JP7163033B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
基板と、前記基板上に設けられた発熱体と、を有するヒータを有し、前記ヒータの熱を利用して画像データに基づき記録材に形成された画像を加熱する像加熱部と、
前記ヒータが加熱する記録材の加熱領域の温度を検知する温度検知部と、
前記発熱体に供給する電力を制御する通電制御部と、を備える画像形成装置において、
前記画像データは複数の画素を含んでおり、前記画像データの一部である所定の数の画素を1つの領域として区分けすることで、前記画像データを複数の前記領域を含むデータ区分に区分けする画像区分部と、
前記データ区分の各領域における印字率に関する値を解析し、前記印字率に関する値が閾値を超えている領域が、どれだけ連続して隣り合うかを示す隣接関係に関する値を取得
する連続性取得部と、を備え、
前記通電制御部は、前記温度検知部が検知する温度と、前記隣接関係に関する値から求める温調目標温度と、に基づいて、前記発熱体の通電を制御し、
前記温調目標温度は、前記隣接関係に関する値に基づいて、複数の前記領域ごとに設定され、
前記通電制御部は、複数の前記領域ごとに設定された前記温調目標温度のうち最大値を、前記画像の加熱における温調目標温度とし、前記温度検知部が検知する温度に基づき前記発熱体の通電を制御することを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、
基板と、前記基板上に設けられた発熱体と、を有するヒータを有し、前記ヒータの熱を利用して画像データに基づき記録材に形成された画像を加熱する像加熱部と、
前記ヒータが加熱する記録材の加熱領域の温度を検知する温度検知部と、
前記発熱体に供給する電力を制御する通電制御部と、を備える画像形成装置において、
前記画像データは複数の画素を含んでおり、前記画像データの一部である所定の数の画素を1つの領域として区分けすることで、前記画像データを複数の前記領域を含むデータ区分に区分けする画像区分部と、
前記データ区分の各領域における印字率に関する値を解析し、前記印字率に関する値が閾値を超えている領域が、どれだけ連続して隣り合うかを示す隣接関係に関する値を取得する連続性取得部と、を備え、
前記通電制御部は、前記温度検知部が検知する温度と、前記隣接関係に関する値から求める温調目標温度と、に基づいて、前記発熱体の通電を制御し、
前記温調目標温度は、前記隣接関係に関する値に基づいて、複数の前記領域ごとに設定され、
複数の前記領域のなかで前記印字率に関する値が閾値を超えている領域である所定の領域のうち、前記隣接関係を形成する前記所定の領域における前記温調目標温度を、前記隣接関係を形成しない前記所定の領域における前記温調目標温度よりも高い温度に設定することを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、
基板と、前記基板上に設けられた発熱体と、を有するヒータを有し、前記ヒータの熱を利用して画像データに基づき記録材に形成された画像を加熱する像加熱部と、
前記ヒータが加熱する記録材の加熱領域の温度を検知する温度検知部と、
前記発熱体に供給する電力を制御する通電制御部と、を備える画像形成装置において、
前記画像データは複数の画素を含んでおり、前記画像データの一部である所定の数の画素を1つの領域として区分けすることで、前記画像データを複数の前記領域を含むデータ区分に区分けする画像区分部と、
前記データ区分の各領域における印字率に関する値を解析し、前記印字率に関する値が閾値を超えている領域が、どれだけ連続して隣り合うかを示す隣接関係に関する値を取得する連続性取得部と、
温調目標温度を前記隣接関係に関する値に基づいて複数の前記領域ごとに設定する温調設定部と、を備え、
前記通電制御部は、前記温度検知部が検知する温度と、前記隣接関係に関する値から求める前記温調目標温度と、に基づいて、前記発熱体の通電を制御し、
前記閾値を第1の閾値とし、複数の前記領域のうち前記印字率に関する値が前記第1の閾値を超えている領域を第1の領域とし、
前記連続性取得部は、複数の前記領域のうち前記印字率に関する値が前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値以上、前記第1の閾値未満となる第2の領域が、どれだけ連続して隣り合うのかを示す、前記第2の領域の隣接関係に関する値の大きさを取得し、
前記温調設定部は、前記第1の領域の隣接関係に関する値の大きさと、前記第2の領域の隣接関係に関する値の大きさと、に基づいて、複数の前記領域ごとに温調目標温度を設定することを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、
基板と、前記基板上に設けられた発熱体と、を有するヒータを有し、前記ヒータの熱を利用して画像データに基づき記録材に形成された画像を加熱する像加熱部と、
前記ヒータが加熱する記録材の加熱領域の温度を検知する温度検知部と、
前記発熱体に供給する電力を制御する通電制御部と、を備える画像形成装置において、
前記画像データは複数の画素を含んでおり、前記画像データの一部である所定の数の画素を1つの領域として区分けすることで、前記画像データを複数の前記領域を含むデータ区分に区分けする画像区分部と、
前記データ区分の各領域における印字率に関する値を解析し、前記印字率に関する値が閾値を超えている領域が、どれだけ連続して隣り合うかを示す隣接関係に関する値を取得する連続性取得部と、を備え、
前記通電制御部は、前記温度検知部が検知する温度と、前記隣接関係に関する値から求める温調目標温度と、に基づいて、前記発熱体の通電を制御し、
前記印字率は、1つの前記領域に含まれるそれぞれの前記画素が画像部となるドットを含む割合の1つの前記領域における平均値又は中央値又は最頻値のいずれかの値であることを特徴とする。
(画像形成装置)
図1に、本発明の実施例に係る画像形成装置、すなわち本発明の実施例に係る加熱定着装置と画像解析手段を備えた画像形成装置を示す。同図は、本発明の実施例に係る画像形成装置の一例としてのモノクロレーザープリンタの概略構成を示す縦断面図である。まず、同図を参照してレーザープリンタの構成を詳細に説明する。なお、本発明は、レーザープリンタ、LEDプリンタ等のプリンタ、デジタル複写機等の加熱定着装置を用いた種々の画像形成装置に適用可能である。
図2を用いて、本実施例に係るプリンタ制御装置304について説明する。図2は、本実施例に係るプリンタシステム構成である。プリンタ制御装置304は、コントローラインターフェイス305を用いてホストコンピュータ300と接続し通信を行う。プリンタ制御装置304は、大別してコントローラ部301とエンジン制御部302に分かれている。コントローラ部301ではホストコンピュータ300から受信した情報を基に画像処理部303で文字コードのビットマップ化やグレイスケール画像のハーフトーニング処理等を行い、エンジン制御部302のビデオインターフェイス310へ画像情報を送信する。前記の画像情報にはレーザースキャナ3の点灯タイミングを制御する情報と温調温度や転写バイアスなどのプロセス条件を制御するプリントモードと画像サイズ情報が含まれる
。
図3を用いて、本実施例に係るフィルム加熱方式の加熱定着装置6について説明する。加熱定着装置6は、加熱装置としてのフィルムユニット10と加圧ローラ20で構成される。フィルムユニット10には定着部材としての円筒形回転体である定着フィルム13と、加熱部材である加熱ヒータ11と、ヒータ保持部材であるヒータホルダ12で構成される。加熱ヒータ11は、詳しくは後述するが、基板上に設けられた発熱体の通電による発熱を利用した加熱体である。また、フィルムユニット10に対向した加圧部材としての弾性回転体として加圧ローラ20が設けられる。
練したものを筒状に成型した基層を有する。さらに、その基層の表面に直接又はプライマ層を介してPFA、PTFE、FEP等の離型性層がコーティング又はチューブ被覆されている。本実施例で用いた定着フィルム13は、基層ポリイミドにPFAをコーティングしたものを用いた。総膜厚は70μmで、外周長は57mmである。
通電制御部としての定着制御部320は、温度制御プログラムを有し、温度検知部の温度検知素子としてのサーミスタ14の検知温度を基に加熱ヒータ11温度を所定の温調温度(温調目標温度)に制御する。制御方法としては、比例項、積算項、微分項からなるPID制御が好ましい。PID制御によって周期内でのヒータ通電時間を決定し、不図示のヒータ通電時間制御回路を駆動させヒータ出力電力を決定する。本実施例では制御周期100msec間隔でヒータ出力電力を更新する。
図4に画像処理部303の機能構成部を示す。画像処理部303は、画像解析手段としての画像解析部401とその他画像処理部402から構成されている。画像解析部401は、後述するように、連続性取得部及び温調設定部としても機能し、印字する画像に対して必要な温調温度もしくは必要な温調温度に相関のある定着温度相関値を算出する。その他画像処理部402では文字コードの画像変換やグレイスケール画像のハーフトーニング処理等を行い、画像をビットマップ化する。
図5、図6を用いて画像解析部401での定着必要温度の算出方法を示す。図5は本件算出方法で定着必要温度を算出する際の処理フローチャートである。この図5のフローに示される処理の内容を、模式図に表したのが図6である。
図5に示す定着必要温度の算出方法のフローチャートにしたがって、ステップごとに詳細に説明する。
元画像(600dpi)を複数ピクセルからなるメッシュMで区切り、各メッシュMの平均印字率、すなわち、1つのメッシュMに含まれるそれぞれのピクセルが画像部となるドットを含む割合の平均値、を算出したメッシュ画像に変換する。メッシュMの一辺の大きさは0.25mm(8ピクセル)から5mm(120ピクセル)程度が望ましいが、本実施例では24ピクセル×24ピクセルとした。本実施例における1メッシュの大きさは略1mm×1mmである。本実施例ではメッシュM同士のつながりの長さに応じて必要温調を設定するが、メッシュMが小さすぎるとわずかな画像データのすき間に過敏に反応してしまう。また扱うデータ量も膨大となってしまう。また大きすぎるとメッシュ化の時にメッシュM内の詳細なデータが失われてしまうと共に、離散的な配置として扱うべき画像パターンに対しても一つづきであると判断してしまう恐れがある。したがって、それらとの兼ね合いを考慮して1メッシュの大きさは適宜設定される。
画像解析部401は、連続性取得部として、メッシュ画像から、所定のメッシュとして、閾値Th以上の印字率R(m,n)をもつメッシュMのつながり情報(縦横のつながりの大きさ、すなわち、所定のメッシュが連続して隣り合う数)を算出する。本実施例では図6(b)のメッシュ画像から、閾値Th50%以上の高印字率のメッシュMに対して、縦のつながり長さと横のつながり長さを算出する。この計算は図6cのように閾値Thで2値化した画像に対して縦のつながり長さと横のつながり長さを算出する。
2値化した各メッシュMをE(m,n)とする。
なお、図6(c)のように2値化されたメッシュ画像を作成してからつながり長さを算出してもよいし、図6(b)のメッシュ画像から閾値Th以上のメッシュMについて直接つながり長さを算出してもよい。
ステップ2で算出したつながり情報をもとに、別途設定したテーブルを参照し、必要な温調温度を各メッシュ画像に割り当てる。ステップ2で各メッシュM(m,n)に対して、縦横のつながりの大きさ情報を計算する。その結果をもとに、ステップ3では、表1のように別途設定した温調設定テーブルを参照し、縦のつながり長さLh(m,n)と横のつながり長さLv(m,n)からテーブルを参照した値を各メッシュM(m,n)に設定する。例えば、縦のつながり長さが3、横のつながり長さが2の場合は、表1を参照し、温度T3_2をそのメッシュM(m,n)に割り当てる。また、図6(c)で値0が入っているメッシュM(m,n)については、温度T0_0をそのメッシュMに割り当てる。この値がその位置のメッシュM(m,n)に対して定着に必要な温調温度T(m,n)となる。基本的に、大きなつながり長さをもつメッシュMに対しては高い温調温度を設定するようにテーブル設定を行っている。また、本実施例では10mm以上のつながり長さをもつ画像に対しては定着性が大きく変わらなかったため、10個以上のつながり長さを有するメッシュM(m,n)は10個のつながり長さの温調温度と同値に設定した。しかしながら、定着構成などにより適宜テーブルは変更すればよい。
ステップ3で割り当てられた各メッシュM(m,n)を定着するために必要な温調温度に対して補正を加える。本実施例では、A:搬送方向補正、B:トナー印字履歴補正を行う。
各メッシュMの搬送方向位置に応じて各メッシュM(m,n)に割り当てられた温調温度について補正を行う。記録材先端からの位置mに応じて下記のように各メッシュM(m,n)に補正値TA(m,n)を加える。
トナーが印字されている箇所の定着動作を行う場合、トナーを溶融するために定着フィルムから熱が奪われるため、その箇所のフィルム温度が低下する。その温度が低下した箇所のフィルムが1周後に定着動作を行う場合、その箇所はフィルム温度が若干低下しているため、より高い温調設定をすることが必要となる。すなわち、画像データのメッシュのうち、記録材の搬送方向の下流側のメッシュが既に接触したフィルムの領域と接触することになる上流側のメッシュにおける温調目標温度を、補正前よりも高い温度に補正する。本実施例では、あるメッシュM(m,n)のフィルム周期前M(m-57,n)、M(m-114,n)、M(m-171,n)、M(m-228,n)に印字データがある場合、そのメッシュM(m,n)に対して補正を加える。すなわち、57メッシュがフィルムの周長(記録材搬送方向における長さ)に略相当する。
a、b、c、dは係数で本実施例ではa:3.0、b:1.5、c:1.0、d:0.5としている。なお、この計算処理は計算対象が記録材領域からはみ出る場合には行わない。例えばmが58~114の範囲のメッシュMはフィルム1周前のメッシュMは存在するが、2周前は存在しないため、計算は右辺第一項まで行う。
ステップ4で各メッシュM(m,n)の補正後の定着必要温度Tf(m,n)に対して、記録材の1ページ内のメッシュMに対して最大値を算出し、その最大値をそのページに必要な温調温度Tpとする。
図8は、本件の画像解析を基にした温度補正を行う定着温度制御シーケンスの説明図である。図8中点線部は本実施例における基本シーケンスでの温度設定を表しており、実線が本実施例による定着必要温度によって制御が変更されたときの定着必要温度Tpによる温度設定である。
次に、本実施例の定着動作として、一枚目の記録材先端が定着ニップ突入から定着フィルム一周前のタイミングで、一枚目の画像に対応した本実施例に記載の方法で算出した温調温度Tpを受け取り、温調温度を変更する。図8中の実線で示された1枚目の記録材に対する温調温度はTp=190℃の場合を表している。
仮に記録材先端が定着ニップに突入したタイミングから温調温度を低く変更すると、フィルムは前回転温調によって暖められているため、実際に記録材先端部が受け取る熱量としては、過大になってしまう。そのため、本実施例では記録材が定着ニップに突入する定着フィルム1周前のタイミングで、前回転温調180℃から、Tp-20℃の値に変更する。すなわちフィルム1周前の前回転温調を180℃から170℃に変更する。通紙中については算出された一枚目の温調温度Tpに設定される。
その後、記録材後端が定着ニップを抜けた際に、後続記録材に印字するトナー像に対応した本実施例に記載の方法で算出した温調温度Tpによって、温調温度を変更する。図8ではTp=187℃の場合を表している。後続紙については、後続紙の画像情報を元に算出した温調温度Tpに対して-10℃の値に変更する。すなわち177℃に変更する。通紙中については算出された二枚目の温調温度Tpに設定される。記録材後端が定着ニップを抜け、さらなる後続紙がいない場合には定着動作は終了する。
上記の様に制御することで本実施例では、画像パターンによらず良好な定着性が得られると共に、不要な消費電力を抑え省エネルギー性に優れた画像形成装置を提供することができる。
次に本実施例の効果について説明する。
まず図9を用いて記録材P上に線幅の小さい画像と大きい画像を印字し、定着動作を行
っているときの熱の流れを説明する。図9(a)は、記録材P上に線幅の細い画像、すなわち、メッシュデータが所定の閾値以上となる所定のメッシュのうち、所定のつながりを形成しないメッシュあるいは所定のつながりの大きさが小さいメッシュ群が形成された場合を示している。図9(b)は、線幅の太い画像、すなわち、所定のつながりの大きさがある程度の大きさを有するメッシュ群が形成されている場合を示している。図9(a)は線幅が細いために記録材上にトナーtが印字されている領域に隣接する部分から、熱流Qを受けることができる。それに対し、図9(b)は線幅が太いために記録材上にトナーtが印字されている領域に隣接する部分から、熱流Qを受けることができる領域が限られている。結果的にトナーが印字されている領域に対して、単位面積当たりに定着フィルムから受け取る熱量が図9(a)の方が大きくなる。そのため図9(a)のような線幅の小さな画像の方が定着性が良化する。すなわち、より少ない温調温度で定着可能である。
像のつながり長さが大きいため適切に切り分けて検知することができる。また画像bと画像cはメッシュ画像にして閾値Thで切ることで、画像cのわずかな間隔が埋まる。そのためわずかな隙間に対して過敏に反応せず、画像bと画像cはほぼ同様の検知結果が得られる。そのため、画像b、画像c共に高い温調設定にすることができる。すなわち3つの各画像に対して適切な温調温度を設定することができる。
本実施例で算出した温調温度補正は、前述したように温調温度を決定するための定着モードや、不図示の環境検知手段などによる周辺環境情報、不図示のメディアセンサなどによる記録材種類判断手段などの情報を基に変更しても良い。
本実施例の定着制御では温調温度のみの変更を行ったが、温調温度制御に用いるPID制御のゲインやオフセット電力量を変更しても良い。
本実施例の定着制御では検知画像を含む記録材が定着ニップに突入する前に温調温度を変更したが、画像解析手段によって解析された画像のトナー像が定着ニップに突入する前に変更しても良いし、もっと早い段階で変更するようにしてもよい。
本実施例では1ページにつき1つの検知結果を算出するようにしていたが、これに限定されない。例えば、定着フィルム周期などの搬送方向の領域毎にメッシュをグループ分けし、それぞれのグループにおいて最適な温調温度を算出することで、ページ内で温調温度を変更する場合にも対応することができる。
本実施例では画像解析部401による計算処理順はその他画像処理部402による処理が終了した後の画像に対して行ったが、その他画像処理部402による処理を行う前に計算処理を行うこともできる。
本発明の実施例2について説明する。実施例2では、実施例1に加えて、横方向のメッシュ位置nに応じて検知結果にさらなる補正を加える。使用する定着装置の構成や通紙する記録材Pのサイズによっては、記録材Pの両端部の定着性が中央部に比べて悪い場合がある。また、ヒータ11裏面に熱容量の大きな部材が局所的に当接している箇所があると、その部分の定着性が他の部分に比べて悪くなる場合がある。例えば、ヒータの異常発熱により作動してヒータに供給する電力を遮断するサーモスイッチや温度ヒューズ等の安全素子が、ヒータに直接、若しくは、保持部材等を介して間接的に当接する構成が採用される場合がある。そのような箇所に対しては定着に必要な温調温度を高く設定する必要がある。
図11に示す定着必要温度の算出方法のフローチャートにしたがって説明する。
<ステップ1>~<ステップ4>
実施例1と同様のため省略する。
<ステップ5>
本実施例では、ステップ4で搬送方向の補正を加えた各メッシュM(m,n)の定着必要温度Tf(m,n)に対して、長手方向の位置に応じて検知結果にさらなる補正を加える。具体的には、以下の式に従って本実施例の補正TC(m,n)を加える。本実施例では記録材が最大通紙可能幅であるLTRサイズ(216mm×279mm)の場合に補正を行う。A4サイズはLTRサイズより幅が狭く、端部定着性が低下する問題がないため本制御は作用しない。
実施例1と同様、ステップ5で各メッシュMの補正後の定着必要温度Tf´(m,n)に対して、記録材の1ページ内のメッシュMに対して最大値を算出し、その最大値をそのページに必要な温調温度Tpとする。
本発明の実施例3について説明する。実施例3では実施例1に加えて、温度検知素子の位置する領域の印字率にしたがって検知結果にさらなる補正を加える。温度検知素子の領域に画像が形成されている場合、トナーを溶融するためにフィルムから熱が奪われるため、温度を一定に保とうとして電力が多く投入される。これによる定着性の変動を予想し、温調温度を適切に設定する。実施例3における基本的な画像形成装置の構成、画像解析の処理に関しては実施例1と同様のために省略する。
図13に示す定着必要温度の算出方法のフローチャートにしたがって説明する。
<ステップ1>~<ステップ5>
実施例1と同様のため省略する。
<ステップ6>
定着必要温度Tpを算出するまでは実施例1同様である。
実施例1では、ステップ2で閾値Thを50%として設定し、閾値以上のメッシュMのつながり長さを算出した。本発明の実施例4では実施例1に加えて、薄めの中間調の検知を行うために、第2の閾値Th2を設定し、閾値Th2以上閾値Th未満のメッシュ印字率R(m,n)をもつメッシュM(m,n)についてもつながり長さを算出し、定着必要温度を算出する。すなわち、閾値Thを第1の閾値とし、第2の閾値以上、第1の閾値未満となる第2のメッシュとしての、閾値Th2以上閾値Th未満のメッシュが連続して隣り合うつながりの大きさを取得し、定着必要温度の設定に用いる。これによって薄めの中間調画像に対しても、温調温度を適切に設定することができる。実施例4における基本的な画像形成装置の構成、画像解析の処理に関しては実施例1と同様のために省略する。
図15、図16を用いて画像解析部401での定着必要温度の算出方法を示す。図15は本件算出方法で定着必要温度を算出する際の処理フローチャートである。この図15のフローに示される処理の内容を、模式図に表したのが図16である。図16では中間調のパターンが配置されている。
図15に示す定着温度相関値の算出方法のフローチャートにしたがって、ステップごとに詳細に説明する。
図16(a)のような元画像(600dPi)を24×24ピクセルのメッシュMに区切り、図16(b)のように各メッシュMの平均印字率を算出したメッシュ画像に変換する。図16(a)では図6(a)と異なり、中間調の画像が含まれている。詳細は実施例1と同様のため、省略する。
メッシュ画像から閾値Thとして50%以上の印字率R(m,n)をもつメッシュMのつながり情報(縦横のつながり長さ)を算出する。また、第2の閾値Th2として10%を設定し、閾値Th2以上Th未満のメッシュMのつながり長さを算出する。
ステップ2で算出したつながり情報をもとに、別途設定したテーブルを参照し、必要な温調温度を各メッシュ画像に割り当てる。ステップ2で各メッシュMに対して、縦横のつながりの大きさ情報を計算する。その結果をもとに、ステップ3では、表1と表5のように別途設定した温調設定テーブルを参照し、縦のつながり長さLh(m,n)と横のつながり長さLv(m,n)からテーブルを参照した値を各メッシュMに設定する。図16(c)の3値化したメッシュMに対して、値1のメッシュMに対しては表1の高印字率用の温調設定テーブルを参照し、値0.5のメッシュMに対しては表5の低印字率用の温調設定テーブルを参照する。
ステップ3で割り当てられた各メッシュMを定着するために必要な温調温度に対して補正を加える。本実施例では、A:搬送方向補正、B:トナー印字履歴補正を行う。
搬送方向位置に応じて、実施例1と同様の補正を加える。
Claims (18)
- 基板と、前記基板上に設けられた発熱体と、を有するヒータを有し、前記ヒータの熱を利用して画像データに基づき記録材に形成された画像を加熱する像加熱部と、
前記ヒータが加熱する記録材の加熱領域の温度を検知する温度検知部と、
前記発熱体に供給する電力を制御する通電制御部と、を備える画像形成装置において、
前記画像データは複数の画素を含んでおり、前記画像データの一部である所定の数の画素を1つの領域として区分けすることで、前記画像データを複数の前記領域を含むデータ区分に区分けする画像区分部と、
前記データ区分の各領域における印字率に関する値を解析し、前記印字率に関する値が閾値を超えている領域が、どれだけ連続して隣り合うかを示す隣接関係に関する値を取得する連続性取得部と、を備え、
前記通電制御部は、前記温度検知部が検知する温度と、前記隣接関係に関する値から求める温調目標温度と、に基づいて、前記発熱体の通電を制御し、
前記温調目標温度は、前記隣接関係に関する値に基づいて、複数の前記領域ごとに設定され、
前記通電制御部は、複数の前記領域ごとに設定された前記温調目標温度のうち最大値を、前記画像の加熱における温調目標温度とし、前記温度検知部が検知する温度に基づき前記発熱体の通電を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 複数の前記領域のなかで前記印字率に関する値が閾値を超えている領域である所定の領域のうち、前記隣接関係を形成する前記所定の領域における前記温調目標温度を、前記隣接関係を形成しない前記所定の領域における前記温調目標温度よりも高い温度に設定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 基板と、前記基板上に設けられた発熱体と、を有するヒータを有し、前記ヒータの熱を利用して画像データに基づき記録材に形成された画像を加熱する像加熱部と、
前記ヒータが加熱する記録材の加熱領域の温度を検知する温度検知部と、
前記発熱体に供給する電力を制御する通電制御部と、を備える画像形成装置において、
前記画像データは複数の画素を含んでおり、前記画像データの一部である所定の数の画素を1つの領域として区分けすることで、前記画像データを複数の前記領域を含むデータ
区分に区分けする画像区分部と、
前記データ区分の各領域における印字率に関する値を解析し、前記印字率に関する値が閾値を超えている領域が、どれだけ連続して隣り合うかを示す隣接関係に関する値を取得する連続性取得部と、を備え、
前記通電制御部は、前記温度検知部が検知する温度と、前記隣接関係に関する値から求める温調目標温度と、に基づいて、前記発熱体の通電を制御し、
前記温調目標温度は、前記隣接関係に関する値に基づいて、複数の前記領域ごとに設定され、
複数の前記領域のなかで前記印字率に関する値が閾値を超えている領域である所定の領域のうち、前記隣接関係を形成する前記所定の領域における前記温調目標温度を、前記隣接関係を形成しない前記所定の領域における前記温調目標温度よりも高い温度に設定することを特徴とする画像形成装置。 - 前記温調目標温度は、前記隣接関係に関する値に基づいて、複数の前記領域ごとに設定され、
前記隣接関係に関する値の大きさが大きいほど、複数の前記領域のなかで前記印字率に関する値が閾値を超えている領域である所定の領域のうち、前記隣接関係を形成する前記所定の領域における前記温調目標温度を高い温度に設定することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記連続性取得部は、前記隣接関係に関する値の大きさを、記録材の搬送方向と前記搬送方向に直交する方向のそれぞれにおいて取得することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記温調目標温度は、前記隣接関係に関する値に基づいて、複数の前記領域ごとに設定され、
複数の前記領域ごとに設定された前記温調目標温度を、個々の前記領域の記録材の搬送方向における位置に応じて補正することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記補正は、個々の前記領域において、前記温調目標温度を補正前よりも高い温度に補正することであり、その補正量は、前記領域が前記搬送方向の上流側に位置するほど大きくなることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記温調目標温度は、前記隣接関係に関する値に基づいて、複数の前記領域ごとに設定され、
複数の前記領域のうち、記録材の搬送方向と直交する方向における両端から所定の範囲に位置する領域において設定された前記温調目標温度を、補正前よりも高い温度に補正することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 前記通電制御部は、
複数の前記領域を、記録材の搬送方向に複数のグループに分け、
それぞれのグループにおいて、グループに含まれる個々の領域ごとに設定された前記温調目標温度のうち最大値を、前記画像のうちそのグループに対応する領域の加熱における温調目標温度とし、
前記温度検知部が検知する温度に基づき前記発熱体の通電を制御することを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 画像形成装置はさらに、前記温調目標温度を前記隣接関係に関する値に基づいて複数の前記領域ごとに設定する温調設定部を備え、
前記温度検知部は、前記ヒータの表面に当接配置される温度検知素子を有し、
前記温調設定部は、
複数の前記領域のうち、前記温度検知素子が通過する位置にある領域と、前記位置から記録材の搬送方向と直交する方向における所定の範囲の位置と、における前記印字率に関する値の平均値を取得し、
個々の前記領域ごとに設定された前記温調目標温度のうちの最大値を、前記平均値に基づいて、補正前よりも低い温度に補正し、
その補正した温度を、前記画像の加熱における温調目標温度とし、前記温度検知部が検知する温度に基づき前記発熱体の通電を制御することを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 画像形成装置はさらに、前記温調目標温度を前記隣接関係に関する値に基づいて複数の前記領域ごとに設定する温調設定部を備え、
前記閾値を第1の閾値とし、複数の前記領域のうち前記印字率に関する値が前記第1の閾値を超えている領域を第1の領域とし、
前記連続性取得部は、複数の前記領域のうち前記印字率に関する値が前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値以上、前記第1の閾値未満となる第2の領域が、どれだけ連続して隣り合うのかを示す、前記第2の領域の隣接関係に関する値の大きさを取得し、
前記温調設定部は、前記第1の領域の隣接関係に関する値の大きさと、前記第2の領域の隣接関係に関する値の大きさと、に基づいて、複数の前記領域ごとに温調目標温度を設定することを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の画像形成装置。 - 基板と、前記基板上に設けられた発熱体と、を有するヒータを有し、前記ヒータの熱を利用して画像データに基づき記録材に形成された画像を加熱する像加熱部と、
前記ヒータが加熱する記録材の加熱領域の温度を検知する温度検知部と、
前記発熱体に供給する電力を制御する通電制御部と、を備える画像形成装置において、
前記画像データは複数の画素を含んでおり、前記画像データの一部である所定の数の画素を1つの領域として区分けすることで、前記画像データを複数の前記領域を含むデータ区分に区分けする画像区分部と、
前記データ区分の各領域における印字率に関する値を解析し、前記印字率に関する値が閾値を超えている領域が、どれだけ連続して隣り合うかを示す隣接関係に関する値を取得する連続性取得部と、
温調目標温度を前記隣接関係に関する値に基づいて複数の前記領域ごとに設定する温調設定部と、を備え、
前記通電制御部は、前記温度検知部が検知する温度と、前記隣接関係に関する値から求める前記温調目標温度と、に基づいて、前記発熱体の通電を制御し、
前記閾値を第1の閾値とし、複数の前記領域のうち前記印字率に関する値が前記第1の閾値を超えている領域を第1の領域とし、
前記連続性取得部は、複数の前記領域のうち前記印字率に関する値が前記第1の閾値よりも小さい第2の閾値以上、前記第1の閾値未満となる第2の領域が、どれだけ連続して隣り合うのかを示す、前記第2の領域の隣接関係に関する値の大きさを取得し、
前記温調設定部は、前記第1の領域の隣接関係に関する値の大きさと、前記第2の領域の隣接関係に関する値の大きさと、に基づいて、複数の前記領域ごとに温調目標温度を設定することを特徴とする画像形成装置。 - 前記像加熱部は、内面が前記ヒータに接触しつつ回転する筒状のフィルムをさらに有し、記録材上の画像は前記フィルムを介して加熱されることを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記温調目標温度は、前記隣接関係に関する値に基づいて、複数の前記領域ごとに設定
され、
複数の前記領域のうち、記録材の搬送方向の下流側の領域に続いて前記フィルムと接触することになる、前記下流側の領域よりも前記搬送方向の上流側の領域において設定された前記温調目標温度を、補正前よりも高い温度に補正することを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。 - 前記印字率は、1つの前記領域に含まれるそれぞれの前記画素が画像部となるドットを含む割合の1つの前記領域における平均値であることを特徴とする請求項1~14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記印字率は、1つの前記領域に含まれるそれぞれの前記画素が画像部となるドットを含む割合の1つの前記領域における中央値であることを特徴とする請求項1~14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記印字率は、1つの前記領域に含まれるそれぞれの前記画素が画像部となるドットを含む割合の1つの前記領域における最頻値であることを特徴とする請求項1~14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 基板と、前記基板上に設けられた発熱体と、を有するヒータを有し、前記ヒータの熱を利用して画像データに基づき記録材に形成された画像を加熱する像加熱部と、
前記ヒータが加熱する記録材の加熱領域の温度を検知する温度検知部と、
前記発熱体に供給する電力を制御する通電制御部と、を備える画像形成装置において、
前記画像データは複数の画素を含んでおり、前記画像データの一部である所定の数の画素を1つの領域として区分けすることで、前記画像データを複数の前記領域を含むデータ区分に区分けする画像区分部と、
前記データ区分の各領域における印字率に関する値を解析し、前記印字率に関する値が閾値を超えている領域が、どれだけ連続して隣り合うかを示す隣接関係に関する値を取得する連続性取得部と、を備え、
前記通電制御部は、前記温度検知部が検知する温度と、前記隣接関係に関する値から求める温調目標温度と、に基づいて、前記発熱体の通電を制御し、
前記印字率は、1つの前記領域に含まれるそれぞれの前記画素が画像部となるドットを含む割合の1つの前記領域における平均値又は中央値又は最頻値のいずれかの値であることを特徴とする画像形成装置。
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