JP2012073441A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】抵抗発熱部を有する加熱ヒータにおいて、温度検知素子を用いることなく、異常が発生したことを検出する。
【解決手段】加熱ヒータ33の抵抗発熱部33Bは、所定温度以上で抵抗値が上昇するPTC特性を有し、交流電源34から供給される電流が流れることによって発熱する。制御部51は、抵抗発熱部33Bが正常な場合に定着ニップNを記録シートが連続して通過することによる抵抗発熱部33Bの温度上昇に対応して予め設定された閾値電流値よりも、電流検出器37によって検出される電流値が低くなったことを検出すると、その検出時点までの間に、定着ニップNを連続して通過した記録シートの枚数に基づいて抵抗発熱部33Bの異常を判定する。
【選択図】図4

Description

本発明は、記録シート上に形成された未定着画像を加熱して記録シートに定着させる定着装置、当該定着装置を備える画像形成装置に関する。
プリンタ、複写機等の電子写真方式の画像形成装置では、通常、画像データに対応したトナー画像を記録紙、OHPシート等の記録シートに転写した後に、記録シートに転写されたトナー画像を、定着装置によって定着するようになっている。定着装置では、記録シート上のトナー画像を加熱して記録シートに対して加圧することにより記録シートに定着する。
特許文献1には、絶縁基板上に正の抵抗温度係数を有する抵抗発熱体が設けられた加熱ヒータ(面状発熱体)を備えた定着装置が開示されている。この定着装置では、加熱ヒータに対向して加熱ローラが配置されて、ベルト状の定着フィルムが、加熱ヒータと加熱ローラとの間を移動可能に設けられており、記録シートは、定着フィルムと加熱ローラとの間の定着ニップを通過するようになっている。
抵抗発熱体は、正の抵抗温度係数を有しており、通常、一定の温度まで抵抗値が緩やかに減少し、キュリー温度近傍にまで温度が達すると、電気抵抗値が急激に上昇する。これにより、抵抗発熱体に供給される電流が低減される。
特許文献2には、面状発熱体(加熱ヒータ)における絶縁基板上の抵抗発熱体を、長手方向に沿って複数に分割し、分割されたそれぞれの抵抗発熱体を並列に接続するとともに、それぞれの抵抗発熱体に、所定温度(キュリー温度)以上になると抵抗が上昇するPTC素子を直列に接続する構成が開示されている。直列接続されたそれぞれの抵抗発熱体およびPTC素子には個別に給電される。
特許文献1お予備2の構成では、抵抗発熱体を備えた定着装置は、ハロゲンランプ等のヒータを用いた従来の定着装置のように、温度検知素子を用いて定着温度に制御する必要がないために、ハロゲンランプ等のヒータを制御するための制御部を必要としない。従って、サーモパイル等のような高価な温度検知素子を使用する必要がなく経済的である。また、ソフトバグ、電気ノイズの影響等によって制御部が暴走して、ヒータが短時間で危険温度に達するというおそれもない。
特開2008−40097号公報 特開2009−244595号公報
しかしながら、特許文献1および2において使用される加熱ヒータ(面状発熱体)は、絶縁基板上に厚膜状の抵抗発熱体が設けられた帯板状に構成されており、加熱ヒータ(面状発熱体)に物理的な振動が加わることによって、あるいは、150℃以上の温度によって加わる熱応力によって、絶縁基板にクラック(破損)が生じるおそれがある。絶縁基板にクラックが生じると、絶縁基板上の抵抗発熱体に破断等が生じることにより、抵抗発熱体に給電することができなくなる。
抵抗発熱体に対する給電ができなくなると、抵抗発熱体を発熱させることができず、記録シート上のトナー画像を記録シートに確実に定着することができない定着不良等が生じることになる。
特許文献1および2の構成では、サーミスタ、サーモパイル等の温度検知素子を用いていないために、抵抗発熱体に対して給電することができなくなり、抵抗発熱体が発熱しなくなるという異常状態を検出することができない。抵抗発熱体の異常状態を検出するために、サーミスタ、サーモパイル等の温度検知素子を用いて加熱ヒータ(面状発熱体)の温度を監視する構成とすれば、経済性が損なわれることになる。
特に、特許文献2に記載されているように、複数に分割されたそれぞれの抵抗発熱体に対して給電する構成の場合には、分割されたそれぞれの抵抗発熱体の温度を監視しなければ、各抵抗発熱体に異常が発生したことを検出することができない。抵抗発熱体の温度をそれぞれ監視するために、多くの温度検知素子を用いる構成とすれば、経済性が著しく損なわれることになる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、PTC特性の抵抗発熱部を使用することによって、温度検知素子を用いることなく所定温度に調整することができ、しかも、抵抗発熱部が給電されない異常状態が発生したことを、経済性を損なうことなく検出することができる定着装置を提供することにある。本発明の他の目的は、そのような定着装置を有する画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の定着装置は、未定着のトナー画像が転写された記録シートが定着ニップを通過する間に、当該記録シートを加熱および加圧することにより、トナー画像を記録シートに定着する定着装置であって、所定温度以上の温度域で正の温度抵抗特性を有する抵抗発熱部と、前記定着ニップを通過する記録シートが加熱されるように、前記抵抗発熱部を支持する絶縁性の支持体とを有する加熱ヒータと、前記抵抗発熱部へ供給される電流を検出する電流検出手段と、当該電流検出手段によって検出される電流値が、前記抵抗発熱部が正常な場合に前記定着ニップを記録シートが連続して通過することによる当該抵抗発熱部の温度上昇に対応して予め設定された閾値電流値よりも低くなったことが検出されたときに、その検出時点までの間に定着ニップを連続して通過した記録シートの枚数に基づいて、前記抵抗発熱部の異常を判定する異常判定手段と、を有することを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置は、前記定着装置を有することを特徴とする。
本発明の定着装置では、所定の温度以上の温度域において正の温度抵抗特性を有する抵抗発熱部を使用していることによって、サーミスタ、サーモパイル等の温度検知素子を用いる必要がなく経済的である。また、定着ニップを記録シートが連続して通過する場合に、抵抗発熱部の電流の低下が検出された時点における定着ニップを連続して通過した記録シートの枚数に基づいて、抵抗発熱部の異常を判定しているために、定着ニップを記録シートが連続して通過する間に、加熱ヒータの支持体が、振動、熱応力等によって割れ等の異常が生じて抵抗発熱部に異常が生じたことを検出することができる。
好ましくは、前記異常判定手段は、記録シートの枚数が、予め設定された基準枚数よりも少ない場合に、抵抗発熱部が異常であると判定することを特徴とする。
好ましくは、前記基準枚数は、定着ニップを連続して通過する記録シートの厚さによって異なることを特徴とする。
好ましくは、前記閾値電流値は、前記抵抗発熱部への電流供給時における初期電流値であることを特徴とする。
好ましくは、前記加熱ヒータの支持体は、前記定着ニップにおける、記録シートの搬送方向とは直交する方向に沿って配置された帯板状であり、前記定着ニップは、前記抵抗発熱部に対向して回転可能に配置された加圧ローラと、当該加圧ローラと前記加熱ヒータとの間を通過して周回移動する無端状のベルト体との間に形成されていることを特徴とする。
好ましくは、前記ベルト体は、耐熱性フィルムによって構成されていることを特徴とする。
本発明の実施の形態に係る定着装置が備えられた画像形成装置の一例であるプリンタの構成を示す模式図である。 そのプリンタに設けられた定着装置における主要部の構成を説明するための模式的な横断面図である。 その定着装置に設けられた加熱ヒータの側面を示す概略図である。 その加熱ヒータにおける加圧ローラに対向する面を、加熱ヒータに設けられた抵抗発熱体に対する給電回路とともに示した模式図である。 加熱ヒータに設けられた抵抗発熱部の温度と電流との関係を示すグラフである。 加熱ヒータの抵抗発熱部に給電した場合における電流値(実効値)の変化を示すグラフである。 定着装置における加熱ヒータの抵抗発熱部に異常が発生しているかを判定する異常判定制御を実行するための制御系のブロック図である。 小サイズの記録シートが厚紙の場合と普通紙との場合とのそれぞれにおいて、連続してプリント動作を実行したときの抵抗発熱部における温度上昇率を示すグラフである。 制御部によって実行される異常判定制御の処理手順を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る定着装置および画像形成装置の実施の形態について説明する。
<画像形成装置の概略構成>
図1は、本発明の実施の形態に係る定着装置を備えた画像形成装置の一例であるタンデム型カラープリンタ(以下、単に「プリンタ」という)の構成を説明するための模式図である。このカラープリンタは、ネットワーク(例えばLAN)を介して外部の端末装置等から入力される画像データ等に基づいて、周知の電子写真方式により、フルカラーあるいはモノクロの画像を記録用紙、OHPシート等の記録シートに形成するプリントジョブを実行する。
プリンタは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーによるトナー画像を記録シート上に形成する画像形成部Aと、画像形成部Aの下側に配置された給紙部Bとを備えている。給紙部Bは、記録シートSが内部に収容された給紙カセット22を備えており、給紙カセット22内の記録シートSが画像形成部Aに供給される
画像形成部Aは、プリンタのほぼ中央部において一対のベルト周回ローラ23および24に水平状態で巻き掛けられて周回移動可能になった中間転写ベルト18を備えている。中間転写ベルト18は、図示しないモータによって、矢印Xで示す方向に周回移動するようになっている。
中間転写ベルト18の下側には、プロセスユニット10Y、10M、10C、10Kが設けられている。プロセスユニット10Y、10M、10C、10Kは、中間転写ベルト18の周回移動方向に沿ってその順番で配置されており、それぞれが、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーによって中間転写ベルト18上にトナー画像を形成する。各プロセスユニット10Y、10M、10C、10Kのそれぞれは、画像形成部Aに対して着脱可能になっている。
中間転写ベルト18の上側には、中間転写ベルト18を介して、各プロセスユニット10Y、10M、10C、10Kのそれぞれの上方に位置するように、トナー収容部17Y、17M、17C、17Kが配置されている。各プロセスユニット10Y、10M、10C、10Kには、トナー収容部17Y、17M、17C、17Kのそれぞれに収容されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の各色のトナーが供給される。
各プロセスユニット10Y、10M、10C、10Kは、トナー収容部17Y、17M、17C、17Kから供給されるトナーの色のみがそれぞれ異なっていること以外は、概略同様の構成になっている。このために、以下においては、主としてプロセスユニット10Yの構成のみを説明して、他のプロセスユニット10M、10C、10Kの構成の説明は省略する。
プロセスユニット10Yは、中間転写ベルト18の下方において中間転写ベルト18に対向した状態で回転可能に配置された感光体ドラム11Yを有している。感光体ドラム11Yは、矢印Zで示す方向に回転されるようになっている。また、プロセスユニット10Yには、感光体ドラム11Yの下側において、感光体ドラム11Yの表面を一様に帯電する帯電器12Yが設けられている。帯電器12Yは、感光体ドラム11Yに対向して配置されている。
プロセスユニット10Yには、さらに、帯電器12Yに対して感光体ドラム11Yの回転方向下流側であって、感光体ドラム11Yに対して垂直方向の下方に配置された露光装置13Yと、露光装置13Yによる感光体ドラム11Yの表面の露光位置よりも、感光体ドラム11Yの回転方向下流側に配置された現像器14Yとが設けられている。
露光装置13Yは、帯電器12Yによって一様に帯電された感光体ドラム11Yの表面にレーザ光を照射して静電潜像を形成する。現像器14Yは、感光体ドラム11Yの表面に形成された静電潜像を、Y色のトナーによって現像する。
プロセスユニット10Yの上方には、中間転写ベルト18を挟んで感光体ドラム11Yに対向する1次転写ローラ15Yが設けられている。1次転写ローラ15Yは、画像形成部Aに取り付けられており、転写バイアス電圧が印加されることによって、感光体ドラム11Yとの間に電界を形成するようになっている。
なお、他のプロセスユニット10M、10C、10Kの上方にも、中間転写ベルト18を挟んで各感光体ドラム11M、11C、11Kに対向する1次転写ローラ15M、15C、15Kがそれぞれ設けられている。
感光体ドラム11Y、11M、11C、11K上に形成されたそれぞれのトナー画像は、1次転写ローラ15Y、15M、15C、15Kと、感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kとの間にそれぞれ形成される電界の作用によって、中間転写ベルト18上に1次転写される。
なお、フルカラー画像を形成する場合には、各感光体ドラム11Y、11M、11C、11K上に形成されたそれぞれのトナー画像が中間転写ベルト18上の同じ領域に多重転写されるように、各プロセスユニット10Y、10M、10C、10Kのそれぞれの画像形成動作タイミングがずらされる。
これに対して、モノクロ画像を形成する場合には、選択された1つのプロセスユニット(例えばKトナー用のプロセスユニット10K)のみが動作されることにより、当該プロセスユニットの感光体ドラム(例えば感光体ドラム11K)上にトナー画像が形成されて、形成されたトナー画像が、当該プロセスユニットに対向して配置された1次転写ローラ15Kによって、中間転写ベルト18における所定領域上に転写される。
なお、プロセスユニット10Yには、トナー画像が転写された感光体ドラム11Yをクリーニングするクリーニング部材16Yが設けられている。
トナー画像が形成された中間転写ベルト18の搬送方向下流側の端部(図1において右側の端部)には、シート搬送経路21を挟んで中間転写ベルト18に対向する2次転写ローラ19が配置されている。2次転写ローラ19は、中間転写ベルト18に圧接されており、両者の間に転写ニップが形成されている。2次転写ローラ19には転写バイアス電圧が印加されるようになっており、これにより、中間転写ベルト18との間に電界が形成される。
2次転写ローラ19と中間転写ベルト18とによって形成される転写ニップには、給紙部Bの給紙カセット22からシート搬送経路21に繰り出された記録シートSが供給される。中間転写ベルト18上に転写されたトナー画像は、2次転写ローラ19と中間転写ベルト18との間の電界の作用により、シート搬送経路21を搬送される記録シートSに2次転写される。
転写ニップを通過した記録シートSは、2次転写ローラ19の上側に配置された定着装置30に搬送される。定着装置30では、記録シートS上の未定着のトナー画像が加熱および加圧されることによって定着される。トナー画像が定着された記録シートSは、排紙ローラ25によって、トナー収容部17Y、17M、17C、17Kの上側に配置された排紙トレイ26上に排出される。
<定着装置の構成>
図2は、定着装置30における主要部の構成を説明するための横断面図である。なお、定着装置30において記録シートは、図1に示すように、下方から上方に向って通過するが、図2では、定着装置30を、記録シートが紙面上を右側から左側に向って搬送されるように示している。
図2に示すように、定着装置30は、加圧部材としての加圧ローラ32と、加圧ローラ32に圧接された状態で回転(周回移動)可能に配置された円筒形状のベルト体31と、ベルト体31の内周面に圧接されるようにベルト体31の回転域(周回移動域)の内部に配置された帯板状の加熱ヒータ33とを備えている。
ベルト体31は、帯状の耐熱フィルムを円筒形状に巻いて無端状にすることによって形成されており、ベルト体31の回転域内に配置された加熱ヒータ33がベルト体31の内周面に圧接されている。
加熱ヒータ33は、長手方向が記録シートSの搬送方向とは直交する方向に沿うように配置されており、ベルト体31を挟んで加圧ローラ32に対向している。ベルト体31外周面は、加熱ヒータ33により内周面が押圧されることによって加圧ローラ32に圧接されており、相互に圧接されたベルト体31の外周面と加圧ローラ32の外周面との間に定着ニップNが形成されている。
加圧ローラ32は、パイプ形状の芯金の外周面に、弾性層および離型性を有する離型層が順番に積層されて、外径が20〜100mm程度の円筒形状に形成されている。加圧ローラ32の芯金は、厚さが1.0〜10mm程度のアルミニウム、鉄等の金属パイプによって形成されている。加圧ローラ32の弾性層は、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の高耐熱性の弾性体によって、1〜20mm程度の厚さに形成されている。
加圧ローラ32の離型層は、PFA(ポリテトラフルオロエチレン)、PTFE(ポリテトラフルオロチレン(4フッ化)樹脂)、ETFE(4フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂)等のフッ素系チューブ、フッ素系コーティング等によって、例えば、5〜100μm程度の厚さに構成されている。なお、離型層は導電性であってもよい。
本実施形態では、加圧ローラ32は、アルミニウムの芯金に、厚さ3mmのシリコーンゴムの弾性層が積層されて、弾性層の外周面上に、厚さ30μmのPFAチューブが嵌合されることによって、20mmの外径に形成されている。
加圧ローラ32は、図示しないモータによって、図2に矢印Dで示す方向に回転駆動されるようになっており、加圧ローラ32に圧接されたベルト体31には、加圧ローラ32との摩擦力によって回転力が作用し、ベルト体31は、加圧ローラ32の回転に追従して、図2に矢印Eで示す方向に回転する。ベルト体31の内周面には、加熱ヒータ33が圧接しており、ベルト体31の回転により、ベルト体31の内周面は、加熱ヒータ33に摺動する。
ベルト体31は、加圧ローラ32の回転に追従して、加圧ローラ32の回転速度にほぼ等しい速度で回転する。定着ニップNに搬送された記録シートSは、記録シートSの幅方向の中央部が、定着ニップNにおける記録シートSの通過方向に直交する幅方向の中央部に一致した状態で、定着ニップNを通過する。
記録シートSは、相互に圧接されたベルト体31と、加圧ローラ32との間の定着ニップNを通過する間に、当該記録シートS上の未定着のトナー画像が加熱および加圧されて、記録シートS上の未定着のトナー画像が記録シートSに定着される。定着ニップNを通過した記録シートSは、ベルト体31から剥離されて、図1に示すように、プリンタの上部に設けられた排紙ローラ25へ搬送される。
定着装置30は、プリンタにおける本体部分に対して着脱可能になっており、ベルト体31、加熱ヒータ33等が寿命に達することによって、あるいは、加熱ヒータ33等が破損することによって、新たな定着装置30に交換される。
ベルト体31を構成する耐熱フィルムは、耐熱性を有するPTFE、PFE、FEP等の単層フィルム、あるいは、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS等のフィルムの外周面に、PTFE、PFE、FEP等をコーティングした複合層フィルム等によって形成されている。耐熱フィルムの膜厚は、ベルト体31の熱容量を小さくして昇温速度を高速化するために、100μm以下に形成されている。ベルト体31は、例えば、外径が18mmの円筒形状になっている。
図3は、ベルト体31の回転域内に配置された帯板状の加熱ヒータ33の側面の概略図、図4は、加熱ヒータ33における加圧ローラ32に対向する面を、加熱ヒータ33に対して給電するための回路とともに示した模式図である。なお、図4においては、図3における加熱ヒータ33を縮小して示している。
図3に示すように、加熱ヒータ33は、記録シートSの搬送方向とは直交する方向に沿って配置された帯板状の絶縁性の支持基板33Aと、支持基板33Aにおける加圧ローラ32に対向する面上に設けられた抵抗発熱部33Bと、抵抗発熱部33Bを覆うように支持基板33A上に設けられたオーバーコート層33Eとを有している。なお、図4においては、オーバーコート層33Eを省略している。
加熱ヒータ33の支持基板33Aは、図示しない保持部材によって、長手方向が加圧ローラ32の軸心に平行になるように保持されている。保持部材は、耐熱性および剛性を有しており、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS、液晶ポリマー等によって構成されている。保持部材は、ベルト体31のガイドとしての機能も有している。
支持基板33Aは、耐熱性、絶縁性、良熱伝導性のセラミック材料によって形成されている。具体的には、アルミナ、窒化アルミニウム等のセラミック材料によって構成されている。本実施形態では、支持基板33Aは、アルミナによって、長さ260mm、幅7mm、厚さ1.5mmに形成されている。
抵抗発熱部33Bは、電流が流れることによってジュール熱を発熱する抵抗発熱材料によって構成されており、図4に示すように、支持基板33Aにおける長手方向の両側の端部を除く基板中央部33aに設けられた中央発熱領域33dと、支持基板33Aにおける長手方向の両側の基板第1端部33bおよび基板第2端部33cにそれぞれ設けられた第1端部発熱領域33eおよび第2端部発熱領域33fとを有している。
抵抗発熱部33Bは、支持基板33A上に、正抵抗温度特性(PTC特性)を有する抵抗発熱材料によってそれぞれ厚膜状に形成されている。この場合、第1端部発熱領域33eおよび第2端部発熱領域33fは、それぞれ、同一のPTC特性および電気抵抗値になるように、同一の形状にパターニングされている。
なお、図4においては、中央発熱領域33dと、第1端部発熱領域33eおよび第2端部発熱領域33fのそれぞれにおける具体的なパターン形状については省略している。各発熱領域33d、33e、33fのパターン形状は特に限定されるものではなく、それぞれ、面積抵抗率が全体にわたって均一であって、全体にわたって所定の電気抵抗値になっていればよい。
中央発熱領域33dは、基板中央部33aにおける長手方向に沿った一方の側縁部に沿って設けられた給電配線33gと、支持基板33Aにおける長手方向に沿った他方の側縁部のほぼ全域に沿って設けられた共通配線33hとの間に、通電可能な状態で形成されている。給電配線33gは、基板第1端部33bにおける長手方向に沿った一方の側縁部に沿って設けられた接続配線33kに接続されている。接続配線33kの端部は、基板第1端部33bにおける長手方向の外側の端部に配置された第1電極部33xに接続されている。
基板第1端部33bに設けられた第1端部発熱領域33eは、基板第1端部33bにおいて長手方向に沿った一方の側縁部に沿って設けられた第1端部給電配線33mと、前述した共通配線33hとの間にわたって、通電可能な状態に設けられている。第1端部給電配線33mの端部は、基板第1端部33bにおける軸方向の外側の端部において第1電極部33xの内側に配置された第2電極部33yに接続されている。
なお、共通配線33hにおける基板第1端部33b上に位置する端部は、第2電極部33yの内側に配置された共通電極部33zに接続されている。
基板第2端部33cに設けられた第2端部発熱領域33fは、基板第2端部33cにおいて長手方向に沿った一方の側縁部に沿って設けられた第2端部給電配線33nと、前述した共通配線33hとの間にわたって、通電可能な状態で設けられている。第2端部給電配線33nの端部は、基板第2端部33cにおける長手方向の外側の端部に配置された第3電極部33wに接続されている。
中央発熱領域33dと、第1端部発熱領域33eおよび第2端部発熱領域33fとのそれぞれは、例えば、チタン酸バリウム等のセラミック材料、カーボンが分散された導電性ポリマー等によって、所定のPTC特性を有するように形成されている。
図5は、抵抗発熱部33Bの全体のPTC特性を示すグラフである。中央発熱領域33dと、第1端部発熱領域33eおよび第2端部発熱領域33fとのそれぞれは、同様のPTC特性を有しており、キュリーポイント(CP)を越えると、急激に抵抗値が上昇して、低電流しか流れなくなる。本実施形態では、抵抗発熱部33Bは、キュリーポイント(CP)が、定着温度(180℃)よりも高い200℃(上限値)に設定されるとともに、定着温度(180℃)付近で最小の抵抗値になるように、正特性サーミスタの動作域が設定されている。
基板中央部33aに設けられた中央発熱領域33dは、支持基板33Aの長手方向に沿った長さ(記録シートSの搬送方向とは直交する方向の長さ)L1が、定着ニップNを通過する最小サイズの記録シートSにおける支持基板33Aの長手方向に沿った長さに対応している。本実施形態では、この長さL1は、一般的な封筒のサイズの長手方向長さ(118mm)になっている。
また、基板第1端部33bに設けられた第1端部発熱領域33eにおける長手方向の外側の端部から、基板第2端部33cに設けられた第2端部発熱領域33fにおける長手方向の外側の端部までの支持基板33Aの長手方向に沿った長さL2は、定着ニップNを通過する最大サイズの記録シートSにおける支持基板33Aの長手方向に沿った長さに対応している。本実施形態では、この長さL2は、LTRサイズ(レターサイズ)の長手方向長さ(216mm)になっている。
支持基板33A上に設けられたオーバーコート層33Eは、耐熱性を有する樹脂、ガラス等によって、抵抗発熱部33Bの全体を覆うように構成されている。本実施形態では、電気的絶縁性と、ベルト体31に対する摺動性とを確保するために、オーバーコート層33Eは、厚さが約60μmの耐熱性ガラス層によって構成されている。
図4に示すように、第1電極部33x、第2電極部33y、第3電極部33wのそれぞれと、共通電極部33zとには、商用の交流電源34からの交流電流が供給されるようになっている。第1電極部33x、第2電極部33y、第3電極部33wのそれぞれは、並列に接続されており、交流電源34からの交流電流が、電流検出器37およびスイッチング素子38を介して、第1電極部33x、第2電極部33y、第3電極部33wのそれぞれに並列に供給される。
電流検出器37は、例えば、カレントトランスによって構成されている。スイッチング素子38は常閉接点であり、オフ(開)状態とされることによって、抵抗発熱部33Bにおける中央発熱領域33d、第1端部発熱領域33eおよび第2端部発熱領域33fの全てに対する電流供給を遮断する。
並列に接続された各発熱領域33d、33eおよび33fの電気抵抗は、例えば、交流(AC)100Vが印加されることによって、各発熱領域33d、33eおよび33fの全体で1000W程度の熱エネルギーが発生するように、室温(25℃)において全体で10Ω程度になっている。
各発熱領域33d、33eおよび33fに電流を供給する給電配線33g、接続配線33k、第1電極部33x、第1端部給電配線33m、第2電極部33y、共通配線33h、共通電極部33z、第2端部給電配線33n、第3電極部33wのそれぞれは、各発熱領域33d、33eおよび33fよりも十分に低い抵抗値を有する材料(Ag、Cu等)によって形成されている。本実施形態では、銀(Ag)のスクリーン印刷によって形成されている。
このような構成の加熱ヒータ30では、PTC特性を有する各発熱領域33d、33e、33fは、図5に示すように、定着温度(180℃)よりも低くなっている場合には、それぞれの電気抵抗値は、温度が上昇することによって緩やかに下降し、それぞれの発熱領域33d、33e、33fを流れる電流量が増加し、それぞれの温度が上昇する。
図6は、加熱ヒータ33における抵抗発熱部33Bの中央発熱領域33dと、第1端部発熱領域33eおよび第2端部発熱領域33fとの全体に対して、室温(25℃)で給電を開始した場合における電流値(実効値)の変化を示すグラフである。なお、図6においては、定着ニップNに対して記録シートSが搬送されていない状態における抵抗発熱部33Bの電流値(実効値)の経時変化を示している。
図6に示すように、抵抗発熱部33Bに対して交流電源34から交流電流の供給が開始されると、抵抗発熱部33Bには、抵抗発熱部33Bに対して安定的に電流が供給される状態(安定給電状態)にまで、瞬時(10msec以下の短時間)に立ち上がる。なお、この安定給電状態の開始当初における電流値を初期電流値Ioとする。
抵抗発熱部33Bの各発熱領域33d、33eおよび33fは、安定給電状態になった後は、給電による発熱によって温度が徐々に上昇する。これにより、各発熱領域33d、33eおよび33fの抵抗値が低下し(図5参照)、抵抗発熱部33Bに供給される電流量が徐々に増加する。
その後、図6に示すように、定着温度(180℃)に達する時間(ウォーミングアップ時間)が予め設定されており、設定されたウォーミングアップ時間の経過により、記録シートS上のトナー画像を定着可能になる。なお、プリンタは、ウォーミングアップ時間が経過することによって、画像形成動作を開始し、定着装置30は、定着ニップNに搬送される記録シートSに対する定着動作を実行する。
抵抗発熱部33Bは、定着ニップNに記録シートSが搬送されない状態では、全体の温度が上昇し、図5に示すように、定着温度(180℃)に達すると抵抗発熱部33B全体の抵抗値が最小になり、図6に示すように、抵抗発熱部33B全体を流れる電流値が最大になる。その後、さらに温度が上昇して、キュリーポイント(CP)に達すると、図5に示すように、PTC特性の抵抗発熱部33Bは抵抗値が急激に増加する。キュリーポイント(CP)以上の温度域では、図6に示すように、抵抗発熱部33Bには低電流が流れ、抵抗発熱部33Bは、キュリー温度(CP)を越えて温度上昇するおそれがない。
定着ニップNを記録シートSが通過すると抵抗発熱部33Bの温度が低下し、抵抗発熱部33Bの温度が定着温度近傍にまで低下すると、その後は、抵抗発熱部33Bの抵抗値が減少して電流量が増加し、温度が上昇する。この場合も、温度上昇によって、抵抗発熱部33Bの温度がキュリーポイント(CP)を越えるおそれがない。
従って、PTC特性を有する抵抗発熱部33Bは、定着ニップNを記録シートSが通過する場合に、各発熱領域33d、33e、33fの温度を検出するためのサーミスタ等の温度検知素子を用いることなく、定着温度近傍からキュリー温度(CP)までの温度範囲に調整される。
このようなPTC特性を有する抵抗発熱部33Bでは、定着ニップNを、例えば最小サイズ(封筒サイズ)の記録シートが通過する場合には、記録シートSは、支持基板33Aにおける基板第1端部33bおよび基板第2端部33cを通過しないために、それぞれに設けられた第1端部発熱領域33eおよび第2端部発熱領域33fにおいて発生する熱は、記録シートSによっては奪われない。これにより、第1端部発熱領域33eおよび第2端部発熱領域33fの温度が上昇する。
また、最小サイズの記録シートSが連続して定着ニップを通過する場合には、第1端部発熱領域33eおよび第2端部発熱領域33fの温度が上昇し続けることになる。この場合にも、第1端部発熱領域33eおよび第2端部発熱領域33fの温度がそれぞれキュリーポイント(CP)を越えると、それぞれの領域33eおよび領域33fに供給される電流が急激に低下し、第1端部発熱領域33eおよび第2端部発熱領域33fの温度上昇が抑制される。従って、抵抗発熱部33Bにおいて端部過昇温の発生が防止される。
中央発熱領域33dと、第1端部発熱領域33eおよび第2端部発熱領域33fとのそれぞれのキュリーポイント(CP)は、特に限定されるものではなく、トナーの物性等によって決まる定着温度に基づいて設定される。
このような構成の加熱ヒータ33では、支持基板33Aに「割れ」等の発生により、抵抗発熱部33Bにおける中央発熱領域33d、第1端部発熱領域33eおよび第2端部発熱領域33fのいずれかが破断あるいは一部欠損した損傷が生じた異常状態になるおそれがある。このような異常状態になると、抵抗発熱部33Bを所定の温度に制御することができずに、記録シートS上のトナー画像に定着不良等が生じるおそれがある。
このために、本実施形態では、最小サイズの記録シートSが連続して定着ニップNを通過する場合に、加熱ヒータ33における抵抗発熱部33Bに異常が生じたことを判定する異常判定制御を実行するようになっている。異常判定制御では、最小サイズの記録シートSが連続して定着ニップNを通過している状態で、抵抗発熱部33Bに供給される電流値が、予め設定された所定の閾値電流値よりも低下したことが検出されると、その時点において定着ニップNを連続して通過した記録シートの枚数に基づいて、抵抗発熱部33Bに異常が発生しているかを判定する。
図7は、加熱ヒータ33の抵抗発熱部33Bに異常が発生していることを判定する異常判定制御を実行するための制御系のブロック図である。加熱ヒータ33の異常判定制御は、CPU、RAM、ROM等を有する制御部51によって実行される。なお、図7においては、制御部51における定着装置30を制御する主要部の構成のみを示している。
制御部51には、抵抗発熱部33Bにおける中央発熱領域33d、第1端部発熱領域33eおよび第2端部発熱領域33fの全体に供給される電流量を測定する電流検出器37の出力、および、シート厚さ検出器53の出力が与えられている。制御部51は、電流検出器37の出力に基づいて、交流電源34と、中央発熱領域33d、第1端部発熱領域33eおよび第2端部発熱領域33fとの間に設けられたスイッチング素子38をオフ状態に制御するようになっている。
加熱ヒータ33における抵抗発熱部33Bの異常判定制御の原理を、以下に説明する。
前述したように、最小サイズの記録シートSが連続して定着ニップNを通過する場合には、第1端部発熱領域33eおよび第2端部発熱領域33fの温度がそれぞれ上昇する。従って、抵抗発熱部33Bの全体の抵抗が定着温度180℃よりも上昇する(図5参照)。これにより、抵抗発熱部33Bの全体に供給される電流が低下することになる。
すなわち、抵抗発熱部33Bが正常の場合には、最小サイズの記録シートSが連続して定着ニップNを通過する1つのプリントジョブにおいて、例えば、1枚目からno枚の記録シートSが連続して定着ニップNを通過することにより、抵抗発熱部33Bの全体の温度がキュリーポイント(CP)近傍の所定温度to(定着温度180℃よりも高温)に達する。この場合、抵抗発熱部33Bの全体に供給される電流は、抵抗発熱部33Bが定着温度になっている場合に供給される電流よりも低下し、さらには、抵抗発熱部33Bに対する給電開始時における初期電流値Ioよりも低下した状態になる。
従って、抵抗発熱部33Bが正常の場合には、連続して定着ニップNを通過した最小サイズの記録シートSの枚数がno枚以上になると、抵抗発熱部33Bの全体に供給される電流は初期電流値Ioよりも低下した状態になる。
これに対して、最小サイズの記録シートSが連続して定着ニップNを通過させる定着動作が開始された状態で、抵抗発熱部33Bに断線等の異常が生じると、異常が生じた時点で、抵抗発熱部33Bの全体の抵抗値が急激に増加して、抵抗発熱部33Bの全体に供給される電流が初期電流値Ioよりも低下する。従って、抵抗発熱部33Bが異常の場合には、最小サイズの記録シートSが連続して定着ニップNを通過する枚数が前述の枚数noに達する前に、抵抗発熱部33Bの全体に供給される電流が初期電流値Ioよりも低下することになる。
このことから、抵抗発熱部33Bが正常状態を継続する場合に、最小サイズの記録シートSが連続して定着ニップNを通過している間に、抵抗発熱部33Bの全体に供給される電流が初期電流値Ioよりも低下した時点で、定着ニップNを通過する最小サイズの記録シートSの枚数no(以下、この枚数noを基準枚数とする)を予め求めておき、実際に最小サイズの記録シートSが連続して定着ニップNを通過する定着動作が開始された場合に、抵抗発熱部33Bの全体に供給される電流が初期電流値Ioよりも低下したことが検出されると、その検出時点における定着ニップNを通過する最小サイズの記録シートSの枚数が基準枚数noに達していなければ、その定着動作の間に、抵抗発熱部33Bに断線等の異常が発生していると判定することができる。基準枚数noは、例えば、最小サイズ(封筒サイズ)の普通紙では20枚程度である。
なお、定着ニップNを連続して通過する最小サイズの記録シートSの厚さによっては、抵抗発熱部33B全体における温度上昇率が異なる。図8は、最小サイズの記録シートSが普通紙(坪量70g/m)の場合と厚紙(坪量150g/m)の場合とのそれぞれにおいて、連続プリント動作によって定着ニップNを記録シートSが通過したときの抵抗発熱部33B全体の温度上昇率を示すグラフである。
厚紙は、熱容量が大きいために、抵抗発熱部33Bの全体における温度上昇率が普通紙の場合よりも小さくなる。従って、図8に示すように、抵抗発熱部33Bの全体が温度上昇して前述した初期電流値Ioに対応した抵抗値になるまでの基準枚数noは、普通紙の場合における基準枚数noよりも多くなる。
なお、薄紙の場合には、熱容量が小さいために、抵抗発熱部33Bの全体における温度上昇率が普通紙の場合よりも大きくなり、従って、抵抗発熱部33Bの全体が温度上昇して前述した初期電流値Ioに対応した抵抗値になるまでの基準枚数noは、普通紙の場合の基準枚数noよりも少なくなる。
以上のことから、厚紙および薄紙のそれぞれの場合には、初期電流値Ioに対応した抵抗値の温度になるまでに必要とされる基準枚数noが、普通紙の場合の基準枚数noとは異なる値に設定される。例えば、厚紙および薄紙のそれぞれの場合に、普通紙の場合の基準枚数noに対して所定の補正係数k1およびK2を、図8に示す温度上昇率に基づいて予め設定して、設定された補正係数k1またはk2を、基準枚数noに乗算した積(k1×noまたはk2×no)を、厚紙および薄紙のそれぞれの場合における基準プリント枚数noとする。なお、厚紙の場合の補正係数k1は、1よりも大きな値、薄紙の場合の補正係数k2は、1よりも小さな値になる。
図9は、制御部51によって実行される加熱ヒータ33の異常判定制御の処理手順を示すフローチャートである。異常判定制御は、プリンタに対して、最小サイズ(図4に示す長さL2の封筒サイズ)の記録シートSの複数枚に対して連続してプリントするプリントジョブが指示された場合に実行される。
加熱ヒータ33の異常判定制御の実行が開始されると、制御部51は、まず、異常判定に使用される閾値電流値Ithを設定し、また、加熱ヒータ33に異常が生じていることを示す異常フラグF1をリセット状態(F1=0)とする(図9のステップS11参照、以下同様)。閾値電流値Ithは、加熱ヒータ33の抵抗発熱部33Bが正常である場合に、給電開始時に抵抗発熱部33Bに供給される初期電流値Ioが設定される(Ith=Io)。
初期電流値Ioは、抵抗発熱部33Bに対する給電が開始されて安定給電状態に立ち上がった時点の電流値であり、例えば、抵抗発熱部33Bに対する給電開始後の20msec〜300msecの所定時間の間において抵抗発熱部33Bに供給される電流値の最小値である。
なお、初期電流値Ioは、抵抗発熱部33Bにおける中央発熱領域33d、第1端部発熱領域33eおよび第2端部発熱領域33fを構成する材料の組成、パターンの寸法等が異なることによって変化するために、工場等において製造された定着装置30毎に、加熱ヒータ33の抵抗発熱部33Bに対する初期電流値Ioが計測され、工場出荷時、あるいは定着装置30の交換時に、作業員によって、その定着装置30における計測された初期電流値Ioが、閾値電流値Ithとして設定される。
閾値電流値Ithが定着装置30固有の初期電流値Ioに設定され、また、異常フラグF1がリセットされると、プリント動作が開始されるまで待機状態になる(ステップS12)。その後、プリント動作が開始されると(ステップS12において「YES」)、例えば、記録シートSが定着ニップNを通過する毎に、電流検出器37にて検出される電流値Idを取得して、予め設定された閾値電流値Ith(=初期電流値Io)と比較する(ステップS13)。
ステップS13において、取得された電流値Idが、閾値電流値Ith以上の場合(ステップS13において「NO」)には、ステップS14に進み、指示されたプリントジョブに含まれる枚数の記録シートSに対する全てのプリント動作が終了したかを確認する。全てのプリント動作が終了している場合(ステップS14において「YES」)には、異常判定制御を終了する。
全てのプリント動作が終了していない場合(ステップS14において「NO」)には、ステップS13に戻り、記録シートSが定着ニップNを通過する毎に、電流検出器37にて検出される電流値Idを取得して、閾値電流値Ithと比較する処理が実行される。従って、全てのプリント動作が終了するまで、Id<Ithにならない場合には、ステップS13およびステップS14の処理が繰り返されることになる。
ステップS13において、電流検出器37にて検出される電流値Idが、閾値電流値Ithよりも小さくなった場合(ステップS13において「YES」)には、ステップS15に進み、プリントジョブの指示による1枚目のプリント枚数から、Id<Ithになったことを検出した時点までに、すでに実行されたプリント枚数n(定着ニップNを通過する記録シートSの枚数n)を取得するとともに、シート厚さ検出器53の出力に基づいて記録シートSの厚さを取得する(ステップS15)。
次いで、取得された記録シートSの厚さに基づいて、記録シートSが普通紙であるかを判定する(ステップS16)。搬送されている記録シートSが普通紙でない場合(厚紙または薄紙、ステップS16において「NO」)には、ステップS17に進み、記録シートSが厚紙あるかを判定する。記録シートSが厚紙の場合(ステップS17において「YES」)には、予め設定された基準枚数noに厚紙用の補正係数k1を乗算し、その積(k1×no)を基準枚数noに設定する(ステップS18)。記録シートSが厚紙でない場合(ステップS17において「NO」)には、記録シートSは薄紙であると判定して、予め設定された基準枚数noに薄紙用の補正係数k2を乗算し、その積(k2×no)を基準枚数noに設定する(ステップS19)。
ステップS16において、記録シートSの種類が普通紙の場合(ステップS16において「YES」)には、ステップS20に進む。
ステップS20では、ステップS15にて取得されたプリント枚数nを、基準枚数noと比較する。その比較の結果、プリント枚数nが基準枚数noよりも少ない場合(ステップS20において「NO」)には、プリント動作の間に抵抗発熱部33Bに断線等の異常が発生して、抵抗発熱部33B全体の抵抗値が急激に低下することによって、基準枚数noに達する前に抵抗発熱部33Bに供給される電流値が急激に低下したものとして、ステップS21に進む。ステップS21では、異常フラグF1をセット状態(F1=1)にする。また、スイッチング素子38をオフ状態として、抵抗発熱部33Bに対する給電を遮断する。その後、異常判定制御を終了する。
プリント枚数nが基準枚数no以上になっている場合(ステップS20において「YES」)には、抵抗発熱部33Bは異常状態ではなく正常であると判定して、異常判定制御を終了する。
なお、制御部51は、異常フラグF1がセット状態(F1=1)になると、プリントジョブの実行を停止するために、画像形成部A等の全ての動作を停止させて、プリント動作が実行されない状態とする。また、定着装置30における加熱ヒータ33が異常であることを、操作パネルに設けられた表示パネル52に表示する。これにより、異常状態になった加熱ヒータ33によって定着動作が実行されるおそれがなく、定着不良等の画像がプリントされることを防止することができる。
なお、ステップS11において、異常フラグF1がリセット状態(F1=0)になると、スイッチング素子38のオフ、プリント動作の禁止、表示パネル52における加熱ヒータ33の異常の表示の全てが解除される。
また、作業員が正常な加熱ヒータ33を有する定着装置30に交換する際には、作業員は、交換された定着装置30における加熱ヒータ33の抵抗発熱部33Bに対する予め計測された初期電流Ioを、閾値電流Ithとして設定することになる。
このように、小サイズの記録シートSに対して連続したプリント動作が実行されている場合に、抵抗発熱部33Bの電流が閾値電流値よりも低下した時点における定着ニップNをすでに通過した記録シートの枚数に基づいて、抵抗発熱部33Bの異常を判定しているために、定着ニップを記録シートが連続して通過している定着動作の間に、加熱ヒータ33の支持体33Aが、振動、熱応力等により割れ等の異常が生じたことを検出することができる。
この場合、閾値電流値Ithが、抵抗発熱部33Bにおけるキュリーポイント(CP)の近傍であってキュリーポイントよりも低い温度toに設定される。この温度to近傍の温度域は、他の温度域よりも、小さな温度変化で抵抗値が大きく変化する特性を有することから、抵抗発熱部33Bに異常が発生していない場合には、抵抗発熱部33Bの温度変化に対して、供給される電流値の変化が大きくなり、検出電流値の変化量を検出しやすくなる。従って、抵抗発熱部33Bに供給される電流値が閾値電流値Ith(初期電流値Io)よりも低下したことを確実に検出することができる。
<変形例>
上記の実施形態における異常判定制御では、定着ニップを連続して通過する記録シートSが、搬送方向とは直交する方向の長さL1の最小サイズの場合について説明したが、このようなサイズの記録シートSに限らず、搬送方向とは直交する方向の長さが、L1以上であって、L2(すなわち、最大サイズ)よりも短いサイズの記録シートSであればよい。この場合には、そのサイズのシートに応じた枚数noが設定される。
また、上記の実施形態では、異常判定制御において、閾値電流値Ithとして抵抗発熱部33Bに対する給電開始時の初期電流値Ioを設定する構成であったが、このような構成に限らず、抵抗発熱部33Bの抵抗値が急激に上昇するキュリーポイント近傍の温度に対応した電流値であればよい。
また、定着装置30は、耐熱フィルムによって構成されたベルト体31を、抵抗発熱部33Bを有する加熱ヒータ33によって加圧ローラ32に押し付けて、ベルト体31と加圧ローラ32との間に定着ニップNを形成する構成であったが、このような構成に限らず、ベルト体31に対して加圧ベルトを圧接させることによって定着ニップNを形成する構成としてもよい。
さらに、ヒータ33を、ベルト状に構成された支持体上33A上に抵抗発熱部33Bを支持して、抵抗発熱部33Bを耐熱フィルムによって覆う構成とし、抵抗発熱部33Bを、耐熱フィルムを介して加圧ローラ32に押し付けることによって、定着ニップNを形成するようにしてもよい。
また、定着ニップNをベルト体31に対して加圧ローラ32を圧接させることによって形成する構成に限らず、ベルト体31に対して加圧ベルトを圧接させることによって定着ニップNを形成する構成としてもよい。
さらには、上記の説明では、定着装置30の電源として、商用の交流電源を用いる構成であったが、直流電源を用いる構成であってもよい。
また、本発明に係る画像形成装置は、タンデム型カラーデジタルプリンタに限るものではなく、モノクロ画像を形成するプリンタであってもよい。さらには、プリンタに限らず、複写機、MFP(Multiple Function Peripheral)、FAX等(いずれの場合にも、カラー画像用、モノクロ画像用のいずれであってもよい)にも適用できる。
本発明は、電流が流れることによって発熱する抵抗発熱部を有する加熱ヒータに異常が生じたことを、温度検知素子を用いることなく検出する技術として有用である。
30 定着装置
31 ベルト体
32 加圧ローラ
33 加熱ヒータ
33A 支持基板
33B 抵抗発熱部
33E オーバーコート層
33a 基板中央部
33b 基板第1端部
33c 基板第2端部
33d 中央発熱領域
33e 第1端部発熱領域
33f 第2端部発熱領域
33g 給電配線
33h 共通配線
33k 接続配線
33x 第1電極部
33y 第2電極部
33z 共通電極部
33w 第3電極部
34 交流電源
37 電流検出器
38 スイッチング素子

Claims (7)

  1. 未定着のトナー画像が転写された記録シートが定着ニップを通過する間に、当該記録シートを加熱および加圧することにより、トナー画像を記録シートに定着する定着装置であって、
    所定温度以上の温度域で正の温度抵抗特性を有する抵抗発熱部と、前記定着ニップを通過する記録シートが加熱されるように、前記抵抗発熱部を支持する絶縁性の支持体とを有する加熱ヒータと、
    前記抵抗発熱部へ供給される電流を検出する電流検出手段と、
    当該電流検出手段によって検出される電流値が、前記抵抗発熱部が正常な場合に前記定着ニップを記録シートが連続して通過することによる当該抵抗発熱部の温度上昇に対応して予め設定された閾値電流値よりも低くなったことが検出されたときに、その検出時点までの間に定着ニップを連続して通過した記録シートの枚数に基づいて、前記抵抗発熱部の異常を判定する異常判定手段と、
    を有することを特徴とする定着装置。
  2. 前記異常判定手段は、記録シートの枚数が、予め設定された基準枚数よりも少ない場合に、抵抗発熱部が異常であると判定することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記基準枚数は、定着ニップを連続して通過する記録シートの厚さによって異なることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記閾値電流値は、前記抵抗発熱部への電流供給時における初期電流値であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の定着装置。
  5. 前記加熱ヒータの支持体は、前記定着ニップにおける、記録シートの搬送方向とは直交する方向に沿って配置された帯板状であり、
    前記定着ニップは、前記抵抗発熱部に対向して回転可能に配置された加圧ローラと、当該加圧ローラと前記加熱ヒータとの間を通過して周回移動する無端状のベルト体との間に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の定着装置。
  6. 前記ベルト体は、耐熱性フィルムによって構成されていることを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の定着装置を有することを特徴とする画像形成装置。
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