JP2020138477A - 積層体、積層体の製造方法、及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置 - Google Patents

積層体、積層体の製造方法、及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置 Download PDF

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Masahiro Fujitani
昌弘 藤谷
啓之 栗村
Hiroyuki Kurimura
啓之 栗村
山下 幸彦
Yukihiko Yamashita
幸彦 山下
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Abstract

【課題】低透湿でありながら保水性にも優れ、かつ、硬化前において形状自由度に優れる硬化性組成物から形成される積層体を提供する。【解決手段】防湿層と、保水層と、を備え、保水層が、極性基を有する重合性モノマー(b−1)及び重合性基を2以上有する架橋性モノマー(b−2)を含有するモノマー成分(B)の重合体(β)を含み、極性基を有する重合性モノマー(b−1)が、電子供与性基を有する重合性モノマー(b−1−1)及び電子求引性基を有する重合性モノマー(b−1−2)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する、積層体。【選択図】なし

Description

本発明は、積層体、積層体の製造方法、及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子(OLED素子ともいう)は高い輝度による発光が可能な素子体として注目を集めている。しかしながら有機EL表示素子には、水分により劣化し、発光特性が低下してしまうという課題があった。
このような課題を解決するために、有機EL表示素子を封止し、水分による劣化を防止する技術が検討されている。例えば、特許文献1〜5に開示されているような、フリップガラスやシール材といった封止剤により、有機EL表示素子を封止する方法が挙げられる。
国際公開第2015/136580号 国際公開第2012/020688号 特開2011−131395号公報 特開2001−232707号公報 特開平8−244172号公報
しかしながら、上記の特許文献に記載の従来技術は、以下の点で改善の余地を有していた。
特許文献1には、有機EL層と有機EL層の少なくとも一方の主面側に設けられた吸湿層とを兼ね備えた素子構成が開示されている。この場合、素子に対して浸入してくる水分は吸湿層で保持され、素子への水分浸入が阻害されるが、吸湿層自身が吸着する水分の量を減少できないという課題があった。
特許文献2には、電子デバイス用途として低透湿性樹脂組成物が記載されている。この樹脂組成物は、電子素子に対する水分の侵入量を抑制するが、水分が浸入した際の保水機能がないため、浸入した水分を電子素子へ容易に到達させてしまい、信頼性に劣るという課題があった。
特許文献3〜5には、吸湿性(又は吸水性)を有する積層シート又は積層フィルムが記載されている。このようなシート又はフィルムは、封止剤として用いる場合、液状の硬化性樹脂と比較して、形状自由度が小さく、複雑な形状に追従しにくいという課題があった。
このように、上述した従来技術では、有機EL表示素子への水分の侵入を効果的に抑制しつつ、複雑な形状に対して追従しやすい封止剤を得ることが困難であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、低透湿でありながら保水性にも優れ、かつ、硬化前において形状自由度に優れる硬化性組成物から形成される積層体及びその製造方法、当該積層体を得るための塗液及びキット、並びに当該積層体を用いた有機エレクトロルミネッセンス表示装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の側面は、防湿層と、保水層と、を備え、保水層が、極性基を有する重合性モノマー(b−1)及び重合性基を2以上有する架橋性モノマー(b−2)を含有するモノマー成分(B)の重合体(β)を含み、極性基を有する重合性モノマー(b−1)が、電子供与性基を有する重合性モノマー(b−1−1)及び電子求引性基を有する重合性モノマー(b−1−2)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する、積層体を提供する。
第1の側面において、防湿層が、ハロゲン原子を有する重合性モノマー(a−1)を含有するモノマー成分(A)の重合体(α)を含んでいてよい。
モノマー成分(A)が重合開始剤(c)を更に含有してよく、重合開始剤(c)は光重合開始剤であることが好ましい。
モノマー成分(A)の保水層に対する接触角は、好ましくは95°以下である。
第1の側面において、防湿層は、厚み0.1mm当たりの、温度60℃、相対湿度90%の環境下で測定される透湿度が70g/m・24時間以下の層であってもよい。
電子供与性基を有する重合性モノマー(b−1−1)は、好ましくは、アミノ基、アミド基、ホスフィン基、ケトン基、エステル基、エーテル基、チオエーテル基及びチオエステル基からなる群より選ばれる少なくとも一種の電子供与性基を有するモノマー、酸無水物、酸ハライド、並びに、Si−O−C結合を有する有機ケイ素化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
電子供与性基を有する重合性モノマー(b−1−1)は、25℃の水溶液中における酸解離定数が8以上14以下となるモノマーであってよい。
極性基を有する重合性モノマー(b−1)が、電子供与性基を有する重合性モノマー(b−1−1)と電子求引性基を有する重合性モノマー(b−1−2)とを含有してもよい。
モノマー成分(B)において、電子求引性基を有する重合性モノマー(b−1−2)の含有量に対する電子供与性基を有する重合性モノマー(b−1−1)の含有量のモル比は、好ましくは、0.01以上1.5以下である。
電子求引性基を有する重合性モノマー(b−1−2)は、好ましくは、ヒドロキシル基、スルホン酸基、カルボン酸基、ニトリル基、アルデヒド基、ニトロ基及びホスフェート基からなる群より選ばれる少なくとも一種の電子求引性基を有する。
電子求引性基を有する重合性モノマー(b−1−2)は、25℃の水溶液中における酸解離定数が−15以上5以下となるモノマーであってよい。
モノマー成分(B)において、架橋性モノマー(b−2)の含有量に対する、極性基を有する重合性モノマー(b−1)の含有量のモル比は、好ましくは0.05以上10以下である。
架橋性モノマー(b−2)は、好ましくは、2以上10以下の重合性基を有する。
モノマー成分(B)は重合開始剤(d)を更に含有してよく、重合開始剤(d)は光重合開始剤であることが好ましい。
保水層は、23℃の水中に24時間浸漬させた場合の保水率が50質量%以上である層であることが好ましい。
保水層の厚みに対する防湿層の厚みの比は、好ましくは0.1以上9以下である。
本発明の第1の側面に係る積層体は、好ましくは、有機エレクトロルミネッセンス表示素子の封止剤として用いられる。
本発明の第2の側面は、上記の積層体における保水層を形成するための塗液であって、
極性基を有する重合性モノマー(b−1)及び重合性基を2以上有する架橋性モノマー(b−2)と、を含有し、極性基を有する重合性モノマー(b−1)が、電子供与性基を有する重合性モノマー(b−1−1)及び電子求引性基を有する重合性モノマー(b−1−2)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する、塗液を提供する。
本発明の第3の側面は、上記の積層体における防湿層を形成するための塗液であって、ハロゲン原子を有する重合性モノマー(a−1)を含有する、塗液を提供する。
本発明の第4の側面は、上記の積層体を形成するためのキットであって、極性基を有する重合性モノマー(b−1)及び重合性基を2以上有する架橋性モノマー(b−2)と、を含有するモノマー成分(B)を含む第一の塗液と、ハロゲン原子を有する重合性モノマー(a−1)を含有するモノマー成分(A)を含む第二の塗液と、を備える、キットを提供する。
本発明の第5の側面は、有機エレクトロルミネッセンス表示素子と、上記の積層体と、を備える、有機エレクトロルミネッセンス表示装置を提供する。
第5の側面において、積層体が、有機エレクトロルミネッセンス表示素子側に保水層が位置するように配置されることが好ましい。
本発明の第6の側面は、モノマー成分(B)を含む塗膜を硬化させて保水層を得る工程と、保水層上に、塗液の塗布及び硬化によって防湿層を形成する工程と、を備え、モノマー成分(B)が、極性基を有する重合性モノマー(b−1)及び重合性基を2以上有する架橋性モノマー(b−2)を含有する、積層体の製造方法を提供する。
第6の側面において、塗液は、ハロゲン原子を有する重合性モノマー(a−1)を含有するモノマー成分(A)を含むことが好ましい。
本発明によれば、低透湿でありながら保水性にも優れ、かつ、硬化前において形状自由度に優れる硬化性組成物から形成される積層体及びその製造方法、当該積層体を得るための塗液及びキット、並びに当該積層体を用いた有機エレクトロルミネッセンス表示装置を提供できる。
以下、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本明細書に記載される数値範囲は、別段の断りがない限りは、上限値と下限値を含むものとする。本明細書においては、別段の断りがない限りは、以下定義する。(メタ)アクリレートとはアクリレート又はメタクリレートを表し、「(メタ)アクリロイルオキシ」や「(メタ)アクリルアミド」等の表記も同様の意味を有する。
一実施形態に係る積層体は、防湿層と、防湿層の一方面側に配置された保水層とを備える。
<積層体>
保水層は、水分(例えば、水蒸気)を取り込み保持する機能を有する。一実施形態において、保水層は、極性基を有する重合性モノマー(b−1)、及び重合性基を2以上有する架橋性モノマー(b−2)を含有するモノマー成分(B)の重合体(β)を含む。極性基を有する重合性モノマー(b−1)は、電子供与性基を有する重合性モノマー(b−1−1)及び電子求引性基を有する重合性モノマー(b−1−2)からなる群より選ばれる少なくとも1種を必須成分として含有する。
電子供与性基を有する重合性モノマー(b−1−1)(以下、「重合性モノマー(b−1−1)ともいう。」)は、ラジカル重合可能な重合体であってよい。重合性モノマー(b−1−1)は、例えば、アミノ基、アミド基、ホスフィン基、ケトン基、エステル基、エーテル基、チオエーテル基及びチオエステル基からなる群より選択される少なくとも一種の電子供与性基を有するモノマーであってよい。また、重合性モノマー(b−1−1)は、酸無水物、酸ハライド、Si−O−C結合を有する有機ケイ素化合物等であってもよい。重合性モノマー(b−1−1)は、硬化速度に優れる観点から、好ましくは、上記の電子供与性基を有する(メタ)アクリル誘導体である。
重合性モノマー(b−1−1)としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、4−(メタ)アクリロイル−1,2,2,6,6−ペンタトリルピペリジン、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルフォリン、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられてよい。
重合性モノマー(b−1−1)は、後述する電子求引性基を有する重合性モノマー(b−1−2)との相互作用の観点から、好ましくは、(メタ)アクリロイルモルフォリン、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートである。
重合性モノマー(b−1−1)は、重合性モノマー(b−1−1)を含む水溶液の25℃における酸解離定数が8以上14以下となるモノマーであってよい。重合性モノマー(b−1−1)を含む水溶液の25℃における酸解離定数は、10以上、10.5以上、又は11以上であってもよく、13以下、12.5以下、又は12以下であってもよい。
極性基を有する重合性モノマー(b−1)は、電子求引性基を有するモノマー(b−1−2)(以下、「重合性モノマー(b−1−2)」ともいう。)を更に含有してもよい。重合性モノマー(b−1−2)は、ヒドロキシル基、スルホン酸基、カルボン酸基、ニトリル基、アルデヒド基、ニトロ基及びホスフェート基からなる群より選択される少なくとも一種の電子求引性基を有するモノマーであってよい。
重合性モノマー(b−1−2)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクロイロキシエチルアシッドホスフェート等が挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられてよい。
重合性モノマー(b−1−2)は、25℃の水溶液中における酸解離定数が−15以上5以下となるモノマーであってよい。重合性モノマー(b−1−2)の酸解離定数は、−14以上、−13以上、又は−12以上であってもよく、4.5以下、3以下、又は2以下であってもよい。
モノマー成分(B)において、重合性モノマー(b−1−2)の含有量に対する重合性モノマー(b−1−1)の含有量のモル比(重合性モノマー(b−1−1)/重合性モノマー(b−1−2))は、好ましくは0.01以上1.5以下である。当該モル比は、0.03以上、0.05以上、0.1以上、又は0.3以上であってもよく、1.0以下、0.8以下、0.7以下、又は0.6以下であってもよい。
極性基を有する重合性モノマー(b−1)の含有量は、モノマー成分(B)全量基準で、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは40質量%以上であり、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは80質量%以下である。
重合性モノマー(b−1−1)と重合性モノマー(b−1−2)の含有割合は、極性基を有する重合性モノマー(b−1)100質量部中、質量比で、重合性モノマー(b−1−1):重合性モノマー(b−1−2)=5〜95:5〜95が好ましく、10〜90:10〜90がより好ましく、20〜80:20〜80が最も好ましく、40〜60:40〜60が尚更好ましい。
重合性基を2以上有する架橋性モノマー(b−2)(以下、「架橋性モノマー(b−2)」ともいう。)は、重合体(β)を支持する役割を有する。架橋性モノマー(b−2)が有する重合性基の数は、好ましくは2以上10以下であり、より好ましくは2以上8以下であり、更に好ましくは2以上5以下である。
架橋性モノマー(b−2)としては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(例えば、PEG#200ジ(メタ)アクリレート、PEG#400ジ(メタ)アクリレート、PEG#600ジ(メタ)アクリレート)、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。架橋性モノマー(b−2)は、これらを1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられてよい。
架橋性モノマー(b−2)は、好ましくは、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレートである。
架橋性モノマー(b−2)の含有量は、モノマー成分(B)全量基準で、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であり、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。
モノマー成分(B)において、架橋性モノマー(b−2)の含有量に対する、極性基を有する重合性モノマー(b−1)の含有量のモル比(極性基を有する重合性モノマー(b−1)/架橋性モノマー(b−2))は、0.05以上10以下であってよい。当該モル比は、0.1以上、1.0以上、1.5以上、又は1.7以上であってもよく、7.0以下、6.0以下、5.5以下、又は5.0以下であってもよい。
モノマー成分(B)は、可視光線や紫外線の活性光線によりモノマー成分(B)を増感させて光硬化させる反応を促進するため、重合開始剤(d)を更に含有してもよい。重合開始剤(d)は、好ましくは光重合開始剤であり、より好ましくは光ラジカル重合開始剤である。
重合開始剤(d)としては、例えば、ベンゾフェノン及びその誘導体、ベンジル及びその誘導体、エントラキノン及びその誘導体、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン誘導体、ジエトキシアセトフェノン、4−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体、2−ジメチルアミノエチルベンゾエート、p−ジメチルアミノエチルベンゾエート、ジフェニルジスルフィド、チオキサントン及びその誘導体、カンファーキノン、7,7−ジメチル−2,3−ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボン酸、7,7−ジメチル−2,3−ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボキシ−2−ブロモエチルエステル、7,7−ジメチル−2,3−ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボキシ−2−メチルエステル、7,7−ジメチル−2,3−ジオキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−1−カルボン酸クロライド等のカンファーキノン誘導体、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等のα−アミノアルキルフェノン誘導体、ベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、ベンゾイルジエトキシホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジメトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジエトキシフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6―トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド誘導体、フェニル−グリオキシリックアシッド−メチルエステル、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステル及びオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]−エチルエステル等が挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いられてよい。
重合開始剤(d)は、モノマー成分(D)を硬化させる時に390nm以上の可視光線のみを用いて硬化させることができ、有機エレクトロルミネッセンス表示素子にダメージを与えないで硬化させることができる観点から、アシルホスフィンオキサイド誘導体が好ましい。アシルホスフィンオキサイド誘導体の中では、ディスプレイとした時に可視光線での透過性が低下せずに、395nm以上の光のみを用いて硬化させることができる観点から、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイドがより好ましい。2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイドの市販品としては、BASFジャパン社製「Irgacure TPO」等が挙げられる。
重合開始剤(d)の含有量は、モノマー成分(B)全量基準で、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上であり、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
モノマー成分(B)は、上述した、極性基を有する重合性モノマー(b−1)、架橋性モノマー(b−2)、及び重合開始剤(d)以外の他の成分を含有してもよい。
保水層の厚みは、30μm以上、50μm以上、又は80μm以上であってよく、90μm以下であってよい。
保水層は、有機EL表示素子の封止剤として使用された場合の信頼性を向上させる観点から、保水率が50質量%以上であることが好ましい。保水率は、JIS Z0208に準じて測定することができ、水温23℃の水の中に積層体を浸漬させた場合に、浸漬開始から24時間経過後の質量増加率から算出される。
防湿層は、外部からの水分の侵入を抑制する機能を有する。防湿層は、一実施形態において、ハロゲン原子を有する重合性モノマー(a−1)を含有するモノマー成分(A)の重合体(α)を含む。
ハロゲン原子を有する重合性モノマー(a−1)(以下、「重合性モノマー(a−1)ともいう。)は、ラジカル重合、又はアニオン重合が可能なモノマーであってよい。重合性モノマー(a−1)におけるハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であってよい。
重合性モノマー(a−1)は、硬化速度に優れる観点から、好ましくは、(メタ)アクリル誘導体、及びエポキシ誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
(メタ)アクリル誘導体である重合性モノマー(a−1)としては、例えば、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロ−1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、及び1H,1H,2H,2H−トリデカフルオロオクチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エポキシ誘導体である重合性モノマー(a−1)としては、例えば、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、2,2',6,6'−テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールヘキサフルオロアセトンジグリシジルエーテル、ビス−β−トリフルオロメチルジグリシジルビスフェノールA等が挙げられる。
重合性モノマー(a−1)の含有量は、モノマー成分(A)全量基準で、好ましくは90質量%以上、より好ましくは85質量%以上、更に好ましくは90質量%以上であってよい。
モノマー成分(A)は、可視光線や紫外線の活性光線によりモノマー成分(A)を増感させて光硬化させる反応を促進するため、重合開始剤(c)を更に含有してもよい。重合開始剤(c)は、好ましくは光重合開始剤であり、より好ましくは光ラジカル重合開始剤である。重合開始剤(c)の種類及び含有量は、上述した重合開始剤(d)と同様であってよい。
モノマー成分(A)は、上述した、ハロゲン原子を有する重合性モノマー(a−1)、及び重合開始剤(c)以外の他の成分を含有してもよい。他の成分としては、ハロゲン原子を有しない重合性モノマー(a−2)(以下、「重合性モノマー(a−2)ともいう。)が挙げられる。
重合性モノマー(a−2)は、エポキシ誘導体であってよい。重合性モノマー(a−2)としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、2,2',6,6'− テトラメチルビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールA型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、レゾルシノージグリシジルエーテル等の二官能型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは1種単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
重合性モノマー(a−2)の含有量は、モノマー成分(A)全量基準で、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上であってよく、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下であってよい。
モノマー成分(A)は、上述した保水層に対する接触角が95°以下であることが好ましい。これにより、保水層上に防湿層を設ける際、モノマー成分(A)を配置しやすくすることができる。モノマー成分(A)の保水層に対する接触角は、90°以下、86°以下、又は84°以下であってもよい。
防湿層は、他の一実施形態において、厚み0.1mm当たりの、温度60℃、相対湿度90%の環境下で測定される透湿度が70g/m・24時間以下の層である。透湿度は、厚さ0.1mmのシート状の重合体(α)を作製し、JIS Z0208:1976「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)」に準じ、吸湿剤として塩化カルシウム(無水)を用い、雰囲気温度60℃、相対湿度90%の条件で測定することができる。
他の一実施形態に係る防湿層は、重合性基を有するモノマーを含有するモノマー成分(モノマー成分(C))の重合体(γ)であってよい。モノマー成分(C)に含まれる重合性基を有するモノマーは特に限定されないが、上述したハロゲン原子を有する重合性モノマー(a−1)を含有してよく、ハロゲン原子を有しない重合性モノマー(a−2)を含有してもよい。モノマー成分(C)は、重合性モノマー(a−1)及び重合性モノマー(a−2)の両方を含有してもよい。
モノマー成分(C)は、上述した重合開始剤(c)を含有してもよい。モノマー成分(C)は、上述した、ハロゲン原子を有する重合性モノマー(a−1)、ハロゲン原子を有しない重合性モノマー(a−2)、及び重合開始剤(c)以外の他の成分を含有してもよい。
防湿層の厚みは、いずれの実施形態においても、30μm以上、50μm以上、又は80μm以上であってよく、90μm以下であってよい。
本実施形態に係る積層体において、保水層の厚みに対する防湿層の厚みの比(防湿層/保水層)は、0.1以上9以下であってよい。厚みの比は、0.5以上、0.7以上、又は1以上であってもよく、8以下、7以下、又は6以下であってもよい。
積層体の透湿度は、水分の透過を更に抑制できる観点から、好ましくは150以下、より好ましくは100以下、更に好ましくは80以下である。
<積層体の製造方法>
次に、積層体の製造方法を説明する。一実施形態に係る積層体の製造方法は、モノマー成分(B)を含む塗膜を硬化させて、保水層を得る工程と、保水層上に、塗液の塗布及び硬化によって防湿層を形成する工程と、を備える。
を備える。
保水層を得る工程においては、まず、上述したモノマー成分(B)を所望の箇所に塗布する。モノマー成分(B)を塗布する方法は、例えば、インクジェット塗布等が挙げられる。塗布は、短時間で膜厚3μm以上の平坦性に優れる塗布が可能であるため、インクジェット塗布が好ましい。本実施形態に係るモノマー成分(B)は、インクジェットによる吐出性とインクジェット塗布後の平坦性に優れている。
次に、塗液を硬化させることにより、モノマー成分(B)の重合体(β)を含む保水層を得る。硬化方法は、モノマー成分(B)に光を照射する方法であってよい。
次に、保水層上に、塗液の塗布及び硬化によって、保水層上に防湿層を形成する。防湿層を形成するためのモノマー成分は、上述したモノマー成分(A)又はモノマー成分(C)であってよい。モノマー成分を塗布する方法、及び硬化方法は、上述したモノマー成分(B)の塗布方法及び硬化方法と同様であってよい。
本実施形態に係る製造方法により、保水層上に防湿層を備える積層体を得ることができる。この製造方法では、形状自由度の高いモノマー成分を塗布できるため、複雑な形状を有する箇所にも効果的に積層体を形成することができる。
<塗液>
本発明は、上述した積層体における保水層を形成するための塗液を提供するということもできる。一実施形態に係る塗液は、上述した積層体における保水層を形成するための塗液であって、塗液が、極性基を有する重合性モノマー(b−1)及び重合性基を2以上有する架橋性モノマー(b−2)と、を含有し、極性基を有する重合性モノマー(b−1)が、電子供与性基を有する重合性モノマー(b−1−1)、及び電子求引性基を有する重合性モノマー(b−1−2)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する。各モノマーについては上述した態様と同様であるため説明を省略する。塗液は、上述した重合開始剤(d)を更に含有してもよい。
他の一実施形態に係る塗液は、上述した積層体における防湿層を形成するための塗液であって、塗液が、塗液が、ハロゲン原子を有する重合性モノマー(a−1)を含有する。重合性モノマー(a−1)については上述した態様と同様であるため説明を省略する。塗液は、上述した重合開始剤(c)を更に含有してもよい。
<キット>
本発明はまた、上述した積層体を形成するための塗液を備えるキットを提供するということもできる。一実施形態に係るキットは、極性基を有する重合性モノマー(b−1)及び重合性基を2以上有する架橋性モノマー(b−2)と、を含有するモノマー成分(B)を含む第一の塗液と、ハロゲン原子を有する重合性モノマー(a−1)を含有するモノマー成分(A)を含む第二の塗液と、を備える。各モノマーについては上述した態様と同様であるため説明を省略する。第一の塗液は、上述した上述した重合開始剤(d)を更に含有してよく、第二の塗液は、上述した重合開始剤(c)を更に含有してもよい。
<有機エレクトロルミネッセンス表示装置>
上述した積層体は、有機エレクトロルミネッセンス表示装置における、有機エレクトロルミネッセンス表示素子の封止剤として用いることができる。すなわち、一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置(有機EL表示装置)は、有機エレクトロルミネッセンス表示素子と、上述した積層体と、を備える。
有機EL表示装置において、積層体は、好ましくは、有機EL表示素子側に保水層が位置するように配置されている。これにより、防湿層が外部からの水分の侵入を抑制すると共に、防湿層を通過して侵入した水分を保水層が保持するため、有機EL表示素子に水分が到達することを効果的に抑制することができる。
以下、有機EL表示装置の一実施形態を、基板上に形成された有機EL表示素子の基板と反対側から光を出射するトップエミッション型の有機EL表示装置を例に説明する。トップエミッション型の有機EL表示装置は、基板上に、陽極と、発光層を含む有機EL層と、陰極が順に積層された有機EL表示素子と、この有機EL表示素子全体を覆う封止層と、封止層上に設けられる封止基板が順に形成された構造を有する。上述した積層体は、当該装置において封止層として用いることができる。
封止層は、水蒸気、又は酸素等の気体が有機EL表示素子に接触することを抑制するために、上記水分及び気体に対して高いバリア性を有する層で有機EL表示素子を封止するために、設けられる。この封止層は、無機物膜と、上記積層体からなる有機物膜とが下から交互に形成されてもよい。無機/有機積層体は2回以上繰り返して形成されてもよい。
各有機EL表示素子への電流を画素毎に設けた薄膜トランジスタ(TFT)によって制御するアクティブマトリクス方式の表示装置においては、TFTや青色、緑色、赤色の画素を区切る隔壁による0.5μm〜3μmの凹凸が、陰極若しくは陽極と封止層の間に存在する。アクティブマトリクス方式の表示装置においては封止層により上述の凹凸を平坦化し発光との干渉の影響を小さくし、更に封止性能を向上させる必要がある。本実施形態に係る封止剤(積層体)により当該封止層を形成すると、良好な平坦性が得られる効果を奏しうる。
封止層が無機/有機積層体である場合、無機物膜は、有機EL表示装置が置かれる環境に存在する水蒸気、又は酸素等の気体に有機EL表示素子が曝されることを防止するために設けられる膜である。無機/有機積層体の無機物膜は、ピンホール等の欠陥が少ない連続的な緻密な膜であることが好ましい。無機物膜としては、SiN膜、SiO膜、SiON膜、Al23膜、AlN膜等の単体膜やこれらの積層膜等が挙げられる。
無機/有機積層体の有機物膜は、無機物膜上に形成されたピンホール等の欠陥を被覆するために、表面に平坦性を付与するために、設けられる。有機物膜は、無機物膜が形成される領域よりも狭い領域に形成される。これは、有機物膜を無機物膜の形成領域と同じか又はそれよりも広く形成すると、有機物膜が露出する領域で劣化してしまうからである。但し、封止層全体の最上層に形成される最上位有機物膜は、無機物膜の形成領域とほぼ同じ領域に形成される。そして、封止層の上面が平坦化されるように形成される。有機物膜としては、上記した無機物膜との密着性能が良好な接着機能を有する組成物が用いられる。
有機EL表示装置における基板としては、ガラス基板、シリコン基板、プラスチック基板等種々のものを用いることができる。これらの中では、ガラス基板、プラスチック基板からなる群のうちの1種以上が好ましく、ガラス基板がより好ましい。
プラスチック基板に用いられるプラスチックとしては、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリオキサジアゾール、芳香族ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾビスチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリチアゾール、ポリパラフェニレンビニレン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィン、ポリアクリル等が挙げられる。これらの中では、低水分透過性、低酸素透過性、耐熱性に優れる点で、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリオキサジアゾール、芳香族ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾビスチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリチアゾール、ポリパラフェニレンビニレンからなる群のうちの1種以上が好ましく、紫外線又は可視光線等のエネルギー線の透過性が高い点で、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートからなる群のうちの1種以上がより好ましい。
陽極としては、比較的仕事関数が大きく、(4.0eVより大きな仕事関数を持つものが好適である)、導電性の金属酸化物膜や半透明の金属薄膜等が一般的に用いられる。陽極の材料としては例えば、インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide、以下、ITOという)、酸化スズ等の金属酸化物、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、銅(Cu)等の金属又はこれらのうちの少なくとも1個を含有する合金、ポリアニリン又はその誘導体、ポリチオフェン又はその誘導体等の有機の透明導電膜等が挙げられる。陽極は、必要があれば2層以上の層構成により形成できる。陽極の膜厚は、電気伝導度を(ボトムエミッション型の場合には、光の透過性も)考慮して、適宜選択できる。陽極の膜厚は、10nm〜10μmが好ましく、20nm〜1μmがより好ましく、50nm〜500nmが最も好ましい。陽極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。トップエミッション型の場合には、基板側に出射される光を反射させるための反射膜を陽極の下に設けてもよい。
有機EL層は、少なくとも有機物からなる発光層を含んでいる。この発光層は、発光性材料を含有する。発光性材料としては、蛍光又は燐光を発光する有機物(低分子化合物又は高分子化合物)等が挙げられる。発光層は、更に、ドーパント材料を含有してもよい。有機物としては、色素系材料、金属錯体系材料、高分子材料等が挙げられる。ドーパント材料は、有機物の発光効率の向上や発光波長を変化させる等の目的で、有機物中にドープされるものである。これらの有機物と必要に応じてドープされるドーパントからなる発光層の厚さは、通常2〜200nmである。
[色素系材料]
色素系材料としては、シクロペンダミン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン誘導体、ペリレン誘導体、オリゴチオフェン誘導体、トリフマニルアミン誘導体、オキサジアゾールダイマー、ピラゾリンダイマー等が挙げられる。
[金属錯体系材料]
金属錯体系材料としては、イリジウム錯体、白金錯体等の三重項励起状態からの発光を有する金属錯体、アルミキノリノール錯体、ベンゾキノリノールベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、ユーロピウム錯体等といった、金属錯体等が挙げられる。金属錯体としては、中心金属に、テルビウム(Tb)、ユウロピウム(Eu)、ジスプロシウム(Dy)等の希土類金属、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)、ベリリウム(Be)等を有し、配位子に、オキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンゾイミダゾール、キノリン構造等を有する金属錯体等が挙げられる。これらの中では、中心金属にアルミニウム(Al)を有し、配位子にキノリン構造等を有する金属錯体が好ましい。中心金属にアルミニウム(Al)を有し、配位子にキノリン構造等を有する金属錯体の中では、トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウムが好ましい。
[高分子材料]
高分子材料としては、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、上記色素体や金属錯体系等の発光性材料を高分子化した物等が挙げられる。発光性材料としては、青色に発光する材料、緑色に発光する材料、赤色に発光する材料等が挙げられる。
上記発光性材料のうち、青色に発光する材料としては、ジスチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、これらの重合体等が挙げられる。これらの中では、高分子材料が好ましい。高分子材料の中では、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体からなる群のうちの1種以上が好ましい。
緑色に発光する材料としては、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、これらの重合体等が挙げられる。これらの中では、高分子材料が好ましい。高分子材料の中では、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体からなる群のうちの1種以上が好ましい。
赤色に発光する材料としては、クマリン誘導体、チオフェン環化合物、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体、これらの重合体等が挙げられる。これらの中では、高分子材料が好ましい。高分子材料の中では、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフルオレン誘導体からなる群のうちの1種以上が好ましい。
[ドーパント材料]
ドーパント材料としては、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル系色素、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、フェノキサゾン等が挙げられる。
有機EL層は、発光層以外に、発光層と陽極との間に設けられる層と、発光層と陰極との間に設けられる層と、を適宜設けることができる。まず、発光層と陽極との間に設けられる層としては、陽極からの正孔注入効率を改善する正孔注入層、陽極又は正孔注入層から注入された正孔を発光層へ輸送する正孔輸送層等が挙げられる。発光層と陰極との間に設けられる層としては、陰極からの電子注入効率を改善する電子注入層、陰極又は電子注入層から注入された電子を発光層へ輸送する電子輸送層等が挙げられる。
[正孔注入層]
正孔注入層を形成する材料としては、4’,4”−トリス{2−ナフチル(フェニル)アミノ}トリフェニルアミン等のフェニルアミン系、スターバースト型アミン系、フタロシアニン系、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化アルミニウム等の酸化物、アモルファスカーボン、ポリアニリン、ポリチオフェン誘導体等が挙げられる。
[正孔輸送層]
正孔輸送層を構成する材料としては、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖若しくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ベンジジン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリアリールアミン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)若しくはその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)若しくはその誘導体等が挙げられる。
これらの正孔注入層又は正孔輸送層が、電子の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの正孔輸送層や正孔注入層を電子ブロック層ということもある。
[電子輸送層]
電子輸送層を構成する材料としては、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体等が挙げられる。誘導体としては、金属錯体等が挙げられる。これらの中では、8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体が好ましい。8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の中では、発光層中に含有する、蛍光又は燐光を発光する有機物としても使用できる点で、トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウムが好ましい。
[電子注入層]
電子注入層としては、発光層の種類に応じて、カルシウム(Ca)層の単層構造からなる電子注入層、又は、周期律表IA族とIIA族の金属であり、且つ、仕事関数が1.5〜3.0eVの金属及びその金属の酸化物、ハロゲン化物及び炭酸化物からなる群のうちの1種以上で形成された層の単層構造、又は、周期律表IA族とIIA族の金属であり、且つ、仕事関数が1.5〜3.0eVの金属及びその金属の酸化物、ハロゲン化物及び炭酸化物からなる群のうちの1種以上で形成された層とCa層との積層構造からなる電子注入層等が挙げられる。仕事関数が1.5〜3.0eVの、周期律表IA族の金属又はその酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物としては、リチウム(Li)、フッ化リチウム、酸化ナトリウム、酸化リチウム、炭酸リチウム等が挙げられる。仕事関数が1.5〜3.0eVの、周期律表IIA族の金属又はその酸化物、ハロゲン化物、炭酸化物としては、ストロンチウム(Sr)、酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウム、酸化ストロンチウム、炭酸マグネシウム等が挙げられる。
これらの電子輸送層又は電子注入層が、正孔の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの電子輸送層や電子注入層を正孔ブロック層ということもある。
陰極としては、仕事関数が比較的小さく(4.0eVより小さな仕事関数を持つものが好適である)、発光層への電子注入が容易な透明又は半透明の材料が好ましい。陰極の材料としては、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、アルミニウム(Al)、スカンジウム(Sc)、バナジウム(V)、亜鉛(Zn)、イットリウム(Y)、インジウム(In)、セリウム(Ce)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、テルビウム(Tb)、イッテルビウム(Yb)等の金属、又は上記金属のうち2種以上からなる合金、若しくはそれらのうち1種以上と、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、銅(Cu)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、スズ(Sn)のうち1種以上とからなる合金、又は、グラファイト若しくはグラファイト層間化合物、又は、ITO、酸化スズ等の金属酸化物等が挙げられる。
陰極を2層以上の積層構造としてもよい。2層以上の積層構造としては、上記の金属、金属酸化物、フッ化物、これらの合金と、Al、Ag、Cr等の金属との積層構造等が挙げられる。陰極の膜厚は、電気伝導度や耐久性を考慮して、適宜選択することができる。陰極の膜厚は、10nm〜10μmが好ましく、15nm〜1μmがより好ましく、20nm〜500nmが最も好ましい。陰極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、金属薄膜を熱圧着するラミネート法等が挙げられる。
これらの発光層と陽極との間と、発光層と陰極との間に設けられる層は、製造する有機EL表示装置に求められる性能に応じて、適宜選択可能である。例えば、本実施形態で使用される有機EL表示素子の構造としては、下記の(i)〜(xv)の層構成のいずれかを有することができる。
(i)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
(ii)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(iii)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(iv)陽極/正孔注入層/発光層/陰極
(v)陽極/発光層/電子注入層/陰極
(vi)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
(vii)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
(viii)陽極/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
(ix)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
(x)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/陰極
(xi)陽極/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(xii)陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(xiii)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(xiv)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(xv)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(ここで、「/」は各層が隣接して積層されていることを示す。)
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の試験においては、下記に示す材料を用いた。
[モノマー成分(A)]
(a−1:ハロゲン原子を有する重合性モノマー)
a−1−1:フッ素原子を有する(メタ)アクリル誘導体(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロ-1,10-デカンジオールジアクリレート、商品名「LINC−162A」、共栄社化学株式会社)
a−1−2:臭素原子を有するエポキシ誘導体(ジブロモフェノキシメチルオキザリン、商品名「BR−250」、日本化薬株式会社)
a−1−3:臭素原子を有するエポキシ誘導体(2,2−ビス(4−グリシジル−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、商品名「エピクロン152」、DIC株式会社)
(a−2:ハロゲン原子を有しない重合性モノマー)
二官能脂環式エポキシ誘導体(3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、商品名「セロキサイド2021P」、株式会社ダイセル)
(c、d:光重合開始剤)
c−1、d:ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(TPO)(商品名「Irgacure TPO」、BASFジャパン社)
c−2:ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、(商品名「CPI−110A」、サンアプロ株式会社)
[モノマー成分(B)]
(b−1−2:電子求引性基を有する重合性モノマー)
b−1−2−1:メタクリル酸(25℃の水溶液中における酸解離定数は4.58、商品名「AM」、三菱ガス化学株式会社)
(b−1−1:電子供与性基を有する重合性モノマー)
b−1−1−1:2−ヒドロキシエチルメタクリレート(25℃の水溶液中における酸解離定数は13.83、商品名「HEMA」、三菱レイヨン株式会社)
b−1−1−2:アクリロイルモルフォリン(25℃の水溶液中における酸解離定数は8.33、商品名「ACMO」、KJケミカルズ株式会社製)
b−1−1−3:ジメチルアミノエチルメタクリレート(25℃の水溶液中における酸解離定数は8.18、商品名「ライトエステルDM」、共栄社化学株式会社)
b−1−1−4:ジメチルアクリルアミド(25℃の水溶液中における酸解離定数は10.78、商品名「DMAA」、KJケミカルズ株式会社)
(b−2:架橋性モノマー)
b−2−1:1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(商品名「ライトアクリレート1.6HXA」、共栄社化学株式会社)
b−2−2:1,10−デカンジオールジアクリレート(商品名「CD595」、サートマー社)
b−2−3:ペンタエリスリトールトリアクリレート(商品名「アロニックスM−305」、東亞合成株式会社)
[重合体(β)]
表1に示す組成に基づき各材料を混合して、実施例及び比較例に係るモノマー成分(B)を調製した。モノマー成分(B)を基材上に塗布し、光を照射して、1cm×1cm、厚さ1mmの重合体(β)のシートを得た。光照射の方法としては、395nmの波長を発光するLEDランプ(UV−LED LIGHT SOURCE H−4MLH200−V1、HOYA株式会社製)により、395nmの波長の積算光量1,500mJ/cm2の条件にて行った。
下記の試験を、温度23℃、相対湿度50%の環境下で行った。重合体(β)のシートを、JIS Z0208に準じて、水温23℃の水中に浸漬させた。浸漬開始から24時間後の質量増加率を算出し、吸水率を求めた。吸水率を測定してから、温度23℃、相対湿度50%の環境下で、重合体(β)のシートを大気中で4時間放置して養生し、保水率を求めた。下記式により、重合体(β)の吸水率及び保水率を求めた。
吸水率(24時間吸水率)=(((浸漬後の質量)―(浸漬前の質量))/(浸漬前の質量))×100(%)
保水率=(4時間吸水率)=(4時間保水量)/(24時間吸水率))×100(%)
4時間保水量=((養生後の質量)―(養生前の質量))
[重合体(α)]
表1に示す組成に基づき各材料を混合して、実施例及び比較例に係るモノマー成分(A)を調製した。モノマー成分(A)を基材上に塗布し、上述した条件にて光を照射して、1cm×1cm、厚さ0.1mmの重合体(α)のシートを得た。
重合体(α)のシートについて、密度及び透湿度を測定した。密度は、JIS K7112:1999「プラスチック−非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法」により測定した。透湿度は、JIS Z0208:1976「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)」に準じた方法により、吸湿剤として塩化カルシウム(無水)を用い、雰囲気温度60℃、相対湿度90%の条件で測定した。
[積層体の作製]
基板上にモノマー成分(B)を塗布して、上述した条件にて光を照射することにより重合体(β)のシートを得た。次に、重合体(β)のシート上に、モノマー成分(A)を塗布した。このとき、重合体(β)に対するモノマー成分(A)の接触角を測定した。モノマー成分(A)を塗布した後、上述した条件にて再度光を照射することにより、モノマー成分(A)を硬化させて重合体(α)とした。これにより、重合体(β)上に重合体(α)が積層された、厚み180μm(内、重合体(α)の厚み90μm、重合体(β)の厚み90μm)のシート(評価用積層体)を作製した。
[透湿度の測定]
評価用積層体について、上述した方法により透湿度を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2020138477

Claims (24)

  1. 防湿層と、保水層と、を備え、
    前記保水層が、極性基を有する重合性モノマー(b−1)及び重合性基を2以上有する架橋性モノマー(b−2)を含有するモノマー成分(B)の重合体(β)を含み、
    前記極性基を有する重合性モノマー(b−1)が、電子供与性基を有する重合性モノマー(b−1−1)及び電子求引性基を有する重合性モノマー(b−1−2)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する、積層体。
  2. 前記防湿層が、ハロゲン原子を有する重合性モノマー(a−1)を含有するモノマー成分(A)の重合体(α)を含む、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記モノマー成分(A)が重合開始剤(c)を更に含有し、
    前記重合開始剤(c)は光重合開始剤である、請求項2に記載の積層体。
  4. 前記モノマー成分(A)の前記保水層に対する接触角が95°以下である、請求項2又は3に記載の積層体。
  5. 前記防湿層は、厚み0.1mm当たりの、温度60℃、相対湿度90%の環境下で測定される透湿度が70g/m・24時間以下の層である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体。
  6. 前記電子供与性基を有する重合性モノマー(b−1−1)が、アミノ基、アミド基、ホスフィン基、ケトン基、エステル基、エーテル基、チオエーテル基及びチオエステル基からなる群より選ばれる少なくとも一種を有するモノマー、酸無水物、酸ハライド、並びに、Si−O−C結合を有する有機ケイ素化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層体。
  7. 前記電子供与性基を有する重合性モノマー(b−1−1)は、25℃の水溶液中における酸解離定数が8以上14以下となるモノマーである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層体。
  8. 前記極性基を有する重合性モノマー(b−1)が、電子供与性基を有する重合性モノマー(b−1−1)と電子求引性基を有する重合性モノマー(b−1−2)とを含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の積層体。
  9. 前記モノマー成分(B)において、前記電子求引性基を有する重合性モノマー(b−1−2)の含有量に対する前記電子供与性基を有する重合性モノマー(b−1−1)の含有量のモル比が、0.01以上1.5以下である、請求項8に記載の積層体。
  10. 前記電子求引性基を有する重合性モノマー(b−1−2)が、ヒドロキシル基、スルホン酸基、カルボン酸基、ニトリル基、アルデヒド基、ニトロ基及びホスフェート基からなる群より選択される少なくとも一種の電子求引性基を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の積層体。
  11. 前記電子求引性基を有する重合性モノマー(b−1−2)は、25℃の水溶液中における酸解離定数が−15以上5以下となるモノマーである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の積層体。
  12. 前記モノマー成分(B)において、前記架橋性モノマー(b−2)の含有量に対する、前記極性基を有する重合性モノマー(b−1)の含有量のモル比が、0.05以上10以下である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の積層体。
  13. 前記架橋性モノマー(b−2)が、2以上10以下の重合性基を有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の積層体。
  14. 前記モノマー成分(B)が重合開始剤(d)を更に含有し、
    前記重合開始剤(d)は光重合開始剤である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の積層体。
  15. 前記保水層は、23℃の水中に24時間浸漬させた場合の保水率が50質量%以上である層である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の積層体。
  16. 前記保水層の厚みに対する前記防湿層の厚みの比が、0.1以上9以下である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の積層体。
  17. 有機エレクトロルミネッセンス表示素子の封止剤として用いられる、請求項1〜16のいずれか一項に記載の積層体。
  18. 有機エレクトロルミネッセンス表示素子と、
    請求項1〜17のいずれか一項に記載の積層体と、を備える、有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  19. 前記積層体が、前記有機エレクトロルミネッセンス表示素子側に前記保水層が位置するように配置されている、請求項18に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  20. 請求項1〜17のいずれか一項に記載の積層体における保水層を形成するための塗液であって、
    極性基を有する重合性モノマー(b−1)及び重合性基を2以上有する架橋性モノマー(b−2)と、を含有し、
    前記極性基を有する重合性モノマー(b−1)が、電子供与性基を有する重合性モノマー(b−1−1)、及び電子求引性基を有する重合性モノマー(b−1−2)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する、塗液。
  21. 請求項1〜17のいずれか一項に記載の積層体における防湿層を形成するための塗液であって、
    ハロゲン原子を有する重合性モノマー(a−1)を含有する、塗液。
  22. 請求項1〜17のいずれか一項に記載の積層体を形成するためのキットであって、
    極性基を有する重合性モノマー(b−1)及び重合性基を2以上有する架橋性モノマー(b−2)と、を含有するモノマー成分(B)を含む第一の塗液と、
    ハロゲン原子を有する重合性モノマー(a−1)を含有するモノマー成分(A)を含む第二の塗液と、を備える、キット。
  23. モノマー成分(B)を含む塗膜を硬化させて、保水層を得る工程と、
    前記保水層上に、塗液の塗布及び硬化によって防湿層を形成する工程と、
    を備え、
    前記モノマー成分(B)が、極性基を有する重合性モノマー(b−1)及び重合性基を2以上有する架橋性モノマー(b−2)を含有する、積層体の製造方法。
  24. 前記塗液が、ハロゲン原子を有する重合性モノマー(a−1)を含有するモノマー成分(A)を含む、請求項23に記載の製造方法。
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