JP7175776B2 - ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法 Download PDF

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本発明は、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法に関する。
ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体(以下、単に成形体とも称する。)は、型内発泡成形体の長所である形状の任意性、エネルギー吸収性、軽量性、断熱性等の特徴を有する。成形体は、ポリオレフィン系樹脂からなるポリオレフィン系樹脂発泡粒子(以下、単に発泡粒子とも称する。)を用いる型内発泡成形法により製造される。成形体は、上術した特徴を有することにより、自動車内装部材、緩衝包材、通い箱、断熱材、および建築部材等様々な用途に用いられている。
発泡粒子を製造する方法として、従来、容器内においてポリオレフィン系樹脂粒子および発泡剤を含む分散液を調製し、当該分散液を容器内圧よりも低圧の雰囲気下に放出して発泡粒子を得る方法が知られている。
ここで、発泡粒子を製造する方法において、容器内で調製される分散液中でポリオレフィン系樹脂粒子が互いに合着するのを防止すること等を目的として、特定の分散媒、分散剤および分散助剤等を使用する場合が知られている(特許文献1~3)。
特許文献1には、分散助剤としてHLB価が5~15の非イオン性界面活性剤を使用する態様が開示されている。
特許文献2には、水性媒体(分散媒)として電気伝導率が0.00mS/m~20.00mS/mの水性媒体を用いる態様が開示されている。
特許文献3には、ポリプロピレン系樹脂粒子がHN型のヒンダードアミン系化合物を含有し、分散剤としてカオリンを使用する態様が開示されている。
特開平10-130421 国際公開公報WO2002/100929 特開平11-147972
しかしながら、上述のような従来技術は、ポリオレフィン系樹脂粒子に対する分散媒の量が多いものであり、生産性という観点からは、さらなる改善の余地があった。また、上述のような従来技術は、生産コストの面でもさらなる改善の余地があった。
本発明の一実施形態は、前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、生産性および生産コストに優れる、新規のポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、容器内でポリオレフィン系樹脂粒子、分散媒、ケイ酸塩、アミノ基を有する化合物および無機系発泡剤を混合することにより、生産性および生産コストに優れる、新規のポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法を提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
〔1〕容器内でポリオレフィン系樹脂粒子、分散媒、ケイ酸塩、アミノ基を有する化合物および無機系発泡剤を混合し、分散液を調製する工程と、前記分散液を容器内圧よりも低い圧力域に放出する工程とを有し、前記アミノ基を有する化合物の量は、前記分散液中、前記ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して、0.0001重量部以上0.5000重量部以下である、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法。
〔2〕前記アミノ基を有する化合物はヒンダードアミン系化合物である、〔1〕に記載のポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法。
〔3〕前記分散媒の量は、前記分散液中、前記ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して、100重量部以上250重量部以下である、〔1〕または〔2〕に記載のポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法。
本発明の一実施形態によれば、生産性および生産コストに優れる、という効果を奏する。
本発明の一実施形態について以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能である。また、異なる実施形態または実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態または実施例についても、本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。なお、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。
また、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上(Aを含みかつAより大きい)B以下(Bを含みかつBより小さい)」を意図する。
また、本明細書において特記しない限り、構成単位として、X単量体に由来する構成単位と、X単量体に由来する構成単位と、・・・およびX単量体(nは2以上の整数)とを含む共重合体を、X/X/・・・/X共重合体とも称する。X/X/・・・/X共重合体としては、明示されている場合を除き、重合様式は特に限定されず、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよく、グラフト共重合体であってもよい。また、本明細書において特記しない限り、構成単位として、X単量体に由来する構成単位と、X単量体に由来する構成単位と、・・・およびX単量体(nは2以上の整数)とを含むエラストマーを、X/X/・・・/Xゴムとも称する。
〔1.本発明の一実施形態の技術的思想〕
本発明者らが鋭意検討した結果、上述した先行技術文献1~3に記載の技術には、以下に示すような改善の余地または問題点があることを見出した。
特許文献1に記載の技術は、生産コストおよび環境面で問題があり、さらに改善の余地があった。具体的には、特許文献1の実施例および比較例では、無機系分散剤として第三リン酸カルシウムが使用されている。第三リン酸カルシウムは、ケイ酸塩と比較して高価である。また、分散剤として第三リン酸カルシウムを使用する場合、ケイ酸塩を使用する場合と比較して、(a)分散液中におけるポリオレフィン系樹脂粒子同士の合着を防止するためにより多くの量の第三リン酸カルシウムが必要であり、かつ(b)排水処理で発生する汚泥量がより多くなる、ことを本発明者は独自に見出した。
特許文献1および3に記載の技術は、生産性の点で問題があり、さらなる改善の余地があった。具体的には、特許文献1および3の実施例および比較例では、ポリプロピレン系樹脂粒子100重量部に対して水300重量部を使用している。このように、ポリオレフィン系樹脂粒子に対する分散媒の量が多い場合、一定の容積を有する容器内に供給できるポリオレフィン系樹脂粒子(原料)が少なくなるため、1バッチサイクルあたり(1回の生産あたり)に生産できるポリオレフィン系樹脂発泡粒子が少なくなる。そのため、当該製造方法は、生産性の面で改善の余地あった。
従来技術において、単に、ポリオレフィン系樹脂粒子に対する分散媒の量を減らした場合、分散液におけるポリオレフィン系樹脂粒子の合着が発生することを、本発明者らは独自に見出した。「分散液におけるポリオレフィン系樹脂粒子の合着が発生すること」は、「分散液におけるポリオレフィン系樹脂粒子の分散性が不良となること」ともいえる。
特許文献2に記載の技術は、特殊な精製法により調整された水性媒体を必要とするものである。そのため、特許文献2に記載の技術は、生産性および生産コストの面で、さらなる改善の余地があった。
本発明の一実施形態に係る目的は、生産性および生産コストに優れる、新規のポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法を提供することである。本発明の一実施形態に係る目的は、ポリオレフィン系樹脂粒子に対する分散媒の量を少なくした場合であっても、分散液におけるポリオレフィン系樹脂粒子の合着を発生させることなく、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子を製造できる、新規のポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法を提供することである、ともいえる。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、従来の当業者からは最も避けられるべき技術的思想に基づき、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明者らは、ポリオレフィン系樹脂粒子を含む分散媒中にヒンダードアミン系化合物を添加することにより、驚くべきことに、前記課題を達成し得ることを独自に見出した。これについて以下に説明する。
特許文献3には、「特定のヒンダードアミン系化合物は無機物に吸着され易い性質を有し、樹脂粒子中に特定のヒンダードアミン系化合物が含有されていると、分散剤として添加した無機物が、樹脂粒子表面付近のヒンダードアミン系化合物を吸着して樹脂粒子表面に確実に付着する」との記載がある。換言すれば、ヒンダードアミン系化合物とポリオレフィン系樹脂とを溶融混練し、ヒンダードアミン系化合物をポリオレフィン系樹脂粒子に練り込むことにより、分散剤と親和しやすいヒンダードアミン系化合物が、樹脂粒子表面に分散剤を引き付ける、ともいえる。すなわち従来、当業者は、以下の2つの技術思想を想起し得るものであった:
(1)ポリオレフィン系樹脂粒子に分散剤を多く付着させることが、分散液におけるポリオレフィン系樹脂粒子の合着を発生させることを防止するために重要であるとの思想;および
(2)ポリオレフィン系樹脂粒子に分散剤を多く付着させるためには、分散剤と親和しやすいヒンダードアミン系化合物をポリオレフィン系樹脂粒子に練り込むことが必要であるとの思想。
これら従来の技術思想に基づくと、ポリオレフィン系樹脂粒子を含む分散媒中に、ヒンダードアミン系化合物(本発明の一実施形態におけるアミノ基を有する化合物)を添加した場合、分散剤(例えば、本発明の一実施形態におけるケイ酸塩)は、分散液中でヒンダードアミン系化合物と親和し、ポリオレフィン系樹脂粒子に付着しがたくなると想定される。従って従来、当業者は、ポリオレフィン系樹脂粒子を含む分散媒中にヒンダードアミン系化合物を添加する、という技術思想は最も避けるべき技術思想であったか、または少なくとも最も想起し得ない技術思想であるといえる。
また、使用した分散剤(ケイ酸塩)が得られる発泡粒子の表面に多く付着している場合、当該発泡粒子を使用する型内発泡成形において、発泡粒子同士の融着性が阻害されることに、本発明者は独自に見出した。発泡粒子同士の融着性に劣る成形体は、衝撃等により容易に破断し得るため、エネルギー吸収性および緩衝性等が劣る傾向がある。また、発泡粒子同士の融着性に劣る成形体は、破断しやすいために繰り返し使用に耐えられない。
そのため、本発明の一実施形態は、発泡粒子の表面におけるケイ酸塩の付着量が低減され、良好な融着性を有するポリオレフィン系樹脂発泡粒子を提供できる、新規のポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法を提供することを目的とするものであってもよい。
〔2.ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法〕
本発明の一実施形態に係るポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法は、容器内でポリオレフィン系樹脂粒子、分散媒、ケイ酸塩、アミノ基を有する化合物および無機系発泡剤を混合し、分散液を調製する工程と、前記分散液を容器内圧よりも低い圧力域に放出する工程とを有し、前記アミノ基を有する化合物の量は、前記分散液中、前記ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して、0.0001重量部以上0.5000重量部以下である。
本明細書において、「本発明の一実施形態に係るポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法」を単に「本製造方法」とも称する。
本製造方法によれば、ポリオレフィン系樹脂粒子に対する分散媒の量を少なくすることができる。そのため、本製造方法は、生産性に優れるという利点を有する。また、本製造方法によれば、アミノ基を有する化合物を、従来技術と比較して少ない量使用する場合であっても、分散液におけるポリオレフィン系樹脂粒子の合着を防ぐことができる。そのため、本製造方法は、生産コストに優れるという利点を有する。なお、分散液におけるポリオレフィン系樹脂粒子の合着を防ぐことができるとは、換言すれば、分散液におけるポリオレフィン系樹脂粒子の分散性を良好とすることができる、ということである。なお、得られた発泡粒子の合着の程度を評価しても、分散液におけるポリオレフィン系樹脂粒子の合着の程度(すなわち分散性の程度)を評価できる。発泡粒子の合着の程度の評価方法は、下記実施例にて詳述する。
(2-1.ポリオレフィン系樹脂粒子)
(2-1-1.ポリオレフィン系樹脂)
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂、およびポリエチレン系樹脂が挙げられ、これらは単独で使用しても良いし、混合して使用しても良い。
ポリプロピレン系樹脂の基材樹脂としては、特に制限は無く、ポリプロピレン単独重合体、エチレン/プロピレンランダム共重合体、1-ブテン/プロピレンランダム共重合体、エチレン/1-ブテン/プロピレンランダム共重合体、エチレン/プロピレンブロック共重合体、1-ブテン/プロピレンブロック共重合体、プロピレン/塩素化ビニル共重合体、プロピレン/無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上を混合して使用しても良い。
ポリエチレン系樹脂の基材樹脂としては、エチレン成分単体を50重量%以上含有する樹脂が好ましい。ポリエチレン系樹脂の基材樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1-ブテン共重合体、エチレン/1-ブテン/プロピレン共重合体、エチレン/ヘキセン共重合体、エチレン/4-メチル1-ペンテン共重合体等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上を混合して使用しても良い。
エチレン/プロピレン共重合体など、共重合体が、構成単位として、エチレン単量体に由来する構成単位(エチレン単位とも称する。)とプロピレン単量体に由来する構成単位(プロピレン単位とも称する。)とを含む場合について説明する。この場合、プロピレン単位よりもエチレン単位を多く含む共重合体はポリエチレン樹脂と称され、エチレン単位よりもプロピレン単位を多く含む共重合体はポリプロピレン樹脂と称される。
ポリオレフィン系樹脂は、本発明の効果を阻害しない範囲において、ポリオレフィン系樹脂以外の熱可塑性樹脂成分および/またはエラストマー成分を含有させることができる。ポリオレフィン系樹脂以外の熱可塑性樹脂としては、例えば、酢酸ビニル系樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。ポリオレフィン系樹脂以外のエラストマーとしては、エチレン/プロピレンゴム、エチレン/プロピレン/ブタジエンゴム等が挙げられる。
(2-1-2.添加剤)
ポリオレフィン系樹脂粒子は、ポリオレフィン系樹脂以外に、必要に応じて各種添加剤を含んでいてもよい。
ポリオレフィン系樹脂粒子に含まれ得る各種添加剤としては、例えば、親水性化合物、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、金属不活性剤、カーボンブラック、顔料、染料、核剤、気泡調整剤等を挙げることができる。
親水性化合物としては、ポリエチレングリコール、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、メラミン、イソシアヌル酸等が挙げられる。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤等が挙げられる。ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、IRGANOX1010およびIRGANOX3114等を使用することもできる。
熱安定剤としては、リン系熱安定剤およびイオウ系熱安定剤等が挙げられる。リン系熱安定剤としては、IRGAFOS168等を使用することもできる。イオウ系熱安定剤としては、IRGANOXPS802等を使用することもできる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびトリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、TINUVIN234およびTINUVIN316等を使用することもできる。トリアジン系紫外線吸収剤としては、TINUVIN 1600等を使用することもできる。紫外線吸収剤は、HALSおよび/またはヒンダードアミン系光安定剤と併用しても良い。HALSとしては、TINUVIN123等を使用することもできる。ヒンダードアミン系光安定剤としては、Chimassorb2020等を使用することもできる。
難燃剤としては、リン酸エステル系難燃剤およびメラミン系難燃剤等が挙げられる。リン酸エステル系難燃剤としては、ADKSTAB FP-600等を使用することもできる。メラミン系難燃剤としては、MELAPUR MC25等を使用することもできる。難燃剤としては、FLAMESTAB NOR116等を使用することもできる。
帯電防止剤としては、アルキルジエタノールアミド、アルキルジエタノールアミン、ヒドロキシエタノールアミン、脂肪酸モノグリセライド、脂肪酸ジグリセライド、ポリエーテル/ポリオレフィン系樹脂ブロック共重合体等が挙げられる。
金属不活性剤としては、IRGANOX MD1024等を使用することもできる。
気泡調整剤としては、タルク、ホウ酸亜鉛、炭酸カルシウム、ホウ砂、水酸化アルミニウム等が挙げられる。
カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等が挙げられる。
顔料としてはシアニン系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、ペニレン系顔料、アンスラキノン系顔料、酸化クロム、酸化鉄等が挙げられる。
これら添加剤の量は、全ての添加剤の合計量で、樹脂100重量部あたり25重量部以下が好ましく、10重量部以下がより好ましく、5重量部以下がさらに好ましい。各種添加剤の合計量が、樹脂100重量部あたり25重量部以下である場合、(a)発泡粒子の製造工程において、分散液中のポリオレフィン系樹脂粒子の分散性が悪化する虞がなく、(b)得られる発泡粒子の平均気泡径が細かくなりすぎることがなく、(c)当該発泡粒子は成形工程において良好な成形体を提供でき、かつ(d)得られる成形体は機械的強度が低下することがない、という利点を有する。
(2-1-3.ポリオレフィン系樹脂粒子の製造方法)
ポリオレフィン系樹脂粒子を製造する工程を、造粒工程とも称する。本製造方法は、造粒工程をさらに有していてもよい。
ポリオレフィン系樹脂粒子を製造する方法としては、例えば、(i)押出機、ニーダー、バンバリミキサー、ロール等を用いてポリオレフィン系樹脂組成物を溶融混練し、溶融混練物を調製した後、(ii)当該溶融混練物を冷却するとともに、(iii)当該溶融混練物を、円柱状、楕円状、球状、立方体状、直方体状、筒状(ストロー状)等のような所望の形状に成形することにより、ポリオレフィン系樹脂粒子を得る方法があげられる。
以下、押出機を用いた場合を例に挙げ、ポリオレフィン系樹脂粒子を製造する方法を具体的に説明する。例えば、以下の(1)~(5)の方法によって、ポリオレフィン系樹脂粒子を製造することができる:(1)ポリオレフィン系樹脂、並びに必要に応じて、他の樹脂および各種添加剤をブレンドしてブレンド物を調製し、(2)当該ブレンド物を押出機に投入して溶融混練してポリオレフィン系樹脂組成物を調製し、(3)ポリオレフィン系樹脂組成物を押出機が備えるダイスより押出し、(4)押出されたポリオレフィン系樹脂組成物を水中に通す等により冷却することによって固化した後、(5)固化されたポリオレフィン系樹脂組成物をカッターにて、円柱状、楕円状、球状、立方体状、直方体状等のような所望の形状に細断する。あるいは、前記(3)にて、溶融混練されたポリオレフィン系樹脂組成物を押出機が備えるダイスより直接水中に押出し、直後に粒子形状に細断し、冷却し、固化しても良い。このように、ブレンド物を溶融混練することにより、より均一なポリオレフィン系樹脂粒子を得ることができる。
前記(1)において、必要に応じて他の樹脂および各種添加剤を使用する場合、ポリオレフィン系樹脂とブレンドする前に、これら他の樹脂および各種添加剤を含む混合物(樹脂組成物)を造粒していてもよい。すなわち、予め、(i)他の樹脂および各種添加剤ブレンドしてブレンド物を調製し、当該ブレンド物を押出機に投入して溶融混練して樹脂組成物を調製し、(ii)当該ブレンド物を押出機に投入して溶融混練して樹脂組成物を調製し、(iii)樹脂組成物を押出機が備えるダイスより押出し、(iv)押出された樹脂組成物を冷却した後、または冷却するとともに、細断することで所望の粒子形状としてもよい。前記(2)において、ブレンド物の代わりに、このように造粒された他の樹脂および各種添加剤の粒子とポリオレフィン系樹脂とを押出機に投入し、溶融混練してポリオレフィン系樹脂組成物を調製することもできる。
または、前記(1)および(2)において、ポリオレフィン系樹脂のみを押出機に投入した後、必要に応じて、他の樹脂および各種添加剤を押出機の途中から供給し、押出機内でそれらを混合し、溶融混練してポリオレフィン系樹脂組成物を得、続く(3)以降の工程を行うこともできる。
必要に応じて用いられる各種添加剤は、マスターバッチ化されてもよい。つまり予め、その他の樹脂に添加剤を高濃度で含有させたマスターバッチ樹脂が調製されていてもよい。この場合、添加剤として、当該マスターバッチが添加されうる。マスターバッチ樹脂を調製するときに用いられる樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、相溶性がよいという観点から基材樹脂のポリオレフィン系樹脂と同じ種類のポリオレフィン系樹脂を用いてマスターバッチ化することが最も好ましい。
(2-1-4.重量)
ポリオレフィン系樹脂粒子の一粒あたりの重量としては、0.2mg/粒以上10mg/粒以下が好ましく、0.5mg/粒以上5mg/粒以下がより好ましい。ポリオレフィン系樹脂粒子の一粒あたりの重量が、(a)0.2mg/粒以上である場合、ハンドリング性およびカッティング性が低下する虞がなく、(b)10mg/粒以下である場合、当該ポリオレフィン系樹脂粒子から得られる発泡粒子を用いる型内発泡成形において、当該発泡粒子の金型への充填性が低下する虞がない。
(2-2.ケイ酸塩)
本製造方法において、ポリオレフィン系樹脂粒子と混合されるケイ酸塩であり、分散液の調製に用いられるケイ酸塩は、分散液中における、ポリオレフィン系樹脂粒子同士の合着を防止する機能を有する。当該ケイ酸塩は分散剤ともいえる。本製造方法は分散剤としてケイ酸塩を使用するともいえる。
なお、ポリオレフィン系樹脂粒子がケイ酸塩を含む場合がある。例えば、ポリオレフィン系樹脂粒子が任意で含む各種添加剤のうち、気泡調整剤としてケイ酸塩が使用される場合がある。本明細書において、ポリオレフィン系樹脂粒子に含まれる各種添加剤の何れかの添加剤がケイ酸塩であるか、またはケイ酸塩を含んでいる場合、当該添加剤は、本製造方法においてポリオレフィン系樹脂粒子と混合されるケイ酸塩とはみなさないものとする。換言すれば、本製造方法において、分散液は、ポリオレフィン系樹脂粒子に含まれる各種添加剤以外の物質として、ケイ酸塩を含むものであり、(2-2.ケイ酸塩)の項では、そのようなケイ酸塩について説明する。
ケイ酸塩としては、特に限定されるものではないが、例えば、カオリン、タルク、クレー等の粘土鉱物が挙げられる。これらケイ酸塩は、1種類のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ケイ酸塩の使用量は、使用されるケイ酸塩の種類、ならびに、使用されるポリオレフィン系樹脂粒子の種類(組成)および使用量等によって異なり、特に限定されない。ケイ酸塩の使用量は、ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して、0.01重量部以上1.00重量部以下が好ましい。ケイ酸塩の使用量は、ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して、0.50重量部以下であってもよく、0.50重量部未満であってもよく、0.30重量部以下であってもよく、0.30重量部未満であってもよく、0.20重量部以下であってもよく、0.20重量部未満であってもよく、0.10重量部以下であってもよく、0.10重量部未満であってもよく、0.05重量部以下であってもよい。ケイ酸塩の使用量は、ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して、0.03重量部以上であってもよく、0.05重量部以上であってもよく、0.10重量部以上であってもよく、0.50重量部以上であってもよい。ケイ酸塩の使用量が、ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して、(a)0.01重量部以上である場合、ケイ酸塩の使用量が増加するほど、発泡粒子の製造において、ポリオレフィン系樹脂粒子同士が合着する虞が少なくなり、(b)1.00部以下である場合、ケイ酸塩の使用量が減少するほど、得られる発泡粒子の表面に残存するケイ酸塩の量は少なくなり、その結果、得られる発泡粒子を用いて製造された成形体の融着性は良好となる傾向にある。
本製造方法では、ケイ酸塩以外の分散剤を使用してもよい。ケイ酸塩以外の分散剤としては、公知の分散剤を使用できる。
本製造方法では、分散剤としてケイ酸塩以外の成分を使用することなく、発泡粒子の製造において、容器内におけるポリオレフィン系樹脂粒子同士の合着を防止することができる。特許文献1に記載の技術に関する問題点として記載したように、分散剤として第三リン酸カルシウムを使用する場合と比較して、分散剤としてケイ酸塩を使用する場合には、添加量等のコストおよび汚泥量等の環境面で優れるものである。
なお、リン酸カルシウム(例えば第三リン酸カルシウム)は、ポリオレフィン系樹脂粒子が任意で含む各種添加剤のうち、気泡調整剤として使用される場合もある。本製造方法は、分散液を調製する工程において、リン酸カルシウムを実質的に使用しない態様であってもよい。換言すれば、本製造方法において、分散液は、ポリオレフィン系樹脂粒子に含まれる各種添加剤以外の物質として、リン酸カルシウムを実質的に含まないものであってもよい。前記「リン酸カルシウムを実質的に使用しない」および「リン酸カルシウムを実質的に含まない」とは、ポリオレフィン系樹脂粒子に含まれる各種添加剤を除く、分散液中のリン酸カルシウムの量がポリオレフィン系樹脂粒子の量を基準として、10ppm以下であることを意図する。
(2-3.アミノ基を有する化合物)
本明細書において、アミノ基を有する化合物を、単に「アミノ基含有化合物」とも称する。本製造方法において、ポリオレフィン系樹脂粒子と混合されるアミノ基含有化合物であり、分散液の調製に用いられるアミノ基含有化合物は、ケイ酸塩とともに使用されることにより、分散液中における、ポリオレフィン系樹脂粒子同士の合着を防止する機能を有する。当該アミノ基含有化合物は分散助剤ともいえる。本製造方法は分散助剤としてアミノ基含有化合物を使用するともいえる。
なお、ポリオレフィン系樹脂粒子がアミノ基含有化合物を含む場合がある。例えば、ポリオレフィン系樹脂粒子が任意で含む各種添加剤のうち、光安定剤としてアミノ基含有化合物が使用される場合がある。本明細書において、ポリオレフィン系樹脂粒子に含まれる各種添加剤の何れかの添加剤がアミノ基含有化合物であるか、またはアミノ基含有化合物を含んでいる場合、当該添加剤は、本製造方法においてポリオレフィン系樹脂粒子と混合されるアミノ基含有化合物とはみなさないものとする。換言すれば、本製造方法において、分散液は、ポリオレフィン系樹脂粒子に含まれる各種添加剤以外の物質として、アミノ基含有化合物を含むものであり、(2-3.アミノ基を有する化合物)の項では、そのようなアミノ基含有化合物について説明する。
アミノ基含有化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ヒンダードアミン系化合物、エタノールアミン系化合物、ノニオン系界面活性剤、およびカチオン系界面活性剤等が挙げられる。これらアミノ基含有化合物は、1種類のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ヒンダードアミン系化合物としては、例えば、セバシン酸ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)、コハク酸ジメチル-1-(2ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジン重縮合物、2-[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]-2-ブチルプロパン二酸ビス[1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル]、ビス-(N-メチル-2,6,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)セバケート、テトラキス(2,6,6,6-テトラ-メチル-4-ピペリジル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ポリ{[6-[(1,1,3,3-テトラメチルブチル)イミノ]-1,3,5-トリアジ-2,4-ジイル][(2,6,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]ヘキサメチルレン[(2,2,6,6,-テトラメチルメチル-4-ピペリジル)イミノール]}等が挙げられる。
前記エタノールアミン系化合物としては、例えば、ステアリルジエタノールアミン、ラウリルジエタノールアミン、ミリスチルジエタノールアミン、ペンタデシルジエタノールアミン、パルミチルジエタノールアミン、マルガリルジエタノールアミン、アラキジルジエタノールアミン、ベヘニルジエタノールアミン、リグノセリルジエタノールアミン等が挙げられる。
アミノ基含有化合物として使用され得る前記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アミンオキシド等が挙げられる。
アミノ基含有化合物として使用され得る前記カチオン系界面活性剤としては、例えば、塩化アルキル(C16~C18)トリメチルアンモニウム等の脂肪族4級アンモニウム塩、脂肪族アミン塩、ヒドロキシアルキルモノエタノールアミン塩等が挙げられる。本明細書において、「アルキル(C16~C18)」とは、炭素数16~18のアルキル基を有していることを表している。
アミノ基を有する化合物はヒンダードアミン系化合物であることが好ましい。前記構成によると、発泡粒子の製造において、ポリオレフィン系樹脂粒子同士が合着する虞がより少なくなる。
アミノ基含有化合物の使用量は、使用される化合物の種類、ならびに、使用されるポリオレフィン系樹脂粒子の種類(組成)および使用量等によって異なり、特に限定されない。アミノ基含有化合物の使用量は、ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して、0.0001重量部以上0.5000重量部以下が好ましい。アミノ基含有化合物の使用量は、ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して、0.1000重量部以下であってもよく、0.1000重量部未満であってもよく、0.0500重量部以下であってもよく、0.0500重量部未満であってもよく、0.0200重量部以下であってもよく、0.0200重量部未満であってもよく、0.0100重量部以下であってもよく、0.0100重量部未満であってもよく、0.0050重量部以下であってもよく、0.0030重量部以下であってもよく、0.0010重量部以下であってもよく、0.0010重量部未満であってもよく、0.0008重量部以下であってもよく、0.0005重量部以下であってもよい。アミノ基含有化合物の使用量は、ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して、0.0003重量部以上であってもよく、0.0005重量部以上であってもよく、0.0007重量部以上であってもよく、0.0010重量部以上であってもよく、0.0050重量部以上であってもよく、0.0100重量部以上であってもよく、0.0500重量部以上であってもよく、0.1000重量部以上であってもよい。アミノ基含有化合物の使用量が、ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して0.0001重量部以上である場合、アミノ基含有化合物の使用量が増加するほど、発泡粒子の製造において、ポリオレフィン系樹脂粒子同士が合着する虞が少なくなる。アミノ基含有化合物の使用量が、ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して0.5000重量部以下である場合、アミノ基含有化合物の使用量が減少するほど、(a)得られる発泡粒子の表面に残存するカオリン量は少なくなり、その結果、得られる発泡粒子を用いて製造された成形体の融着性は良好となるという利点、および(b)生産コストを抑えることができ、コストパフォーマンスに優れるものとなるという利点を有する。
本製造方法では、アミノ基含有化合物以外の分散助剤を使用してもよい。アミノ基を有する化合物以外の分散助剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、陰イオン界面活性剤を挙げることができる。陰イオン界面活性剤としては、(a)カルボン酸塩型、(b)アルキルスルホン酸塩、n-パラフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩等のスルホン酸塩型、(c)硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩等の硫酸エステル型、(c)アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンリン酸塩、およびアルキルアリルエーテル硫酸塩等のリン酸エステル型の界面活性剤を挙げることができる。これら分散助剤は、1種類のみを用いても良く、2種以上を併用しても良い。
(2-4.無機系発泡剤)
無機系発泡剤としては、空気、窒素、二酸化炭素、および水等が挙げられる。これら無機系発泡剤は、1種類のみを用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。これら発泡剤の中でも、本発明の一実施形態に係る効果が大きいため、炭酸ガスが特に好ましい。
発泡剤の使用量は、使用するポリオレフィン系樹脂の種類、発泡剤の種類、目的とする発泡倍率等により異なり、一概には規定できないが、ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して、2重量部以上60重量部以下が好ましい。
(2-5.分散媒)
分散媒は、水系分散媒であることが好ましく、分散媒として水のみを用いることが好ましい。本製造方法では、本発明の一実施形態に係る効果を阻害しない範囲において、分散媒として、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等を水に添加した分散媒も使用できる。
分散媒の量(使用量)は、分散液中、ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して、100重量部以上250重量部以下が好ましい。分散媒の使用量は、分散液中、ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して、130重量部以上がより好ましい。分散媒の使用量は、分散液中、ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して、220重量部以下がより好ましく、220重量部未満がさらに好ましく、200重量部以下が特に好ましい。分散媒の使用量は、分散液中、ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して、200重量部未満であってもよく、150重量部以下であってもよい。分散媒の使用量が、分散液中、ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して、100重量部以上である場合、分散媒の使用量が増えるほど、分散液中でのポリオレフィン系樹脂粒子の分散性は良好となる。それ故、容器内温度の加熱中に、分散液中におけるポリオレフィン系樹脂粒子同士の合着が発生し難く、分散剤の使用量および/または分散助剤の使用量を増量することなく、良好な分散性を確保すること可能となる。分散媒の使用量が、分散液中、ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して、250重量部以下である場合、分散媒の使用量が減るほど、本製造方法は生産性に優れるものとなる。
本製造方法において、ポリオレフィン系樹脂粒子に親水性化合物を含有させ、かつ分散媒が水を含む場合、分散媒中の水を発泡剤として作用させることができる。その結果、得られる発泡粒子の発泡倍率を向上させることができる。
(2-6.ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法)
次に、各工程について説明する。
分散液を調製する工程は、容器内にポリオレフィン系樹脂粒子、分散媒、ケイ酸塩、アミノ基を有する化合物および無機系発泡剤、並びに任意でその他の分散剤および分散助剤等を添加し、これらを混合することにより、実施され得る。容器内に、ポリオレフィン系樹脂粒子、分散媒、ケイ酸塩、アミノ基を有する化合物および無機系発泡剤、並びに任意でその他の分散剤および分散助剤等を添加する順序は特に限定されない。混合の様式としては特に限定されないが、例えば容器に備えられた攪拌翼等を使用して攪拌する方法が挙げられる。
分散液を容器内圧よりも低い圧力域に放出する工程としては、例えば、予め容器内圧を大気圧より高い圧力まで高めておき、大気圧下に分散液を放出することにより、実施されてもよい。容器内圧よりも低い圧力としては大気圧であることが好ましい。
分散液を容器内圧よりも低い圧力域に放出するときの、容器内の温度を発泡温度とも称する。分散液を容器内圧よりも低い圧力域に放出するときの、容器内の圧力を発泡圧力とも称する。本製造方法は、さらに、分散液を含んでいる容器内の温度を発泡温度まで加熱(昇温)する工程、および/または、分散液を含んでいる容器内の圧力を発泡の圧力まで昇圧する工程を有していてもよい。
本製造方法の好ましい態様としては、例えば以下のような態様が挙げられる:(1)攪拌翼を備えた容器内に、ポリオレフィン系樹脂粒子、分散媒、ケイ酸塩、アミノ基を有する化合物および無機系発泡剤、並びに任意でその他の分散剤および分散助剤等を添加し、分散液を調製する;(2)攪拌翼を使用して分散液を攪拌することにより、分散液中のポリオレフィン系樹脂粒子を容器内で分散させる;(3)攪拌後、または攪拌と共に、容器内の温度を、発泡温度(少なくともポリオレフィン系樹脂粒子の軟化点温度以上)、および発泡圧力(後述する発泡圧力)に、昇温および昇圧する;(4)その後、必要に応じて、容器内を発泡温度および発泡圧力で一定時間保持する;(5)その後、容器の内圧よりも低い圧力域(例えば大気圧下)に容器中の分散液を放出して、ポリオレフィン系樹脂粒子を発泡させることにより、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子を得る。
また、以下のような態様も好ましい態様である。すなわち、(1)攪拌翼を備えた容器内に、ポリオレフィン系樹脂粒子、分散媒、ケイ酸塩、アミノ基を有する化合物および無機系発泡剤、並びに任意でその他の分散剤および分散助剤等を仕込み、(2)その後、攪拌翼を使用して得られた分散液を攪拌しながら、以下(A)~(C)の何れかを行う態様である:
(A)必要に応じて容器内を真空引きし、0.3MPa・G以上2.5MPa・G以下で発泡剤を導入し、ポリオレフィン系樹脂の軟化温度以上の温度まで容器内の温度を加熱する。加熱することによって、容器内の圧力が約1.0MPa・G以上5.0MPa・G以下まで上昇する。必要に応じて、発泡温度付近にて、さらに発泡剤を追加することで容器内の圧力を所望の発泡圧力に調整し、さらに容器内の温度を所望の発泡温度となるよう温度調整した後、容器内の温度および圧力を、発泡温度および発泡圧力にて一定時間保持し、次いで、容器の内圧よりも低い圧力域に分散液を放出することにより、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子を得る;
(B)必要に応じて容器内を真空引きし、ポリオレフィン系樹脂の発泡温度付近まで容器内の温度を加熱しながら、容器内の圧力が所望の発泡圧力になるよう適宜発泡剤を導入する。その後、容器内の温度を前記発泡温度付近で一定時間保持し、次いで、容器の内圧よりも低い圧力域に分散液を放出してポリオレフィン系樹脂発泡粒子を得る;または
(C)発泡温度付近まで容器内の温度を加熱してから、容器内の圧力が所望の発泡圧力になるようさらに発泡剤を導入する。その後、容器内の温度を発泡温度付近で一定時間保持し、次いで、容器の内圧よりも低い圧力域に分散液を放出してポリオレフィン系樹脂発泡粒子を得る。
なお、分散液を、容器内の圧力よりも低圧域に放出する前に、発泡剤として用いた物質を容器内へ圧入することにより、容器内の内圧を高め、発泡時(放出時)の圧力開放速度を調節(制御)することもできる。また、容器内の圧力よりも低圧域に放出する間にも、発泡剤として用いた物質を容器内に導入して、発泡時(放出時)の圧力を調節(制御)することもできる。これらのように、発泡時(放出時)の圧力を調節することにより、発泡倍率の調整を行うこともできる。
(2-7.容器)
容器は、特に制限はないが、発泡粒子製造時における発泡温度および発泡圧力に耐えられるものであることが好ましく、耐圧容器であることがより好ましい。容器としては、例えば、オートクレーブ型の耐圧容器があげられる。
上述したように、容器内で調整された分散液は、攪拌下、発泡温度まで昇温されるとともに、発泡圧力まで加圧され、その後、発泡温度および発泡圧力にて、一定時間保持され得る。前記一定時間とは、通常5~180分間であり、好ましくは10~60分間である。所定の温度および圧力にて、一定時間保持された分散液は、その後、容器下部に設けられたバルブを開放して低圧雰囲気下(通常は大気圧下)に放出され得、これによりポリオレフィン系樹脂発泡粒子を製造することができる。
(2-8.温度)
発泡温度は、用いるポリオレフィン系樹脂の種類および/または練り込んでいる(使用する)添加剤等により異なり、一概には規定できない。発泡温度は、ポリオレフィン系樹脂粒子の融点を[Tm(℃)]としたとき、Tm-30(℃)以上Tm+10(℃)以下が好ましい。
なおここでいうポリオレフィン系樹脂粒子の融点とは、示差走査熱量計を用いて測定した値である。具体的な操作手順は以下の通りである:(1)ポリオレフィン系樹脂4~6mgを10℃/分の昇温速度で40℃から220℃まで昇温して融解させた後;(2)10℃/分の降温速度で220℃から40℃まで降温して結晶化させた後;(3)さらに10℃/分の昇温速度で40℃から220℃まで昇温する。2回目の昇温時(すなわち(3)のとき)に得られるDSC曲線のピーク(融解ピーク)の温度をポリオレフィン系樹脂粒子の融点として求めることができる。
(2-9.圧力)
発泡圧力は、所望するポリオレフィン系樹脂予備発泡粒子の発泡倍率により異なり、一概に規定できない。発泡圧力は、例えば、0.50MPa・G以上6.0MPa・G以下が好ましく、1.0MPa・G以上4.5MPa・G以下がより好ましい。発泡圧力が、(a)0.50MPa・G以上である場合、発泡倍率が非常に低くなってしまう虞がなく、(b)6.0MPa・G以下である場合、得られる発泡粒子の平均気泡径が微細化する虞がなく、成形性が悪化する虞がない。
ポリオレフィン系樹脂粒子を含んだ分散液を容器内から、容器内圧よりも低い圧力域に放出するとき、放出量(流量)の調整、得られる発泡粒子の倍率バラツキを低減させる等の目的で、分散液を2~10mmφの開口オリフィスに通して放出することもできる。「容器内圧よりも低い圧力域」を、低圧雰囲気ともいう。本製造方法では、発泡倍率を高める目的で、容器内の分散液を低圧雰囲気に放出するとき、前記低圧雰囲気の温度を調整しても良い。
(2-10.ポリオレフィン系樹脂発泡粒子)
(付着ケイ酸塩量)
上述した製造方法により得られるポリオレフィン系樹脂発泡粒子において、当該発泡粒子の表面に付着しているケイ酸塩の量は、当該発泡粒子を使用する型内発泡成形体において、当該発泡粒子同士の融着性が良好となることから、少ないほど好ましい。上述した製造方法により得られるポリオレフィン系樹脂発泡粒子において、当該発泡粒子の表面に付着しているケイ酸塩の量は、発泡粒子の重量を基準として、1800ppm未満が好ましく、1500ppm以下がより好ましく、1300ppm以下がさらに好ましく、1000ppm以下がよりさらに好ましく、800ppm以下が特に好ましい。
〔3.ポリオレフィン系樹脂発泡粒子、ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体〕
本製造方法、すなわち前記〔2.ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法〕の項にて説明したポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法により製造されたポリオレフィン系樹脂発泡粒子もまた、本発明の範囲内である。
本製造方法、すなわち前記〔2.ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法〕の項にて説明したポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法により製造されたポリオレフィン系樹脂発泡粒子を型内発泡成形することにより、ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体を得ることができる。そのようにして得られるポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体もまた、本発明の範囲内である。
ポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体の製造方法(型内発泡成形法)としては、例えば、
(A)ポリオレフィン系樹脂発泡粒子を無機ガス、例えば空気や窒素、二酸化炭素等で加圧処理してポリオレフィン系樹脂発泡粒子内に無機ガスを含浸させ所定の内圧を付与した後、金型に充填し、水蒸気で加熱融着させる方法、
(B)ポリオレフィン系樹脂発泡粒子をガス圧力で圧縮して金型に充填し、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の回復力を利用して、水蒸気で加熱融着させる方法、
(C)特に前処理することなくポリオレフィン系樹脂発泡粒子を金型に充填し、水蒸気で加熱融着させる方法、等の方法が利用され得る。
本発明のポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体の密度に特に制限はないが、15g/L以上350g/L以下が好ましく、20g/L以上300g/L以下がより好ましい態様といえる。
なお、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の嵩密度を調整するために、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造とポリオレフィン系樹脂発泡粒子を用いた型内発泡成形との間に二段発泡工程が行われても良い。その場合は、二段発泡前にポリオレフィン系樹脂発泡粒子を空気等の無機ガスで加圧して、発泡粒子内にガスを含浸させたのち、蒸気により加熱して所望の嵩密度とすることができる。
以下、実施例および比較例をあげて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例および比較例において、使用した物質は、以下のとおりである。
<ポリオレフィン系樹脂>
・エチレン/1-ブテン/プロピレンランダム共重合体[MFR=7.5g/10分、融点142℃]
<樹脂添加剤>
・ヒンダードアミン系化合物:ADEKA社製、アデカスタブLA-77G
・タルク:林化成(株)製、タルカンパウダーPK-S
・グリセリン:ライオン(株)製
<ケイ酸塩>
・カオリン:BASF社製、ASP-170
<アミノ基含有化合物>
・ヒンダードアミン系化合物:ADEKA社製、アデカスタブLA-77G
・ステアリルジエタノールアミン:花王(株)製、エレクトロストリッパーTS-15B
・ポリオキシエチレンアルキルアミン:花王(株)製、アミート102
・塩化アルキル(C16~C18)トリメチルアンモニウム:ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、リポカードT-28
<その他の分散助剤>
・ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:花王(株)製、ネオペレックスG-15
実施例および比較例における評価は、次の方法により行なった。
<ポリオレフィン系樹脂の融点t測定>
ポリオレフィン系樹脂の融点tの測定は、示差走査熱量計DSC[METTLER TOLEDO N.V.社製、DSC822e型]を用いて測定した。具体的には以下の通りである:(1)測定するサンプル5~6mgを、を10℃/分の昇温速度で40℃から220℃まで昇温して融解させた後;(2)10℃/分の降温速度で220℃から40℃まで降温して結晶化させた後;(3)さらに10℃/分の昇温速度で40℃から220℃まで昇温する。2回目の昇温時(すなわち(3)のとき)に得られるDSC曲線のピーク(融解ピーク)の温度を、ポリオレフィン系樹脂の融点tとした。
<分散安定性の評価>
得られたポリオレフィン系樹脂発泡粒子のうち、5Lを抜き取り、以下の基準に基づいて評価した。なお、◎は分散安定性が非常に良いことを示し、○は分散安定性が良好であることを示し、△は分散安定性が満足できるものである(不良でない)ことを示し、×は分散安定性が不良であることを示している。
◎:発泡粒子同士でくっついている(合着している)ものが無い
○:発泡粒子同士でくっついているものが5個未満ある
△:発泡粒子同士でくっついているものが5個以上ある
×:分散不良により発泡まで至らなかった。
<ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の表面に付着したケイ酸塩の量(付着ケイ酸塩量)の測定>
まず、以下の方法により、樹脂粒子灰分A1を測定した:(1)得られたポリオレフィン系樹脂粒子を、80℃乾燥機で24時間以上乾燥させた;(2)次に、乾燥後のポリオレフィン系樹脂粒子を150℃にて1時間加熱し、水分を完全に除去した;(3)その後、水分を除去したポリオレフィン系樹脂粒子を、23℃にてデシケーター内で1時間冷却した;(4)次に、冷却されたポリオレフィン系樹脂粒子をるつぼに入れ、750℃にて1時間以上燃焼させた後、当該ポリオレフィン系樹脂粒子を23℃にてデシケーター内で1時間冷却した;(5)以下の式1により求められる値を樹脂粒子灰分A1(単位:ppm)とした。
W1:るつぼ重量
W2:燃焼前のるつぼ+樹脂粒子重量
W3:燃焼後のるつぼ+樹脂粒子重量
A1=(W3-W1)*1000000/(W2-W1) ・・・式1。
次に、以下の方法により、樹脂粒子灰分A2を測定した:(1)得られたポリオレフィン系樹脂発泡粒子を、80℃乾燥機で24時間以上乾燥させた;(2)次に、乾燥後のポリオレフィン系樹脂発泡粒子を150℃にて1時間加熱し、水分を完全に除去した;(3)その後、水分を除去したポリオレフィン系樹脂発泡粒子を、23℃にてデシケーター内で1時間冷却した;(4)次に、冷却されたポリオレフィン系樹脂発泡粒子をるつぼに入れ、750℃にて1時間以上燃焼させた後、当該ポリオレフィン系樹脂発泡粒子を23℃にてデシケーター内で1時間冷却した;(5)以下の式1により求められる値を樹脂粒子灰分A2(単位:ppm)とした。
W4:るつぼ重量
W5:燃焼前のるつぼ+予備発泡粒子重量
W6:燃焼後のるつぼ+予備発泡粒子重量
A2=(W6-W4)*1000000/(W5-W4) ・・・式2。
以下の式に基づき、A2とA1との差を付着ケイ酸塩量(単位:ppm)とした。
付着ケイ酸塩量(ppm)=A2-A1。
得られた付着ケイ酸塩量が1800ppm未満であれば○(良好)、1800ppm以上であれば×(不良)と評価した。
以下に本発明についての実施例および比較例を挙げて説明する。
(実施例1~8、比較例1~9)
[ポリオレフィン系樹脂粒子の調製]
ポリオレフィン系樹脂であるエチレン/1-ブテン/プロピレンランダム共重合体を、表1記載の添加剤とともにハンドブレンドし、2軸押出機を用いて、樹脂温度220℃にて溶融混練した。その後、溶融混練物を、押出機からストランド状に押出し、得られたストランドを水冷後、切断して平均重量1.0mgのポリオレフィン系樹脂粒子A、BもしくはCを得た。
[ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造]
0.01mのオートクレーブに、ポリオレフィン系樹脂粒子A、BもしくはCを100重量部、並びに、水、ケイ酸塩、アミノ基含有化合物およびその他の分散助剤を、表2および3に記載した量を仕込んで密閉した。その後、炭酸ガス4.0重量部を仕込み、仕込んだ原料を攪拌しながら、容器内を加熱した。容器内の温度が表2および3に記載の発泡温度-1.0℃に到達した後、容器内の圧力が表2および3に記載の発泡圧力になるよう炭酸ガスを追加した。その後、20分かけて、容器内の温度が表2および3に記載の発泡温度になるまで、容器内を昇温した。次いで、オートクレーブの一端を開放して、容器内の分散液をφ3.6mmのオリフィス板を通して、非密閉系(大気圧下)の筒状容器に放出することによりポリオレフィン系樹脂発泡粒子を得た。発泡温度は、上述した方法によりポリオレフィン系樹脂の融点tを測定し、得られた結果に基づき適宜設定した。また、上述した方法により分散安定性を評価し、結果を表2および3に記載した。
得られたポリオレフィン系樹脂発泡粒子について、上述した方法により、付着ケイ酸塩量を測定し、その結果を表2および3に記載した。
Figure 0007175776000001
Figure 0007175776000002
Figure 0007175776000003
実施例1~8では、分散安定性に優れることがわかる。また、付着ケイ酸塩量が少ないポリオレフィン系樹脂発泡粒子が得られたことがわかる。
比較例1では、アミノ基含有化合物の使用量が本発明の範囲よりも多い。比較例1では、得られるポリオレフィン系樹脂発泡粒子の表面に付着したケイ酸塩の量が多いことがわかる。比較例1にて得られたポリオレフィン系樹脂発泡粒子は、型内発泡成形の材料としての使用には適さないものである。
比較例2では、アミノ基含有化合物の使用量が本発明の範囲よりも少ない。比較例2では、分散安定性が不良であることが分かる。
比較例3~5では、アミノ基含有化合物を使用していない。その結果、比較例3~5では、分散安定性が良好でないか、または不良であることが分かる。
比較例6~9では、ポリオレフィン系樹脂粒子の製造時に、アミノ基含有化合物をポリオレフィン系樹脂と共に溶融混練し、ポリオレフィン系樹脂粒子を製造した。そして、比較例6~9では、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造時、ポリオレフィン系樹脂粒子に既に含まれているアミノ基含有化合物以外に、アミノ基含有化合物を使用していない。その結果、比較例6~9では、分散安定性が良好でないか、または不良であることが分かる。
本発明の一実施形態によれば、生産性および生産コストに優れる、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法を提供することができる。そのため、本発明の一実施形態は、自動車内装部材、緩衝包材、通い箱、断熱材、および建築部材等様々な用途に用いられ得るポリオレフィン系樹脂型内発泡成形体の材料となるポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造に、好適に利用することができる。

Claims (3)

  1. 容器内でポリオレフィン系樹脂粒子、分散媒、ケイ酸塩、アミノ基を有する化合物および無機系発泡剤を混合し、分散液を調製する工程と、
    前記分散液を容器内圧よりも低い圧力域に放出する工程とを有し、
    前記アミノ基を有する化合物の量は、前記分散液中、前記ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して、0.0001重量部以上0.5000重量部以下である、ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  2. 前記アミノ基を有する化合物はヒンダードアミン系化合物である、請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  3. 前記分散媒の量は、前記分散液中、前記ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して、100重量部以上250重量部以下である、請求項1または2に記載のポリオレフィン系樹脂発泡粒子の製造方法。
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