JP7417111B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
このように、車両に装着した空気入りタイヤに設けられた二次元コードの読み取りが困難になる頻度は低いことが好ましく、空気入りタイヤを長期使用しても上記頻度の増大が小さいことが好ましい。すなわち、車両に装着した空気入りタイヤの初期使用状態のみならず、長期使用した状態でも、二次元コードを安定して読み取ることが好ましい。
前記空気入りタイヤのサイドウォール部の表面に、前記表面に沿って突出し、突出先端面が平面となった突出台座が設けられる。
前記突出台座の前記平面に、表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成した二次元コードが設けられており、
前記空気入りタイヤがリム組み及び空気充填されない状態で、前記平面の法線方向は、前記空気入りタイヤのタイヤ幅方向に対して10度~45度の範囲内で前記空気入りタイヤの回転軸に向くように傾斜している。
前記空気入りタイヤがリム組み及び空気充填されない状態で、前記矩形形状の2辺の比は0.8~1.2である、ことが好ましい。
また、前記平面の面積に対する前記二次元コードの占有面積の比は、40%~90%である、ことが好ましい。
前記突出台座の突出高さのうち最小突出高さは、前記ドット孔の孔深さの寸法よりも大きい、ことが好ましい。
本明細書において、タイヤ幅方向は、空気入りタイヤの回転軸と平行な方向である。タイヤ幅方向外側は、タイヤ幅方向において、タイヤ赤道面を表すタイヤ赤道線CL(図1参照)から離れる側である。また、タイヤ幅方向内側は、タイヤ幅方向において、タイヤ赤道線CLに近づく側である。タイヤ周方向は、空気入りタイヤの回転軸を回転中心として回転する方向である。タイヤ径方向は、空気入りタイヤの回転軸に直交する方向である。タイヤ径方向外側は、前記回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ径方向内側は、前記回転軸に近づく側をいう。
図1は、一実施形態の空気入りタイヤ10(以降、単にタイヤ10という)の構成の一例を示す図である。図1は、タイヤ赤道線CLに対してタイヤ幅方向の一方の側のプロファイル断面を示す。
この他に、ベルト材14bとトレッドゴム18との間には、ベルト14のタイヤ径方向外側からベルト14を覆う、有機繊維をゴムで被覆した3層のベルトカバー30を備える。ベルトカバー30は、必要に応じて設ければよく、必須ではない。ベルトカバー30の層数も3枚に限定されず、1枚あるいは2枚であってもよい。
このようなタイヤ10のサイドウォール部10Sの表面に二次元コード40が設けられている。図1では、2次元コード40の配置位置は太線で示されている。
図2(a)は、タイヤ10のサイドウォール部10Sの表面に設けられた一実施形態の二次元コード40の例を説明する図である。図2(b)は、二次元コード40の表面凹凸の一例を説明する図である。
サイドウォール部10Sのいずれか一方には、サイドゴム20の表面に、二次元コード40が刻印されている。二次元コード40は、表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成したものである。二次元コード40は、レーザ光をサイドウォール部10Sの表面に集めてエネルギを集中しサイドゴム20を局所的に加熱焼却して表面に微小なドット孔40aを複数刻印することにより形成されたパターンである。ドット孔40aは、例えば円錐形状の孔であり、トレッド表面における直径は、例えば0.1~1.0mmであり、孔深さb(図2(b)参照)は、例えば0.3~1.0mmである。
二次元コード40は、二次元コードの濃淡要素を区分けする単位セルのうち濃領域の単位セル領域に1つのドット孔(凹部)が設けられて構成されている。単位セルのうち淡い領域の単位セル領域には、ドット孔(凹部)は設けられない。すなわち、二次元コード40は、格子状に分割した同一サイズの矩形形状の複数の単位セル領域に対応して、ドット孔(凹部)それぞれが濃淡要素の濃い1つの単位セル領域を形成するように、ドット孔(凹部)が配置された構成を有する。図2(a)中、単位セル領域の濃領域は、黒く塗りつぶされた領域で示されている。
図2(a)に示す二次元コード40はQRコード(登録商標)であるので、ドットパターン領域42は、QRコード(登録商標)のデータセルを表示したデータセル領域42aと、切り出しシンボルを表示した切り出しシンボル領域42bと、を含む。
突出台座38の平面に二次元コード40が設けられている。突出台座38の、サイドウォール部10Sの湾曲面からの突出高さは、例えば1.0~3.0mmであり、湾曲面からの突出高さは、略一定であることが好ましい。略一定とは、突出高さのうち最大突出高さの最小突出高さに対する比率が120%以下であることをいう。
さらに、タイヤ10がリム組み及び空気充填されない状態で、突出台座38の平面の法線方向N(図1参照)は、タイヤ10のタイヤ幅方向X(図1参照)に対して傾斜角度θ=10度~45度の範囲内でタイヤ10の回転軸AXの側に向くように傾斜している。
ここで、突出高さが、上記略一定の突出高さを有さない場合、例えば、最大突出高さの最小突出高さに対する比率が120%を超える場合、二次元コード40のドット孔40aを設けるために必要な突出高さを超える突出高さの部分が生じ、この部分は不要部分となる。この不要部分の局所的な重量増加により、タイヤ10のユニフォーミティや重量バランスが低下する。この点で、突出高さが上記略一定の突出高さを有さないことは好ましくない。
すなわち、タイヤ10を車両に装着しても、二次元コード40の読み取りを安定して行うことができ、長期使用しても、二次元コード40の読み取りを安定して行うことができる。
リムプロテクトバーの突出端、及びホワイトレター表示部の突出端とは、突出高さが最大となる部分をいい、突出端が平坦な場合、平坦な部分すべてをいう。
上述の実施形態の効果を確認するために、二次元コード40(具体的には、QRコード(登録商標))のタイヤ径方向の配置位置が異なるタイヤ10(タイヤサイズ:195/65R15 91H)を種々作製し、タイヤ10の長期使用時の二次元コード40の読み取り性の試験を行った。タイヤ10のタイヤ構成は、図1に示す構成とした。
二次元コード40のドット孔40aの内径は、0.5mmとし、深さを0.7mmとした。QRコード(登録商標)の大きさは15mm×15mmとした。
突出台座38の平均突出高さは、1.0mmとした。
タイヤ10は、初期時(新品時)と長期使用時の2つの条件で評価した(初期読み取り性、長期使用読み取り性)。タイヤ10の長期使用については、長期使用を模擬した所定の条件で、室内ドラム上でタイヤ10のドラム試験を行った。ドラム試験内容は、FMVSS139に基づく低圧試験である(リムサイズ 15×6J、XL:160kPa、荷重100%LI)。長期使用を模擬した所定の条件として、具体的には、タイヤ10に対して、オゾン濃度100pphmの条件でオゾン照射をしつつ、時速81km/時の速度で10000km走行させた。走行後、二次元コード40が、タイヤ回転中心に対して、路面側(下側)、路面と反対側(上側)、あるいは横側のように、タイヤ周上の各位置にあるような照明光の当て方を再現して携帯端末で二次元コード40の読み取りの可否を調べた。初期読み取りについても、二次元コード40が、タイヤ回転中心に対して、接地する路面側(下側)、路面と反対側(上側)、あるいは横側のように、タイヤ周上の各位置にあるような照明光の当て方を再現して携帯端末で二次元コード40の読み取りの可否を調べた。
10T トレッド部
10S サイドウォール部
10B ビード部
12 カーカスプライ
14 ベルト
14a,14b ベルト材
16 ビードコア
18 トレッドゴム
20 サイドゴム
22 ビードフィラーゴム
24 リムクッションゴム
26 インナーライナゴム
30 ベルトカバー
38 突出台座
40 二次元コード
40a ドット孔
41 最大幅位置
42 ドットパターン領域
42a データセル領域
42b 切り出しシンボル領域
44 空白領域
Claims (10)
- 空気入りタイヤであって、
前記空気入りタイヤのサイドウォール部の表面に、前記表面に沿って突出し、突出先端面が平面となった突出台座が設けられ、
前記突出台座の前記平面に、表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成した二次元コードが設けられており、
前記空気入りタイヤがリム組及び空気充填をした状態で、前記平面の法線方向は、前記空気入りタイヤのタイヤ幅方向に対して30度~45度の範囲内で前記空気入りタイヤの回転軸の側に向くように傾斜しており、
前記空気入りタイヤのビードコアのタイヤ径方向の最も内側の位置から前記突出台座の前記平面のタイヤ径方向の中心位置までの、タイヤ径方向に沿った長さをH1とし、前記ビードコアのタイヤ径方向の最も内側の位置から前記サイドウォール部の湾曲面のタイヤ幅方向の最大幅位置までのタイヤ径方向に沿った高さをH0として、比H1/H0は、0.3~0.8である、ことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記平面は、前記突出先端面である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記平面は、矩形形状であり、
前記矩形形状の2辺の比は0.8~1.2である、請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤ。 - 前記平面の面積に対する前記二次元コードの占有面積の比は、40%~90%である、請求項3に記載の空気入りタイヤ。
- 前記突出台座は、リムプロテクトバーの突出端、及び文字あるいは記号を白色で表示するために前記サイドウォール部の湾曲面に対して突出させた文字表示部の突出端から、離間した位置に設けられる、請求項1~4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記突出台座の突出高さのうち最大突出高さの最小突出高さに対する比率は120%以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ドットパターンのうち濃要素は、前記平面に設けられたドット孔により構成され、
前記突出台座の突出高さのうち最小突出高さは、前記ドット孔の孔深さの寸法よりも大きい、請求項1~6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。 - 前記二次元コードが設けられる前記突出台座は、タイヤ回転中心に対してタイヤ周上の対向する2箇所の位置それぞれに設けられる、請求項1~7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記二次元コードが設けられる前記突出台座は、前記空気入りタイヤのタイヤ幅方向の両側のサイドウォールそれぞれに設けられている、請求項1~8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
- 前記比H1/H0は、0.4~0.6である、請求項1~9のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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