JP7170400B2 - 検査装置、検査方法、錠剤印刷装置および錠剤印刷方法 - Google Patents

検査装置、検査方法、錠剤印刷装置および錠剤印刷方法 Download PDF

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Description

本願明細書に開示されるこの発明は、例えば、錠剤の検査および印刷技術に関するものである。
従来から、錠剤などの対象物の外観検査は、対象物を撮像して得られた画像データに所定の画像処理を施して外観の良否を判定することによって行われている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2007-114180号公報
従来の方法では、対象物に対し光が均一に照射された状態で対象物の撮像が行われていた。そのため、対象物に比較的浅い傷などがあった場合に、画像データ上で判別することが難しい場合があった。
本願明細書に開示されるこの発明は、以上に記載されたような問題を解決するためになされたものであり、撮像によって得られた画像による対象物の外観検査で、検査の精度を高めるための技術を提供することを目的とするものである。
本願明細書に開示される技術の第1の態様は、対象物に光を照射可能な少なくとも1つの照明と、前記照明によって光が照射された前記対象物を撮像し、かつ、前記対象物の画像データを生成する撮像部と、前記対象物の前記画像データに基づいて、前記対象物の外観検査を行う検査部とを備え、前記対象物を撮像する前記撮像部の光軸に沿う方向から第1の方向に傾斜した方向を第1の照射方向とし、前記撮像部の前記光軸に沿う方向から前記第1の方向とは反対側の第2の方向に傾斜した方向を第2の照射方向とし、前記照明が、前記対象物に対し、前記第1の照射方向および前記第2の照射方向の双方から光を照射し、前記照明が前記第1の照射方向に沿って前記対象物に照射する光量が、前記照明が前記第2の照射方向に沿って前記対象物に照射する光量よりも大きく、前記照明が、前記撮像部の前記光軸上に配置される、少なくとも1つの上方照明と、前記撮像部の前記光軸に沿う方向から見て、前記対象物を少なくとも一部囲んで配置される、複数の側方照明とを含み、前記照明が、前記上方照明と対向し、かつ、前記上方照明および前記側方照明から光が照射された前記対象物の第1の面と、前記側方照明と対向し、かつ、前記側方照明から光が照射された前記対象物の前記第1の面とは異なる面との間に、階調度の差を生じさせる
本願明細書に開示される技術の第の態様は、第の態様に関連し、複数の前記側方照明は、前記撮像部の前記光軸に沿う方向から見て前記対象物を囲んで配置され、前記撮像部の前記光軸に沿う方向から見て、前記対象物を挟む一対の前記側方照明のうちの1つのみが、前記対象物に対して光を照射する。
本願明細書に開示される技術の第の態様は、第1または2の態様のうちのいずれか1つに関連し、前記上方照明によって光が照射された前記対象物が反射する光を、前記上方照明を迂回しつつ前記撮像部に導く光学系をさらに備える。
本願明細書に開示される技術の第の態様は、第の態様に関連し、複数の前記側方照明は、前記撮像部の前記光軸に沿う方向から見て前記光学系が配置される範囲内に配置される。
本願明細書に開示される技術の第の態様は、第1の態様から第の態様のうちのいずれか1つに関連し、前記第1の照射方向は、平面視において前記撮像部から放射状に延びる方向であり、前記第2の照射方向は、平面視において前記撮像部の周囲から前記光軸に向かう方向である。
本願明細書に開示される技術の第の態様は、第1の態様から第の態様のうちのいずれか1つに関連し、前記上方照明によって光が照射された前記対象物が反射する光を、前記上方照明を迂回しつつ前記撮像部に導く光学系をさらに備え、前記撮像部は、複数の前記側方照明および前記上方照明を用いる複数の照射パターンによって光が照射された前記対象物を撮像し、かつ、前記対象物の前記画像データを生成する。
本願明細書に開示される技術の第の態様は、対象物に光を照射可能な少なくとも1つの照明と、前記照明によって光が照射された前記対象物を撮像し、かつ、前記対象物の画像データを生成する撮像部と、前記対象物の前記画像データに基づいて、前記対象物の外観検査を行う検査部とを備え、前記対象物を撮像する前記撮像部の光軸に沿う方向から第1の方向に傾斜した方向を第1の照射方向とし、前記撮像部の前記光軸に沿う方向から前記第1の方向とは反対側の第2の方向に傾斜した方向を第2の照射方向とし、前記照明が前記第1の照射方向に沿って前記対象物に照射する光量が、前記照明が前記第2の照射方向に沿って前記対象物に照射する光量よりも大きく、前記照明は、前記撮像部の前記光軸上に配置される、少なくとも1つの上方照明を含み、前記上方照明によって光が照射された前記対象物が反射する光を、前記上方照明を迂回しつつ前記撮像部に導く光学系をさらに備える。
本願明細書に開示される技術の第の態様は、対象物に光を照射可能な少なくとも1つの照明と、前記照明によって光が照射された前記対象物を撮像し、かつ、前記対象物の画像データを生成する撮像部と、前記対象物の前記画像データに基づいて、前記対象物の外観検査を行う検査部とを備え、前記対象物を撮像する前記撮像部の光軸に沿う方向から第1の方向に傾斜した方向を第1の照射方向とし、前記撮像部の前記光軸に沿う方向から前記第1の方向とは反対側の第2の方向に傾斜した方向を第2の照射方向とし、前記照明が前記第1の照射方向に沿って前記対象物に照射する光量が、前記照明が前記第2の照射方向に沿って前記対象物に照射する光量よりも大きく、前記照明は、前記撮像部の前記光軸に沿う方向から見て、前記対象物を少なくとも一部囲んで配置される、複数の側方照明と、前記撮像部の前記光軸上に配置される、少なくとも1つの上方照明とを含み、前記上方照明によって光が照射された前記対象物が反射する光を、前記上方照明を迂回しつつ前記撮像部に導く光学系をさらに備え、前記撮像部は、複数の前記側方照明および前記上方照明を用いる複数の照射パターンによって光が照射された前記対象物を撮像し、かつ、前記対象物の前記画像データを生成する。
本願明細書に開示される技術の第の態様は、第1の態様から第の態様のうちのいずれか1つに関連し、上記の検査装置と、前記検査装置によって検査された錠剤に印刷を行う印刷部とを備える。
本願明細書に開示される技術の第10の態様は、少なくとも1つの照明によって光が照射された対象物を撮像し、かつ、前記対象物の画像データを生成する工程と、前記対象物の前記画像データに基づいて、前記対象物の外観検査を行う工程とを備え、前記対象物を撮像する撮像部の光軸に沿う方向から第1の方向に傾斜した方向を第1の照射方向とし、前記撮像部の前記光軸に沿う方向から前記第1の方向とは反対側の第2の方向に傾斜した方向を第2の照射方向とし、前記照明が、前記対象物に対し、前記第1の照射方向および前記第2の照射方向の双方から光を照射し、前記照明が前記第1の照射方向に沿って前記対象物に照射する光量が、前記照明が前記第2の照射方向に沿って前記対象物に照射する光量よりも大きく、前記照明が、前記撮像部の前記光軸上に配置される、少なくとも1つの上方照明と、前記撮像部の前記光軸に沿う方向から見て、前記対象物を少なくとも一部囲んで配置される、複数の側方照明とを含み、前記照明が、前記上方照明と対向し、かつ、前記上方照明および前記側方照明から光が照射された前記対象物の第1の面と、前記側方照明と対向し、かつ、前記側方照明から光が照射された前記対象物の前記第1の面とは異なる面との間に、階調度の差を生じさせる
本願明細書に開示される技術の第11の態様は、第10の態様に関連し、上記の検査方法によって検査された錠剤に印刷を行う工程を備える。
本願明細書に開示される技術の第1、10の態様によれば、画像データにおける階調度の差を大きくすることによって画像認識の精度を高め、撮像による対象物の外観検査の精度を高めることができる。
特に、第の態様によれば、光軸に沿う方向から見て対象物を囲む側方照明を部分的に点灯させることによって、対象物の周囲のうちの一方向のみから光を照射する。そうすることによって、比較的浅い欠陥などであっても容易に検出することができる。
特に、第の態様によれば、上方照明によって、対象物の主面に放射状に照射される光量が、対象物の周囲から対象物に向かって照射される光量よりも高くなる。そのため、対象物の主面における階調度と側面における階調度との差が大きくなり、画像処理によって比較的浅い欠陥などを容易に検出することができる。
特に、第の態様によれば、検査装置の構造を小さくすることができるため、検査装置を密に配列しやすくなる。
特に、第の態様によれば、上方照明と側方照明とを組み合わせて用いる場合に、上方照明から放射状に照射される光量が、光軸に沿う方向から見て対象物を囲む側方照明から対象物に向かって照射される光量よりも高くなるため、対象物の主面における階調度と側面における階調度との差が大きくなる。
特に、第の態様によれば、上方照明と側方照明とを用いる複数の照射パターンで対象物を照射することができるため、検査精度を向上させることができる。
特に、第および第11の態様によれば、高い精度で外観検査が行われた対象物のみに対して印刷を行うため、異物、傷または欠陥などを有する対象物が良品として回収されることを防止することができる。

本願明細書に開示される技術に関する目的と、特徴と、局面と、利点とは、以下に示される詳細な説明と添付図面とによって、さらに明白となる。
実施の形態に関する、錠剤印刷装置の全体構成を概略的に例示する図である。 搬送ドラムおよび搬送ベルトの外観を示す斜視図である。 撮像ユニットの具体的な構成を例示する断面図である。 撮像ユニットをZ軸負方向から見上げた場合の図である。 外観検査ユニットにおける撮像ユニットの配置を例示する平面図である。 錠剤印刷装置における処理動作の手順を示すフローチャートである。 錠剤印刷装置における処理動作の手順を示すフローチャートである。 錠剤の平面図である。 撮像ユニットによる撮像結果の一例を示す図である。 第1の照射パターンで撮像された画像データの一例を示す図である。 上方照明が錠剤に照射する光量と、リング状の側方照明が錠剤に照射する光量とが等しくなるように設定した状態で撮像された画像データの一例を示す図である。 錠剤の第1の面に形成された比較的浅い欠陥に照射される光を例示する概念図である。 錠剤の第1の面に形成された比較的浅い欠陥に照射される光を例示する概念図である。 第2の照射パターンで撮像された画像データの他の例を示す図である。 上方照明を消灯させ、かつ、リング状の側方照明の全周分を点灯させた状態で撮像された画像データの一例を示す図である。 インクジェットヘッドによる印刷処理結果の一例を示す図である。
以下、添付される図面を参照しながら実施の形態について説明する。
なお、図面は概略的に示されるものであり、説明の便宜のため、適宜、構成の省略、または、構成の簡略化がなされるものである。また、異なる図面にそれぞれ示される構成などの大きさおよび位置の相互関係は、必ずしも正確に記載されるものではなく、適宜変更され得るものである。
また、以下に示される説明では、同様の構成要素には同じ符号を付して図示し、それらの名称と機能とについても同様のものとする。したがって、それらについての詳細な説明を、重複を避けるために省略する場合がある。
また、以下に記載される説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「側」、「底」、「表」または「裏」などの特定の位置と方向とを意味する用語が用いられる場合があっても、これらの用語は、実施の形態の内容を理解することを容易にするために便宜上用いられるものであり、実際に実施される際の方向とは関係しないものである。
また、以下に記載される説明において、「第1の」、または、「第2の」などの序数が用いられる場合があっても、これらの用語は、実施の形態の内容を理解することを容易にするために便宜上用いられるものであり、これらの序数によって生じ得る順序などに限定されるものではない。
<実施の形態>
<錠剤印刷装置の構成について>
図1は、本実施の形態に関する錠剤印刷装置の全体構成を概略的に例示する図である。図1に例示されるように、錠剤印刷装置1は、錠剤の表裏両面に対して印刷処理を行う装置である。
錠剤印刷装置1は、少なくとも、ホッパー8と、搬送ドラム10と、搬送ベルト20と、搬送ベルト30と、外観検査カメラ51と、外観検査ユニット52と、外観検査ユニット53と、インクジェットヘッド61と、インクジェットヘッド62を備える。また、錠剤印刷装置1は、装置に設けられた各駆動部を制御して錠剤に対する検査処理および印刷処理を進行させる制御部3を備える。
ホッパー8は、錠剤印刷装置1の筐体5の天井部上側に設けられる。ホッパー8は、多数の錠剤を一括して装置内に投入するための投入部である。ホッパー8から投入された複数の錠剤は、傾斜面に沿って直進フィーダ122へ流れ込む。直進フィーダ122に供給された複数の錠剤は、振動トラフの振動によって、回転フィーダ123側へ搬送される。そして、回転フィーダ123における回転台の回転による遠心力で、回転台の外周部付近へ集まる。そして、回転台の外周部付近に集まった錠剤は、回転台の外周部から搬送ドラム10まで鉛直下向きに延びる供給フィーダ124によって、搬送ドラム10に供給される。
図2は、搬送ドラム10および搬送ベルト20の外観を示す斜視図である。搬送ドラム10は、略円筒形状を有しており、回転駆動モータ(ここでは、図示しない)によってY軸方向に沿う中心軸を回転中心として時計回りに回転される。図2に例示されるように、搬送ドラム10の外周面には複数の吸着孔11が形成されている。本実施の形態では、搬送ドラム10の中心軸に沿って等間隔で5列に吸着孔11が形成されている。また、5列1組の吸着孔11が搬送ドラム10の外周面の周方向に沿って等間隔で複数行に設けられている。
吸着孔11の形状は、検査処理および印刷処理の対象物の形状に応じたものとなる。例えば、本実施の形態では円盤形状の錠剤を処理するため、吸着孔11の形状も円形としている。吸着孔11のサイズは錠剤の大きさよりもやや大きい。例えば、円盤形状の錠剤の直径が約10mmであれば、吸着孔11の直径は約12mmとされる。
複数の吸着孔11の底部には吸着孔11よりも小さな小孔が設けられており、複数の吸着孔11のそれぞれは当該小孔を介して搬送ドラム10の内部に設けられた吸引機構(ここでは、図示しない)と連通している。当該吸引機構を作動させることによって、複数の吸着孔11のそれぞれに大気圧よりも低い負圧を作用させることができる。これによって、搬送ドラム10の各吸着孔11は1個の錠剤を吸着保持することができる。
また、搬送ドラム10の内部には、搬送ベルト20に対向する部位の近傍にブロー機構が設けられている。当該ブロー機構は、吸着孔11の底部に設けられた上記の小孔に向けて加圧されたエアーを吹き付ける。ブロー機構が小孔にエアーを吹き付けることによって、吸着孔11には大気圧よりも高い圧力を作用させることができる。これによって、吸着孔11による錠剤の吸着状態を解除することができる。このように、搬送ドラム10に設けられた複数の吸着孔11の全体には吸引機構によって吸引力を作用させつつも、搬送ベルト20に対向している5列1行の吸着孔11についてはブロー機構によって吸着を解除することができる。
搬送ベルト20は、複数の保持板22をベルト状につなぎ合わせたものを一対のプーリに掛け渡して構成される。一対のプーリが駆動モータ(ここでは、図示しない)によって回転駆動されることによって、複数の保持板22からなるベルト状体が図1の矢印の方向に移動する。搬送ベルト20は、複数の保持板22からなるベルト状体の一部が搬送ドラム10の外周面に近接して対向するように設置されている。
図2に例示されるように、複数の保持板22のそれぞれにはベルトの幅方向(Y軸方向)に沿って等間隔で複数の吸着孔21が形成されている。本実施の形態では、各保持板22にY軸方向に沿って5列に吸着孔21が形成されている。搬送ベルト20の吸着孔21自体の形状および大きさは搬送ドラム10の吸着孔11と同じである。また、各保持板22に5列に並べられた吸着孔21の間隔も、搬送ドラム10の中心軸に沿って5列に並べられた吸着孔11の間隔と等しい。
吸着孔11と同様に、複数の吸着孔21の底部には吸着孔21よりも小さな小孔が設けられており、複数の吸着孔21のそれぞれは当該小孔を介して搬送ベルト20の内部に設けられた吸引機構と連通している。当該吸引機構を作動させることによって、複数の吸着孔21のそれぞれに大気圧よりも低い負圧を作用させることができる。これによって、搬送ベルト20の各吸着孔21は1個の錠剤を吸着保持することができる。
また、搬送ベルト20の内部には、後述する搬送ベルト30に対向する部位の近傍にブロー機構が設けられている。当該ブロー機構は、吸着孔21の底部に設けられた上記の小孔に向けて加圧されたエアーを吹き付ける。ブロー機構が小孔にエアーを吹き付けることによって、吸着孔21には大気圧よりも高い圧力を作用させることができる。これによって、吸着孔21による錠剤の吸着状態を解除することができる。
搬送ベルト30の構成は、搬送ベルト20と概ね同様である。すなわち、搬送ベルト30は、複数の保持板をベルト状につなぎ合わせたものを一対のプーリに掛け渡して構成される。一対のプーリが駆動モータによって回転駆動されることにより、搬送ベルト30は図1の矢印の方向に移動する。搬送ベルト30は、複数の保持板からなるベルト状体の一部が搬送ベルト20に近接して対向するように設置されている。
搬送ベルト30の保持板にも、ベルトの幅方向(Y軸方向)に沿って等間隔で複数(本実施の形態では5列)の吸着孔が形成されている。
上記と同様に、搬送ベルト30の吸着孔には、搬送ベルト30の内部に設けられた吸引機構によって大気圧よりも低い負圧を作用させることができる。これによって、搬送ベルト30の各吸着孔は1個の錠剤を吸着保持することができる。また、搬送ベルト30の内部には、例えば3箇所にわたって、ブロー機構が設けられている。ブロー機構がエアーを吹き付けることによって搬送ベルト30の吸着孔に大気圧よりも高い圧力を作用させて当該吸着孔による錠剤の吸着状態を解除することができる。
搬送ベルト30の3箇所のブロー機構は、いずれも下方または斜め下方に向けてエアーを吹き付ける。従って、3箇所のブロー機構のうち、良品ダクト48に対向する部位に設けられたブロー機構がエアーを吹き付けることによって、吸着孔による錠剤の吸着状態を解除して当該錠剤を良品ダクト48に放出することができる。良品ダクト48に放出された錠剤は良品回収ボックス58に回収される。
また、外観不良品ダクト47に対向する部位に設けられたブロー機構がエアーを吹き付けることによって、吸着孔による錠剤の吸着状態を解除して当該錠剤を外観不良品ダクト47に放出することができる。外観不良品ダクト47に放出された錠剤は外観不良品ボックス57に回収される。
さらに、印刷不良品ダクト46に対向する部位に設けられたブロー機構がエアーを吹き付けることによって、吸着孔による錠剤の吸着状態を解除して当該錠剤を印刷不良品ダクト46に放出することができる。印刷不良品ダクト46に放出された錠剤は印刷不良品ボックス56に回収される。
外観検査カメラ51は、所定領域を撮像するための撮像部であり、例えばCMOSカメラまたはCCDカメラである。
外観検査カメラ51は、撮像エリアが搬送ドラム10の外周面となるように当該外周面に対向して設置されている。
外観検査カメラ51は、搬送ドラム10の吸着孔11に吸着保持されて搬送される複数の錠剤を撮像する。外観検査カメラ51の撮像エリアの大きさは適宜のものとすることが可能であるが、搬送ドラム10の円筒周面を撮像することとなるため、その円筒周面の広範囲にわたって焦点を合わせることは困難である。このため、外観検査カメラ51の撮像エリアは、少なくとも外観検査カメラ51に対向している5列1行の錠剤を撮像可能な大きさであればよい。
外観検査ユニット52は、搬送ベルト20の搬送方向に沿って搬送ドラム10との対向位置よりも下流側であって、かつ、インクジェットヘッド61よりも上流側を撮像できる位置に設けられている。外観検査ユニット52は、それぞれが1つの錠剤を順次撮像する撮像ユニット52Aを複数備えている。それぞれの撮像ユニット52Aの配置、および、具体的な構成については、後述する。
外観検査ユニット53は、搬送ベルト30の搬送方向に沿って搬送ベルト20との対向位置よりも下流側であって、かつ、インクジェットヘッド62よりも上流側を撮像できる位置に設けられている。外観検査ユニット53は、それぞれが1つの錠剤を順次撮像する撮像ユニット53Aを複数備えている。撮像ユニット53Aの配置、および、具体的な構成は、外観検査ユニット52における撮像ユニット52Aと同様である。
なお、本実施の形態では、2つの外観検査ユニットを備える錠剤印刷装置が例示されているが、外観検査ユニットの配置および備えられる数は、本実施の形態に例示された場合に限定されるものではない。すなわち、外観検査ユニットが搬送経路における他の箇所に配置される場合を想定することもできるし、外観検査ユニットが1つ備えられる場合、外観検査カメラ51を外観検査ユニットに置き換えて外観検査ユニットが3つ備えられる場合、さらには、外観検査ユニットが3つ以上備えられる場合を想定することもできる。
インクジェットヘッド61およびインクジェットヘッド62は、複数の吐出ノズルを備えており、それら吐出ノズルからインクジェット方式によってインクの液滴を吐出する。インクジェットの方式は、ピエゾ素子(圧電素子)に電圧を加えて変形させることによってインクの液滴を吐出するピエゾ方式であってもよいし、ヒータに通電してインクを加熱することによってインクの液滴を吐出するサーマル方式であってもよい。
本実施の形態においては、医薬品の錠剤などに印刷処理を行うため、インクジェットヘッド61およびインクジェットヘッド62から吐出するインクとしては、食品衛生法で認められている原料によって製造された可食性インクを使用することが望ましい。また、インクジェットヘッド61およびインクジェットヘッド62は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)および黒(K)の4色のインクを吐出可能であり、これらを混合することによってカラー印刷が可能である。ただし、インクジェットヘッド61およびインクジェットヘッド62が吐出するインクの色はこれに限られるものではない。また、それぞれのヘッドが吐出するインクの色が全て異なる色である必要はなく、一部のヘッドが吐出するインクの色が同じ色であってもよい。
インクジェットヘッド61は、搬送ベルト20の搬送方向に沿って外観検査ユニット52よりも下流側に設けられている。インクジェットヘッド61は、搬送ベルト20によって吸着保持されて搬送される複数の錠剤に対して印刷処理を行う。
また、インクジェットヘッド62は、搬送ベルト30の搬送方向に沿って外観検査ユニット53よりも下流側に設けられている。インクジェットヘッド62は、搬送ベルト30によって吸着保持されて搬送される複数の錠剤に対して印刷処理を行う。
なお、インクジェットヘッド61およびインクジェットヘッド62は、それぞれ搬送ベルト20および搬送ベルト30の幅方向全域をカバーするフルラインヘッドであることが好ましい。
また、錠剤印刷装置1は、製品検査カメラ71および製品検査カメラ72を備える。製品検査カメラ71および製品検査カメラ72としては、例えばCCDカメラを用いることができる。製品検査カメラ71は、撮像エリアがプーリ10Aの外周面となるように当該外周面に対向して設置されている。製品検査カメラ71は、搬送ベルト20の搬送方向に沿ってインクジェットヘッド61よりも下流側を撮像できる位置に設けられている。製品検査カメラ71は、搬送ベルト20によって吸着保持されて搬送される複数の錠剤を撮像する。
製品検査カメラ72は、撮像エリアがプーリ10Bの外周面となるように当該外周面に対向して設置されている。製品検査カメラ72は、搬送ベルト30によって吸着保持されて搬送される複数の錠剤を撮像する。
また、錠剤印刷装置1は、ヒータ76およびヒータ77を備える。ヒータ76およびヒータ77としては、例えば熱風を吹き付けて錠剤を加熱して乾燥させる熱風乾燥式ヒータを用いることができる。ヒータ76は、搬送ベルト20の搬送方向に沿ってインクジェットヘッド61よりも下流側に設けられている。ヒータ76は、インクジェットヘッド61によって印刷処理が行われた錠剤に対して熱風を吹き付けて乾燥させる。
ヒータ77は、搬送ベルト30の搬送方向に沿ってインクジェットヘッド62よりも下流側に設けられている。ヒータ77は、インクジェットヘッド62によって印刷処理が行われた錠剤に対して熱風を吹き付けて乾燥させる。
なお、ヒータ76およびヒータ77はそれぞれ搬送ベルト20および搬送ベルト30の下方に設けられているが、上述したものと同様に、搬送ベルト20および搬送ベルト30は錠剤を吸着保持して搬送するため、錠剤が下側を向いている状態であっても当該錠剤は落下せずに搬送される。
また、錠剤の乾燥処理にはヒータが必ずしも用いられる必要はなく、錠剤の種類によっては自然乾燥によって乾燥させることが望ましい場合もある。その場合には、ヒータ76およびヒータ77は備えられていなくてもよい。
さらに、錠剤印刷装置1は、清掃機構83および清掃機構84を備える。搬送ベルト20および搬送ベルト30には、錠剤から生じた粉体が付着することがある。清掃機構83および清掃機構84は、それぞれ搬送ベルト20および搬送ベルト30に付着した粉体を清掃する。清掃機構83および清掃機構84としては、例えばエアーを吹き付けて周辺雰囲気を吸引回収するものを採用することができる。
制御部3は、錠剤印刷装置1に設けられた上記の種々の動作機構を制御する。制御部3のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部3は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスクを備えて構成される。制御部3のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって錠剤印刷装置1における錠剤に対する処理が進行する。また、制御部3は、外観検査カメラ51、外観検査ユニット52および外観検査ユニット53等によって取得された画像データに基づいてインクジェットヘッド61およびインクジェットヘッド62を制御する印刷制御部としての機能も有している。
<撮像ユニットの構成について>
図3は、撮像ユニット52Aの具体的な構成を例示する断面図である。図3に例示されるように、撮像ユニット52Aは、撮像カメラ102と、光学系104と、上方照明106と、リング状に配置された複数の側方照明108とを備える。
撮像カメラ102は、例えば、CMOSカメラである。撮像カメラ102は、光学系104に導かれた光を受光するレンズ102Aを備える。撮像カメラ102は、撮像ユニット52Aの筐体101の上面に、レンズ102Aが穴部101Aに嵌め込まれる態様で取り付けられる。撮像カメラ102は、錠剤2を撮像し、さらに、錠剤2の画像データを生成する。
光学系104は、反射ミラー104Aと、四角錐ミラー104Bとを備える。光学系104は、対象物である錠剤2が反射する光を、上方照明106を迂回しつつ、撮像カメラ102のレンズ102Aに集光させる。
四角錐ミラー104Bは、筐体101内の下部に位置し、かつ、撮像カメラ102の光軸上に配置される。反射ミラー104Aは、筐体101内の下部に位置し、かつ、平面視において(すなわち、撮像カメラ102の光軸に沿う方向から見て)四角錐ミラー104Bの周囲を囲んで配置される。本実施の形態においては、四角錐ミラー104Bが例示されたが、当該ミラーの形状は四角錐に限定されるものではなく、他の錐形状、例えば、円錐形状のミラーであってもよい。
錠剤2が反射する光は反射ミラー104Aに入射し、反射ミラー104Aにさらに反射されて、四角錐ミラー104Bに入射する。そして、四角錐ミラー104Bにさらに反射されて、撮像カメラ102のレンズ102Aに導かれる。
上方照明106は、筐体101の下面に取り付けられ、かつ、撮像カメラ102の光軸上、または、光軸近傍に配置される。すなわち、上方照明106は、筐体101を挟んで四角錐ミラー104Bの略裏側に位置する。上方照明106は主に、錠剤2の上方照明106と対向する主面に対して光を照射する。なお、「上方照明106と対向する主面」とは、すなわち、搬送されている錠剤2の搬送ベルトに接触している面とは反対側の主面であり、当該面が錠剤2の表面であるか裏面であるかは関係しない。搬送されている錠剤2が鉛直下側を向いている状態(吸着孔が下側に向けて開放されている状態)であれば、鉛直下側を向いている面が対向する主面となる。
リング状に配置された複数の側方照明108は、筐体101の下方に位置し、かつ、平面視において上方照明106の周囲を少なくとも一部囲んで配置される。それぞれの側方照明108は主に、錠剤2の、側方照明108と対向する側面に対して光を照射する。側方照明108の光軸と、鉛直方向(Z軸方向)とのなす角αは、例えば、50°である。なお、リング状の側方照明108は、筐体101と一体に形成されるものであってもよい。
図4は、撮像ユニット52AをZ軸負方向から見上げた場合の図である。図4に例示されるように、上方照明106および側方照明108はそれぞれ、錠剤2が反射する光が反射ミラー104Aに入射する際の光の経路を避けて配置される。
すなわち、筐体101の下面には光を導き入れるための開口101Bが形成され、上方照明106は、開口101B内において筐体101の下面に取り付けるための取り付け部101Cに取り付けられている。錠剤2が反射する光は、上方照明106を囲んで形成される開口101Bから筐体101内に導かれ、反射ミラー104Aに到達する。反射ミラー104Aは、平面視において錠剤2を囲み、かつ、錠剤2の上方照明106と対向する主面の上方に位置する。
また、リング状の側方照明108は、平面視においては開口101Bの縁部と重なる位置に配置されているが、図3に例示されたようにリング状の側方照明108は、錠剤2から反射ミラー104Aに至る光の経路よりも下方に位置するため、錠剤2が反射する光を集光する際の妨げとはならない。
それぞれの撮像ユニット52Aは、撮像エリアが搬送ベルト20の搬送面に配置された1つの錠剤を含むように、当該搬送面に対向して設置されている。本実施の形態では、ベルトの幅方向(Y軸方向)に5列の錠剤が配置されて搬送されるため、それぞれの列の錠剤2に対応して、撮像ユニット52Aも5つ備えられる。
図5は、外観検査ユニット52における撮像ユニット52Aの配置を例示する平面図である。図5においては、それぞれの撮像ユニット52Aが撮像する錠剤2は、撮像ユニット52Aの例えば中心位置に配置されるため点線で示される。
複数配置された錠剤に対応して、撮像ユニット52Aはベルトの幅方向(Y軸方向)に複数並べられる。ただし、複数配置された錠剤のベルトの幅方向(Y軸方向)における間隔が、撮像ユニット52Aの筐体幅よりも狭い場合には、図5に例示されるように、撮像ユニット52Aを、搬送方向(X軸方向)における複数の行に分けて配置してもよい。
ここで、撮像ユニット52Aを密に配列しやすくするためには、リング状の側方照明108の配置幅を光学系104の配置幅、特に、反射ミラー104Aの配置幅に収めることが望ましい。
<錠剤印刷装置の動作について>
次に、上記構成を有する錠剤印刷装置1における処理動作について説明する。図6および図7は、錠剤印刷装置1における処理動作の手順を示すフローチャートである。
まず、錠剤印刷装置1のホッパー8に複数の錠剤を一括投入する(ステップS1)。錠剤の一括投入は、作業者がバケツなどを用いて手動で行うようにしてもよいし、錠剤印刷装置1とは別体の搬送機構などによって自動で行うようにしてもよい。
本実施の形態では、複数の円盤形状の錠剤2がホッパー8に投入される。図8は、錠剤2の平面図である。錠剤2の片面には、半分に割るための割線7が形成されている。割線7は、円盤形状の錠剤2の径方向に沿って刻まれた溝である。割線7は錠剤2の片面のみに形成されている。
本実施の形態では、割線7が設けられている側の面を錠剤2の表面とする。錠剤2の裏面には割線7は形成されていない。なお、錠剤2の表面と裏面とでは薬剤としての性質に相違があるものではなく、単に区別のための便宜上、割線7が設けられている側の面を表面としているに過ぎない。
ホッパー8に投入された複数の錠剤2は搬送ドラム10に導かれ、複数の錠剤2が1個ずつ搬送ドラム10の吸着孔11に吸着保持される。
搬送ドラム10には、搬送方向(搬送ドラム10の周方向)に垂直な方向、つまり搬送ドラム10の中心軸方向に沿って5列に吸着孔11が形成されている。従って、搬送ドラム10は、搬送方向と垂直な方向に5個の錠剤を整列させた5列で複数の錠剤2を搬送する。
本明細書では、搬送ドラム10の搬送方向と垂直な方向に5個の錠剤を配列した単位を「行」と表記する。すなわち、搬送ドラム10は、各吸着孔11に個別に錠剤2を吸着保持し、複数の錠剤2を5列複数行に整列させた状態で搬送する(ステップS2)。
なお、ホッパー8から投入された錠剤2を搬送ドラム10が5個ずつ円滑に吸着保持できるように、ホッパー8に複数の錠剤2を5個ずつ整列させて供給する整列機構を取り付けるようにしてもよい。このような整列機構としては、例えばボールフィーダー方式の機構を採用することができる。
次に、搬送ドラム10によって搬送されている複数の錠剤2を外観検査カメラ51が撮像する(ステップS3)。複数の錠剤2は、搬送ドラム10の吸着孔11に保持されて搬送ドラム10の周方向に沿って図1の紙面上で時計回りに搬送される。複数の錠剤2は、5列ずつ整列されて搬送されるものの、各錠剤2の表面が搬送ドラム10の内側(搬送ドラム10の中心側)を向いているか外側を向いているかは全くランダムである。また、円形の吸着孔11によって円形の錠剤2を保持することとなるため、錠剤2の方向性は任意となり、搬送ドラム10によって搬送される各錠剤2の割線7の向きも全くランダムである。
外観検査カメラ51は、搬送ドラム10の外側から錠剤2を撮像する。よって、外観検査カメラ51によって撮像される複数の錠剤2には、外観検査カメラ51に対して表面を向けているものと裏面を向けているものとがランダムに含まれている。
また、外観検査カメラ51によって複数の錠剤2に付着している異物などを検出する(ステップS4)。通常、医薬品である錠剤2の製造に際しては異物などの混入がないように万全の品質管理がなされているが、それでもなお異物などが混入することもある。このような異物としては、例えば人の髪の毛や金属粉などがあり得る。
外観検査カメラ51によって撮像された結果である画像データは、制御部3に転送される。制御部3は、その画像データに所定の画像処理を施すことによって、錠剤2の割線7の方向および異物が付着している錠剤2を認識する。
次に、5列1行の錠剤2が搬送ドラム10によってさらに搬送されて搬送ベルト20に近接対向する位置に到達する。このときに、搬送ドラム10のブロー機構が当該5列1行の錠剤2が吸着保持されている5個の吸着孔11にエアーを吹き付けることによって、当該5列1行の錠剤2に対する吸着状態を解除する。
一方で、搬送ドラム10に近接対向する位置における搬送ベルト20の保持板22の吸着孔21には負圧が作用している。従って、搬送ドラム10による吸着状態が解除された5列1行の錠剤2は、搬送ドラム10の吸着孔11から搬送ベルト20の吸着孔21に受け渡されて吸着保持されることとなる。
このような錠剤2の受け渡しを確実に行うため、制御部3は、搬送ドラム10の搬送速度と搬送ベルト20の搬送速度とを等しくするとともに、吸着孔11と吸着孔21とが正確に対向するように双方の搬送部の動作を同期させる制御を行っている。
搬送ドラム10から搬送ベルト20に錠剤2が受け渡されるときに、それぞれの錠剤2は表裏反転することとなる。すなわち、搬送ドラム10では割線7が形成された表面を外側に向けて吸着保持されていた錠剤2は、裏面を外側に向けて搬送ベルト20の吸着孔21に吸着保持される。逆に、搬送ドラム10では裏面を外側に向けて吸着保持されていた錠剤2は、表面を外側に向けて搬送ベルト20に吸着保持される。
従って、搬送ドラム10によって搬送されていた各錠剤2はその方向を維持したまま表裏反転されて、搬送ベルト20に受け渡されて搬送される。
続いて、搬送ベルト20によって搬送されている複数の錠剤2を外観検査ユニット52が撮像する(ステップS5)。搬送ベルト20は、搬送ドラム10から表裏反転させて受け取った複数の錠剤2を搬送方向と垂直な方向に5列ずつ整列させて搬送している。外観検査ユニット52は、搬送ベルト20の外側から錠剤2を撮像する。よって、外観検査ユニット52によって撮像される複数の錠剤2には、外観検査ユニット52に対して表面を向けているものと裏面を向けているものとがランダムに含まれている。
但し、搬送ドラム10から搬送ベルト20に各錠剤2を受け渡すときに表裏が反転するため、外観検査カメラ51が撮像した各錠剤2の表裏と外観検査ユニット52が撮像した対応する錠剤2の表裏とは完全に逆となる。
図9は、撮像ユニット52Aによる撮像結果の一例を示す図である。図9に例示されるように、撮像ユニット52Aにおいて得られる錠剤2の画像は、錠剤2の上方照明106と対向する主面を斜め上方から捉えた画像となる。これは、図3に例示されたように、光学系104によって撮像カメラ102のレンズ102Aに導かれる光は、錠剤2の斜め上方に位置する反射ミラー104Aに到達した光であるためである。本実施の形態では、反射ミラー104Aから四角錐ミラー104Bを経由してレンズ102Aに導かれた光によって、1つの錠剤2の斜め上方の4方向から捉えた画像が作成されている。
撮像ユニット52Aが図9に例示されるような錠剤2の画像を撮像することによって、錠剤2の上方照明106と対向する主面および側面の外観検査を同時に行うことができる。ここで、撮像ユニット52Aにおいて撮像される、錠剤2の上方照明106と対向する主面を、便宜上「第1の面」とする。
当該画像を用いて、1つの錠剤2の第1の面および側面の外観検査を行う(ステップS6)。具体的には、第1の面および側面において、異物、傷または欠陥などがないかを検査する。
図9に例示されるような画像データは、制御部3に伝達される。制御部3は、その画像データに所定の画像処理を施すことによって、1つの錠剤2の第1の面および側面における異物、傷または欠陥などを認識する。
具体的には、画像データをいくつかの領域(例えば、錠剤の表面の割線で分割される2つの領域、錠剤の側面または割線周辺など)に分け、それぞれの領域において階調度の差(階調差)に閾値を設定する。そして、周りの領域との階調度の差が当該閾値以上である部分を欠陥として検出する。
または以下の方法によってもよい。すなわち、画像データにおける階調度の差(階調差)を利用して錠剤2の輪郭を抽出する。当該輪郭の抽出は、例えば、階調差に基づく点列を算出し、当該点列を楕円近似することによって行う。そして、第1の面および側面のそれぞれにおいてあらかじめ定められた階調度の閾値を基準として、錠剤2における傷、欠陥または黒点などを検出する。
なお、当該黒点は、周りの領域よりも階調度が低い箇所であり、例えば、錠剤2における汚れ、異物または焦げなどに対応する。このとき、制御部3は、画像データに基づいて錠剤2の割線7の方向も認識する。
ここで、本実施の形態における撮像ユニット52Aは、上方照明106および複数の側方照明108が照射する光量を調整することによって、錠剤2に対する複数の照射パターンを実現することができる。なお、照射パターンの切り替えは、撮像ユニット52Aに備えられた切り替えスイッチおよび調整スイッチによって行われてもよいし、外部の制御装置(例えば、制御部3)によって行われてもよい。
本実施の形態においては、例えば搬送速度250mm/sで錠剤2が搬送され、錠剤2を撮像するための露光時間が50μs程度に制限される場合を想定する。このような場合で、撮像ユニット52Aは、以下の2つの照射パターンで錠剤2を撮像する。
<第1の照射パターン>
第1の照射パターンは、撮像ユニット52Aにおける上方照明106が錠剤2に照射する光量を比較的高く設定し、かつ、リング状の側方照明108が錠剤2に照射する光量を上方照明106によるものよりも低く設定した照射パターンである。
図10は、第1の照射パターンで撮像された画像データの一例を示す図である。図10に例示されるように、当該画像データにおける錠剤2は、側面のうちの、第1の面に近い傾斜部分の輪郭に欠陥が検出されている。
第1の照射パターンで撮像することによって、錠剤2の直上(すなわち、撮像カメラ102の光軸)から放射状に照射される光量が、錠剤2の周囲から錠剤2に向かって照射される光量よりも高くなるため、錠剤2の第1の面における階調度と側面における階調度との差を大きくすることができる。図10に例示される場合では、錠剤2の第1の面における平均的な階調度と、錠剤2の側面における平均的な階調度との差は、8ビット(256階調)で20階調程度である。そのため、錠剤2の輪郭の抽出精度も高まる。
図10においては、錠剤2の側面のうちの、第1の面に近い傾斜部分の輪郭も高い精度で抽出されているため、欠陥6が検出されている。また、第1の面の階調度が比較的高いため、割線7の内部形状も高い精度で認識することができる。そのため、割線7内に傷、欠陥または黒点などがある場合についても検出可能である。
これに対し、図11は、同一の錠剤2に対して、上方照明106が錠剤2に照射する光量と、リング状の側方照明108が錠剤2に照射する光量とが等しくなるように設定した状態で撮像された画像データの一例を示す図である。
図11においては、上方照明106が錠剤2に照射する光量とリング状の側方照明108が錠剤2に照射する光量との差がなく、錠剤2に対し光が均一に照射されているため、側面のうちの、第1の面に近い傾斜部分の輪郭を画像データ上で認識することができない。そのため、当該箇所における欠陥を検出することができない。
ここで、錠剤2に対する光の均一な照射とは、錠剤2を撮像する撮像カメラ102の光軸に沿う方向から第1の方向に傾斜した方向を第1の照射方向(平面視において撮像カメラ102から放射状に延びる照射方向)とし、反対側に傾斜した方向を第2の照射方向(平面視において撮像カメラ102の周囲から光軸に向かう照射方向)とする場合に、第1の照射方向に沿って錠剤2に照射する光量と、第2の照射方向に沿って錠剤2に照射する光量とが等しい光の照射をいう。
図11に例示される場合では、図3も参照すれば、上方照明106とリング状の側方照明108とによって、全方向的な光が錠剤2に照射されている。そのため、第1の照射方向に沿う光量と第2の照射方向に沿う光量とが等しいと考えられる。
一方で、図10に例示される場合では、図3も参照すれば、平面視において撮像カメラ102から放射状に延びる方向(すなわち、錠剤2に近づくにつれて光軸から離間する方向)を第1の照射方向とすると、平面視において撮像カメラ102の周囲から光軸に向かう方向(すなわち、錠剤2に近づくにつれて光軸に接近する方向)が第2の照射方向となり、第1の照射方向に沿う光量が第2の照射方向に沿う光量よりも大きいと考えられる。このように、第1の照射方向に沿う光量と第2の照射方向に沿う光量との間に差異があることによって、階調度の差を大きくし、錠剤2の輪郭の抽出精度を高めることができる。
なお、図10では、錠剤2の全面において、第1の照射方向に沿う光量と第2の照射方向に沿う光量との間に差異が生じる場合が例示されたが、第1の照射方向に沿う光量と第2の照射方向に沿う光量との間に差異が生じる箇所は、錠剤2の一部であってもよい。また、対象箇所に対して、差異の生じる第1の照射方向と第2の照射方向とが少なくとも1方向定義されればよい。
また、錠剤2における第1の面と側面との階調度の差が大きいほど錠剤2の輪郭の抽出精度は高まるため、リング状の側方照明108を消灯することも考えられる。すなわち、上方照明106のみによって、第1の照射方向に沿う光量が第2の照射方向に沿う光量よりも大きい状態を実現させることも可能である。その一方で、画像データ全体の光量が十分でないと、画像処理のために十分な光量を有する画像データを取得することが難しくなる。そのような場合には、リング状の側方照明108が錠剤2の側面を照射する光量も一定以上は必要となる。
<第2の照射パターン>
第2の照射パターンは、錠剤2に形成された比較的浅い欠陥の検出するために好適な照射パターンであり、撮像ユニット52Aにおける上方照明106を消灯させ、かつ、平面視において上方照明106を囲む側方照明108のうちの半周分のみを点灯させた照射パターンである。
ここで、錠剤2に形成された比較的浅い欠陥の検出について検討する。図12および図13は、錠剤2の第1の面に形成された比較的浅い欠陥に照射される光を例示する概念図である。図12および図13において、撮像ユニット52Aにおける撮像カメラ102の光軸の方向は、Z軸方向に沿う方向である。
図12においては、撮像カメラ102の光軸に沿う方向から第1の方向に傾斜して錠剤2を照射する光200と、撮像カメラ102の光軸に沿う方向から第2の方向に傾斜して錠剤2を照射する光201とが、同程度に照射されている。すなわち当該方向においては、錠剤2に対して光が均一に照射されている。
このような状態では、比較的浅い欠陥300は、その底面および側面に均一に光が照射されるため、欠陥が形成されない領域と比較して、画像データにおいて階調度の差が表れにくい。そのため、このような光の照射状態では、画像処理によって比較的浅い欠陥300を検出することは難しい。
一方で、図13においては、光200は照射されず、光201のみが照射されている。このような状態では、比較的浅い欠陥300の一方の側面には光が照射されないため、光が照射されない影202の部分が形成される。そのため、欠陥が形成されない領域と比較して画像データにおいて階調度の差が生じ、画像処理によって比較的浅い欠陥300を容易に検出することができる。
図14は、第2の照射パターンで撮像された画像データの他の例を示す図である。図14に例示されるように、当該画像データにおける錠剤2は、第1の面に比較的浅い欠陥300が検出されている。
第2の照射パターンで撮像することによって、上記の図13に例示されたように、欠陥300に光が照射されない影202の部分を形成させることによって、比較的浅い欠陥300を容易に検出することができる。
なお、欠陥300に影202の部分を形成させるためのリング状の側方照明108の照射パターン(すなわち、複数の側方照明108の一部を点灯させる照射パターン)は、上記の半周分を点灯させる照射パターンに限られるものではない。
これに対し、図15は、同一の錠剤2に対して、撮像ユニット52Aにおける上方照明106を消灯させ、かつ、平面視において上方照明106を囲むリング状の側方照明108の全周分を点灯させた状態で撮像された画像データの一例を示す図である。
図15においては、全周分の側方照明108によって錠剤2に対し光が均一に照射されているため、比較的浅い欠陥には影の部分が形成されていない。そのため、欠陥が形成されない領域と比較して、画像データにおいて階調度の差が表れにくく、画像処理によって比較的浅い欠陥を検出することができない。
図15に例示される場合では、図3も参照すれば、全周分の側方照明108のうちの対向する側方照明108同士が互いに第1の照射方向に沿う照射および第2の照射方向に沿う照射を行うこととなるため、第1の照射方向に沿う光量と第2の照射方向に沿う光量とが等しいと考えられる。
一方で、図14に例示される場合では、図3も参照すれば、全周分の側方照明108のうちの対向する側方照明108同士が点灯状態と消灯状態とのペアとなるため、第1の照射方向に沿う光量と第2の照射方向に沿う光量との間に差異があると考えられる。そのため、欠陥300に光が照射されない影202の部分を形成させることによって、比較的浅い欠陥300を容易に検出することができる。
第1の照射パターンによれば、錠剤2の傷、欠陥または黒点などを第1の面と側面とを同時に検査することができ、かつ、階調度の差によって錠剤2の輪郭を高い精度で抽出することができる。さらに、割線7内の傷、欠陥または黒点なども検査することができる。
また、第2の照射パターンによれば、第1の照射パターンだけでは検出が難しい比較的浅い欠陥についても階調度の差によって検出することができる。
したがって、上記の2つの照射パターンを用いることによって、露光時間が制限される状況下であっても、高い精度で、かつ、効率的に、錠剤2の外観検査を行うことができる。
次に、外観検査ユニット52によって撮像された錠剤2が搬送ベルト20によってさらに搬送されてインクジェットヘッド61に対向する位置に到達する。そして、インクジェットヘッド61が錠剤2に対する印刷処理を行う(ステップS7)。ここで、制御部3は、外観検査カメラ51および外観検査ユニット52によって取得された画像データに基づいてインクジェットヘッド61による印刷処理を制御する。図16は、インクジェットヘッド61による印刷処理結果の一例を示す図である。
インクジェットヘッド61は、搬送ベルト20によって搬送される複数の錠剤2の第1の面に対して印刷処理を行うこととなる。但し、インクジェットヘッド61は、複数の錠剤2のうち外観検査工程(ステップS4)および外観検査工程(ステップS6)において異物などが検出されなかった錠剤2に対してのみ印刷処理を行う。具体的には、外観検査カメラ51および外観検査ユニット52によって取得された画像データに基づいて、複数の錠剤2のうち外観検査カメラ51および外観検査ユニット52によって異物などが検出されなかった錠剤2に対してのみ印刷処理を行うように、制御部3がインクジェットヘッド61を制御する。すなわち、外観検査カメラ51および外観検査ユニット52によって異物などが検出された錠剤2に対しては、インクジェットヘッド61は印刷処理を行わない。
また、制御部3は、搬送ベルト20によって搬送される複数の錠剤2のうち第1の面が表面である錠剤2に対しては表面用印刷データに基づいてインクジェットヘッド61に表面用印刷処理を行わせる。ここでは、表面用印刷データとして、例えば「ABCD」の文字データとする。
さらに、制御部3は、当該錠剤2の表面に形成された割線7に対する所定方向に沿ってインクジェットヘッド61に錠剤2の表面への表面用印刷処理を行わせる。本実施の形態では、錠剤2の表面の割線7と平行な方向に沿ってインクジェットヘッド61が印刷処理を行う。搬送ベルト20によって搬送される複数の錠剤2のうち第1の面が表面である錠剤2における割線7の方向については、外観検査カメラ51および外観検査ユニット52によって取得された画像データに画像処理を施すことによって制御部3が認識することができる。
次に、第1の面に対する印刷処理が行われた錠剤2が、搬送ベルト20によってさらに搬送されて製品検査カメラ71に対向する位置に到達する。製品検査カメラ71は、搬送ベルト20によって搬送される複数の錠剤2の第1の面を撮像し、インクジェットヘッド61による複数の錠剤2の第1の面に対する印刷処理の結果を撮像する。
製品検査カメラ71は、取得した画像データを制御部3に伝達する。制御部3は、製品検査カメラ71によって取得された画像データに基づいて、複数の錠剤2の第1の面に対するインクジェットヘッド61の印刷処理結果を確認する(ステップS8)。
次に、第1の面の印刷処理結果が検査された錠剤2が搬送ベルト20によってさらに搬送されてヒータ76に対向する位置に到達する。図1に例示されたように、ヒータ76は搬送ベルト20よりも下方に設置されており、錠剤2がヒータ76に対向する位置に到達したときには、当該錠剤2は搬送ベルト20によって下向きに保持されていることとなる。搬送ベルト20は吸着孔21に負圧を作用させることによって錠剤2を吸着保持しているため、錠剤2を下向きに保持することも可能である。
ヒータ76は、搬送ベルト20によって搬送される複数の錠剤2の第1の面に対して熱風を吹き付けてそれら複数の錠剤2を乾燥させる(ステップS9)。このような乾燥処理を行うことによって、インクジェットヘッド61から複数の錠剤2に吐出されたインクを迅速に乾燥させてにじみを防止することができる。
次に、ヒータ76によって乾燥された5列1行の錠剤2が搬送ベルト20によってさらに搬送されて搬送ベルト30に近接対向する位置に到達する。このときに、搬送ベルト20のブロー機構が当該5列1行の錠剤2が吸着保持されている5個の吸着孔21にエアーを吹き付けることによって当該5列1行の錠剤2に対する吸着状態を解除する。一方、搬送ベルト20に近接対向する位置における搬送ベルト30の吸着孔には負圧が作用している。従って、搬送ベルト20による吸着状態が解除された5列1行の錠剤2は、搬送ベルト20の吸着孔21から搬送ベルト30の吸着孔に受け渡されて吸着保持されることとなる。このような錠剤2の受け渡しを確実に行うため、制御部3は、搬送ベルト20の搬送速度と搬送ベルト30の搬送速度とを等しくするとともに、双方の搬送ベルトの吸着孔が正確に対向するように双方の搬送ベルトの動作を同期させる制御を行っている。
搬送ベルト20から搬送ベルト30に錠剤2が受け渡されるとき、その錠剤2は回転等せずにそのまま移動する。すなわち、それぞれの錠剤2は割線7の方向を維持したまま搬送ベルト20から搬送ベルト30に受け渡されることとなる。
また、搬送ベルト20から搬送ベルト30に錠剤2が受け渡されるときに、それぞれの錠剤2は表裏反転することとなる。すなわち、搬送ベルト20では割線7が形成された表面を外側に向けて吸着保持されていた錠剤2は裏面を外側に向けて搬送ベルト30に吸着保持される。逆に、搬送ベルト20では裏面を外側に向けて吸着保持されていた錠剤2は表面を外側に向けて搬送ベルト30に吸着保持される。従って、搬送ベルト20によって搬送されていた各錠剤2はその方向を維持したまま表裏反転されて搬送ベルト30に受け渡されて搬送されるのである(ステップS10)。
続いて、搬送ベルト30によって搬送されている複数の錠剤2を外観検査ユニット53が撮像する(ステップS11)。搬送ベルト30は、搬送ベルト20から表裏反転させて受け取った複数の錠剤2を搬送方向と垂直な方向に5列ずつ整列させて搬送している。外観検査ユニット53は、搬送ベルト30の外側から錠剤2を撮像する。従って、外観検査ユニット53が撮像した各錠剤2の表裏は、外観検査ユニット52が撮像した対応する錠剤2の表裏とは完全に逆になる。
撮像ユニット52Aと同様の構造である撮像ユニット53Aが、図9に例示されるような錠剤2の画像を撮像することによって、錠剤2の上方照明106と対向する主面および側面の外観検査を同時に行うことができる。ここで、撮像ユニット53Aにおいて撮像される、錠剤2の上方照明106と対向する主面を、便宜上「第2の面」とする。
撮像ユニット53Aが取得する画像を用いて、1つの錠剤2の第2の面および側面の外観検査を行う(ステップS12)。具体的には、第2の面および側面において異物、傷または欠陥などがないかを、上記の第1の照射パターンおよび第2の照射パターンを用いて撮像を行い、さらに取得された画像データに基づいて検査する。
次に、外観検査ユニット53によって撮像された錠剤2が、搬送ベルト30によってさらに搬送されてインクジェットヘッド62に対向する位置に到達する。そして、インクジェットヘッド62が錠剤2に対する印刷処理を行う(ステップS13)。ここで、制御部3は、外観検査ユニット53によって取得された画像データに基づいてインクジェットヘッド62による印刷処理を制御する。
インクジェットヘッド62は、搬送ベルト30によって搬送される複数の錠剤2の第2の面に対して印刷処理を行うこととなる。但し、インクジェットヘッド61と同様に、インクジェットヘッド62は、複数の錠剤2のうち外観検査工程(ステップS4)、外観検査工程(ステップS6)および外観検査工程(ステップS12)の双方において異物などが検出されなかった錠剤2に対してのみ印刷処理を行う。
具体的には、外観検査カメラ51、外観検査ユニット52および外観検査ユニット53によって取得された画像データに基づいて、複数の錠剤2のうち外観検査カメラ51、外観検査ユニット52および外観検査ユニット53によって異物などが検出されなかった錠剤2に対してのみ印刷処理を行うように、制御部3がインクジェットヘッド62を制御する。
すなわち、外観検査カメラ51、外観検査ユニット52または外観検査ユニット53によって異物などが検出された錠剤2に対しては、インクジェットヘッド62は印刷処理を行わない。
また、制御部3は、搬送ベルト30によって搬送される複数の錠剤2のうち第2の面が表面である錠剤2に対しては、表面用印刷データに基づいてインクジェットヘッド62に表面用印刷処理を行わせる。ここでは、表面用印刷データは、上記と同様の「ABCD」の文字データである。
さらに、制御部3は、当該錠剤2の表面に形成された割線7に対する上記所定方向に沿ってインクジェットヘッド62に表面への表面用印刷処理を行わせる。本実施の形態では、錠剤2の表面の割線7と平行な方向に沿ってインクジェットヘッド62が印刷処理を行う。搬送ベルト30によって搬送される複数の錠剤2のうち第2の面が表面である錠剤2における割線7の方向については、外観検査ユニット53によって取得された画像データに画像処理を施すことによって制御部3が認識することができる。
一方、制御部3は、搬送ベルト30によって搬送される複数の錠剤2のうち第2の面が裏面である錠剤2に対しても、裏面用印刷データに基づいてインクジェットヘッド62に裏面用印刷処理を行わせることができる。
制御部3は、当該錠剤2の表面に形成されている割線7に対する上記所定方向と同一方向に沿ってインクジェットヘッド62に当該錠剤2の裏面にも裏面用印刷処理を行わせる。本実施の形態では、錠剤2の表面に対しては割線7と平行な方向に沿って印刷処理が行われており、錠剤2の裏面に対しても表面側の割線7と平行な方向に沿ってインクジェットヘッド62が印刷処理を行う。搬送ベルト30によって搬送される複数の錠剤2のうち第2の面が裏面である錠剤2における表面側の割線7の方向については、外観検査カメラおよび外観検査ユニット52によって取得された画像データに画像処理を施すことによって制御部3が認識することができる。
次に、第2の面に対する印刷処理が行われた錠剤2が、搬送ベルト30によってさらに搬送されて製品検査カメラ72に対向する位置に到達する。製品検査カメラ72は、搬送ベルト30によって搬送される複数の錠剤2の第2の面を撮像し、インクジェットヘッド62による複数の錠剤2の第2の面に対する印刷処理の結果を撮像する。
製品検査カメラ72は、取得した画像データを制御部3に伝達する。制御部3は、製品検査カメラ72によって取得された画像データに基づいて、複数の錠剤2の第2の面に対するインクジェットヘッド62の印刷処理結果を確認する(ステップS14)。
続いて、第2の面の印刷処理結果が検査された錠剤2が、搬送ベルト30によってさらに搬送されてヒータ77に対向する位置に到達する。ヒータ77は、搬送ベルト30によって搬送される複数の錠剤2の第2の面に対して熱風を吹き付けて、それら複数の錠剤2を乾燥させる(ステップS15)。このような乾燥処理を行うことによって、インクジェットヘッド62から複数の錠剤2に吐出されたインクを迅速に乾燥させてにじみを防止することができる。
最後に、表裏両面の検査が終了した錠剤2の仕分け処理が行われる(ステップS16)。ステップS8およびステップS14における表裏両面の印刷処理の結果に問題のなかった錠剤2、つまり良品の錠剤2については、ブロー機構からのエアー吹き付けによって良品ダクト48に投入される。良品ダクト48に放出された錠剤2は良品回収ボックス58に回収される。
一方、表裏両面のいずれかの印刷処理の結果に問題のあった錠剤2、つまり不良品の錠剤2についてはブロー機構からのエアー吹き付けによって印刷不良品ダクト46に投入される。印刷不良品ダクト46に放出された錠剤2は印刷不良品ボックス56に回収される。
また、複数の錠剤2のうち外観検査カメラ51、外観検査ユニット52または外観検査ユニット53によって異常が検出された錠剤2については、ブロー機構からのエアー吹き付けによって外観不良品ダクト47に投入される。外観不良品ダクト47に放出された錠剤2は、外観不良品ボックス57に回収される。このように、欠陥などが検出された錠剤2については、欠陥などが検出されずに印刷処理が行われた錠剤2とは別途に外観不良品ボックス57に回収することができる。
以上のようにして、錠剤印刷装置1における錠剤2への印刷処理が終了する。
<以上に記載された実施の形態によって生じる効果について>
次に、以上に記載された実施の形態によって生じる効果を例示する。なお、以下の説明においては、以上に記載された実施の形態に例示された具体的な構成に基づいて当該効果が記載されるが、同様の効果が生じる範囲で、本願明細書に例示される他の具体的な構成と置き換えられてもよい。
以上に記載された実施の形態によれば、検査装置は、少なくとも1つの照明と、撮像部と、検査部とを備える。ここで、照明は、例えば、上方照明106、および、リング状の側方照明108のうちの少なくとも1つに対応するものである。また、撮像部は、例えば、撮像カメラ102に対応するものである。また、検査部は、例えば、制御部3に対応するものである。照明は、対象物に光を照射可能である。ここで、対象物は、例えば、錠剤2に対応するものである。撮像カメラ102は、照明によって光が照射された錠剤2を撮像し、かつ、錠剤2の画像データを生成する。制御部3は、錠剤2の画像データに基づいて、錠剤2の外観検査を行う。ここで、錠剤2を撮像する撮像カメラ102の光軸に沿う方向から第1の方向に傾斜した方向を第1の照射方向とする。また、撮像カメラ102の光軸に沿う方向から第1の方向とは反対側の第2の方向に傾斜した方向を第2の照射方向とする。そして、照明が第1の照射方向に沿って錠剤2に照射する光量が、照明が第2の照射方向に沿って錠剤2に照射する光量よりも大きい。
このような構成によれば、第1の照射方向に沿って照射される光量を第2の照射方向に沿って照射される光量よりも大きくして画像データにおける階調度の差を大きくすることによって、画像認識の精度を高め、撮像による錠剤2の外観検査の精度を高めることができる。
なお、本実施の形態においては、上方照明106と複数の側方照明108とが双方備えられた構成が例示されたが、上方照明106およびリング状の側方照明108のうちのどちらか一方のみが備えられる構成であってもよい。また、本実施の形態においては、複数の側方照明108は、平面視において上方照明106の全周を囲んで配置されたが、全周ではなく少なくとも一部を囲む形態であってもよい。
また、以上に記載された実施の形態によれば、照明は、撮像カメラ102の光軸に沿う方向から見て、錠剤2を少なくとも一部囲んで配置される、複数の側方照明108を含む。このような構成によれば、複数の側方照明108によって、錠剤2の周囲のうちの一方向のみから光の照射が可能となり、錠剤2の画像に影を形成することによって比較的浅い欠陥であっても容易に検出することができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、複数の側方照明108は、撮像カメラ102の光軸に沿う方向から見て錠剤2を囲んで配置される。そして、撮像カメラ102の光軸に沿う方向から見て、錠剤2を挟む一対の側方照明108のうちの1つのみが、錠剤2に対して光を照射する。このような構成によれば、リング状の側方照明108を部分的に点灯させることによって錠剤2の周囲のうちの一方向のみから光を照射し、錠剤2の画像に影を形成することによって比較的浅い欠陥であっても容易に検出することができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、照明は、撮像カメラ102の光軸上に配置される、少なくとも1つの上方照明106を含む。そして、検査装置は、上方照明106によって光が照射された錠剤2が反射する光を、上方照明106を迂回しつつ撮像カメラ102に導く光学系104を備える。このような構成によれば、上方照明106によって、撮像カメラ102の光軸から錠剤2に対し放射状に照射される光量が、錠剤2の周囲から錠剤2に向かって照射される光量よりも高くなる。そのため、錠剤2の主面における階調度と側面における階調度との差を大きくし、画像処理によって比較的浅い欠陥を容易に検出することができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、照明は、撮像カメラ102の光軸に沿う方向から見て錠剤2を少なくとも一部囲んで配置される、複数の側方照明108を含む。そして、複数の側方照明108は、撮像カメラ102の光軸に沿う方向から見て光学系104が配置される範囲内に配置される。このような構成によれば、撮像ユニットの搬送ベルトの幅方向(Y軸方向)の幅を光学系104の幅までとすることができるため、撮像ユニットの構造を小さくすることができ、撮像ユニットを密に配列しやすくなる。撮像ユニットを搬送ベルトの幅方向に密に配列することができれば、撮像ユニットを搬送ベルトの搬送方向(X軸方向)にずらして配置する必要がなくなる、または、搬送ベルトの搬送方向にずらして配置する範囲を抑制することができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、第1の照射方向は、平面視において撮像カメラ102から放射状に延びる方向である。また、第2の照射方向は、平面視において撮像カメラ102の周囲から光軸に向かう方向である。このような構成によれば、上方照明106とリング状の側方照明108とを組み合わせて用いる場合に、上方照明106から放射状に照射される光量が、錠剤2の周囲の側方照明108から錠剤2に向かって照射される光量よりも高くなるため、錠剤2の第1の面における階調度と側面における階調度との差を大きくすることができる。
また、以上に記載された実施の形態によれば、検査装置によって検査された錠剤2に印刷を行う印刷部を備える。ここで、印刷部は、例えば、インクジェットヘッド61およびインクジェットヘッド62のうちの少なくとも1つに対応するものである。このような構成によれば、高い精度で外観検査が行われた錠剤2のみに対して印刷を行うため、異物、傷または欠陥などを有する錠剤2が良品として回収されることを防止することができる。
錠剤印刷装置1は、製品検査カメラ71および製品検査カメラ72を備えており、これらによって印刷処理後の錠剤2の検査を行っている。しかし、仮に異物が付着している錠剤2に対して印刷処理を行った場合、当該異物の上からインクを塗布すると、その異物を検出できずに異物の付着した錠剤2を良品として良品回収ボックス58に回収してしまうおそれもある。
本実施の形態のように、複数の錠剤2のうち異物などが検出されなかった錠剤2に対してのみ印刷処理を行うようにすれば、異物が付着した錠剤2には印刷処理が行われないため、そのような錠剤2が検査を通過して良品回収ボックス58に回収されることは防止される。その結果、異物の付着した錠剤2の混入を防止することができる。
<以上に記載された実施の形態における変形例について>
以上、実施の形態が説明されたが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施の形態においては、錠剤2の表裏両面に印刷処理を行っていたが、表面または裏面のいずれか一方のみに印刷処理を行うようにしてもよい。
例えば、表面のみに印刷処理を行うのであれば、搬送ベルト20によって搬送される第1の面が表面である錠剤2に対してはインクジェットヘッド61によって印刷処理を行い、搬送ベルト30によって搬送される第2の面が表面である錠剤2に対してはインクジェットヘッド62によって印刷処理を行う。
また、上記実施の形態においては、画像認識の精度が高まる外観検査ユニット52および外観検査ユニット53を用いて錠剤2の外観検査を行うことによって、外観検査の精度を高めたが、外観検査カメラ51に外観検査ユニット52と同様の構造を適用することによって、錠剤2がインクジェットヘッド62に対向する位置に到達する前に、錠剤2の表裏両面の外観検査を高い精度で行うことも可能である。その場合には、インクジェットヘッド62において印刷処理を行う対象となる錠剤2は、表裏両面の外観検査に問題がなかった錠剤2に限られるため、製造効率を高めることができる。
一方で、上記実施の形態における場合のように、平面である搬送ベルト20に対向する位置の外観検査ユニット52および外観検査ユニット53を用いて錠剤2の外観検査を行う場合には、搬送ドラムの円筒周面を撮像する場合よりも広範囲にわたって焦点を合わせることができるため、撮像可能となる錠剤の種類および数の自由度が高まる。また、画像認識の精度も高めることができる。
また、錠剤2に割線7が設けられていない場合、つまり表裏の区別のない錠剤2に対して印刷処理を行う場合にも本実施の形態に関する技術を適用することができる。この場合、錠剤2の片面のみに印刷できればよいのであれば、インクジェットヘッド61またはインクジェットヘッド62のいずれか一方のみで印刷を行うようにしてもよい。この場合であっても、複数の錠剤2のうち外観検査カメラ51、外観検査ユニット52および外観検査ユニット53によって異物などが検出されなかった錠剤2に対してのみ、インクジェットヘッド61またはインクジェットヘッド62が印刷処理を行う。
また、表裏の区別のない錠剤2に対して印刷処理を行う場合にインクジェットヘッド61またはインクジェットヘッド62のいずれか一方のみで印刷を行うのであれば、必ずしも外観検査カメラ51、外観検査ユニット52および外観検査ユニット53によって錠剤2の両面について異物などの検出を行う必要はない。この場合は、錠剤2の表裏両面のうち印刷処理を行う側の面についてのみ異物などの検出を行い、異物などが検出されなかった錠剤2に対してのみ印刷処理を行うようにすれば、異物の上から印刷処理を行うことは防止することができる。
なお、錠剤2の異物などの検出を行っていない側の面に異物が付着していた場合には、その異物は別途の検査(例えば、製品検査カメラ71および製品検査カメラ72による検査)によって検知されるため、その錠剤2が良品に混入することは防がれる。すなわち、錠剤2の表裏両面のうち少なくとも印刷処理を行う側の面について異物などの検出を行うようにすればよい。
また、上記実施形態においては、インクの液滴を吐出するインクジェット方式によって印刷処理を行っていたが、印刷処理の手法はこれに限定されるものではなく、凸版印刷、グラビア印刷を含む凹版印刷、または、レーザー印刷などであってもよい。
また、錠剤2の形状は円盤形状に限定されるものではなく、例えば略楕円形状や棒状など他の形状であってもよい。この場合、各搬送部の吸着孔は錠剤2の形状に応じたものとなる。
また、上記実施形態においては、5列1行の単位で錠剤2を搬送するようにしていたが、これに限定されるものではなく、1列で錠剤2を搬送するようにしてもよいし、2列以上の複数列にて錠剤2を搬送するようにしてもよい。
1 錠剤印刷装置
2 錠剤
3 制御部
5,101 筐体
6,300 欠陥
7 割線
8 ホッパー
10 搬送ドラム
10A,10B プーリ
11,21 吸着孔
20,30 搬送ベルト
22 保持板
46 印刷不良品ダクト
47 外観不良品ダクト
48 良品ダクト
51 外観検査カメラ
52,53 外観検査ユニット
52A,53A 撮像ユニット
56 印刷不良品ボックス
57 外観不良品ボックス
58 良品回収ボックス
61,62 インクジェットヘッド
71,72 製品検査カメラ
76,77 ヒータ
83,84 清掃機構
101A 穴部
101B 開口
101C 取り付け部
102 撮像カメラ
102A レンズ
104 光学系
104A 反射ミラー
104B 四角錐ミラー
106 上方照明
108 側方照明
122 直進フィーダ
123 回転フィーダ
124 供給フィーダ
200,201 光
202 影

Claims (11)

  1. 対象物に光を照射可能な少なくとも1つの照明と、
    前記照明によって光が照射された前記対象物を撮像し、かつ、前記対象物の画像データを生成する撮像部と、
    前記対象物の前記画像データに基づいて、前記対象物の外観検査を行う検査部とを備え、
    前記対象物を撮像する前記撮像部の光軸に沿う方向から第1の方向に傾斜した方向を第1の照射方向とし、
    前記撮像部の前記光軸に沿う方向から前記第1の方向とは反対側の第2の方向に傾斜した方向を第2の照射方向とし、
    前記照明が、前記対象物に対し、前記第1の照射方向および前記第2の照射方向の双方から光を照射し、
    前記照明が前記第1の照射方向に沿って前記対象物に照射する光量が、前記照明が前記第2の照射方向に沿って前記対象物に照射する光量よりも大きく、
    前記照明が、
    前記撮像部の前記光軸上に配置される、少なくとも1つの上方照明と、
    前記撮像部の前記光軸に沿う方向から見て、前記対象物を少なくとも一部囲んで配置される、複数の側方照明とを含み、
    前記照明が、前記上方照明と対向し、かつ、前記上方照明および前記側方照明から光が照射された前記対象物の第1の面と、前記側方照明と対向し、かつ、前記側方照明から光が照射された前記対象物の前記第1の面とは異なる面との間に、階調度の差を生じさせる
    検査装置。
  2. 複数の前記側方照明は、前記撮像部の前記光軸に沿う方向から見て前記対象物を囲んで配置され、
    前記撮像部の前記光軸に沿う方向から見て、前記対象物を挟む一対の前記側方照明のうちの1つのみが、前記対象物に対して光を照射する、
    請求項に記載の検査装置。
  3. 記上方照明によって光が照射された前記対象物が反射する光を、前記上方照明を迂回しつつ前記撮像部に導く光学系をさらに備える、
    請求項1または2に記載の検査装置。
  4. 数の前記側方照明は、前記撮像部の前記光軸に沿う方向から見て前記光学系が配置される範囲内に配置される、
    請求項に記載の検査装置。
  5. 前記第1の照射方向は、平面視において前記撮像部から放射状に延びる方向であり、
    前記第2の照射方向は、平面視において前記撮像部の周囲から前記光軸に向かう方向である、
    請求項1から請求項のうちのいずれか1項に記載の検査装置。
  6. 記上方照明によって光が照射された前記対象物が反射する光を、前記上方照明を迂回しつつ前記撮像部に導く光学系をさらに備え、
    前記撮像部は、複数の前記側方照明および前記上方照明を用いる複数の照射パターンによって光が照射された前記対象物を撮像し、かつ、前記対象物の前記画像データを生成する、
    請求項1から請求項のうちのいずれか1項に記載の検査装置。
  7. 対象物に光を照射可能な少なくとも1つの照明と、
    前記照明によって光が照射された前記対象物を撮像し、かつ、前記対象物の画像データを生成する撮像部と、
    前記対象物の前記画像データに基づいて、前記対象物の外観検査を行う検査部とを備え、
    前記対象物を撮像する前記撮像部の光軸に沿う方向から第1の方向に傾斜した方向を第1の照射方向とし、
    前記撮像部の前記光軸に沿う方向から前記第1の方向とは反対側の第2の方向に傾斜した方向を第2の照射方向とし、
    前記照明が前記第1の照射方向に沿って前記対象物に照射する光量が、前記照明が前記第2の照射方向に沿って前記対象物に照射する光量よりも大きく、
    前記照明は、前記撮像部の前記光軸上に配置される、少なくとも1つの上方照明を含み、
    前記上方照明によって光が照射された前記対象物が反射する光を、前記上方照明を迂回しつつ前記撮像部に導く光学系をさらに備える、
    検査装置。
  8. 対象物に光を照射可能な少なくとも1つの照明と、
    前記照明によって光が照射された前記対象物を撮像し、かつ、前記対象物の画像データを生成する撮像部と、
    前記対象物の前記画像データに基づいて、前記対象物の外観検査を行う検査部とを備え、
    前記対象物を撮像する前記撮像部の光軸に沿う方向から第1の方向に傾斜した方向を第1の照射方向とし、
    前記撮像部の前記光軸に沿う方向から前記第1の方向とは反対側の第2の方向に傾斜した方向を第2の照射方向とし、
    前記照明が前記第1の照射方向に沿って前記対象物に照射する光量が、前記照明が前記第2の照射方向に沿って前記対象物に照射する光量よりも大きく、
    前記照明は、
    前記撮像部の前記光軸に沿う方向から見て、前記対象物を少なくとも一部囲んで配置される、複数の側方照明と、
    前記撮像部の前記光軸上に配置される、少なくとも1つの上方照明とを含み、
    前記上方照明によって光が照射された前記対象物が反射する光を、前記上方照明を迂回しつつ前記撮像部に導く光学系をさらに備え、
    前記撮像部は、複数の前記側方照明および前記上方照明を用いる複数の照射パターンによって光が照射された前記対象物を撮像し、かつ、前記対象物の前記画像データを生成する、
    検査装置。
  9. 請求項1から請求項のうちのいずれか1項に記載の検査装置と、
    前記検査装置によって検査された錠剤に印刷を行う印刷部とを備える、
    錠剤印刷装置。
  10. 少なくとも1つの照明によって光が照射された対象物を撮像し、かつ、前記対象物の画像データを生成する工程と、
    前記対象物の前記画像データに基づいて、前記対象物の外観検査を行う工程とを備え、
    前記対象物を撮像する撮像部の光軸に沿う方向から第1の方向に傾斜した方向を第1の照射方向とし、
    前記撮像部の前記光軸に沿う方向から前記第1の方向とは反対側の第2の方向に傾斜した方向を第2の照射方向とし、
    前記照明が、前記対象物に対し、前記第1の照射方向および前記第2の照射方向の双方から光を照射し、
    前記照明が前記第1の照射方向に沿って前記対象物に照射する光量が、前記照明が前記第2の照射方向に沿って前記対象物に照射する光量よりも大きく、
    前記照明が、
    前記撮像部の前記光軸上に配置される、少なくとも1つの上方照明と、
    前記撮像部の前記光軸に沿う方向から見て、前記対象物を少なくとも一部囲んで配置される、複数の側方照明とを含み、
    前記照明が、前記上方照明と対向し、かつ、前記上方照明および前記側方照明から光が照射された前記対象物の第1の面と、前記側方照明と対向し、かつ、前記側方照明から光が照射された前記対象物の前記第1の面とは異なる面との間に、階調度の差を生じさせる
    検査方法。
  11. 請求項10に記載の検査方法によって検査された錠剤に印刷を行う工程を備える、
    錠剤印刷方法。
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