JP7043855B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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また、ドット孔はサイドウォール部の表面から略垂直に凹んだ形状を有するので、タイヤの使用に伴ってドット孔にクラックが発生し、サイドゴムの深さ方向に、さらに、サイドウォール部の表面に沿ってクラックが進展することは、サイドゴムの耐久性、ひいては空気入りタイヤの耐久性の点から好ましくない。
一対の円環状のビードコアと、
前記一対のビードコアに巻きまわして、前記一対のビードコア間に設けられトロイダル状を成した少なくとも1枚のカーカスプライと、
前記カーカスプライのタイヤ径方向外側の、前記空気入りタイヤのタイヤ赤道線上に配置した積層ベルトと、
前記ビードコア、前記カーカスプライ、及び前記積層ベルトの周りを覆うように設けられたゴム部材と、を備える。
前記ゴム部材のうち、前記空気入りタイヤのサイドウォール部の表面に、表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成した矩形形状の二次元コードが設けられ、
前記二次元コードの設けられたタイヤ径方向の配置範囲に対して、タイヤ径方向外側に、前記カーカスプライのカーカスプライ端が位置するように構成されており、
前記二次元コードのタイヤ径方向外側の最外端から前記カーカスプライ端までの、タイヤ径方向に沿った距離は、前記二次元コードのタイヤ径方向に沿った長さの5%以上である。
一対の円環状のビードコアと、
前記一対のビードコアに巻きまわして、前記一対のビードコア間に設けられトロイダル状を成した少なくとも1枚のカーカスプライと、
前記カーカスプライのタイヤ径方向外側の、前記空気入りタイヤのタイヤ赤道線上に配置した積層ベルトと、
前記ビードコア、前記カーカスプライ、及び前記積層ベルトの周りを覆うように設けられたゴム部材と、を備え、
前記ゴム部材のうち、前記空気入りタイヤのサイドウォール部の表面に、表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成した矩形形状の二次元コードが設けられ、
前記二次元コードの設けられたタイヤ径方向の配置範囲に対して、タイヤ径方向外側に、前記カーカスプライのカーカスプライ端が位置するように構成されており、
前記ビードコアのタイヤ径方向の最も内側の位置から前記カーカスプライ端までのタイヤ径方向に沿った距離Lに対する、前記ビードコアのタイヤ径方向の最も内側の位置から前記二次元コードのタイヤ径方向外側の最外端までのタイヤ径方向に沿った距離Aの比A/Lは、90%以下である。
一対の円環状のビードコアと、
前記一対のビードコアに巻きまわして、前記一対のビードコア間に設けられトロイダル状を成した少なくとも1枚のカーカスプライと、
前記カーカスプライのタイヤ径方向外側の、前記空気入りタイヤのタイヤ赤道線上に配置した積層ベルトと、
前記ビードコア、前記カーカスプライ、及び前記積層ベルトの周りを覆うように設けられたゴム部材と、を備え、
前記ゴム部材のうち、前記空気入りタイヤのサイドウォール部の表面に、表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成した矩形形状の二次元コードが設けられ、
前記二次元コードの設けられたタイヤ径方向の配置範囲に対して、タイヤ径方向外側あるいはタイヤ径方向内側に、前記カーカスプライのカーカスプライ端が位置するように構成されており、
前記カーカスプライのカーカスコードの、25℃における5%の引っ張り弾性率と100℃における5%の引っ張り弾性率との差は、25℃における5%の引っ張り弾性率の20%以下である。
前記カーカスプライに含まれるカーカスコードは、例えば、天然高分子化合物から生成された再生繊維である。
一対の円環状のビードコアと、
前記一対のビードコアに巻きまわして、前記一対のビードコア間に設けられトロイダル状を成した少なくとも1枚のカーカスプライと、
前記カーカスプライのタイヤ径方向外側の、前記空気入りタイヤのタイヤ赤道線上に配置した積層ベルトと、
前記ビードコア、前記カーカスプライ、及び前記積層ベルトの周りを覆うように設けられたゴム部材と、を備え、
前記ゴム部材のうち、前記空気入りタイヤのサイドウォール部の表面に、表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成した矩形形状の二次元コードが設けられ、
前記二次元コードの設けられたタイヤ径方向の配置範囲に対して、タイヤ径方向外側あるいはタイヤ径方向内側に、前記カーカスプライのカーカスプライ端が位置するように構成されており、
前記ビードコアのタイヤ径方向の最も内側の位置からタイヤ最大外径位置までのタイヤ径方向に沿った断面高さをSHとしたとき、前記ビードコアのタイヤ径方向の最も内側の位置から前記二次元コードのタイヤ径方向における中心位置までのタイヤ径方向に沿った距離Hは、前記断面高さSHの70%以下である。
本明細書において、タイヤ幅方向は、空気入りタイヤの回転軸と平行な方向である。タイヤ幅方向外側は、タイヤ幅方向において、タイヤ赤道面を表すタイヤ赤道線CL(図1参照)から離れる側である。また、タイヤ幅方向内側は、タイヤ幅方向において、タイヤ赤道線CLに近づく側である。タイヤ周方向は、空気入りタイヤの回転軸を回転の中心として回転する方向である。タイヤ径方向は、空気入りタイヤの回転軸に直交する方向である。タイヤ径方向外側は、前記回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ径方向内側は、前記回転軸に近づく側をいう。
図1は、本実施形態の空気入りタイヤ10(以降、単にタイヤ10という)の構成の一例を示す図である。図1は、タイヤ赤道線CLに対してタイヤ幅方向の一方の側のプロファイル断面を示す。
この他に、ベルト材14bとトレッドゴム部材18との間には、ベルト14のタイヤ径方向外側からベルト14を覆う、有機繊維をゴムで被覆した3層のベルトカバー30を備える。ベルトカバー30は、必要に応じて設ければよく、必須ではない。ベルトカバー30の層数も3枚に限定されず、1枚あるいは2枚であってもよい。
このようなタイヤ10のサイドウォール部10Sの表面に二次元コード40(図1では太線で表示されている)が設けられている。
図2(a),(b)は、一実施形態の二次元コード40の例を説明する図である。
二次元コード40は、図1に示すように、サイドウォール部10Sのサイドゴム部材20の表面に刻印されている。一実施形態によれば、二次元コード40は、タイヤ幅方向の両側にあるサイドウォール部10Sの双方の、サイドゴム部材20の表面に形成される。別の一実施形態によれば、いずれか一方のサイドウォール部10Sのサイドゴム部材20の表面に形成される。
二次元コード40は、表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成したものである。本実施形態の二次元コード40は、レーザ光をサイドウォール部10Sの表面で集束させてエネルギを集中しサイドゴム部材20を局所的に加熱焼却して表面に微小なドット孔40a(図2(b)参照)を複数刻印することにより形成されたパターンである。ドット孔40aは、例えば円錐形状の孔であり、トレッド表面における直径は、例えば0.1~1.0mmであり、深さは、例えば0.3~1.0mmである。
二次元コード40は、図2(a)に示すように、二次元コード40の濃淡要素を区分けする単位セルのうち濃領域の単位セル領域に1つのドット孔40a(凹部)が設けられて構成されている。すなわち、二次元コード40は、格子状に分割した同一サイズの矩形形状の複数の単位セル領域に対応して、1つのドット孔40aが濃淡要素の濃い1つの単位セル領域を形成するように、ドット孔40aが配置された構成を有する。図2(a)中、単位セル領域の濃領域は、黒く塗りつぶされた領域で示されている。
図2(a)に示す二次元コード40はQRコード(登録商標)であるので、ドットパターン領域42は、QRコード(登録商標)のデータセルを表示したデータセル領域42aと、切り出しシンボルを表示した切り出しシンボル領域42bとを含む。
このようなカーカスプライ12のカーカスコードは、天然高分子化合物から生成された再生繊維であることが好ましい。再生繊維のなかで、特にレーヨン繊維を好適に用いることができる。
図3に示すタイヤ10のカーカスプライ端12eは、ビードフィラーゴム部材22のタイヤ径方向外側の先端よりもタイヤ径方向内側に位置し、カーカスプライ12の折り返し高さが低い構成のタイヤである。このようなタイヤ10でも、カーカスプライ端12のタイヤ径方向の位置は二次元コード40の配置範囲から外れるように構成されている。
図4に示すタイヤ10では、カーカスプライ12がプライ12aとプライ12bの2層で構成されている。プライ12aとプライ12bのカーカスプライ端12ae及びカーカスプライ端12beのタイヤ径方向の位置は、二次元コード40の配置範囲から外れるように構成されている。このように、カーカスプライ12が2層あり、2つのカーカスプライ端があるとき、2つのカーカスプライ端のタイヤ径方向の位置はいずれも、二次元コード40の配置範囲から外れるように構成されていることが好ましい。
タイヤ10の効果を確認するために、二次元コード40、具体的にはQRコード(登録商標)をサイドウォール部10Sに刻印したタイヤを作製した。タイヤに対して、オゾン濃度100pphmの条件でオゾン照射をした後、FMVSS139に準拠した低圧試験(XL:空気圧160kPa、荷重100%LI)による室内ドラム走行(速度120km/時)を行いつつ、上記濃度のオゾン照射を所定の時間間隔で行って、1.5時間走行させた。この試験は、タイヤの長期使用によるタイヤの劣化を再現したものである。
実施例、比較例それぞれについて、二次元コード40を設けたタイヤを10本ずつ用意して上記試験を行った。
下記表1,2に各仕様と評価結果を示す。
表1中の“カーカスプライ端の位置”とは、カーカスプライ端12eの位置がタイヤ径方向の二次元コードの配置範囲内にあるか、配置範囲外にあるかを意味する。配置範囲外では、いずれもカーカスプライ端12eが、配置範囲に対してタイヤ径方向外側にあるようにした。
また、実施例1~4の比較より、二次元コード40のタイヤ径方向外側の最外端からカーカスプライ端12eまでの、タイヤ径方向に沿った距離(L-A)は、二次元コード40のタイヤ径方向に沿った長さの5%以上であることが、タイヤを長期使用した時の二次元コード40の読み取り性の低下を抑制する点から好ましいことがわかる。
10T トレッド部
10S サイドウォール部
10B ビード部
12 カーカスプライ
12a,12b プライ
12ae,12be,12e カーカスプライ端
14 ベルト
14a,14b ベルト材
16 ビードコア
18 トレッドゴム部材
20 サイドゴム部材
22 ビードフィラーゴム部材
24 リムクッションゴム部材
26 インナーライナゴム部材
30 ベルトカバー
40 二次元コード
42 ドットパターン領域
42a データセル領域
42b 切り出しシンボル領域
44 空白領域
Claims (8)
- 空気入りタイヤであって、
一対の円環状のビードコアと、
前記一対のビードコアに巻きまわして、前記一対のビードコア間に設けられトロイダル状を成した少なくとも1枚のカーカスプライと、
前記カーカスプライのタイヤ径方向外側の、前記空気入りタイヤのタイヤ赤道線上に配置した積層ベルトと、
前記ビードコア、前記カーカスプライ、及び前記積層ベルトの周りを覆うように設けられたゴム部材と、を備え、
前記ゴム部材のうち、前記空気入りタイヤのサイドウォール部の表面に、表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成した矩形形状の二次元コードが設けられ、
前記二次元コードの設けられたタイヤ径方向の配置範囲に対して、タイヤ径方向外側に、前記カーカスプライのカーカスプライ端が位置するように構成されており、
前記二次元コードのタイヤ径方向外側の最外端から前記カーカスプライ端までの、タイヤ径方向に沿った距離は、前記二次元コードのタイヤ径方向に沿った長さの5%以上である、ことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 空気入りタイヤであって、
一対の円環状のビードコアと、
前記一対のビードコアに巻きまわして、前記一対のビードコア間に設けられトロイダル状を成した少なくとも1枚のカーカスプライと、
前記カーカスプライのタイヤ径方向外側の、前記空気入りタイヤのタイヤ赤道線上に配置した積層ベルトと、
前記ビードコア、前記カーカスプライ、及び前記積層ベルトの周りを覆うように設けられたゴム部材と、を備え、
前記ゴム部材のうち、前記空気入りタイヤのサイドウォール部の表面に、表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成した矩形形状の二次元コードが設けられ、
前記二次元コードの設けられたタイヤ径方向の配置範囲に対して、タイヤ径方向外側に、前記カーカスプライのカーカスプライ端が位置するように構成されており、
前記ビードコアのタイヤ径方向の最も内側の位置から前記カーカスプライ端までのタイヤ径方向に沿った距離Lに対する、前記ビードコアのタイヤ径方向の最も内側の位置から前記二次元コードのタイヤ径方向外側の最外端までのタイヤ径方向に沿った距離Aの比A/Lは、90%以下である、ことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 空気入りタイヤであって、
一対の円環状のビードコアと、
前記一対のビードコアに巻きまわして、前記一対のビードコア間に設けられトロイダル状を成した少なくとも1枚のカーカスプライと、
前記カーカスプライのタイヤ径方向外側の、前記空気入りタイヤのタイヤ赤道線上に配置した積層ベルトと、
前記ビードコア、前記カーカスプライ、及び前記積層ベルトの周りを覆うように設けられたゴム部材と、を備え、
前記ゴム部材のうち、前記空気入りタイヤのサイドウォール部の表面に、表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成した矩形形状の二次元コードが設けられ、
前記二次元コードの設けられたタイヤ径方向の配置範囲に対して、タイヤ径方向外側あるいはタイヤ径方向内側に、前記カーカスプライのカーカスプライ端が位置するように構成されており、
前記カーカスプライのカーカスコードの、25℃における5%の引っ張り弾性率と100℃における5%の引っ張り弾性率との差は、25℃における5%の引っ張り弾性率の20%以下である、ことを特徴とするに記載の空気入りタイヤ。 - 前記カーカスプライに含まれるカーカスコードは、天然高分子化合物から生成された再生繊維である、請求項1~3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記二次元コードは、リッジが形成されない平滑面に設けられている、請求項1~4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記二次元コードが配置される前記配置範囲におけるサイドゴム部材の厚さは2.5mm以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 空気入りタイヤであって、
一対の円環状のビードコアと、
前記一対のビードコアに巻きまわして、前記一対のビードコア間に設けられトロイダル状を成した少なくとも1枚のカーカスプライと、
前記カーカスプライのタイヤ径方向外側の、前記空気入りタイヤのタイヤ赤道線上に配置した積層ベルトと、
前記ビードコア、前記カーカスプライ、及び前記積層ベルトの周りを覆うように設けられたゴム部材と、を備え、
前記ゴム部材のうち、前記空気入りタイヤのサイドウォール部の表面に、表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成した矩形形状の二次元コードが設けられ、
前記二次元コードの設けられたタイヤ径方向の配置範囲に対して、タイヤ径方向外側あるいはタイヤ径方向内側に、前記カーカスプライのカーカスプライ端が位置するように構成されており、
前記ビードコアのタイヤ径方向の最も内側の位置からタイヤ最大外径位置までのタイヤ径方向に沿った断面高さをSHとしたとき、前記ビードコアのタイヤ径方向の最も内側の位置から前記二次元コードのタイヤ径方向における中心位置までのタイヤ径方向に沿った距離Hは、前記断面高さSHの70%以下である、ことを特徴とする記載の空気入りタイヤ。 - 前記二次元コードは、前記空気入りタイヤのタイヤ幅方向の両側のサイドウォール部のそれぞれに設けられている、請求項1~7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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