JP7143850B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、具体的には、タイヤのサイドウォール部に刻印した二次元コードを備える空気入りタイヤに関する。
近年、空気入りタイヤ(以降、単にタイヤという)のサイドウォール部に、情報を記録した二次元コードを設けることが提案されている。二次元コードは、一次元コードに比べて多くの情報を含ませることができるので、種々の情報を二次元コードに含ませて、タイヤを管理することができる。特に、タイヤ側面部(サイドウォール部)に、所定のドット孔のパターンで刻印することにより、タイヤ側面部に濃淡要素のパターンで構成された二次元コードを設けることが提案されている(特許文献1)。
タイヤ側面部に、所定のドット孔のパターンを刻印することで形成した二次元コードは、タイヤ側面部が摩耗しない限りは消滅しないので、タイヤの管理を有効に行うことができる。
国際公開2005/000714号公報
このような二次元コードを刻印して複数のドット孔を設けた空気入りタイヤは、新品時において二次元コードの読み取りは十分可能であるが、屋外や高温環境下で、長期使用の際、二次元コードの読み取り性が低下する場合があった。二次元コードの読み取りとは、二次元コード読み取り器、例えば、携帯端末による二次元コードの読み取りであり、読み取り性の低下とは、読み取りを失敗する場合が多くなることをいう。
ところで、サイドウォール部のサイドゴム部材には、一般に、紫外線及び酸素雰囲気に晒されることでゴム部材が劣化しクラックが発生することを抑えるために、老化防止剤、ワックス等の添加剤が配合されている。老化防止剤やワックスは、サイドウォール部の表面にブルームして表面を覆う膜を形成し、紫外線や酸素雰囲気によってゴムが劣化するのを抑制する。
しかし、サイドウォール表面にブルームした老化防止剤やワックスは、経時的に変色あるいは変質し易く、二次元コードの濃淡要素の区別がつき難くなる場合がある。このため、二次元コードの読み取り性が低下するおそれがあった。
本発明は、二次元コードにおけるクラックの発生を抑制しつつ、二次元コードの読み取り性の低下を抑制することのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、空気入りタイヤであって、
タイヤ周方向に延びて環状をなしたトレッド部をタイヤ幅方向の両側から挟むように設けられた一対のサイドウォール部を備え、
前記サイドウォール部のサイドゴム部材の表面には、表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成した二次元コードが刻印されており、
前記サイドゴム部材は、ゴム成分及び老化防止剤を含むゴム材料からなり、
前記濃淡要素の濃要素をなすように前記サイドゴム部材の前記表面に形成された前記凹凸のうちの凹部の凹み深さをD[mm]、前記ゴム成分100質量部あたりの前記老化防止剤の配合量をW質量部としたとき、2.7D<W<9Dを満たす、ことを特徴とする。
前記ゴム材料は、さらに、ワックスを含み、
前記ゴム成分100質量部あたりの前記ワックスの配合量をX質量部としたとき、0.6D<X<3Dを満たすことが好ましい。
本発明の別の一態様は、空気入りタイヤであって、
タイヤ周方向に延びて環状をなしたトレッド部をタイヤ幅方向の両側から挟むように設けられた一対のサイドウォール部を備え、
前記サイドウォール部のサイドゴム部材の表面には、表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成した二次元コードが刻印されており、
前記サイドゴム部材は、ゴム成分及びワックスを含むゴム材料からなり、
前記濃淡要素の濃要素をなすように前記サイドゴム部材の前記表面に形成された前記凹凸のうちの凹部の凹み深さをD[mm]、前記ゴム成分100質量部あたりの前記ワックスの配合量をX質量部としたとき、0.6D<X<3Dを満たす、ことを特徴とする。
前記ワックスは、炭素数の異なる複数種の構成成分をそれぞれ備える第1のワックス成分及び第2のワックス成分を含み、
前記第1のワックス成分は、前記第1のワックス成分に含まれる構成成分のうち最も含有率の高い構成成分の炭素数が40未満であり、
前記第2のワックス成分は、前記第2のワックス成分に含まれる構成成分のうち最も含有率の高い構成成分の炭素数が40を超えており、
前記ゴム成分100質量部あたりの前記第1のワックス成分の配合量をXL質量部、前記ゴム成分100質量部あたりの前記第2のワックス成分の配合量をXU質量部としたとき、(XU/XL)×Dが0.3~2.6であることが好ましい。
前記第1のワックス成分の含有量XLは、前記第2のワックス成分の含有量XUより多いことが好ましい。
前記ゴム材料は、さらに、老化防止剤を含み、
ゴム成分100質量部あたりの老化防止剤の配合量をW質量部としたとき、2.7D<W<9Dを満たすことが好ましい。
前記凹み深さは、0.8~1.0mmであることが好ましい。
前記空気入りタイヤは、前記サイドゴム部材の前記表面に開口した前記凹部の開口端の開口長さは、0.1~1.0mmである場合に好適である。
前記した2つの態様の空気入りタイヤにおいて、前記二次元コードは、タイヤ最大幅が位置するタイヤ径方向位置よりも前記空気入りタイヤのビードコア側に設けられていることが好ましい。
上述した態様の空気入りタイヤによれば、二次元コードにおけるクラックの発生を抑制しつつ、二次元コードの読み取り性の低下を抑制することができる。
一実施形態の空気入りタイヤの構成の一例を示す図である。 (a),(b)は、一実施形態の二次元コードの例を説明する図である。
以下、本実施形態の空気入りタイヤについて詳細に説明する。本実施形態は、後述する第1の実施形態及び第2の実施形態を含み、第1の実施形態及び第2の実施形態はそれぞれ、後述する種々の実施形態を含む。
本明細書において、タイヤ幅方向は、空気入りタイヤの回転軸と平行な方向である。タイヤ幅方向外側は、タイヤ幅方向において、タイヤ赤道面を表すタイヤ赤道線CL(図1参照)から離れる側である。また、タイヤ幅方向内側は、タイヤ幅方向において、タイヤ赤道線CLに近づく側である。タイヤ周方向は、空気入りタイヤの回転軸を回転の中心として回転する方向である。タイヤ径方向は、空気入りタイヤの回転軸に直交する方向である。タイヤ径方向外側は、前記回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ径方向内側は、前記回転軸に近づく側をいう。
本実施形態で言う、刻印とは、レーザ光をサイドウォール部10Sの表面で集束させてエネルギを集中しサイドゴム部材20を局所的に加熱焼却して表面に微小なドット孔を複数形成する態様のほか、サイドゴム部材の表面に設けた凹凸により情報記録コードを形成することも含む。
本実施形態における二次元コードは、横方向にしか情報を持たない一次元コード(バーコードに対し、二方向に情報を持つマトリックス表示方式のコードである。二次元コードとして、例えば、QRコード(登録商標)、データマトリクス(登録商標)、Maxicode、PDF-417(登録商標)、16Kコード(登録商標)、49コード(登録商標)、Aztecコード(登録商標)、SPコード(登録商標)、ベリコード(登録商標)、及び、CPコード(登録商標)を含む。
(空気入りタイヤ)
図1は、本実施形態の空気入りタイヤ10(以降、単にタイヤ10という)の構成の一例を示す図である。図1は、タイヤ赤道線CLに対してタイヤ幅方向の一方の側のプロファイル断面を示す。
タイヤ10は、トレッドパターンを有するトレッド部10Tと、タイヤ幅方向両側の一対のビード部10Bと、トレッド部10Tの両側に設けられ、一対のビード部10Bとトレッド部10Tに接続される一対のサイドウォール部10Sと、を備える。トレッド部10Tは路面と接触する部分である。サイドウォール部10Sは、トレッド部10Tをタイヤ幅方向の両側から挟むように設けられた部分である。ビード部10Bは、サイドウォール部10Sに接続され、サイドウォール部10Sに対してタイヤ径方向内側に位置する部分である。
タイヤ10は、骨格材として、カーカスプライ12と、ベルト14と、ビードコア16と、を有し、これらの骨格材の周りに、トレッドゴム部材18と、サイドゴム部材20と、ビードフィラーゴム部材22と、リムクッションゴム部材24と、インナーライナゴム部材26と、を主に有する。
カーカスプライ12は、一対の円環状のビードコア16の間を巻きまわしてトロイダル形状を成した、有機繊維をゴムで被覆したカーカスプライ材で構成されている。カーカスプライ12は、ビードコア16の周りに巻きまわされてタイヤ径方向外側に延びている。カーカスプライ12のタイヤ径方向外側に2枚のベルト材14a,14bで構成されるベルト14が設けられている。ベルト14は、タイヤ周方向に対して、所定の角度、例えば20~30度傾斜して配されたスチールコードにゴムを被覆した部材で構成され、下層のベルト材14aが上層のベルト材14bに比べてタイヤ幅方向の幅が長い。2層のベルト材14a,14bのスチールコードの傾斜方向は互いに逆方向である。このため、ベルト材14a,14bは、交錯層となっており、充填された空気圧によるカーカスプライ12の膨張を抑制する。
ベルト14のタイヤ径方向外側には、トレッドゴム部材18が設けられ、トレッドゴム部材18の両端部には、サイドゴム部材20が接続されてサイドウォール部10Sを形成している。サイドゴム部材20のタイヤ径方向内側の端には、リムクッションゴム部材24が設けられ、タイヤ10を装着するリムと接触する。ビードコア16のタイヤ径方向外側には、ビードコア16の周りに巻きまわす前のカーカスプライ12の部分と、ビードコア16の周りに巻きまわした後のカーカスプライ12の部分との間に挟まれるようにビードフィラーゴム部材22が設けられている。タイヤ10とリムとで囲まれる空気を充填するタイヤ空洞領域に面するタイヤ10の内表面には、インナーライナゴム部材26が設けられている。
この他に、ベルト材14bとトレッドゴム部材18との間には、ベルト14のタイヤ径方向外側からベルト14のタイヤ幅方向の両端部を覆う、有機繊維をゴムで被覆したベルトカバー30を備える。ベルトカバー30は、必要に応じて設ければよく、必須ではない。図1に示す例において、ベルトカバー30は、ベルト14のタイヤ幅方向の両端を覆うよう互いに間隔をあけて配置されているが、このようなベルトカバー30の代わりに、あるいは、ベルトカバー30のタイヤ径方向内側にベルト14のタイヤ幅方向の全域を覆う別のベルトカバーが配置されていてもよい。ベルトカバー30の層数も1枚に限定されず、2枚あるいは3枚であってもよい。
このようなタイヤ10のサイドウォール部10Sの表面に二次元コード40が設けられている。図1では、二次元コード40の配置位置は太線で示されている。
(二次元コード)
図2(a),(b)は、一実施形態の二次元コード40の例を説明する図である。
二次元コード40は、サイドウォール部10Sのサイドゴム部材20の表面に刻印されている。一実施形態によれば、二次元コード40は、タイヤ幅方向の両側にあるサイドウォール部10Sの双方の、サイドゴム部材20の表面に形成される。別の一実施形態によれば、いずれか一方のサイドウォール部10Sのサイドゴム部材20の表面に形成される。
二次元コード40は、表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素(濃要素と淡要素)でドットパターンを形成したものである。本実施形態の二次元コード40は、レーザ光をサイドウォール部10Sの表面で集束させてエネルギを集中しサイドゴム部材20を局所的に加熱焼却して表面に微小なドット孔40a(図2(b)参照)を複数刻印することにより形成されたパターンである。ドット孔40aは、例えば円錐形状の孔であり、トレッド表面における直径は、例えば0.1~1.0mmであり、深さは、例えば0.3~1.0mmである。
二次元コード40は、図2(a)に示すように、二次元コード40の濃淡要素を区分けする単位セルのうち濃領域の単位セル領域に1つのドット孔40a(凹部)が設けられて構成されている。すなわち、二次元コード40は、格子状に分割した同一サイズの矩形形状の複数の単位セル領域に対応して、1つのドット孔40aが濃淡要素の濃い1つの単位セル領域を形成するように、ドット孔40aが配置された構成を有する。図2(a)中、単位セル領域の濃領域は、黒く塗りつぶされた領域で示されている。
図2(a)に示す二次元コード40は、QRコード(登録商標)であり、2種類の濃淡要素でドットパターンが形成されたドットパターン領域42を含む。ドットパターン領域42の周りには、濃淡要素の淡要素と同様の淡い要素が取り囲む空白領域44が設けられている。空白領域44は、QRコード(登録商標)においてクワイエットゾーンとされる領域であり、QRコード(登録商標)を読み取る際に必要な領域である。空白領域44がドットパターン領域42の周りを取り囲む厚さは、例えば、ドットパターン領域42内の単位セル領域の寸法サイズの4~5倍であることが好ましい。例えば、空白領域44の厚さwは、ドットパターン領域42の矩形形状における2方向の寸法のうち最大寸法の4%~25%であることが好ましい。
図2(a)に示す二次元コード40はQRコード(登録商標)であるので、ドットパターン領域42は、QRコード(登録商標)のデータセルを表示したデータセル領域42aと、切り出しシンボルを表示した切り出しシンボル領域42bとを含む。
次に、サイドウォール部10Sのサイドゴム部材20に関して、第1の実施形態及び第2の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態において、サイドウォール部10Sのサイドゴム部材20は、サイドゴム部材のゴム成分及び老化防止剤を含むゴム材料からなる。
ゴム成分には、ジエン系ゴムが用いられる。ジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル-ブタジエンゴム(NBR)等、あるいは、これらのゴムのうち2種以上をブレンドしたものを挙げることができる。
老化防止剤には、アミン系老化防止剤、好ましくはフェニレンジアミン系老化防止剤が用いられる。フェニレンジアミン系老化防止剤としては、例えば、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、n-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N’-(3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1-メチルヘプチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1,4-ジメチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1-エチル-3-メチルペンチル)p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N’-1,3-ジメチルブチル-p-フェニレンジアミン、フェニルヘキシル-p-フェニレンジアミン、フェニルオクチル-p-フェニレンジアミン等のp-フェニレンジアミン系老化防止剤等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ゴム材料は、ゴム成分及び老化防止剤に加えて、カーボンブラック、シリカ等の充填剤、加硫剤、加硫促進剤、ワックス、可塑剤、酸化亜鉛、加工助剤、等の添加剤を含んでいてもよい。
ゴム材料は、以上の成分を含んだゴム組成物が加硫されてなる。
第1の実施形態において、濃淡要素の濃要素をなすようにサイドウォール部10Sの表面に形成された上記凹部40aの凹み深さをD[mm]、ゴム成分100質量部あたりの老化防止剤の配合量をW質量部としたとき、2.7D<W<9Dを満たす。この関係式において、D及びWはそれぞれ、単位を除いた数字を表す。また、本明細書において、凹み深さとは、上記凹凸のうち凸の最大突出位置に対する深さを言い、例えば、凹部40aを除いたサイドウォール部10Sの表面(タイヤ幅方向を向く平滑な表面)からの深さを意味する。凹み深さは、濃淡要素の濃要素をなすように形成された複数の凹部40aのうち無作為に抽出した2つ以上の凹部40aについて測定した、凹部40aのそれぞれの最大深さの平均値として算出することができる。W及びDに関して、上記関係を満たすことで、下記説明するように、タイヤ10が紫外線及び酸素雰囲気に晒される環境下に置かれても、長期にわたって、二次元コード40におけるクラックの発生を抑制しつつ、二次元コードの読み取り性の低下を抑制することができる。
タイヤが負荷状態で転動し凹部が転動に応じて変形すると、サイドゴム部材の歪が増大して、凹部の周辺に微小クラックが発生し、このクラックが進展しやすい。このような微小クラックの進展により、凹部のない単位セル領域にも表面凹凸ができ、濃淡要素の濃淡の程度(光が当たったときの明るさの差)が小さくなる。このため、二次元コードの読み取り誤差が生じ易くなる。
第1の実施形態では、長期にわたり二次元コードの読み取り性を確保するために、サイドゴム部材20は老化防止剤を必須成分としている。しかし、老化防止剤は、サイドウォール部の表面にブルームし、空気中で酸化することで老化防止剤自体が着色し、サイドウォール部の表面を変色(茶変)させ易い。このため、老化防止剤の配合量を増やすと、サイドウォール部の表面の変色によって、濃淡要素の濃淡の区別がつき難くなり、二次元コードの読み取り性が低下するおそれがある。特に、タイヤが紫外線及び酸素雰囲気に晒される屋外で長期にわたり使用、あるいは、保管、放置されると、老化防止剤の変色が顕著となり、二次元コードの読み取り性は大きく低下する。ここで、濃淡要素の濃淡の程度を大きくするために、凹部40aの深さを深くすることが考えられるが、凹部40aの深さが深すぎると、クラックが発生し易くなる。サイドゴム部材20の深さ方向にクラックが進展すると、サイドゴム部材20の耐久性、ひいてはタイヤ10の耐久性の点から好ましくない。
第1の実施形態では、凹部40aの深さDに応じた老化防止剤の配合量Wを定めることで、タイヤが紫外線及び酸素雰囲気に晒される環境下であっても長期にわたり、二次元コードにおけるクラックの発生を抑制しつつ、二次元コードの読み取り性の低下を抑制できるという知見に基づき、老化防止剤の配合量W及び凹部40aの深さDを、2.7D<W<9Dを満たすよう制限している。
老化防止剤の配合量Wは、好ましくは3.0D<W<5.5D、より好ましくは3.5D<W<4.5Dを満たすよう、定められる。老化防止剤の配合量Wは、ゴム成分100質量部あたり、2~10質量部であり、好ましくは2.5~6質量部であり、より好ましくは3~5質量部である。
上記関係式は、凹部40aの深さDが0.8~1mmである場合に満足することが、より好ましい。
また、上記関係式は、凹部40aの直径が、0.15~1.0mmである場合、好ましくは0.3~0.8mmである場合に満足することが好ましい。開口部付近の凹部40aの壁面も、ブルームした老化防止剤の変色によって二次元コードの読み取り性が低下する場合があるが、凹部40aの直径が上記範囲にあることで、濃く見える領域が確保され、読み取り性の低下を抑制できる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態において、サイドウォール部10Sのサイドゴム部材は、サイドゴム部材のゴム成分及びワックスを含むゴム材料からなる。
ゴム成分は、例えば、第1の実施形態のゴム成分と同様である。
ワックスには、常温でろう状固体である炭化水素系ワックスが用いられる。炭化水素系ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス(いずれもJIS K2235:2009に準拠)が用いられる。
ゴム材料は、ゴム成分及びワックスに加えて、カーボンブラック、シリカ等の充填剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、可塑剤、酸化亜鉛、加工助剤、等の添加剤を含んでいてもよい。
ゴム材料は、以上の成分を含んだゴム組成物が加硫されてなる。
第2の実施形態では、濃淡要素の濃要素をなすようにサイドウォール部10Sの表面に形成された凹部40aの凹み深さをD[mm]、ゴム成分100質量部あたりのワックスの配合量をX質量部としたとき、0.6D<X<3Dを満たす。この関係式において、D及びXはそれぞれ、単位を除いた数字を表す。凹み深さは、第1実施形態で説明したのと同様である。このような関係を満たすことで、下記説明するように、タイヤ10が高温環境下に置かれても、長期にわたって、二次元コード40におけるクラックの発生を抑制しつつ、二次元コードの読み取り性の低下を抑制することができる。
上述したように、タイヤの転動に伴って凹部の周辺には微小クラックが発生し、進展しやすいため、二次元コードの読み取り誤差が生じ易くなる。
第2の実施形態では、長期にわたり二次元コードの読み取り性を確保するために、サイドゴム部材20はワックスを必須成分としている。しかし、ワックスは、サイドウォール部の表面にブルームし、空気中で分解して白色に変化し、サイドウォール部の表面を白色化させ易い。このため、ワックスの配合量を増やすと、サイドウォール部の表面の白色化によって、濃淡要素の濃淡の区別がつき難くなり、二次元コードの読み取り性が低下するおそれがある。特に、夏場や、気温の高い地域等における屋内外のような高温環境(例えば40度以上)下で、長期にわたり使用、あるいは、保管、放置されると、ワックスのブルーミング量が一段と増して、サイドウォール部の表面の白色化が顕著となり、二次元コードの読み取り性は大きく低下する。ここで、濃淡要素の濃淡の程度を大きくするために、凹部40aの深さを深くすることが考えられるが、凹部40aの深さが深すぎると、クラックが発生し易くなる。
第2の実施形態では、凹部40aの深さDに応じたワックスの配合量Wを定めることで、高温環境下であっても長期にわたって、二次元コードにおけるクラックの発生を抑制しつつ、二次元コードの読み取り性の低下を抑制できるという知見に基づき、ワックスの配合量X及び凹部40aの深さDを、0.6D<X<3Dを満たすよう制限している。
ワックスの配合量Xは、好ましくは1D<X<2D、より好ましくは1.1D<X<1.5Dを満たすよう、定められる。ワックスの配合量Xは、ゴム成分100質量部あたり、0.3~4質量部であり、好ましくは0.8~3質量部であり、より好ましくは1~2質量部である。
上記関係式は、深さDが0.8~1mmである場合に満足することが、より好ましい。
また、上記関係式は、凹部40aの直径が、0.15~1.0mmである場合、好ましくは0.3~0.8mmである場合に満足することが好ましい。開口部付近の凹部40aの壁面も、ブルームしたワックスによって白色して二次元コードの読み取り性が低下する場合があるが、凹部40aの直径が上記範囲にあることで、濃く見える領域が確保され、読み取り性の低下を抑制できる。
第2の実施形態は、一実施形態によれば、ワックスは、炭素数の異なる複数種の構成成分(炭化水素分子)をそれぞれ備える第1のワックス成分及び第2のワックス成分を含み、第1のワックス成分(例えば、パラフィンワックス)は、第1のワックス成分の構成成分のうち最も含有率の高い構成成分の炭素数が40未満であり、第2のワックス成分(例えば、マイクロクリスタリンワックス)は、第2のワックス成分の構成成分のうち最も含有率の高い構成成分の炭素数が40を超えており、ゴム成分100質量部あたりの第1のワックス成分の配合量をXL質量部、ゴム成分100質量部あたりの第2のワックス成分の配合量をXU質量部としたとき、(XU/XL)×Dが0.3~2.6であることが好ましい。いずれのワックス成分も、例えば、最も含有率の高い構成成分との炭素数の差が大きい構成成分であるほど含有率が少くなる炭素数の分布を有している。この分布は、炭素数の局所的な範囲では、炭素数の差が大きい上記構成成分であるほど含有率が多くなる又は等しい炭素数の分布を有していてもよい。
第1のワックス成分は、クラックの抑制効果は大きいが、ブルームし易く、二次元コードの読み取り性を低下させ易い。
第2のワックス成分は、第1のワックス成分と比べ、ブルームし難く、二次元コードの読み取り性を低下させ難いが、クラックの抑制効果は小さい。
このため、クラックの発生を抑制しつつ、より長期にわたって、二次元コードの読み取り性の低下を抑制するためには、第1のワックス成分の含有量XLに対して第2のワックス成分の含有量XUを調整すること、すなわち、第1のワックス成分及び第2のワックス成分の含有量の比XU/XLを調整することが好ましい。
一方で、比XU/XLの好ましい範囲は、下記説明するように、凹部40aの深さDの大きさの影響を受ける。
深さDが深いと、濃淡要素の濃淡の程度が大きくなるので、ブルームし難く二次元コードの読み取り性を低下させ難い第2のワックス成分の含有量を多くする必要はない。このため、クラック抑制効果が大きい第1のワックス成分の含有量を確保できる。したがって、深さDが深い場合、比XU/XLを小さくすることが好ましい。一方、深さDが浅いと、濃淡要素の濃淡の程度が小さくなるので、ブルームし難く二次元コードの読み取り性を低下させ難い第2のワックス成分の含有量を多くし、白色化による読み取り性の低下を抑制することが好ましい。すなわち、深さDが浅い場合、比XU/XLを大きくすることが好ましい。
また、深さDが深いと、クラックが発生しやすいので、クラック抑制効果の大きい第1のワックス成分の含有量を多くすることが好ましい。すなわち、比XU/XLは小さいことが好ましい。一方、深さDが浅いと、クラックが発生し難いので、第1のワックス成分の含有量は少なくてもよい。すなわち、比XU/XLは大きいことが好ましい。
この実施形態では、第1のワックス成分と第2のワックス成分の配合比XU/XLを、凹部40aの深さDに応じた範囲に制限することで、高温環境下であってもより長期にわたって、クラックの発生を抑制しつつ、二次元コードの読み取り性の低下を抑制できるという知見に基づき、(XU/XL)×Dの値を0.3~2.6に制限している。
(XU/XL)×Dは、好ましくは0.5~1.5である。
第1のワックス成分の配合量XLは、ゴム成分100質量部あたり、好ましくは0.4~3質量部であり、より好ましくは0.5~2質量部であり、特に好ましくは0.6~1質量部である。
第2のワックス成分の配合量XUは、ゴム成分100質量部あたり、好ましくは0.1~2質量部であり、より好ましくは0.3~1質量部であり、特に好ましくは0.4~0.8質量部である。
XU、XL、及びDを用いた上記関係式は、深さDが0.8~1mmである場合に満足することが、より好ましい。
一実施形態によれば、第1のワックス成分の含有量XLは、第2のワックス成分の含有量XUより多いことが好ましい。
また、一実施形態によれば、ワックスの配合量Xは、老化防止剤の配合量Wより多いことが好ましい。
第2の実施形態は、一実施形態によれば、ゴム材料は、さらに、老化防止剤を含み、ゴム成分100質量部あたりの老化防止剤の配合量をW質量部としたとき、2.7D<W<9Dであることが好ましい。これにより、高温環境下のみでなく、紫外線及び酸素雰囲気に晒される環境下であっても、長期にわたって、二次元コードにおけるクラックの発生を抑制しつつ、二次元コードの読み取り性の低下を抑制する効果を大きくすることができる。老化防止剤の配合量Wは、好ましくは3.0D<W<5.5D、より好ましくは3.5D<W<4.5Dを満たすよう、定められる。
第1の実施形態は、一実施形態によれば、ゴム材料は、ワックスを含み、ゴム成分100質量部あたりのワックスの配合量をX質量部としたとき、0.6D<X<3Dであることが好ましい。これにより、紫外線及び酸素雰囲気に晒される環境下のみでなく、高温環境下であっても、長期にわたって、二次元コードにおけるクラックの発生を抑制しつつ、二次元コードの読み取り性の低下を抑制する効果を大きくすることができる。ワックスの配合量Xは、好ましくは1D<X<2D、より好ましくは1.1D<X<1.5Dを満たすよう、定められる。この場合に、さらに、一実施形態によれば、(XU/XL)×Dの値が0.3~2.6の範囲内であることが好ましい。これにより、高温環境下であってもより長期にわたって、クラックの発生を抑制しつつ、二次元コードの読み取り性の低下を抑制できる。
一実施形態によれば、二次元コードは、タイヤ最大幅が位置するタイヤ径方向位置よりも空気入りタイヤのビードコア側に設けられていることが好ましい。サイドウォール部10Sの厚さは、一般に、タイヤ最大幅位置のタイヤ径方向外側よりもタイヤ径方向内側において厚い。このため、ビードコア16側の領域は、タイヤ10の転動に伴う、サイドゴム部材20に作用する撓みや歪みが比較的小さく、二次元コードの表面にクラックが発生する可能性は低い。このため、タイヤ10の長期使用の際の、読み取り性の低下を抑制できる。二次元コードが設けられるサイドウォール部10Sの部分の厚さは、例えば、2~5mmである。
一実施形態によれば、二次元コードは、タイヤ径方向に沿った、タイヤ10のタイヤ径方向内側の端からタイヤ径方向外側の端までの高さ(タイヤ断面高さ)範囲のうち、タイヤ径方向内側の端から、好ましくは15~50%の位置、より好ましくは25~45%の範囲内に設けられていることが好ましい。
(空気入りタイヤの製造方法)
本実施形態の空気入りタイヤの製造方法は、生タイヤを成型し加硫タイヤを作製する工程と、加硫タイヤのサイドウォール部の表面に、二次元コードを設ける工程と、を備える。空気入りタイヤは、上記説明したタイヤ10と同様である。生タイヤは、サイドウォール部のサイドゴム部材となるゴム組成物材料を備える。サイドゴム部材は、上記第1の実施形態又は上記第2の実施形態のサイドゴム部材と同様である。二次元コードは、表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成したものであり、上述したように、レーザ光を用いて刻印する方法あるいは別の手段を用いて形成される。
本実施形態により得られたタイヤによれば、サイドゴム部材が上記第1の実施形態のサイドゴム部材である場合、タイヤが紫外線及び酸素雰囲気に晒される環境下であっても長期にわたり、二次元コードにおけるクラックの発生を抑制しつつ、二次元コードの読み取り性の低下を抑制できる。
また、本実施形態により得られたタイヤによれば、サイドゴム部材が上記第2の実施形態のサイドゴム部材である場合、高温環境下であっても長期にわたって、二次元コードにおけるクラックの発生を抑制しつつ、二次元コードの読み取り性の低下を抑制できる。
(実施例、比較例)
タイヤ10の効果を確認するために、二次元コード40、具体的にはQRコード(登録商標)を、表1及び表2に示す種々のサイドゴム部材で構成したサイドウォール部10Sに刻印してタイヤ10を、二組用意し、一組のタイヤ10について、オゾン照射後の走行試験を行い、他の一組のタイヤ10について、高温環境下で保管後の走行試験を行い、それぞれの組で走行試験後に二次元コード40の読み取りを行った。
(オゾン照射後の走行試験)
二次元コード40を設けたタイヤ10(タイヤサイズ195/65R15 91H)をリム15×6Jに装着した。タイヤ10に対して、オゾン濃度100pphmの条件でオゾン照射をした後、FMVSS139に準拠した低圧試験(XL:空気圧160kPa、荷重100%LI)による室内ドラム走行(速度120km/時)を行いつつ、上記濃度のオゾン照射を所定の時間間隔で行って、1.5時間走行させた。
(高温環境下で保管後の走行試験)
室内の温度を60~70度に調整した倉庫内で20日間、二次元コード40を設けたタイヤ10(タイヤサイズ195/65R15 91H)を保管した後、リム15×6Jに装着し、室温40度に調整した屋内で、FMVSS139に準拠した低圧試験(XL:空気圧160kPa、荷重100%LI)による室内ドラム走行(速度120km/時)を行いつつ、1.5時間走行させた。
実施例、比較例それぞれについて、二次元コード40を設けたタイヤを5本ずつ用意して上記試験を行った後、下記要領で読み取り性及び耐クラック性を評価した。
(読み取り性)
二次元コードの読み取りは、二次元コード読み取り器で行い、二次元コード40に所定の方向から所定の照明光を当てて5本とも問題なく読み取りができた場合を評価Aとし、5本とも読み取りができたが、一本のタイヤについては照明光の当て方を変更して読み取りができた場合を評価Bとし、二本のタイヤについては照明光の当て方を変更して読み取りができた場合を評価Cとし、三本のタイヤについては照明光の当て方を変更して読み取りができた場合を評価Dとし、四、五本のタイヤについては照明光の当て方を変更して読み取りができた場合を評価Eとし、5本のタイヤのうち少なくとも1本のタイヤについて読み取りができない場合を評価Fとした。評価A~Eは合格であり、評価Fは不合格である。
(耐クラック性)
二次元コードを打刻したサイドウォール部の領域を観察し、発生したクラックのうちランダムに抽出した所定数のクラックに関して、全てのクラックに関して最大長さが1mm以下だった場合をA、最大長さが1mm以上のクラックの数が全体の50%未満だった場合をB、最大長さが1mm以上のクラックの数が全体の50%を超えていた場合をCと評価した。A又はBを、クラックの発生を抑制できた、Cを、クラックの発生を抑制できない、と評価した。
下記表1に、オゾン照射後に走行を行ったタイヤの各仕様と評価結果を示す。
比較例1,2、実施例1~4において、老化防止剤を除くゴム材料の成分は、一般的な配合量とした。老化防止剤にはフェニレンジアミン系老化防止剤を用いた。ワックス配合量は、比較例1,2、実施例2,4において1質量部、実施例1において0.4質量部、実施例3において3.2質量部であった。ワックスには、パラフィンワックス及びマイクロクリスタリンワックスを含むものを用い、上記XU/XLは0.2/0.8であった。
比較例1,2、実施例1~4において、ドット孔の直径は0.8mmとした。
表1において、「老化防止剤配合量W」は、ゴム成分100質量部あたりの老化防止剤の配合量W質量部を意味する。
Figure 0007143850000001
比較例1、2と実施例1~4の比較からわかるように、老化防止剤配合量Wが2.7D<W<9Dを満たす場合は、紫外線及び酸素雰囲気に晒される環境下であっても長期にわたって、二次元コードのクラックの発生を抑制しつつ、二次元コードの読み取り性の低下を抑制することができる。
下記表2に、高温環境下で保管後に走行を行ったタイヤの各仕様と評価結果を示す。
表2において、「ワックス配合量X」は、ゴム成分100質量部あたりのワックスの配合量X質量部を意味する。「第1のワックス成分量XL」は、ゴム成分100質量部あたりの第1のワックス成分の配合量XL質量部を意味する。「第2のワックス成分量XU」は、ゴム成分100質量部あたりの第2のワックス成分の配合量XU質量部を意味する。第1のワックス成分にはパラフィンワックスを用い、第2のワックス成分にはマイクロクリスタリンワックスを用いた。
比較例3,4、実施例5~11において、ワックス及び老化防止剤を除くゴム材料の成分は、一般的な配合量とした。老化防止剤にはフェニレンジアミン系老化防止剤を用いた。
比較例3,4、実施例5~11において、ドット孔の直径は0.8mmとした。
Figure 0007143850000002
比較例3,4と実施例5~11の比較からわかるように、ワックス配合量Xが0.6D<X<3Dを満たす場合は、高温環境下であっても長期にわたって、二次元コードにおけるクラックの発生を抑制しつつ、二次元コードの読み取り性の低下を抑制することができる。
実施例9と実施例10の比較からわかるように、老化防止剤の配合量Wが3.0D<W<5.5Dを満たすようサイドゴム部材20に配合されていることで、高温環境下であっても長期にわたって読み取り性が向上する効果が増すという予期せぬ効果が得られた。
以上、本発明の空気入りタイヤについて詳細に説明したが、本発明の空気入りタイヤは上記実施形態あるいは実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10 空気入りタイヤ
10T トレッド部
10S サイドウォール部
10B ビード部
12 カーカスプライ
14 ベルト
14a,14b ベルト材
16 ビードコア
18 トレッドゴム部材
20 サイドゴム部材
22 ビードフィラーゴム部材
24 リムクッションゴム部材
26 インナーライナゴム部材
30 ベルトカバー
40 二次元コード
40a ドット孔
42 ドットパターン領域
42a データセル領域
42b シンボル領域
44 空白領域

Claims (7)

  1. 空気入りタイヤであって、
    タイヤ周方向に延びて環状をなしたトレッド部をタイヤ幅方向の両側から挟むように設けられた一対のサイドウォール部を備え、
    前記サイドウォール部のサイドゴム部材の表面には、表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成した二次元コードが刻印されており、
    前記サイドゴム部材は、ゴム成分及び老化防止剤を含むゴム材料からなり、
    前記濃淡要素の濃要素をなすように前記サイドゴム部材の前記表面に形成された前記凹凸のうちの凹部の凹み深さをD[mm]、前記ゴム成分100質量部あたりの前記老化防止剤の配合量をW質量部としたとき、2.7D<W<9Dを満たす、ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 空気入りタイヤであって、
    タイヤ周方向に延びて環状をなしたトレッド部をタイヤ幅方向の両側から挟むように設けられた一対のサイドウォール部を備え、
    前記サイドウォール部のサイドゴム部材の表面には、表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成した二次元コードが刻印されており、
    前記サイドゴム部材は、ゴム成分及びワックスを含むゴム材料からなり、
    前記濃淡要素の濃要素をなすように前記サイドゴム部材の前記表面に形成された前記凹凸のうちの凹部の凹み深さをD[mm]、前記ゴム成分100質量部あたりの前記ワックスの配合量をX質量部としたとき、0.6D<X<3Dを満たす、ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  3. 前記ワックスは、炭素数の異なる複数種の構成成分をそれぞれ備える第1のワックス成分及び第2のワックス成分を含み、
    前記第1のワックス成分は、前記第1のワックス成分に含まれる構成成分のうち最も含有率の高い構成成分の炭素数が40未満であり、
    前記第2のワックス成分は、前記第2のワックス成分に含まれる構成成分のうち最も含有率の高い構成成分の炭素数が40を超えており、
    前記ゴム成分100質量部あたりの前記第1のワックス成分の配合量をXL質量部、前記ゴム成分100質量部あたりの前記第2のワックス成分の配合量をXU質量部としたとき、(XU/XL)×Dが0.3~2.6である、請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記第1のワックス成分の含有量XLは、前記第2のワックス成分の含有量XUより多い、請求項3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記凹み深さは、0.8~1.0mmである、請求項1から4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記サイドゴム部材の前記表面に開口した前記凹部の開口端の開口長さは、0.3~1.0mmである、請求項1から5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記二次元コードは、タイヤ最大幅が位置するタイヤ径方向位置よりも前記空気入りタイヤのビードコア側に設けられている、請求項1から6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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