
    前記巻線部は、接続側コイルエンド部のコイルピッチを巻線ピッチより1つ大きく、反接続側コイルエンド部のコイルピッチを巻線ピッチに等しくなるように上コイル片が極中心から離れるように順次巻回され、
    相帯内の前記ジャンパ線が、接続側コイルエンド部で極中心に近い側の相帯端に位置する下コイル片と極中心に近い側の相帯端に位置する上コイル片との間に接続され、
    該ジャンパ線に接続された前記上コイル片から、下コイル片、上コイル片と前記コイルピッチで巻回され、該上コイル片が前記中性点端子口出し線に接続されたことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  26. 請求項7に記載の回転電機の電機子巻線であって、
    各相の1つの相帯を形成する巻線部において、前記出力端子口出し線は各相帯の両端以外の上コイル片に接続され、
    前記巻線部は、接続側コイルエンド部のコイルピッチを巻線ピッチに等しく、反接続側コイルエンド部のコイルピッチを巻線ピッチより1つ小さくなるようにして、上コイル片が極中心から離れるように順次巻回され、
    相帯内の前記ジャンパ線が、反接続側コイルエンド部で極中心から遠い側の相帯端に位置する上コイル片と、極中心から遠い側の相帯端に位置する下コイル片との間に接続され、
    該ジャンパ線に接続された下コイル片から、上コイル片、下コイル片と前記コイルピッチで巻回され、
    更に該下コイル片が、前記中性点端子口出し線に接続され、
    各相のもう1つの相帯を形成する巻線部において、前記出力端子口出し線は各相帯の両端以外の下コイル片に接続され、
    前記巻線部は、前記コイルピッチで下コイル片が極中心から離れるように順次巻回され、
    相帯内の前記ジャンパ線が、反接続側コイルエンド部で極中心から遠い側の相帯端に位置する下コイル片と、極中心から遠い側の相帯端に位置する上コイル片との間に接続され、
    該ジャンパ線に接続された上コイル片から、下コイル片、上コイル片と前記コイルピッチで順次巻回され、
    更に該上コイル片が、前記中性点端子口出し線に接続されたことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  27. 請求項10に記載の回転電機の電機子巻線であって、
    各相の1つの相帯を形成する巻線部において、前記出力端子口出し線は各相帯の両端以外の上コイル片に接続され、
    前記巻線部は、上コイル片が極中心に向かうように前記コイルピッチで順次巻回され、
    相帯内の前記ジャンパ線が、接続側コイルエンド部で極中心から遠い側の相帯端から2番目に位置する下コイル片と極中心から遠い側の相帯端に位置する上コイル片との間に接続され、
    該ジャンパ線が接続された前記上コイル片から、上コイル片が極中心に向かうように前記コイルピッチで順次巻回され、
    極中心から遠い側の相帯端の下コイル片と前記中性点端子口出し線を接続し、
    各相のもう1つの相帯の巻線部において、前記出力端子口出し線は各相帯の両端以外の下コイル片に接続され、
    前記巻線部は、下コイル片が極中心に向かうように前記コイルピッチで順次巻回され、
    相帯内の前記ジャンパ線が、接続側コイルエンド部で極中心から遠い側の相帯端から2番目に位置する上コイル片と極中心から遠い側の相帯端に位置する下コイル片との間に接続され、
    該ジャンパ線が接続された前記下コイル片から、下コイル片が極中心に向かうように前記コイルピッチで順次巻回され、
    極中心から遠い側の相帯端の上コイル片と前記中性点端子口出し線を接続したことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  28. 請求項11に記載の回転電機の電機子巻線であって、
    各相の1つの相帯を形成する巻線部において、前記出力端子口出し線は各相帯の両端以外の上コイル片に接続され、
    前記巻線部は、上コイル片が極中心に向かうように前記コイルピッチで順次巻回され、
    相帯内の前記ジャンパ線が、接続側コイルエンド部で極中心から遠い側の相帯端に位置する下コイル片と極中心から遠い側の相帯端に位置する上コイル片との間に接続され、
    該ジャンパ線が接続された前記上コイル片から、上コイル片が極中心に向かうように前記コイルピッチで順次巻回され、
    極中心から遠い側の相帯端から2番目の下コイル片と前記中性点端子口出し線とを接続し、
    各相のもう1つの相帯を形成する巻線部において、前記出力端子口出し線は各相帯の両端以外の下コイル片に接続され、
    前記巻線部は、下コイル片が極中心に向かうように前記コイルピッチで順次巻回され、
    相帯内の前記ジャンパ線が、接続側コイルエンド部で極中心から遠い側の相帯端に位置する上コイル片と極中心から遠い側の相帯端に位置する下コイル片との間に接続され、
    該ジャンパ線が接続された前記下コイル片から、下コイル片が極中心に向かうように前記コイルピッチで順次巻回され、
    極中心から遠い側の相帯端から2番目の上コイル片と前記中性点端子口出し線とを接続したことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  29. 請求項12に記載の回転電機の電機子巻線であって、
    各相の1つの相帯を形成する巻線部において、前記出力端子口出し線は各相帯の両端以外の上コイル片に接続され、
    前記巻線部は、前記コイルピッチで上コイル片が極中心に向かうように順次巻回され、
    相帯内の1コイルピッチ分のジャンパ線が、接続側コイルエンド部で極中心から遠い側の相帯端から2番目に位置する下コイル片と極中心に近い側の相帯端に位置する上コイル片との間に接続され、
    該ジャンパ線が接続された前記上コイル片と、極中心から遠い側の相帯端に位置する下コイル片を接続し、
    相帯内の前記ジャンパ線が、接続側コイルエンド部で該下コイル片と極中心から遠い側の相帯端に位置する上コイル片との間に接続され、
    該ジャンパ線が接続された前記上コイル片から、上コイル片が極中心に向かうように前記コイルピッチで順次巻回され、
    極中心から遠い側の相帯端から3番目の下コイル片と前記中性点端子口出し線とを接続し、
    各相のもう1つの相帯を形成する巻線部において、前記出力端子口出し線は各相帯の両端以外の下コイル片に接続され、
    前記巻線部は、前記コイルピッチで下コイル片が極中心に向かうように順次巻回され、
    相帯内の前記ジャンパ線が、接続側コイルエンド部で極中心から遠い側の相帯端から2番目に位置する上コイル片と極中心から遠い側の相帯端に位置する下コイル片との間に接続され、
    該ジャンパ線が接続された前記下コイル片から、下コイル片が極中心に向かうように前記コイルピッチで順次巻回され、
    極中心から遠い側の相帯端の上コイル片と前記中性点端子口出し線を接続したことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  30. 請求項13に記載の回転電機の電機子巻線であって、
    各相の1つの相帯を形成する巻線部において、前記出力端子口出し線は各相帯の両端以外の上コイル片に接続され、
    前記巻線部は、前記コイルピッチで上コイル片が極中心に向かうように順次巻回され、
    相帯内の1コイルピッチ分のジャンパ線が、相帯内部の接続側コイルエンドで下コイル片と上コイル片との間に接続され、
    該ジャンパ線が接続された前記上コイル片から、前記コイルピッチで上コイル片が極中心に向かうように順次巻回され、
    相帯内の前記ジャンパ線が、接続側コイルエンドで極中心から遠い側の相帯端から2番目に位置する下コイル片と極中心から遠い側の相帯端に相帯端に位置する上コイル片との間に接続され、
    該ジャンパ線が接続された前記上コイル片から、前記コイルピッチで上コイル片が極中心に向かうように順次巻回され、
    相帯内の1コイルピッチ分のジャンパ線が、相帯内部の接続側コイルエンドで下コイル片と上コイル片との間に接続され、
    該ジャンパ線が接続された前記上コイル片から、前記コイルピッチで上コイル片が極中心に向かうように順次巻回され、
    極中心から遠い側の相帯端の下コイル片と前記中性点端子口出し線を接続し、
    各相のもう1つの相帯を形成する巻線部において、前記出力端子口出し線は各相帯の両端以外の下コイル片に接続され、
    前記巻線部は、前記コイルピッチで下コイル片が極中心に向かうように順次巻回され、
    相帯内の前記ジャンパ線が、接続側コイルエンド部で極中心から遠い側の相帯端から2番目に位置する上コイル片と極中心から遠い側の相帯端に位置する下コイル片との間に接続され、
    該ジャンパ線が接続された前記下コイル片から、下コイル片が極中心に向かうように前記コイルピッチで順次巻回され、
    極中心から遠い側の相帯端の上コイル片と前記中性点端子口出し線を接続したことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  31. 請求項15に記載の回転電機の電機子巻線であって、
    各相の1つの相帯を形成する巻線部において、前記出力端子口出し線は各相帯の両端以外の上コイル片に接続され、
    前記巻線部は、前記コイルピッチで、上コイル片が極中心に向かうように順次巻回され、
    相帯内の前記ジャンパ線が、反接続側コイルエンド部において極中心に近い側の相帯端から2番目に位置する上コイル片と、極中心に近い側の相帯端に位置する下コイル片との間に接続され、
    相帯内の1コイルピッチ分のジャンパ線が、接続側コイルエンド部において相帯内部で該ジャンパ線が接続された前記下コイル片と極中心から遠い側の相帯端にある上コイル片との間に接続され、
    該1コイルピッチ分のジャンパ線が接続された前記上コイル片から、上コイル片が極中心に向かうように前記コイルピッチで順次巻回され、
    相帯内の1コイルピッチ分のジャンパ線が、反接続側コイルエンドで極中心に近い側の相帯端部の上コイル片と極中心から遠い側の相帯端部の下コイル片との間に接続され、
    前記相帯端下コイル片と前記中性点端子口出し線とを接続し、
    各相のもう1つの相帯を形成する巻線部において、
    前記出力端子口出し線は各相帯の両端以外の下コイル片に接続され、
    相帯内の1コイルピッチ分のジャンパ線が、反接続側コイルエンド部で極中心から遠い側の相帯端部から2番目の下コイル片と極中心に近い側の相帯端部から2番目の上コイル片との間に接続され、
    該2番目の上コイル片から、前記コイルピッチで下コイル片が極中心に向かうように順次巻回され、
    相帯内の前記ジャンパ線が、反接続側コイルエンド部において極中心に近い側の相帯端に位置する下コイル片と極中心に近い側の相帯端に位置する上コイル片との間に接続され、
    相帯内の1コイルピッチ分のジャンパ線が、接続側コイルエンド部で極中心に近い側の相帯端部の上コイル片と極中心から遠い側の相帯端部の下コイル片との間に接続され、
    相帯内の1コイルピッチ分のジャンパ線が、反接続側コイルエンド部で前記下コイル片と極中心に近い側の相帯端部から3番目の上コイル片との間に接続され、
    該3番目の上コイル片から、前記コイルピッチで下コイル片が極中心に向かうように順次巻回され、
    極中心から遠い側の相帯端の上コイル片と前記中性点端子口出し線とを接続したことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  32. 請求項16に記載の回転電機の電機子巻線であって、
    各相の1つの相帯を形成する巻線部において、前記出力端子口出し線は各相帯の両端以外の上コイル片に接続され、
    前記巻線部は、前記コイルピッチで、該上コイル片が極中心に向かうように順次巻回され、
    相帯内の前記ジャンパ線が、反接続側コイルエンド部において極中心に近い側の相帯端に位置する上コイル片と極中心に近い側の相帯端に位置する下コイル片との間に接続され、
    相帯内の1コイルピッチ分のジャンパ線が、接続側コイルエンド部で極中心に近い側の相帯端に位置する前記下コイル片と極中心から遠い側の相帯端にある上コイル片との間に接続され、
    該上コイル片から、上コイル片が極中心に向かうように前記コイルピッチで順次巻回され、
    極中心から遠い側の相帯端に位置する下コイル片と前記中性点端子口出し線とを接続し、
    各相のもう1つの相帯を形成する巻線部において、
    前記出力端子口出し線は各相帯の両端以外の下コイル片に接続され、
    前記巻線部は、前記コイルピッチで、該下コイル片が極中心に向かうように順次巻回され、
    相帯内の前記ジャンパ線が、反接続側コイルエンド部において極中心に近い側の相帯端に位置する下コイル片と極中心に近い側の相帯端に位置する上コイル片との間に接続され、
    相帯内の1コイルピッチ分のジャンパ線が、接続側コイルエンド部で極中心に近い側の相帯端に位置する前記上コイル片と極中心から遠い側の相帯端にある下コイル片との間に接続され、
    該下コイル片から、前記コイルピッチで下コイル片が極中心に向かうように順次巻回され、
    極中心から遠い側の相帯端の上コイル片と前記中性点端子口出し線とを接続したことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  33. 請求項17に記載の回転電機の電機子巻線であって、
    各相の1つの相帯を形成する巻線部において、前記出力端子口出し線は各相帯の両端以外の上コイル片に接続され、
    前記巻線部は、前記コイルピッチで、上コイル片が極中心に向かうように順次巻回され、
    相帯内の前記ジャンパ線が、接続側コイルエンド部において極中心から遠い側の相帯端に位置する下コイル片と極中心から遠い側の相帯端に位置する上コイル片との間に接続され、
    前記上コイル片と下コイル片が前記ピッチで接続され、
    磁極中心に近い側の相帯端に位置する前記下コイル片ともう1つの相帯の磁極中心に遠い側の相帯端に位置する下コイル片との間が口出し接続導体で接続され、
    該下コイル片から、前記コイルピッチで下コイル片が極中心に向かうように順次巻回され、
    磁極中心に遠い側の相帯端に位置する上コイル片と前記中性点端子口出し線とを接続したことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  34. 請求項33に記載の回転電機の電機子巻線であって、
    各相の前記中性点端子口出し線を接続した相帯の各相帯の両端以外の下コイル片がもう一方の相帯に接続された口出し接続導体と接続され、
    前記下コイル片から、前記コイルピッチで下コイル片が極中心に向かうように順次巻回され、
    相帯内の前記ジャンパ線が、接続側コイルエンド部において極中心から遠い側の相帯端に位置する上コイル片と極中心から遠い側の相帯端に位置する下コイル片との間に接続され、
    該下コイル片と上コイル片が前記ピッチで接続され、
    更に該上コイル片と前記中性点端子口出し線とを接続したことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  35. 請求項18に記載の回転電機の電機子巻線であって、
    各相の1つの相帯を形成する巻線部において、前記出力端子口出し線は各相帯の両端以外の上コイル片に接続され、
    前記巻線部は、前記コイルピッチで、上コイル片が極中心から離れるように順次巻回され、
    相帯内の前記ジャンパ線が、接続側コイルエンド部において極中心に近い側の相帯端に位置する下コイル片と極中心に近い側の相帯端に位置する上コイル片との間に接続され、
    該上コイル片と極中心に遠い側に位置する下コイル片が前記ピッチで接続され、
    該下コイル片が、もう1つの相帯の両端以外の下コイル片に口出し接続導体で接続され、
    該下コイル片から、前記コイルピッチで下コイル片が極中心から離れるように順次巻回され、
    相帯内の前記ジャンパ線が、接続側コイルエンド部において極中心に近い側の相帯端に位置する上コイル片と極中心に近い側の相帯端に位置する下コイル片との間に接続され、
    該下コイル片と極中心に遠い側に位置する上コイル片が前記ピッチで接続され、
    該上コイル片と前記中性点端子口出し線とを接続したことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  36. 請求項19に記載の回転電機の電機子巻線であって、
    各相の1つの相帯を形成する巻線部において、前記出力端子口出し線は各相帯の両端以外の上コイル片に接続され、
    前記巻線部は、前記コイルピッチで、上コイル片が極中心から離れるように順次巻回され、
    相帯内の前記ジャンパ線が、反接続側コイルエンド部において極中心から遠い側の相帯端に位置する上コイル片と極中心から遠い側の相帯端に位置する下コイル片との間に接続され、
    該下コイル片から上コイル片、下コイル片と前記ピッチで接続され、
    該下コイル片がもう1つの相帯の両端以外の下コイル片に口出し接続導体で接続され、
    該下コイル片から、前記コイルピッチで下コイル片が極中心から離れるように順次巻回され、
    相帯内の前記ジャンパ線が、反接続側コイルエンド部において極中心から遠い側の相帯端に位置する下コイル片と極中心から遠い側の相帯端に位置する上コイル片との間に接続され、
    該上コイル片から下コイル片、上コイル片と前記ピッチで順次接続され、
    該上コイル片と前記中性点端子口出し線とを接続したことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  37. 請求項20に記載の回転電機の電機子巻線であって、
    各相の1つの相帯を形成する巻線部において、前記出力端子口出し線は各相帯の両端以外の上コイル片に接続され、
    前記巻線部は、前記コイルピッチで、上コイル片が極中心に向かうように順次巻回され、
    相帯内の前記ジャンパ線が、反接続側コイルエンド部において極中心に近い側の相帯端に位置する上コイル片と極中心に近い側の相帯端に位置する下コイル片との間に接続され、
    該下コイル片から上コイル片、下コイル片と前記ピッチで順次接続され、
    該下コイル片が、もう1つの相帯の両端以外の下コイル片に口出し接続導体で接続され、
    該下コイル片から、前記コイルピッチで下コイル片が極中心に向かうように順次巻回され、
    相帯内の前記ジャンパ線が、反接続側コイルエンド部において極中心に近い側の相帯端に位置する下コイル片と極中心に近い側の相帯端に位置する上コイル片との間に接続され、
    該上コイル片から下コイル片、上コイル片と前記ピッチで順次接続され、
    該上コイル片と前記中性点端子口出し線とを接続したことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  38. 請求項21に記載の回転電機の電機子巻線であって、
    各相の1つの相帯を形成する巻線部において、前記出力端子口出し線は各相帯の両端以外の上コイル片に接続され、
    前記巻線部は、前記コイルピッチで、上コイル片が極中心に向かうように順次巻回され、
    相帯内の前記ジャンパ線が、接続側コイルエンド部において極中心から遠い側の相帯端から2番目に位置する下コイル片と極中心から遠い側の相帯端に位置する上コイル片との間に接続され、
    該上コイル片が、前記コイルピッチで極中心に向かうように順次巻回され、
    極中心から遠い側の相帯端に位置する下コイル片が、もう1つの相帯の両端以外の下コイル片に口出し接続導体で接続され、
    該下コイル片から、前記コイルピッチで下コイル片が極中心に向かうように順次巻回され、
    相帯内の前記ジャンパ線が、接続側コイルエンド部において極中心から遠い側の相帯端から2番目に位置する上コイル片と極中心から遠い側の相帯端に位置する下コイル片との間に接続され、
    該下コイル片から、前記コイルピッチで下コイル片が極中心に向かうように順次巻回され、
    極中心から遠い側の相帯端に位置する上コイル片と前記中性点端子口出し線とを接続したことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  39. 請求項5に記載の回転電機の電機子巻線において、
    電機子鉄心に1極あたり36個のスロットが設けられ、各相の1つの相帯を形成する巻線部が各相毎に第1〜3の巻線回路を並列接続して構成される3相2層巻きの電機子巻線であって、接続側コイルエンド部のコイルピッチが巻線ピッチより3つ小さく、反接続側コイルエンド部のコイルピッチが巻線ピッチに等しく、
    各相の第1の相帯を形成する巻線部において、上コイル片及び下コイル片が、上コイルは極中心から遠い方から、下コイルは極中心に近い方から、それぞれ並列回路番号を1,2,3,1,2,3,1,2,3,1,2,3とし、もう一方の相帯である第2の相帯を形成する巻線部において、上コイル片及び下コイル片が、上コイルは極中心から遠い方から、下コイルは極中心に近い方からそれぞれ、並列回路番号を3,2,1,3,2,1,3,2,1,3,2,1とし、
    第1の相帯において、回路1においては相帯の極中心から遠い側から数えて4番目の上コイル片と口出し接続導体とを接続し、前記上コイル片から上コイル片が極中心に向かうように前記コイルピッチで巻回し、
    極中心から遠い側から数えて3番目の下コイル片と極中心から遠い側の相帯端に位置する上コイル片とをジャンパ線によって接続し、
    前記上コイル片が接続された、極中心に近い側の相帯端下コイルを第2の相帯の極中心から遠い側から数えて4番目の下コイル片と接続し、前記下コイル片から下コイル片が極中心に向かうように前記コイルピッチで巻回し、
    極中心から遠い側から数えて3番目の上コイル片と極中心から遠い側の相帯端に位置する下コイル片とをジャンパ線によって接続し、前記下コイル片が接続された、極中心に近い側の相帯端上コイルを前記中性点端子口出し線に接続したことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  40. 請求項5に記載の回転電機の電機子巻線であって、
    電機子鉄心に1極あたり36個のスロットが設けられ、各相の1つの相帯を形成する巻線部が各相毎に第1〜3の巻線回路を並列接続して構成される3相2層巻きの電機子巻線であって、接続側コイルエンド部のコイルピッチが巻線ピッチより3つ小さく、反接続側コイルエンド部のコイルピッチが巻線ピッチに等しく、
    各相の第1の相帯を形成する巻線部において、上コイル片及び下コイル片が、上コイルは極中心から遠い方から、下コイルは極中心に近い方からそれぞれ、並列回路番号を1,2,1,1,2,1,1,2,1,1,2,1とし、もう一方の相帯である第2の相帯において、上コイル片及び下コイル片が、上コイルは極中心から遠い方から、下コイルは極中心に近い方からそれぞれ、並列回路番号を3,2,3,3,2,3,3,2,3,3,2,3とし、
    第1の相帯において、回路1においては相帯の極中心から遠い側から数えて4番目の上コイル片と口出し接続導体とを接続し、前記上コイル片から上コイル片が極中心に向かうように前記コイルピッチで巻回し、
    極中心から遠い側の相帯端に位置する下コイル片と極中心から遠い側の相帯端に位置する上コイル片とをジャンパ線によって接続し、前記上コイル片から前記コイルピッチで巻回し、極中心から遠い側から数えて3番目の下コイル片を前記中性点端子口出し線に接続し、
    第2の相帯において、回路3においては相帯の極中心から遠い側から数えて4番目の下コイル片と口出し接続導体とを接続し、前記下コイル片から下コイル片が極中心に向かうように前記コイルピッチで巻回し、
    極中心から遠い側の相帯端に位置する上コイル片と極中心から遠い側の相帯端に位置する下コイル片とをジャンパ線によって接続し、前記下コイル片から前記コイルピッチで巻回し、極中心から遠い側から数えて3番目の上コイル片を前記中性点端子口出し線に接続したことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  41. 請求項1乃至請求項40のいずれかに記載の電機子巻線を備えた回転電機。
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