JP2021033160A - 画像形成装置、画像形成方法及びプログラム - Google Patents

画像形成装置、画像形成方法及びプログラム Download PDF

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隆徳 三谷
Takanori Mitani
隆徳 三谷
西田 聡
Satoshi Nishida
聡 西田
健史 宍道
Takeshi Shishido
健史 宍道
敢 竹田
Kan Takeda
敢 竹田
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Abstract

【課題】画像不良の発生を抑制する。【解決手段】画像形成装置は、画像データに応じて複数の記録材にトナー像を形成する画像形成部と、加熱部材及び加圧部材を有し、トナー像が形成された複数の記録材をニップ部で順次搬送しながら加熱してトナー像を複数の記録材に定着する定着部と、を備え、画像データに基づいて、トナー像のトナー量に関する情報及び画像データに含まれる画像の種類を決定し、かつ、トナー量に関する情報に応じた目標温度を複数の記録材毎に決定し、温度検知部によって検知された加熱部材の温度が目標温度を維持するように加熱部材に供給する電力を制御し、複数の記録材は、先行して搬送される第1の記録材と、第1の記録材に続いて搬送される第2の記録材とを含み、第1の記録材の目標温度から第2の記録材の目標温度に変更する場合の目標温度の変化量を、第2の記録材に形成される画像の種類に応じた制限量によって制限する。【選択図】図13

Description

本発明は、プリンタ、複写機等の定着部を備える画像形成装置、画像形成方法及びプログラムに関する。
近年、電子写真方式の複写機やプリンタ等の画像形成装置についても消費電力の削減(省エネルギー性)が求められている。特に、画像形成装置に搭載される各装置の中でトナー像を担持した記録材を加熱してトナー像を記録材に定着する定着装置は最も電力を消費する装置の一つであるため、定着装置の電力削減の要望は強い。特許文献1には、未定着トナーの単位面積当たりの重量に応じてヒータの制御温度を変える画像形成装置が開示されている。特許文献1の画像形成装置は、画像データから未定着トナーの単位面積当たりの重量を予測してヒータの制御温度を補正することによって、消費電力を低減する。また、特許文献2には連続プリントする記録材のヒータの制御温度が大きく変わる場合、ヒータの制御温度の切り替え量に制限を設けることで、コールドオフセット等の画像不良の発生を抑制しつつ消費電力の低減をする技術が開示されている。
特開2006−154413号公報 特許第6095345号公報
しかし、文字画像のページやベタ画像のページが混在するプリントジョブを連続印刷する際、同一ページ内のグロスが通紙方向で大きく異なってしまうという画像不良(所謂、グロス段差)の発生を抑制しつつ消費電力の低減をすることができない場合がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、複数の記録材を連続プリントする場合の画像不良の発生を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
画像データに応じて複数の記録材にトナー像を形成する画像形成部と、
加熱部材及び前記加熱部材と共にニップ部を形成する加圧部材を有し、前記トナー像が形成された前記複数の記録材を前記ニップ部で順次搬送しながら加熱して前記トナー像を前記複数の記録材に定着する定着部と、
前記加熱部材の温度を検知する温度検知部と、
前記画像データに基づいて、前記トナー像のトナー量に関する情報及び前記画像データに含まれる画像の種類を決定し、かつ、前記トナー量に関する情報に応じた目標温度を前記複数の記録材毎に決定する決定部と、
前記温度検知部によって検知された温度が前記目標温度を維持するように前記加熱部材に供給する電力を制御する制御部と、
を備え、
前記複数の記録材は、先行して搬送される第1の記録材と、前記第1の記録材に続いて搬送される第2の記録材とを含み、
前記決定部は、前記第1の記録材の前記目標温度から前記第2の記録材の前記目標温度に変更する際の前記目標温度の変化量を前記画像の種類に応じた制限量によって制限することを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
画像データに応じて複数の記録材にトナー像を形成する画像形成部と、
加熱部材及び前記加熱部材と共にニップ部を形成する加圧部材を有し、前記トナー像が形成された前記複数の記録材を前記ニップ部で順次搬送しながら加熱して前記トナー像を前記複数の記録材に定着する定着部と、
前記加熱部材の温度を検知する温度検知部と、
前記画像データに基づいて、前記トナー像のトナー量に関する情報及び前記画像データに含まれる画像の種類を決定し、かつ、前記トナー量に関する情報に応じた目標温度を前記複数の記録材毎に決定する決定部と、
前記温度検知部によって検知された温度が前記目標温度を維持するように前記加熱部材に供給する電力を制御する制御部と、
を備え、
前記複数の記録材は、先行して搬送される第1の記録材と、前記第1の記録材に続いて搬送される第2の記録材とを含み、
前記決定部は、前記第2の記録材に形成される画像の種類に応じて、前記第1の記録材の前記目標温度から前記第2の記録材の前記目標温度に変化させることが可能な温度である制限量を求め、前記第1の記録材の前記目標温度から前記第2の記録材の前記目標温度を切り替える場合に、前記目標温度の変化量が前記制限量を超えないようにすることを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の画像形成方法は、
画像データに応じて複数の記録材にトナー像を形成する画像形成部と、加熱部材及び前記加熱部材と共にニップ部を形成する加圧部材を有し、前記トナー像が形成された前記複数の記録材を前記ニップ部で順次搬送しながら加熱して前記トナー像を前記複数の記録材に定着する定着部と、を備える画像形成装置の画像形成方法であって、
コンピュータが、
前記加熱部材の温度を検知する検知ステップと、
前記画像データに基づいて、前記トナー像のトナー量に関する情報及び前記画像データに含まれる画像の種類を決定し、かつ、前記トナー量に関する情報に応じた目標温度を前記複数の記録材毎に決定する決定ステップと、
前記温度検知ステップによって検知された温度が前記目標温度を維持するように前記加熱部材に供給する電力を制御する制御ステップと、
を実行し、
前記複数の記録材は、先行して搬送される第1の記録材と、前記第1の記録材に続いて搬送される第2の記録材とを含み、
前記決定ステップでは、前記第1の記録材の前記目標温度から前記第2の記録材の前記目標温度に変更する際の前記目標温度の変化量を前記画像の種類に応じた制限量によって制限することを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明の画像形成方法は、
画像データに応じて複数の記録材にトナー像を形成する画像形成部と、加熱部材及び前記加熱部材と共にニップ部を形成する加圧部材を有し、前記トナー像が形成された前記複数の記録材を前記ニップ部で順次搬送しながら加熱して前記トナー像を前記複数の記録材に定着する定着部と、を備える画像形成装置の画像形成方法であって、
コンピュータが、
前記加熱部材の温度を検知する検知ステップと、
前記画像データに基づいて、前記トナー像のトナー量に関する情報及び前記画像データに含まれる画像の種類を決定し、かつ、前記トナー量に関する情報に応じた目標温度を前記複数の記録材毎に決定する決定ステップと、
前記検知ステップによって検知された温度が前記目標温度を維持するように前記加熱部材に供給する電力を制御する制御ステップと、
を実行し、
前記複数の記録材は、先行して搬送される第1の記録材と、前記第1の記録材に続いて搬送される第2の記録材とを含み、
前記決定ステップでは、前記第2の記録材に形成される画像の種類に応じて、前記第1の記録材の前記目標温度から前記第2の記録材の前記目標温度に変化させることが可能な温度である制限量を求め、前記第1の記録材の前記目標温度から前記第2の記録材の前記目標温度を切り替える場合に、前記目標温度の変化量が前記制限量を超えないようにすることを特徴とする。
本発明によれば、複数ページの記録材を連続プリントする時にグロス段差等の画像不良の発生を抑制することが可能な画像形成装置を提供できる。
実施例1に係る画像形成装置の構成を示す図 実施例1に係る定着装置の構成を示す図 実施例1に係るビデオコントローラの構成を示す図 実施例1に係る画像データの処理のフローの説明図 実施例1に係る画像タイプの判別処理を示すフローチャート 実施例1に係る画像データの分割処理を示す図 実施例1に係る連続回数のカウント処理を示す図 実施例1に係る画像タイプの判別処理を示す図 実施例1に係る単位面積当たりのトナー量と目標温度との関係を示す図 目標温度とグロス段差の関係を示す図 実施例1に係る画像と定着中昇温許容値と定着中降温許容値の関係を示す図 実施例1に係る目標温度の算出の説明図 実施例1に係る目標温度を補正する制御のフローを示す図 比較例1に係るグロス段差の発生の有無を示す図 比較例2に係るグロス段差の発生の有無を示す図 実施例1に係るグロス段差の発生の有無を示す図 実施例2に係るグロス段差の発生の有無を示す図
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、実施形態に記載されている構成部品の寸法や材質や形状やそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件などにより適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施形態に限定する趣旨ではない。
(実施例1)
(1)画像形成装置
本実施例に係る画像形成装置、及び、画像データに応じて、複数の記録材(記録媒体)Sにトナー像を形成する画像形成部について説明する。図1は本実施例で用いる画像形成装置Pを示す図である。画像形成装置(プリンタ)Pは、記録材Sの搬送経路SPと、4つの画像形成ステーション3Y,3M,3C,3Kと、を備えている。画像形成ステーション3Yはイエロー(以下Yと略記)色の画像を形成する。画像形成ステーション3Mはマゼンタ(以下Mと略記)色の画像を形成する。画像形成ステーション3Cはシアン(以下Cと略記)色の画像を形成する。画像形成ステーション3Kはブラック(以下Kと略記)色の画像を形成する。
各画像形成ステーション3Y,3M,3C,3Kは、像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、感光体ドラムと記す)4Y,4M,4C,4Kと、帯電手段としての帯電ローラ5Y,5M,5C,5Kを有している。以下、感光体ドラム4Y,4M,4C,4Kを総称する場合、感光体ドラム4と表記する。また、各画像形成ステーション3Y,3M,3C,3Kは、露光手段としての露光装置6と、現像手段としての現像装置7Y,7M,7C,7Kと、クリーニング手段としてのクリーニング装置8Y,8M,8C,8Kを有している。ビデオコントローラ30は、ホストコンピュータなどの外部装置(不図示)から画像情報を受信すると、制御手段としての制御部31にプリント信号(プリント指令)を送信し、画像形成動作が開始される。画像形成が行われる際に、制御部31は、プリント信号に応じて、画像形成ステーション3Yの感光体ドラム4Yの回転を制御する。これにより、画像形成ステーション3Yの感光体ドラム4Yが、所定の方向に回転する。不図示の回転制御部が、画像形成ステーション3Yの感光体ドラム4Yの回転を制御してもよい。制御部31は、ROM、RAM、及びCPU等の各デバイスを備える。
まず感光体ドラム4Yの外周面(表面)は帯電ローラ5Yにより一様に帯電される。そして、感光体ドラム4Yの表面(帯電面)に対して露光装置6により画像データに応じたレーザ光が照射されることによって感光体ドラム4Yの表面が露光され、感光体ドラム4Yの表面に静電潜像が形成される。感光体ドラム4Yの表面に形成された静電潜像は、現像装置7YによりYトナーを用いて顕像化される。これにより、感光体ドラム4Yの表面にYトナー画像が形成される。画像形成ステーション3M,3C,3Kにおいても同様の画像形成プロセスが行われる。これにより、感光体ドラム4Mの表面にMトナー画像が、感光体ドラム4Cの表面にCトナー画像が、感光体ドラム4Kの表面にKトナー画像が、それぞれ形成される。
画像形成ステーション3Y,3M,3C,3Kの配列方向に沿って設けられているエンドレスの中間転写ベルト9は、駆動ローラ9aと、従動ローラ9bと、従動ローラ9cとに張架されている。駆動ローラ9aは、所定の方向に回転する。これにより、中間転写ベルト9は、各画像形成ステーション3Y,3M,3C,3Kに沿って150mm/secのスピードで回転移動する。この中間転写ベルト9の外周面(表面)には、中間転写ベルト9を挟んで感光体ドラム4Y,4M,4C,4Kと対向配置されている一次転写手段10Y,10M,10C,10Kにより、各色のトナー画像が順次重ね転写される。これによって、中間転写ベルト9表面に4色のフルカラートナー画像が形成される。
一次転写後に感光体ドラム4Y,4M,4C,4Kの表面に残った転写残トナーは、クリーニング装置8Y,8M,8C,8Kに設けられている不図示のクリーニングブレードにより除去される。これにより感光体ドラム4Y,4M,4C,4Kは次の画像形成に備える。
一方、画像形成装置Pの下部に設けられた給送カセット11に積載収納されている記録材Sは、給送ローラ12によって給送カセット11から一枚ずつレジストローラ対13に給送される。レジストローラ対13は、給送された記録材Sを、中間転写ベルト9と二次転写ローラ14との間の転写ニップ部に送り出す。二次転写ローラ14は、中間転写ベルト9を挟んで従動ローラ9bと対向するように配置されている。二次転写ローラ14には、記録材Sが転写ニップ部を通過する際に不図示の高圧電源からバイアスが印加される。これにより転写ニップ部を通過する記録材Sに中間転写ベルト9の表面からフルカラーのトナー画像が二次転写される。以上説明した記録材Sにトナー画像を形成する構成を画像形成部とする。
トナー画像が形成された記録材Sは定着部としての定着装置F1に搬送される。定着装置F1は、フィルム22と、加熱部材としてのヒータ23とを備える。記録材Sは、定着
装置F1を通過することにより加熱及び加圧され、トナー画像が記録材S上に加熱定着される。そして、記録材Sは、定着装置F1から画像形成装置Pの外部の排出トレイ15へ排出される。二次転写後に中間転写ベルト9の表面に残った転写残トナーは、中間転写ベルトクリーニング装置16により除去される。これにより、中間転写ベルト9は、次の画像形成に備える。
(2)定着装置
画像形成装置Pの定着装置F1について説明する。以下の説明において、定着装置F1及び定着装置F1を構成する部材に関し、第1方向とは記録材Sの面と平行な面における記録材Sの搬送方向と直交する方向であり、第2方向とは記録材Sの搬送方向である。図2は定着装置F1の断面図である。定着装置F1は、記録材Sと接触する筒状のフィルム22と、フィルム22の内面に接触するヒータ23と、ヒータ23と共にニップ部を形成する加圧部材としての加圧ローラ21と、を有する。定着装置F1は更に、ヒータ23を保持するヒータホルダ24と、定着装置F1に必要な曲げ剛性を確保するための補強部材としての補強ステー25と、を有している。加圧ローラ21、フィルム22、ヒータ23、ヒータホルダ24、及び補強ステー25は、何れも第1方向に長い部材である。
また、定着装置F1では、加圧ローラ21は回転可能であり、加圧ローラ21が不図示の駆動源で回転駆動され、フィルム22が加圧ローラ21に従動して回転する。板状のヒータ23は、第1方向に細長い基板231と、基板231上に第1方向に沿って形成された発熱抵抗体233と、発熱抵抗体233を覆うオーバーコート層232と、を有する。基板231はセラミック製である。基板231の第1方向の両端部には発熱抵抗体233に給電するためのコネクタ(不図示)が設けられている。コネクタを介して給電された発熱抵抗体233が発熱することにより、ヒータ23の温度が上昇する。
ヒータホルダ24は、耐熱性及び剛性を有する横断面が略半円形樋型に形成されている部材である。ヒータホルダ24の材質として液晶ポリマー等が用いられる。ヒータホルダ24はヒータ23と対向する面の第2方向の中央に第1方向に沿って設けられた溝部を有する。ヒータホルダ24の溝部によりヒータ23の基板231が保持されており、オーバーコート層232がヒータホルダ24の溝部から露呈されている。ヒータホルダ24は、ヒータホルダ24の第1方向の両端部が装置枠体(不図示)としての2つ側板に保持されている。
フィルム22は、可撓性及び耐熱性を有する樹脂材料により形成された筒状の部材である。本実施例のフィルム22の外周長は例えば57mmである。フィルム22は、筒状のベース層221と、ベース層221の外側に形成された弾性層222と、弾性層222の外側に形成された離型層223と、を有する。例えば、ベース層221は、厚さ60ミクロンのポリイミドで形成され、弾性層222は厚さ200ミクロンのシリコーンゴムで形成され、離型層223は15ミクロンのフッ素樹脂で形成されている。フィルム22の内周長は、ヒータ23を保持しているヒータホルダ24の外周長よりも3mm大きい。そして、フィルム22は、ヒータ23を保持しているヒータホルダ24にルーズに外嵌されている。補強ステー25は、横断面がU字型の部材である。補強ステー25は、ヒータホルダ24のヒータ23を保持している面と反対側の面の第2方向の中央部に配置されている。
加圧ローラ21は、芯金211と、芯金211の外側に形成されたシリコーンゴムの弾性層212と、弾性層212の外側に形成された導電性を有するフッ素樹脂の離型層213と、を有する。加圧ローラ21の外周長は例えば63mmである。尚、弾性層212は、フッ素ゴム等の耐熱性ゴム、あるいはシリコーンゴム等を発泡して形成したものでもよい。離型層213は、絶縁性のフッ素樹脂でもよい。加圧ローラ21は、フィルム22と
平行になるように配置され、芯金211の第1方向の両端部が定着装置F1の枠体の側板に軸受け部材を介して回転可能に保持されている。そして、加圧ローラ21の芯金211と補強ステー25は、第1方向の両端部において不図示の加圧スプリングにより加圧ローラ21の外周面とフィルム22の外周面が接触するように加圧されている。この加圧力により加圧ローラ21の外周面とヒータ23のオーバーコート層232とがフィルム22を介して所定幅のニップ部NFを形成する。加圧力の総圧は、例えば20kgfである。
プリント信号に応じて、図2に示すように、加圧ローラ21が所定の周速度(プロセス速度)150mm/secで矢印R1方向に回転する。その際、ニップ部NFにおける加圧ローラ21の外周面とフィルム22の外周面との間に働く摩擦力により、フィルム22が矢印R2方向に回転する。そのため、フィルム22が回転する際に、フィルム22の内周面がヒータ23と密着して摺動する。その際に、フィルム22の回転はフィルム22の内周形状に沿ように形成されているヒータホルダ24の外周面によってガイドされる。これにより、フィルム22の回転が安定し、フィルム22は同じ回転軌跡を描きながら回転する。また、制御部31はプリント信号に応じてヒータ23の発熱抵抗体233への通電を開始する。ヒータ23への通電によりヒータ23は昇温しフィルム22を加熱する。
ヒータ23の温度は、基板231のヒータホルダ24と対向する側の面に設けられている温度検知部としてのサーミスタ26によって検知される。制御部31は、サーミスタ26の出力信号に基づいて、サーミスタ26の検知温度が所定の目標温度Tを維持するようにヒータ23への通電を制御する。制御部31は、サーミスタ26の検知温度をヒータ23の温度として取得し、ヒータ23の温度(サーミスタ26の検知温度)が目標温度Tを維持するように、ヒータ23に供給する電力を制御する。例えば、サーミスタ26の信号に応じて、制御部31がヒータ23に流れる電流を制御することで、ヒータ23の温度を制御してもよい。これによってニップ部NFは所定温度に維持される。また、制御部31は、サーミスタ26の検出温度を定着装置Fの温度として取得してもよい。制御部31は、定着装置Fの温度(サーミスタ26の検知温度)が目標温度Tを維持するように、定着装置Fに供給する電力を制御してもよい。例えば、サーミスタ26の信号に応じて、制御部31が定着装置Fに流れる電流を制御することで、定着装置Fの温度を制御してもよい。制御部31が行う処理の一部をホストコンピュータやネットワーク上のサーバーが行ってもよい。ホストコンピュータ及びネットワーク上のサーバーは、処理装置の一例である。通常のプリント時の目標温度Tは、120℃以上230℃以下である。加圧ローラ21及びフィルム22の回転が安定し、かつ、サーミスタ26の検知温度が目標温度Tに達すると、未定着トナー画像(トナー像)tを担持した記録材Sが入り口ガイド27を通ってニップ部NFに導入される。記録材Sはニップ部NFで加圧ローラ21の外周面とフィルム22の外周面とに挟まれて搬送される。その搬送過程で記録材Sに熱と圧力が加えられ、未定着トナー画像tは記録材Sの表面に加熱定着される。このように、定着装置Fは、未定着トナー画像tが形成された複数の記録材Sをニップ部NFで順次搬送しながら加熱して未定着トナー画像tを複数の記録材Sに定着する。未定着トナー画像tが加熱定着された記録材Sはフィルム22の表面から曲率分離してニップ部NFから排出される。
(3)画像処理部
画像処理部としてのビデオコントローラ30について、図3に示す図を用いて説明する。ビデオコントローラ30は、CPUバス301を介して相互に接続されたホスト側インタフェース部302、本体側インタフェース部303、ROM304、RAM305、及びCPU306等の各デバイスを備えている。CPUバス301は、アドレスバス、データバス、コントロールバス等を含む。ホスト側インタフェース部302は、外部ネットワークを介してホストコンピュータ等のデータ送信装置と双方向に通信接続する機能を有する。本体側インタフェース部303は、画像形成装置Pと双方向に通信接続する機能を有する。
ROM304は、後述する画像データの処理や、その他の処理を実行するための制御プログラムコードを保持する。RAM305は、本体側インタフェース部303で受信した画像データをレンダリングした結果のビットマップデータや画像濃度情報を保持したり、一時的なバッファエリアや各種処理ステータスを保持したりするためのメモリである。CPU306は、ROM304に保持された制御プログラムコードに基づいて、CPUバス301に接続された各デバイスを制御する。ビデオコントローラ30が行う処理の一部をホストコンピュータやネットワーク上のサーバーが行ってもよい。
(4)画像データ処理と画像濃度情報及び画像タイプ情報の検出
画像データ処理について説明する。図4に画像データの処理フローを示す。ホストコンピュータから、画像データとともに、画像情報として紙サイズ、動作モード等のコマンドがビデオコントローラ30に送られる(処理S10)。画像データがカラー画像に関するデータである場合には、RGB(レッド、グリーン、ブルー)データによる色情報の形式となっており、それぞれの色情報が画像形成装置Pで再現可能なデバイスRGBデータに変換される(処理S11)。続いて、画像データの色情報について、デバイスRGBデータからデバイスYMCK(イエロー、マゼンダ、シアン、ブラック)データに変換される(処理S12)。
デバイスYMCKデータは、各色の画像形成ステーションのレーザが全点灯した場合に記録材S上に形成されるトナー量に対する画像形成時のトナー量の比を表すものと定義される。デバイスYMCKデータのデータ値は、単色では0%以上100%以下の幅を持つ。データ値0%は、レーザが全消灯され、トナー量が0となる場合である。
ここでは、YMCKデータに対して、各色の露光量と実際に使用されるトナー量との関係を示す階調テーブルを用いて、YMCK各色の露光量が算出される(処理S13)。例えば、所定のピクセルにおけるデータ値が、Y=50%、M=70%、C=20%、K=0%である場合には、画像濃度情報Dは140%(=50+70+20+0)である。また、その際に画像濃度情報D及び画像タイプ情報Iも同時に算出される。その後、各ピクセルについて、各色の露光量が実際に用いる露光パターンに変換され(処理S14)、感光体ドラム4への露光出力となる(処理S15)。例えば、ビデオコントローラ30が、処理S11〜処理S14を行う。
尚、本実施例においては、画像濃度情報Dは、1枚の記録材Sを印刷する際の1ページ分の画像データ内の各ピクセルの中で最大濃度を有するピクセルを用いて算出される。ビデオコントローラ30は、プリントジョブの最初の画像データ(1ページ目の画像データ)の画像濃度情報Dを画像像濃度情報Dとして、RAM305に記憶する。また、画像タイプ情報Iは、本実施例においては後述する方法で、1枚の記録材Sを印刷する際の1ページ分の画像データの画像情報から決定される。ビデオコントローラ30は、1ページ目の画像データの画像タイプ情報Iを画像タイプ情報Iとして、RAM305に記憶する。さらに、ビデオコントローラ30は、プリントジョブの2番目の画像データ(2ページ目の画像データ)の画像濃度情報D及び画像タイプ情報Iを画像濃度情報D及び画像タイプ情報Iとして、RAM305に記憶する。ビデオコントローラ30は、プリントジョブのn番目の画像データ(nページ目の画像データ)の画像濃度情報D及び画像情報タイプIを画像濃度情報D及び画像タイプ情報Iとして、RAM503に記憶する。このように、ビデオコントローラ30は、画像データに基づいて、画像濃度情報及び画像タイプ情報を決定する。ビデオコントローラ30は、決定部の一例である。ビデオコントローラ30は、画像濃度情報D〜Dと、画像タイプ情報I〜IとをRAM503に記憶する。尚、画像濃度情報Dや画像タイプ情報Iの検出時間は、画像データの大きさやビデオコントローラ30の処理速度によって変化することがあるため、RAM305に
記憶されている画像濃度情報Dと画像タイプ情報Iの個数は一定であるとは限らない。また、同様の理由で、RAM305に記憶されている画像濃度情報Dの個数と画像タイプ情報Iの個数は同じであるとも限らない。
(5)画像タイプ情報の判別方法の詳細
図5、6及び7を用いて、図4の処理S13の画像タイプ情報Iの判別方法を詳細に説明する。図5は画像タイプ情報Iの判別方法を示したフローチャートである。以下では、ホストコンピュータ300から画像形成装置Pに送られた1ページ分の画像データを、1枚の記録材Sに印字する場合の処理の一例を示す。
ステップ501で、ビデオコントローラ30は、図6に示すように、画像データ(600dpi)を主走査方向(横方向、矢印方向D1)の128ピクセル×副走査方向(縦方向、矢印方向D2)の128ピクセルの正方形の領域に分割する。すなわち、ビデオコントローラ30は、画像データを複数のピクセルを含む複数の領域に区分する。分割する領域の大きさは10から2000ピクセル程度が好ましい。領域が小さすぎると、文字をベタ画像と認識してしまう可能性があり、逆に領域が大きすぎると領域内に文字とベタ画像が混在する場合に正しく認識できなくなる可能性がある。なお、本実施例では、領域の形状が正方形であるが、領域の形状は、長方形等の異なる形状(所定形状)であってもよい。主走査方向は、記録材Sの搬送方向と直交する方向と一致する。副走査方向は、記録材Sの搬送方向と一致する。
図6に示すように、各領域にはA(m,n)が割り当てられており、括弧内のmは領域Aの縦方向(副走査方向)の番号、括弧内のnは横方向(主走査方向)の番号である。括弧内のmは記録材Sの先端から数えた番号、括弧内のnは記録材Sの左端から数えた番号であり、いずれも1以上の正の整数である。各領域内の全てのピクセル数をPaとする場合、本実施例では、Pa=128×128=16384である。
ステップ502で、ビデオコントローラ30は、各領域に含まれるピクセルを“0”と“1”に二値化し、各領域に含まれるピクセルに“0”又は“1”を割り当てる。本実施例では、濃度値(濃度データ値)が0のピクセル、すなわち白のピクセルを0、白以外のピクセルを1に二値化している。このように、ピクセルを二値化するための閾値は0であるが、異なる閾値であってもよい。また、一つの閾値による二値化ではなく、複数の閾値によって各領域のピクセルを分類してもよい。
ステップ503で、ビデオコントローラ30は、図7(A)に示すように、二値化した値が1であるピクセルが主走査方向に4つ連続して並んでいる回数(以下、連続回数とも呼ぶ)N(m,n)を各領域内でカウントする。換言すれば、ビデオコントローラ30は、各領域について、主走査方向に4つ連続して並んでいるピクセル(“1”が割り当てられたピクセル)で構成されたグループの数をカウントする。二値化した値が1であるピクセルが連続して並んでいるピクセルの数(ピクセルの連続数)は3から30程度の所定数が好ましい。なお、連続回数のカウント方法は、図7(B)に示すように、予め主走査方向に区切られた範囲内で、ピクセルが連続するか否かを判別するものであってもよく、処理の都合等により選択可能である。
ステップ504で、ビデオコントローラ30は、ステップ503でカウントした連続回数N(m,n)×4を分子、領域内の二値化した値が1のピクセル数P(m,n)を分母として、連続性C(m,n)を算出する。ビデオコントローラ30は、各領域について、連続性C(m,n)を算出する。P(m,n)=0の場合、C(m,n)=0とする。連続性C(m,n)は0から1の値を取る。
C(m,n)=N(m,n)×4/P(m,n)
換言すれば、連続性C(m,n)は、所定領域における所定方向に連続して並んでいる二値化した値が1のピクセルで構成された複数のグループに含まれるピクセルの総数を、所定領域における二値化した値が1のピクセルの総数で割った値(第1比率)である。このように、連続性C(m,n)は、所定領域における所定方向に連続して並んでいる二値化した値が1のピクセルの総数を、所定領域における二値化した値が1のピクセルの総数で割った値(第1比率)である。ビデオコントローラ30は、第1比率を決定する。所定方向は、主走査方向である。二値化した値が1のピクセルは、所定値以上の濃度を有する。所定値は、例えば、0以外の濃度値である。
ステップ505で、ビデオコントローラ30は、領域内の二値化した値が1のピクセル数P(m,n)を分子、領域内の全てのピクセル数Paを分母として、被覆率R(m,n)を算出する。ビデオコントローラ30は、各領域について、被覆率R(m,n)を算出する。被覆率R(m,n)は0から1の値を取る。
R(m,n)=P(m,n)/Pa
換言すれば、被覆率R(m,n)は、所定領域における二値化した値が1のピクセルの総数を、所定領域におけるピクセルの総数で割った値(第2比率)である。ビデオコントローラ30は、第2比率を決定する。
ステップ506で、ビデオコントローラ30は、各領域について、連続性C(m,n)を連続性閾値Cthと比較し、被覆率R(m,n)を被覆率閾値Rthと比較する。ビデオコントローラ30は、所定領域の連続性C(m,n)が連続性閾値Cth(第1閾値)未満であるか否かを判定する。また、ビデオコントローラ30は、所定領域の被覆率R(m,n)が被覆率閾値Rth(第2閾値)未満であるか否かを判定する。所定領域の連続性C(m,n)が連続性閾値Cth未満であり、かつ、所定領域の被覆率R(m,n)が被覆率閾値Rth未満である場合、ビデオコントローラ30は、所定領域の画像タイプ情報Iの種類を画像タイプ1(第1の種類)と決定する。すなわち、所定領域の連続性C(m,n)及び被覆率R(m,n)のいずれも閾値未満である場合、ビデオコントローラ30は、その所定領域の画像タイプ情報Iの種類を画像タイプ1(第1の種類)と決定する。所定領域の連続性C(m,n)が連続性閾値Cth以上である場合、或いは、所定領域の被覆率R(m,n)が被覆率閾値Rth以上である場合、ビデオコントローラ30は、所定領域の画像タイプ情報Iの種類を画像タイプ2(第2の種類)と決定する。すなわち、所定領域の連続性C(m,n)及び被覆率R(m,n)の少なくとも一方が閾値以上である場合、ビデオコントローラ30は、所定領域の画像タイプ情報Iの種類を画像タイプ2(第2の種類)と決定する。このように、ビデオコントローラ30は、画像データに含まれる画像の種類を決定する。画像タイプ1(第1の種類)は、例えば、文字画像である。画像タイプ1(第1の種類)と異なる画像タイプ2(第2の種類)は、例えば、文字画像以外の画像である。本実施例では、連続性閾値Cthを0.8、被覆率閾値Rthを0.25としているが、連続性閾値Cth及び被覆率閾値Rthは他の値であってもよい。
本実施例における、連続性及び被覆率に基づく画像タイプの判別処理について、図8を用いて説明する。説明を簡単にするため、ここではK単色の画像例を用いて説明する。画像タイプ1は、文字のような離散的かつ被覆率が低い画像が該当し、画像タイプ2は、ベタ画像のような連続的かつ被覆率が高い画像が該当する。図8の第1画像はMSPゴシック10.5ポイントの文字を含む画像であり、第1画像の連続性Cと被覆率Rは、ともに閾値を下回る(閾値判別:NO)。そのため、第1画像の画像タイプ情報Iは、画像タイプ1と判別される。一方、図8の第2画像は0.5mm幅の縦線と横線からなる格子画像であり、第2画像の連続性Cは閾値を上回る(閾値判別:YES)が、第2画像の被覆率Rは閾値を下回る(閾値判別:NO)。そのため、第2画像の画像タイプ情報Iは、画像タイプ2と判別される。図8の第3画像は市松模様のパターンを含む画像であり、第3画像の連続性Cは0であり、閾値を下回る。一方で、第3画像の被覆率Rは0.5であり、
閾値を上回る。そのため、第3画像の画像タイプ情報Iは、画像タイプ2と判別される。図8の第4画像は全面ベタ画像であり、第4画像の連続性Cと被覆率Rはともに1であり、閾値を上回る。そのため、第4画像の画像タイプ情報Iは、画像タイプ2と判別される。これらの画像例より、文字のような離散的かつ被覆率が低い画像が画像タイプ情報Iとして判別されることがわかる。
(6)記録材S上の画像濃度情報及び画像タイプ情報と適切な目標温度
まず、画像濃度情報Dと記録材S上のトナー量の関係について述べる。画像濃度情報Dは記録材S上の単位面積当たりのトナー量と相関がある情報であり、記録材S上に形成されたトナー像のトナー量に関する情報である。画像濃度情報Dは、nページ目の画像1ページ内における最大露光量となるピクセルの濃度情報である。本実施例では、定着性を考慮し、フルカラーにおける画像濃度情報Dの最小値(最小濃度)は0%、最大値(最大濃度)を200%としている。画像濃度情報D=100%の場合の記録材Sの単位面積当たりのトナー量は0.45〜0.50mg/cm、画像濃度情報Dn=200%の場合の記録材Sの単位面積当たりのトナー量は0.90〜1.00mg/cmである。記録材S上のトナー量にレンジがある理由は、主に二つある。一つ目の理由は、一次転写の際に、感光体ドラム4上の全てのトナーを中間転写ベルト9へ転写できるわけではないことである。二つ目の理由は、二次転写の際に、中間転写ベルト9上の全てのトナーを記録材Sへ転写できるわけではないことである。
次に、記録材S上のトナー像と目標温度Tの関係について述べる。所定量のトナーに対して過小な熱量しか与えられない場合にはコールドオフセットが発生する可能性がある。コールドオフセットは、トナーを記録材S上に定着させるための熱量が不足することである。従って、記録材S上のトナー像に応じてヒータ23の目標温度Tを最適な値に変更することが好ましい。ここで述べる目標温度Tbとは、コールドオフセットが発生しない最も低い温度である。目標温度Tbを設定する場合には、コールドオフセットの発生を抑制しつつ、最も消費電力を抑制することができる。ヒータ23の目標温度Tbは、記録材S上のトナー像とヒータ23の目標温度Tとを振って記録材S上におけるトナーの定着具合を確認することで調べることができる。尚、ヒータ23の目標温度Tbは、装置構成やプロセス速度によって異なる。
図9は、文字画像とベタ画像の2種類を用いて記録材S上にトナー像を形成した場合のそれぞれの画像のトナー量(トナー載り量)とヒータ23の目標温度Tbとの関係を示す図である。図9から記録材S上の単位面積当たりのトナー量に応じたヒータ23の目標温度Tbがわかる。例えば、ベタ画像については、トナー量が0.5mg/cmの場合の目標温度Tbが190℃であり、トナー量が0.75mg/cmの場合の目標温度Tbが200℃であり、トナー量が1.00mg/cmの場合の目標温度Tbが210℃である。一方、文字画像については、トナー量が0.5mg/cmの場合の目標温度Tbが190℃であり、トナー量が0.75mg/cmの場合の目標温度Tbが200℃であり、トナー量が1.00mg/cmの場合の目標温度Tbが210℃である。図9に示すように、ベタ画像の目標温度Tbから10℃下げた温度が文字画像の目標温度Tbである。これは離散的に存在するトナー像は、その周辺部におけるトナー像のない領域から流入する熱により定着性が向上するためである。
本実施例では、トナー量が0.5mg/cmよりも少ない場合にはヒータ23の目標温度Tbを190℃とする。これは、フルカラー画像の画像データには黒ピクセルが含まれている場合が多く、その場合には、記録材S上のトナー像にはトナー量が0.5mg/cm(画像濃度情報D=100%)となる部分が含まれているからである。従って、稀にトナー量が0.5mg/cmよりも少ない場合には、トナー量が0.5mg/cmであると仮定して、ヒータ23の目標温度Tbを設定する。
ここで、画像形成装置Pで設定可能なフルカラーの上限濃度でベタ画像を印刷する場合の目標温度Tbを、基準目標温度Tdと定義する。例えば、画像形成装置Pで設定可能なフルカラーの上限濃度でベタ画像を印刷する場合、記録材S上のトナー像(ベタ画像に応じたトナー像)のトナー量は1.00mg/cmである。また、基準目標温度Tdと、任意のトナー量における目標温度Tbとの差分を補正温度αと定義する。
図9に示すように、ベタ画像では、画像濃度情報D=100%である場合の補正温度αが20℃であり、画像濃度情報D=200%である場合の補正温度αが0℃である。また、図9に示すように、文字画像では、画像濃度情報D=100%である場合の補正温度αが30℃であり、画像濃度情報D=200%である場合の補正温度αが10℃である。nページ目の画像濃度情報Dを画像濃度情報Dとすると、nページ目の補正温度αは以下のように表される。
(ベタ画像の場合)
α=40−(0.2×Dn)
(文字画像の場合)
α=50−(0.2×Dn)
上記の関係から、nページ目のヒータ23の目標温度Tbを以下の算出式によって算出することできる。
(ベタ画像の場合)
Tb=Td−α=210−(40−(0.2×D)) (100≦D≦200)
(文字画像の場合)
Tb=Td−α=210−(50−(0.2×D)) (100≦D≦200)
尚、画像濃度情報Dが取得できない場合には、画像濃度情報Dは200%であるとみなす。
(7)記録材S上の画像タイプ情報とグロス段差の抑制条件
次に記録材S上の画像とグロス段差(グロスムラ)を抑制するための条件について説明する。記録材S上のトナー像を定着ニップ部NFで定着する際に定着ニップ部NFの温度が大きく変化した場合に、トナー像のグロス(光沢度)が通紙方向(記録材Sの搬送方向)で大きく変化する。そして、同一の記録材Sにおけるグロスが高い領域とグロスが低い領域との差(グロス差)が閾値以上となった場合に、グロス差が段状に目立ってしまうという現象をグロス段差という。
目標温度Tbが190℃である場合の100%ベタ画像を1枚定着する際に、記録材S上のトナー像を定着ニップ部NFで定着している途中で目標温度Tを190℃から210℃に切り替えた場合にはコールドオフセットは発生しなかった。しかし、上記のように切り替えた場合には、グロス段差が発生した。この例を用いてグロス段差について説明する。図10(a)には目標温度Tとヒータ23の温度の時間変化を示している。また、図10(b)には、定着後の記録材Sをトナー画像面側(記録材Sのトナー像が形成されている面側)から見た模式図を示している。図10(b)においては、時間t1〜t4の時点で定着ニップ部NF内に存在する記録材Sの位置が分かるように、図10(a)と対応する箇所を破線で繋いでいる。記録材Sの先端SLが定着ニップ部NFに突入した時間t1から時間t2になるまでは目標温度Tは190℃であり、時間t2になった時点で目標温度Tを20℃高い210℃に切り替えている。時間t1から時間t2までの間におけるサーミスタ26の検知温度は約190℃で安定しているが、目標温度Tを210℃に切り替えると、サーミスタ26の検知温度は、時間t2の後に少し遅れて目標温度Tに追従して
いる。そして、時間t3になった時点でサーミスタ26の検知温度が目標温度Tに到達し、サーミスタ26の検知温度は、時間t3から記録材Sの後端STが定着ニップ部NFを抜ける時間t4までの間において約210℃で安定している。図10(b)に示すように、記録材Sの先端SLから記録材Sの位置SP1までの領域SR1(斜線部)の画像は、トナーに与えられる熱量が小さいためグロスが低い。記録材Sの位置SP1は、時間t2における定着ニップ部NF内に存在する記録材Sの位置である。一方、記録材Sの位置SP2から記録材Sの後端STまでの領域SR2(網掛け部)の画像はトナーに与えられる熱量が大きいためグロスが高い。記録材Sの位置SP2は、時間t3における定着ニップ部NF内に存在する記録材Sの位置である。このように、記録材S上のトナー像を定着ニップ部NFで定着している最中に目標温度Tを切り替えた場合の温度差が大きいと、同一の記録材S内の通紙方向でグロス差が大きくなり、グロス段差が発生する。
従って、グロス段差を抑制するには、記録材Sを定着ニップ部NFで定着する際の目標温度Tの変化(温度差)を所定の許容値以内に抑えることが好ましい。記録材Sを定着ニップ部NFで定着する際の目標温度Tの変化を所定の許容値以内に抑えるために、目標温度Tの温度変化許容値を、定着中昇温許容値LPU、定着中降温許容値LPD、紙間昇温許容値LIU、紙間降温許容値LIDの4つに分けて設定する。定着中昇温許容値LPUは、nページ目の記録材Sを定着ニップ部NFで定着中に目標温度Tを高い温度に切り替える場合に、グロス段差の発生を抑制するためのサーミスタ26の検知温度が昇温可能な上限値(温度変化量上限値)である。即ち、定着中昇温許容値LPUは、nページ目の記録材Sを定着ニップ部NFで定着中に目標温度Tを高い温度に切り替える場合に、低い目標温度Tから高い目標温度Tに変化させることが可能な温度の上限値である。定着中降温許容値LPDは、nページ目の記録材Sを定着ニップ部NFで定着中に目標温度Tを低い温度に切り替える場合に、グロス段差の発生を抑制するためのサーミスタ26の検知温度が昇温可能な上限値(温度変化量上限値)である。即ち、定着中降温許容値LPDは、nページ目の記録材Sを定着ニップ部NFで定着中に目標温度Tを低い温度に切り替える場合に、高い目標温度Tから低い目標温度Tに変化させることが可能な温度の上限値である。紙間昇温許容値LIUは、(n−1)ページ目の記録材Sとnページ目の記録材Sの紙間中で目標温度Tを高い温度に切り替える場合に、nページ目の記録材Sの先端が定着ニップ部NFに突入するまでにサーミスタ26の検知温度が昇温可能な上限値である。即ち、紙間昇温許容値LIUは、(n−1)ページ目の記録材Sとnページ目の記録材Sの紙間中で目標温度Tを高い温度に切り替える場合に、低い目標温度Tから高い目標温度Tに変化させることが可能な温度の上限値である。紙間降温許容値LIDは、(n−1)ページ目の記録材Sとnページ目の記録材Sの紙間中で目標温度Tを低い温度に切り替える場合に、nページ目の記録材Sの先端が定着ニップ部NFに突入するまでにサーミスタ26の温度が降温可能な上限値である。即ち、紙間降温許容値LIDは、(n−1)ページ目の記録材Sとnページ目の記録材Sの紙間中で目標温度Tを低い温度に切り替える場合に、高い目標温度Tから低い目標温度Tに変化させることが可能な温度の上限値である。(n−1)ページ目の記録材Sとnページ目の記録材Sの紙間中とは、(n−1)ページ目の記録材Sの後端が定着ニップ部NFを通過してからnページ目の記録材Sの先端が定着ニップ部NFに突入するまでの間である。
(8)定着中昇温許容値LPUと定着中昇温許容値LPDの決定方法
本実施例では、印刷中のプリントジョブのnページ目の画像タイプ情報Iに応じて、定着中昇温許容値LPUと定着中降温許容値LPDを切り替えることで、グロス段差の抑制と省エネルギーを両立する。
まず、図11に、画像と定着中昇温許容値LPUと定着中降温許容値LPDの関係を示す。図11の第1画像〜第4画像は、画像タイプ情報の判別方法の説明で用いた第1画像〜第4画像と同じである。定着中昇温許容値LPUは、記録材Sを定着ニップ部NFで定
着中に目標温度を高い温度に切り替える場合の切り替え温度量(温度差)を段階的に変えることにより、定着後の記録材Sにおけるグロス段差の発生を確認することで調べることができる。また、定着中降温許容値LPDは、記録材Sを定着ニップ部NFで定着中に目標温度を低い温度に切り替える場合の切り替え温度量(温度差)を段階的に変えることにより、定着後の記録材Sにおけるグロス段差の発生を確認することで調べることができる。
図11に示すように、被覆率Rが低い場合(閾値判別:NO)、定着中昇温許容値LPU及び定着中降温許容値LPDが大きい。これは記録材Sに与えられる熱量が変わった場合に、トナー像のグロスが大きく変化するのに対し、記録材Sが露出している部分(トナー像が形成されていない部分)のグロスはほとんど変化しない為である。よって、被覆率Rが低い画像は記録材Sに与えられる熱量が変わった場合に、所定領域の平均的なグロスが変化しづらい。その結果、被覆率Rが低い画像はグロス段差が発生しにくい。一方、被覆率Rよりは影響が小さいものの、連続性Cが低い場合(閾値判別:NO)、定着中昇温許容値LPU及び定着中降温許容値LPDが大きい。これは画像の連続性Cが低く、トナー像が離散的になるほど、グロス差が人の目では気づきにくくなるためであると考えられる。
以上より、被覆率Rと連続性Cの両方が低い文字のような画像の場合、定着中昇温許容値LPU及び定着中降温許容値LPDが大きい。本実施例では、ビデオコントローラ30が、画像タイプIの判別結果に応じて定着中昇温許容値LPUと定着中降温許容値LPDを決定する。具体的には画像タイプ情報Iが画像タイプ1の場合は文字画像であると判別して、定着中昇温許容値LPUを15℃、定着中降温許容値LPDを15℃と設定する。画像タイプ情報Iが画像タイプ2の場合は文字画像以外の画像であると判別して、定着中昇温許容値LPUを5℃、定着中降温許容値LPDを5℃と設定する。
ビデオコントローラ30は、画像タイプ情報Iが画像タイプ1である場合、定着中昇温許容値LPU及び定着中降温許容値LPDを15℃と決定する。ビデオコントローラ30は、画像タイプ情報Iが画像タイプ2である場合、定着中昇温許容値LPU及び定着中降温許容値LPDを15℃よりも小さい12℃、8℃又は5℃と決定する。ビデオコントローラ30は、画像タイプ情報Iが画像タイプ2であって、被覆率Rが高い(閾値判別:YES)場合、定着中昇温許容値LPU及び定着中降温許容値LPDを12℃よりも小さい8℃又は5℃と決定する。ビデオコントローラ30は、被覆率Rが低い場合(閾値判別:NO)、定着中昇温許容値LPU及び定着中降温許容値LPDを15℃又は12℃と決定する。ビデオコントローラ30は、被覆率Rが高い場合(閾値判別:YES)、定着中昇温許容値LPU及び定着中降温許容値LPDを15℃及び12℃よりも小さい8℃又は5℃と決定する。ビデオコントローラ30は、画像タイプ情報Iが画像タイプ2であって、被覆率Rが低い(閾値判別:NO)場合、定着中昇温許容値LPU及び定着中降温許容値LPDを12℃と決定する。ビデオコントローラ30は、連続性Cが低く(閾値判別:NO)、かつ、被覆率Rが低い(閾値判別:NO)場合、定着中昇温許容値LPU及び定着中降温許容値LPDを15℃と決定する。ビデオコントローラ30は、連続性Cが高く(閾値判別:YES)、かつ、被覆率Rが低い(閾値判別:NO)場合、定着中昇温許容値LPU及び定着中降温許容値LPDを15℃よりも小さい12℃と決定する。ビデオコントローラ30は、連続性Cが低く(閾値判別:NO)、かつ、被覆率Rが高い(閾値判別:YES)場合、定着中昇温許容値LPU及び定着中降温許容値LPDを12℃よりも小さい8℃と決定する。ビデオコントローラ30は、連続性Cが高く(閾値判別:YES)、かつ、被覆率Rが高い(閾値判別:YES)場合、定着中昇温許容値LPU及び定着中降温許容値LPDを8℃よりも小さい5℃と決定する。
(9)ヒータの目標温度の設定方法
次に本実施例のヒータ23の目標温度Tの設定方法について説明する。定着中昇温許容値LPU、定着中降温許容値LPD、紙間昇温許容値LIU及び紙間降温許容値LIDから補正温度β及び補正温度γを求め、これらの補正温度を用いて目標温度Tを設定することでコールドオフセット及びグロス段差を抑制する。
図12(a)を用いて後続ページにおいてコールドオフセット及びグロス段差を発生させないための、nページ目の目標温度Tの満たすべき条件を説明する。図12(a)には、(n+1)ページ目及び(n+2)ページ目におけるコールドオフセット及びグロス段差を抑制できる範囲で目標温度Tを限界まで低くした状態の目標温度T及びサーミスタ26の検知温度の挙動を示している。
(n+1)ページ目におけるコールドオフセットを抑制するため、(n+1)ページ目の記録材Sの先端でサーミスタ26の検知温度が目標温度Tbn+1以上となっている必要がある。(n+1)ページ目におけるコールドオフセット及びグロス段差を抑制するためのnページ目の目標温度Tが満たすべき条件を以下に示す。
≧Tbn+1−LIUn+1
(n+2)ページ目におけるコールドオフセットを抑制し、(n+1)ページ目においてコールドオフセット及びグロス段差を抑制するため、(n+2)ページ目の記録材Sの先端でサーミスタ26の検知温度が目標温度Tbn+2以上となっている必要がある。(n+2)ページ目におけるコールドオフセット及びグロス段差を抑制するためのnページ目の目標温度Tが満たすべき条件を以下に示す。
≧Tbn+2−LIUn+2−LIUn+1−LPUn+1
上記の関係から、(n+k)ページ目におけるコールドオフセット及びグロス段差を発生させないためのnページ目の目標温度Tが満たすべき条件は、以下の式1で示す条件である。kはnページ目の記録材Sから何ページ後に通紙される記録材Sであるかを示した数字である。
Figure 2021033160
ここで、β(n,k)を下記の式2で定義する。
Figure 2021033160

従って、式1は下記の式3で表すことができる。
≧Td−β(n,k) …(3)
図12(b)を用いてnページ目におけるコールドオフセット及びグロス段差を発生させないための、nページ目の目標温度Tの満たすべき条件を説明する。図12(b)には、nページ目におけるコールドオフセット及びグロス段差を抑制できる範囲で目標温度
を限界まで低くした状態の目標温度T及びサーミスタ26の検知温度の挙動を示している。
nページ目におけるグロス段差を抑制するため、nページ目の定着中のサーミスタ26の温度変化をLPDの範囲内とする必要がある。つまり、以下の式を満たす必要がある。
LPD≧Tn−1−T−LID
nページ目におけるコールドオフセット及びグロス段差を抑制するためのnページ目の目標温度Tが満たすべき条件を以下に示す。
≧Tn−1−LID−LPD=Td−(Td−Tn−1+LID+LPD
ここで、(n−1)枚目で用いられる補正温度(σn-1)を、
σn-1=Td−Tn−1
と定義する。
さらに、
γ=σn-1+LID+LPD
と定義すると、
≧=Td−γ
で表すことができる。
以上をまとめると、コールドオフセット及びグロス段差を抑制するための、nページ目の目標温度Tが満たすべき条件は、
≧Td−β(n,k)
かつ
≧Td−γ
である。
β(n,k)は、nページ目の記録材Sからkページ後に通紙される記録材Sにおけるコールドオフセットやグロス段差を発生させないために、nページ目の目標温度Tを補正するための補正温度である。すなわち、β(n,1)〜β(n,k)は、画像濃度情報Dn+1〜Dn+kに応じた第1の補正温度(第1の補正量)αn+1〜αn+kを画像タイプ情報Iによって決定される定着中昇温許容値LPUで重み付けした第2の補正温度(第2の補正量)である。γは、(n−1)枚目で用いられる補正温度σn−1を画像タイプ情報Iによって決定される定着中降温許容値LPDで重み付けした第3の補正温度(第3の補正量)である。
本実施例では、連続プリント中のnページ目の目標温度Tは、nページ目の画像濃度情報Dnに応じた第1の補正温度αと、第2の補正温度β(n,1)〜β(n,k)と、第3の補正温度γのうち最も低い温度を基準目標温度Tdから減じた温度である。これによって、nページ目から(n+k)ページ目のコールドオフセット及びグロス段差を抑制することができる。
次に、本実施例の制御フローについて図13を参照して説明する。S1301で、プリントがスタートする。S1302で、ビデオコントローラ30は、RAM305に保存されている複数の画像濃度情報D(D〜Dn+k)と複数の画像タイプ情報I(I〜In+k)を取得する。S1303で、ビデオコントローラ30は、画像タイプ情報I〜In+kに基づいて、定着中昇温許容値LPU〜LPUn+kと、定着中降温許容値LPD〜LPDn+kを決定する。S1304で、ビデオコントローラ30は、複数の画像濃度情報Dに基づいて、前記の算出方法に従って第1の補正温度α〜αと第2の補正温度β(n,1)〜β(n,k)、及び第3の補正温度γを算出する。
S1305で、ビデオコントローラ30は、第1の補正温度αと第2の補正温度β(n,1)〜β(n,k)、及び第3の補正温度γのうちで、最も低い補正温度を用いて目標温度Tの補正を行う。ビデオコントローラ30は、基準目標温度Tdからnページ目の画像濃度情報Dnに応じた第1の補正温度αと、第2の補正温度β(n,1)〜β(n,k)と、第3の補正温度γのうち最も低い温度を減算した温度を、nページ目の目標温度Tと決定する。このように、ビデオコントローラ30は、画像濃度情報Dに応じた目標温度Tを複数の記録材S毎(複数の記録材毎)に決定する。S1306で、ビデオコントローラ30は、記録材Sが定着ニップ部NFを通過したことを確認する。S1307で、ビデオコントローラ30は、継続してプリントする記録材Sがあるかを確認し、プリントする記録材Sがある場合にはS1308へ進み、プリントする記録材Sが無い場合にはS1309へ進みプリントを終了する。S1308では、ビデオコントローラ30は、RAM305に保存されている画像濃度情報Dの更新を行い、最新の画像濃度情報DをRAMに保存する。
(10)効果確認
図13に示す制御フローに従って、画像タイプ情報Iに応じて定着中昇温許容値LPUと定着中降温許容値LPDを変更することによる効果を確認する実験を行った。実験を簡素化するため画像濃度情報Dを取得できるページ数kは、常に3ページとする。比較例1及び比較例2と本実施例のそれぞれで9ページの連続プリントした時のグロス段差の発生の有無を確認した結果を図14A〜図14Cに示す。図14A、図14B、及び図14Cはそれぞれ、比較例1、比較例2、及び実施例1における結果を示す。グラフの破線は目標温度T、実線はサーミスタ26の検知温度を示している。サーミスタ26の検知温度の積算が小さいほど消費電力が小さい(すなわち省エネルギー性が高い)。
また、グロス段差の確認結果は、目視でグロス段差が分からなかった場合は「○」、目視でグロス段差が分かった場合は「×」としている。1,5,9枚目の画像は濃度200%のベタ画像であり、2〜4枚目の画像は濃度100%の文字画像であり、6〜8枚目の画像は濃度100%のベタ画像である。紙間は常に30mmであり、紙間昇温許容値LIUは5℃であり、紙間降温許容値LIDは5℃である。
比較例1では、定着中昇温許容値LPU、定着中降温許容値LPDの値を画像タイプ情報Iに寄らず、文字画像のグロス段差を抑制できる閾値を使用する。具体的には、画像タイプ情報Iに寄らず、定着中昇温許容値LPUを15℃とし、定着中降温許容値LPDを15℃としている。
比較例1では、消費電力が大きく下がるが、6ページ目と8ページ目でグロス段差が発生している。これは、6ページ目はベタ画像であり、グロス段差を抑制するためには6ページ目の定着中のサーミスタ26の温度変化を5℃以内に抑える必要があるのにもかかわらず、6ページ目の定着中のヒータ23の温度の下がり幅が15℃と大きいためである。また、8ページ目もベタ画像であり、同様にグロス段差を抑制するためには8ページ目の定着中のサーミスタ26の温度変化を5℃以内に抑える必要があるのにもかかわらず、8ページ目の定着中のヒータ温度の上がり幅は10℃と大きいためである。
比較例2では、定着中昇温許容値LPU、定着中降温許容値LPDの値を画像タイプ情報Iに寄らず、ベタ画像のグロス段差を抑制できる閾値を使用する。具体的には、画像タイプ情報Iに寄らず、定着中昇温許容値LPUを5℃とし、定着中降温許容値LPDを5℃としている。比較例2では、グロス段差は発生していないが、消費電力はあまり下がっていない。これは、2ページ目は文字画像であり、グロス段差を抑制するためには2ページ目の定着中のサーミスタ26の温度変化は15℃まで許容できるのにもかかわらず、2
ページ目の定着中のヒータ温度の下がり幅が5℃と小さいためである。また、4ページ目は文字画像であり、同様にグロス段差を抑制するためには4ページ目の定着中のサーミスタ26の温度変化は15℃まで許容できるのにもかかわらず、2ページ目の定着中のヒータ温度の上がり幅は5℃と小さいためである。
一方、本実施例では、グロス段差が発生しておらず、比較例1よりもグロス段差を抑制すること可能である。また、本実施例では、比較例2よりも消費電力を低くすることが可能である。図14Cに示すように、1枚目の記録材Sの目標温度Tは210℃であり、2枚目の記録材Sの目標温度Tは190℃である。1枚目の記録材Sは、複数の記録材Sのうち先行して搬送される記録材S(第1の記録材)である。2枚目の記録材Sは、複数の記録材Sのうち先行して搬送される記録材S(第1の記録材)に続いて搬送される記録材S(第2の記録材)である。ビデオコントローラ30は、1枚目の記録材Sの目標温度Tから2枚目の記録材Sの目標温度Tに変更する場合の目標温度Tの変化量を、2枚目の記録材Sに形成される画像の種類に応じた制限量によって制限する。ビデオコントローラ30は、1枚目の記録材Sの目標温度T(第1の記録材の目標温度)から2枚目の記録材Sの目標温度T(第2の記録材の目標温度)に変更する場合の目標温度Tの変化量が制限量を超えないように第2の記録材の目標温度を決定する。2枚目の記録材Sに形成される画像の種類は、2枚目の記録材Sに形成されるトナー像に関する画像データに含まれる画像の種類である。第1の記録材の目標温度から第2の記録材の目標温度に変更する場合の目標温度Tの変化量は、第1の記録材の目標温度と2枚目の記録材Sに形成される画像の種類に応じて決定される第2の記録材の目標温度との差分である。また、ビデオコントローラ30は、2枚目の記録材Sに形成される画像の種類に応じて、第1の記録材の目標温度から第2の記録材の目標温度に変化させることが可能な温度である制限量を求めてもよい。そして、ビデオコントローラ30は、第1の記録材の目標温度から第2の記録材の目標温度を切り替える場合に、目標温度Tの変化量が制限量を超えないように第2の記録材の目標温度を決定してもよい。
制限量は、画像の種類に応じた第1の制限量と、第2の制限量とを含む。第1の制限量は、画像の種類に応じて変更することが可能な値であり、定着装置Fによって記録材Sの定着が行われている間の目標温度Tの変化量に対して設定される。すなわち、第1の制限量は、目標温度Tの変化量のうちの定着装置Fによって記録材Sの定着が行われている間における目標温度Tの第1の変化量を制限するための制限量である。定着中昇温許容値LPU及び定着中降温許容値LPDは、第1の制限量の一例である。第2の制限量は、画像の種類にかかわらず一定の値であり、1枚目の記録材Sの後端が定着ニップ部NFを通過してから2枚目の記録材Sの先端が定着ニップ部NFに突入するまでの間(紙間)の目標温度Tの変化量を制限するための制限量である。すなわち、第2の制限量は、目標温度Tの変化量のうちの紙間における目標温度Tの第2の変化量を制限するための制限量である。紙間昇温許容値LIU及び紙間降温許容値LIDは、第2の制限量の一例である。第1の量、第2の量、第3の量及び第4の量は、制限量の一例である。
(11)まとめ
以上、説明したように、本実施例は画像タイプ情報Iに応じて定着中昇温許容値LPU、定着中降温許容値LPDを変更する。本実施例を適用すれば、種々の画像データに基づくトナー像を記録材Sに定着する際、グロス段差を抑制しつつ、消費電力を最大限低減することができる。本実施例では、画像データの大きさやビデオコントローラ30の処理速度の影響や、通紙パターンの影響を受けることはなく、最適な補正温度を常に選択することができる。
本実施例の基準目標温度Td、第1の補正温度α、第2の補正温度β(n,1)〜β(n,k)、第3の補正温度γ等のパラメータは、プロセス速度や定着ニップ部NFの
加圧力やその他の構成によって変化する値であるため、本実施例の値に限定されない。本実施例では、目標温度Tbは、記録材Sの定着中は常に一定であるが、本実施例の条件には限定されない。例えば、蓄熱された加圧ローラ21からのトナーへの熱供給が記録材Sの先端に近いほど大きいことを考慮して、目標温度Tbを記録材Sの先端から後端に向かって徐々に上げてもよい。
第2の補正温度βと第3の補正温度γを用いずに本実施例の連続プリント中のnページ目の目標温度Tを設定してもよい。例えば、nページ目の目標温度を、第1の目標温度と、第2の目標温度と、第3の目標温度のうち最も高い温度に設定する方法でも同じ作用効果が得られる。第1の目標温度(目標温度T)は、nページ目の画像濃度情報Dに応じた目標温度である。第2の目標温度(目標温度T´n+1〜T´n+k)は、画像濃度情報Dn+1〜Dn+kに応じた第1の補正温度αn+1〜αn+kを画像タイプ情報Iによって決定される定着中昇温許容値LPUで重み付けした目標温度である。第3の目標温度(目標温度T´´)は、n−1枚目で用いられる目標温度MAX(T,T´n+1〜T´n+k,T´´)を画像タイプ情報Iによって決定される定着中降温許容値LPDで重みづけした目標温度である。
本実施例では、nページ目の目標温度Tへの切り替えは(n−1)ページ目の記録材Sが定着ニップ部NFを抜けたタイミングで一度に行っているが、本実施例のタイミングに限定されない。例えば、nページ目の記録材Sを定着している間のサーミスタ26の温度変化が定着中昇温許容値LPU、定着中降温許容値LPD内に収まる範囲内で、nページ目の記録材Sの後端が定着ニップ部NFを抜けるまでに段階的に目標温度Tに切り替えてもよい。
本実施例では、画像タイプ情報Iの判別を連続性Cと被覆率Rの両方を用いて行っているが、画像タイプ情報Iの判別方法は本実施例の方法に限定されない。例えば、画像タイプ情報Iの判別を連続性C及び被覆率Rの一方のみを用いて行ってもよい。この場合、定着中昇温許容値LPU及び定着中降温許容値LPDを大きく設定できる画像の判別精度が下がるため、省エネルギー性が若干低下する。また、例えばPDLデータから取得した文字情報等から画像タイプ情報Iを判別してもよい。
本実施例では、画像濃度情報Dと画像タイプ情報Iの両方を用いて目標温度Tbを算出しているが、画像濃度情報Dのみを用いて目標温度Tbを算出してもよい。定着中昇温許容値LPUや定着中降温許容値LPDの大きい画像の目標温度Tbが低い場合、より目標温度Tを下げられるケースが多くなり、省エネルギーに対する効果が大きくなる。従って、本実施例のように、画像濃度情報D及び画像タイプ情報Iの両方を用いて目標温度Tbを求めることが好ましい。
本実施例では、加熱部材として筒状のフィルム22を用いているが、この構成に限定されない。ただし、本実施例のように、筒状のフィルム22を用いた構成を採用することで、加熱部材の熱容量が小さくなり、ヒータ23の通電オン/オフによるサーミスタ26の温度変化が大きくなる。そのため、筒状のフィルム22を用いた構成を採用する場合、本実施例の効果が得られるケースが多くなる。
(実施例2)
(1)実施例2の構成
実施例2が適用される画像形成装置Pの構成は、プロセス速度を切り替える速度切り替え手段を有している以外は実施例1と同じである。そのため、実施例1と同一若しくは相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
本実施例では、速度切り替え手段としての制御部31によってプロセス速度を、150mm/secと75mm/secの2段階に切り替えることができる。制御部31は、プロセス速度(加圧ローラ21の周速度)を変更可能である。プロセス速度を150mm/secとした際の動作は実施例1と全く同じである。ここではプロセス速度を75mm/secとした際の制御方法について説明する。プロセス速度が遅い程、記録材S上の未定着トナー像tがニップ部NFで加熱定着される時間が長くなるため、ヒータ23の目標温度を低く設定する必要がある。実施例2においては、コールドオフセットの発生を抑制するため、ヒータ23の目標温度を以下のように設定する。記録材S上のトナー量0.5mg/cm(画像濃度情報D=100%)の場合、ヒータ23の目標温度を170℃に設定する。記録材Sのトナー量0.75mg/cm(画像濃度情報D=150%)の場合、ヒータ23の目標温度を180℃に設定する。記録材Sのトナー量1.00mg/cm(画像濃度情報D=200%)の場合、ヒータ23の目標温度を190℃に設定する。従って、画像形成装置Pで設定可能なフルカラーの最高濃度(D=200%)のベタ画像を定着可能で、且つコールドオフセットが発生しない最低の温度は190℃であるので、基準目標温度Tdは190℃である。
画像濃度情報Dや画像タイプ情報Iの目標温度Tbへの影響具合は実施例1と変わらないため、補正温度αは実施例1と同じである。プロセス速度を75mm/secとする場合の画像タイプ情報Iと定着中昇温許容値LPU及び定着中降温許容値LPDの値を調べたところ、プロセス速度が150mm/secの場合に比べて両方とも小さくなることがわかった。具体的には、画像タイプ情報Iが画像タイプ1の場合、定着中昇温許容値LPUは5℃、定着中降温許容値LPDは5℃、画像タイプ情報Iが画像タイプ2の場合、定着中昇温許容値LPUは0℃、定着中降温許容値LPDは0℃である。これは、一般的にプロセス速度が遅くなるほど定着後の記録材S上のトナー像のグロスが高くなり、グロス差が人の目で気づきやすくなるためである。
本実施例では、プロセス速度を遅い速度に切り替える場合、定着中昇温許容値LPU及び定着中降温許容値LPDの値を小さくすることで、プロセス速度を切り替える場合においてもグロス段差を抑制しつつ省エネルギー性を高めることができる。例えば、制御部31は、プロセス速度(加圧ローラ21の周速度)の減少に応じて、定着中昇温許容値LPU及び定着中降温許容値LPD(第1の制限量)を小さくする。
(2)効果確認
本実施例の効果を確認する実験を行った。実施例1と同様、9ページの画像について、プロセス速度を75mm/secで連続プリントした時のグロス段差の発生の有無を確認した結果を図15に示す。実施例1と同様に、紙間は常に30mmであり、プロセス速度が遅くなることで紙間の時間が増えるため、紙間昇温許容値LIUは10℃、紙間降温許容値LIDは10℃である。図15に示すように、本実施例によれば、グロス段差を抑制しつつ、省エネルギーを達成することができる。例えば、制御部31は、プロセス速度(加圧ローラ21の周速度)の減少に応じて、紙間昇温許容値LIU及び紙間降温許容値LID(第2の制限量)を大きくする。
(3)まとめ
以上、説明したように、本実施例は画像タイプ情報Iに応じて定着中昇温許容値LPU、定着中降温許容値LPDを変更し、プロセス速度を遅く切り替えた場合は定着中昇温許容値LPUと定着中降温許容値LPDを小さく変更する。本実施例を適用すれば、種々の画像データに基づくトナー像を記録材Sに定着する際、記録材Sが異なるプロセス速度で通紙された際にもグロス段差を抑制しつつ、消費電力を最大限低減することができる。本実施例では、画像データの大きさやビデオコントローラ30の処理速度の影響や、通紙パターンの影響を受けることはなく、最適な補正温度を常に選択することができる。また、
実施例1で説明した(11)まとめは、実施例2に適用することが可能である。
(その他の実施例)
本発明は、各実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
また、コンピュータが当該プログラムを実行する方法(画像形成方法)により、各実施例における各処理を実現してもよい。上記プログラムは、例えば、ネットワークを通じて、又は、非一時的にデータを保持するコンピュータ読取可能な記録媒体等から上記コンピュータに提供されてもよい。上記プログラムをコンピュータ読取可能な記録媒体等に記録してもよい。
21…加圧ローラ、23…ヒータ、26…サーミスタ、30…ビデオコントローラ、31…制御部、F…定着装置、NF…定着ニップ部、S…記録材

Claims (14)

  1. 画像データに応じて複数の記録材にトナー像を形成する画像形成部と、
    加熱部材及び前記加熱部材と共にニップ部を形成する加圧部材を有し、前記トナー像が形成された前記複数の記録材を前記ニップ部で順次搬送しながら加熱して前記トナー像を前記複数の記録材に定着する定着部と、
    前記加熱部材の温度を検知する温度検知部と、
    前記画像データに基づいて、前記トナー像のトナー量に関する情報及び前記画像データに含まれる画像の種類を決定し、かつ、前記トナー量に関する情報に応じた目標温度を前記複数の記録材毎に決定する決定部と、
    前記温度検知部によって検知された温度が前記目標温度を維持するように前記加熱部材に供給する電力を制御する制御部と、
    を備え、
    前記複数の記録材は、先行して搬送される第1の記録材と、前記第1の記録材に続いて搬送される第2の記録材とを含み、
    前記決定部は、前記第1の記録材の前記目標温度から前記第2の記録材の前記目標温度に変更する場合の前記目標温度の変化量を、前記第2の記録材に形成される画像の種類に応じた制限量によって制限することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記決定部は、前記目標温度の変化量のうちの前記定着部によって前記複数の記録材の定着が行われている間の第1の変化量を、前記制限量によって制限することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 画像データに応じて複数の記録材にトナー像を形成する画像形成部と、
    加熱部材及び前記加熱部材と共にニップ部を形成する加圧部材を有し、前記トナー像が形成された前記複数の記録材を前記ニップ部で順次搬送しながら加熱して前記トナー像を前記複数の記録材に定着する定着部と、
    前記加熱部材の温度を検知する温度検知部と、
    前記画像データに基づいて、前記トナー像のトナー量に関する情報及び前記画像データに含まれる画像の種類を決定し、かつ、前記トナー量に関する情報に応じた目標温度を前記複数の記録材毎に決定する決定部と、
    前記温度検知部によって検知された温度が前記目標温度を維持するように前記加熱部材に供給する電力を制御する制御部と、
    を備え、
    前記複数の記録材は、先行して搬送される第1の記録材と、前記第1の記録材に続いて搬送される第2の記録材とを含み、
    前記決定部は、前記第2の記録材に形成される画像の種類に応じて、前記第1の記録材の前記目標温度から前記第2の記録材の前記目標温度に変化させることが可能な温度である制限量を求め、前記第1の記録材の前記目標温度から前記第2の記録材の前記目標温度を切り替える場合に、前記目標温度の変化量が前記制限量を超えないようにすることを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記制限量は、前記定着部によって前記複数の記録材の定着が行われている間の前記変化量に対して設定される第1の制限量を含むことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記決定部は、
    前記画像データを複数のピクセルを含む複数の領域に区分し、
    前記複数の領域の各領域について、所定値以上の濃度を有するピクセルであって所定方向に連続して並んでいるピクセルの総数を、前記各領域に含まれる前記所定値以上の濃
    度を有する前記ピクセルの総数で割った第1比率を決定し、
    前記第1比率に基づいて前記画像の種類を決定し、
    前記画像の種類が第1の種類である場合、前記制限量を第1の量と決定し、
    前記画像の種類が前記第1の種類と異なる第2の種類である場合、前記制限量を前記第1の量よりも小さい第2の量と決定することを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記第1の種類は、文字画像であり、前記第2の種類は、文字画像以外の画像であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記決定部は、
    前記画像データを複数のピクセルを含む複数の領域に区分し、
    前記複数の領域の各領域に含まれる所定値以上の濃度を有する前記ピクセルの総数を前記各領域に含まれる前記ピクセルの総数で割った第2比率を決定し、
    前記第2比率が第2閾値未満である場合、前記制限量を第1の量と決定し、
    前記第2比率が第2閾値以上である場合、前記制限量を前記第1の量よりも小さい第2の量と決定することを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の画像形成装置。
  8. 前記決定部は、
    前記画像データを複数のピクセルを含む複数の領域に区分し、
    前記複数の領域の各領域について、所定値以上の濃度を有するピクセルであって所定方向に連続して並んでいるピクセルの総数を、前記各領域に含まれる前記所定値以上の濃度を有する前記ピクセルの総数で割った第1比率を決定し、
    前記各領域に含まれる前記所定値以上の濃度を有する前記ピクセルの総数を前記各領域に含まれる前記ピクセルの総数で割った第2比率を決定し、
    前記第1比率が第1閾値未満であり、かつ、前記第2比率が第2閾値未満である場合、前記制限量を第1の量と決定し、
    前記第1比率が第1閾値以上であり、かつ、前記第2比率が第2閾値未満である場合、前記制限量を前記第1の量よりも小さい第2の量と決定し、
    前記第1比率が第1閾値未満であり、かつ、前記第2比率が第2閾値以上である場合、前記制限量を前記第2の量よりも小さい第3の量と決定し、
    前記第1比率が第1閾値以上であり、かつ、前記第2比率が第2閾値以上である場合、前記制限量を前記第3の量よりも小さい第4の量と決定することを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の画像形成装置。
  9. 前記加圧部材は、回転可能な加圧ローラであり、
    前記制御部は、前記加圧ローラの周速度を変更可能であり、
    前記決定部は、前記加圧ローラの周速度の減少に応じて前記制限量を小さくすることを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の画像形成装置。
  10. 前記決定部は、前記トナー量に関する情報及び前記画像の種類に基づいて、前記目標温度を決定することを特徴とする請求項1から9の何れか一項に記載の画像形成装置。
  11. 前記定着部は、前記複数の記録材と接触する筒状のフィルムを有し、前記加熱部材は前記フィルムの内面に接触していることを特徴とする請求項1から10の何れか一項に記載の画像形成装置。
  12. 画像データに応じて複数の記録材にトナー像を形成する画像形成部と、加熱部材及び前記加熱部材と共にニップ部を形成する加圧部材を有し、前記トナー像が形成された前記複数の記録材を前記ニップ部で順次搬送しながら加熱して前記トナー像を前記複数の記録材
    に定着する定着部と、を備える画像形成装置の画像形成方法であって、
    コンピュータが、
    前記加熱部材の温度を検知する検知ステップと、
    前記画像データに基づいて、前記トナー像のトナー量に関する情報及び前記画像データに含まれる画像の種類を決定し、かつ、前記トナー量に関する情報に応じた目標温度を前記複数の記録材毎に決定する決定ステップと、
    前記検知ステップによって検知された温度が前記目標温度を維持するように前記加熱部材に供給する電力を制御する制御ステップと、
    を実行し、
    前記複数の記録材は、先行して搬送される第1の記録材と、前記第1の記録材に続いて搬送される第2の記録材とを含み、
    前記決定ステップでは、前記第1の記録材の前記目標温度から前記第2の記録材の前記目標温度に変更する際の前記目標温度の変化量を前記画像の種類に応じた制限量によって制限することを特徴とする画像形成方法。
  13. 画像データに応じて複数の記録材にトナー像を形成する画像形成部と、加熱部材及び前記加熱部材と共にニップ部を形成する加圧部材を有し、前記トナー像が形成された前記複数の記録材を前記ニップ部で順次搬送しながら加熱して前記トナー像を前記複数の記録材に定着する定着部と、を備える画像形成装置の画像形成方法であって、
    コンピュータが、
    前記加熱部材の温度を検知する検知ステップと、
    前記画像データに基づいて、前記トナー像のトナー量に関する情報及び前記画像データに含まれる画像の種類を決定し、かつ、前記トナー量に関する情報に応じた目標温度を前記複数の記録材毎に決定する決定ステップと、
    前記検知ステップによって検知された温度が前記目標温度を維持するように前記加熱部材に供給する電力を制御する制御ステップと、
    を実行し、
    前記複数の記録材は、先行して搬送される第1の記録材と、前記第1の記録材に続いて搬送される第2の記録材とを含み、
    前記決定ステップでは、前記第2の記録材に形成される画像の種類に応じて、前記第1の記録材の前記目標温度から前記第2の記録材の前記目標温度に変化させることが可能な温度である制限量を求め、前記第1の記録材の前記目標温度から前記第2の記録材の前記目標温度を切り替える場合に、前記目標温度の変化量が前記制限量を超えないようにすることを特徴とする画像形成方法。
  14. 請求項12又は13に記載の画像形成方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
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