JP5847645B2 - 回転電機の電機子巻線 - Google Patents

回転電機の電機子巻線 Download PDF

Info

Publication number
JP5847645B2
JP5847645B2 JP2012107565A JP2012107565A JP5847645B2 JP 5847645 B2 JP5847645 B2 JP 5847645B2 JP 2012107565 A JP2012107565 A JP 2012107565A JP 2012107565 A JP2012107565 A JP 2012107565A JP 5847645 B2 JP5847645 B2 JP 5847645B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
phase
armature winding
winding
armature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012107565A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013236481A (ja
Inventor
徳増 正
正 徳増
和真 十川
和真 十川
正幸 一文字
正幸 一文字
徹 大高
徹 大高
大典 平松
大典 平松
幹雄 垣内
幹雄 垣内
上田 隆司
隆司 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2012107565A priority Critical patent/JP5847645B2/ja
Priority to EP13156129.2A priority patent/EP2632028A3/en
Priority to US13/774,242 priority patent/US20130221792A1/en
Priority to CN201310056509.3A priority patent/CN103296809B/zh
Publication of JP2013236481A publication Critical patent/JP2013236481A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5847645B2 publication Critical patent/JP5847645B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明の実施形態は、回転電機の電機子巻線に関する。
大容量の回転電機においては、積層鉄心からなる電機子鉄心に設けられたスロット内に上コイル片と下コイル片を2層に配置し、これら上コイル片と下コイル片を直列に接続した構造の電機子巻線を設けている。これにより、回転電機は、発生電圧を高め、機器容量を増大させている。しかしながら、電機子巻線は、発生電圧が高くなると、耐電圧のために主絶縁厚さが厚く形成される。その結果、電機子巻線の導体部分の断面積が減少して電流密度が増加し、損失増加を招く。また、電機子巻線の発生電圧を過度に高電圧とした場合には、主絶縁の信頼性も低下してしまう。
このような電機子巻線の電圧の設定にはスロット数の選定が重要となる。4極3相機の場合、スロット数が極数及び相数で割り切れるいわゆる整数スロットを採用すると、2極機に比べて採用できるスロット数が半減し、設計の自由度が制限される。この制限を避けるために、例えば4極42スロットのように、スロット数が極数及び相数で割り切れない、いわゆる分数スロットを含めて設計を検討する必要がある。
なお、4極機では、同じ発生電圧の場合、2極機に比べて1極あたりの磁束が半分ですむため、その分だけ電機子鉄心ヨーク厚さを薄くすることができる。
特開2009−268233号公報
回転電機においては、電機子と回転子の間のギャップに発生する磁束によって電機子鉄心を回転子側に引き付ける電磁力が発生し、回転子の回転に伴って、この電磁力による円環振動が発生する。この電磁力は、磁束密度Bの2乗に比例する大きさを持つ。このため、最も周波数が低い電磁力は、電気周波数に一致する磁束成分によるものであり、電気周波数の2倍の周波数を持つ加振力となる。一般に、ギャップ中の磁束密度の空間高調波成分は、界磁電流による磁束Bfの空間高調波成分と、電機子電流による磁束Baの空間高調波成分とがある。これらの空間高調波成分のうち、電気周波数と一致するものは、電機子電流による磁束Baの高調波成分のみである。従って、電気周波数に一致する磁束成分Bは、一般に3相4極機の場合には3の倍数の空間高調波成分Ba3,Ba6,…がキャンセルされるため、θを機械角として、次のように表される。
Figure 0005847645
一般に、整数スロット機では、表1に示すように、偶数次の空間高調波に対する巻線係数が0となるため、磁束密度の偶数次の空間高調波成分も0となる。
Figure 0005847645
従って、電気周波数に一致する磁束密度Bの2乗の交流成分B2 acは、次のように表される。
Figure 0005847645
ここで、最も空間高調波次数の低い電磁加振力は8極成分(4直径節モード)となり、鉄心振動としては、この4直径節モードが励振されやすい。
一方、分数スロット機では、例えば4極66スロットの場合には、スロット数66が極数4で割切れないために、図10に示すように、電機子鉄心12のスロット13内に電機子巻線となる下コイル片16及び上コイル片15が収容され、各相の巻線として5コイルからなる相帯17と6コイルからなる相帯18が周方向に交互に並ぶように接続される。すなわち、図11に示すように、上下コイル片15,16の一端部同士は、巻線口出し部に接続される接続側コイルエンド19aによって互いに直列に接続され、上下コイル片15,16の他端部同士は、巻線口出し部に接続されない反接続側コイルエンド19bによって互いに直列に接続される。電機子巻線14は、5つの直列コイルからなる相帯17と6つの直列コイルからなる相帯18が直列に接続され、相帯17,18からなる2組の回路が、接続側コイルエンド19aに設けられる口出し導体21を介して並列接続されている。
よって、分数スロット機の電機子11における1相の電機子巻線14は、各磁極位置に対応した相帯が5コイルからなる相帯17と6コイルからなる相帯18とが交互に現れるようになる。このため、各磁極毎の対称性が成立たず、表1に示すように偶数次の空間高調波に対する巻線係数が0とならない。よって、電気周波数に一致する磁束密度Bの2乗の交流成分B2 acは、次のように表される。
Figure 0005847645
なお、4極成分(2直径節モード)の電磁加振力の要因としては、上述のような基本波磁束密度B1と2次高調波成分Ba2の相互作用のほかに、例えば4次高調波成分Ba4と5次高調波成分Ba5の相互作用も考えられる。しかしながら、一般に磁束密度に占める基本波B1の割合が大きいため、ほぼ2次高調波成分Ba2の大きさが4極成分(2直径節モード)の電磁加振力の大きさを決めると考えることができる。
円環振動は、直径節モードのモード数が小さいほど固有振動数が低い。このため、一般に電機子鉄心においても、最も低い次数の加振周波数に対して固有振動数の離調が図られる。但し、前述したように、4極機では電機子鉄心ヨーク厚さを薄くするため、2極機に比べて電機子鉄心の円環振動に対する剛性が低く、2直径節モードの円環振動に対して固有振動数の十分な離調を図ることが困難な場合がある。この場合、分数スロット機で発生する4極成分(2直径節モード)の電磁加振力によって過大な鉄心振動が引起される恐れがある。
本発明は上記実情を考慮してなされたもので、3相4極66スロットを有する回転電機に適用される電機子巻線において、電機子巻線の空間2次調波に対する巻線係数を低減することによって、電機子電流がつくる磁束に起因する4極成分(2直径節モード)の電磁加振力を低減し、電機子鉄心の振動を低減して信頼性を向上し得る回転電機の電機子巻線を提供することを目的とする。
本発明の一つの局面は、3相4極の2層巻き電機子巻線であって、当該巻線の各相の巻線は直列コイルからなり、各コイルが接続側コイルエンド及び反接続側コイルエンドでそれぞれ互いに接続される上コイル片及び下コイル片を有し、当該上コイル片及び下コイル片が電機子鉄心に設けられた66個のスロットにそれぞれ収容される回転電機の電機子巻線において、各相の相帯の相帯中心からみて最内側及び最外側のそれぞれの上コイル片及び下コイル片のうち、少なくとも一つのコイル片を隣接する相のコイル片と入れ替えるように接続した回転電機の電機子巻線である。
以上説明したように本発明によれば、3相4極66スロットを有する回転電機に適用される電機子巻線において、電機子電流がつくる磁束に起因する4極成分(2直径節モード)の電磁加振力を低減し、電機子鉄心の振動を低減して信頼性を向上できる。
第1の実施形態に係る回転電機の電機子断面の模式図である。 同実施形態における電機子巻線の1相分を示す展開模式図である。 同実施形態における電機子断面の一部を示す展開模式図である。 第2の実施形態に係る電機子巻線の1相分を示す展開模式図である。 同実施形態における電機子断面の一部を示す展開模式図である。 第3の実施形態に係る電機子巻線の1相分を示す展開模式図である。 同実施形態における電機子断面の一部を示す展開模式図である。 第4の実施形態に係る電機子巻線の1相分を示す展開模式図である。 同実施形態における電機子断面の一部を示す展開模式図である。 従来の回転電機の電機子断面の一部を示す展開模式図である。 従来の回転電機の電機子巻線の1相分を示す展開模式図である。
以下、各実施形態について図面を用いて説明するが、その前に各実施形態の概要を述べる。各実施形態における回転電機の電機子巻線は、3相4極の2層巻き電機子巻線であって、当該巻線の各相の巻線は直列コイルからなり、各コイルが接続側コイルエンド及び反接続側コイルエンドでそれぞれ互いに接続される上コイル片及び下コイル片を有し、当該上コイル片及び下コイル片が電機子鉄心に設けられた66個のスロットにそれぞれ収容される構成において、各相の相帯の相帯中心からみて最内側及び最外側のそれぞれの上コイル片及び下コイル片のうち、少なくとも一つのコイル片を隣接する相のコイル片と入れ替えるように接続している。
ここで、第1の実施形態の電機子巻線においては、各相の上コイル片又は下コイル片を対象に、6コイルからなる相帯においては相帯中心からみて最外側のコイル片を、5コイルからなる相帯においては相帯中心からみて最内側のコイル片を、それぞれ隣接する相のコイル片と入れ替えるように接続している。また、コイルピッチを13又は14としている。
第2の実施形態の電機子巻線においては、各相の相帯の相帯中心からみて最内側及び最外側のそれぞれの上コイル片及び下コイル片を、それぞれ隣接する相のコイル片と入れ替えるように接続している。また、コイルピッチを14〜17のいずれかとしている。
第3の実施形態の電機子巻線においては、各相の6コイルからなる相帯においては相帯中心からみて最外側の上コイル片及び下コイル片を、5コイルからなる相帯においては相帯中心からみて最内側の上コイル片及び下コイル片を、それぞれ隣接する相のコイル片と入れ替えるように接続している。また、コイルピッチを12〜14のいずれかとしている。
第4の実施形態の電機子巻線においては、各相の相帯の上コイル片もしくは下コイル片のいずれか一方のコイル片を対象に、各相帯中心からみて最外側及び最内側のそれぞれのコイル片を、それぞれ隣接する相のコイル片と入れ替えるように接続している。また、コイルピッチを15としている。
以上が各実施形態の概要である。次に、各実施形態を順次、具体的に説明する。
<第1の実施形態>
図1は第1の実施形態に係る回転電機の電機子断面の模式図であり、図2は同実施形態における電機子巻線の1相分の展開模式図であり、図3は同実施形態における電機子断面の一部を示す展開模式図である。回転電機の電機子11は、積層鉄心よりなる電機子鉄心12に66個のスロット13が設けられ、4極3相回路の電機子巻線14がスロット13に2層に収容されている。
各相の電機子巻線14は、スロット内の上部に収容される上コイル片15と、スロット内の下部に収容される下コイル片16とを有している。上下コイル片15,16の一端部同士は、巻線口出し部に接続される接続側コイルエンド19aによって互いに直列に接続され、上下コイル片15,16の他端部同士は、巻線口出し部に接続されない反接続側コイルエンド19bによって互いに直列に接続される。電機子巻線14は上下コイル片15,16をそれぞれ5個のスロット13に収容した5コイルからなる相帯17と、上下コイル片15,16をそれぞれ6個のスロット13に収容した6コイルからなる相帯18とを有している。
各相帯17,18の上コイル片15は、接続側及び反接続側のコイルエンド19a,19bで所定のコイルピッチだけ離れた位置にある対応する下コイル片16と接続されて直列コイルを形成する。電機子巻線14は、5つの直列コイルからなる相帯17と6つの直列コイルからなる相帯18が直列に接続され、相帯17,18からなる2組の回路が、接続側コイルエンド19aに設けられる口出し導体21を介して並列接続されている。なお、図2は、コイルピッチに9という小さ目の値を採用した例であるが、これは図を見やすくする目的のためであって、特にこのコイルピッチに特定されるものではない。以下の各実施形態の図面においても同様である。
各相の相帯17,18の接続側コイルエンド19aに2本/相のジャンパ線20aを設け、反接続側コイルエンド19bに4本/相のジャンパ線20bを設けることにより、図2及び図3に一例を示すように、5コイルからなる相帯17内の相帯中心からの位置によって表した場合に、最内側の下コイル片23を隣接する異なる相の(6コイルからなる)相帯の下コイル片25と入れ替えるようにし、6コイルからなる相帯18においては相帯中心からみて最外側の下コイル片23を隣接する異なる相の(5コイルからなる)相帯の下コイル片25と入れ替えるようにしている。なお、「最外側」及び「最内側」の用語は、それぞれ幾何学的な位置において「最も外側」及び「最も内側」を意味する。補足すると、相帯中心は、幾何学的な中心に位置するスロットに対応し、「最外側」は相対中心から最も離れたスロットに対応し、「最内側」は相対中心に最も近いスロットに対応する。コイルピッチは、上コイル片15のスロットと、当該上コイル片15にコイルエンド19a又は19bを介して接続された下コイル片16のスロットとの間の隔壁の個数に対応する。また、各コイル片15,16の位置がスロット番号で示される場合、相対中心は相帯内の各コイル片15,16を示す各スロット番号を平均した値に対応し、コイルピッチは、上コイル片15のスロット番号と、下コイル片16のスロット番号との差分に対応する。
一般に電機子巻線は、誘起電圧波形の悪化や回転子の表面損失の増加を防ぐために空間5次及び7次の巻線係数が小さくなるようにコイルピッチを選ぶ。このため、4極66スロットの電機子巻線の従来例としては、例えば空間5次及び7次の巻線係数を10%未満に抑制しようとすれば、表1に示したコイルピッチ13又は14の巻線しか選択できない。表2に従来例(4極66スロット)のコイルピッチと巻線係数との関係を示す。表2中、コイルピッチ13〜14の範囲は、表1に示した従来例の値である。また表2中、コイルピッチ13〜14以外の範囲は、空間5次又は7次の巻線係数が10%以上なので従来から採用しない範囲であるが、各実施形態の表3〜表6の範囲に合わせて仮に記載している。
Figure 0005847645
表3に第1の実施形態の各空間次数の巻線係数とコイルピッチの関係を示す。
Figure 0005847645
表2と表3を比較すると、第1の実施形態においては、コイルピッチが13又は14の場合に空間5次及び7次の巻線係数を10%未満に抑制でき、かつ空間2次の巻線係数が表2のコイルピッチ13,14の値を下回る。従って、第1の実施形態によれば、電機子電流のつくる磁束のうち、空間2次の高調波成分の磁束を低減できる。
なお、コイルピッチが11〜17以外の範囲は、コイルサイズが大きくなり過ぎる、或いは小さくなり過ぎる、或いは十分な効果が得られない等の理由により、通常は採用しない範囲であるため、表3においてはその記載を省略している。
上述したように第1の実施形態によれば、5コイルからなる相帯17では相帯中心から最内側の下コイル片23を、6コイルからなる相帯18では相帯中心からみて最外側の下コイル片23を、それぞれ隣接する異なる相の相帯の下コイル片25と入れ替えるように接続した構成により、3相4極66スロットを有する回転電機に適用される電機子巻線において、電機子電流がつくる磁束に起因する4極成分(2直径節モード)の電磁加振力を低減し、電機子鉄心の振動を低減して信頼性を向上させることができる。
補足すると、前述した構成により、空間2次の高調波成分に対する巻線係数を小さくでき、コイルピッチを14とすれば巻線係数を最小にできる。これにより、電機子電流のつくる磁束のうち、空間2次の高調波成分の磁束が低減される。空間2次の高調波成分の磁束は主磁束と作用して2直径節の電磁加振力を発生するため、空間2次の高調波成分の磁束を低減することにより、2直径節の電磁加振力が低減され、2直径節の固定子鉄心振動が低減される。
また、本実施形態によれば、非標準接続が6本/相と少ない上、空間2次高調波成分を従来のコイルピッチ14の場合に比べて40%程度に低減させることができる。
なお、本実施形態は図示した構成に限らず、例えば図2において上コイル片15としたものを下コイル片16とし、下コイル片16としたものを上コイル片15とし、他相と入れ替える下コイル23を他相と入れ替える上コイル片22とし、他相の下コイル片25を他相の上コイル片と読み替えても、同様の作用・効果を得ることができる。また、口出し位置を図示した位置とは違う位置に配置してもよい。また、図2では5コイルと6コイルの相帯17,18からなる2組の回路を並列接続した2並列巻線としたが、2組の回路を直列接続して電機子巻線を形成しても、同様の作用・効果を得ることができる。
<第2の実施形態>
図4は第2の実施形態に係る電機子巻線の1相分を示す展開模式図であり、図5は同実施形態における電機子断面の一部を示す展開模式図であって、図2及び図3と共通する要素には同一符号を付してその詳しい説明を省略し、ここでは異なる要素について主に述べる。以下の各実施形態も同様にして、重複した説明を省略する。
第2の実施形態は、第1の実施形態に比べ、入替えるコイル片22〜25を変更した形態となっている。
具体的には、各相の相帯17,18の接続側コイルエンド19aに8本/相のジャンパ線20aを設けることにより、図4及び図5に示すように、5コイルからなる相帯17の相帯中心からみて最内側及び最外側の上下コイル片22,23をそれぞれ隣接する異なる相の(6コイルからなる)相帯の上下コイル片24,25と入れ替えるようにし、6コイルからなる相帯18においても相帯中心からみて最内側及び最外側の上下コイル片22,23をそれぞれ隣接する異なる相の(5コイルからなる)相帯の上下コイル片24,25と入れ替えるようにしている。なお、入れ替えるコイル片23,25の位置以外の構成は第1の実施形態と同様である。
表4に第2の実施形態の各空間次数の巻線係数とコイルピッチの関係を示す。
Figure 0005847645
表2と表4を比較すると、第2の実施形態においては、コイルピッチが14〜17の場合に空間5次及び7次の巻線係数を10%未満に抑制でき、かつ空間2次の巻線係数が表2のコイルピッチ13,14の値を下回る。従って、第2の実施形態によれば、電機子電流のつくる磁束のうち、空間2次の高調波成分の磁束を低減できる。
上述したように第2の実施形態によれば、5コイルからなる相帯17では相帯中心からみて最内側及び最外側の上下コイル片22,23を、6コイルからなる相帯18でも相帯中心からみて最内側及び最外側の上下コイル片22,23を、それぞれ隣接する異なる相の相帯の上コイル片24、25と入れ替えるように接続した構成により、第1の実施形態と同様に、空間2次の高調波成分に対する巻線係数を小さくして空間2次の高調波成分の磁束を低減させる。このため、3相4極66スロットを有する回転電機に適用される電機子巻線において、電機子電流がつくる磁束に起因する4極成分(2直径節モード)の電磁加振力を低減し、電機子鉄心の振動を低減して信頼性を向上させることができる。特に、コイルピッチを16又は17とすれば巻線係数を最小とすることができる。
また、第2の実施形態は、第1の実施形態と比べ、接続側コイルエンドのジャンパ線20aが増加するが、空間2次の高調波成分の低減効果が大きくなり、また、コイルピッチが14〜17という広い範囲においてその効果があるという利点がある。例えば、本実施形態によれば、非標準接続が8本/相と多くなるが、空間2次高調波成分を従来のコイルピッチ14の場合に比べて最大で20%程度に低減できる。
なお、本実施形態は図示した構成に限らず、例えば口出し位置を図示したものと違う位置に配置してもよい。また、図4では5コイルと6コイルの相帯17,18からなる2組の回路を並列接続した2並列巻線としているが、2組の回路を直列接続して電機子巻線を形成しても、同様の作用・効果を得ることができる。
<第3の実施形態>
図6は第3の実施形態に係る電機子巻線の1相分を示す展開模式図であり、図7は同実施形態における電機子断面の一部を示す展開模式図である。
第3の実施形態は、第1の実施形態に比べ、入替えるコイル片22〜25を変更した形態となっている。
具体的には、各相の相帯17,18の接続側コイルエンド19aに4本/相のジャンパ線20aを、反接続側コイルエンド19bに8本/相のジャンパ線20bを設けることにより、図6及び図7に示すように、5コイルからなる相帯17においては、相帯中心からみて最内側の上コイル片22を隣接する異なる相の(6コイルからなる)相帯の上コイル片24と、最内側の下コイル片23を隣接する異なる相の相帯の下コイル片25と入れ替えるようにし、6コイルからなる相帯18においては相帯中心からみて最外側の上コイル片22を隣接する異なる相の(5コイルからなる)相帯の上コイル片24と、最外側の下コイル片23を隣接する異なる相の相帯の下コイル片25と入れ替えるようにしている。なお、入れ替えるコイル片22〜25以外の構成は第1の実施形態と同様である。
表5に第3の実施形態の各空間次数の巻線係数とコイルピッチの関係を示す。表2と表5を比較すると、第3の実施形態においては、コイルピッチが12〜14の場合に空間5次及び7次の巻線係数を10%未満に抑制でき、かつ空間2次の巻線係数が表2のコイルピッチ13,14の値を下回る。従って、第3の実施形態によれば、電機子電流のつくる磁束のうち、空間2次の高調波成分の磁束を低減できる。
Figure 0005847645
上述したように第3の実施形態によれば、5コイルからなる相帯17では相帯中心からみて最内側の上コイル片22及び下コイル片23を、6コイルからなる相帯18では相帯中心からみて最外側の上コイル片22及び下コイル片23を、それぞれ隣接する異なる相の相帯の上下コイル片24、25と入れ替えるように接続した構成により、第1の実施形態と同様に、巻線係数を小さくして空間2次の高調波成分の磁束を低減させる。このため、3相4極66スロットを有する回転電機に適用される電機子巻線において、電機子電流がつくる磁束に起因する4極成分(2直径節モード)の電磁加振力を低減し、電機子鉄心の振動を低減して信頼性を向上できる。特に、コイルピッチを13とすれば巻線係数を最小とすることができる。
また、第3の実施形態は、第1の実施形態と比べ、接続側コイルエンドのジャンパ線20a及び反接続側コイルエンドのジャンパ線20bが増加するが、空間2次の高調波成分の低減効果が大きくなり、また、コイルピッチが12〜14という広い範囲においてその効果があるという利点がある。例えば、本実施形態によれば、非標準接続が12本/相と多くなるが、空間2次高調波成分を従来のコイルピッチ14の場合に比べて最大で5%程度に低減させることができる。
なお、本実施形態は図示した構成に限らず、例えば口出し位置を図示したものと違う位置に配置してもよい。また、図6では5コイルと6コイルの相帯17,18からなる2組の回路を並列接続した2並列巻線としているが、2組の回路を直列接続して電機子巻線を形成しても、同様の作用・効果を得ることができる。
<第4の実施形態>
図8は第4の実施形態に係る電機子巻線の1相分を示す展開模式図であり、図9は同実施形態における電機子断面の一部を示す展開模式図である。
第4の実施形態は、第1の実施形態に比べ、入替えるコイル片22,24を変更した形態となっている。
具体的には、各相の相帯17,18の接続側コイルエンド19aに4本/相のジャンパ線20aを、反接続側コイルエンド19bに8本/相のジャンパ線20bを設けることにより、図8及び図9に示すように、5コイルからなる相帯17においては相帯中心からみて最内側及び最外側の上コイル片22をそれぞれ隣接する異なる相の(6コイルからなる)相帯の上コイル片24と入れ替えるようにし、6コイルからなる相帯18においては相帯中心からみて最内側及び最外側の上コイル片22をそれぞれ隣接する異なる相の(5コイルからなる)相帯の上コイル片24と入れ替えるようにしている。なお、入れ替えるコイル片22,24以外の構成は第1の実施形態と同様である。
表6に第4の実施形態の各空間次数の巻線係数とコイルピッチの関係を示す。表2と表6を比較すると、第4の実施形態においては、コイルピッチが15の場合に空間5次及び7次の巻線係数を10%未満に抑制でき、かつ空間2次の巻線係数が表2のコイルピッチ13,14の値を下回る。従って、第4の実施形態によれば、電機子電流のつくる磁束のうち空間2次の高調波成分を低減できる。
Figure 0005847645
上述したように第4の実施形態によれば、5コイルからなる相帯17では相帯中心からみて最内側及び最外側の上コイル片22を、6コイルからなる相帯18でも相帯中心からみて最内側及び最外側の上コイル片22を、それぞれ隣接する異なる相の相帯の上コイル片24と入れ替えるように接続した構成により、第1の実施形態と同様に、巻線係数を小さくして空間2次の高調波成分の磁束を低減させる。このため、3相4極66スロットを有する回転電機に適用される電機子巻線において、電機子電流がつくる磁束に起因する4極成分(2直径節モード)の電磁加振力を低減し、電機子鉄心の振動を低減して信頼性を向上できる。特に、コイルピッチを15とすれば巻線係数を最小とすることができる。
また、本実施形態によれば、非標準接続が12本/相と多くなるが、空間2次高調波成分を従来のコイルピッチ14の場合に比べて60%程度に低減させることができる。
なお、本実施形態は図示した構成に限らず、例えば図8において上コイル片15としたものを下コイル片16、他相と入れ替える上コイル22を他相と入れ替える下コイル片23、他相の上コイル片24を他相の下コイル片25とし、下コイル片16としたものを上コイル片15と読み替えても、同様の作用・効果を得ることができる。また、口出し位置を図示した位置とは違う位置に配置してもよい。また、図8では5コイルと6コイルの相帯17,18からなる2組の回路を並列接続した2並列巻線としたが、2組の回路を直列接続して電機子巻線を形成しても、同様の作用・効果を得ることができる。
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、各相の相帯の相帯中心からみて最内側及び最外側のそれぞれの上コイル片及び下コイル片のうち、少なくとも一つのコイル片を隣接する相のコイル片と入れ替えるように接続した構成により、3相4極66スロットを有する回転電機に適用される電機子巻線において、電機子電流がつくる磁束に起因する4極成分(2直径節モード)の電磁加振力を低減し、電機子鉄心の振動を低減して信頼性を向上させることができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11…電機子、12…電機子鉄心、13…スロット、14…電機子巻線、15…上コイル片、16…下コイル片、17…(5コイルからなる)相帯、18…(6コイルからなる)相帯、19a…接続側コイルエンド、19b…反接続側コイルエンド、20a…接続側ジャンパ線、20b…反接続側ジャンパ線、21…口出し導体、22…(他相と入れ替える)上コイル片、23…(他相と入れ替える)下コイル片、24…(他相の)上コイル片、25…(他相の)下コイル片。

Claims (9)

  1. 3相4極の2層巻き電機子巻線であって、当該巻線の各相の巻線は直列コイルからなり、各コイルが接続側コイルエンド及び反接続側コイルエンドでそれぞれ互いに接続される上コイル片及び下コイル片を有し、当該上コイル片及び下コイル片が電機子鉄心に設けられた66個のスロットにそれぞれ収容される回転電機の電機子巻線において、
    各相の相帯の相帯中心からみて最内側及び最外側のそれぞれの上コイル片及び下コイル片のうち、少なくとも一つのコイル片を隣接する相のコイル片と入れ替えるように接続したことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  2. 請求項1に記載の回転電機の電機子巻線において、
    各相の上コイル片又は下コイル片を対象に、6コイルからなる相帯においては相帯中心からみて最外側のコイル片を、5コイルからなる相帯においては相帯中心からみて最内側のコイル片を、それぞれ隣接する相のコイル片と入れ替えるように接続したことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  3. 請求項2に記載の回転電機の電機子巻線において、
    コイルピッチを13又は14としたことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  4. 請求項1に記載の回転電機の電機子巻線において、
    各相の相帯の相帯中心からみて最内側及び最外側のそれぞれの上コイル片及び下コイル片を、それぞれ隣接する相のコイル片と入れ替えるように接続したことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  5. 請求項4に記載の回転電機の電機子巻線において、
    コイルピッチを14〜17のいずれかとしたことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  6. 請求項1に記載の回転電機の電機子巻線において、
    各相の6コイルからなる相帯においては相帯中心からみて最外側の上コイル片及び下コイル片を、5コイルからなる相帯においては相帯中心からみて最内側の上コイル片及び下コイル片を、それぞれ隣接する相のコイル片と入れ替えるように接続したことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  7. 請求項6に記載の回転電機の電機子巻線において、
    コイルピッチを12〜14のいずれかとしたことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  8. 請求項1に記載の回転電機の電機子巻線において、
    各相の相帯の上コイル片もしくは下コイル片のいずれか一方のコイル片を対象に、各相帯中心からみて最外側及び最内側のそれぞれのコイル片を、それぞれ隣接する相のコイル片と入れ替えるように接続したことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  9. 請求項8に記載の回転電機の電機子巻線において、
    コイルピッチを15としたことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
JP2012107565A 2012-02-23 2012-05-09 回転電機の電機子巻線 Expired - Fee Related JP5847645B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012107565A JP5847645B2 (ja) 2012-05-09 2012-05-09 回転電機の電機子巻線
EP13156129.2A EP2632028A3 (en) 2012-02-23 2013-02-21 Armature winding of rotating electrical machine
US13/774,242 US20130221792A1 (en) 2012-02-23 2013-02-22 Armature winding of rotating electrical machine
CN201310056509.3A CN103296809B (zh) 2012-02-23 2013-02-22 旋转电机的电枢绕组

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012107565A JP5847645B2 (ja) 2012-05-09 2012-05-09 回転電機の電機子巻線

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013236481A JP2013236481A (ja) 2013-11-21
JP5847645B2 true JP5847645B2 (ja) 2016-01-27

Family

ID=49762150

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012107565A Expired - Fee Related JP5847645B2 (ja) 2012-02-23 2012-05-09 回転電機の電機子巻線

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5847645B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6139256B2 (ja) * 2013-05-10 2017-05-31 株式会社東芝 回転電機の電機子巻線
US9847687B2 (en) * 2015-03-16 2017-12-19 Caterpillar Inc. Multiphase induction motor with flux weakening
CN113890297B (zh) * 2021-10-08 2022-11-01 哈尔滨工业大学 低空间谐波单双层绕组径向磁通五相永磁同步电机

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57183242A (en) * 1981-05-01 1982-11-11 Toshiba Corp Armature coil
US5898251A (en) * 1995-08-18 1999-04-27 Kabushiki Kaisha Toshiba Method of making armature winding of double-layer concentric-wound or lap-winding type for dynamoelectric machine
JP3515283B2 (ja) * 1995-08-18 2004-04-05 株式会社東芝 回転電機の電機子巻線及びその製造方法
JP2000050549A (ja) * 1998-07-24 2000-02-18 Toshiba Corp 回転電機の電機子巻線
JP5230250B2 (ja) * 2008-04-24 2013-07-10 三菱電機株式会社 電動機および電力供給制御装置
JP5231950B2 (ja) * 2008-11-13 2013-07-10 株式会社東芝 回転電機の電機子巻線

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013236481A (ja) 2013-11-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5710329B2 (ja) 回転電機の電機子巻線
JP5438804B2 (ja) 回転電機
TWI524633B (zh) 旋轉電機及旋轉電機之製造方法
JP5193557B2 (ja) 電機子
JP5777806B2 (ja) 回転電機の固定子巻線
CN107078565A (zh) 用于旋转电机的定子
US20130221792A1 (en) Armature winding of rotating electrical machine
JP6139256B2 (ja) 回転電機の電機子巻線
JP2009183102A (ja) 回転電機の電機子巻線
JP4914169B2 (ja) 回転電機
JP5847645B2 (ja) 回転電機の電機子巻線
JP5567047B2 (ja) 回転電機の電機子巻線
JP2017063579A (ja) 回転電機の電機子巻線
JP5762175B2 (ja) 回転電機、回転電機の固定子コイルの巻回方法
JP2017063580A (ja) 回転電機の電機子巻線
JP6615685B2 (ja) 回転電機の電機子巻線
JP2019193471A (ja) 回転電機のステータ
US9979248B2 (en) Short circuit fault tolerant permanent magnet machine
JP5972154B2 (ja) 回転電機
JP4979605B2 (ja) 回転電機
CN114128092B (zh) 旋转电机的电枢绕组以及旋转电机
JP5644526B2 (ja) 固定子及び電動機
JP5556565B2 (ja) 回転電機
JP5977926B2 (ja) 変圧器
JP5799904B2 (ja) ステータ巻線

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20131219

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20131226

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20140109

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151021

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151027

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151125

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5847645

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees