JP5556565B2 - 回転電機 - Google Patents
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Description
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、コイルの占積率を高めて回転電機の性能を向上することにある。
請求項1の手段によれば、回転電機は、周方向に並ぶ複数のティースを有するとともに、周方向に隣り合う2つのティースの間に1つのスロットを形成する鉄心と、それぞれのティースに巻装されるコイルとを備える。
この結果、全てのスロットに異相のコイルを配する従来型の巻き線構造に比べて、コイルの占積率を高めて回転電機の性能を向上することができる。
これにより、例えば、巻き線機でコイルを巻回する場合に、スロットに同相のコイルを配置したり、異相のコイルを配置したりする巻き線作業が容易になる。
請求項2の手段によれば、ティースの径方向先端には周方向に突き出るチップ部が設けられている。そして、ティースの軸方向の長さと、ティースの軸方向端部に配置される絶縁材の厚さとを足し合わせたコア高さは、チップ部を除いて外径側ほど小さい。
請求項3の手段によれば、鉄心は、複数枚のコアシートを軸方向に積層して設けられ、積層される前のコアシートは、チップ部となる部分を除いて外径側ほど薄くなるようにプレス加工により設けられている。
コアシートを、チップ部となる部分を除いて外径側ほど薄くすることで、コアシートを積層した鉄心において外径側ほどコア高さを小さくすることができる。このため、コイルとティースと絶縁材とを合わせた全体の軸方向長さを大きくすることなく、スロットの外径側ほどコイルの巻き数を多くすることができ、コイルの占積率を高めて回転電機の性能を向上することができる。
請求項4の手段によれば、コアシートには、チップ部をなすチップ状シートと、チップ部以外の部分をなすメインシートとがあり、メインシートは、外径側ほど薄くなるように設けられている。そして、積層されたメインシートの先端に、チップ状シートが積層されてチップ部が設けられている。
請求項5の手段によれば、コアシートには、チップ部をなすチップ状シートと、チップ部以外の部分をなすメインシートとがあり、メインシートは、折り返されて軸方向に積層される折り返し部を有する。そして、折り返し部は、積層されたときにティースの内径部に含まれるように折り返され、折り返し部の存在により、ティースは外径部が内径部よりも薄くなっている。また、積層されたメインシートの先端に、チップ状シートが積層されてチップ部が設けられている。
請求項6の手段によれば、鉄心は、帯状の鋼板を幅方向の一方側が外径側となるようにスパイラル状に巻回して軸方向に積層することで設けられている。また、鋼板は、幅方向の一端部を除いて一方側ほど薄くなるように設けられるとともに、スロットに相当する穴が打ち抜かれており、幅方向の一端部はチップ部を形成する。
請求項7の手段によれば、絶縁材は、ティースの軸方向端面を覆う部分が外径側ほど薄く、コイルは、外径側に巻回されている部分ほど通電時に低電位となるように巻回されている。
請求項8の手段によれば、コアシートの一部であって積層されたときにティースをなすティース形成部に切り欠きが設けられており、切り欠きは、ティース形成部の外径部において周方向一端側の半分以上、またはティース形成部の周方向他端側の半分以上が欠けるように設けられている。そして、ティースは、周方向一端側が欠けているティース形成部と、周方向他端側が欠けているティース形成部とが重なることで、外径部が内径部よりも薄くなっている。
実施例1の回転電機1の構成を、図1〜図3に基づいて説明する。
回転電機1は、例えば、固定子1Aとして、周方向に並ぶ複数のティース2を有する鉄心3と、それぞれのティース2に集中巻きされて3相巻線をなすコイル4とを備え、ティース2が外径側に向かって突出するものである。
例えば、図1に示すように、1つの第2のスロット5bにコイル4Bのみが配置されている場合、この第2のスロット5bを形成する2つのティース2には、両方ともコイル4Bが集中巻きされている。
実施例1の回転電機1によれば、固定子1Aにおいて、それぞれのスロット5は、大小2つの異なる断面積のいずれか一方の断面積を有しており、断面積が大きい方のスロット5aには異相のコイル4が配置され、断面積が小さい方のスロット5bには同相のコイル4が配置されている。
ここで、スロット5は、外径側ほど周方向幅が広く巻き数を多くすることができる(図2参照)。しかし、巻き数を多くするほど、コイルエンドの高さが大きくなってしまう。そこで、巻き数を多くすることができる外径側ほどコア高さを小さくすることで、コイル4とティース2と絶縁材8とを合わせた全体の軸方向長さを大きくすることなく、スロット5の外径側ほどコイル4の巻き数を多くすることができる。
実施例2の回転電機1の構成を、図4に基づいて説明する。
実施例2の回転電機1は、例えば、固定子1Aを外径側で包囲する回転子(図示せず)が永久磁石を有さずに内径側に向かって突出する突極を有しており、例えば、スイッチトリラクタンスモータとして機能する。そして、コイル4には、例えば、位相が互いにπずつ異なる矩形波状の2相電流(以下、D相、E相と呼ぶ)が通電され(図4(b)参照)、この2相の電流により形成される磁束によって回転子の突極が磁気吸引されてトルクが発生する(以下、D相、E相の電流が流れるコイル4を、それぞれコイル4D、4Eとする)。
なお、実施例2の鉄心3には、チップ部6が設けられていないが、必要に応じて設けてもよい。
例えば、図4(a)に示すように、1つの第2のスロット5bにコイル4Dのみが配置されている場合、この第2のスロット5bを形成する2つのティース2には、両方ともコイル4Dが集中巻きされている。
さらに、コイル4Dのみが配置される第2のスロット5bから周方向他方側に1つの第1のスロット5aを挟んで形成される第2のスロット5bには、コイル4Eのみが配置される。
参考例の回転電機1の構成を、図5に基づいて説明する。
参考例の回転電機1は、実施例1の回転電機1と同様に、例えば、永久磁石を有する回転子(図示せず)が固定子1Aを外径側で包囲するように配置され、例えば、永久磁石同期モータとして機能する。そして、コイル4には、例えば、位相や周波数が互いに異なるF相〜H相の正弦波状の3相電流が通電されて回転磁界が形成され、主に、この回転磁界と回転子の永久磁石が形成する磁界との相互作用によりトルクが発生する(以下、F相、G相、H相の電流が流れるコイル4を、それぞれコイル4F、4G、4Hとする)。
回転電機1の態様は、実施例1、2に限定されず種々の変形例を考えることができる。
例えば、実施例1、2の回転電機1によれば、固定子1Aは、回転子により外径側が包囲されるものであったが、固定子1Aを回転子の外径側に配置して回転子を包囲するようにしてもよく、さらに、実施例1〜3に示された巻き線構造を回転子に適用してもよい。
なお、ティース2は、外径側ほど周方向幅を広くすることができるため、切り欠き16をティース2の外径部に含まれるように設けることは容易である。
1A 固定子
2 ティース
3 鉄心
4、4A〜4H コイル
5 スロット
5a 第1のスロット
5b 第2のスロット
6 チップ部
7 コアシート
8 絶縁材
9 チップ状シート
10 メインシート
11 折り返し部
12 ティース形成部
13 鋼板
14 穴
15 軸方向端面
16 切り欠き
Claims (8)
- 周方向に並ぶ複数のティースを有するとともに、周方向に隣り合う2つのティースの間に1つのスロットを形成する鉄心と、
それぞれのティースに巻装されるコイルとを備える回転電機において、
前記スロットには、スロット内断面積が互いに相違する第1、第2のスロットがあり、
前記第1のスロットのスロット内断面積は、前記第2のスロットのスロット内断面積よりも大きく設定され、
前記第1のスロットには異相のコイルが配置され、前記第2のスロットには同相のコイルが配置され、
前記第1のスロットと前記第2のスロットとは、周方向に交互に配置されていることを特徴とする回転電機。 - 請求項1に記載の回転電機において、
前記ティースの径方向先端には周方向に突き出るチップ部が設けられ、
前記ティースの軸方向の長さと、前記ティースの軸方向端部に配置される絶縁材の厚さとを足し合わせたコア高さは、前記チップ部を除いて外径側ほど小さいことを特徴とする回転電機。 - 請求項2に記載の回転電機において、
前記鉄心は、複数枚のコアシートを軸方向に積層して設けられ、
積層される前の前記コアシートは、前記チップ部となる部分を除いて外径側ほど薄くなるようにプレス加工により設けられていることを特徴とする回転電機。 - 請求項2に記載の回転電機において、
前記鉄心は、複数枚のコアシートを軸方向に積層して設けられ、
前記コアシートには、前記チップ部をなすチップ状シートと、前記チップ部以外の部分をなすメインシートとがあり、
このメインシートは、外径側ほど薄くなるように設けられており、
積層された前記メインシートの先端に、前記チップ状シートが積層されて前記チップ部が設けられていることを特徴とする回転電機。 - 請求項2に記載の回転電機において、
前記鉄心は、複数枚のコアシートを軸方向に積層して設けられ、
前記コアシートには、前記チップ部をなすチップ状シートと、前記チップ部以外の部分をなすメインシートとがあり、
このメインシートは、外径側ほど薄くなるように設けられており、
積層された前記メインシートの先端に、前記チップ状シートが積層されて前記チップ部が設けられていることを特徴とする回転電機。 - 請求項2に記載の回転電機において、
前記鉄心は、帯状の鋼板を幅方向の一方側が外径側となるようにスパイラル状に巻回して軸方向に積層することで設けられ、
前記鋼板は、幅方向の一端部を除いて一方側ほど薄くなるように設けられるとともに、前記スロットに相当する穴が打ち抜かれており、
前記幅方向の一端部は前記チップ部を形成することを特徴とする回転電機。 - 請求項2に記載の回転電機において、
前記絶縁材は、前記ティースの軸方向端面を覆う部分が外径側ほど薄く、
前記コイルは、外径側に巻回されている部分ほど通電時に低電位となるように巻回されていることを特徴とする回転電機。 - 請求項2に記載の回転電機において、
前記鉄心は、複数枚のコアシートを軸方向に積層して設けられ、
前記コアシートの一部であって積層されたときに前記ティースをなすティース形成部に切り欠きが設けられており、
この切り欠きは、前記ティース形成部の外径部において周方向一端側の半分以上、または前記ティース形成部の周方向他端側の半分以上が欠けるように設けられ、
前記ティースは、周方向一端側が欠けている前記ティース形成部と、周方向他端側が欠けている前記ティース形成部とが重なることで、外径部が内径部よりも薄くなっていることを特徴とする回転電機。
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