JP7162070B2 - クランクシャフトのパルサプレート取付構造 - Google Patents

クランクシャフトのパルサプレート取付構造 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関のクランクシャフトにパルサプレートが取り付けられるパルサプレート取付構造に関する。
内燃機関における燃焼サイクルの状態を知るために、クランクシャフトの回転位置、回転速度および回転加速度等を検出することが行われている。
そのため、クランクシャフトのクランクウエブにパルサプレートが一体に取り付けられ、クランクシャフトの回転に伴うパルサプレートの外周縁に複数形成された突起(被検出歯)の移動を、回転センサが検出する例(例えば、特許文献1参照)がある。
特開2008-190584号公報
特許文献1では、クランクシャフトのクランクウエブの側面にキー溝を形成し、パルサプレートにはキー溝に対向する位置に弓なり帯状部を屈曲する連結部とともに突出して形成し、クランクウエブのキー溝にパルサプレートの弓なり帯状部が密に嵌合することで、クランクウエブに対するパルサプレートの相対回転位置の位置決めがなされる。
さらに、キー溝に弓なり帯状部を嵌合した後に、ボルト締めされることで、パルサプレートはクランクウエブに固着される。
クランクシャフトにパルサプレートが精度良く取り付けられるために、特許文献1では、クランクウエブのキー溝にパルサプレートの弓なり帯状部が高い精度で密に嵌合する必要がある。
そのため、クランクウエブの側面にキー溝を精度良く機械加工して形成するとともに、パルサプレートの弓なり帯状部も連結部とともにプレス打ち抜きに加えてプレス盛り上げ加工などの追加工も精度良く行われることが要求される。
このように、クランクウエブのキー溝とパルサプレートの弓なり帯状部の双方に、高い加工精度が要求されて誤差も生じやすい。
したがって、加工工数が増し、コスト高となる。
また、クランクウエブにパルサプレートを固着するボルトの締結部位も加工しなければならず、益々加工工数が増大している。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、少ない加工工数で、しかも高い加工精度を要求されず、生産性の向上とコスト削減を図ることができるクランクシャフトのパルサプレート取付構造を供する点にある。
上記目的を達成するために、本発明は、
クランクケースに回転自在に軸支されるクランク軸部の端部に、ピン孔を有するクランクアーム部とカウンタウエイト部を一体に備えるクランクウエブが形成され、
対向する一対の前記クランクウエブの少なくとも一方のピン孔にクランクピンの一端部を嵌入して組付けられる内燃機関のクランクシャフトにおける一方の前記クランクウエブの前記クランク軸部側の外側面に、円環状のパルサプレートが重ね合わされて取り付けられるクランクシャフトのパルサプレート取付構造において、
一方の前記クランクウエブは、その外側面に回転中心軸を中心とし、ピン孔を間に挟んで両端部を有する円弧状突条部を有し、
前記パルサプレートが前記クランクウエブの前記円弧状突条部に外嵌して前記クランクウエブに対する前記パルサプレートの同心位置の位置決めがなされ、
前記パルサプレートは内周縁から前記クランクアーム部に沿って前記円弧状突条部の両端部の間を前記クランク軸部側に突出する係合突部を有し、
前記クランクピンが前記ピン孔に嵌入する嵌入構造の一部である被係合部に、前記係合突部が係合して、前記クランクウエブに対する前記パルサプレートの相対回転位置の位置決めがなされることを特徴とするクランクシャフトのパルサプレート取付構造を提供する。
この構成によれば、一方のクランクウエブは、その外側面に回転中心軸を中心とし、ピン孔を間に挟んで両端部を有する円弧状突条部を有し、パルサプレートがクランクウエブの円弧状突条部に外嵌してクランクウエブに対するパルサプレートの同心位置の位置決めがなされ、クランクピンがピン孔へ嵌入する既存の嵌入構造の一部を被係合部に利用し、この被係合部にパルサプレートの内周縁から突出する係合突部が係合して、クランクウエブに対するパルサプレートの相対回転位置の位置決めがなされるので、一方の被係合部は既存の嵌入構造の一部を利用し、他方のパルサプレートの内周縁から突出する係合突部は容易に精度良く加工しやすい。
したがって、加工工数が少なく、生産性の向上とコスト削減が図られるとともに、取付誤差も小さい。
本発明の好適な実施形態では、
前記クランクウエブの前記円弧状突条部の前記ピン孔を間に挟む両端部が、前記被係合部であり、
前記パルサプレートの前記係合突部が、前記円弧状突条部の前記被係合部である両端部の間に嵌入して係合することで、前記クランクウエブに対する前記パルサプレートの相対回転位置の位置決めがなされる。
この構成によれば、クランクウエブの円弧状突条部のピン孔を間に挟む両端部を被係合部として利用するので、加工工数を削減でき、生産性の向上とコストの低減を図ることができる。
本発明の好適な実施形態では、
前記円弧状突条部の前記被係合部である両端部の端面は、前記クランクウエブの前記クランクアーム部に形成された前記ピン孔の内周面と同一面上にある。
この構成によれば、円弧状突条部の被係合部である両端部の端面は、クランクウエブのクランクアーム部に形成されたピン孔の内周面と同一面上にあるので、クランクウエブのクランクアーム部にピン孔を切削加工することで、同時に円弧状突条部の被係合部である両端部を形成することができ、円弧状突条部の被係合部である両端部を後から特別に加工する必要がなく、益々加工工数が削減できるとともに、クランクピン位相に対する誤差を削減できて、クランクウエブに対するパルサプレートの相対回転位置の位置決め精度が向上し、よって内燃機関のクランク回転タイミング検出精度が向上して、点火時期制御等が正確になされて内燃機関の性能を高めることができる。
本発明の好適な実施形態では、
前記円弧状突条部の前記被係合部である両端部の端面は、前記ピン孔の内周面と同一面上にある円弧状端面であり、
前記パルサプレートの前記係合突部は、前記円弧状突条部の前記被係合部である両端部に形成された各前記円弧状端面にそれぞれ接する円弧状側面を有する。
この構成によれば、パルサプレートの係合突部は、クランクウエブの円弧状突条部の被係合部である両端部に形成された各円弧状端面にそれぞれ接する円弧状側面を有するので、係合突部に折り曲げ加工を必要とせずに、パルサプレートを係合突部とともにプレス打ち抜き加工により成形することが可能であり、パルサプレートの加工工数が削減され、形状精度と生産性とを高めることができる。
本発明の好適な実施形態では、
前記パルサプレートは、前記クランクウエブの外側面の前記ピン孔を挟んで両側に等分に離間した位置に溶接箇所(x,y,z)が設けられる。
この構成によれば、パルサプレートは、クランクウエブの外側面のクランクピンが嵌入されるピン孔を挟んで両側に等分に離間した位置を溶接箇所として、溶接加工により一体に溶着されるので、溶接箇所の熱の影響を極力低減することが可能で、パルサプレートの取付スペースを削減でき、クランクシャフトの小型化を図ることができる。
本発明の好適な実施形態では、
前記パルサプレートは、その外周縁に複数の被検出歯が配列され、
隣り合う前記被検出歯の間隔は、一部特に大きい間隔の基準部位を除き等間隔であり、 前記クランクウエブは、前記パルサプレートの前記基準部位に対応する位置に切欠き溝部を有する。
この構成によれば、パルサプレートの隣り合う被検出歯の間隔は、一部特に大きい間隔の基準部位を除き等間隔であり、クランクウエブは、パルサプレートの基準部位に対応する位置に切欠き溝部を有するので、パルサプレートの被検出歯の全歯たけを小さくして小型化を図りつつ、クランクウエブの切欠き溝部によりパルサプレートの基準部位を精度良く検出することができる。
本発明の好適な実施形態では、
前記パルサプレートの前記係合突部は、前記クランクピンの給油軸穴の開口の遠心側を覆う。
この構成によれば、パルサプレートの係合突部は、クランクピンの給油軸穴の開口の遠心側を覆うので、クランクピンの給油軸穴に供給された潤滑油は、クランクピンの旋回による遠心力により給油軸穴の遠心側に偏り、この偏った潤滑油が給油軸穴の開口から流出するのを係合突部が阻止して、給油軸穴内の遠心側に潤滑油を溜めることができ、コネクティングロッドの軸受に効率良く供給することができる。
パルサプレートの係合突部が、給油軸穴内に潤滑油を溜めるための給油プレートを兼ねることで、部品点数を削減できる。
本発明の好適な実施形態では、
前記クランクウエブの前記ピン孔に嵌入した前記クランクピンの突出端部が、前記被係合部であり、
前記パルサプレートの前記係合突部が、前記パルサプレートの内周面から前記クランク軸部側に2本突出して、前記前記被係合部である前記クランクピンの突出端部を両側から挟むようにして係合することで、前記クランクピンを介して前記クランクウエブに対する前記パルサプレートの相対回転位置の位置決めがなされる。
この構成によれば、クランクウエブのピン孔に嵌入したクランクピンの端部を、被係合部として利用するので、加工工数を削減でき、生産性の向上とコストの低減を図ることができる。
本発明は、クランクウエブは、その外側面に回転中心軸を中心とし、ピン孔を間に挟んで両端部を有する円弧状突条部を有し、パルサプレートがクランクウエブの前記円弧状突条部に外嵌してクランクウエブに対するパルサプレートの同心位置の位置決めがなされ、クランクピンのピン孔への嵌入する既存の嵌入構造の一部を被係合部に利用し、この被係合部にパルサプレートの内周縁から突出する係合突部が係合して、クランクウエブに対するパルサプレートの相対回転位置の位置決めがなされるので、一方の被係合部は既存の嵌入構造の一部を利用し、他方のパルサプレートの内周縁から突出する係合突部は容易に精度良く加工しやすい。
したがって、加工工数が少なく、生産性の向上とコスト削減が図られるとともに、取付誤差も小さい。
本発明の一実施の形態に係るクランクシャフトのパルサプレート取付構造を適用した内燃機関を搭載した自動二輪車の全体側面図である。 図1中II-II矢視によるパワーユニットの断面展開図である。 図2中のパワーユニットの要部拡大断面展開図である。 図2中IV-IV矢視によるパワーユニットの断面図である。 左側クランクシャフト半体の斜視図である。 同左側クランクシャフト半体の別の方向から視た斜視図である。 同左側クランクシャフト半体の回転中心軸方向から視た側面図である。 パルサプレートの回転中心軸方向から視た側面図である。 左側クランクシャフト半体とパルサプレートの分解斜視図である。 左側クランクシャフト半体にパルサプレートを取り付けた状態を示す斜視図である。 左側クランクシャフト半体にパルサプレートを取り付けた状態の回転中心軸方向から視た側面図である。 別の実施形態に係る左側クランクシャフト半体(およびクランクピン)とパルサプレートの分解斜視図である。 左側クランクシャフト半体(およびクランクピン)にパルサプレートを取り付けた状態を示す斜視図である。 左側クランクシャフト半体にパルサプレートを取り付けた状態の回転中心軸方向から視た側面図である。
以下、本発明に係る一実施形態について図1ないし図11に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用した一実施形態に係るクランクシャフトのパルサプレート取付構造を適用した内燃機関を搭載した自動二輪車1の側面図である。
なお、本明細書の説明において、前後左右の向きは、本実施の形態に係る自動二輪車1の直進方向を前方とする通常の基準に従うものとし、図面において、FRは前方を,RRは後方を、LHは左方を,RHは右方を示すものとする。
本自動二輪車1は、スイング式パワーユニットを備えるスクータ型自動二輪車である。
自動二輪車1は、車体前部1Aと車体後部1Bとが、低いフロア部1Cを介して連結されており、車体の骨格をなす車体フレーム2は、車体前部1Aのヘッドパイプ2aからダウンチューブ2bが下方へ延出し、ダウンチューブ2bは下端で水平に屈曲してフロア部1Cの下方を後方へ延び、その後端において車幅方向に配設された連結フレーム2cを介して、左右一対のメインパイプ2dが連結され、メインパイプ2dは連結フレーム2cから斜め後方に立ち上がって、途中、傾斜を緩めるように屈曲して後方に延びている。
メインパイプ2dにより燃料タンク11等が支持され、その上方から前方かけてシート12が配置されている。
一方、車体前部1Aにおいては、ヘッドパイプ2aに軸支されて上方にハンドル13が設けられ、下方にフロントフォーク14が延びて、その下端に前輪15が軸支されている。
メインパイプ2dの傾斜部の下端付近にブラケット24が突設され、ブラケット24にリンク部材25を介してパワーユニット3が揺動可能に連結支持されている。
パワーユニット3は、その前部が単気筒4ストロークの水冷式内燃機関(以下、単に「内燃機関」という。)30であり、パワーユニットケース5にクランクシャフト50を車幅方向に配して回転自在に軸支し、シリンダブロック31を略水平に近い状態にまで大きく前傾した姿勢にあって、パワーユニットケース5の下端から前方に突出したハンガアーム5hの端部が、メインパイプ2dのブラケット24に取付けられたリンク部材25に、ピボット軸26を介して連結されている。
パワーユニット3には、パワーユニットケース5の前方に略水平に大きく前傾してシリンダブロック31、シリンダヘッド32、シリンダヘッドカバー33が順次積み上げられるように締結されるほか、内燃機関30から後方にかけてベルト式無段変速機40が構成され、その後部に設けられた減速機構41の出力軸である後車軸42に後輪16が設けられている。
減速機構41のあるパワーユニットケース5の後部に立設されたブラケット5bと、メインパイプ2dの後部との間にリヤクッション17が介装されている。
自動二輪車1は車体カバー18を備え、車体前部1Aは、フロントカバー18aとレッグシールド18bにより前後から覆われフロントロアカバー18cにより下部を前方から左右側方にかけて覆われ、ハンドル13の中央部はハンドルカバー18dによって覆われる。
フロア部1Cはサイドカバー18eにより覆われ、また車体後部1Bは左右側方からボデイカバー18fによって覆われる。
図2は、パワーユニット3の、図1中II-II矢視による断面展開図である。
内燃機関30は、シリンダブロック31のシリンダスリーブ31a内を往復動するピストン34とクランクシャフト50のクランクピン55とをコネクティングロッド35が連結している。
ピストン34の頂部とシリンダヘッド32の間には燃焼室32aが形成される。
パワーユニットケース5は、左右割りの左パワーユニットケース5Lと右パワーユニットケース5Rとを合体して構成されるもので、右パワーユニットケース5Rは、クランクケース部(本発明の「クランクケース」)5Cの右半体をなし、左パワーユニットケース5Lは、前部がクランクケース部5Cの左半体をなすとともに、後方に延設されて、クランクシャフト50と後輪16の間の前後に長尺のベルト式無段変速機40と減速機構41等を含む伝動装置を収容する伝動ケースを形成する。
左パワーユニットケース5Lの前後長尺の伝動ケースの左側開放面は、変速機ケースカバー43により覆われ、内部にベルト式無段変速機40が収納される。
左パワーユニットケース5Lの前部と右パワーユニットケース5Rとの合体によるクランクケース部5C内には、クランクシャフト50が車幅方向に配向されて左右の主ベアリング45L,45Rに回転自在に支持され、左右水平方向に延びた延出部のうち右延出部にはカムチェーン駆動スプロケット46とオイルポンプ駆動ギヤ47、およびACジェネレータ48が設けられ、左延出部にはベルト式無段変速機40の駆動プーリ49が設けられる。
図2および図3を参照して、本クランクシャフト50は、パワーユニットケース5のクランクケース部5Cの左右の軸受壁5CL,5CRに主ベアリング45L,45Rを介して左右クランク軸部51L,51Rが回転自在に軸支されて支持される。
左右クランク軸部51L,51Rの端部に、それぞれ左右クランクウエブ52L,52Rが一体に形成されている。
図6を参照して、クランクウエブ52L(52R)は、ピン孔52Lh(52Rh)を有するクランクアーム部52La(52Ra)とカウンタウエイト部52Lw(52Rw)を一体に備える。
そして、対向する左右一対のクランクウエブ52L,52Rの各ピン孔52Lh,52Rhにクランクピン55の両端部をそれぞれ嵌入してクランクシャフト50が組み立てられる(図3参照)。
左右のクランク軸部51L,51Rは、同軸の回転軸とし、相対向する左右のクランクウエブ52L,52Rの間をクランクピン55が回転軸から偏心して連結している。
図5および図6は、左側のクランク軸部51Lと、その端部に一体にクランクウエブ52Lが形成された左側クランクシャフト半体Cを示す斜視図である。
クランク軸部51Lには、クランクウエブ52L近傍の付け根部分が若干拡径したジャーナル部51Ljが形成されている。
クランク軸部51Lは、ジャーナル部51Ljを主ベアリング45Lにより軸支される。
クランクウエブ52Lのクランクアーム部52Laには、ピン孔52Lhが形成されている。
そして、クランクウエブ52Lのクランク軸部51L側の外側面52Lsには、回転中心軸Cを中心とし、ピン孔52Lhを間に挟んで両端部53p,53qを有する円弧状突条部53(図中で散点模様を付している)が突出して形成されている。
円弧状突条部53は、外周面53oと内周面53iと突出端面53cを有し、同突出端面53cは回転中心軸Cに垂直な平面をなす。
クランクウエブ52Lのピン孔52Lhは、切削加工により形成され、その際に元々円環状をしていた円環状突条部が同時に切削されて、円弧状突条部53の両端部53p,53qにピン孔52Lhの内周面と同一面上の円弧状端面53pf,53qfが形成されている。
図7を参照して、円弧状突条部53の円弧状端面53pf,53qfは、ピン孔52Lhの内周面のうち回転中心軸C側の半円弧の両端部の周辺に形成されている。
また、クランクウエブ52Lの外側面52Lsの外周縁には、ピン孔52Lhと所定の回転角度位置に基準となる円弧状の切欠き溝部52Lfを有する。
なお、クランク軸部51Lのジャーナル部51Ljには、ピン孔52Lhのある回転角度位置に油溝51Lvが軸方向に指向して形成されている。
他方、右側クランクシャフト半体は、左側クランクシャフト半体Cの円弧状突条部53と切欠き溝部52Lfと油溝51Lvを除き、左側クランクシャフト半体Cと左右対称にクランクウエブ52Rおよびクランク軸部51Rを有する。
左側クランクシャフト半体Cのクランクウエブ52Lの外側面52Lsに、円環状のパルサプレート60が重ね合わされて取り付けられる(図9,図10参照)。
図8に示されるように、円環状のパルサプレート60は、外周縁に複数の被検出歯61が配列され、隣り合う被検出歯61,61の間隔は、一部特に大きい間隔の基準部位62を除き等間隔である。
図7および図8を参照して、パルサプレート60の歯先円直径Paは、クランクウエブ52Lの外径Daより若干大きく、パルサプレート60の歯底円直径Pbは、クランクウエブ52Lの外径Daより小さい。
円環状のパルサプレート60の内周面63の内径Piは、クランクウエブ52Lの外側面52Lsに突出形成された円弧状突条部53の外周面53oの外径Doと等しい。
このパルサプレート60の内周面63から中心側に係合突部64が矩形状に突出している。
係合突部64の両側部64p,64qは、クランクウエブ52Lの前記円弧状突条部53の両端部53p,53qの円弧状端面53pf,53qfの一部に合致する円弧状側面64pf,64qfを有する。
なお、係合突部64の両側部64p,64qの両側面は、円弧状側面64pf,64qfでなくともクランクウエブ52Lの円弧状突条部53の両端部53p,53qの円弧状端面53pf,53qfの一部に合致する平坦状側面としてもよい。
したがって、クランクウエブ52Lの前記円弧状突条部53の両端部53p,53qは、パルサプレート60の係合突部64が係合する被係合部53p,53qである。
なお、パルサプレート60の内周面63から矩形状に突出する係合突部64の円弧状側面64pf,64qfと内周面63とが形成する角部は、小円孔65が穿孔されている。
パルサプレート60は、以上のような板状をして、係合突部に折り曲げ部を有しないので、プレス打ち抜き加工により、成形することができる。
図9に示されるように、左側クランクシャフト半体Cのクランクウエブ52Lの外側面52Lsに、円環状のパルサプレート60を対向させ、クランクウエブ52Lの円弧状突条部53の外周面53oにパルサプレート60の内周面63を合わせるとともに、クランクウエブ52Lの円弧状突条部53の両端部(被係合部)53p,53qの円弧状端面53pf,53qfにパルサプレート60の係合突部64の両側部64p,64qの円弧状側面64pf,64qfを合わせて、図10に示されるように、クランクウエブ52Lの円弧状突条部53にパルサプレート60を外嵌し、クランクウエブ52Lの外側面52Lsにパルサプレート60を当接する。
パルサプレート60がクランクウエブ52Lの円弧状突条部53に外嵌して、クランクウエブ52Lに対するパルサプレート60の同心位置の位置決めがなされ、パルサプレート60の係合突部64がクランクウエブ52Lの円弧状突条部53の被係合部である両端部53p,53qに係合して、クランクウエブ52Lに対するパルサプレート60の相対回転位置の位置決めがなされる。
このとき、パルサプレート60の内周面63から突出する係合突部64の円弧状側面64pf,64qfと内周面63とが形成する一対の角部に小円孔65,65が設けられているので、クランクウエブ52Lの円弧状突条部53の両端部53p,53qの円弧状端面53pf,53qfと外周面53oとが形成する一対の角部を小円孔65,65が囲うようにして覆って接することがなく、クランクウエブ52Lに対するパルサプレート60の相対回転位置の位置決めがなされる。
そのため、パルサプレート60に高い加工精度が要求されずに済む。
クランクウエブ52Lに対するパルサプレート60の相対回転位置の位置決めがなされると、クランクウエブ52Lの外側面52Lsの外周縁に形成された円弧状の切欠き溝部52Lfに、パルサプレート60の隣り合う被検出歯61,61間の間隔が特に大きい基準部位62が対応する。
こうして、クランクウエブ52Lの外側面52Lsに、同心位置および相対回転位置の位置決めがなされて、パルサプレート60が重ね合わされて組付けられたところで、図11を参照して、パルサプレート60の内周面63に沿った3箇所をスポット溶接することで、クランクウエブ52Lにパルサプレート60を一体に溶着する。
3つの溶接箇所x,y,zは、クランクピン55が嵌入されるピン孔52Lhを挟んで両側に等分に離間した位置にあり、図9において、溶接箇所x,yは、ピン孔52Lhを挟んで両側に、溶接箇所zは、回転中心軸Cに関してピン孔52Lhと反対位置にある。
溶接箇所x,y,zは互いに等間隔である。
左側クランクシャフト半体Cと右側クランクシャフト半体CRは、互いに対向するクランクウエブ52L,52Rを、クランクピン55が両端をピン孔52Lh,52Rhに嵌入して一体に連結し、クランクシャフト50を構成する。
その際、クランクピン55の中央部にコネクティングロッド35の大端部35bをニードルベアリング54を介して軸支させておく。
図3を参照して、クランクシャフト50は、左右のクランク軸部51L,51Rのジャーナル部51Lj,51Rjがパワーユニットケース5のクランクケース部5Cの左右の軸受壁5CL,5CRに主ベアリング45L,45Rを介して回転自在に軸支される。
左側クランクシャフト半体Cのクランクウエブ52Lの外側面52Lsに、同心位置および相対回転位置の位置決めがされて重ね合わされ溶接されたパルサプレート60は、クランクケース部5Cの主ベアリング45Lの周りの左側軸受壁5CLに対面した位置にある。
図4を参照して、左パワーユニットケース5Lのクランクケース部5Cにおける周壁5Lsには、パルサプレート60の斜め後上方にセンサ取付ボス部5Lsbが形成されている。
このセンサ取付ボス部5Lsbの取付孔に、パルサセンサ70がクランクシャフト50の回転中心軸Cに向けて外側から嵌挿される。
パルサセンサ70は、後輪16の前方近傍に位置する。
パルサセンサ70の周壁5Lsから突出した先端の検出部70sが、パルサプレート60の被検出歯61が形成された外周面に臨む。
よって、パルサセンサ70は、検出部70sにより回転するクランクシャフト50と一体に回転するパルサプレート60の旋回する被検出歯61の近接による磁束変化を検知することで、クランクシャフト50の回転角度を検出する。
図3を参照して、クランクシャフト50の左右のクランクウエブ52L,52Rを連結するクランクピン55は、給油軸穴55hにより有底円筒状をなしており、給油軸穴55hは左方を開口している。
そして、クランクピン55の給油軸穴55hの左右中央部の回転中心軸Cから遠い遠心側の内周面から遠心方向に供給油路55dが穿孔されており、供給油路55dの遠心側開口は、ニードルベアリング54に臨んでいる。
図3および図11に示されるように、クランクピン55の給油軸穴55hの左方開口は、回転中心軸Cから遠い遠心側が前記パルサプレート60の係合突部64により覆われている。
本パルサプレート60の係合突部64は、給油軸穴55hの開口の回転中心軸Cから近い間隙55sを除く遠心側を大きく覆っている。
パルサプレート60の係合突部64がクランクピン55の給油軸穴55hの開口の遠心側を覆うことで形成される間隙55sから潤滑油が給油軸穴55hに流入する。
主ベアリング45Lとクランクピン55との間には、油溜まり59が形成されており、油溜まり59と給油軸穴55hが間隙55sで連通している。
また、油溜まり59にはクランク軸部51Lのジャーナル部51Ljに軸方向に指向して形成された油溝51Lvが連通している。
図3を参照して、左側のクランク軸部51Lを軸支する左側の主ベアリング45Lは、左側クランクウエブ52Lの外側面52Lsに対向し、特に主ベアリング45Lのアウタレース45Loはパルサプレート60に対向して、主ベアリング45Lのインナレース45Liがクランク軸部51Lのジャーナル部51Ljに嵌着し、アウタレース45Loがクランクケース部5Cの軸受壁5CLに嵌着されている。
軸受壁5CLは、主ベアリング45Lのアウタレース45Loを嵌合する嵌合穴の左側に、穴径を縮径した縮径壁部5CLwと同縮径壁部5CLwの内周から軸方向外側に延びる円筒壁部5CLsを形成している。
クランク軸部51Lが貫通する円筒壁部5CLsの内側には、クランク軸部51Lとの間にオイルシール56が介装されて、オイルシール56と主ベアリング45Lとの間に油室58が形成されている。
油室58にはオイルポンプ(不図示)から延びる油通路57が連通している。
左側の主ベアリング45Lのインナレース45Liが嵌合するクランク軸部51Lのジャーナル部51Ljに軸方向に指向して形成された油溝51Lvにより主ベアリング45Lの左側の油室58と右側の油溜まり59とが連通している。
したがって、オイルポンプから油通路57を通って油室58に流入した潤滑油は、油溝51Lvを通って主ベアリング45Lとクランクピン55との間の油溜まり59に入り、さらにパルサプレート60の係合突部64がクランクピン55の給油軸穴55hの開口の遠心側を覆うことで形成される間隙55sから給油軸穴55hに給油される。
内燃機関30が稼働してクランクシャフト50が回転しているときは、クランクピン55は旋回しており、給油軸穴55hに流入した潤滑油は、パルサプレート60の係合突部64により開口の遠心側が塞がれた給油軸穴55hの遠心側に遠心力により偏って溜まる。
給油軸穴55hの遠心側に溜まった潤滑油は、供給油路55dを遠心方向に流れてニードルベアリング54に供給され、ニードルベアリング54を潤滑する。
以上、詳細に説明した本発明に係るクランクシャフトのパルサプレート取付構造の一実施の形態では、以下に記す効果を奏する。
図9および図10に示すように、クランクシャフト50の一方のクランクウエブ52Lは、その外側面52Lsに回転中心軸Cを中心とし、ピン孔52Lhを間に挟んで両端部53p,53qを有する円弧状突条部53を有し、このクランクウエブ52Lの円弧状突条部53にパルサプレート60が外嵌してクランクウエブ52Lに対するパルサプレート60の同心位置の位置決めがなされる。
また、クランクピン55がピン孔52Lhへ嵌入する既存の嵌入構造の一部である円弧状突条部53の両端部53p,53qを被係合部に利用し、この被係合部である両端部53p,53qにパルサプレート60の内周縁から突出する係合突部64が係合して、クランクウエブ52Lに対するパルサプレート60の相対回転位置の位置決めがなされる。
そのため、一方の被係合部は既存の嵌入構造の一部である円弧状突条部53の両端部53p,53qを利用し、他方のパルサプレート60の内周縁から突出する係合突部64は容易に精度良く加工しやすい。
したがって、加工工数が少なく、生産性の向上とコスト削減が図られるとともに、取付誤差も小さい。
図6および図7に示されるように、円弧状突条部53の両端部53p,53qの端面は、クランクウエブに形成されたピン孔の内周面と同一面上にあり、クランクウエブ52Lのクランクアーム部52Laにピン孔52Lhを切削加工することで、同時に円弧状突条部53の被係合部である両端部53p,53qが形成されるので、円弧状突条部53の被係合部である両端部53p,53qを後から特別に加工する必要がなく、益々加工工数が削減できるとともに、クランクピン位相に対する誤差を削減できて、クランクウエブ52Lに対するパルサプレート60の相対回転位置の位置決め精度が向上し、よって内燃機関30のクランク回転タイミング検出精度が向上して、点火時期制御等が正確になされて内燃機関の性能を高めることができる。
図7ないし図9に示されるように、パルサプレート60の係合突部64は、クランクウエブ52Lの円弧状突条部53の被係合部である両端部53p,53qに形成されたピン孔の内周面と同一面上にある各円弧状端面53pf,53qfにそれぞれ接する円弧状側面64pf,64qfを有するので、係合突部64に折り曲げ加工等を必要とせずに、パルサプレート60を係合突部64とともにプレス打ち抜き加工により成形することが可能であり、パルサプレート60の加工工数が削減され、形状精度と生産性とを高めることができる。
図11を参照して、パルサプレート60は、クランクウエブ52Lの外側面52Lsに、クランクピンが嵌入されるピン孔52Lhを挟んで両側に等分に離間した位置を溶接箇所x,y,zとして、溶接加工により一体に溶着されるので、溶接箇所x,y,zの熱の影響を極力低減することが可能で、パルサプレート60の取付スペースを削減でき、クランクシャフト50の小型化を図ることができる。
パルサプレート60の隣り合う被検出歯61,61の間隔は、一部特に大きい間隔の基準部位を除き等間隔であり、図10に示されるように、クランクウエブ52Lは、パルサプレートの基準部位62に対応する位置に切欠き溝部52Lfを有するので、パルサプレート60の被検出歯61の全歯たけを小さくして小型化を図りつつ、クランクウエブ52Lの切欠き溝部52Lfによりパルサプレート60の基準部位62を精度良く検出することができる。
図3に示されるように、パルサプレート60の係合突部64は、クランクピン55の給油軸穴55hの開口の遠心側を覆うので、クランクピン55の給油軸穴55hに供給された潤滑油は、クランクピン55の旋回による遠心力により給油軸穴55hの遠心側に偏り、この偏った潤滑油が給油軸穴55hの開口から流出するのを係合突部64が阻止して、給油軸穴55h内の遠心側に潤滑油を溜めることができ、溜められた潤滑油は油通路57を通ってコネクティングロッド35の大端部35bの軸受であるニードルベアリング54に効率良く供給することができる。
パルサプレート60の係合突部64が、給油軸穴55h内に潤滑油を溜めるための給油プレートを兼ねることで、部品点数を削減できる。
次に本発明の別の実施形態に係るクランクシャフトのパルサプレート取付構造について、図12ないし図14に基づき説明する。
本クランクシャフト90は、先の実施形態のクランクシャフト50と多少形状が異なる点がある以外同じである。
図12は、クランクピン95をクランクウエブ92Lのピン孔92Lhに嵌入した左側クランクシャフト半体とパルサプレートの分解斜視図である。
同図12を参照して、左側クランクシャフト半体は、左側クランクウエブ92Lのクランク軸部91L側(外側)の外側面92Lsに円弧状突条部93が突出形成されているが、同円弧状突条部93におけるピン孔92Lhを間に挟む両端部93p,93qがそれぞれピン孔92Lhから所定距離離れた位置にある。
左側クランクウエブ92Lのピン孔92Lhには、クランクピン95の給油軸穴95hの開口を有する端部が嵌入され、この端部はピン孔92Lhを貫通して左側クランクウエブ92Lの外側面92Lsから突出端部95eを突出させている。
この突出端部95eの端面95ecは、左側クランクウエブ92Lの円弧状突条部93の突出端面93cと同一面上にある。
円弧状突条部93の両端部93p,93qは、クランクピン95の突出端部95eから所定の間隔を存して離れている。
なお、クランク軸部91Lのジャーナル部91Ljには、ピン孔92Lhのある回転角度位置に油溝91Lvが軸方向に指向して形成されている。
一方で、パルサプレート100は、外周縁に、前記パルサプレート60と同様に、複数の被検出歯61が配列され、隣り合う被検出歯101,101の間隔は、一部特に大きい間隔の基準部位102を除き等間隔である。
円弧状突条部93の外周面93oの外径Doと等しい内径を有するパルサプレート100の内周面103からは、中心側に一対の係合突部104p,104qが互いにクランクピン95の外径Dpに等しい間隔を有して先細に突出している。
一対の係合突部104p,104qの互いに対向する側面104pf,104qfは、間隔Dpを存して平行である。
パルサプレート100の係合突部104p,104q間の内周面103cは、ピン孔92Lhよりも外周の被検出歯101に近づいて他の内周面103より深く、ピン孔92Lhより嵌入したクランクピン95の突出端部95eを避ける位置にある。
クランクピン95のピン孔92Lhを貫通して左側クランクウエブ92Lの外側面92Lsから突出した突出端部95eが、パルサプレート100の内周面103から中心側に突出する一対の係合突部104p,104qが係合する被係合部95eである。
すなわち、左側クランクウエブ92Lの円弧状突条部93の外周面93oにパルサプレート100の内周面103を合わせるとともに、左側クランクウエブ92Lの外側面92Lsから突出したクランクピン95の突出端部(被係合部)95eを挟む位置にパルサプレート100の一対の係合突部104p,104qを合わせて、図13に示されるように、左側クランクウエブ92Lの円弧状突条部53にパルサプレート100を外嵌する。
パルサプレート100の一方の係合突部104pは、クランクピン95の突出端部95eと左側クランクウエブ92Lの円弧状突条部93の一方の端部93pとの間に位置し、パルサプレート100の他方の係合突部104qは、クランクピン95の突出端部95eと左側クランクウエブ92Lの円弧状突条部93の他方の端部93qとの間に位置する。
こうして、パルサプレート100が左側クランクウエブ92Lの円弧状突条部93に外嵌して、左側クランクウエブ92Lに対するパルサプレート100の同心位置の位置決めがなされ、パルサプレート100の係合突部104p,104qがクランクピン95の突出端部(被係合部)95eを両側から挟むようにして係合することで、クランクピン95を介して左側クランクウエブ92Lに対するパルサプレート100の相対回転位置の位置決めがなされる。
こうして、クランクウエブ92Lの外側面92Lsに、同心位置および相対回転位置の位置決めがなされて、パルサプレート100が重ね合わされて組付けられたところで、図14を参照して、パルサプレート100の内周面103に沿った3箇所x,y,zをスポット溶接することで、クランクウエブ92Lにパルサプレート100を一体に溶着する。
左側クランクウエブ92Lのピン孔92Lhに嵌入したクランクピン95の突出端部95eを、被係合部として利用するので、加工工数を削減でき、生産性の向上とコストの低減を図ることができる。
以上、本発明に係る2つの実施の形態に係るクランクシャフトのパルサプレート取付構造について説明したが、本発明の態様は、上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨の範囲で、多様な態様で実施されるものを含むものである。
例えば、本発明は、一対のクランクウエブのうち一方のクランクウエブには、クランクピンが一体に形成されており、他方のクランクウエブに形成されたピン孔に一方のクランクウエブのクランクピンを嵌入して組み立てられるクランクシャフトにも適用できる。
1…自動二輪車(スクータ型自動二輪車)、2…車体フレーム、2a…ヘッドパイプ、2b…ダウンチューブ、2c…連結フレーム、2d…メインパイプ、24…ブラケット、3…パワーユニット、4…伝動ケース、
5…パワーユニットケース、5L…左パワーユニットケース、5R…右パワーユニットケース、5C…クランクケース部(本発明の「クランクケース」)、5CL,5CR…軸受壁、5Cw…前下部周壁、5b…ブラケット、5h…ハンガアーム、5L…左パワーユニットケース、5R…右パワーユニットケース、24…ブラケット、24a…支持軸、25…リンク部材、26…ピボット軸、
30…内燃機関(水冷式内燃機関)、31…シリンダブロック、31a…シリンダスリーブ、32…シリンダヘッド、34…ピストン、35…コネクティングロッド、40…ベルト式無段変速機、41…減速機構、43…変速機ケースカバー、45L,45R…主ベアリング、46…カムチェーン駆動スプロケット、47…オイルポンプ駆動ギヤ、48…ACジェネレータ、49…駆動プーリ、
50…クランクシャフト、C…左側クランクシャフト半体、
51L,51R…クランク軸部、51Lj…ジャーナル部、51Lv…油溝、
52L,52R…クランクウエブ、52La,52Ra…クランクアーム部、52Lh,52Rh…ピン孔、52Lw,52Rw…カウンタウエイト部、52Ls…外側面、52Lf…切欠き溝部、53…円弧状突条部、53o…外周面、53i…内周面、53c…突出端面、53p,53q…端部(被係合部)、53pf,53qf…円弧状端面、54…ニードルベアリング、
55…クランクピン、55h…給油軸穴、55d…供給油路、55s…間隙、56…オイルシール、57…油通路、58…油室、59…油溜まり、
60…パルサプレート、61…被検出歯、62…基準部位、63…内周面、64…係合突部、64p,64q…側部、64pf,64qf…円弧状側面(または平坦状側面)、65…小円孔、
70…パルサセンサ、
90…クランクシャフト、
91L…クランク軸部、91Lj…ジャーナル部、92L…クランクウエブ、92La…クランクアーム部、92Lh…ピン孔、92Lw…カウンタウエイト部、92Ls…外側面、92Lf…切欠き溝部、93…円弧状突条部、93o…外周面、93c…突出端面、93p,93q…端部、
95…クランクピン、95e…突出端部(被係合部)、95ec…端面、
100…パルサプレート、101…被検出歯、102…基準部位、103,103c…内周面、104p,104q…係合突部。

Claims (8)

  1. 内燃機関のクランクケースに回転自在に軸支されるクランク軸部の端部に、ピン孔を有するクランクアーム部とカウンタウエイト部を一体に備えるクランクウエブが形成され、
    対向する一対の前記クランクウエブの少なくとも一方のピン孔にクランクピンの一端部を嵌入して組み立てられるクランクシャフトにおける前記クランクウエブ(52L;92L)の前記クランク軸部(51L;91L)側の外側面(52Ls,92Ls)に、円環状のパルサプレート(60;100)が重ね合わされて取り付けられるクランクシャフトのパルサプレート取付構造において、
    一方の前記クランクウエブ(52L;92L)は、その外側面に回転中心軸(C)を中心とし、前記ピン孔(52Lh,92Lh)を間に挟んで両端部(53p,53q;93p,93q)を有する円弧状突条部(53,93)を有し、
    前記パルサプレート(60;100)が前記クランクウエブ(52L;92L)の前記円弧状突条部(53,93)に外嵌して前記クランクウエブ(52L;92L)に対する前記パルサプレート(60;100)の同心位置の位置決めがなされ、
    前記パルサプレート(60;100)は内周縁から前記クランクアーム部に沿って前記円弧状突条部(53;93)の両端部(53p,53q;93p,93q)の間を前記クランク軸部(51L;91L)側に突出する係合突部(64;104p,104q)を有し、
    前記クランクピン(55;95)が前記ピン孔(52Lh;92Lh)に嵌入する嵌入構造の一部である被係合部(53p,53q;95e)に、前記係合突部(64;104p,104q)が係合して、前記クランクウエブ(52L;92L)に対する前記パルサプレート(60;104p,104q)の相対回転位置の位置決めがなされることを特徴とするクランクシャフトのパルサプレート取付構造。
  2. 前記クランクウエブ(52L)の前記円弧状突条部(53)の前記ピン孔(52Lh)を間に挟む両端部(53p,53q)が、前記被係合部(53p,53q)であり、
    前記パルサプレート(60)の前記係合突部(64)が、前記円弧状突条部(53)の前記被係合部(53p,53q)である両端部(53p,53q)の間に嵌入して係合することで、前記クランクウエブ(52L)に対する前記パルサプレート(60)の相対回転位置の位置決めがなされることを特徴とする請求項1に記載のクランクシャフトのパルサプレート取付構造。
  3. 前記円弧状突条部(53)の前記被係合部である両端部(53p,53q)の端面(53pf,53qf)は、前記クランクウエブ(52L)の前記クランクアーム部(52La)に形成された前記ピン孔(52Lh)の内周面と同一面上にあることを特徴とする請求項2に記載のクランクシャフトのパルサプレート取付構造。
  4. 前記円弧状突条部(53)の前記被係合部(53p,53q)である両端部(53p,53q)の端面は、前記ピン孔(52Lh)の内周面と同一面上にある円弧状端面(53pf,53qf)であり、
    前記パルサプレート(60)の前記係合突部(64)は、前記円弧状突条部(53)の前記被係合部(53p,53q)である両端部(53p,53q)に形成された各円弧状端面(53pf,53qf)にそれぞれ接する円弧状側面(64pf,64qf)を有することを特徴とする請求項3に記載のクランクシャフトのパルサプレート取付構造。
  5. 前記パルサプレート(60)は、前記クランクウエブ(52L)の外側面(52Ls)の前記ピン孔(52Lh)を挟んで両側に等分に離間した位置に溶接箇所(x,y,z)が設けられることを特徴とする請求項4に記載のクランクシャフトのパルサプレート取付構造。
  6. 前記パルサプレート(60)は、その外周縁に複数の被検出歯(61)が配列され、
    隣り合う前記被検出歯(61)の間隔は、一部特に大きい間隔の基準部位(62)を除き等間隔であり、
    前記クランクウエブ(52L)は、前記パルサプレート(60)の前記基準部位(62)に対応する位置に切欠き溝部(52Lf)を有することを特徴とする請求項5に記載のクランクシャフトのパルサプレート取付構造。
  7. 前記パルサプレート(60)の前記係合突部(64)は、前記クランクピン(55)の給油軸穴(55h)の開口の遠心側を覆うことを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれか1項に記載のクランクシャフトのパルサプレート取付構造。
  8. 前記クランクウエブ(92L)の前記ピン孔(92Lh)に嵌入した前記クランクピン(95)の突出端部(95e)が、前記被係合部(95e)であり、
    前記パルサプレート(100)の前記係合突部(104p,104q)が、前記パルサプレート(100)の内周面(103)から前記クランク軸部(91L)側に2本突出して、前記被係合部(95e)である前記クランクピン(95)の突出端部(95e)を両側から挟むようにして係合することで、前記クランクピン(95)を介して前記クランクウエブ(92L)に対する前記パルサプレート(100)の相対回転位置の位置決めがなされることを特徴とする請求項1に記載のクランクシャフトのパルサプレート取付構造。
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