JP7172997B2 - エンザルタミドを含有する経口投与用医薬組成物 - Google Patents
エンザルタミドを含有する経口投与用医薬組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7172997B2 JP7172997B2 JP2019514651A JP2019514651A JP7172997B2 JP 7172997 B2 JP7172997 B2 JP 7172997B2 JP 2019514651 A JP2019514651 A JP 2019514651A JP 2019514651 A JP2019514651 A JP 2019514651A JP 7172997 B2 JP7172997 B2 JP 7172997B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pharmaceutical composition
- enzalutamide
- oral administration
- test
- polyvinyl alcohol
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/0012—Galenical forms characterised by the site of application
- A61K9/0053—Mouth and digestive tract, i.e. intraoral and peroral administration
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/33—Heterocyclic compounds
- A61K31/395—Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
- A61K31/41—Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having five-membered rings with two or more ring hetero atoms, at least one of which being nitrogen, e.g. tetrazole
- A61K31/4164—1,3-Diazoles
- A61K31/4166—1,3-Diazoles having oxo groups directly attached to the heterocyclic ring, e.g. phenytoin
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/14—Particulate form, e.g. powders, Processes for size reducing of pure drugs or the resulting products, Pure drug nanoparticles
- A61K9/16—Agglomerates; Granulates; Microbeadlets ; Microspheres; Pellets; Solid products obtained by spray drying, spray freeze drying, spray congealing,(multiple) emulsion solvent evaporation or extraction
- A61K9/1605—Excipients; Inactive ingredients
- A61K9/1629—Organic macromolecular compounds
- A61K9/1635—Organic macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. polyvinyl pyrrolidone, poly(meth)acrylates
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/20—Pills, tablets, discs, rods
- A61K9/2004—Excipients; Inactive ingredients
- A61K9/2009—Inorganic compounds
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/20—Pills, tablets, discs, rods
- A61K9/2004—Excipients; Inactive ingredients
- A61K9/2022—Organic macromolecular compounds
- A61K9/2027—Organic macromolecular compounds obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. polyvinyl pyrrolidone, poly(meth)acrylates
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K9/00—Medicinal preparations characterised by special physical form
- A61K9/20—Pills, tablets, discs, rods
- A61K9/2004—Excipients; Inactive ingredients
- A61K9/2022—Organic macromolecular compounds
- A61K9/205—Polysaccharides, e.g. alginate, gums; Cyclodextrin
- A61K9/2054—Cellulose; Cellulose derivatives, e.g. hydroxypropyl methylcellulose
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P13/00—Drugs for disorders of the urinary system
- A61P13/08—Drugs for disorders of the urinary system of the prostate
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P35/00—Antineoplastic agents
Description
詳細には、本発明は、エンザルタミド、及びポリビニルアルコールを含む経口投与用医薬組成物に関するものである。
エンザルタミドは、アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害剤である。化学名は、4-{3-[4-cyano-3-(trifluoromethyl)phenyl]-5,5-dimethyl-4-oxo-2-sulfanylideneimidazolidin-1-yl}-2-fluoro-N-methylbenzamideであり、以下の化学構造式で表される。
本発明の課題は、pH非依存的にエンザルタミドの溶解性、及び/又は溶出性を改善し、過飽和を維持する経口投与用医薬組成物の提供である。また、本発明の別の課題は、経口吸収性を改善した経口投与用医薬組成物の提供である。
[1]エンザルタミド、及びポリビニルアルコールを含む経口投与用医薬組成物、
[2]ポリビニルアルコールのけん化度が、30mol%以上99mol%以下である、[1]の経口投与用医薬組成物、
[3]ポリビニルアルコールの重合度が、50以上600以下である、[1]又は[2]の経口投与用医薬組成物、
[4]エンザルタミド、及びポリビニルアルコールを含む固体分散体を含有する、[1]~[3]のいずれかの経口投与用医薬組成物、
[5]更に、水素結合受容体となる官能基を有する物質を含む、[1]~[4]のいずれかの経口投与用医薬組成物、
[6]水素結合受容体となる官能基を有する物質が、ポリビニルピロリドン、及び/又はコポリビドンである、[5]の経口投与用医薬組成物、
[7]更に、崩壊助剤を含む、[1]~[6]のいずれかの経口投与用医薬組成物、
[8]崩壊助剤が、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、及びリン酸二水素カリウムからなる群から選択される1種又は2種以上である、[7]の経口投与用医薬組成物、
[9]崩壊助剤が、塩化カリウムである、[7]又は[8]の経口投与用医薬組成物、
[10]更に、崩壊剤を含む、[1]~[9]のいずれかの経口投与用医薬組成物、
[11]崩壊剤が、クロスポビドン、及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選択される1種又は2種である、[10]の経口投与用医薬組成物、
[12]崩壊剤が、クロスポビドンである、[10]又は[11]の経口投与用医薬組成物、
[13]医薬組成物が錠剤である、[1]~[12]のいずれかの経口投与用医薬組成物、
[14]エンザルタミドが非晶質である、[1]~[13]のいずれかの経口投与用医薬組成物、
[15]エンザルタミド、及びポリビニルアルコールを含む経口投与用医薬組成物の製造方法、
[16]エンザルタミド、及びポリビニルアルコールを含む固体分散体を調製する工程を含む、[15]の経口投与用医薬組成物の製造方法、
[17]固体分散体を加熱溶融押出法で調製する、[16]の経口投与用医薬組成物の製造方法、
[18]固体分散体を溶媒法で調製する、[16]の経口投与用医薬組成物の製造方法、
[19]エンザルタミド、及びポリビニルアルコールを含む経口投与用医薬組成物の製造のための水素結合受容体となる官能基を有する物質の使用
に関する。
本明細書において、「溶出性を改善する」とは、医薬組成物からのエンザルタミドの溶出率を改善することを意味する。具体的には、ある態様として、後述する試験例3、試験例4、試験例5、試験例8、試験例11、試験例13、試験例15、試験例16の溶出試験で評価するとき、溶出率が試験開始後10分で60%以上、ある態様として80%以上であることと規定する。
本明細書において、「過飽和を維持する」とは、エンザルタミドの溶解度以上に、溶液中にエンザルタミドが溶解していることを意味する。具体的には、ある態様として、エンザルタミドを含有する医薬組成物を後述する試験例1、試験例2の析出試験で評価するとき、前記医薬組成物におけるエンザルタミドの溶解率が、溶出試験開始時の溶解率と比較して10%以内の変化である時間が30分以上、ある態様として60分以上、ある態様として90分以上であることと規定する。
具体的には、イクスタンジ(登録商標)カプセルと比較して、例えば、イヌにおけるCmax、AUCが0.8倍以上、好ましくは0.9倍以上、更に好ましくは1倍以上であることと規定する。
また、経口吸収性を改善する状態となるには、例えば、X線回折、ラマン散乱、赤外吸収、テラヘルツ等により、溶液中における薬物の状態が、非晶体或いはそれらの遷移状態であるなど、薬物が吸収されやすい状態となっていることを意味する。
[m:水酸基の数,n:アセチル基の数]
ある態様として、25℃相対湿度60%(以下、25℃60%RHと略する場合がある)で1箇月間、25℃60%RHで3箇月間、25℃60%RHで6箇月間、40℃相対湿度75%(以下、40℃75%RHと略する場合がある)で1箇月間、40℃75%RHで3箇月間、又は40℃75%RHで6箇月間保存後のエンザルタミドの最大類縁物質の百分率が0.5%以下、ある態様として0.3%以下であることを意味する。
本明細書において、「最大類縁物質量」とは、医薬組成物に含まれる最大類縁物質のピーク面積をHPLC法により測定し、エンザルタミド及びその類縁物質の総ピーク面積に対する割合として規定する。
1日の投与量は、体重当たり例えば、0.001mg/kg~100mg/kg、ある態様として0.01mg/kg~100mg/kg、ある態様として1mg/kg~10mg/kgである。これを1回であるいは2乃至4回に分けて投与する。なお、前記の各下限と各上限は、所望により、任意に組み合わせることができる。
エンザルタミドの配合割合は、経口投与用医薬組成物の全重量に対して、例えば、1重量%~75重量%、ある態様として2重量%~50重量%、他の態様として2重量%~30重量%、他の態様として6.7~50重量%である。なお、前記の各下限と各上限は、所望により、任意に組み合わせることができる。
また、本発明に用いられるポリビニルアルコールの重合度は、製薬学的に許容される範囲であれば特に制限されない。
具体的には、重合度が、例えば2200未満、ある態様として2以上2200未満、ある態様として10以上2200未満、ある態様として100以上2200未満、ある態様として2以上600以下、ある態様として10以上600以下、ある態様として50以上600以下、ある態様として100以上500以下である。なお、前記の各下限と各上限(並びに後述する実施例に記載の各下限及び各上限)は、所望により、任意に組み合わせることができる。
また、前記のけん化度と重合度は、所望により、任意に組み合わせることができるが、ある態様として、ポリビニルアルコールのけん化度が63mol%以上82mol%以下、かつ重合度が50以上600以下である。
ここで、ポリビニルアルコールは、エンザルタミドの溶解性、及び/又は溶出性を改善し、過飽和を維持するものである。また、ポリビニルアルコールは、エンザルタミドの経口吸収性を改善する機能を有するものである。
前記ポリビニルアルコールの配合割合としては、エンザルタミドの溶解性、溶出性及び/又は経口吸収性を改善する割合であれば特に制限されない。ポリビニルアルコールの配合割合は、経口投与用医薬組成物の全重量に対して、例えば、2重量%~90重量%、ある態様として5重量%~75重量%、ある態様として10重量%~20重量%である。これらの各下限と各上限は、所望により、任意に組み合わせることができる。また、エンザルタミドの重量に対して、例えば、20重量%~1000重量%、ある態様として50重量%~500重量%、ある態様として150重量%~350重量%である。これらの各下限と各上限は、所望により、任意に組み合わせることができる。
本発明の経口投与用医薬組成物は、エンザルタミド、及び前記ポリビニルアルコールを含む固体分散体を含んでもよい。
エンザルタミドは、ある態様では、本発明の経口投与用医薬組成物中に非晶質として存在する。
具体的には、例えば、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、リン酸二水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、塩化カルシウムなどを挙げることができ、ある態様として塩化カリウムである。
前記崩壊助剤は、1種又は2種以上組合せて添加することができる。
崩壊助剤の配合割合としては、エンザルタミドの速やかな溶出性を達成できる割合であれば特に制限されない。崩壊助剤の配合割合は、経口投与用医薬組成物の全重量に対して、1重量%~50重量%、ある態様として2重量%~40重量%、ある態様として5重量%~30重量%である。なお、前記の各下限と各上限は、所望により、任意に組み合わせることができる。
具体的には、例えば、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウムなどであり、ある態様として、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどであり、ある態様としてクロスポビドンである。
崩壊剤の配合割合としては、エンザルタミドの速やかな溶出性を達成できる割合であれば特に制限されない。崩壊剤の配合割合は、経口投与用医薬組成物の全重量に対して、例えば、0.5重量%~30重量%、ある態様として1重量%~20重量%、ある態様として2重量%~10重量%である。なお、前記の各下限と各上限は、所望により、任意に組み合わせることができる。
水素結合受容体となる官能基を有する物質は、ポリビニルアルコール分子間の水素結合を阻害する、ポリビニルアルコールの非晶質性を高める機能を有する、又はエンザルタミドの安定性や溶出性を改善する高分子であれば、特に制限されない。例えば、フッ素、酸素、窒素などの陰性原子を有する物質を挙げることができ、ある態様としては、ポリビニルピロリドン、コポリビドン、ある態様としては、コポリビドンを挙げることができる。
ポリビニルピロリドンとしては、例えば、商品名Kollidon 30(BASF)などを挙げることができる。
ある態様としては、エンザルタミド、及びポリビニルアルコールを含む固体分散体に配合する態様を挙げることができる。
前記水素結合受容体となる官能基を有する物質は、1種又は2種以上組合せて添加することができる。
本発明の経口投与用医薬組成物の製造方法について、以下に説明する。
エンザルタミドを非晶質化させる方法として、固体分散体にする方法が挙げられる。エンザルタミドとポリビニルアルコールとの固体分散体を製造する方法は、一般的に固体分散体を製造する方法であれば特に制限されない。例えば、溶媒法、加熱溶融押出法などを挙げることができる。
溶媒法では、エンザルタミドとポリビニルアルコールとを溶媒に溶解及び/又は懸濁させた後、溶媒を除去する方法などを挙げることができる。
用いられる溶媒としては、エンザルタミド、及びポリビニルアルコールが溶解及び/又は懸濁するものであれば特に制限されない。具体的には、例えば、メタノール、ジクロロメタン、水、エタノール、アセトン、プロピレングリコール、ジメチルスルホキシドなどを挙げることができ、ある態様としては、メタノール、水である。これらの溶媒は1種又は2種以上組合せて適宜適量使用できる。
噴霧乾燥法で用いられる、エンザルタミドを含む噴霧液を調製する手順として、例えば、
(1)ポリビニルアルコールを水に溶解及び/又は懸濁、
(2)(1)にメタノールを添加し混合溶液を調製、
(3)(2)の混合溶液にエンザルタミドを添加し噴霧液を調製
等が挙げられる。
噴霧乾燥の装置としては、エンザルタミドを非晶質にできるもの、あるいは、エンザルタミド及びポリビニルアルコールの固体分散体を得られるものであれば特に制限されない。例えば、スプレードライヤーを挙げることができる。噴霧乾燥の条件は、エンザルタミドとポリビニルアルコールとの固体分散体を得られれば特に制限されない。スプレードライヤーの出口温度は、例えば20~80℃である。
加熱溶融押出法は、エンザルタミド、及びポリビニルアルコールを加熱溶融した後に冷却して行う。
加熱溶融の際の温度はエンザルタミドの融点やポリビニルアルコールのガラス転移温度により適宜設定される。例えば、100℃~220℃である。加熱溶融の際の温度は、エンザルタミドの溶解性、溶出性、過飽和維持能、及び/または安定性を考慮し適切な温度設定ができる。
装置としては、エンザルタミドを非晶質にできるもの、あるいは、エンザルタミド及びポリビニルアルコールの固体分散体を得られるものであれば特に制限はされない。例えば、二軸エクストルーダーが挙げられる。
混合する方法としては、通常製薬学的に各成分を均一に混合できる方法であれば、特に制限されない。装置としては、例えば、V型混合機、リボン型混合機、コンテナミキサー、高速攪拌混合機などを挙げることができる。
造粒する方法としては、通常製薬学的に造粒できる方法であれば、特に制限されない。装置としては、例えば、流動層造粒機、溶融攪拌造粒機、高速攪拌造粒機、解砕(粉砕)造粒機、押出造粒機、転動流動層造粒機、噴霧造粒機、乾式造粒機、二軸エクストルーダーなどを挙げることができ、ある態様として乾式造粒機である。
成形する方法としては、通常製薬学的に成形できる方法であれば、特に制限されない。装置としては、例えば、ロータリー式打錠機、単発打錠機、オイルプレスなどを挙げることができる。
成形工程では、例えば、エンザルタミドの固体分散体を含有する造粒品や、造粒品に滑沢剤等の各種医薬品添加物を混合した混合品(圧縮形成前混合品、特には打錠前混合品)を圧縮成形して錠剤とする方法、あるいは、エンザルタミドの固体分散体と適当な医薬品添加物を混合後に圧縮成形し錠剤を得る直接打錠法などを用いることができる。
フィルムコーティングする方法としては、通常製薬学的にフィルムコーティングする方法であれば、特に制限されない。
装置としては、例えば、パンコーティング機、流動層コーティング機などを挙げることができる。
本発明の前記使用で用いられる「エンザルタミド」、「ポリビニルアルコール」、「水素結合受容体となる官能基を有する物質」については、本発明の経口投与用医薬組成物における当該説明をそのまま適用することができる。
以下、実施例、比較例、及び試験例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定解釈されるものではない。
けん化度の異なるポリビニルアルコールの、エンザルタミドに対する溶解性の改善効果、及び過飽和維持能を確認するため、以下に示す析出試験を行った。ポリビニルアルコールは、ポバール(JMR-10M、日本酢ビ・ポバール株式会社、以下「A1」と略すことがある)、ゴーセノール(NK-05R、日本合成化学工業株式会社、以下「A2」と略すことがある)、ゴーセノール(KL-05、日本合成化学工業株式会社、以下「A3」と略すことがある)、ポバール(PE-05JPS、日本酢ビ・ポバール株式会社、以下「B1」と略すことがある)、ポバール(JT-05、日本酢ビ・ポバール株式会社、以下「B2」と略すことがある)、ゴーセノール(NL-05、日本合成化学工業株式会社、以下「B3」と略すことがある)を使用した。試験に使用したポリビニルアルコールのけん化度、重合度を表1に示す。各ポリビニルアルコール200mgを水500mLにあらかじめ溶解させ、40mg/mLの濃度に調製したエンザルタミドのアセトン溶液1mL(エンザルタミドを40mg相当量含有する)を添加し、日本薬局方溶出試験法パドル法に従い、パドル回転数50回転/分、37℃恒温下にて析出試験を行った。エンザルタミドの紫外吸光度は260nmにて測定した。溶解率は5mmセルでの吸光度1.579を100%として計算した。
重合度の異なるポリビニルアルコールの、エンザルタミドに対する溶解性の改善効果、及び過飽和維持能を確認するため、以下に示す析出試験を行った。ポリビニルアルコールは、けん化度80、重合度約100のポリビニルアルコール(ポリサイエンス社製、以下「A4」と略すことがある)、けん化度80、重合度約300のポリビニルアルコール(ゴーセノール、KL-03、日本合成化学工業株式会社、以下「A5」と略すことがある)、けん化度80、重合度約2200のポリビニルアルコール(ゴーセノール、KH-17、日本合成化学工業株式会社、以下「B4」と略すことがある)を使用した。試験に使用したポリビニルアルコールのけん化度、重合度は表2に示す。各ポリビニルアルコール200mgを水500mLにあらかじめ溶解させ、40mg/mLの濃度に調製したエンザルタミドのアセトン溶液1mL(エンザルタミドを40mg相当量含有する)を添加し、日本薬局方溶出試験法パドル法に従い、パドル回転数50回転/分、37℃恒温下にて析出試験を行った。エンザルタミドの紫外吸光度は260nmにて測定した。溶解率は5mmセルでの吸光度1.579を100%として計算した。
「A2」3gを水40mLに溶解するまで撹拌した。更に、メタノール160mLを添加して調製した混合溶液に、エンザルタミド1gを添加して溶解するまで撹拌し、噴霧溶液を調製した。噴霧溶液をスプレードライヤー(Niro SD-MicroTM Spray Dryer、GEA)で噴霧乾燥し、実施例1の医薬組成物(固体分散体)を得た。
「A6」(「A5」を日本合成化学工業株式会社にて精製し、残留溶媒量が低減されたポリビニルアルコール、以下「A6」と略すことがある)10gを水280mLに溶解するまで撹拌した。更に、メタノール1120mLを添加して調製した混合溶液に、エンザルタミド10gを添加して溶解するまで撹拌し、噴霧溶液を調製した。噴霧溶液をスプレードライヤー(Niro SD-MicroTM Spray Dryer、GEA)で噴霧乾燥し、実施例2の医薬組成物(固体分散体)を得た。以下の実施例で使用した「A6」のけん化度、重合度は表3に示す。
「A6」120gを水2356.8gに溶解するまで撹拌した。更に、メタノール7463.2gを添加して調製した混合溶液に、エンザルタミド60gを添加して溶解するまで撹拌し、噴霧溶液を調製した。噴霧溶液をスプレードライヤー(QSD-0.8-CC、GEA)で噴霧乾燥した後、実施例3の医薬組成物(固体分散体)を得た。また、実施例3の医薬組成物(固体分散体)が非晶質状態であることをX線回折により確認した。
「A6」180gを水2342.4gに溶解するまで撹拌した。更に、メタノール7417.7gを添加して調製した混合溶液に、エンザルタミド60gを添加して溶解するまで撹拌し、噴霧溶液を調製した。噴霧溶液をスプレードライヤー(QSD-0.8-CC、GEA)で噴霧乾燥した後、実施例4の医薬組成物(固体分散体)を得た。また、実施例4の医薬組成物(固体分散体)が非晶質状態であることをX線回折により確認した。
ゴーセノール(EG-05P、日本合成化学工業株式会社、以下「B5」と略すことがある)270gを水3513.6gに溶解するまで加温しながら撹拌した。更に、メタノール11126.4gを添加して調製した混合溶液に、エンザルタミド90gを添加して溶解するまで撹拌し、噴霧溶液を調製した。噴霧溶液をスプレードライヤー(QSD-0.8-CC、GEA)で噴霧乾燥した後、実施例5の医薬組成物(固体分散体)を得た。試験に使用した「B5」のけん化度、重合度は表3に示す。
「B2」3gを水96mLに溶解するまで加温しながら撹拌した。更に、メタノール224mLを添加して調製した混合溶液に、エンザルタミド1gを添加して溶解するまで撹拌し、噴霧溶液を調製した。噴霧溶液をスプレードライヤー(Niro SD-MicroTM Spray Dryer、GEA)で噴霧乾燥し、実施例6の医薬組成物(固体分散体)を得た。
「B3」3gを水175mLに溶解するまで加温しながら撹拌した。更に、メタノール325mLを添加して調製した混合溶液に、エンザルタミド1gを添加して溶解するまで撹拌し、噴霧溶液を調製した。噴霧溶液をスプレードライヤー(Niro SD-MicroTM Spray Dryer、GEA)で噴霧乾燥し、実施例7の医薬組成物(固体分散体)を得た。
実施例1~7で調製した医薬組成物(固体分散体)(エンザルタミドを80mg相当量含有する)の溶出試験を行った。各医薬組成物の処方は表4に示す。各医薬組成物(固体分散体)と同量のマンニトール(PEARLITOL 200SD)で混合した粉体を試験に用いた。溶出試験液として、水(試験液量:500mL、液温:37℃)を使用し、日本薬局方溶出試験法パドル法に従い、パドル回転数50回転/分(試験開始0~3分は250回転/分、3~5分は200回転/分)の条件で溶出試験を行った。エンザルタミドの紫外吸光度は260nmにて測定した。溶出率は1mmセルでの吸光度0.6316を100%として計算した。
「A6」10gを水120mLに溶解するまで撹拌した。更に、メタノール480mLを添加して調製した混合溶液に、エンザルタミド2gを添加して溶解するまで撹拌し、噴霧溶液を調製した。噴霧溶液をスプレードライヤー(Niro SD-MicroTM Spray Dryer、GEA)で噴霧乾燥し、実施例8の医薬組成物(固体分散体)を得た。
実施例8で調製した医薬組成物(固体分散体)(エンザルタミドを80mg相当量含有する)の溶出試験を行った。実施例8の処方は表6に示す。医薬組成物(固体分散体)と同量のマンニトール(PEARLITOL 200SD)で混合した粉体を試験に用いた。溶出試験液として、水500mL、日本薬局方崩壊試験第1液500mL(JP1st)、日本薬局方崩壊試験第2液500mLにSIF Powder(Simulated Intestinal Fluid Powder、Biorelevant.com)895mgを溶解させた溶液(JP2nd+SIF)の3種類を使用し、日本薬局方溶出試験法パドル法に従い、パドル回転数50回転/分(試験開始0~3分は250回転/分、3~5分は200回転/分)、液温37℃の条件で溶出試験を行った。エンザルタミドの紫外吸光度は260nmにて測定した。溶出率は1mmセルでの吸光度0.6316を100%として計算した。
ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体(POVACOAT Type F、大同化成工業株式会社)20gとエンザルタミド4gを混合し、混合品のうち22.5gをエクストルーダー(DSM Xplore Pharma Micro Extruder)を用いて溶融混練した後、解砕し、比較例1の医薬組成物(固体分散体)を得た。
実施例4、比較例1で調製した医薬組成物(固体分散体)(エンザルタミドを160mg相当量含有する)の溶出試験を行った。各医薬組成物の処方は表8に示す。各医薬組成物(固体分散体)と同量のマンニトール(PEARLITOL 200SD)で混合した粉体を試験に用いた。溶出試験液として、水(試験液量:500mL、液温:37℃)を使用し、日本薬局方溶出試験法パドル法に従い、パドル回転数50回転/分の条件で溶出試験を行った。マンニトールと混合した粉体はあらかじめシリンジに充填し、20mLの溶出試験液をシリンジに吸い取り、振とうして粉体を分散させた後、溶出試験器に投入して試験を開始した。エンザルタミドの紫外吸光度は260nmにて測定した。溶出率は1mmセルでの吸光度1.2632を100%として計算した。
実施例2、実施例3、実施例5で得られたエンザルタミド160mg相当の医薬組成物(固体分散体)の懸濁液、及びイクスタンジ(登録商標)カプセルをそれぞれ雄性ビーグル犬5例に絶食下経口投与した。各医薬組成物(固体分散体)の処方は表10に示す。投与後、経時的に採血し遠心分離により得られた血漿中未変化体のエンザルタミド濃度を測定した。なお、イヌは投与予定時刻から16時間以上前から絶食とした。また、投与前30分、投与後30分及び90分にペンタガストリンを臀部に筋肉内投与し、胃内pHを酸性にして試験を実施した。
ポリビニルピロリドン(Kollidon 30、BASF)15gとエンザルタミド5gを混合し、混合品のうち18gをエクストルーダー(DSM Xplore Pharma Micro Extruder)を用いて溶融混練した後、解砕し、比較例2の医薬組成物(固体分散体)を得た。
実施例4、比較例2で得られたエンザルタミド160mg相当の医薬組成物(固体分散体)の懸濁液、及びイクスタンジ(登録商標)カプセルをそれぞれ雄性ビーグル犬4例に絶食下経口投与した。各医薬組成物の処方は表12に示す。試験条件は試験例6と同様にして行った。
エンザルタミド300g、「A6」900g、ポリビニルピロリドン(Kollidon 30、BASF)300gを混合し、エクストルーダー(KEX-25、栗本鐵工所)を用いて溶融混練した後、解砕し、実施例9の医薬組成物(固体分散体)を得た。また、実施例9の固体分散体が非晶質状態であることをX線回折により確認した。
エンザルタミド200g、「A6」400g、コポリビドン(コリドンVA64、BASF)400gを混合し、エクストルーダー(KEX-25、栗本鐵工所)を用いて溶融混練した後、解砕し、実施例10の医薬組成物(固体分散体)を得た。
実施例9、実施例10で調製した医薬組成物(固体分散体)(エンザルタミドを160mg相当量含有する)の溶出試験を行った。各医薬組成物(固体分散体)の処方は表14に示す。各医薬組成物(固体分散体)と同量のマンニトール(PEARLITOL 200SD)で混合した粉体を試験に用いた。溶出試験液として、水(試験液量:500mL、液温:37℃)を使用し、日本薬局方溶出試験法パドル法に従い、パドル回転数50回転/分の条件で溶出試験を行った。マンニトールと混合した粉体はあらかじめシリンジに充填し、20mLの溶出試験液をシリンジに吸い取り、振とうして粉体を分散させた後、溶出試験器に投入して試験を開始した。エンザルタミドの紫外吸光度は260nmにて測定した。溶出率は1mmセルでの吸光度1.2632を100%として計算した。
実施例9、実施例10で得られたエンザルタミド160mg相当の医薬組成物(固体分散体)の懸濁液、及びイクスタンジ(登録商標)カプセルをそれぞれ雄性ビーグル犬5例に絶食下経口投与した。各医薬組成物の処方は表14に示す。試験条件は試験例6と同様にして行った。
実施例9、実施例10で得られたエンザルタミド80mg相当の医薬組成物(固体分散体)について、HPLC法でエンザルタミドの最大類縁物質量の測定を行った。
なお、最大類縁物質量の測定は、以下の条件で行った:
・HPLCカラムとして、Zorbax SB-CN、粒子径5μm、4.6mm(内径)×150mm(Agilent社製)を使用し、30℃に維持した。
・移動相Aとして、0.05%トリフルオロ酢酸水溶液を用いた。
・移動相Bとして0.05%トリフルオロ酢酸アセトニトリル溶液を用いた。
・試料溶液は、エンザルタミドの濃度が240μg/mLとなるように、アセトニトリル/水混液(9:1)で希釈したものを用いた。
・以下の表17に示すグラジエントプログラムで、且つ、流速1mL/minに調整し、紫外吸光光度計(波長:260nm)で類縁物質量測定を行い、エンザルタミド及びその類縁物質の総ピーク面積に対する百分率として、最大類縁物質のピーク面積の百分率を計算した。
実施例9の医薬組成物(固体分散体)1200mg、マンニトール(PEARLITOL 200SD)1446mg、塩化カリウム720mg、クロスポビドン(コリドンCL)180mg、軽質無水ケイ酸(サイリシア320TP)36mg、ステアリン酸マグネシウム18mgを乳鉢に仕込み、乳棒を用いて混合した。得られた混合粉末を単発打錠機を用いて打錠し、1錠あたり600mgの実施例11の医薬組成物(錠剤)を得た。
実施例9の医薬組成物1200mg、マンニトール(PEARLITOL 200SD)1446mg、塩化ナトリウム720mg、クロスポビドン(コリドンCL)180mg、軽質無水ケイ酸(サイリシア320TP)36mg、ステアリン酸マグネシウム18mgを乳鉢に仕込み、乳棒を用いて混合した。得られた混合粉末を単発打錠機を用いて打錠し、1錠あたり600mgの実施例12の医薬組成物(錠剤)を得た。
実施例9の医薬組成物1200mg、マンニトール(PEARLITOL 200SD)1446mg、塩化マグネシウム六水和物720mg、クロスポビドン(コリドンCL)180mg、軽質無水ケイ酸(サイリシア320TP)36mg、ステアリン酸マグネシウム18mgを乳鉢に仕込み、乳棒を用いて混合した。得られた混合粉末を単発打錠機を用いて打錠し、1錠あたり600mgの実施例13の医薬組成物(錠剤)を得た。
実施例11、実施例12、実施例13で調製した医薬組成物(エンザルタミドを40mg相当量含有する錠剤)の溶出試験を行った。溶出試験液として、水(試験液量:500mL、液温:37℃)を使用し、日本薬局方溶出試験法パドル法に従い、パドル回転数50回転/分の条件で溶出試験を行った。エンザルタミドの紫外吸光度は260nmにて測定した。溶出率は1mmセルでの吸光度0.3158を100%として計算した。
実施例11で得られた医薬組成物(エンザルタミド160mg相当含有する錠剤(4錠))、及びイクスタンジ(登録商標)カプセルをそれぞれ雄性ビーグル犬4例に絶食下経口投与した。試験条件は試験例6と同様にして行った。
実施例10の医薬組成物(固体分散体)4000mg、マンニトール(PEARLITOL 200SD)4820mg、塩化カリウム2400mg、クロスポビドン(コリドンCL)600mg、軽質無水ケイ酸(サイリシア320TP)120mg、ステアリン酸マグネシウム60mgを乳鉢に仕込み、乳棒を用いて混合した。得られた混合粉末を単発打錠機を用いて打錠し、1錠あたり600mgの実施例14の医薬組成物(錠剤)を得た。
実施例10の医薬組成物(固体分散体)2000mg、マンニトール(PEARLITOL 200SD)2410mg、塩化ナトリウム1200mg、クロスポビドン(コリドンCL)300mg、軽質無水ケイ酸(サイリシア320TP)60mg、ステアリン酸マグネシウム30mgを乳鉢に仕込み、乳棒を用いて混合した。得られた混合粉末を単発打錠機を用いて打錠し、1錠あたり600mgの実施例15の医薬組成物(錠剤)を得た。
実施例10の医薬組成物2000mg、マンニトール(PEARLITOL 200SD)2410mg、リン酸二水素カリウム1200mg、クロスポビドン(コリドンCL)300mg、軽質無水ケイ酸(サイリシア320TP)60mg、ステアリン酸マグネシウム30mgを乳鉢に仕込み、乳棒を用いて混合した。得られた混合粉末を単発打錠機を用いて打錠し、1錠あたり600mgの実施例16の医薬組成物(錠剤)を得た。
実施例14、実施例15、実施例16で調製した医薬組成物(エンザルタミドを40mg相当量含有する錠剤)の溶出試験を行った。溶出試験液として、水(試験液量:500mL、液温:37℃)を使用し、日本薬局方溶出試験法パドル法に従い、パドル回転数50回転/分の条件で溶出試験を行った。エンザルタミドの紫外吸光度は260nmにて測定した。溶出率は1mmセルでの吸光度0.3158を100%として計算した。
実施例14で得られた医薬組成物(エンザルタミド160mg相当の錠剤(4錠))、及びイクスタンジ(登録商標)カプセルをそれぞれ雄性ビーグル犬3例に絶食下経口投与した。試験条件は試験例6と同様にして行った。
実施例9の医薬組成物1200mg、マンニトール(PEARLITOL 200SD)1266mg、塩化カリウム720mg、クロスポビドン(コリドンCL)360mg、軽質無水ケイ酸(サイリシア320TP)36mg、ステアリン酸マグネシウム18mgを乳鉢に仕込み、乳棒を用いて混合した。得られた混合粉末を単発打錠機を用いて打錠し、1錠あたり600mgの実施例17の医薬組成物(錠剤)を得た。
実施例9の医薬組成物1200mg、マンニトール(PEARLITOL 200SD)1266mg、塩化カリウム720mg、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC、LH-21)360mg、軽質無水ケイ酸(サイリシア320TP)36mg、ステアリン酸マグネシウム18mgを乳鉢に仕込み、乳棒を用いて混合した。得られた混合粉末を単発打錠機を用いて打錠し、1錠あたり600mgの実施例18の医薬組成物(錠剤)を得た。
実施例17、実施例18で調製した医薬組成物(エンザルタミドを40mg相当量含有する錠剤)の溶出試験を行った。溶出試験液として、水(試験液量:500mL、液温:37℃)を使用し、日本薬局方溶出試験法パドル法に従い、パドル回転数50回転/分の条件で溶出試験を行った。エンザルタミドの紫外吸光度は260nmにて測定した。溶出率は1mmセルでの吸光度0.3158を100%として計算した。
「A1」3gを水40mLに溶解するまで撹拌した。更に、メタノール160mLを添加して調製した混合溶液に、エンザルタミド1gを添加して溶解するまで撹拌し、噴霧溶液を調製した。噴霧溶液をスプレードライヤー(Niro SD-MicroTM Spray Dryer、GEA)で噴霧乾燥し、実施例19の医薬組成物(固体分散体)を得た。
実施例5~7、実施例19で調製した医薬組成物(固体分散体)(エンザルタミドを80mg相当量含有する)の溶出試験を行った。各医薬組成物の処方は表27に示す。各医薬組成物(固体分散体)と同量のマンニトール(PEARLITOL 200SD)で混合した粉体を試験に用いた。溶出試験液として、水(試験液量:500mL、液温:37℃)を使用し、日本薬局方溶出試験法パドル法に従い、パドル回転数50回転/分(試験開始0~3分は250回転/分、3~5分は200回転/分)の条件で溶出試験を行った。エンザルタミドの紫外吸光度は260nmにて測定した。溶出率は1mmセルでの吸光度0.6316を100%として計算した。
以上、本発明を特定の態様に沿って説明したが、当業者に自明の変法や改良は本発明の範囲に含まれる。
Claims (16)
- エンザルタミド、及びポリビニルアルコールを含み、前記ポリビニルアルコールのけん化度が、30mol%以上85mol%未満である、経口投与用医薬組成物。
- ポリビニルアルコールの重合度が、50以上600以下である、請求項1に記載の経口投与用医薬組成物。
- エンザルタミド、及びポリビニルアルコールを含む固体分散体を含有する、請求項1又は2に記載の経口投与用医薬組成物。
- 更に、ポリビニルピロリドン、及び/又はコポリビドンを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の経口投与用医薬組成物。
- 更に、崩壊助剤を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の経口投与用医薬組成物。
- 崩壊助剤が、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、及びリン酸二水素カリウムからなる群から選択される1種又は2種以上である、請求項5に記載の経口投与用医薬組成物。
- 崩壊助剤が、塩化カリウムである、請求項5又は6に記載の経口投与用医薬組成物。
- 更に、崩壊剤を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の経口投与用医薬組成物。
- 崩壊剤が、クロスポビドン、及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選択される1種又は2種である、請求項8に記載の経口投与用医薬組成物。
- 崩壊剤が、クロスポビドンである、請求項8又は9に記載の経口投与用医薬組成物。
- 医薬組成物が錠剤である、請求項1~10のいずれか一項に記載の経口投与用医薬組成物。
- エンザルタミドが非晶質である、請求項1~11のいずれか一項に記載の経口投与用医薬組成物。
- エンザルタミド、及びポリビニルアルコールを含み、前記ポリビニルアルコールのけん化度が、30mol%以上85mol%未満である、経口投与用医薬組成物の製造方法であって、エンザルタミド、及びポリビニルアルコールを含む固体分散体を調製する工程を含む、前記製造方法。
- 固体分散体を加熱溶融押出法で調製する、請求項13に記載の経口投与用医薬組成物の製造方法。
- 固体分散体を溶媒法で調製する、請求項13に記載の経口投与用医薬組成物の製造方法。
- エンザルタミド、及びポリビニルアルコールを含み、前記ポリビニルアルコールのけん化度が、30mol%以上85mol%未満である、経口投与用医薬組成物の製造のためのポリビニルピロリドン、及び/又はコポリビドンの使用。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017090300 | 2017-04-28 | ||
JP2017090300 | 2017-04-28 | ||
PCT/JP2018/017159 WO2018199282A1 (ja) | 2017-04-28 | 2018-04-27 | エンザルタミドを含有する経口投与用医薬組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2018199282A1 JPWO2018199282A1 (ja) | 2020-03-12 |
JP7172997B2 true JP7172997B2 (ja) | 2022-11-16 |
Family
ID=63920425
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019514651A Active JP7172997B2 (ja) | 2017-04-28 | 2018-04-27 | エンザルタミドを含有する経口投与用医薬組成物 |
Country Status (10)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20200146977A1 (ja) |
EP (1) | EP3616696A4 (ja) |
JP (1) | JP7172997B2 (ja) |
KR (1) | KR20190137920A (ja) |
CN (1) | CN110573153B (ja) |
AU (1) | AU2018256998B2 (ja) |
CA (1) | CA3060366A1 (ja) |
MX (1) | MX2019012757A (ja) |
RU (1) | RU2019138248A (ja) |
WO (1) | WO2018199282A1 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EA201991484A1 (ru) | 2012-09-11 | 2019-11-29 | Лекарственные формы энзалутамида | |
JP7238509B2 (ja) * | 2019-03-19 | 2023-03-14 | 三菱ケミカル株式会社 | 医薬錠剤 |
WO2021240206A1 (en) * | 2020-05-24 | 2021-12-02 | Lotus International Pte. Ltd. | Enzalutamide formulation |
JP7414668B2 (ja) | 2020-08-28 | 2024-01-16 | 信越化学工業株式会社 | ポリビニルアルコール含有造粒物及び固形製剤 |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014508812A (ja) | 2011-03-23 | 2014-04-10 | アイアンショア ファーマシューティカルズ アンド ディベロップメント, インコーポレイテッド | 注意欠陥障害の処置のための方法および組成物 |
JP2015527411A (ja) | 2012-09-11 | 2015-09-17 | メディベイション プロステイト セラピューティクス, インコーポレイテッド | エンザルタミドの製剤 |
WO2015163448A1 (ja) | 2014-04-25 | 2015-10-29 | 中外製薬株式会社 | 4環性化合物を高用量含有する製剤 |
WO2016116121A1 (en) | 2015-01-20 | 2016-07-28 | Merck Patent Gmbh | Solid dispersions of compounds using polyvinyl alcohol as a carrier polymer |
JP2017507928A (ja) | 2014-02-05 | 2017-03-23 | レツク・フアーマシユーテイカルズ・デー・デー | アンドロゲン受容体アンタゴニストの固体医薬組成物 |
Family Cites Families (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4072597B2 (ja) * | 1994-12-27 | 2008-04-09 | ナムローゼ・フェンノートシャップ・オルガノン | 持続性製剤 |
JPH10316576A (ja) * | 1997-05-13 | 1998-12-02 | Nissui Pharm Co Ltd | キトサン含有錠剤 |
ME01992B (me) | 2005-05-13 | 2012-10-30 | Univ California | Jedinjenje diarilhidantoina |
WO2010029930A1 (ja) * | 2008-09-12 | 2010-03-18 | 第一三共ヘルスケア株式会社 | 変色が抑制された安定な医薬製剤 |
MX2012009782A (es) | 2010-02-24 | 2012-11-29 | Medivation Prostate Therapeutics Inc | Procesos para la sintesis de diariltiohidantoina y compuestos de diarilhidantoina. |
EP2674149B1 (en) * | 2012-06-15 | 2017-10-04 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Method of preparing composite granule comprising low-substituted hydroxypropyl cellulose and rapid release preparation |
JP2015534550A (ja) | 2012-09-11 | 2015-12-03 | ドクター レディズ ラボラトリーズ リミテッド | エンザルタミドの多形形態およびその調製 |
WO2014167428A2 (en) * | 2013-04-10 | 2014-10-16 | Shilpa Medicare Limited | Amorphous 4-(3-(4-cyano-3-(trifluoromethyl)phenyl)-5,5-dimethyl-4-oxo-2-thioxoimidazolidin-1-yl)-2-fluoro-n-methylbenzamide |
JP6133445B2 (ja) * | 2014-01-30 | 2017-05-24 | テイカ製薬株式会社 | 口腔内速崩壊性固形製剤用組成物 |
WO2015120014A1 (en) * | 2014-02-05 | 2015-08-13 | Merck Sharp & Dohme Corp. | Novel disintegration systems for pharmaceutical dosage forms |
JP6403615B2 (ja) * | 2015-03-18 | 2018-10-10 | 日本酢ビ・ポバール株式会社 | フィルムコーティング組成物並びに経口固形製剤及びその製造方法 |
JP2016056208A (ja) * | 2016-01-15 | 2016-04-21 | 日本酢ビ・ポバール株式会社 | フィルムコーティング組成物並びに経口固形製剤及びその製造方法 |
-
2018
- 2018-04-27 WO PCT/JP2018/017159 patent/WO2018199282A1/ja unknown
- 2018-04-27 CA CA3060366A patent/CA3060366A1/en active Pending
- 2018-04-27 US US16/609,062 patent/US20200146977A1/en active Pending
- 2018-04-27 MX MX2019012757A patent/MX2019012757A/es unknown
- 2018-04-27 EP EP18791486.6A patent/EP3616696A4/en active Pending
- 2018-04-27 CN CN201880028051.1A patent/CN110573153B/zh active Active
- 2018-04-27 JP JP2019514651A patent/JP7172997B2/ja active Active
- 2018-04-27 RU RU2019138248A patent/RU2019138248A/ru unknown
- 2018-04-27 AU AU2018256998A patent/AU2018256998B2/en active Active
- 2018-04-27 KR KR1020197034702A patent/KR20190137920A/ko not_active Application Discontinuation
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014508812A (ja) | 2011-03-23 | 2014-04-10 | アイアンショア ファーマシューティカルズ アンド ディベロップメント, インコーポレイテッド | 注意欠陥障害の処置のための方法および組成物 |
JP2015527411A (ja) | 2012-09-11 | 2015-09-17 | メディベイション プロステイト セラピューティクス, インコーポレイテッド | エンザルタミドの製剤 |
JP2017507928A (ja) | 2014-02-05 | 2017-03-23 | レツク・フアーマシユーテイカルズ・デー・デー | アンドロゲン受容体アンタゴニストの固体医薬組成物 |
WO2015163448A1 (ja) | 2014-04-25 | 2015-10-29 | 中外製薬株式会社 | 4環性化合物を高用量含有する製剤 |
WO2016116121A1 (en) | 2015-01-20 | 2016-07-28 | Merck Patent Gmbh | Solid dispersions of compounds using polyvinyl alcohol as a carrier polymer |
Non-Patent Citations (3)
Title |
---|
AAPS PharmSciTech,2016年,Vol.17, No.1,p.167-179 |
AAPS PharmSciTech,2016年,Vol.17, No.1,p.180-190 |
ファルマシア,2016年,Vol.52, No.5,p.402-406 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
MX2019012757A (es) | 2019-12-16 |
JPWO2018199282A1 (ja) | 2020-03-12 |
RU2019138248A3 (ja) | 2021-07-21 |
US20200146977A1 (en) | 2020-05-14 |
CN110573153B (zh) | 2023-04-04 |
EP3616696A4 (en) | 2021-01-27 |
WO2018199282A1 (ja) | 2018-11-01 |
KR20190137920A (ko) | 2019-12-11 |
CN110573153A (zh) | 2019-12-13 |
RU2019138248A (ru) | 2021-05-28 |
CA3060366A1 (en) | 2018-11-01 |
AU2018256998A1 (en) | 2019-12-05 |
EP3616696A1 (en) | 2020-03-04 |
AU2018256998B2 (en) | 2023-11-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7172997B2 (ja) | エンザルタミドを含有する経口投与用医薬組成物 | |
JP5794650B2 (ja) | 難溶性薬物の溶解性改善製剤 | |
JP5784502B2 (ja) | ウリプリスタール酢酸エステル錠 | |
JP5936705B2 (ja) | 高融点疎水性化合物のバイオアベイラビリティが向上した薬学的組成物 | |
KR101632079B1 (ko) | 디히드로피리딘 칼슘 채널 길항제를 함유하는 약제학적 조성물 및 그것의 제조방법 | |
JP5103173B2 (ja) | ジヒドロピリジン系化合物の分解を防止する方法 | |
AU2016259762B2 (en) | Vortioxetine pyroglutamate | |
JP7469304B2 (ja) | Parpインヒビタを含む医薬組成物 | |
JP2016117738A (ja) | シロドシン−シクロデキストリン包接化合物 | |
JP6680297B2 (ja) | 経口投与用医薬組成物 | |
JP7180592B2 (ja) | 医薬組成物 | |
CA3108993C (en) | Pharmaceutical composition for oral administration | |
US20170209455A1 (en) | Solid Pharmaceutical Composition Comprising PI3K-Inhibitor | |
WO2015199115A1 (ja) | 経口投与用医薬組成物 | |
WO2004052342A1 (en) | A new oral immediated release dosage form | |
PT2082735E (pt) | Aripripazole amorfo e processo para a sua preparação | |
EP4262759A1 (en) | Immediate release solid dosage form comprising teriflunomide and method of preparation thereof | |
CN117919370A (en) | Pharmaceutical composition of peptidomimetic compound and application thereof |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210427 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220419 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220613 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20221004 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20221017 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7172997 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |