JP2009035182A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Fumiaki Murayama
史明 村山
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Abstract

【課題】タイヤの耐サイドカット成長性能を向上できる空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】この空気入りタイヤ1は、サイドウォール部が黒色ゴム層71および白色ゴム層72を有すると共に、白色ゴム層72がサイドウォール部の表面に露出することによりホワイトサイドウォールが形成されている。また、この空気入りタイヤ1では、サイドウォール部のうち白色ゴム層72が配置される領域Aに線状の突起部74が配置される。また、この突起部74が領域Aのプロファイル面から突出する形状を有する。
【選択図】 図3

Description

この発明は、空気入りタイヤに関し、さらに詳しくは、タイヤの耐サイドカット成長性能を向上できる空気入りタイヤに関する。
近年の空気入りタイヤでは、タイヤの外観性の向上等を目的として、サイドウォール部に白色ゴム層が配置される(ホワイトサイドウォール)。しかしながら、白色ゴム層は、黒色ゴム層よりも脆いゴム組成物から成る。このため、白色ゴム層にサイドカットが発生し易く、また、このサイドカットが成長し易いという課題がある。
かかる課題に関する従来の空気入りタイヤとして、特許文献1に記載される技術が知られている。従来の空気入りタイヤ(タイヤのサイドウォール装飾構造)は、複数本のリッジを有し、タイヤの周方向に沿った環状となってサイドウォール部に形成されたローレット部と、周囲のゴムと異色の色彩ゴムをローレット部形成領域に突出させることにより形成された文字、記号等の表示部と、ローレット部と同等以上の高さで且つ表示部よりも低い高さを有してタイヤの周方向に沿って形成されており、表示部形成領域をローレット部から隔離するように表示部形成領域の周囲に設けられた棚田部と、を備えていることを特徴とする。
特開2005−125937号公報
この発明は、タイヤの耐サイドカット成長性能を向上できる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる空気入りタイヤは、サイドウォール部が黒色ゴム層および白色ゴム層を有すると共に、前記白色ゴム層がサイドウォール部の表面に露出することによりホワイトサイドウォールが形成されている空気入りタイヤであって、サイドウォール部のうち前記白色ゴム層が配置される領域Aに線状の突起部が配置されると共に、前記突起部が領域Aのプロファイル面から突出する形状を有することを特徴とする。
この空気入りタイヤでは、白色ゴム層の領域Aに線状の突起部が形成され、且つ、この突起部が領域Aのプロファイル面から突出する形状を有するので、白色ゴム層の領域Aにサイドカット(亀裂)が発生したときに、このサイドカットの成長が突起部によって阻害される。これにより、サイドカットの成長が抑制されて、タイヤの耐サイドカット成長性能が向上する利点がある。また、サイドカットの成長が抑制される結果、タイヤの耐カット性能が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、サイドウォール部の平面視にて、前記突起部が網目状あるいは格子状に配置される。
この空気入りタイヤでは、サイドカットの成長が突起部の網目(格子目)によって短い距離にて阻止される。これにより、サイドカットの成長が抑制されて、タイヤの耐サイドカット成長性能が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、サイドウォール部の平面視にて、前記白色ゴム層の領域Aに複数本の前記突起部が配置されると共に、隣り合う前記突起部の間隔tが10[mm]≦t≦15[mm]の範囲内にある。
この空気入りタイヤでは、複数かつ線状の突起部が適正な間隔tを隔てて配置されるので、サイドカットの成長が効果的に抑制される。これにより、タイヤの耐サイドカット成長性能が向上する利点がある。また、タイヤの耐オゾンクラック性能が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、サイドウォール部の平面視にて、複数本の前記突起部がタイヤ径方向に対して傾斜すると共に、当該突起部とタイヤ周方向とのなす角θが30[deg]≦θ≦50[deg]の範囲内にある。
この空気入りタイヤでは、タイヤ周方向に対する突起部の傾斜角θが適正化されるので、サイドカットの成長が効果的に抑制される。これにより、タイヤの耐サイドカット成長性能が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記白色ゴム層が文字、図形あるいは記号を表す形状にてサイドウォール部の表面に露出するときに、前記白色ゴム層の露出部の周囲に前記突起部が配置される。
いわゆるホワイトレターを有するサイドウォール部では、文字等(白色ゴム層の露出部)の周囲にサイドカットが発生し易い。したがって、かかる位置に突起部が配置されることにより、サイドカットの成長が効果的に抑制される。これにより、タイヤの耐サイドカット成長性能が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記突起部が前記白色ゴム層の露出部に対してタイヤ径方向外側あるいは内側に配置される。
いわゆるホワイトレターを有するサイドウォール部では、特に、文字等(白色ゴム層の露出部)のタイヤ径方向内側あるいは外側にサイドカットが発生し易い。したがって、かかる位置に突起部が配置されることにより、サイドカットの成長がより効果的に抑制される。これにより、タイヤの耐サイドカット成長性能が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記白色ゴム層がサイドウォール部のプロファイルの一部を構成するときに、当該白色ゴム層の表面に前記突起部が配置される。
いわゆるホワイトリボンを有するサイドウォール部では、白色ゴム層の材質が黒色ゴム層よりも脆いため、白色ゴム層にサイドカットが発生し易い。したがって、かかる白色ゴム層の表面に突起部が配置されることにより、白色ゴム層に発生したサイドカットの成長が抑制される。これにより、タイヤの耐サイドカット成長性能が向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記突起部の高さhおよび幅dが0.5[mm]≦h≦1.0[mm]かつ0.5[mm]≦d≦1.0[mm]の範囲内にある。
この空気入りタイヤでは、突起部の高さhおよび幅dが適正化されるので、タイヤの耐サイドカット成長性能が適正に向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、前記突起部が前記白色ゴム層の領域Aの50[%]以上の範囲に渡って配置される。
この空気入りタイヤでは、突起部の設置範囲が適正化されるので、タイヤの耐サイドカット成長性能が適正に向上する利点がある。
また、この発明にかかる空気入りタイヤは、左右一対のビードコアと、これらのビードコア間にトロイダル状に架け渡されるカーカス層と、前記カーカス層のタイヤ径方向外周に配置されるベルト層とを有し、且つ、前記カーカス層がタイヤ幅方向外側に巻き返されて前記ビードコアを包み込むと共に前記カーカス層の端部が前記ベルト層の下方まで巻き上げられている。
近年の空気入りタイヤでは、カーカス層の端部がベルト層の下方(カーカス層とベルト層との間)まで巻き上げられている構成が採用されつつある。かかる構成では、サイドウォール部に発生したサイドカットが成長し易いことが知られている。したがって、かかる構成おいて、上記の空気入りタイヤの構成が適用されることにより、タイヤの耐カット性能がより顕著に得られる利点がある。
この発明にかかる空気入りタイヤでは、白色ゴム層の領域Aに線状の突起部が形成され、且つ、この突起部が領域Aのプロファイル面から突出する形状を有するので、白色ゴム層の領域Aにサイドカット(亀裂)が発生したときに、このサイドカットの成長が突起部によって阻害される。これにより、サイドカットの成長が抑制されて、タイヤの耐サイドカット成長性能が向上する利点がある。また、サイドカットの成長が抑制される結果、タイヤの耐カット性能が向上する利点がある。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施例の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施例に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1は、この発明の実施例1にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。図2および図3は、図1に記載した空気入りタイヤの白色ゴム層を示す拡大断面図(図2)および側面図(図3)である。図4は、図1に記載した空気入りタイヤの突起部を示す説明図である。図5〜図10は、図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。図11は、この発明の実施例にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
[空気入りタイヤ]
この空気入りタイヤ1は、ビードコア2と、ビードフィラー3と、カーカス層4と、ベルト層5と、トレッドゴム6と、サイドウォールゴム7とを含んで構成される(図1参照)。ビードコア2は、環状構造を有し、左右一対を一組として構成される。ビードフィラー3は、ビードコア2のタイヤ径方向外周に配置されてタイヤのビード部を補強する。カーカス層4は、左右のビードコア2、2間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。また、カーカス層4の両端部は、ビードフィラー3を包み込むようにタイヤ幅方向外側に折り返されて係止される。ベルト層5は、積層された複数のベルトプライ51、52から成り、カーカス層4のタイヤ径方向外周に配置される。トレッドゴム6は、カーカス層4およびベルト層5のタイヤ径方向外周に配置されてタイヤのトレッド部を構成する。サイドウォールゴム7は、ビードフィラー3およびカーカス層4のタイヤ幅方向外側に配置されてタイヤのサイドウォール部を構成する。
[ホワイトサイドウォール]
また、この空気入りタイヤ1では、サイドウォールゴム7が黒色ゴム層71および白色ゴム層72によって構成される(図1参照)。黒色ゴム層71は、例えば、カーボンにより補強されて成るジエン系ゴム材料により構成される。また、白色ゴム層72は、例えば、白色充填材が二酸化チタンおよびクレーにより補強されて成るジエン系ゴム材料により構成される。そして、黒色ゴム層71および白色ゴム層72がサイドウォール部に配置され、白色ゴム層72の一部721がサイドウォール部の表面に露出することにより、ホワイトサイドウォールが構成される。
例えば、この実施例では、タイヤ左右のサイドウォール部のうちの一方がホワイトサイドウォールとなっている(図1参照)。このホワイトサイドウォールでは、環状の白色ゴム層72がサイドウォール部の所定の領域Aに配置されており、この白色ゴム層72のタイヤ径方向外側の領域に黒色ゴム層71が配置されている。また、白色ゴム層72が文字、図形あるいは記号を表す形状にてサイドウォール部の表面に露出している(ホワイトレター)。具体的には、グリーンタイヤの成形時にて、黒色のゴム材料から成る保護層73が白色ゴム層72の表面の全域と黒色ゴム層71の一部(白色ゴム層72との境界部)とを覆って配置される。そして、タイヤ加硫後に保護層73の一部が研削されて、白色ゴム層72の一部721がサイドウォール部の表面に露出する(図3参照)。これにより、サイドウォール部の表面に白色の文字等が現れる。
ここで、サイドウォール部のうち白色ゴム層72が配置される領域Aには、突起部74が形成される(図1〜図3参照)。この突起部74は、サイドウォール部の断面視にて、領域Aのプロファイル面から突出しており、また、サイドウォール部の平面視にて、線状形状を有する。言い換えると、白色ゴム層72の領域Aには、土手状の突起部74が形成される。
例えば、この実施例では、サイドウォール部の断面視にて、突起部74が白色ゴム層72の領域Aのプロファイル面から突出して配置されている(図2参照)。すなわち、サイドウォール部では、白色ゴム層72の露出部(ホワイトレター)721が領域Aのプロファイル面(保護層73の表面)から突出しており、この露出部721の周囲の領域に土手状の突起部74が配置される。また、サイドウォール部の平面視にて、網目状の突起部74が白色ゴム層72の領域Aの略全域に渡って配置されている(図3参照)。また、突起部74が白色ゴム層72の露出部721を囲むように配置されている。なお、白色ゴム層72の露出部721には、突起部74が形成されていない。また、突起部74が略半円の断面形状を有している(図4参照)。
[効果]
この空気入りタイヤ1では、白色ゴム層72の領域Aに線状の突起部74が形成され、且つ、この突起部74が領域Aのプロファイル面から突出する形状を有するので、白色ゴム層72の領域Aにサイドカット(亀裂)が発生したときに、このサイドカットの成長が突起部74によって阻害される。これにより、サイドカットの成長が抑制されて、タイヤの耐サイドカット成長性能が向上する利点がある。また、サイドカットの成長が抑制される結果、タイヤの耐カット性能が向上する利点がある。
また、領域Aに溝が形成されてサイドカットの成長が抑制される構成(図示省略)では、例えば、白色ゴム層の表面に薄い保護層が配置されるときに、この保護層が溝によって削られて白色ゴム層が透けて見える等の問題がある。この点において、この空気入りタイヤ1では、突起部74がサイドカットの成長を抑制するので、かかる問題が生じ難い。
また、上記の構成では、サイドウォール部の肉厚を増加させて耐カット性能を向上させる構成(図示省略)と比較して、タイヤの重量が増加し難いという利点がある。
[付加的事項1]
なお、この空気入りタイヤ1では、サイドウォール部の平面視にて、突起部74が網目状あるいは格子状に配置されることが好ましい(図3参照)。すなわち、線状(土手状)の突起部74が、サイドウォール部の平面視にて網目状あるいは格子状となるように白色ゴム層72の領域Aに配置される。かかる構成では、サイドカットの成長が突起部74の網目(格子目)によって短い距離にて阻止される。これにより、サイドカットの成長が抑制されて、タイヤの耐サイドカット成長性能が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、サイドウォール部の平面視にて、白色ゴム層72の領域Aに複数本の突起部74が配置されると共に、隣り合う突起部74の間隔tが10[mm]≦t≦15[mm]の範囲内にあることが好ましい(図3参照)。かかる構成では、複数かつ線状の突起部74が適正な間隔tを隔てて配置されるので、サイドカットの成長が効果的に抑制される。これにより、タイヤの耐サイドカット成長性能が向上する利点がある。また、タイヤの耐オゾンクラック性能が向上する利点がある。例えば、t<10[mm]では、タイヤ転動時にてサイドウォール部(白色ゴム層の領域A)が歪み易くなるため、オゾンクラックが発生し易くなる。また、15[mm]<tでは、サイドカットが長尺に成長し得るため、タイヤの耐久性が低下する。
また、この空気入りタイヤ1では、サイドウォール部の平面視にて、複数本の突起部74がタイヤ径方向に対して傾斜すると共に、これらの突起部74とタイヤ周方向とのなす角(傾斜角)θが30[deg]≦θ≦50[deg]の範囲内にあることが好ましい(図3参照)。かかる構成では、タイヤ周方向に対する突起部74の傾斜角θが適正化されるので、サイドカットの成長が効果的に抑制される。これにより、タイヤの耐サイドカット成長性能が向上する利点がある。例えば、θ<30[deg]では、タイヤ径方向にかかる耐サイドカット成長性能が低下し、また、50[deg]≦θでは、タイヤ周方向にかかる耐サイドカット成長性能が低下する。
例えば、この実施例では、複数かつ直線状の突起部74が白色ゴム層72の領域Aに配置されている(図3参照)。これらの突起部74は、タイヤ径方向に対して所定の傾斜角θにて傾斜しており、また、サイドウォール部の平面視にて、略網目状に配列されている。また、これらの突起部74は、白色ゴム層72の露出部721の周囲(保護層73の表面)に配置されている。これらの突起部74によって、白色ゴム層72の領域Aが細分化されている。また、隣り合う突起部74の間隔tならびに各突起部74の傾斜角θが所定の範囲内(10[mm]≦t≦15[mm]、30[deg]≦θ≦50[deg])に設定されている。
なお、上記に限らず、複数かつ直線状の突起部74が交差することなく縞状に配置されても良い(図5〜図7参照)。また、この場合にも、隣り合う突起部74の間隔tならびに各突起部74の傾斜角θが所定の範囲内(10[mm]≦t≦15[mm]、30[deg]≦θ≦50[deg])に設定されることが好ましい(図5参照)。ただし、これに限らず、突起部74がタイヤ周方向(図6参照)あるいはタイヤ径方向(図7参照)に延在しても良い。また、上記に限らず、サイドウォール部の平面視にて、単一の突起部74がタイヤ周方向に沿って延在しても良い(図示省略)。これらの構成としても、サイドカットの抑制効果が得られる。
[付加的事項2]
また、この空気入りタイヤ1では、白色ゴム層72が文字、図形あるいは記号を表す形状にてサイドウォール部の表面に露出するときに(ホワイトレター)、この白色ゴム層72の露出部721の周囲に突起部74が配置されることが好ましい(図3参照)。すなわち、突起部74が白色ゴム層72の露出部721の周りを囲んで配置されることが好ましい。いわゆるホワイトレターを有するサイドウォール部では、文字等(白色ゴム層の露出部)の周囲にサイドカットが発生し易い。したがって、かかる位置に突起部74が配置されることにより、サイドカットの成長が効果的に抑制される。これにより、タイヤの耐サイドカット成長性能が向上する利点がある。
また、この空気入りタイヤ1では、突起部74が白色ゴム層72の露出部721に対してタイヤ径方向外側あるいは内側に配置されることが好ましい(図2および図3参照)。いわゆるホワイトレターを有するサイドウォール部では、特に、文字等(白色ゴム層の露出部)のタイヤ径方向内側あるいは外側にサイドカットが発生し易い。したがって、かかる位置に突起部74が配置されることにより、サイドカットの成長がより効果的に抑制される。これにより、タイヤの耐サイドカット成長性能が向上する利点がある。
[付加的事項3]
また、この空気入りタイヤ1では、上記のように、白色ゴム層72が文字、図形あるいは記号を表す形状にてサイドウォール部の表面に露出するときに(ホワイトレター)、突起部74が白色ゴム層72の露出部721を囲むように配置されている(図3参照)。
しかし、これに限らず、白色ゴム層72がサイドウォール部のプロファイルの一部を構成するときに(ホワイトリボン)、この白色ゴム層72の表面に突起部74が配置されても良い(図8〜図10参照)。すなわち、白色ゴム層72の周囲のみならず、白色ゴム層72自体に突起部74が形成されても良い。いわゆるホワイトリボンを有するサイドウォール部では、白色ゴム層の材質が黒色ゴム層よりも脆いため、白色ゴム層にサイドカットが発生し易い。したがって、かかる白色ゴム層72の表面に突起部74が配置されることにより、白色ゴム層72に発生したサイドカットの成長が抑制される。これにより、タイヤの耐サイドカット成長性能が向上する利点がある。
例えば、この実施例では、白色ゴム層72の一部721がサイドウォール部のプロファイルの一部を構成している(図8および図9参照)。白色ゴム層72の露出部721は、サイドウォール部の平面視にて、タイヤ周方向に沿った環状形状を有している。そして、この露出部721に複数本かつ線状の突起部74が形成されている。これらの突起部74は、サイドウォール部の平面視にて、所定の間隔tを隔てつつ網目状に配置されている。なお、突起部74の網目の方向は、タイヤ径方向およびタイヤ周方向に対して傾斜していても良いし(図9参照)、タイヤ径方向およびタイヤ周方向に沿っていても良い(図10参照)。
[付加的事項4]
また、この空気入りタイヤ1では、突起部74の高さhおよび幅dが0.5[mm]≦h≦1.0[mm]かつ0.5[mm]≦d≦1.0[mm]の範囲内にあることが好ましい(図4参照)。かかる構成では、突起部74の高さhおよび幅dが適正化されるので、タイヤの耐サイドカット成長性能が適正に向上する利点がある。例えば、h<0.5[mm]あるいはd<0.5[mm]では、サイドカットの成長が十分に抑制されないため、タイヤの耐サイドカット成長性能が向上し難い。また、1.0[mm]<hあるいは1.0[mm]<dでは、突起部の付け根を起点としたクラックが発生するおそれがある。また、突起部が大き過ぎると、例えば、突起部が保護層の表面に形成される構成(図2参照)にて、保護層のゴム材料が突起部に吸われ過ぎるため保護層が薄くなるおそれがある。
また、この空気入りタイヤ1では、突起部74が白色ゴム層72の領域Aの50[%]以上の範囲に渡って配置されることが好ましい(図3および図9参照)。かかる構成では、突起部74の設置範囲が適正化されるので、タイヤの耐サイドカット成長性能が適正に向上する利点がある。
[付加的事項5]
また、近年の空気入りタイヤでは、カーカス層4の端部がベルト層5の下方(カーカス層4とベルト層5との間)まで巻き上げられている構成が採用されつつある(図1参照)。かかる構成では、カーカス層が2層構造を有する構成と比較して、タイヤが軽量化され、また、タイヤの耐久性能が向上する点で好ましい。
ここで、かかる構成では、サイドウォール部に発生したサイドカットが成長し易いことが知られている。したがって、かかる構成おいて、上記の空気入りタイヤ1の構成が適用されることにより、タイヤの耐カット性能がより顕著に得られる利点がある。
[性能試験]
この実施例では、条件が異なる複数の空気入りタイヤについて、(1)耐カット性能、(2)耐サイドカット成長性能および(3)耐オゾンクラック性能に関する性能試験が行われた(図11参照)。この性能試験では、タイヤサイズP215/75R15の空気入りタイヤがリムサイズ15×6JJのリムに組み付けられ、この空気入りタイヤに180[kPa]の内圧およびTRAの規定荷重が付与される。
(1)耐カット性能に関する性能試験では、空気入りタイヤを装着した試験車両がテストコースに設置された縁石を乗り越す。また、試験車両の走行速度が10[km/h]から2.5[km/h]ずつ増加されて複数回の試験が行われる。そして、サイドウォール部にカット破損(サイドカット)が発生したときの走行速度が記録されて、評価が行われる。評価は、従来例を基準(100)とした指数評価により行われ、その数値が大きいほど好ましい。
(2)耐サイドカット成長性能に関する性能試験では、空気入りタイヤのサイドウォール部表面に長さ5[mm]、深さ1.5[mm]の大きさでラジアル方向に対して45[°]の角度でメスカットが入れられる。そして、この空気入りタイヤがホイールに組み付けられ、直径1707[mm]かつ平滑な表面の鋼製ドラム試験機に装着される。そして、この空気入りタイヤに空気圧180[kPa]、荷重5.89[N]が付与され、速度81[km/h]の走行条件にて5000[km]の走行が行われる。この走行後に、亀裂成長したメスカットの長さが測定されて、評価が行われる。評価は、従来例を基準(100)とした指数評価により行われ、その数値が大きいほど好ましい。
(3)耐オゾンクラック性能に関する性能試験では、タイヤのサイドトレッド部から切り出された試験片が用いられる。そして、この試験片が静的オゾン試験機にかけられ、オゾン濃度100[pphm]、温度50[℃]および伸長率40[%]の状態で168時間暴露される。そして、試験片に発生したクラックが観察されて評価が行われる。評価は、従来例を基準(100)とした指数評価により行われ、その数値が大きいほど好ましい。
従来例1および発明例1〜9の空気入りタイヤは、ホワイトサイドウォール(ホワイトリボン)を有する。従来例1の空気入りタイヤは、その白色ゴム層に、何ら加工が施されていない。一方、発明例1〜9の空気入りタイヤ1は、その白色ゴム層72に格子状の突起部74(タイヤ周方向に対する突起部74の傾斜角θなし。図10参照。)あるいは網目状の突起部74(タイヤ周方向に対する突起部74の傾斜角θあり。図9参照。)が形成されている。
試験結果に示すように、発明例1〜9の空気入りタイヤ1では、タイヤの耐カット性能および耐サイドカット成長性能が向上することが分かる(図11参照)。また、発明例1〜4を比較すると、突起部74の間隔tが適正化されることにより、タイヤの耐オゾンクラック性能が維持されることが分かる。また、発明例5〜9を比較すると、突起部74の傾斜角θが適正化されることにより、タイヤ径方向の耐サイドカット性能とタイヤ周方向の耐サイドカット性能とが両立されることが分かる。
以上のように、この発明にかかる空気入りタイヤは、タイヤの耐サイドカット成長性能を向上できる点で有用である。
図1は、この発明の実施例1にかかる空気入りタイヤを示すタイヤ子午線方向の断面図である。 図1に記載した空気入りタイヤの白色ゴム層を示す拡大断面図である。 図1に記載した空気入りタイヤの白色ゴム層を示す側面図である。 図1に記載した空気入りタイヤの突起部を示す説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 図1に記載した空気入りタイヤの変形例を示す説明図である。 この発明の実施例にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
2 ビードコア
3 ビードフィラー
4 カーカス層
5 ベルト層
51〜53 ベルトプライ
6 トレッドゴム
7 サイドウォールゴム
71 黒色ゴム層
72 白色ゴム層
721 露出部
73 保護層
74 突起部

Claims (10)

  1. サイドウォール部が黒色ゴム層および白色ゴム層を有すると共に、前記白色ゴム層がサイドウォール部の表面に露出することによりホワイトサイドウォールが形成されている空気入りタイヤであって、
    サイドウォール部のうち前記白色ゴム層が配置される領域Aに線状の突起部が配置されると共に、前記突起部が領域Aのプロファイル面から突出する形状を有することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. サイドウォール部の平面視にて、前記突起部が網目状あるいは格子状に配置される請求項1のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  3. サイドウォール部の平面視にて、前記白色ゴム層の領域Aに複数本の前記突起部が配置されると共に、隣り合う前記突起部の間隔tが10[mm]≦t≦15[mm]の範囲内にある請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. サイドウォール部の平面視にて、複数本の前記突起部がタイヤ径方向に対して傾斜すると共に、当該突起部とタイヤ周方向とのなす角θが30[deg]≦θ≦50[deg]の範囲内にある請求項1〜3のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記白色ゴム層が文字、図形あるいは記号を表す形状にてサイドウォール部の表面に露出するときに、前記白色ゴム層の露出部の周囲に前記突起部が配置される請求項1〜4のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記突起部が前記白色ゴム層の露出部に対してタイヤ径方向外側あるいは内側に配置される請求項5に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記白色ゴム層がサイドウォール部のプロファイルの一部を構成するときに、当該白色ゴム層の表面に前記突起部が配置される請求項1〜4のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記突起部の高さhおよび幅dが0.5[mm]≦h≦1.0[mm]かつ0.5[mm]≦d≦1.0[mm]の範囲内にある請求項1〜7のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記突起部が前記白色ゴム層の領域Aの50[%]以上の範囲に渡って配置される請求項1〜8のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
  10. 左右一対のビードコアと、これらのビードコア間にトロイダル状に架け渡されるカーカス層と、前記カーカス層のタイヤ径方向外周に配置されるベルト層とを有し、且つ、前記カーカス層がタイヤ幅方向外側に巻き返されて前記ビードコアを包み込むと共に前記カーカス層の端部が前記ベルト層の下方まで巻き上げられている請求項1〜9のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
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