JP7143850B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
ところで、サイドウォール部のサイドゴム部材には、一般に、紫外線及び酸素雰囲気に晒されることでゴム部材が劣化しクラックが発生することを抑えるために、老化防止剤、ワックス等の添加剤が配合されている。老化防止剤やワックスは、サイドウォール部の表面にブルームして表面を覆う膜を形成し、紫外線や酸素雰囲気によってゴムが劣化するのを抑制する。
しかし、サイドウォール表面にブルームした老化防止剤やワックスは、経時的に変色あるいは変質し易く、二次元コードの濃淡要素の区別がつき難くなる場合がある。このため、二次元コードの読み取り性が低下するおそれがあった。
タイヤ周方向に延びて環状をなしたトレッド部をタイヤ幅方向の両側から挟むように設けられた一対のサイドウォール部を備え、
前記サイドウォール部のサイドゴム部材の表面には、表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成した二次元コードが刻印されており、
前記サイドゴム部材は、ゴム成分及び老化防止剤を含むゴム材料からなり、
前記濃淡要素の濃要素をなすように前記サイドゴム部材の前記表面に形成された前記凹凸のうちの凹部の凹み深さをD[mm]、前記ゴム成分100質量部あたりの前記老化防止剤の配合量をW質量部としたとき、2.7D<W<9Dを満たす、ことを特徴とする。
前記ゴム成分100質量部あたりの前記ワックスの配合量をX質量部としたとき、0.6D<X<3Dを満たすことが好ましい。
タイヤ周方向に延びて環状をなしたトレッド部をタイヤ幅方向の両側から挟むように設けられた一対のサイドウォール部を備え、
前記サイドウォール部のサイドゴム部材の表面には、表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成した二次元コードが刻印されており、
前記サイドゴム部材は、ゴム成分及びワックスを含むゴム材料からなり、
前記濃淡要素の濃要素をなすように前記サイドゴム部材の前記表面に形成された前記凹凸のうちの凹部の凹み深さをD[mm]、前記ゴム成分100質量部あたりの前記ワックスの配合量をX質量部としたとき、0.6D<X<3Dを満たす、ことを特徴とする。
前記第1のワックス成分は、前記第1のワックス成分に含まれる構成成分のうち最も含有率の高い構成成分の炭素数が40未満であり、
前記第2のワックス成分は、前記第2のワックス成分に含まれる構成成分のうち最も含有率の高い構成成分の炭素数が40を超えており、
前記ゴム成分100質量部あたりの前記第1のワックス成分の配合量をXL質量部、前記ゴム成分100質量部あたりの前記第2のワックス成分の配合量をXU質量部としたとき、(XU/XL)×Dが0.3~2.6であることが好ましい。
ゴム成分100質量部あたりの老化防止剤の配合量をW質量部としたとき、2.7D<W<9Dを満たすことが好ましい。
本明細書において、タイヤ幅方向は、空気入りタイヤの回転軸と平行な方向である。タイヤ幅方向外側は、タイヤ幅方向において、タイヤ赤道面を表すタイヤ赤道線CL(図1参照)から離れる側である。また、タイヤ幅方向内側は、タイヤ幅方向において、タイヤ赤道線CLに近づく側である。タイヤ周方向は、空気入りタイヤの回転軸を回転の中心として回転する方向である。タイヤ径方向は、空気入りタイヤの回転軸に直交する方向である。タイヤ径方向外側は、前記回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ径方向内側は、前記回転軸に近づく側をいう。
本実施形態における二次元コードは、横方向にしか情報を持たない一次元コード(バーコードに対し、二方向に情報を持つマトリックス表示方式のコードである。二次元コードとして、例えば、QRコード(登録商標)、データマトリクス(登録商標)、Maxicode、PDF-417(登録商標)、16Kコード(登録商標)、49コード(登録商標)、Aztecコード(登録商標)、SPコード(登録商標)、ベリコード(登録商標)、及び、CPコード(登録商標)を含む。
図1は、本実施形態の空気入りタイヤ10(以降、単にタイヤ10という)の構成の一例を示す図である。図1は、タイヤ赤道線CLに対してタイヤ幅方向の一方の側のプロファイル断面を示す。
この他に、ベルト材14bとトレッドゴム部材18との間には、ベルト14のタイヤ径方向外側からベルト14のタイヤ幅方向の両端部を覆う、有機繊維をゴムで被覆したベルトカバー30を備える。ベルトカバー30は、必要に応じて設ければよく、必須ではない。図1に示す例において、ベルトカバー30は、ベルト14のタイヤ幅方向の両端を覆うよう互いに間隔をあけて配置されているが、このようなベルトカバー30の代わりに、あるいは、ベルトカバー30のタイヤ径方向内側にベルト14のタイヤ幅方向の全域を覆う別のベルトカバーが配置されていてもよい。ベルトカバー30の層数も1枚に限定されず、2枚あるいは3枚であってもよい。
このようなタイヤ10のサイドウォール部10Sの表面に二次元コード40が設けられている。図1では、二次元コード40の配置位置は太線で示されている。
図2(a),(b)は、一実施形態の二次元コード40の例を説明する図である。
二次元コード40は、サイドウォール部10Sのサイドゴム部材20の表面に刻印されている。一実施形態によれば、二次元コード40は、タイヤ幅方向の両側にあるサイドウォール部10Sの双方の、サイドゴム部材20の表面に形成される。別の一実施形態によれば、いずれか一方のサイドウォール部10Sのサイドゴム部材20の表面に形成される。
二次元コード40は、表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素(濃要素と淡要素)でドットパターンを形成したものである。本実施形態の二次元コード40は、レーザ光をサイドウォール部10Sの表面で集束させてエネルギを集中しサイドゴム部材20を局所的に加熱焼却して表面に微小なドット孔40a(図2(b)参照)を複数刻印することにより形成されたパターンである。ドット孔40aは、例えば円錐形状の孔であり、トレッド表面における直径は、例えば0.1~1.0mmであり、深さは、例えば0.3~1.0mmである。
二次元コード40は、図2(a)に示すように、二次元コード40の濃淡要素を区分けする単位セルのうち濃領域の単位セル領域に1つのドット孔40a(凹部)が設けられて構成されている。すなわち、二次元コード40は、格子状に分割した同一サイズの矩形形状の複数の単位セル領域に対応して、1つのドット孔40aが濃淡要素の濃い1つの単位セル領域を形成するように、ドット孔40aが配置された構成を有する。図2(a)中、単位セル領域の濃領域は、黒く塗りつぶされた領域で示されている。
図2(a)に示す二次元コード40はQRコード(登録商標)であるので、ドットパターン領域42は、QRコード(登録商標)のデータセルを表示したデータセル領域42aと、切り出しシンボルを表示した切り出しシンボル領域42bとを含む。
第1の実施形態において、サイドウォール部10Sのサイドゴム部材20は、サイドゴム部材のゴム成分及び老化防止剤を含むゴム材料からなる。
ゴム材料は、以上の成分を含んだゴム組成物が加硫されてなる。
タイヤが負荷状態で転動し凹部が転動に応じて変形すると、サイドゴム部材の歪が増大して、凹部の周辺に微小クラックが発生し、このクラックが進展しやすい。このような微小クラックの進展により、凹部のない単位セル領域にも表面凹凸ができ、濃淡要素の濃淡の程度(光が当たったときの明るさの差)が小さくなる。このため、二次元コードの読み取り誤差が生じ易くなる。
第1の実施形態では、長期にわたり二次元コードの読み取り性を確保するために、サイドゴム部材20は老化防止剤を必須成分としている。しかし、老化防止剤は、サイドウォール部の表面にブルームし、空気中で酸化することで老化防止剤自体が着色し、サイドウォール部の表面を変色(茶変)させ易い。このため、老化防止剤の配合量を増やすと、サイドウォール部の表面の変色によって、濃淡要素の濃淡の区別がつき難くなり、二次元コードの読み取り性が低下するおそれがある。特に、タイヤが紫外線及び酸素雰囲気に晒される屋外で長期にわたり使用、あるいは、保管、放置されると、老化防止剤の変色が顕著となり、二次元コードの読み取り性は大きく低下する。ここで、濃淡要素の濃淡の程度を大きくするために、凹部40aの深さを深くすることが考えられるが、凹部40aの深さが深すぎると、クラックが発生し易くなる。サイドゴム部材20の深さ方向にクラックが進展すると、サイドゴム部材20の耐久性、ひいてはタイヤ10の耐久性の点から好ましくない。
第1の実施形態では、凹部40aの深さDに応じた老化防止剤の配合量Wを定めることで、タイヤが紫外線及び酸素雰囲気に晒される環境下であっても長期にわたり、二次元コードにおけるクラックの発生を抑制しつつ、二次元コードの読み取り性の低下を抑制できるという知見に基づき、老化防止剤の配合量W及び凹部40aの深さDを、2.7D<W<9Dを満たすよう制限している。
老化防止剤の配合量Wは、好ましくは3.0D<W<5.5D、より好ましくは3.5D<W<4.5Dを満たすよう、定められる。老化防止剤の配合量Wは、ゴム成分100質量部あたり、2~10質量部であり、好ましくは2.5~6質量部であり、より好ましくは3~5質量部である。
また、上記関係式は、凹部40aの直径が、0.15~1.0mmである場合、好ましくは0.3~0.8mmである場合に満足することが好ましい。開口部付近の凹部40aの壁面も、ブルームした老化防止剤の変色によって二次元コードの読み取り性が低下する場合があるが、凹部40aの直径が上記範囲にあることで、濃く見える領域が確保され、読み取り性の低下を抑制できる。
第2の実施形態において、サイドウォール部10Sのサイドゴム部材は、サイドゴム部材のゴム成分及びワックスを含むゴム材料からなる。
ゴム成分は、例えば、第1の実施形態のゴム成分と同様である。
ワックスには、常温でろう状固体である炭化水素系ワックスが用いられる。炭化水素系ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス(いずれもJIS K2235:2009に準拠)が用いられる。
ゴム材料は、ゴム成分及びワックスに加えて、カーボンブラック、シリカ等の充填剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、可塑剤、酸化亜鉛、加工助剤、等の添加剤を含んでいてもよい。
ゴム材料は、以上の成分を含んだゴム組成物が加硫されてなる。
上述したように、タイヤの転動に伴って凹部の周辺には微小クラックが発生し、進展しやすいため、二次元コードの読み取り誤差が生じ易くなる。
第2の実施形態では、長期にわたり二次元コードの読み取り性を確保するために、サイドゴム部材20はワックスを必須成分としている。しかし、ワックスは、サイドウォール部の表面にブルームし、空気中で分解して白色に変化し、サイドウォール部の表面を白色化させ易い。このため、ワックスの配合量を増やすと、サイドウォール部の表面の白色化によって、濃淡要素の濃淡の区別がつき難くなり、二次元コードの読み取り性が低下するおそれがある。特に、夏場や、気温の高い地域等における屋内外のような高温環境(例えば40度以上)下で、長期にわたり使用、あるいは、保管、放置されると、ワックスのブルーミング量が一段と増して、サイドウォール部の表面の白色化が顕著となり、二次元コードの読み取り性は大きく低下する。ここで、濃淡要素の濃淡の程度を大きくするために、凹部40aの深さを深くすることが考えられるが、凹部40aの深さが深すぎると、クラックが発生し易くなる。
第2の実施形態では、凹部40aの深さDに応じたワックスの配合量Wを定めることで、高温環境下であっても長期にわたって、二次元コードにおけるクラックの発生を抑制しつつ、二次元コードの読み取り性の低下を抑制できるという知見に基づき、ワックスの配合量X及び凹部40aの深さDを、0.6D<X<3Dを満たすよう制限している。
ワックスの配合量Xは、好ましくは1D<X<2D、より好ましくは1.1D<X<1.5Dを満たすよう、定められる。ワックスの配合量Xは、ゴム成分100質量部あたり、0.3~4質量部であり、好ましくは0.8~3質量部であり、より好ましくは1~2質量部である。
また、上記関係式は、凹部40aの直径が、0.15~1.0mmである場合、好ましくは0.3~0.8mmである場合に満足することが好ましい。開口部付近の凹部40aの壁面も、ブルームしたワックスによって白色して二次元コードの読み取り性が低下する場合があるが、凹部40aの直径が上記範囲にあることで、濃く見える領域が確保され、読み取り性の低下を抑制できる。
第2のワックス成分は、第1のワックス成分と比べ、ブルームし難く、二次元コードの読み取り性を低下させ難いが、クラックの抑制効果は小さい。
このため、クラックの発生を抑制しつつ、より長期にわたって、二次元コードの読み取り性の低下を抑制するためには、第1のワックス成分の含有量XLに対して第2のワックス成分の含有量XUを調整すること、すなわち、第1のワックス成分及び第2のワックス成分の含有量の比XU/XLを調整することが好ましい。
深さDが深いと、濃淡要素の濃淡の程度が大きくなるので、ブルームし難く二次元コードの読み取り性を低下させ難い第2のワックス成分の含有量を多くする必要はない。このため、クラック抑制効果が大きい第1のワックス成分の含有量を確保できる。したがって、深さDが深い場合、比XU/XLを小さくすることが好ましい。一方、深さDが浅いと、濃淡要素の濃淡の程度が小さくなるので、ブルームし難く二次元コードの読み取り性を低下させ難い第2のワックス成分の含有量を多くし、白色化による読み取り性の低下を抑制することが好ましい。すなわち、深さDが浅い場合、比XU/XLを大きくすることが好ましい。
また、深さDが深いと、クラックが発生しやすいので、クラック抑制効果の大きい第1のワックス成分の含有量を多くすることが好ましい。すなわち、比XU/XLは小さいことが好ましい。一方、深さDが浅いと、クラックが発生し難いので、第1のワックス成分の含有量は少なくてもよい。すなわち、比XU/XLは大きいことが好ましい。
(XU/XL)×Dは、好ましくは0.5~1.5である。
第1のワックス成分の配合量XLは、ゴム成分100質量部あたり、好ましくは0.4~3質量部であり、より好ましくは0.5~2質量部であり、特に好ましくは0.6~1質量部である。
第2のワックス成分の配合量XUは、ゴム成分100質量部あたり、好ましくは0.1~2質量部であり、より好ましくは0.3~1質量部であり、特に好ましくは0.4~0.8質量部である。
XU、XL、及びDを用いた上記関係式は、深さDが0.8~1mmである場合に満足することが、より好ましい。
また、一実施形態によれば、ワックスの配合量Xは、老化防止剤の配合量Wより多いことが好ましい。
本実施形態の空気入りタイヤの製造方法は、生タイヤを成型し加硫タイヤを作製する工程と、加硫タイヤのサイドウォール部の表面に、二次元コードを設ける工程と、を備える。空気入りタイヤは、上記説明したタイヤ10と同様である。生タイヤは、サイドウォール部のサイドゴム部材となるゴム組成物材料を備える。サイドゴム部材は、上記第1の実施形態又は上記第2の実施形態のサイドゴム部材と同様である。二次元コードは、表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成したものであり、上述したように、レーザ光を用いて刻印する方法あるいは別の手段を用いて形成される。
本実施形態により得られたタイヤによれば、サイドゴム部材が上記第1の実施形態のサイドゴム部材である場合、タイヤが紫外線及び酸素雰囲気に晒される環境下であっても長期にわたり、二次元コードにおけるクラックの発生を抑制しつつ、二次元コードの読み取り性の低下を抑制できる。
また、本実施形態により得られたタイヤによれば、サイドゴム部材が上記第2の実施形態のサイドゴム部材である場合、高温環境下であっても長期にわたって、二次元コードにおけるクラックの発生を抑制しつつ、二次元コードの読み取り性の低下を抑制できる。
タイヤ10の効果を確認するために、二次元コード40、具体的にはQRコード(登録商標)を、表1及び表2に示す種々のサイドゴム部材で構成したサイドウォール部10Sに刻印してタイヤ10を、二組用意し、一組のタイヤ10について、オゾン照射後の走行試験を行い、他の一組のタイヤ10について、高温環境下で保管後の走行試験を行い、それぞれの組で走行試験後に二次元コード40の読み取りを行った。
二次元コード40を設けたタイヤ10(タイヤサイズ195/65R15 91H)をリム15×6Jに装着した。タイヤ10に対して、オゾン濃度100pphmの条件でオゾン照射をした後、FMVSS139に準拠した低圧試験(XL:空気圧160kPa、荷重100%LI)による室内ドラム走行(速度120km/時)を行いつつ、上記濃度のオゾン照射を所定の時間間隔で行って、1.5時間走行させた。
室内の温度を60~70度に調整した倉庫内で20日間、二次元コード40を設けたタイヤ10(タイヤサイズ195/65R15 91H)を保管した後、リム15×6Jに装着し、室温40度に調整した屋内で、FMVSS139に準拠した低圧試験(XL:空気圧160kPa、荷重100%LI)による室内ドラム走行(速度120km/時)を行いつつ、1.5時間走行させた。
二次元コードの読み取りは、二次元コード読み取り器で行い、二次元コード40に所定の方向から所定の照明光を当てて5本とも問題なく読み取りができた場合を評価Aとし、5本とも読み取りができたが、一本のタイヤについては照明光の当て方を変更して読み取りができた場合を評価Bとし、二本のタイヤについては照明光の当て方を変更して読み取りができた場合を評価Cとし、三本のタイヤについては照明光の当て方を変更して読み取りができた場合を評価Dとし、四、五本のタイヤについては照明光の当て方を変更して読み取りができた場合を評価Eとし、5本のタイヤのうち少なくとも1本のタイヤについて読み取りができない場合を評価Fとした。評価A~Eは合格であり、評価Fは不合格である。
二次元コードを打刻したサイドウォール部の領域を観察し、発生したクラックのうちランダムに抽出した所定数のクラックに関して、全てのクラックに関して最大長さが1mm以下だった場合をA、最大長さが1mm以上のクラックの数が全体の50%未満だった場合をB、最大長さが1mm以上のクラックの数が全体の50%を超えていた場合をCと評価した。A又はBを、クラックの発生を抑制できた、Cを、クラックの発生を抑制できない、と評価した。
比較例1,2、実施例1~4において、老化防止剤を除くゴム材料の成分は、一般的な配合量とした。老化防止剤にはフェニレンジアミン系老化防止剤を用いた。ワックス配合量は、比較例1,2、実施例2,4において1質量部、実施例1において0.4質量部、実施例3において3.2質量部であった。ワックスには、パラフィンワックス及びマイクロクリスタリンワックスを含むものを用い、上記XU/XLは0.2/0.8であった。
比較例1,2、実施例1~4において、ドット孔の直径は0.8mmとした。
表1において、「老化防止剤配合量W」は、ゴム成分100質量部あたりの老化防止剤の配合量W質量部を意味する。
表2において、「ワックス配合量X」は、ゴム成分100質量部あたりのワックスの配合量X質量部を意味する。「第1のワックス成分量XL」は、ゴム成分100質量部あたりの第1のワックス成分の配合量XL質量部を意味する。「第2のワックス成分量XU」は、ゴム成分100質量部あたりの第2のワックス成分の配合量XU質量部を意味する。第1のワックス成分にはパラフィンワックスを用い、第2のワックス成分にはマイクロクリスタリンワックスを用いた。
比較例3,4、実施例5~11において、ワックス及び老化防止剤を除くゴム材料の成分は、一般的な配合量とした。老化防止剤にはフェニレンジアミン系老化防止剤を用いた。
比較例3,4、実施例5~11において、ドット孔の直径は0.8mmとした。
10T トレッド部
10S サイドウォール部
10B ビード部
12 カーカスプライ
14 ベルト
14a,14b ベルト材
16 ビードコア
18 トレッドゴム部材
20 サイドゴム部材
22 ビードフィラーゴム部材
24 リムクッションゴム部材
26 インナーライナゴム部材
30 ベルトカバー
40 二次元コード
40a ドット孔
42 ドットパターン領域
42a データセル領域
42b シンボル領域
44 空白領域
Claims (7)
- 空気入りタイヤであって、
タイヤ周方向に延びて環状をなしたトレッド部をタイヤ幅方向の両側から挟むように設けられた一対のサイドウォール部を備え、
前記サイドウォール部のサイドゴム部材の表面には、表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成した二次元コードが刻印されており、
前記サイドゴム部材は、ゴム成分及び老化防止剤を含むゴム材料からなり、
前記濃淡要素の濃要素をなすように前記サイドゴム部材の前記表面に形成された前記凹凸のうちの凹部の凹み深さをD[mm]、前記ゴム成分100質量部あたりの前記老化防止剤の配合量をW質量部としたとき、2.7D<W<9Dを満たす、ことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 空気入りタイヤであって、
タイヤ周方向に延びて環状をなしたトレッド部をタイヤ幅方向の両側から挟むように設けられた一対のサイドウォール部を備え、
前記サイドウォール部のサイドゴム部材の表面には、表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成した二次元コードが刻印されており、
前記サイドゴム部材は、ゴム成分及びワックスを含むゴム材料からなり、
前記濃淡要素の濃要素をなすように前記サイドゴム部材の前記表面に形成された前記凹凸のうちの凹部の凹み深さをD[mm]、前記ゴム成分100質量部あたりの前記ワックスの配合量をX質量部としたとき、0.6D<X<3Dを満たす、ことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記ワックスは、炭素数の異なる複数種の構成成分をそれぞれ備える第1のワックス成分及び第2のワックス成分を含み、
前記第1のワックス成分は、前記第1のワックス成分に含まれる構成成分のうち最も含有率の高い構成成分の炭素数が40未満であり、
前記第2のワックス成分は、前記第2のワックス成分に含まれる構成成分のうち最も含有率の高い構成成分の炭素数が40を超えており、
前記ゴム成分100質量部あたりの前記第1のワックス成分の配合量をXL質量部、前記ゴム成分100質量部あたりの前記第2のワックス成分の配合量をXU質量部としたとき、(XU/XL)×Dが0.3~2.6である、請求項2に記載の空気入りタイヤ。 - 前記第1のワックス成分の含有量XLは、前記第2のワックス成分の含有量XUより多い、請求項3に記載の空気入りタイヤ。
- 前記凹み深さは、0.8~1.0mmである、請求項1から4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記サイドゴム部材の前記表面に開口した前記凹部の開口端の開口長さは、0.3~1.0mmである、請求項1から5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記二次元コードは、タイヤ最大幅が位置するタイヤ径方向位置よりも前記空気入りタイヤのビードコア側に設けられている、請求項1から6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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