JP7203903B2 - 有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤 - Google Patents

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示素子用封止剤に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子(OLED素子とも言う)は高い輝度発光が可能な素子体として注目を集めている。しかしながらOLED素子には、水分により劣化し、発光特性が低下してしまうという課題があった。
このような課題を解決するために、有機EL素子を封止し、水分による劣化を防止する技術が検討されている。例えば、フリットガラスからなるシール材で封止する方法が挙げられる(特許文献1参照)。
封止層が少なくともバリア層、樹脂層、バリア層を順次形成した積層体であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示素子(特許文献2参照)、有機EL素子を封止する無機物膜と有機物膜とを交互に積層した封止層と、前記封止層の最上位有機物膜上に密着して、前記最上位有機物膜の上面の全てを覆うように配置される封止ガラス基板と、を備えることを特徴とする有機EL装置(特許文献3参照)が提案されている。
有機EL素子封止用の樹脂組成物として、環状エーテル化合物と、カチオン重合開始剤と、多官能ビニルエーテル化合物とを含有する有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤(特許文献4参照)、カチオン重合性化合物と光カチオン重合開始剤又は熱カチオン重合開始剤とを含有するカチオン重合性樹脂組成物が提案されている(特許文献5参照)。有機EL素子封止用の樹脂組成物として、(メタ)アクリル系樹脂組成物が提案されている(特許文献6~11)。
特開平10-74583号公報 特開2001-307873号公報 特開2009-37812号公報 特開2014-225380号公報 特開2012-190612号公報 特開2014-229496号公報 特開2014-196387号公報 特開2014-193970号公報 特開2014-193971号公報 WO2014/157642号公報 US2017/0062762号公報
しかしながら、上記文献記載の従来技術は、以下の点で改善の余地を有していた。
特許文献1では、量産化を行う際には、有機EL素子を、水分の透過性が低い基材、例えば、ガラス等で挟み込み、外周部を封止する方法を採用する。この場合、この構造は中空封止構造となっているため、中空封止構造内部へ水分が浸入することを防げず、有機EL素子の劣化につながる課題があった。
特許文献2~3では、有機物膜を蒸着によって成膜するため有機物膜の厚さが3μm以下となってしまうという課題があった。有機物膜の厚みが3μm以下であると素子形成時に発生するパーティクルを完全に被覆できないだけでなく、無機物膜上に平坦性を保ちながら塗布することも難しい課題があった。
特許文献4では、エポキシ系材料を用いた封止剤が提案されているが、このような材料は硬化するのに加熱を要するため、有機EL素子にダメージを与え、歩留まりの点で課題があった。特許文献5では、エポキシ系材料を用いた光硬化型の封止剤が提案されているが、このような材料は、UV光により硬化するため、UV光により有機EL素子にダメージを与え、歩留まりの点で課題があった。
特許文献6~10では、このような封止材料に必要な特性として、水蒸気透過率を低減させることについての記載はあるが、パッシベーション膜のピンホールから封止材料そのものが浸透し、有機EL素子の信頼性を低下させる問題とその対策については記載がない。
特許文献11は、環状単官能(メタ)アクリレートの使用は記載しているものの、その未反応物がアウトガスとなってしまい有機EL素子の発光不良につながる問題を解決できていない。
このように上述した従来技術では、インクジェットを用いる際の吐出性と、有機EL素子の信頼性との両立ができないことが、従前から課題となっていた。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、例えば、有機EL素子封止用に用いた場合にインクジェットを用いる際の吐出性と有機EL素子の信頼性とに共に優れる組成物を提供することを目的とする。
本発明は以下を提供できる。
<1>
(A)非環式の炭素数6以上のアルカンジオールジ(メタ)アクリレートと、(B)環状モノマーと、(C)光重合開始剤を含有し、
(B)環状モノマーは、環状単官能(メタ)アクリレートと環状2官能(メタ)アクリレートとを含有し、
下記の数式(I)及び(III)を共に満たす有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
8mPa・s≦η≦50mPa・s ・・・(I)
γ/2η<0.9m/s ・・・(III)
(式中、ηは25℃においてE型粘度計により測定される粘度を表し、γはペンダントドロップ法により測定された静的表面張力を表す。)
<2>
(A)非環式の炭素数6以上のアルカンジオールジ(メタ)アクリレートと、(B)環状モノマーと、(C)光重合開始剤を含有し、
(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、(A)成分を10~85質量部、(B)成分を15~90質量部含有し、
(B)環状モノマーは、環状単官能(メタ)アクリレートと環状2官能(メタ)アクリレートとを含有し、
環状単官能(メタ)アクリレートと環状2官能(メタ)アクリレートの含有比率は、環状単官能(メタ)アクリレートと環状2官能(メタ)アクリレートの合計100質量部中、質量比で、環状単官能(メタ)アクリレート:環状2官能(メタ)アクリレート=10~95:90~5であり、かつ
下記の数式(I)、(II)及び(III)を共に満たす有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
8mPa・s≦η≦50mPa・s ・・・(I)
14mN/m≦γ≦40mN/m ・・・(II)
γ/2η<0.9m/s ・・・(III)
(式中、ηは25℃においてE型粘度計により測定される粘度を表し、γはペンダントドロップ法により測定された静的表面張力を表す。)
<3>
(B)環状モノマーが1種類以上の脂環式モノマーを含むことを特徴とする<1>又は<2>に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
<4>
(E)成分として、フッ素原子及び(メタ)アクリロイル基を有する含フッ素モノマーを含有する、<1>~<3>のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
<5>
前記含フッ素モノマーのフッ素原子含有量が、前記含フッ素モノマーの全量基準で、2~70質量%である、<4>に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
<6>
前記含フッ素モノマーが、式(E-1)で表される化合物、式(E-2)で表される化合物及び式(E-3)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも一種を含む、<4>又は<5>に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
式(E-1)
Figure 0007203903000001
[式(E-1)中、
1は、水素原子又はメチル基を示し、
2は、フッ化アルキル基、又は、フッ化アルキル基における炭素-炭素結合及び炭素-水素結合の一部に酸素原子が挿入された基、を示す。複数存在するR3は、互いに同一でも異なっていてもよい。]
式(E-2)
Figure 0007203903000002
[式(E-2)中、
3は、水素原子又はメチル基を示し、
4は、フッ化アルカンジイル基、又は、フッ化アルカンジイル基における炭素-炭素結合及び炭素-水素結合の一部に酸素原子が挿入された基、を示す。複数存在するR3は、互いに同一でも異なっていてもよい。]
式(E-3)
Figure 0007203903000003
[式(E-3)中、
5は水素原子又はメチル基を示し、
6は、単結合、アルカンジイル基、フッ化アルカンジイル基、又は、アルカンジイル基若しくはフッ化アルカンジイル基における炭素-炭素結合及び炭素-水素結合の一部に酸素原子が挿入された基、を示し、
Ar1はフッ化アリール基を示す。]
<7>
前記含フッ素モノマーが、式(E-1-1)で表される化合物、式(E-2-1)で表される化合物及び式(E-3-1)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも一種を含む、<6>に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
式(E-1-1)
Figure 0007203903000004
[式(E-1-1)中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R21は水素原子又はフッ素原子を示し、nは1以上の整数を示す。複数存在するR21は互いに同一でも異なっていてもよい。但し、R21の少なくとも一つはフッ素原子である。]
式(E-2-1)
Figure 0007203903000005
[式(E-2-1)中、R3は水素原子又はメチル基を示し、R41は水素原子又はフッ素原子を示し、mは1以上の整数を示す。複数存在するR41は、互いに同一でも異なっていてもよい。但し、R41の少なくとも一つはフッ素原子である。複数存在するR3は、互いに同一でも異なっていてもよい。]
式(E-3-1)
Figure 0007203903000006
[式(E-3-1)中、R5は水素原子又はメチル基を示し、R61は水素原子又はフッ素原子を示し、R62は水素原子又はフッ素原子を示し、pは0以上の整数を示す。複数存在するR61は、互いに同一でも異なっていてもよい。複数存在するR62は、互いに同一でも異なっていてもよい。但し、R62の少なくとも一つはフッ素原子である。]
<8>
(E)成分の含有量が、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、0.1質量部~10質量部の範囲にあることを特徴とする<4>~<7>のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
<9>
(E)成分が、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9-ヘキサデカフルオロ-1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1H,1H,5H-オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、及び1H,1H,2H,2H-トリデカフルオロオクチル(メタ)アクリレートからなる群から選択される一種以上を含むことを特徴とする<4>~<8>のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
<10>
インクジェット法を用いて塗布することを特徴とする<1>~<9>のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
<11>
2官能(メタ)アクリレートオリゴマー、2官能(メタ)アクリレートポリマー、多官能(メタ)アクリレートオリゴマー、又は多官能(メタ)アクリレートポリマーを含有しないことを特徴とする<1>~<10>のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
<12>
硬化体のガラス転移温度が65℃以上120℃以下であることを特徴とする<1>~<11>のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
<13>
(B)成分のうち、少なくとも1個は環状構造を分子内に2個以上有することを特徴とする<1>~<12>のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
<14>
(B)成分のうち、少なくとも2個は環状構造を分子内に2個以上有することを特徴とする<1>~<13>のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
<15>
(B)成分が、エトキシ化-o-フェニルフェノール(メタ)アクリレート、m-フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、下記の構造式で表されるエトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートからなる群のうちの1種以上を含有することを特徴とする<1>~<14>のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
Figure 0007203903000007
(式中のRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基である。式中のm、nに関して、m+n=2~10である)
<16>
(A)成分が、炭素数12以下のアルカンジオールジ(メタ)アクリレートであることを特徴とする<1>~<15>のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
<17>
(A)成分が、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12-ドデカンジオールジ(メタ)アクリレートからなる群のうちの1種以上を含有することを特徴とする<1>~<16>のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
<18>
(C)成分が、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキサイドを含有することを特徴とする<1>~<17>のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
<19>
(C)成分の含有量が、0.5~4質量部であることを特徴とする<1>~<18>のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
<20>
更に(D)酸化防止剤を含有することを特徴とする<1>~<19>のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
<21>
(D)成分がヒンダードフェノール系酸化防止剤であることを特徴とする<20>に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
<22>
(D)成分を2種以上含有することを特徴とする<20>又は<21>に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
<23>
395nm以上500nm以下の波長で硬化させることを特徴とする<1>~<22>のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
<24>
395nmのLEDランプで硬化させることを特徴とする<23>に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
<25>
<1>~<24>のうちのいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤を硬化してなる硬化体。
<26>
<25>に記載の硬化体を含む有機EL装置。
<27>
<25>に記載の硬化体を含むディスプレイ。
<28>
<25>に記載の硬化体を含む、フレキシブル性を有するディスプレイ。
<29>
<25>に記載の硬化体を含む、フレキシブル性を有する有機EL装置。
本発明に係る封止剤は、インクジェットを用いる際の吐出性に優れ、かつ得られる有機EL素子の信頼性にも優れるという効果を奏する。
以下、本実施形態を説明する。本明細書に記載される数値範囲は、別段の断わりが無い限りは、上限値と下限値を含むものとする。本明細書においては、別段の断わりの無い限りは、以下定義する。(メタ)アクリレートとはアクリレート又はメタクリレートを表し、「(メタ)アクリロイルオキシ」や「(メタ)アクリルアミド」等の表記も同様の意味を有する。「単官能(メタ)アクリレート」とは(メタ)アクリル基を1個有する(メタ)アクリレートを指し、「2官能(メタ)アクリレート」とは(メタ)アクリル基を2個有する(メタ)アクリレートを指す。「多官能(メタ)アクリレート」とは(メタ)アクリル基を3個以上有する(メタ)アクリレートを指し、2官能(メタ)アクリレートを含まないものとする。
以下、基板上に形成された有機EL素子の基板と反対側から光を出射するトップエミッション型の有機EL装置を例に説明する。トップエミッション型の有機EL装置は、基板上に、陽極と、発光層を含む有機EL層と、陰極が順に積層された有機EL素子と、この有機EL素子全体を覆う無機物膜と有機物膜の積層膜からなる封止層と、封止層上に設けられる封止基板が順に形成された構造を有する。
基板としては、ガラス基板、シリコン基板、プラスチック基板等種々のものを用いることができる。これらの中では、ガラス基板、プラスチック基板からなる群のうちの1種以上が好ましく、ガラス基板がより好ましい。
プラスチック基板に用いられるプラスチックとしては、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリオキサジアゾール、芳香族ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾビスチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリチアゾール、ポリパラフェニレンビニレン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィン、ポリアクリル等が挙げられる。これらの中では、低水分透過性、低酸素透過性、耐熱性に優れる点で、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリオキサジアゾール、芳香族ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾビスチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリチアゾール、ポリパラフェニレンビニレンからなる群のうちの1種以上が好ましく、紫外線又は可視光線等のエネルギー線の透過性が高い点で、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートからなる群のうちの1種以上がより好ましい。
陽極としては、比較的仕事関数の大きな(4.0eVより大きな仕事関数を持つものが好適である)、導電性の金属酸化物膜や半透明の金属薄膜等が一般的に用いられる。陽極の材料としては例えば、インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide、以下、ITOという)、酸化スズ等の金属酸化物、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、銅(Cu)等の金属又はこれらのうちの少なくとも1個を含有する合金、ポリアニリン又はその誘導体、ポリチオフェン又はその誘導体等の有機の透明導電膜等が挙げられる。陽極は、必要があれば2層以上の層構成により形成することができる。陽極の膜厚は、電気伝導度を(ボトムエミッション型の場合には、光の透過性も)考慮して、適宜選択することができる。陽極の膜厚は、10nm~10μmが好ましく、20nm~1μmがより好ましく、50nm~500nmが最も好ましい。陽極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。トップエミッション型の場合には、基板側に出射される光を反射させるための反射膜を陽極の下に設けてもよい。
有機EL層は、少なくとも有機物からなる発光層を含んでいる。この発光層は、発光性材料を含有する。発光性材料としては、蛍光又は燐光を発光する有機物(低分子化合物又は高分子化合物)等が挙げられる。発光層は、更に、ドーパント材料を含有してもよい。有機物としては、色素系材料、金属錯体系材料、高分子材料等が挙げられる。ドーパント材料は、有機物の発光効率の向上や発光波長を変化させる等の目的で、有機物中にドープされるものである。これらの有機物と必要に応じてドープされるドーパントからなる発光層の厚さは通常2~200nmである。
(色素系材料)
色素系材料としては、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー等が挙げられる。
(金属錯体系材料)
金属錯体系材料としては、イリジウム錯体、白金錯体等の三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユウロピウム錯体等といった、金属錯体等が挙げられる。金属錯体としては、中心金属に、テルビウム(Tb)、ユウロピウム(Eu)、ジスプロシウム(Dy)等の希土類金属、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、ベリリウム(Be)等を有し、配位子に、オキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体等が挙げられる。これらの中では、中心金属にアルミニウム(Al)を有し、配位子にキノリン構造等を有する金属錯体が好ましい。中心金属にアルミニウム(Al)を有し、配位子にキノリン構造等を有する金属錯体の中では、トリス(8-ヒドロキシキノリナト)アルミニウムが好ましい。
(高分子材料)
高分子材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記色素体や金属錯体系発光材料を高分子化した物等が挙げられる。
上記発光性材料のうち、青色に発光する材料としては、ジスチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、これらの重合体等が挙げられる。これらの中では、高分子材料が好ましい。高分子材料の中では、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体からなる群のうちの1種以上が好ましい。
緑色に発光する材料としては、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、これらの重合体等が挙げられる。これらの中では、高分子材料が好ましい。高分子材料の中では、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体からなる群のうちの1種以上が好ましい。
赤色に発光する材料としては、クマリン誘導体、チオフェン環化合物、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体、これらの重合体等が挙げられる。これらの中では、高分子材料が好ましい。高分子材料の中では、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体からなる群のうちの1種以上が好ましい。
(ドーパント材料)
ドーパント材料としては、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾン等が挙げられる。
有機EL層は、発光層以外に、発光層と陽極との間に設けられる層と、発光層と陰極との間に設けられる層と、を適宜設けることができる。まず、発光層と陽極との間に設けられる層としては、陽極からの正孔注入効率を改善する正孔注入層や、陽極又は正孔注入層から注入された正孔を発光層へ輸送する正孔輸送層等が挙げられる。発光層と陰極との間に設けられる層としては、陰極からの電子注入効率を改善する電子注入層や、陰極又は電子注入層から注入された電子を発光層へ輸送する電子輸送層等が挙げられる。
(正孔注入層)
正孔注入層を形成する材料としては、4’,4”-トリス{2-ナフチル(フェニル)アミノ}トリフェニルアミン等のフェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム等の酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体等が挙げられる。
(正孔輸送層)
正孔輸送層を構成する材料としては、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリアリールアミン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリ(p-フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、ポリ(2,5-チエニレンビニレン)若しくはその誘導体等が挙げられる。
これらの正孔注入層又は正孔輸送層が、電子の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの正孔輸送層や正孔注入層を電子ブロック層ということもある。
(電子輸送層)
電子輸送層を構成する材料としては、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8-ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体等が挙げられる。誘導体としては、金属錯体等が挙げられる。これらの中では、8-ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体が好ましい。8-ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の中では、発光層中に含有する、蛍光又は燐光を発光する有機物としても使用できる点で、トリス(8-ヒドロキシキノリナト)アルミニウムが好ましい。
(電子注入層)
電子注入層としては、発光層の種類に応じて、カルシウム(Ca)層の単層構造からなる電子注入層、又は、周期律表IA族とIIA族の金属であり、且つ、仕事関数が1.5~3.0eVの金属及びその金属の酸化物、ハロゲン化物及び炭酸化物からなる群のうちの1種以上で形成された層の単層構造、又は、周期律表IA族とIIA族の金属であり、且つ、仕事関数が1.5~3.0eVの金属及びその金属の酸化物、ハロゲン化物及び炭酸化物からなる群のうちの1種以上で形成された層とCa層との積層構造からなる電子注入層等が挙げられる。仕事関数が1.5~3.0eVの、周期律表IA族の金属又はその酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物としては、リチウム(Li)、フッ化リチウム、酸化ナトリウム、酸化リチウム、炭酸リチウム等が挙げられる。仕事関数が1.5~3.0eVの、周期律表IIA族の金属又はその酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物としては、ストロンチウム(Sr)、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、酸化ストロンチウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。
これらの電子輸送層又は電子注入層が、正孔の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの電子輸送層や電子注入層を正孔ブロック層ということもある。
陰極としては、仕事関数が比較的小さく(4.0eVより小さな仕事関数を持つものが好適である)、発光層への電子注入が容易な透明又は半透明の材料が好ましい。陰極の材料としては、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、アルミニウム(Al)、スカンジウム(Sc)、バナジウム(V)、亜鉛(Zn)、イットリウム(Y)、インジウム(In)、セリウム(Ce)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、テルビウム(Tb)、イッテルビウム(Yb)等の金属、又は上記金属のうち2種以上からなる合金、若しくはそれらのうち1種以上と、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、銅(Cu)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、スズ(Sn)のうち1種以上とからなる合金、又は、グラファイト若しくはグラファイト層間化合物、又は、ITO、酸化スズ等の金属酸化物等が挙げられる。
陰極を2層以上の積層構造としてもよい。2層以上の積層構造としては、上記の金属、金属酸化物、フッ化物、これらの合金と、Al、Ag、Cr等の金属との積層構造等が挙げられる。陰極の膜厚は、電気伝導度や耐久性を考慮して、適宜選択することができる。陰極の膜厚は、10nm~10μmが好ましく、15nm~1μmがより好ましく、20nm~500nmが最も好ましい。陰極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、金属薄膜を熱圧着するラミネート法等が挙げられる。
これらの発光層と陽極との間と、発光層と陰極との間に設けられる層は、製造する有機EL装置に求められる性能に応じて、適宜選択可能である。例えば、本実施形態で使用される有機EL素子の構造としては、下記の(i)~(xv)の層構成のいずれかを有することができる。
(i)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
(ii)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(iii)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(iv)陽極/正孔注入層/発光層/陰極
(v)陽極/発光層/電子注入層/陰極
(vi)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
(vii)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
(viii)陽極/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
(ix)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
(x)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/陰極
(xi)陽極/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(xii)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(xiii)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(xiv)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(xv)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(ここで、「/」は各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
封止層は、水蒸気や酸素等の気体が有機EL素子に接触することを防ぐために、上記気体に対して高いバリア性を有する層で有機EL素子を封止するために、設けられる。この封止層は、無機物膜と有機物膜とが下から交互に形成される。無機/有機積層体は2回以上繰り返して形成されてもよい。
各有機EL素子への電流を画素毎に設けた薄膜トランジスタ(TFT)によって制御するアクティブマトリクス方式の表示装置においては、TFTや青色、緑色、赤色の画素を区切る隔壁による0.5μm~3μmの凹凸が陰極若しくは陽極と封止層の間に存在する。アクティブマトリクス方式の表示装置においては封止層により上述の凹凸を平坦化し発光との干渉の影響を小さくし、更に封止性能を向上させる必要がある。本実施形態に係る封止剤により当該封止層を形成すると、良好な平坦性が得られる効果を奏しうる。
無機/有機積層体の無機物膜は、有機EL装置が置かれる環境に存在する水蒸気や酸素等の気体に有機EL素子が曝されることを防止するために設けられる膜である。無機/有機積層体の無機物膜は、ピンホール等の欠陥が少ない連続的な緻密な膜であることが好ましい。無機物膜としては、SiN膜、SiO膜、SiON膜、Al23膜、AlN膜等の単体膜やこれらの積層膜等が挙げられる。
無機/有機積層体の有機物膜は、無機物膜上に形成されたピンホール等の欠陥を被覆するために、表面に平坦性を付与するために、設けられる。有機物膜は、無機物膜が形成される領域よりも狭い領域に形成される。これは、有機物膜を無機物膜の形成領域と同じか又はそれよりも広く形成すると、有機物膜が露出する領域で劣化してしまうからである。但し、封止層全体の最上層に形成される最上位有機物膜は、無機物膜の形成領域とほぼ同じ領域に形成される。そして、封止層の上面が平坦化されるように形成される。有機物膜としては、上記した無機物膜との密着性能が良好な接着機能を有する組成物が用いられる。
本実施形態は、例えば、短時間で膜厚3μm以上の平坦性に優れる塗布が可能なインクジェット塗布に好適であり、インクジェットによる吐出性とインクジェット塗布後の平坦性に優れ、水蒸気等に対するバリア性(以下、低透湿性とも言う)だけでなく無機物膜上のピンホールから封止剤そのものが浸透し、有機EL素子の信頼性が低下することが無い、上記有機物膜を形成する有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤を提供することを目的とする。インクジェット法による塗布方法を用いれば、高速かつ均一に有機物膜を形成することができる。
無機物膜上のピンホールから封止剤そのものが浸透してしまうと、ピンホール周辺のOLED素子が発光しなくなるだけでなく、長期使用時に有機発光材料層に封止剤が浸透し発光不良が増大し、いわゆるダークスポットが発生してしまうことになる。即ち、OLED素子の信頼性が著しく低下する。
ところで、液体浸透の基本式であるルーカス-ウォッシュバーン(Lucas-Washburn)(式1)によればピンホールへの浸透深さlは、液体が固体と接触するに至ってから後の時間(t)、孔径(r)、液体の粘度(η)、液体表面張力(γ)、及び、固体表面との接触角(θ)に依存することがわかる。
Figure 0007203903000008
(式1)
式1の内、固体表面との接触角θ及び孔径rは無機物膜に依存するパラメーターであるため、封止剤としては、式2により浸透速度を制御することにより有機EL素子の信頼性を向上させることを見いだした。

γ/2η<0.9m/s ・・・ 式2

後述するように、有機EL素子においては封止剤の浸透によって、ダークスポットが発生し発光不良を起こす問題がある。上記式2の条件を満たすことにより、このような封止剤の浸透が抑制される。
本実施形態の組成物の粘度は、E型粘度計を用いて、25℃、100rpmの条件で測定した粘度が8mPa・s以上50mPa・s以下であることが好ましい。インクジェットによる吐出がしにくい場合は、適宜インクジェットヘッドを加温する。粘度が8mPa・s未満であると、塗工した有機EL表示素子用封止剤が、硬化前に有機EL表示素子から流出するだけでなく無機物膜上のピンホールに流入しOLED素子の信頼性が低下する。粘度が50mPa・sを超えると、インクジェットによる塗布が困難となる。組成物の粘度は8mPa・s~25mPa・sがより好ましい。
本実施形態の組成物の静的表面張力は、14mN/m以上40mN/m以下であることが好ましい。静的表面張力は、プレート法、リング法、ペンダントドロップ法等により測定されるが、本実施形態で規定する静的表面張力の値は、ペンダントドロップ法によるものである。ペンダントドロップ法とは、管の先端から液体を押し出し、ぶら下がった懸滴(ペンダントドロップ)の形状から表面張力を算出する方法をいう。静的表面張力が14mN/m未満であると、塗工した有機EL表示素子用封止剤が、硬化前に有機EL表示素子から流出するだけでなく無機物膜上のピンホールに流入しOLED素子の信頼性が低下する。静的表面張力が40mN/mを超えると、インクジェットによる塗布が困難となる。組成物の静的表面張力は20mN/m~30mN/mがより好ましい。
本実施形態の組成物は、(A)非環式の炭素数6以上のアルカンジオールジ(メタ)アクリレートと、(B)環状モノマーと、(C)光重合開始剤とを含有する(メタ)アクリル系樹脂組成物である。上記(B)成分は少なくとも、環状単官能(メタ)アクリレート及び環状2官能(メタ)アクリレートを含有する。
(A)非環式の炭素数6以上のアルカンジオールジ(メタ)アクリレートとは、主鎖であるアルカンの炭素数が6以上である2官能の(メタ)アクリレートを意味する。非環式である(A)成分は、環式分子構造を有しないものである。(A)成分としては、低透湿性とインクジェットによる吐出性とインクジェット塗布後の平坦性への効果が大きい点で、α,ω-直鎖アルカンジオールジ(メタ)アクリレートが好ましい。より好ましくは、主鎖であるアルカンの炭素数は12以下とすることができる。α,ω-直鎖アルカンジオールジ(メタ)アクリレートの中では、1,6-ヘキサジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12-ドデカンジオールジ(メタ)アクリレートからなる群のうちの1種以上が好ましく、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12-ドデカンジオールジ(メタ)アクリレートからなる群のうちの1種以上がより好ましく、1,12-ドデカンジオールジ(メタ)アクリレートが最も好ましい。(A)成分の主鎖であるアルカンは、直鎖であってもよいし分鎖であってもよい。好ましくは(A)成分はフッ素原子を有さず、後述する(E)成分と区別されるものである。
(A)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して、10~85質量部であることが好ましい。(A)の含有量が10質量部以上であると低透湿性が得られ、85質量部以下では粘度が高くなり有機EL素子の信頼性が向上する。(A)の含有量は低透湿性と有機EL素子の信頼性の点で、30~70質量部が好ましく、35~68質量部がより好ましく、45~65質量部が最も好ましい。
(B)環状モノマーとは分子中に環状構造を有する基を有し、(メタ)アクリレート基、(メタ)アクリルアミド基及びN-ビニル基よりなる群から選択される不飽和二重結合基を1個以上有するモノマーである。即ち、環状構造を有する(B)成分は、非環式である上記(A)成分とは異なるものである。このような環状構造としては、環状アミド基、テトラヒドロフルフリル基、ピペリジニル基等の含ヘテロ環状構造、芳香族炭化水素系の環状構造、脂肪族炭化水素系の環状構造を有するモノマー等が挙げられる。その中でも芳香族炭化水素系の環状構造、脂肪族炭化水素系の環状構造を有するモノマーからなる群のうちの1種以上がインクジェットによる吐出性及び低透湿性の点で好ましい。より好ましくは、芳香族炭化水素系の環状構造、脂肪族炭化水素系の環状構造を有する環状(メタ)アクリレートモノマーを(B)成分として使用できる。好ましくは(B)成分はフッ素原子を有さず、後述する(E)成分と区別されるものである。
芳香族炭化水素系の環状構造を有する(メタ)アクリレートとしては例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、4-ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5-テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4-クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート(2-HPA)、2-(メタ)アクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシプロピルフタル酸、EO変性フェノール(メタ)アクリレート、EO変性クレゾール(メタ)アクリレート、EO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、PO変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エトキシ化-o-フェニルフェノール(メタ)アクリレート、m-フェノキシベンジル(メタ)アクリレート等の分子内に1個以上の芳香族炭化水素系の環状構造を有する単官能(メタ)アクリレートや、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエポキシジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの1種以上を組み合わせて用いてもよい。特に本実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤においては、低透湿性と有機EL素子の信頼性の点で、環状構造を分子内に2個以上有することが好ましい。芳香族炭化水素系の環状構造を分子内に2個以上有する(メタ)アクリレートとしては、エトキシ化-o-フェニルフェノール(メタ)アクリレート、m-フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートからなる群のうちの1種以上が好ましく、エトキシ化-o-フェニルフェノール(メタ)アクリレート及びエトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートからなる群のうちの1種以上がより好ましい。
脂肪族炭化水素系の環状構造を有するモノマーにおける脂環式炭化水素基としては、ジシクロペンタニル基やジシクロペンテニル基等のジシクロペンタジエン骨格を有する基、シクロヘキシル基、イソボルニル基、シクロデカトリエン基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。これらの中では、ジシクロペンタジエン骨格を有する基が好ましい。脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートとしては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロデカトリエン(メタ)アクリレート等が挙げられる。ジシクロペンタジエン骨格を有する(メタ)アクリレートとしては、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートからなる群のうちの1種以上が好ましく、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートからなる群のうちの1種以上が低透湿性の点でより好ましい。
(B)環状モノマーが、環状単官能(メタ)アクリレートと環状2官能(メタ)アクリレートの混合物を所定の比率を以って含有する必要があることを本発明者は見出した。これは以下の理由による。環状単官能(メタ)アクリレートは低透湿性の点で効果が大きいが、沸点が低いために未反応物がアウトガスとなって有機EL素子の発光不良をもたらしてしまう問題があった。環状2官能(メタ)アクリレートは低透湿性に優れ、揮発性も低いのでOLED素子信頼性の点で効果が大きいのだが、粘度が比較的高いため、インクジェット吐出性に悪影響を与える問題があった。本発明者は、環状単官能(メタ)アクリレートと環状2官能(メタ)アクリレートとを所定の比率を以って併用することにより、従来技術では達成できない低透湿性とOLED素子信頼性を両立させる効果が得られることを見出し、本発明に想到したものである。即ち、単官能(メタ)アクリレートと2官能(メタ)アクリレートの含有比率は、メタクリレートとアクリレートの合計100質量部中、質量比で、単官能(メタ)アクリレート:2官能(メタ)アクリレート=10~95:90~5の範囲が好ましく、40~90:60~10の範囲がより好ましく、65~85:35~15の範囲が最も好ましい。
環状単官能(メタ)アクリレートとしては、下記のうちのいずれかの化合物が好ましい。
下記構造式で表される環状単官能(メタ)アクリレート
Figure 0007203903000009
(上記式中のR1はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、nの平均値は1~10が好ましく、特に好ましくはn=1である。)、及び、下記構造式で表される環状単官能(メタ)アクリレート
Figure 0007203903000010
(上記式中のYは-CH2-,-(CH(R5)CH2O)m1-,-(CH(R5)CH2S)m2-(但し、R5は水素原子又はメチル基、m1及びm2は1~4の数である)であり、R3は水素原子又はメチル基であり、R4は下記構造式で表わされるいずれかの置換基である)。
Figure 0007203903000011
環状2官能(メタ)アクリレートとしては、下記構造式で表されるエトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート化合物が好ましい。下記式中のRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基である。式中のm、nに関して、m+n=2~10であることが好ましい。
Figure 0007203903000012
(B)成分のうち、少なくとも1個は環状構造を分子内に2個以上有することが好ましく、少なくとも2個は環状構造を分子内に2個以上有することがより好ましい。
(B)成分の含有量は、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して、15~90質量部であることが好ましい。(B)の含有量が15質量部以上であると粘度が高くなり有機EL素子の信頼性が向上し、90質量部以下であるとインクジェット塗布性の点で優れる。(B)の含有量は低透湿性と有機EL素子の信頼性の点で、30~70質量部が好ましく、32~65質量部がより好ましく、45~65質量部が最も好ましい。
(C)光重合開始剤は、可視光線や紫外線の活性光線により増感させて樹脂組成物の光硬化を促進するために使用するものである。光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤が好ましい。光ラジカル重合開始剤としては、ベンゾフェノン及びその誘導体、ベンジル及びその誘導体、エントラキノン及びその誘導体、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン誘導体、ジエトキシアセトフェノン、4-tert-ブチルトリクロロアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体、2-ジメチルアミノエチルベンゾエート、p-ジメチルアミノエチルベンゾエート、ジフェニルジスルフィド、チオキサントン及びその誘導体、カンファーキノン、7,7-ジメチル-2,3-ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-カルボン酸、7,7-ジメチル-2,3-ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-カルボキシ-2-ブロモエチルエステル、7,7-ジメチル-2,3-ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-カルボキシ-2-メチルエステル、7,7-ジメチル-2,3-ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-カルボン酸クロライド等のカンファーキノン誘導体、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1等のα-アミノアルキルフェノン誘導体、ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジメトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジエトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6―トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド誘導体、フェニル-グリオキシリックアシッド-メチルエステル、オキシ-フェニル-アセチックアシッド2-[2-オキソ-2-フェニル-アセトキシ-エトキシ]-エチルエステル及びオキシ-フェニル-アセチックアシッド2-[2-ヒドロキシ-エトキシ]-エチルエステル等が挙げられる。光重合開始剤は1種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では、硬化させる時に390nm以上の可視光線のみを用いて硬化させることができ、有機エレクトロルミネッセンス表示素子にダメージを与えないで硬化させることができる点で、アシルホスフィンオキサイド誘導体が好ましい。アシルホスフィンオキサイド誘導体の中では、ディスプレイとした時に可視光線での透過性が低下せずに、395nm以上の光のみを用いて硬化させることができる点で、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキサイドが最も好ましい。2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキサイドとしては、BASFジャパン社製「Irgacure TPO」等が挙げられる。
(C)光重合開始剤の含有量は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、0.05~6質量部が好ましく、0.5~4質量部がより好ましく、2~3.9質量部が最も好ましく、2.5~3.5質量部が尚更好ましい。(C)成分の含有量が0.05質量部以上であれば、硬化促進の効果が確実に得られるし、6質量部以下であれば、ディスプレイに用いた時に可視光線での透過性が低下することも無い。
本実施形態の組成物においては、インクジェット吐出性の点で、(メタ)アクリレートはモノマーが好ましい。(A)成分や(B)成分は、モノマーであることが好ましい。モノマーの分子量は、1000以下が好ましい。インクジェット吐出性の点で、2官能(メタ)アクリレートオリゴマー/ポリマー及び多官能(メタ)アクリレートオリゴマー/ポリマーは、(A)成分や(B)成分を含有する(メタ)アクリレート100質量部中、3質量部以下含有することが好ましく、1質量部以下含有することがより好ましく、含有しないことが最も好ましい。
本実施形態の組成物においては、塗付後表面の自由エネルギーを低くし、高い平坦性を得る観点から(E)成分としてフッ素原子及び(メタ)アクリロイル基を有する含フッ素モノマーを含有することが好ましい。なお(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基を示す。含フッ素モノマーは1種を単独で用いてよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(E)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して、0.1~10質量部が好ましく、0.5~4質量部がより好ましく、0.9~1.6質量部が尚更一層好ましい。0.1質量部以上であれば平坦性が確保されるし、10質量部以下であれば良好なインクジェット塗布性を確保することができる。
(E)成分である含フッ素モノマーが有するフッ素原子の数は、1以上であればよく、例えば2以上であってもよく、好ましくは3以上である。また、含フッ素モノマーが有するフッ素原子の数の上限は特に限定されず、例えば40以下であってよく、好ましくは30以下である。
含フッ素モノマーの全量に対するフッ素原子の含有量は、例えば1質量%以上であってよく、好ましくは2質量%以上、より好ましくは5質量%以上である。また、フッ素原子の含有量は、含フッ素モノマーの全量基準で、例えば75質量%以下であってよく、好ましくは70質量%以下、より好ましくは65質量%以下である。また、(E)成分を含有する実施形態に係る組成物の全量に対するフッ素原子の含有量としては、0.01~10質量%が好ましく、より好ましくは0.1~5質量%としてもよい。フッ素原子の含有量が上記範囲内であれば、平坦性が良好になる効果を奏することができる。
含フッ素モノマーが有する(メタ)アクリロイル基の数は、1以上であればよい。ガラス転移温度の低い硬化体が得られやすくなる観点からは、含フッ素モノマーが有する(メタ)アクリロイル基の数は1であってよい。また、ガラス転移温度の高い硬化体が得られやすくなる観点からは、含フッ素モノマーが有する(メタ)アクリロイル基の数は、2以上であってよい。含フッ素モノマーが有する(メタ)アクリロイル基の数の上限は特に限定されず、例えば4以下であってよく、柔軟性に優れる硬化体が得られやすくなる観点からは、好ましくは3以下、より好ましくは2以下である。
含フッ素モノマーの具体例の一つとして、下記式(E-1)で表される化合物が挙げられる。
式(E-1)
Figure 0007203903000013
式(E-1)中、R1は、水素原子又はメチル基を示す。また、R2は、フッ化アルキル基、又は、フッ化アルキル基における炭素-炭素結合及び炭素-水素結合の一部に酸素原子が挿入された基、を示す。
フッ化アルキル基は、アルキル基が有する水素原子の一部又は全部がフッ素原子に置換された基、ということができる。フッ化アルキル基の炭素原子数は特に限定されず、例えば、1以上であってよく、好ましくは2以上である。また、フッ化アルキル基の炭素原子数は、例えば25以下であってよく、20以下であってもよい。
フッ化アルキル基としては、ジフルオロメチレン(-CF2-)を含む基を好適に用いることができる。
フッ化アルキル基の具体例としては、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1,1-ジフルオロエチル基、2,2-ジフルオロエチル基、1,1,1-トリフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、ペルフルオロエチル基、1,1,2,2-テトラフルオロプロピル基、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロピル基、1,1,2,2,3,3-ヘキサフルオロプロピル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロエチルメチル基、1-(トリフルオロメチル)-1,2,2,2-テトラフルオロエチル基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基、ペルフルオロプロピル基、1,1,2,2-テトラフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3-ヘキサフルオロブチル基、1,1,1,2,2,3,3-ペプタフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4-オクタフルオロブチル基、ペルフルオロブチル基、1,1-ビス(トリフルオロ)メチル-2,2,2-トリフルオロエチル基、2-(ペルフルオロプロピル)エチル基、1,1,2,2,3,3,4,4-オクタフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチル基、ペルフルオロペンチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5-デカフルオロペンチル基、1,1-ビス(トリフルオロメチル)-2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、2-(ペルフルオロブチル)エチル基、1,1,1,2,2,3,3,4,4-ノナフルオロペンチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5-デカフルオロヘキシル基、1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6-ドデカフルオロヘキシル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフルオロペンチルメチル基及びペルフルオロヘキシル基等が挙げられる。
フッ化アルキル基における炭素-炭素結合及び炭素-水素結合の一部に酸素原子が挿入された基(以下、R2の含酸素基ともいう。)は、酸素原子が一箇所に挿入された基であってよく、二箇所以上に挿入された基であってもよい。
なお、炭素-炭素結合に酸素原子が挿入されると、エーテル結合が形成される。また、炭素-水素結合に酸素原子が挿入されると、ヒドロキシル基が形成される。すなわち、R2の含酸素基は、エーテル結合及びヒドロキシル基からなる群より選択される少なくとも一種を含む基ということもできる。
2の含酸素基の具体例としては、例えば、下記式で表される基が挙げられる。
Figure 0007203903000014
式(E-1)で表される化合物におけるフッ素原子含有量は、例えば5質量%以上であってよく、好ましくは15質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。式(E-1)で表される化合物におけるフッ素原子含有量は、例えば75質量%以下であってよく、好ましくは70質量%以下、より好ましくは65質量%以下である。
式(E-1)で表される化合物の具体例の一つとして、例えば、下記式(E-1-1)で表される化合物が挙げられる。
式(E-1-1)
Figure 0007203903000015
式(E-1-1)中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R21は水素原子又はフッ素原子を示し、nは1以上の整数を示す。複数存在するR21は互いに同一でも異なっていてもよい。但し、R21のうちの少なくとも一つはフッ素原子である。
nは、1以上であればよく、好ましくは2以上である。また、nの上限は特に限定されず、例えば25以下であってよく、20以下であってもよい。
21は、式(E-1-1)中に複数存在しているが、そのうちの少なくとも一つがフッ素原子である。また、R21のうち、2つ以上がフッ素原子であることが好ましく、3つ以上がフッ素原子であることがより好ましい。R21は全てフッ素原子であってもよい。
21の合計数に対するフッ素原子の数の割合は、例えば4%以上であってよく、好ましくは8%以上、より好ましくは12%以上である。当該割合は、例えば100%以下であってよく、好ましくは80%以下、より好ましくは75%以下である。
式(E-1-1)で表される化合物は、nが付された括弧内の2価の基(-C(R212-)のうち、少なくとも一つがジフルオロメチレン(-CF2-)であることが好ましい。
含フッ素モノマーの具体例の他の一つとして、下記式(E-2)で表される化合物が挙げられる。
式(E-2)
Figure 0007203903000016
式(E-2)中、R3は、水素原子又はメチル基を示す。また、R4は、フッ化アルカンジイル基、又は、フッ化アルカンジイル基における炭素-炭素結合及び炭素-水素結合の一部に酸素原子が挿入された基、を示す。複数存在するR3は、互いに同一でも異なっていてもよい。
フッ化アルカンジイル基は、アルカンジイル基が有する水素原子の一部又は全部がフッ素原子に置換された基、ということができる。フッ化アルカンジイル基の炭素原子数は特に限定されず、例えば、1以上であってよく、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは4以上である。また、フッ化アルカンジイル基の炭素原子数は、例えば17以下であってよく、好ましくは12以下、より好ましくは10以下である。
フッ化アルカンジイル基としては、ジフルオロメチレン(-CF2-)を含む基を好適に用いることができる。
フッ化アルカンジイル基の具体例としては、炭素数1~17の直鎖状又は分枝状のフッ化アルカンジイル基(例えば、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9-ヘキサデカフルオロ-1,10-デカンジイル基)、炭素数1~17のフッ化シクロアルカンジイル基等が挙げられる。
フッ化アルカンジイル基における炭素-炭素結合及び炭素-水素結合の一部に酸素原子が挿入された基(以下、R4の含酸素基ともいう。)は、酸素原子が一箇所に挿入された基であってよく、二箇所以上に挿入された基であってもよい。
なお、炭素-炭素結合に酸素原子が挿入されると、エーテル結合が形成される。また、炭素-水素結合に酸素原子が挿入されると、ヒドロキシル基が形成される。すなわち、R4の含酸素基は、エーテル結合及びヒドロキシル基からなる群より選択される少なくとも一種を含む基ということもできる。
4の含酸素基の具体例としては、例えば、下記式で表される基が挙げられる。
Figure 0007203903000017
式(E-2)で表される化合物におけるフッ素原子含有量は、例えば4質量%以上であってよく、好ましくは8質量%以上、より好ましくは12質量%以上である。また、式(E-2)で表される化合物におけるフッ素原子含有量は、例えば90質量%以下であってよく、好ましくは75質量%以下、より好ましくは65質量%以下である。
式(E-2)で表される化合物の具体例の一つとして、例えば、下記式(E-2-1)で表される化合物が挙げられる。
式(E-2-1)
Figure 0007203903000018
式(E-2-1)中、R3は水素原子又はメチル基を示し、R41は水素原子又はフッ素原子を示し、mは1以上の整数を示す。複数存在するR41は、互いに同一でも異なっていてもよい。複数存在するR3は、互いに同一でも異なっていてもよい。但し、R41のうちの少なくとも一つはフッ素原子である。
mは、1以上であればよく、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは4以上である。また、mの上限は特に限定されず、例えば20以下であってよく、好ましくは17以下、より好ましくは15以下である。
41は、式(E-2-1)中に複数存在しているが、そのうちの少なくとも一つがフッ素原子である。また、R41のうち、2つ以上がフッ素原子であることが好ましく、4つ以上がフッ素原子であることがより好ましい。R41は全てフッ素原子であってもよい。
41の合計数に対するフッ素原子の数の割合は、例えば1%以上であってよく、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上である。当該割合は、例えば100%以下であってよく、好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下である。
式(E-2-1)で表される化合物は、mが付された括弧内の2価の基(-C(R412-)のうち、少なくとも一つがジフルオロメチレン(-CF2-)であることが好ましい。
含フッ素モノマーの具体例の他の一つとして、下記式(E-3)で表される化合物が挙げられる。
式(E-3)
Figure 0007203903000019
式(E-3)中、R5は水素原子又はメチル基を示す。また、R6は、単結合、アルカンジイル基、フッ化アルカンジイル基、又は、アルカンジイル基若しくはフッ化アルカンジイル基における炭素-炭素結合及び炭素-水素結合の一部に酸素原子が挿入された基、を示す。また、Ar1はフッ化アリール基を示す。
なお、「R6が単結合を示す」とは、Ar1と酸素原子とが直接結合していることを意味する。
Ar1のフッ化アリール基としては、フッ化フェニル基が好ましい。フッ化フェニル基、フェニル基中の水素原子の1~5個がフッ素原子に置換した基ということもできる。フッ化フェニル基は、フッ素原子を1つ以上有するものであってよく、5つ有するものであってもよい。
6のアルカンジイル基の炭素原子数は特に限定されず、例えば、1以上であってよい。また、R6のアルカンジイル基の炭素原子数は、例えば17以下であってよく、好ましくは15以下、より好ましくは12以下である。
アルカンジイル基の具体例としては、炭素数1~17の直鎖状又は分枝状のアルカンジイル基(例えば、メチレン基、エチレン基等)、炭素数1~17のシクロアルカンジイル基等が挙げられる。
6のフッ化アルカンジイル基は、上述のアルカンジイル基が有する水素原子の一部又は全部がフッ素原子に置換された基、ということができる。R6のフッ化アルカンジイル基の炭素原子数は特に限定されず、例えば、1以上であってよい。また、R6のフッ化アルカンジイル基の炭素原子数は、例えば17以下であってよく、好ましくは15以下、より好ましくは12以下である。
6のフッ化アルカンジイル基としては、ジフルオロメチレン(-CF2-)を含む基を好適に用いることができる。
アルカンジイル基若しくはフッ化アルカンジイル基における炭素-炭素結合及び炭素-水素結合の一部に酸素原子が挿入された基(以下、R6の含酸素基ともいう。)は、酸素原子が一箇所に挿入された基であってよく、二箇所以上に挿入された基であってもよい。
なお、炭素-炭素結合に酸素原子が挿入されると、エーテル結合が形成される。また、炭素-水素結合に酸素原子が挿入されると、ヒドロキシル基が形成される。すなわち、R6の含酸素基は、エーテル結合及びヒドロキシル基からなる群より選択される少なくとも一種を含む基ということもできる。
6の含酸素基の具体例としては、例えば、-CH2CH2O-を含む基等が挙げられる。
式(E-3)で表される化合物におけるフッ素原子含有量は、例えば3質量%以上であってよく、好ましくは7質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。また、式(E-3)で表される化合物におけるフッ素原子含有量は、例えば90質量%以下であってよく、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。
式(E-3)で表される化合物の具体例の一つとして、例えば、下記式(E-3-1)で表される化合物が挙げられる。
式(E-3-1)
Figure 0007203903000020
式(E-3-1)中、R5は水素原子又はメチル基を示し、R61は水素原子又はフッ素原子を示し、R62は水素原子又はフッ素原子を示し、pは0以上の整数を示す。pが1以上のとき、複数存在するR61は、互いに同一でも異なっていてもよい。また、複数存在するR62は、互いに同一でも異なっていてもよい。但し、R62の少なくとも一つはフッ素原子である。
pは、0以上の整数を示す。ここで、pが0とは、ベンゼン環と酸素原子とが直接結合していることを示す。pは、1以上の整数であってもよい。また、pの上限は特に限定されず、例えば17以下であってよく、好ましくは15以下、より好ましくは12以下である。
式(E-3-1)中にR61が存在するとき(すなわち、pが1以上の整数であるとき)、R61は、全て水素原子であってよく、全てフッ素原子であってもよく、一部が水素原子で他部がフッ素原子であってもよい。
62は、式(E-3-1)中に複数存在しており、そのうちの少なくとも一つがフッ素原子である。また、R62のうち、2つ以上がフッ素原子であってもよく、3つ以上がフッ素原子以上であってもよい。また、R62の全て(5つ)がフッ素原子であってもよい。
61及びR62の合計数に対するフッ素原子の数の割合は、例えば5%以上であってよく、好ましくは10%以上、より好ましくは20%以上である。当該割合は、例えば100%以下であってよく、好ましくは95%以下、より好ましくは80%以下である。
含フッ素モノマーの中で、低透湿性とインクジェット塗布性の観点から好ましいのは、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9-ヘキサデカフルオロ-1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1H,1H,5H-オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、及び1H,1H,2H,2H-トリデカフルオロオクチル(メタ)アクリレートからなる群のうちの一種以上である。
本実施形態の組成物から得られる硬化体のガラス転移温度は、有機EL素子の信頼性に鑑みて、65℃以上120℃以下が好ましく、65℃以上110℃以下がより好ましく、70℃以上100℃以下が最も好ましい。硬化体のガラス転移温度が65℃以上120℃以下の範囲にあると、本実施形態の組成物の硬化体上に無機パッシベーション膜を、CVD等の手法によって成膜する際に、応力が緩和し、無機物膜とOLED素子が剥離しづらくなるために、有機EL素子の信頼性が向上する。
本実施形態の組成物から得られる硬化体のガラス転移温度の測定方法は特に制限はないが、DSCや動的粘弾性スペクトル等の公知の方法で測定され、好ましくは動的粘弾性スペクトルが用いられる。動的粘弾性スペクトルでは、該硬化体に昇温速度一定で応力及び歪みを加え、損失正接(以下、tanδと略す)のピークトップを示す温度をガラス転移温度とすることができる。-150℃程度の十分に低い温度からある温度(Ta℃)まで昇温してもtanδのピークが現れない場合、ガラス転移温度としては、-150℃以下若しくはある温度(Ta℃)以上と考えられるが、ガラス転移温度が-150℃以下である組成物はその構造故に考えられないため、ある温度(Ta℃)以上とすることができる。
本実施形態の組成物は、貯蔵安定性向上のために、(D)酸化防止剤を使用できる。酸化防止剤としては、メチルハイドロキノン、ハイドロキノン、3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオン酸オクタデシル、2,2-メチレン-ビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、カテコール、ハイドロキノンモノメチルエーテル、モノtert-ブチルハイドロキノン、2,5-ジtert-ブチルハイドロキノン、p-ベンゾキノン、2,5-ジフェニル-p-ベンゾキノン、2,5-ジtert-ブチル-p-ベンゾキノン、ピクリン酸、クエン酸、フェノチアジン、tert-ブチルカテコール、2-ブチル-4-ヒドロキシアニソール及び2,6-ジtert-ブチル-p-クレゾール等が挙げられる。酸化防止剤は、2種以上を組み合わせることが好ましい。これらの中では、透明性や貯蔵安定性等の効果が大きい点で、フェノール系酸化防止剤が好ましい。フェノール系酸化防止剤の中では、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオン酸オクタデシル、2,2-メチレン-ビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)からなる群のうちの1種以上が好ましく、3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオン酸オクタデシルと2,2-メチレン-ビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)を含有することがより好ましい。3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオン酸オクタデシルとしては、BASFジャパン社製「Irganox 1076」等が挙げられる。2,2-メチレン-ビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)としては、住友化学工業社製「SUMILIZER MDP-S」等が挙げられる。3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオン酸オクタデシルと2,2-メチレン-ビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)を含有する場合、3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオン酸オクタデシルと2,2-メチレン-ビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)の含有比率は、3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオン酸オクタデシルと2,2-メチレン-ビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)の合計100質量部中、質量比で、3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオン酸オクタデシル:2,2-メチレン-ビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)=10~90:90~10が好ましく、25~75:75~25がより好ましい。
酸化防止剤の含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して、0.001~3質量部が好ましく、0.01~2質量部がより好ましい。0.001質量部以上であれば貯蔵安定性が確保されるし、3質量部以下であれば良好な接着性が得られ、未硬化になることもない。
本実施形態に係る組成物は更に、当該技術分野で用いられる添加剤を含有してもよく、例えば酸化防止剤、金属不活性化剤、填料、安定剤、中和剤、滑剤、抗菌剤等を含有してもよい。
本実施形態の組成物は、樹脂組成物として使用できる。本実施形態の組成物は、光硬化性樹脂組成物として使用できる。本実施形態の組成物は、有機EL表示素子用封止剤として使用できる。
可視光線又は紫外線を照射して、組成物を硬化させる方法としては、組成物に可視光線又は紫外線の少なくとも一方を照射して硬化する方法等が挙げられる。このような可視光線又は紫外線を照射するためのエネルギー照射源としては、重水素ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、キセノンランプ、キセノン-水銀混成ランプ、ハロゲンランプ、エキシマランプ、インジウムランプ、タリウムランプ、LEDランプ、無電極放電ランプ等のエネルギー照射源が挙げられる。本実施形態の組成物は、有機EL素子にダメージを与えづらい点で、380nm以上の波長で硬化させることが好ましく、395nm以上の波長で硬化させることがより好ましく、395nmの波長で硬化させることが最も好ましい。エネルギー照射源の波長としては、赤外光を発光することにより照射部の温度が上がり、有機EL素子にダメージを与える可能性が生じるため、500nm以下であることが好ましい。エネルギー照射源としては、発光波長が単波長であるLEDランプが好ましい。
可視光線又は紫外線を照射して、組成物を硬化させる際は、波長395nmにおいて100~8000mJ/cm2のエネルギー線を組成物に照射し硬化させることが好ましい。100~8000mJ/cm2であれば組成物が硬化し、十分な接着強度が得られる。100mJ/cm2以上であれば組成物が十分に硬化し、8000mJ/cm2以下であれば有機EL素子にダメージを与えない。組成物を硬化させる際のエネルギー量は、300~2000mJ/cm2がより好ましい。
本実施形態の組成物の透明性は、有機物膜の厚さが1μm以上10μm以下の時、360nm以上800nm以下の紫外-可視光線領域の分光透過率は、95%以上が好ましく、97%以上がより好ましく、99%以上が最も好ましい。95%以上であれば、輝度、コントラストに優れた有機EL装置を提供することができる。
本実施形態の組成物からなる封止層は、無機/有機積層体を1セットとして数えると、1~5セットであることが好ましい。無機/有機積層体が6セット以上の場合には、有機EL素子に対する封止効果が5セットの場合とほぼ同じとなるからである。無機/有機積層体の無機物膜の厚さは、50nm~1μmが好ましい。無機/有機積層体の有機物膜の厚さは1~15μmが好ましく、3~10μmがより好ましい。有機物膜の厚みが1μm未満であると、素子形成時に発生するパーティクルを完全に被覆できず、無機物膜上に平坦性良く塗布することが難しい場合がある。有機物膜の厚みが15μmを超えると、有機物膜の側面より水分が侵入し、有機EL素子の信頼性が低下する場合がある。
封止基板は、封止層の最上位有機物膜の上面全体を覆うように密着して形成される。この封止基板としては、前述の基板が挙げられる。これらの中では、可視光線に対して透明な基板が好ましい。可視光線に対して透明な基板(透明封止基板)の中では、ガラス基板、プラスチック基板からなる群のうちの1種以上が好ましく、ガラス基板がより好ましい。
透明封止基板の厚さは、1μm以上1mm以下が好ましく、10μm以上800μm以下がより好ましく、50μm以上300μm以下が最も好ましい。透明封止基板を封止層の更に上層に設けることによって、最上位有機物膜の表面が気体に触れると進行する劣化を抑えることができ、有機EL装置のバリア性を高めることができる。
次に、このような構成を有する有機EL装置の製造方法について説明する。まず、第1の基板上に、従来公知の方法によって、所定の形状にパターニングした陽極、発光層を含む有機EL層、及び陰極を順に形成して、有機EL素子を形成する。例えば、有機EL装置をドットマトリックス表示装置として使用する場合、発光領域をマトリックス状に区切るためにバンクが形成され、このバンクで囲まれる領域に発光層を含む有機EL層が形成される。
次いで、有機EL素子が形成された基板上に、スパッタ法等のPVD(Physical Vapor Deposition)法やプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法等のCVD法等の成膜方法によって、所定の厚さを有する第1の無機物膜を形成する。その後、溶液塗布法やスプレー塗布法等の塗膜形成方法やフラッシュ蒸着法、インクジェット法等を用いて、第1の無機物膜上に本実施形態の組成物を付着させる。これらの中では、生産性の点でインクジェット法が好ましい。その後、紫外線や電子線、プラズマ等のエネルギー線の照射によって、組成物が硬化し、第1の有機物膜が形成される。以上の工程によって、1セットの無機/有機積層体が形成される。組成物の硬化率は、本実施形態の効果が奏される限りにおいては特に限定されないが、例えば後述する測定方法に従って得られる値で90%以上、好ましくは95%以上とすることができる。
以上に示される無機/有機積層体の形成工程が、所定の回数だけ繰り返される。但し、最後のセット、即ち、最上層の無機/有機積層体に関しては、上面が平坦化するように組成物を、塗布法やフラッシュ蒸着法、インクジェット法等によって、無機物膜の上面に付着させても良い。
次いで、基板上の組成物を付着させた面に、透明封止基板を貼り合わせる。貼り合わせの際、位置合わせを行う。その後、透明封止基板側から、エネルギー線を照射することによって、最上層の無機物膜と透明封止基板との間に存在する、本実施形態の組成物を硬化させる。これによって、組成物が硬化し、最上位有機物膜を形成すると共に、最上位有機物膜と透明封止基板とが接着される。以上によって、有機EL装置の製造方法が終了する。
無機物膜上に組成物を付着させた後、部分的にエネルギー線を照射して重合させてもよい。このようにすることで、透明封止基板を載置した時に、最上位有機物膜となる組成物の形状の崩れを防止することができる。無機物膜と有機物膜の厚さは、各無機/有機積層体で同じにしてもよいし、各無機/有機積層体で異なっていてもよい。
上述した説明では、トップエミッション型の有機EL装置を例に挙げて説明した。有機EL層で生じる光を基板側から出射するボトムエミッション型の有機EL装置にも、本実施形態を適用することができる。
本実施形態の有機EL素子は、面状光源、セグメント表示装置、ドットマトリックス表示装置として用いることができる。
本実施形態によれば、第1の基板上に形成された有機EL素子を外気と遮断するための封止層を形成し、更にその封止層上に透明封止基板を配置するので、有機EL素子に対する十分な水蒸気と酸素に対するバリア性を有する封止構造を得ることができる。本実施形態の実施の形態によれば、透明封止基板と封止層との間で十分な接着強度を有する封止構造を得ることができる。
本実施形態によれば、封止層の最上位有機物膜を構成する本実施形態の組成物を付着させた後に、組成物を硬化させることなく透明封止基板を載置して、その後に組成物を硬化させるようにするので、封止層を構成する最上位有機物膜の形成と同時に、封止層と透明封止基板との間の接着を行うことができる。その結果、本実施形態は、封止層と透明封止基板とを接着剤で接着する場合に比して、工程を簡略化できるという効果を有する。
本実施形態の組成物は、JIS Z 0208:1976に準拠して、硬化体を85℃、85%RHの環境下に24時間暴露して測定した100μm厚での透湿度の値が、350g/m2以下であることが好ましい。上記透湿度が350g/m2を超えると、有機発光材料層に水分が到達し、ダークスポットが発生する場合がある。
本実施形態によれば、インクジェット法により容易に塗布することができ、OLED素子の信頼性、硬化体の透明性及びバリア性に優れる有機EL表示素子用封止剤を提供できる。本実施形態によれば、有機EL表示素子用封止剤を用いた有機EL表示素子の製造方法を提供できる。インクジェット法とは、ノズルから微細な液滴を吐出し、対象物に非接触で塗布を行う方法をいう。
(実験例1~8)
以下の方法により組成物を作製し、評価した。
(組成物の作製)
表1の使用材料を用いた。表2~3に示す組成で各使用材料を混合して、組成物を調製した。得られた組成物を使用して、以下に示す評価方法にてE型粘度、表面張力、透湿度、塗布面積の拡大率、硬化率、平坦性、透明性、ガラス転移温度、有機EL評価の測定を行った。結果を表2~3に示す。表2~3の組成物名には、表1に示す略号を用いた。表2~3に示すフッ素原子含有量は、組成から計算したものであり、組成物全量基準で示す。
〔E型粘度η〕
組成物の粘度はE型粘度計(コ-ンプレート型:コーン角度1°34′、コーンロータの半径24mm)を用い、温度25℃、回転数100rpmの条件下で測定した。
[表面張力γ]
組成物の表面張力は23℃の雰囲気下、接触角計(協和界面科学社製DM500)を用いて、ペンダントドロップ法により測定した。
〔光硬化条件〕
組成物の硬化物性の評価に際し、下記光照射条件により、組成物を硬化させた。395nmの波長を発光するLEDランプ(HOYA社製UV-LED LIGHT SOURCE H-4MLH200-V1)により、395nmの波長の積算光量1,500mJ/cm2の条件にて、組成物を光硬化させ、硬化体を得た。
〔透湿度〕
厚さ0.1mmのシート状の硬化体を前記光硬化条件にて作製し、JIS Z0208:1976「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)」に準じ、吸湿剤として塩化カルシウム(無水)を用い、雰囲気温度85℃、相対湿度85%の条件で測定した。
〔硬化率〕
各実験例で得られた組成物に対して、上記インクジェット装置を使用して10μmの厚みとなるように上述の方法で洗浄した無アルカリガラス上に、組成物を10mm×10mmの大きさに塗布し、酸素濃度0.1%未満の窒素雰囲気中にて前記光硬化条件で硬化させ、硬化率を以下の手順で測定した。
硬化後の上記組成物及び硬化前の上記組成物に、赤外分光装置(サーモサイエンティフィック社製、Nicolet is5、DTGS検出器、分解能4cm-1)を用い、該測定試料に赤外光を入射して赤外分光スペクトルを測定した。得られた赤外分光スペクトルにて、硬化前後でピーク変化を生じない、2950cm-1付近に観測されるメチレン基の炭素-水素結合の伸縮振動ピークを内部標準とし、この内部標準の硬化前後のピーク面積と、(メタ)アクリレートの炭素-炭素二重結合に結合する炭素-水素結合の面外変角振動のピークに帰属される、810cm-1付近のピークの硬化前後の面積から、次式を用い硬化率を算出した。
硬化率(%)=[1-(Ax/Bx)/(Ao/Bo)]×100
ここで、
Ao:810cm-1付近の硬化前のピーク面積を表す。
Ax:810cm-1付近の硬化後のピーク面積を表す。
Bo:2950cm-1付近の硬化前のピーク面積を表す。
Bx:2950cm-1付近の硬化後のピーク面積を表す。
〔透明性〕
各実験例で得られた組成物をそれぞれ25mm×25mm×1mmt(mm厚)のガラス板(無アルカリガラス、Corning社製 Eagle XG)2枚の間に10μmの厚みに形成し、LEDランプを用いて波長395nmの紫外線を照射量が1500mJ/cm2となるように照射することにより硬化させて硬化体を得た。得られた硬化体について、紫外-可視分光光度計(島津製作所社製「UV-2550」)にて380nm、412nm、800nmの分光透過率を測定し、透明性とした。
〔ガラス転移温度〕
各実験例で得られた組成物を、1mm厚のシリコンシートを型枠とし、PETフィルムに挟み込んだ。該組成物を、前記光硬化条件にて、上面から硬化させた後、更に下から前記光硬化条件にて、硬化させ、厚さ1mmの該組成物の硬化体を作製した。作製した硬化体をカッターにて長さ50mm幅5mmに切断し、ガラス転移温度測定用硬化体とした。得られた硬化体をセイコー電子産業社製、動的粘弾性測定装置「DMS210」により、窒素雰囲気中にて前記硬化体に1Hzの引張方向の応力及び歪みを加え、昇温速度毎分2℃の割合で-150℃から200℃まで昇温しながらtanδを測定し、該tanδのピークトップの温度をガラス転移温度とした。tanδのピークトップはtanδが0.3以上の領域における最大値とした。tanδが-150℃から200℃の領域で0.3以下であった場合、tanδのピークトップは200℃を超えるとし、ガラス転移温度は200℃を超える(200<)とした。
〔塗布面積の拡大率〕
各実験例で得られた組成物を70mm×70mm×0.7mmtの基材(無アルカリガラス(Corning社製 Eagle XG))上にインクジェット吐出装置(武蔵エンジニアリング社製MID500B、溶剤系ヘッド「MIDヘッド」)を用いて4mm×4mm×10μmtとなるようにパターン塗布した。無アルカリガラスは使用前に、アセトン、イソプロパノールそれぞれを用いて洗浄し、その後にテクノビジョン社製UVオゾン洗浄装置UV-208を用いて5分間洗浄した。パターン塗布直後に雰囲気温度23℃、相対湿度50%の条件で5分間放置し、塗布面積の拡大率(下記式参照)によりインクジェット塗布後の平坦性を評価した。塗布面積の拡大率が小さい程、塗布後の形状が維持され、位置制御性に優れ、好ましいと評価した。
(塗布面積の拡大率)=((パターン塗布してから5分後に、基材表面に接触した組成物の接触面積)/(パターン塗布直後の、基材表面に接触した組成物の接触面積))×100(%)
[平坦性]
70mm×70mm×0.7mmtの基材(無アルカリガラス(Corning社製 Eagle XG))上に、25μm×25μm×3μmtの凹みを前後左右に10μmの間隔を開けて整列するようにエッチング法にて作製した。なお、基材は使用前に、アセトン、イソプロパノールそれぞれを用いて洗浄し、その後にテクノビジョン社製UVオゾン洗浄装置UV-208を用いて5分間洗浄した。次いで、凹みを設けた基板上に、プラズマCVD法にて200nmのSiN膜を形成した。次に、インクジェット吐出装置(武蔵エンジニアリング社製MID500B、溶剤系ヘッド「MIDヘッド」)を用いて50mm×50mm×10μmtとなるように封止剤をパターン塗布した。パターン塗布後、温度23℃、相対湿度50%の条件で5分間放置し、封止剤塗膜の形状を観察した。封止剤の平坦性を、以下の式で求めた。結果を表1に示す。
平坦性(%)=(5分間放置後の封止剤塗膜の面積)/(50mm×50mm)
なお、例えば、平坦性50%とは、パターン塗布した封止剤の一部が弾かれて、50mm×50mmの範囲の半分(50%)で、SiN膜が露出したことを示す。
〔有機EL評価〕
〔有機EL素子基板の作製〕
30mm角のITO電極付きガラス基板(厚さ700μm)を、アセトン、イソプロパノールそれぞれを用いて洗浄した。その後、真空蒸着法にて以下の化合物を薄膜となるように順次蒸着し、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極からなる2mm角の有機EL素子を有する基板を得た。各層の構成は以下の通りである。
・陽極 ITO、陽極の膜厚150nm
・正孔注入層 4,4’,4”-トリス{2-ナフチル(フェニル)アミノ}トリフェニルアミン(2-TNATA)
・正孔輸送層 N,N’-ジフェニル-N,N’-ジナフチルベンジジン(α-NPD)
・発光層 トリス(8-ヒドロキシキノリナト)アルミニウム(金属錯体系材料)、発光層の膜厚1000Å、発光層は電子輸送層としても機能する。
・電子注入層 フッ化リチウム
・陰極 アルミニウム 膜厚150nm
〔有機EL素子の作製〕
その後、2mm×2mmの有機EL素子を覆うように、10mm×10mmの開口部を有するマスク(覆い)を設置し、プラズマCVD法にてSiN膜を形成した。次に、各実験例で得られた組成物(有機物膜)を、窒素雰囲気下にて上記インクジェット装置を用いて2mm×2mmの有機EL素子を覆うように厚み10μmで塗布し、前記光硬化条件にて、この組成物を硬化させた後、該硬化体の全体を覆うように、10mm×10mmの開口部を有するマスク(覆い)を設置し、プラズマCVD法にてSiN膜を形成して有機EL表示素子を得た。
形成されたSiN(無機物膜)の厚さは、約1μmであった。その後、30mm×30mm×25μmtの透明な基材レス両面テープを用いて30mm×30mm×0.7mmtの無アルカリガラス(Corning社製 Eagle XG)と貼り合わせ、有機EL素子を作製した(有機EL評価)。
〔初期〕
作製した直後の有機EL素子に6Vの電圧を印加し、有機EL素子の発光状態を目視と顕微鏡で観察し、ダークスポットの直径を測定した。
〔耐久性〕
作製した直後の有機EL素子を、85℃、相対湿度85質量%の条件下にて70時間暴露した後、6Vの電圧を印加し、有機EL素子の発光状態を目視と顕微鏡で観察し、ダークスポットの直径を測定した。
ダークスポットの直径は、パッシベーション層のピンホールへの封止剤の浸透の程度及び封止剤中の水分がアウトガスとして排出される程度を評価する指標として捉えることができる。ダークスポットの直径は、300μm以下であるのが好ましく、50μm以下であるのがより好ましく、ダークスポットが存在しないことが最も好ましいとして評価した。
上記実験例から以下のことが判った。
本実施形態に係る組成物は、有機EL素子の信頼性や高精度なインクジェットによる吐出性、インクジェット塗布後の形状維持性に優れ、低透湿性に優れた組成物を提供できる。
(A)として非環式の炭素数6以上のアルカンジオールジメタクリレート、(B)として環状単官能(メタ)アクリレート及び環状2官能(メタ)アクリレートを使用し、数式(I)~(III)を共に満たした場合、信頼性、インクジェット吐出性、形状維持性、低透湿性が優れていた(実験例1~3、10~11)。
更に(E)を含有した場合には、含フッ素モノマーによって封止剤の表面自由エネルギーが低くなり、微細な凹凸に追従しやすくなることで、平坦性が向上したことも理解される(実験例4~9)。
一方、(A)として非環式の炭素数6未満のアルカンジオールジ(メタ)アクリレートを用いた場合、塗布面積の拡大率が大きく、インクジェット塗布後の形状が維持できない、即ち、形状維持性に問題があった(実験例12)。(A)成分の含有量が85質量部を超え、(B)成分の含有量が15質量部未満の場合、粘度が低く数式(III)を満たさないほか、形状維持性、信頼性が得られなかった(実験例13)。(B)として環状単官能(メタ)アクリレートを使用せず、長鎖アルキル単官能アクリレートと環状2官能メタクリレートを用いた場合、粘度が低く数式(III)を満たさず、信頼性、形状維持性、低透湿性が得られなかった(実験例14)。(A)として非環式の炭素数6以上のアルカンジオールジメタクリレート、(B)として2種の環状(メタ)アクリレートを使用し、数式(II)~(III)を満たし、かつ粘度50mPa・s超の場合は、低透湿性には優れるが、インクジェット吐出ができず、信頼性、形状維持性を評価できなかった(実験例15)。(B)として環状2官能(メタ)アクリレートを使用せず、環状単官能アクリレートのみを用い、かつ数式(I)~(III)を満たす場合は、透明性と形状維持性に劣った(実験例16)。
Figure 0007203903000021
Figure 0007203903000022
Figure 0007203903000023
本実施形態の組成物は、高精度なインクジェットによる吐出性とインクジェット塗布後の平坦性に優れ、低透湿性、透明性を有し、有機EL素子を劣化させない。本実施形態は、短時間でインクジェット塗布ができる。本実施形態の組成物は、エレクトロニクス製品、特に、有機EL等のディスプレイ部品(例えば、ウェアラブル製品等に用いられる、フレキシブル性を有するディスプレイ又は有機EL装置)や、CCD、CMOSといったイメージセンサー等の電子部品、更には半導体部品等で用いられる素子パッケージ等の接着において、好適に適用できる。特に、有機EL封止用の接着において最適であり、有機EL素子等の素子パッケージ用接着剤や素子パッケージ用被覆剤に要求される特性を満足する。
上記組成物は本実施形態の一態様であり、本実施形態の有機EL素子用封止剤、硬化体、有機EL装置、ディスプレイ、それらの製造方法等も、同様の構成及び効果を有する。

Claims (27)

  1. (A)非環式の炭素数6以上のアルカンジオールジ(メタ)アクリレートと、(B)環状モノマーと、(C)光重合開始剤を含有し、
    (B)環状モノマーは、環状単官能(メタ)アクリレートと環状2官能(メタ)アクリレートとを含有し、前記環状単官能(メタ)アクリレート及び前記環状2官能(メタ)アクリレートのうちの一方若しくは両方が、脂環式でありかつ分子内に環状構造を3個以上有する(メタ)アクリレートであり、
    下記の数式(I)及び(III)を共に満たす有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
    8mPa・s≦η≦50mPa・s ・・・(I)
    γ/2η<0.9m/s ・・・(III)
    (式中、ηは25℃においてE型粘度計により測定される粘度を表し、γはペンダントドロップ法により測定された静的表面張力を表す。)
  2. (A)非環式の炭素数6以上のアルカンジオールジ(メタ)アクリレートと、(B)環状モノマーと、(C)光重合開始剤を含有し、
    (A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、(A)成分を10~85質量部、(B)成分を15~90質量部含有し、
    (B)環状モノマーは、環状単官能(メタ)アクリレートと環状2官能(メタ)アクリレートとを含有し、前記環状単官能(メタ)アクリレート及び前記環状2官能(メタ)アクリレートのうちの一方若しくは両方が、脂環式でありかつ分子内に環状構造を3個以上有する(メタ)アクリレートであり、
    環状単官能(メタ)アクリレートと環状2官能(メタ)アクリレートの含有比率は、環状単官能(メタ)アクリレートと環状2官能(メタ)アクリレートの合計100質量部中、質量比で、環状単官能(メタ)アクリレート:環状2官能(メタ)アクリレート=10~95:90~5であり、かつ
    下記の数式(I)、(II)及び(III)を共に満たす有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
    8mPa・s≦η≦50mPa・s ・・・(I)
    14mN/m≦γ≦40mN/m ・・・(II)
    γ/2η<0.9m/s ・・・(III)
    (式中、ηは25℃においてE型粘度計により測定される粘度を表し、γはペンダントドロップ法により測定された静的表面張力を表す。)
  3. (B)環状モノマーが含有する前記環状単官能(メタ)アクリレート及び前記環状2官能(メタ)アクリレートのうちの一方若しくは両方が、脂環式でありかつ分子内に環状構造を3個有する(メタ)アクリレートである、請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
  4. (E)成分として、フッ素原子及び(メタ)アクリロイル基を有する含フッ素モノマーを含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
  5. 前記含フッ素モノマーのフッ素原子含有量が、前記含フッ素モノマーの全量基準で、2~70質量%である、請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
  6. 前記含フッ素モノマーが、式(E-1)で表される化合物、式(E-2)で表される化合物及び式(E-3)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項4又は5に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
    式(E-1)
    Figure 0007203903000024
    [式(E-1)中、
    1は、水素原子又はメチル基を示し、
    2は、フッ化アルキル基、又は、フッ化アルキル基における炭素-炭素結合及び炭素-水素結合の一部に酸素原子が挿入された基、を示す。]
    式(E-2)
    Figure 0007203903000025
    [式(E-2)中、
    3は、水素原子又はメチル基を示し、
    4は、フッ化アルカンジイル基、又は、フッ化アルカンジイル基における炭素-炭素結合及び炭素-水素結合の一部に酸素原子が挿入された基、を示す。複数存在するR3は、互いに同一でも異なっていてもよい。]
    式(E-3)
    Figure 0007203903000026
    [式(E-3)中、
    5は水素原子又はメチル基を示し、
    6は、単結合、アルカンジイル基、フッ化アルカンジイル基、又は、アルカンジイル基若しくはフッ化アルカンジイル基における炭素-炭素結合及び炭素-水素結合の一部に酸素原子が挿入された基、を示し、
    Ar1はフッ化アリール基を示す。]
  7. 前記含フッ素モノマーが、式(E-1-1)で表される化合物、式(E-2-1)で表される化合物及び式(E-3-1)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
    式(E-1-1)
    Figure 0007203903000027
    [式(E-1-1)中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R21は水素原子又はフッ素原子を示し、nは1以上の整数を示す。複数存在するR21は互いに同一でも異なっていてもよい。但し、R21の少なくとも一つはフッ素原子である。]
    式(E-2-1)
    Figure 0007203903000028
    [式(E-2-1)中、R3は水素原子又はメチル基を示し、R41は水素原子又はフッ素原子を示し、mは1以上の整数を示す。複数存在するR41は、互いに同一でも異なっていてもよい。複数存在するR3は、互いに同一でも異なっていてもよい。但し、R41の少なくとも一つはフッ素原子である。]
    式(E-3-1)
    Figure 0007203903000029
    [式(E-3-1)中、R5は水素原子又はメチル基を示し、R61は水素原子又はフッ素原子を示し、R62は水素原子又はフッ素原子を示し、pは0以上の整数を示す。複数存在するR61は、互いに同一でも異なっていてもよい。複数存在するR62は、互いに同一でも異なっていてもよい。但し、R62の少なくとも一つはフッ素原子である。]
  8. (E)成分の含有量が、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、0.1質量部~10質量部の範囲にあることを特徴とする請求項4~7のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
  9. (E)成分が、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9-ヘキサデカフルオロ-1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1H,1H,5H-オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、及び1H,1H,2H,2H-トリデカフルオロオクチル(メタ)アクリレートからなる群から選択される一種以上を含むことを特徴とする請求項4~8のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
  10. インクジェット法を用いて塗布することを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
  11. 2官能(メタ)アクリレートオリゴマー、2官能(メタ)アクリレートポリマー、多官能(メタ)アクリレートオリゴマー、又は多官能(メタ)アクリレートポリマーを含有しないことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
  12. 硬化体のガラス転移温度が65℃以上120℃以下であることを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
  13. (B)成分が、エトキシ化-o-フェニルフェノール(メタ)アクリレート、m-フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、下記の構造式で表されるエトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートからなる群のうちの1種以上を含有することを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
    Figure 0007203903000030
    (式中のRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基である。式中のm、nに関して、m+n=2~10である)
  14. (A)成分が、炭素数12以下のアルカンジオールジ(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1~13のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
  15. (A)成分が、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12-ドデカンジオールジ(メタ)アクリレートからなる群のうちの1種以上を含有することを特徴とする請求項1~14のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
  16. (C)成分が、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキサイドを含有することを特徴とする請求項1~15のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
  17. (C)成分の含有量が、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、0.5~4質量部であることを特徴とする請求項1~16のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
  18. 更に(D)酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1~17のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
  19. (D)成分がヒンダードフェノール系酸化防止剤であることを特徴とする請求項18に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
  20. (D)成分を2種以上含有することを特徴とする請求項18又は19に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
  21. 395nm以上500nm以下の波長で硬化させることを特徴とする請求項1~20のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
  22. 395nmのLEDランプで硬化させることを特徴とする請求項21に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
  23. 請求項1~22のうちのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤を硬化してなる硬化体。
  24. 請求項23に記載の硬化体を含む有機EL装置。
  25. 請求項23に記載の硬化体を含むディスプレイ。
  26. 請求項23に記載の硬化体を含む、フレキシブル性を有するディスプレイ。
  27. 請求項23に記載の硬化体を含む、フレキシブル性を有する有機EL装置。
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