JP7160816B2 - 溶融成形材料 - Google Patents

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Description

本発明は溶融成形材料に関する。
エチレン-ビニルアルコール共重合体(以下、「EVOH」ともいう。)は、ガスバリア性、透明性、耐油性、非帯電性、機械強度等に優れており、フィルム、シート、容器などの各種包装材料等として広く用いられている。
これらの各種包装材料等は通常、溶融成形法により成形される。従って、EVOHを含む溶融成形材料には、一般的に溶融成形における優れた外観特性やロングラン性等が求められる。この外観特性とは、通常、ゲル及びブツの発生や黄変等の着色の発生が生じていない等、外観の優れた成形体を得ることができる特性をいう。また、ロングラン性とは、長時間の成形においても粘性等の物性が変化せず、スジ等のない成形体を得ることができることをいう。
外観特性やロングラン性を低下させる要因として、EVOHの熱劣化があるとされている。そこで、EVOHを含む溶融成形材料に要求されているこれらの諸特性、特に、外観特性を向上させるために、特許文献1及び2ではカルボン酸、リン酸等の酸や、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の金属塩を適当な含有率でEVOHに含有させたEVOH組成物が各種提案されている。これらのEVOH組成物によれば、熱劣化が抑制され、外観特性及びロングラン性が高まり、長時間の連続成形においても優れた外観を備える成形体が得られるとされている。
特開昭64-66262号公報 特開2001-146539号公報
上述した熱劣化を原因とする外観特性やロングラン性に係る特性以外に、EVOHを含む溶融成形材料には、連続溶融成形の際に突発的に発生するブツ(突発ブツ)を抑制することが求められる。なお、本発明者らは、この突発ブツにおいては、赤外分光法でカルボニル基生成の有無を確認することにより、熱劣化がほとんど生じていないことを確認している。すなわち、本発明者らの知見によれば、この突発ブツは、上述した熱劣化を要因として生じるゲル、ブツ及び着色等とは異なる要因によって生じるものであり、酸や金属塩等の添加剤の添加では十分に解決できない。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、連続溶融成形の際の突発ブツの発生を抑制できる溶融成形材料を提供することである。
前記課題を解決するためになされた発明は、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)を含む柱状、扁平状又は球状の溶融成形材料において、側面の最大高さ粗さ(Rz)が300μm以下である溶融成形材料である。
本発明者らは、前記突発ブツは以下のような原因によって発生することを知見した。連続溶融成形にあたって溶融成形材料(EVOH)を気流搬送により配管内を通過させ、溶融成形機のホッパー等へ送る際、以下の現象が生じる。気流搬送中、溶融成形材料の配管内面への衝突や、溶融成形材料同士の衝突によって、溶融成形材料の一部が削れ、微粉化する。配管の曲部などの滞留部において、これらの微粉化されたEVOHは気流搬送時に発生する摩擦熱によって溶融することでテープ状の異物となる。この異物は、連続溶融成形の際に不連続的に滞留部から流れ出し、溶融成形材料と共に溶融成形機に供される。しかし、この異物はテープ状であるためシェアが掛かりにくく、溶融成形機内で溶融されにくい。そのため、得られる溶融成形体内にこの異物が残存する、すなわち、この異物に由来するブツが突発的に発生することになる。特にEVOHは、ガラス転移温度が高く、水酸基を有する硬い樹脂であるため、空気搬送時に微粉化しやすく、突発ブツを生じやすい。これに対し、本発明の溶融成形材料によれば、側面の最大高さ粗さ(Rz)を300μm以下としていることで、気流搬送時に配管内面に衝突した際の削れが生じ難い。従って、当該溶融成形材料によれば、気流搬送時の微粉発生が抑制され、その結果、突発ブツの発生が抑制される。
前記側面の算術平均粗さ(Ra)は50μm以下であることが好ましい。側面の算術平均粗さ(Ra)を50μm以下とすることで、気流搬送時の微粉発生がより抑制され、突発ブツの発生をより低減することができる。また、このようにすることで、微粉発生量が減り、テープ状の異物の発生も減ることから、得られる溶融成形体の厚みムラも抑制することができる。
当該溶融成形材料の円相当径の粒度分布における半値全幅は1mm以下であることが好ましい。このように当該溶融成形材料の粒径を比較的揃えることで、溶融成形の際のホッパーから押出機への噛み込みが安定化し、得られる溶融成形体の厚みムラを抑制できる。
前記エチレン-ビニルアルコール共重合体のエチレン単位含有量は、20モル%以上60モル%以下であることが好ましい。エチレン単位含有量を前記範囲とすることで、溶融成形性、ガスバリア性等をバランスよく発揮できる。
当該溶融成形材料が円柱状である場合、その高さが1~20mm、直径が1~20mmであることで、溶融成形時の噛み込み性などを向上できる。
当該溶融成形材料が扁平状又は球状である場合、その長手方向長さが1~20mm、短手方向長さが1~20mmであることで、溶融成形時の噛み込み性などを向上できる。
本発明の溶融成形材料は、連続溶融成形の際の突発ブツの発生を抑制できる。
(a)は、本発明の一実施形態に係る柱状の溶融成形材料の斜視図である。(b)は、本発明の一実施形態に係る扁平状の溶融成形材料の正面図である。 (a)は、比較例1で得られた溶融成形材料から単層フィルムを製膜する際に、ホッパーから採取されたテープ状の異物の写真である。異物の両端をテープで固定し、定規(cm表示)と共に撮影している。(b)は、比較例1で得られた前記テープ状の異物の拡大写真である。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係る溶融成形材料について詳説する。
(形状等)
図1(a)の溶融成形材料1は、EVOHを含む柱状の溶融成形材料である。当該溶融成形材料1は、ペレットと称される粒状物であってよい。ここで、「柱状」とは、実質的に平行な上面と下面とを有する形状をいう。実質的に平行とは、上面と下面とがなす角が±10°以内であることをいう。また、上面及び下面は、実質的に平面であるが、湾曲していてもよい。上面と下面とは、通常、実質的に同一形状であるが、異なっていてもよい。また、上面と下面とは、実質的に同一サイズであるが、異なっていてもよい。溶融成形材料1は、直柱であってもよいし、斜柱であってもよいが、直柱であることが好ましい。
具体的に、図1(a)の溶融成形材料1は、円柱状である。円柱状とは、中心軸(軸線方向)Xに垂直な方向における断面が円状である柱状をいう。なお、円状とは、真円に限定されず、楕円であってもよく、凹んだ又は突出した部分を有する円であってもよい。なお、溶融成形材料は、円柱状の他、四角柱状、六角柱状等の角柱状であってもよい。但し、気流搬送の際の微粉化がより抑制されるといった観点などから、円柱状であることが好ましい。
円柱形状の溶融成形材料1は、上面3a、下面3b及び側面2を有する。上面3a及び下面3bは、同一サイズの円状である。上面3a又は下面3bと側面2とが接する辺は、丸みをおびていてもよい。
当該溶融成形材料1のサイズとしては特に限定されないが、高さAの下限は1mmが好ましく、2mmがより好ましい。一方、高さAの上限は20mmが好ましく、10mmがより好ましく、5mmがさらに好ましい。また、溶融成形材料1の直径Bの下限は1mmが好ましく、2mmがより好ましい。一方、直径Bの上限は20mmが好ましく、10mmがより好ましく、5mmがさらに好ましい。当該溶融成形材料1がこのようなサイズである場合、取扱性、気流搬送における搬送性、押出機への噛み込み性等を向上できる。
溶融成形材料1の側面2における最大高さ粗さ(Rz)の上限は300μmであり、200μmが好ましく、150μmがより好ましく、120μmがさらに好ましく、100μmが特に好ましい。最大高さ粗さ(Rz)を300μm以下とすることで、配管内を気流搬送する際の微粉発生が低減すること等によりテープ状の異物の発生が抑制され、その結果、連続溶融成形の際の突発ブツの発生や、得られる溶融成形体の厚みムラを抑制できる。
一方、側面2における最大高さ粗さ(Rz)の下限は10μmが好ましく、30μmがより好ましく、50μmがさらに好ましい。溶融成形材料1の側面2の最大高さ粗さ(Rz)を10μm以上とすることで、例えばホッパーから押出機への溶融成形材料の噛み込みが安定化し、溶融成形機におけるトルク変動や吐出変動が抑制され、得られる溶融成形体の厚みムラを低減できる。逆に当該溶融成形材料1の表面の平滑性が高すぎると、滑りやすくなり、押出機への噛み込みが不安定になることがある。また、溶融成形材料1の側面の最大高さ粗さ(Rz)を10μm以上とすることで、溶融成形材料1自体を製造する際のコスト増を抑制できる。
溶融成形材料1の側面2における算術平均粗さ(Ra)の上限は50μmが好ましく、40μmがより好ましく、30μmがさらに好ましく、25μmがよりさらに好ましく、20μmがよりさら好ましく、10μmが最も好ましい。算術平均粗さ(Ra)を50μm以下とすることで、気流搬送時の微粉発生がより抑制され、突発ブツの発生をより低減できる。また、微粉発生量が減り、テープ状の異物の発生も減るため、得られる溶融成形体の厚みムラも抑制できる。
一方、側面2における算術平均粗さ(Ra)の下限は1μmが好ましく、3μmがより好ましく、3.5μmがさらに好ましく、5μmがよりさらに好ましい。溶融成形材料1の側面2の算術平均粗さ(Ra)を1μm以上とすることで、押出機への噛み込みが安定化し、得られる溶融成形体の厚みムラを低減できる。また、溶融成形材料1の側面2の算術平均粗さ(Ra)を1μm以上とすることで、溶融成形材料10自体を製造する際のコスト増を抑制できる。
ここで、本明細書において、溶融成形材料の最大高さ粗さ(Rz)及び算術平均粗さ(Ra)は、それぞれ任意に選択した100個の溶融成形材料における測定値の平均値とする。また、溶融成形材料の最大高さ粗さ(Rz)及び算術平均粗さ(Ra)の測定値は、JIS B 0601(2001年)に準拠して、カットオフ値(λc)2.5mmで測定される値である。本明細書においては、評価面を非接触式、評価面積は最大幅1414μm、高さ1060μmで測定したものを指す。溶融成形材料が小さい場合には評価面積を適宜調整すればよい。
図1(b)の溶融成形材料11は、EVOHを含む扁平状の溶融成形材料である。当該溶融成形材料11は、ペレットと称される粒状物であってよい。ここで、「扁平状」とは、回転軸(中心軸)Yを含む面を切断面とする断面が楕円状である形状をいう。扁平状の溶融成形材料11は、回転楕円体であってよい。また、扁平状の溶融成形材料11を水平面上に静置した際に、水平方向に沿って一番長い直線距離を有する部分に沿った方向を長手方向d(図1(b)中、水平方向と平行)とし、水平面に垂直な方向を短手方向cとする。短手方向cは、回転軸Yの方向と同一である。通常、扁平状の溶融成形材料11において、短手方向cの長さCは、長手方向dの長さDよりも短い。なお、溶融成形材料は、EVOHを含む球状の溶融成形材料であってもよい。「球状」とは、回転軸Yを含む面を切断面とする断面が円状である形状をいう。図1(b)において、短手方向cの長さCと、長手方向dの長さDとが同じ長さの場合、溶融成形材料11は球状となる。
当該扁平状又は球状の溶融成形材料11においては、側面12の最大高さ粗さ(Rz)が300μm以下である。ここで、扁平状又は球状の溶融成形材料11において、側面12とは、溶融成形材料11の表面のうち、法線が回転軸Y(短手方向c)に実質的に垂直である曲面部分をいう。側面12は、いわゆる赤道を含む、周方向に沿った曲面部分である。図1(b)において、側面12は、長手方向dに沿った、破線で囲まれた領域(図1(b)の紙面に関し裏側に該当する領域も同様。)である。なお、溶融成形材料が球状である場合、表面の任意の部分が側面である。
当該溶融成形材料11のサイズは特に限定されないが、溶融成形材料11の短手方向長さCの下限は1mmが好ましく、1.5mmがより好ましい。一方、短手方向長さCの上限は20mmが好ましく、10mmがより好ましく、5mmがさらに好ましい。また、長手方向長さDの下限は1mmが好ましく、1.5mmがより好ましい。一方、長手方向長さDの上限は20mmが好ましく、10mmがより好ましく、5mmがさらに好ましい。当該溶融成形材料11がこのようなサイズである場合、取扱性、気流搬送における搬送性、押出機への噛み込み性等をより向上できる。
溶融成形材料11の側面12における最大高さ粗さ(Rz)の上限は300μmであり、200μmが好ましく、150μmがより好ましく、120μmがさらに好ましく、100μmが特に好ましい。最大高さ粗さ(Rz)を300μm以下とすることで、配管内を気流搬送する際の微粉発生が低減すること等によりテープ状の異物の発生が抑制され、その結果、連続溶融成形の際の突発ブツの発生や、得られる溶融成形体の厚みムラを抑制できる。
一方、側面12における最大高さ粗さ(Rz)の下限は10μmが好ましく、30μmがより好ましく、50μmがさらに好ましい。溶融成形材料11の側面12の最大高さ粗さ(Rz)を10μm以上とすることで、例えばホッパーから押出機への溶融成形材料の噛み込みが安定化し、溶融成形機におけるトルク変動や吐出変動が抑制され、得られる溶融成形体の厚みムラを低減できる。逆に当該溶融成形材料11の表面の平滑性が高すぎると、滑りやすくなり、押出機への噛み込みが不安定になることがある。また、溶融成形材料11の側面の最大高さ粗さ(Rz)を10μm以上とすることで、溶融成形材料11自体を製造する際のコスト増を抑制できる。
溶融成形材料11の側面12における算術平均粗さ(Ra)の上限は50μmが好ましく、40μmがより好ましく、30μmがさらに好ましく、25μmがよりさらに好ましく、20μmがよりさら好ましく、10μmが最も好ましい。この算術平均粗さ(Ra)を50μm以下とすることで、気流搬送時の微粉発生がより抑制され、突発ブツの発生をより低減できる。また、微粉発生量が減り、テープ状の異物の発生も減るため、得られる溶融成形体の厚みムラも抑制できる。
一方、側面12における算術平均粗さ(Ra)の下限は1μmが好ましく、3μmがより好ましく、3.5μmがさらに好ましく、5μmがよりさらに好ましい。溶融成形材料11の側面12の算術平均粗さ(Ra)を1μm以上とすることで、押出機への噛み込みが安定化し、得られる溶融成形体の厚みムラを低減できる。また、溶融成形材料11の側面12の算術平均粗さ(Ra)を1μm以上とすることで、溶融成形材料11自体を製造する際のコスト増を抑制できる。
なお、溶融成形材料1の側面2や溶融成形材料11の側面12の最大高さ粗さ(Rz)や算術平均粗さ(Ra)は、後述するように、溶融成形材料を成形する際の金型内面の表面粗さや、溶融成形材料の乾燥条件を制御することなどによって調整できる。
溶融成形材料(以下、柱状、扁平状及び球状の溶融成形材料をあわせて、単に溶融成形材料と称することがある。)の円相当径(直径)の粒度分布における半値全幅(FWHM)の上限は1mmが好ましく、0.6mmがより好ましく、0.5mmがさらに好ましく、0.4mmが特に好ましい。溶融成形材料の粒度分布における半値幅を1mm以下として溶融成形材料のサイズの均一化を図ることで、押出機への噛み込みを安定化できるため、得られる溶融成形体の厚みムラを抑制できる。一方、この粒度分布における半値全幅の下限は0.1mmであってよく、0.2mmであってもよく、0.3mmであってもよい。
本明細書において、溶融成形材料の円相当径(半径)の粒度分布は、溶融成形材料500gを用い、ISO 13322-2(2006年)に準拠した動的画像解析法によって算出された円相当径の粒度分布である。
なお、溶融成形材料の粒度分布は、製造された溶融成形材料を篩い分けすることなどによって調整できる。
(EVOH)
次いで、当該溶融成形材料に含まれるEVOHについて説明する。EVOHは、主構造単位として、エチレン単位及びビニルアルコール単位を有する共重合体である。なお、EVOHは、エチレン単位及びビニルアルコール単位以外に、他の構造単位を1種又は複数種含んでいてもよい。EVOHは、通常、エチレンとビニルエステルとを重合し、得られるエチレン-ビニルエステル共重合体をけん化して得られる。この重合及びけん化は、従来公知の方法によって行うことができる。
EVOHのエチレン単位含有量(すなわち、EVOH中の単量体単位の総数に対するエチレン単位の数の割合)の下限は20モル%が好ましく、22モル%がより好ましく、24モル%がさらに好ましい。一方、EVOHのエチレン単位含有量の上限は60モル%が好ましく、55モル%がより好ましく、50モル%がさらに好ましい。EVOHのエチレン単位含有量を前記範囲とすることで、十分な溶融成形性、ガスバリア性等を発揮できる。より具体的には、EVOHのエチレン単位含有量を20モル%以上とすることで、例えば、得られる溶融成形体の耐水性、耐熱水性及び高湿度下でのガスバリア性や、溶融成形性を高められる。一方、EVOHのエチレン単位含有量を60モル%以下とすることで、得られる成形体のガスバリア性等を高められる。
EVOHのけん化度(すなわち、EVOH中のビニルアルコール単位及びビニルエステル単位の総数に対するビニルアルコール単位の数の割合)の下限は80モル%が好ましく、95モル%がより好ましく、99モル%がさらに好ましい。一方、EVOHのけん化度の上限は100モル%が好ましく、99.99モル%がより好ましい。EVOHのけん化度を80モル%以上とすることで、溶融成形体のガスバリア性や耐着色性を高めることなどができる。
EVOHのメルトフローレート(JIS K 7210に準拠、温度210℃、荷重2160gでの測定値)の下限は0.1g/10分が好ましく、0.5g/10分がより好ましく、1g/10分がさらに好ましく、3g/10分が特に好ましい。一方、EVOHのメルトフローレートの上限は200g/10分が好ましく、50g/10分がより好ましく、30g/10分がさらに好ましく、15g/10分が特に好ましく、10g/10分が最も好ましい。EVOHのメルトフローレートを前記範囲の値とすることで、溶融成形材料の溶融成形性がより向上する。
当該溶融成形材料におけるEVOHの含有量の下限は50質量%が好ましく、90質量%がより好ましく、99質量%がさらに好ましく、99.9質量%が特に好ましい。当該溶融成形材料におけるEVOHの含有量を50質量%以上とすることで、得られる溶融成形体のガスバリア性、透明性等のEVOHに基づく諸特性を高めることができる。なお、EVOHの含有量は100質量%であってよい。
(他の成分)
当該溶融成形材料は、EVOH以外の他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、カルボン酸、カルボン酸塩、リン酸化合物、ホウ素化合物等を挙げることができる。これらの成分が含有されていると、外観特性やロングラン性を高められる。
前記カルボン酸は、モノカルボン酸であっても、多価カルボン酸であってもよい。
モノカルボン酸としては、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、カプリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、安息香酸、2-ナフトエ酸などを挙げることができる。これらのモノカルボン酸は、ヒドロキシル基やハロゲン原子を有していてもよい。また、モノカルボン酸イオンとしては、前記各モノカルボン酸のカルボキシ基の水素イオンが脱離したものを挙げることができる。
多価カルボン酸としては、分子内に2個以上のカルボキシ基を有していればよく、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸等の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;クエン酸、イソクエン酸、アコニット酸等のトリカルボン酸;1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸、エチレンジアミン四酢酸等の4以上のカルボキシル基を有するカルボン酸;クエン酸、イソクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、ムチン酸、タルトロン酸、シトラマル酸等のヒドロキシカルボン酸;オキサロ酢酸、メソシュウ酸、2-ケトグルタル酸、3-ケトグルタル酸等のケトカルボン酸;グルタミン酸、アスパラギン酸、2-アミノアジピン酸等のアミノ酸等を挙げることができる。
前記リン酸化合物としては、例えばリン酸、亜リン酸等の各種のリンの酸素酸やその塩等が挙げられる。リン酸塩としては、例えば第1リン酸塩、第2リン酸塩、第3リン酸塩のいずれの形で含まれていてもよく、その対カチオン種としても特に限定されないが、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩が好ましい。
前記ホウ素化合物としては、例えばホウ酸類、ホウ酸エステル、ホウ酸塩、水素化ホウ素類等が挙げられる。具体的には、ホウ酸類としては、例えばオルトホウ酸(HBO)、メタホウ酸、四ホウ酸等が挙げられる。ホウ酸エステルとしては、例えばホウ酸トリエチル、ホウ酸トリメチルなどが挙げられる。ホウ酸塩としては、前記各種ホウ酸類のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、ホウ砂などが挙げられる。
当該溶融成形材料には、滑剤、可塑剤、安定剤、界面活性剤、色剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、乾燥剤、架橋剤、充填剤、各種繊維等の添加剤が適量含有されていてもよい。また、滑剤等は、当該溶融成形材料の表面に付着していてもよい。さらに、当該溶融成形材料は、EVOH以外の熱可塑性樹脂を含有していてもよい。
EVOH以外の熱可塑性樹脂としては、例えばポリオレフィン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリアセタール、変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。前記ポリオレフィンとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1-ブテン、ポリ4-メチル-1-ペンテン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレンと炭素数4以上のα-オレフィンとの共重合体、ポリオレフィンと無水マレイン酸との共重合体、エチレン-ビニルエステル共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、これらを不飽和カルボン酸又はその誘導体でグラフト変性した変性ポリオレフィン等が挙げられる。前記ナイロンとしては、例えばナイロン-6、ナイロン-66、ナイロン-6/66共重合体等が挙げられる。当該溶融成形材料がEVOH以外の他の熱可塑性樹脂を含有する場合、この他の熱可塑性樹脂の含有量は50質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。
これらの他の成分は、公知の方法によりEVOHと混合することができる。例えばEVOHと他の成分とを溶融混練する方法や、他の成分を含有する溶液にEVOHを浸漬させる方法などによって混合することができる。
(溶融成形材料の製造方法)
当該溶融成形材料は、例えばEVOHを含む溶液から造粒操作によりEVOHの含水ペレットを得る造粒工程(工程1(a)、工程1(b)又は工程1(c))、及び前記含水ペレットを乾燥させる乾燥工程(工程2)を経ることによって得ることができる。
また、前記工程2の後に、篩い分け工程(工程3)をさらに設けてもよい。なお、工程1に供せられるEVOHは、上述のように従来公知の方法である重合工程及びけん化工程を経て得ることができる。
(工程1(a))
溶融成形材料の製造において、通常、EVOHは、けん化反応時に用いた溶媒等に溶解された溶液として得られる。工程1(a)においては、この溶液を造粒し、EVOHを含む含水ペレットを得る。このような含水ペレットを得るための造粒の操作は特に制限はない。例えば、金型を用いて冷却された貧溶媒を含む凝固浴にEVOHの溶液をストランド状に押し出し、冷却固化させる方法が挙げられる。この後、ストランド状の固化物をストランドカッターによりカットし、柱状のEVOHの含水ペレットを得ることができる。凝固浴としては、例えば水とメタノールとの混合溶媒などが用いられる。なお、この混合溶媒とEVOHとの質量比などによって、得られる含水ペレットの含水率を調整できる。
(工程1(b))
また、造粒工程としては、エチレン-ビニルアルコール共重合体の溶液を凝固浴に押し出した直後に回転する刃等によってカットを行い扁平状(碁石状)~球状のEVOHの含水ペレットを得る方法など公知の方法を用いることができる。
(工程1(c))
さらに、造粒工程としては、特開2002-121290に記載の方法等によりエチレン-ビニルアルコール共重合体の溶液を水蒸気と接触させて予めEVOHの含水樹脂組成物とした後に、凝固浴に押出し、これをカットしてEVOHの含水ペレットを得る方法等も好適に用いることができる。
ここで、造粒工程(工程1(a)、工程1(b)及び工程1(c))に関し、EVOHの溶液を押し出す際に用いられる金型の内面、特に、出口部分(ダイ)内面の表面粗さを制御することによって、最終的に得られる溶融成形材料1の側面2及び溶融成形材料11の側面12の表面粗さ(最大高さ粗さ(Rz)及び算術平均粗さ(Ra))を調整できる。金型出口部分内面の表面形状が、押し出されるEVOHの溶液(含水ペレット)に転写される。従って、金型出口部分内面の平滑性を高くすることで、得られる溶融成形材料の表面粗さを小さくできる。
前記金型出口部分内面の最大高さ粗さ(Rz)の上限は15μmが好ましく、5μmがより好ましく、3μmがさらに好ましく、1μmが特に好ましい。一方、最大高さ粗さ(Rz)の下限は0.1μmであってもよく、0.3μmであってもよい。また、前記金型出口部分内面の算術平均粗さ(Ra)の上限は1.2μmが好ましく、1μmがより好ましく、0.5μmがさらに好ましく、0.2μmが特に好ましく、0.1μmが最も好ましい。一方、算術平均粗さ(Ra)の下限は0.01μmであってもよく、0.03μmであってもよい。
ここで、金型出口部分内面の最大高さ粗さ(Rz)及び算術平均粗さ(Ra)は、それぞれ任意に選択した10箇所における測定値の平均値とする。また、本明細書において、金型出口部分内面の最大高さ粗さ(Rz)及び算術平均粗さ(Ra)の測定値は、JIS B 0601(1994年)に準拠して、カットオフ値(λc)2.5mm、評価長さ(l)7.5mm、接触式で測定される値である。
このようにして得られる含水ペレットは、必要に応じて洗浄を行ってもよい。洗浄によって、例えばけん化の際に生じる副生成物等を除去することなどができる。また、含水ペレットは、カルボン酸、リン酸化合物、ホウ素化合物等の添加剤を含む溶液に浸漬させる処理を行ってもよい。このような処理により、得られる溶融成形材料にカルボン酸等の添加剤を含有させることができる。
(工程2)
前記工程を経て得られたEVOHの含水ペレットは、乾燥工程を経ることでEVOHを含む溶融成形材料(ペレット)とされる。
乾燥工程に供されるEVOHの含水ペレット中の含水率の上限は、EVOHの乾燥質量量基準で200質量%が好ましく、150質量%がより好ましく、120質量%がさらに好ましく、80質量%が特に好ましい。含水ペレットの含水率を200質量%以下とすることで、緩和な条件で乾燥を行うことができ、得られる溶融成形材料の表面粗さを小さくすることができる。一方、含水率の下限は例えば30質量%であってよく、50質量%であってもよい。含水率を30質量%以上とすることで、乾燥効率を高めることなどができる。
含水ペレットの乾燥方法には特に制限はなく、公知の各種方法を用いることができ、静置乾燥や流動乾燥等が好適なものとして挙げられる。これらの乾燥方法を単独で用いても良いし、例えば始めに流動乾燥を行った後に静置乾燥を行うなど複数を組み合わせて用いても良い。乾燥処理は連続式及びバッチ式いずれの方法で行っても良く、複数の乾燥方式を組み合わせて行う場合は、各乾燥方式について連続式及びバッチ式を自由に選択できる。乾燥は空気雰囲気下で行ってよいが、低酸素濃度又は無酸素状態で行うことも、乾燥中の酸素による劣化を低減できる点で好ましい。
例えば熱風乾燥機を用いる場合など、特に初期段階の乾燥の際の雰囲気温度(送風する気体の温度)、送風する気体の露点温度、乾燥速度等を制御することで、得られる溶融成形材料の表面粗さを小さくできる。なお、乾燥初期段階とは、例えば含水ペレットの含水率が10質量%になるまでの段階をいう。
乾燥初期段階における雰囲気温度(送風する気体の温度)の上限は90℃が好ましく、75℃がより好ましく、65℃がさらに好ましい。雰囲気温度を90℃以下とすることで、水分の揮発が緩やかに生じ、得られる溶融成形材料の表面が粗くなることを抑制することができる。一方、この雰囲気温度の下限は40℃が好ましく、50℃がより好ましい。雰囲気温度を40℃以上とすることで、乾燥効率を高められる。
乾燥初期段階における乾燥に用いる気体(空気等)の露点温度の下限は-35℃が好ましく、-25℃がより好ましく、-15℃がさらに好ましい。前記露点温度を-35℃以上とすることで、水分の揮発が緩やかに生じ、得られる溶融成形材料の表面が粗くなることを抑制できる。一方、露点温度の上限は10℃が好ましく、0℃がより好ましく、-5℃がさらに好ましい。露点温度を10℃以下とすることで、乾燥効率を高められる。
乾燥初期段階の乾燥速度の上限は50g/hr・100g-dry baseが好ましく、30g/hr・100g-dry baseがより好ましく、20g/hr・100g-dry baseがさらに好ましい。乾燥速度を50g/hr・100g-dry base以下とすることで、水分の揮発が緩やかに生じ、得られる溶融成形材料10の表面が粗くなることを抑制できる。一方、乾燥速度の下限は5g/hr・100g-dry baseが好ましく、10g/hr・100g-dry baseがより好ましい。乾燥速度を5g/hr・100g-dry base以上とすることで、乾燥効率を高めることができる。なお、例えば乾燥速度50g/hr・100g-dry baseとは、1時間当たりに乾燥質量基準のEVOH100g当たりで水50g揮発させることを意味する。
なお、初期段階以降、すなわち例えばペレットの含水率が10質量%未満となったときは、揮発する水分量が少なくなり、表面粗さに与える影響が小さくなるため、乾燥速度が高まる条件下で乾燥を行ってよい。すなわち、高温及び低露点温度下で乾燥を行ってよい。このようにすることで、乾燥効率を高めることができる。
乾燥工程を経て得られたペレット(溶融成形材料)中の水分率の上限は、ペレット全体に対して1質量%が好ましく、0.8質量%がより好ましく、0.5質量%がさらに好ましい。水分率を1質量%以下とすることで、溶融成形加工時の発泡等によるボイドの発生といった成形トラブルなどを抑制できる。
(工程3)
乾燥工程を経て得られたペレット(溶融成形材料)は、さらに篩い分けによって、粒度分布を調整できる。用いる篩の目数は、溶融成形樹脂サイズに応じて適宜設定されるが、例えば4メッシュ以上10メッシュ以下とできる。また、メッシュ(目の数)の異なる複数種の篩にかけて、粒度を調整できる。
篩にかける時間の下限は1分が好ましく、5分がより好ましい。一方、上限は例えば1時間であってもよいが、20分が好ましく、15分がより好ましい。篩に長時間かけると粒度分布はより狭くなるが、溶融成形樹脂の表面が傷つきやすくなり、表面粗さが大きくなる場合がある。また、長時間篩にかけることによって、微粉が生じやすくなることもある。
(使用方法)
当該溶融成形材料は、溶融成形によりフィルム、シート、容器、パイプ、繊維等、各種の成形体に成形される。これらの成形体は再使用の目的で粉砕し再度成形することも可能である。また、フィルム、シート、繊維等を一軸又は二軸延伸することも可能である。溶融成形法としては押出成形、インフレーション押出、ブロー成形、溶融紡糸、射出成形等が可能である。
また、当該溶融成形材料は、連続溶融成形に際し、通常、気流搬送によって溶融成形機のホッパー等の投入口に連続搬送される。気流搬送に用いられる流通気体は特に限定されず、通常、空気を用いることができるし、窒素ガス等の不活性ガスなどを用いてもよい。
流通気体の温度の下限としては、例えば0℃であり、10℃であってもよい。また、上限は例えば100℃であり、80℃であってもよく、60℃であってもよい。また、流通気体の流速は、溶融成形材料のサイズや、配管径などにもよるが、通常、10m/秒以上100m/秒以下である。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例において測定及び評価はそれぞれ以下に示す方法にて行った。
(1)溶融成形材料(ペレット)の表面粗さの測定
キーエンス社の形状測定レーザマイクロスコープ「VK-X200」(非接触式)を用い、JIS B 0601(2001年)に準拠して、カットオフ値(λc)2.5mm、評価面積は幅1414μm、高さ1060μmとして、溶融成形材料の側面の最大高さ粗さ(Rz)及び算術平均粗さ(Ra)を測定し、それぞれ100個の値の平均値とした。
(2)溶融成形材料の粒度分布及び半値全幅の測定
溶融成形材料の円相当径(半径)の粒度分布は、溶融成形材料500gについて、ヴァーダー・サイエンティフィック社の「CAMSIZER XT」を用い、ISO 13322-2(2006年)に準拠した動的画像解析法によって算出された円相当径から求めた。得られた粒度分布から、半値全幅(mm)を求めた。
(3)溶融成形材の含水率の測定
メトラー・トレド社製のハロゲン水分率分析装置「HR73」を用い乾燥温度180℃、乾燥時間20分、サンプル量約10gの条件で溶融成形材の含水率を測定した。溶融成形材の含水率は、乾燥基準の質量%とする。
(4)突発ブツ発生回数
得られた溶融成形材料を用い、単軸押出機にて単層フィルムを作製し、フィルム上のブツをカウントした。フィルムのブツ発生量は10分毎に測定した。通常は1mあたり10個以下であったが、1mあたり100個以上となったところを突発ブツ発生とし、その回数を48時間連続製膜において調査した。突発ブツ発生回数に対し、以下の基準で評価した。なお、この連続製膜中、単軸押出機に設けられたホッパーに、気流搬送によって溶融成形材料を連続供給した。
A:0回
B:1-2回
C:3-4回
D:5回以上
(5)厚みムラ
前記(3)の連続製膜において、製膜開始から1時間後にMD方向にサンプリングし、2mの長さ範囲における厚みを連続厚み計にて調査した。点数は25mm間隔で採取し、その標準偏差(μm)を求めて、以下の基準で厚みムラを評価した。
A:2μm以下
B:2μm超4μm以下
C:4μm超6μm以下
D:6μm超8μm以下
E:8μm超
(6)微粉量
内径100mmの配管50mに10m毎に5か所のL型配管を設置した。このL型配管によって、サイクロンを有するホッパーを備えた空送設備にて、溶融成形材料5tを気流搬送した。このとき、サイクロンの上部から回収される空気より、フィルターにて微粉を捕集した。捕集された微粉を天秤にて計量した。搬送量に対する捕集微粉量の割合(ppm)を求め、以下の基準で評価した。なお、気流搬送における風速は、20m/秒となるようにした。また、試験で用いた溶融成形材料は、微粉除去機にて微粉を10ppm以下まで除去したものを用いた。
A:100ppm以下
B:100ppm超200ppm以下
C:200ppm超300ppm以下
D:300ppm超
(7)金型の表面粗さ
株式会社ミツトヨ社の小型表面粗さ測定機サーフテスト「SJ-400」(接触式)を用い、JIS B 0601(1994年)に準拠して、カットオフ値(λc)2.5mm、評価長さ(l)7.5mmで測定した。
<合成例1>EVOHの合成
(エチレン-酢酸ビニル共重合体の重合)
撹拌機、窒素導入口、エチレン導入口、開始剤添加口及びディレー(逐次添加)溶液添加口を備える250L加圧反応槽に、酢酸ビニル83.0kg及びメタノール26.6kgを仕込み、60℃に昇温した後30分間窒素バブリングにより系中を窒素置換した。次いで反応槽圧力が3.6MPaとなるようにエチレンを仕込んだ。開始剤として、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)(AMV)をメタノールに溶解し、濃度2.5g/Lの開始剤溶液を調製し、窒素ガスによるバブリングを行って窒素置換した。前記重合槽内温を60℃に調整した後、前記開始剤溶液362mLを注入し重合を開始した。重合中はエチレンを導入して反応槽圧力を3.6MPaに、重合温度を60℃に維持し、前記開始剤溶液を用いて1120mL/hrでAMVを連続添加して重合を実施した。5.0時間後に重合率が40%となったところで冷却して重合を停止した。反応槽を開放して脱エチレンした後、窒素ガスをバブリングして脱エチレンを完全に行った。次いでラシヒリングを充填した塔の上部から得られた共重合体溶液を連続的に供給し、塔下部よりメタノールを吹き込み塔頂部よりメタノールと未反応酢酸ビニルモノマーの混合蒸気を流出させ、塔底部より未反応酢酸ビニルモノマーを除去したエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVAc)のメタノール溶液を得た。
(けん化)
得られたEVAc溶液にメタノールを加えて濃度が15質量%となるように調整したEVAcのメタノール溶液253.4kg(溶液中のEVAc 38kg)に、76.6L(EVAc中の酢酸ビニルユニットに対してモル比(MR)0.4)のアルカリ溶液(NaOHの10質量%メタノール溶液)を添加して60℃で4時間撹拌することにより、EVAcのけん化を行った。反応開始から6時間後、9.2kgの酢酸と60Lの水を添加して前記反応液を中和し、反応を停止させた。
(洗浄及び乾燥)
中和された反応液を、反応器からドラム缶に移して16時間室温で放置し、ケーキ状に冷却固化させた。その後、遠心分離機(国産遠心器社の「H-130」回転数1200rpm)を用いて、ケーキ状の樹脂を脱液した。次に、遠心分離機の中央部に、上方よりイオン交換水を連続的に供給しながら洗浄し、前記樹脂を水洗する工程を10時間行った。洗浄開始から10時間後の洗浄液の伝導度は、30μS/cm(東亜電波工業社の「CM-30ET」で測定)であった。このようにして得られた粉末状のEVOHを乾燥機を用いて60℃、48時間乾燥し、乾燥した粉末状のEVOHを得た。なお、得られたEVOHのエチレン単位含有量は、32モル%であった。
<実施例1>
前記乾燥した粉末状のEVOH20kgを、32Lの水/メタノール混合溶液(質量比:水/メタノール=4/6)に80℃で12時間、撹拌しながら溶解させた。次に、撹拌を止めて溶解槽の温度を65℃に下げて5時間放置し、上述のEVOHの水/メタノール溶液の脱泡を行った。そして、直径3.5mmの円形の開口部を有する金型から、前記EVOHの溶液を5℃の水/メタノール混合溶液(質量比:水/メタノール=9/1)中に押し出してストランド状に析出させ、切断することで直径約4mm、長さ約5mmの含水EVOHペレットを得た。なお、前記金型としては、硬質クロムメッキされ、ダイ(出口部分)内面の最大高さ粗さ(Rz)が0.6μm、算術平均粗さ(Ra)が0.05μmの金型を用いた。
このようにして得られた含水EVOHペレット40kg及びイオン交換水150Lを、高さ900mm、開径600mmの金属製ドラム缶に入れ、25℃で2時間撹拌しながら洗浄及び脱液する操作を2回繰り返した。次に、40kgの含水EVOHペレットに対して150Lの1g/Lの酢酸水溶液を加え、25℃で2時間撹拌しながら洗浄及び脱液する操作を2回繰り返した。さらに、含水EVOHペレット40kgに対して150Lのイオン交換水を加えて、25℃で2時間撹拌しながら洗浄及び脱液する操作を6回繰り返すことで、不純物の除去された含水EVOHペレット(w-EVOH-1)を得た。6回目の洗浄を行った後の洗浄液の伝導度を東亜電波工業社の「CM-30ET」で測定した結果、前記洗浄液の伝導度は3μS/cmであった。
水に酢酸0.6g/L、酢酸ナトリウム0.55g/L、リン酸0.015g/L、ホウ酸0.20g/Lとなるようそれぞれの成分を溶解した水溶液94.5Lに、含水EVOHペレット(w-EVOH-1)10.5kgを投入して、25℃で6時間、時々攪拌しながら浸漬を行った。浸漬処理後の含水EVOHペレット(w-EVOH-1)を遠心脱液により脱水した。得られた含水EVOHペレット(w-EVOH-1)の含水率は60質量%であった。
得られた含水EVOHペレット(w-EVOH-1)に対して、以下の操作によって乾燥を行った。まず、露点温度-10℃のエアーを用い、熱風乾燥機中60℃で5時間乾燥し含水率を10質量%にした。引き続き、露点温度-20℃のエアーを用い、熱風乾燥気中120℃で24時間乾燥した。
その後、乾燥後のペレットを6.5メッシュ、7メッシュ及び8メッシュの順で篩に10分かけ、8メッシュ上に残ったペレットを収集することで、実施例1の乾燥EVOHのペレット(溶融成形材料)を得た。得られた溶融成形材料は、円柱状であり、高さは3.2mm、直径は2.8mmであった。
<実施例2>
前記乾燥した粉末状のEVOH20kgを、43Lの水/メタノール混合溶液(質量比:水/メタノール=4/6)に80℃で12時間、撹拌しながら溶解させたこと以外は実施例1と同様にして、含水率が100質量%の含水ペレット(w-EVOH-2)を得た。この含水ペレット(w-EVOH-2)に対して、以下の操作によって乾燥を行った。まず、露点温度-20℃のエアーを用い、熱風乾燥機中70℃で4時間乾燥し含水率を10質量%にした。引き続き、露点温度-20℃のエアーを用い、熱風乾燥気中120℃で24時間乾燥した。その後、実施例1と同様の篩い分けをし、乾燥EVOHのペレット(溶融成形材料)を得た。
<実施例3>
前記乾燥した粉末状のEVOH20kgを、55Lの水/メタノール混合溶液(質量比:水/メタノール=4/6)に80℃で12時間、撹拌しながら溶解させたこと以外は実施例1と同様にして、含水率が140質量%の含水ペレット(w-EVOH-3)を得た。この含水ペレット(w-EVOH-3)に対して、以下の操作によって乾燥を行った。まず、露点温度-30℃のエアーを用い、熱風乾燥機中80℃で4時間乾燥し含水率を10質量%にした。引き続き、露点温度-20℃のエアーを用い、120℃で24時間乾燥した。その後、実施例1と同様の篩い分けをし、乾燥EVOHのペレット(溶融成形材料)を得た。
<実施例4>
EVOHの溶液を押し出す金型として、硬質クロムメッキされ、ダイ(出口部分)内面の最大高さ粗さ(Rz)が1.5μm、算術平均粗さ(Ra)が0.43μmの金型を用いたこと以外は実施例2と同様の操作をして、乾燥EVOHのペレット(溶融材料)を得た。
<実施例5>
乾燥後のペレットを5メッシュ、7メッシュ及び8メッシュの順で篩に10分かけ、8メッシュ上に残ったペレットを収集したこと以外は実施例4と同様の操作をして、乾燥EVOHのペレット(溶融成形材料)を得た。
<実施例6>
乾燥後のペレットを5メッシュ、7メッシュ及び9メッシュの順で篩に10分かけ、9メッシュ上に残ったペレットを収集したこと以外は実施例4と同様の操作をして、乾燥EVOHのペレット(溶融成形材料)を得た。
<実施例7>
乾燥後のペレットを4メッシュ、7メッシュ及び9メッシュの順で篩に10分かけ、9メッシュ上に残ったペレットを収集したこと以外は実施例4と同様の操作をして、乾燥EVOHのペレット(溶融成形材料)を得た。
<実施例8>
EVOHの溶液を押し出す金型として、硬質クロムメッキされ、ダイ(出口部分)内面の最大高さ粗さ(Rz)が14.5μm、算術平均粗さ(Ra)が0.99μmの金型を用いたこと以外は実施例2と同様の操作をして、乾燥EVOHのペレット(溶融材料)を得た。
<実施例9>
乾燥後のペレットを篩に30分かけたこと以外は実施例8と同様の操作をして、乾燥EVOHのペレット(溶融成形材料)を得た。
<実施例10>
乾燥した粉末状のEVOH20kgを、26Lの水/メタノール混合溶液(質量比:水/メタノール=4/6)に80℃で12時間、撹拌しながら溶解させ、さらにストランド状に析出させるダイ(出口部分)内面の最大高さ粗さ(Rz)が0.5μm、算術平均粗さ(Ra)が0.05μmの金型を用いたこと以外は実施例1と同様にして、含水率が45質量%の含水ペレット(w-EVOH-4)を得た。この含水ペレット(w-EVOH-4)に対して、以下の操作によって乾燥を行った。まず、露点温度-10℃のエアーを用い、熱風乾燥機中60℃で4時間乾燥し含水率を10質量%にした。引き続き、露点温度-20℃のエアーを用い、熱風乾燥気中100℃で36時間乾燥した。その後、実施例1と同様の篩い分けをし、乾燥EVOHのペレット(溶融成形材料)を得た。
<比較例1>
EVOHの溶液を押し出す金型として、硬質クロムメッキされ、ダイ(出口部分)内面の最大高さ粗さ(Rz)が18.2μm、算術平均粗さ(Ra)が1.34μmの金型を用い、乾燥後のペレットを4メッシュ、7メッシュ及び9メッシュの順で篩に10分かけ、9メッシュ上に残ったペレットを収集したこと以外は実施例2と同様の操作をして、乾燥EVOHのペレット(溶融成形材料)を得た。
<実施例11>
実施例1で得られた含水EVOHペレットw-EVOH-1を露点温度-30℃のエアーを用い、熱風乾燥機中80℃で1時間乾燥することで、含水率を50質量%とした含水EVOHペレットを得た。得られた含水EVOHペレットを、二軸押出機(詳細を以下に示す)に10kg/hrで投入し、吐出口の樹脂温度を100℃とし、吐出口側先端部の図1に示した溶液添加部より、酢酸10.0g/L、酢酸ナトリウム7.1g/L、リン酸0.11g/L、ホウ酸9.8g/Lを含む水溶液を0.6L/hrで添加した。EVOHの溶液を押し出す金型として、硬質クロムメッキされ、ダイ(出口部分)内面の最大高さ粗さ(Rz)が1.5μm、算術平均粗さ(Ra)が0.43μmを用いた。エチレン-ビニルアルコール共重合体の溶液を凝固浴に押し出した直後に回転する刃によってカットを行い扁平状の含水EVOHペレット(含水率:25質量%)を得た。
〈二軸押出機の仕様詳細〉
口径 30mmφ
L/D 45.5
スクリュー 同方向完全噛合型
スクリュー回転数 300rpm
ダイス 3mmφ、5穴ストランドダイ
引取り速度 5m/min.
得られた含水EVOHペレットを露点温度-10℃のエアーを用い、熱風乾燥機中60℃で102分乾燥し含水率を10質量%にした。引き続き、露点温度-20℃のエアーを用い、熱風乾燥気中120℃で24時間乾燥した。その後、乾燥後のペレットを6.5メッシュ、7メッシュ及び8メッシュの順で篩に10分かけ、8メッシュ上に残ったペレットを収集することで、乾燥EVOHのペレット(溶融成形材料)を得た。得られた溶融成形材料は、扁平状であり、長手方向長さは3.2mm、短手方向長さは2.1mmであった。
<比較例2>
実施例1で得られた含水EVOHペレットw-EVOH-1を露点温度-30℃のエアーを用い、熱風乾燥機中80℃で1時間乾燥することで、含水率を50質量%とした含水EVOHペレットを得た。得られた含水EVOHペレットを、二軸押出機(詳細を以下に示す)に8kg/hrで投入し、吐出口の樹脂温度を100℃とし、吐出口側先端部の図1に示した溶液添加部より、酢酸5.0g/L、酢酸ナトリウム3.6g/L、リン酸0.06g/L、ホウ酸4.9g/Lを含む水溶液を1.2L/hrで添加した。EVOHの溶液を押し出す金型として、硬質クロムメッキされ、ダイ(出口部分)内面の最大高さ粗さ(Rz)が19.2μm、算術平均粗さ(Ra)が1.45μmを用いた。エチレン-ビニルアルコール共重合体の溶液を凝固浴に押し出した直後に回転する刃によってカットを行い扁平状の含水EVOHペレット(含水率:42質量%)を得た。
得られた含水EVOHペレットを露点温度-40℃のエアーを用い、熱風乾燥機中80℃で48分乾燥し含水率を10質量%にした。引き続き、露点温度-20℃のエアーを用い、熱風乾燥気中120℃で24時間乾燥した。その後、乾燥後のペレットを4メッシュ、7メッシュ及び9メッシュの順で篩に10分かけ、9メッシュ上に残ったペレットを収集することで、乾燥EVOHのペレット(溶融成形材料)を得た。
<実施例12>
含水ペレット(w-EVOH-3)を、まず、露点温度-35℃のエアーを用い、熱風乾燥機中60℃で3.7時間乾燥し含水率を10質量%にし、引き続き、露点温度-20℃のエアーを用い、熱風乾燥気中120℃で24時間乾燥したこと以外は実施例3と同様にして、乾燥EVOHのペレット(溶融成形材料)を得た。
<実施例13>
含水ペレット(w-EVOH-3)を、まず、露点温度-30℃のエアーを用い、熱風乾燥機中60℃で13時間乾燥し含水率を10質量%にし、引き続き、露点温度-20℃のエアーを用い、熱風乾燥気中120℃で24時間乾燥したこと以外は実施例3と同様にして、乾燥EVOHのペレット(溶融成形材料)を得た。
<実施例14>
含水ペレット(w-EVOH-4)を、まず、露点温度-10℃のエアーを用い、熱風乾燥機中55℃で5時間乾燥し含水率を10質量%にし、引き続き、露点温度-20℃のエアーを用い、熱風乾燥気中100℃で36時間乾燥したこと以外は実施例10と同様にして、乾燥EVOHのペレット(溶融成形材料)を得た。
<比較例3>
乾燥した粉末状のEVOH20kgを、28Lの水/メタノール混合溶液(質量比:水/メタノール=4/6)に80℃で12時間、撹拌しながら溶解させ、さらにストランド状に析出させるダイ(出口部分)内面の最大高さ粗さ(Rz)が18.2μm、算術平均粗さ(Ra)が1.34μmの金型を用いたこと以外は実施例1と同様にして、含水率が50質量%の含水ペレット(w-EVOH-5)を得た。この含水ペレット(w-EVOH-5)に対して、以下の操作によって乾燥を行った。まず、露点温度-10℃のエアーを用い、窒素雰囲気下75℃で3時間乾燥し含水率を20質量%にした。引き続き、露点温度-20℃の窒素を用い、窒素雰囲気下120℃で12時間乾燥した。その後、実施例1と同様の篩い分けをし、乾燥EVOHのペレット(溶融成形材料)を得た。
<評価>
得られた各溶融成形材料について、前記した方法にて側面の表面粗さ(最大高さ粗さ(Rz)及び算術平均粗さ(Ra))及び粒度分布の半値全幅を測定した。測定結果を表1に示す。表1には、上述した各溶融成形材料の製造の際の乾燥初期段階の乾燥条件をあわせて示す。また、得られた各溶融成形材料を用いて、前記した方法にて突発ブツ発生回数、厚みムラ及び微粉量の評価をした。評価結果を表1に示す。
Figure 0007160816000001
表1に示されるように、側面の最大高さ粗さ(Rz)が300μm以下である実施例1~14の溶融成形材料は、連続溶融成形における突発ブツの発生が抑制されている。溶融成形材料の側面の最大高さ粗さ(Rz)及び算術平均粗さ(Ra)を小さくすることや、溶融成形材料の半値全幅を小さくすることなどで、得られる溶融成形体の厚みムラがより低減される。また、溶融成形材料の側面の算術平均粗さ(Ra)を小さくすることなどで、微粉の発生量が低減される。
また図2(a)に、比較例1で得られた溶融成形材料から単層フィルムを製膜する際に、ホッパーから採取されたテープ状の異物の写真を示す。異物の両端をテープで固定し、定規(cm表示)と共に撮影している。また図2(b)に、このテープ状の異物の拡大写真を示す。このような異物が、突発的に発生するブツの原因となることが確認された。
本発明の溶融成形材料は、フィルム、シート、容器などの連続溶融成形用の材料として好適に用いることができる。
1、11 溶融成形材料
2、12 側面
3a 上面
3b 下面

Claims (6)

  1. エチレン-ビニルアルコール共重合体を含む柱状、扁平状又は球状の溶融成形材料において、
    側面の最大高さ粗さ(Rz)が200μm以下であり、
    球状である場合、前記側面とは表面の任意の部分である、溶融成形材料。
  2. 前記側面の算術平均粗さ(Ra)が50μm以下である、請求項1に記載の溶融成形材料。
  3. 円相当径の粒度分布における半値全幅が1mm以下である、請求項1又は2に記載の溶融成形材料。
  4. 前記エチレン-ビニルアルコール共重合体のエチレン単位含有量が20モル%以上60モル%以下である、請求項1~3のいずれかに記載の溶融成形材料。
  5. 高さが1~20mm、直径が1~20mmの円柱状である、請求項1~4のいずれかに記載の溶融成形材料。
  6. 長手方向長さが1~20mm、短手方向長さが1~20mmの扁平状又は球状である、請求項1~4のいずれかに記載の溶融成形材料。
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