JPWO2019124253A1 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

空気入りタイヤのサイドウォール部の表面には、一方向に連続して延びる複数のリッジが間隔をあけて設けられたリッジ模様領域と、前記リッジが設けられず、平滑面で構成された非リッジ模様領域と、表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成した二次元コードと、を備える。二次元コードは、前記二次元コードすべてが前記リッジ模様領域に重なるように刻印され、あるいは、前記二次元コードが、前記リッジ模様領域及び前記非リッジ模様領域に重なるように刻印されている。

Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、具体的には、タイヤのサイドウォール部に刻印した二次元コードを備える空気入りタイヤに関する。
近年、タイヤのサイドウォール部に、情報を記録した識別コードとして二次元コードを設けることが提案されている。二次元コードは、一次元コードに較べて多くの情報を含ませることができるので、種々の情報を二次元コードに含ませて、タイヤを管理することができる。特に、タイヤのサイドウォール部に、所定のドット孔のパターンで刻印することで、タイヤのサイドウォール部に二次元コードを設けることが提案されている(特許文献1)。
タイヤのサイドウォール部に、所定のドット孔のパターンを刻印することで形成した二次元コードは、タイヤ側面部が摩耗しない限りは消滅しないので、タイヤの管理を有効に行うことができる。
国際公開第2005/000714号
このような二次元コードを刻印して複数のドット孔を設けた空気入りタイヤは、新品時において二次元コードの読み取りは十分可能であるが、屋外の環境下、荷重を負荷して転動した場合に二次元コードの読み取りが低下する場合があった。二次元コードの読み取りとは、二次元コード読み取り器、例えば、携帯端末による二次元コードの読み取りであり、読み取りの低下とは、読み取りを失敗する場合が多くなることをいう。空気入りタイヤに設けられる二次元コードは、空気入りタイヤの使用中に二次元コードに記録された情報を読み取って活用することが行われるため、タイヤの長期使用の際、ドット孔におけるクラックの発生と進展によって二次元コードの表面に凹凸が発生し、濃淡要素の区別が困難になり二次元コードの読み取り性が低下することは好ましくない。このため、タイヤの長期使用の際に二次元コードの読み取り性の低下が抑制されることが好ましい。
また、ドット孔はサイドウォール部の表面から略垂直に凹んだ形状を有するので、タイヤの使用に伴ってドット孔にクラックが発生し、サイドゴムの深さ方向に、さらに、サイドウォール部の表面に沿ってクラックが進展することは、サイドゴムの耐久性、ひいては空気入りタイヤの耐久性の点から好ましくない。
そこで、本発明は、空気入りタイヤを長期使用しても二次元コードの読み取り性の低下を抑制することができる、二次元コードの刻印された空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、空気入りタイヤであって、
タイヤ周方向に延びて環状を成したトレッド部をタイヤ幅方向の両側から挟むように設けられた一対のサイドウォール部を備え、
前記サイドウォール部の少なくとも一方の表面には、一方向に連続して延びる複数のリッジが間隔をあけて設けられたリッジ模様領域と、前記リッジが設けられず、平滑面で構成された非リッジ模様領域と、表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成した二次元コードと、を備える。
前記二次元コードは、前記二次元コードの領域すべてが前記リッジ模様領域に重なるように刻印され、あるいは、前記二次元コードの領域が、前記リッジ模様領域及び前記非リッジ模様領域に重なるように刻印されている。
前記二次元コードは、前記ドットパターンを構成するドット孔を備え、前記ドット孔の孔底は、前記リッジ間の谷部の谷底に比べて、前記サイドウォール部の表面に対して凹む側に位置している、ことが好ましい。
前記孔底の孔深さdは、前記谷底の谷深さdsに比べて深く、孔深さd−谷深さdsは、0.3mm以上である、ことが好ましい。
前記二次元コードの前記ドットパターンにおける単位セル領域の一辺の長さpは、前記リッジ模様領域における隣接するリッジ間の間隔Psに比べて短い、ことが好ましい。
前記二次元コードの領域と前記リッジ模様領域とが重なる部分において、前記リッジ模様領域の隣接するリッジ間の間隔は、一定である、ことが好ましい。
前記二次元コードの領域と前記リッジ模様領域とが重なる部分において、前記リッジ模様領域の隣接するリッジ間の谷部の谷深さは、一定である、ことが好ましい。
前記二次元コードの領域と前記リッジ模様領域とが重なる部分において、前記リッジの延びる方向は、いずれの場所でも同じである、ことが好ましい。
前記二次元コードの領域と前記リッジ模様領域とが重なる部分における前記リッジ模様領域の隣接するリッジ間の谷部の谷深さは、前記二次元コードの領域を囲み、前記二次元コードの領域と接する前記リッジ模様領域の部分における隣接するリッジ間の谷部の谷深さに比べて浅い、ことも好ましい。
前記二次元コードは、前記2種類の濃淡要素でドットパターンが形成された矩形形状のドットパターン領域を含み、前記ドットパターン領域の周りには、前記濃淡要素のうち濃要素より淡い要素が取り囲む空白領域が設けられ、前記空白領域の前記ドットパターン領域を取り囲む厚さは、前記ドットパターン領域の矩形形状における直交する2方向の寸法のうち最大寸法の10%〜25%であり、
前記空白領域の少なくとも一部は、前記リッジ模様領域に重なるように配置されている、ことが好ましい。
前記二次元コードは、前記2種類の濃淡要素でドットパターンが形成された矩形形状のドットパターン領域を含み、前記ドットパターン領域の周りには、前記濃淡要素のうち濃要素より淡い要素が取り囲む空白領域が設けられ、前記空白領域の前記ドットパターン領域を取り囲む厚さは、前記ドットパターン領域の矩形形状における直交する2方向の寸法のうち最大寸法の10%〜25%であり、
前記空白領域は、前記リッジのない平滑面である、ことも好ましい。
前記二次元コードは、前記空気入りタイヤのタイヤ幅方向の両側のサイドウォール部のそれぞれに設けられている、ことが好ましい。
上述の空気入りタイヤによれば、空気入りタイヤを長期使用しても二次元コードの読み取り性の低下を抑制することができる。
一実施形態の空気入りタイヤの構成の一例を示す図である。 一実施形態のタイヤのサイド部に設けられるサイドパターンの例を示す図である。 図2に示すサイドパターンの一部を拡大した図である。 一実施形態におけるリッジ模様領域にQRコード(登録商標)を刻印した一例の写真である。 (a),(b)は、リッジ模様領域の表面凹凸と二次元コードの表面凹凸を模式的に説明する図である。
以下、本実施形態の空気入りタイヤについて詳細に説明する。
本明細書において、タイヤ幅方向は、空気入りタイヤの回転軸と平行な方向である。タイヤ幅方向外側は、タイヤ幅方向において、タイヤ赤道面を表すタイヤ赤道線CL(図1参照)から離れる側である。また、タイヤ幅方向内側は、タイヤ幅方向において、タイヤ赤道線CLに近づく側である。タイヤ周方向は、空気入りタイヤの回転軸を回転の中心として回転する方向である。タイヤ径方向は、空気入りタイヤの回転軸に直交する方向である。タイヤ径方向外側は、前記回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ径方向内側は、前記回転軸に近づく側をいう。
なお、以下に説明する実施形態では、サイドウォール部に二次元コードが刻印されている。本実施形態で言う刻印とは、レーザ光のエネルギをサイドウォール部の表面に集中させてサイドゴム部材を局所的に加熱焼却して表面に微小なドット孔を複数形成する態様のほか、サイドゴム部材に別の手段を用いて凹凸を設けて二次元コードを形成することも含む。
本実施形態で言う二次元コードは、横方向にしか情報を持たない一次元コード(バーコードに対し、二方向に情報を持つマトリックス表示方式のコードである。二次元コードとして、例えば、QRコード(登録商標)、データマトリクス(登録商標)、Maxicode、PDF−417(登録商標)、16Kコード(登録商標)、49コード(登録商標)、Aztecコード(登録商標)、SPコード(登録商標)、ベリコード(登録商標)、及び、CPコード(登録商標)を含む。
(空気入りタイヤ)
図1は、本実施形態の空気入りタイヤ10(以降、単にタイヤ10という)の構成の一例を示す図である。図1は、タイヤ赤道線CLに対してタイヤ幅方向の一方の側のプロファイル断面を示す。
タイヤ10は、トレッドパターンを有するトレッド部10Tと、タイヤ幅方向両側の一対のビード部10Bと、トレッド部10Tの両側に設けられ、一対のビード部10Bとトレッド部10Tに接続される一対のサイドウォール部10Sと、を備える。トレッド部10Tは路面と接触する部分である。サイドウォール部10Sは、トレッド部10Tをタイヤ幅方向の両側から挟むように設けられた部分である。ビード部10Bは、サイドウォール部10Sに接続され、サイドウォール部10Sに対してタイヤ径方向内側に位置する部分である。
タイヤ10は、骨格材として、カーカスプライ12と、ベルト14と、ビードコア16と、を有し、これらの骨格材の周りに、トレッドゴム部材18と、サイドゴム部材20と、ビードフィラーゴム部材22と、リムクッションゴム部材24と、インナーライナゴム部材26と、を主に有する。
カーカスプライ12は、一対の円環状のビードコア16の間を巻きまわしてトロイダル形状を成した、有機繊維をゴムで被覆したカーカスプライ材で構成されている。カーカスプライ12は、ビードコア16の周りに巻きまわされてタイヤ径方向外側に延びている。カーカスプライ12のタイヤ径方向外側に2枚のベルト材14a,14bで構成されるベルト14が設けられている。ベルト14は、タイヤ周方向に対して、所定の角度、例えば20〜30度傾斜して配されたスチールコードにゴムを被覆した部材で構成され、下層のベルト材14aが上層のベルト材14bに比べてタイヤ幅方向の幅が長い。2層のベルト材14a,14bのスチールコードの傾斜方向は互いに逆方向である。このため、ベルト材14a,14bは、交錯層となっており、充填された空気圧によるカーカスプライ12の膨張を抑制する。
ベルト14のタイヤ径方向外側には、トレッドゴム部材18が設けられ、トレッドゴム部材18の両端部には、サイドゴム部材20が接続されてサイドウォール部10Sを形成している。サイドゴム部材20のタイヤ径方向内側の端には、リムクッションゴム部材24が設けられ、タイヤ10を装着するリムと接触する。ビードコア16のタイヤ径方向外側には、ビードコア16の周りに巻きまわす前のカーカスプライ12の部分と、ビードコア16の周りに巻きまわした後のカーカスプライ12の部分との間に挟まれるようにビードフィラーゴム部材22が設けられている。タイヤ10とリムとで囲まれる空気を充填するタイヤ空洞領域に面するタイヤ10の内表面には、インナーライナゴム部材26が設けられている。
この他に、ベルト材14bとトレッドゴム部材18との間には、ベルト14のタイヤ径方向外側からベルト14を覆う、有機繊維をゴムで被覆した3層のベルトカバー30を備える。ベルトカバー30は、必要に応じて設ければよく、必須ではない。ベルトカバー30の層数も3枚に限定されず、1枚あるいは2枚であってもよい。
このようなタイヤ10のサイドウォール部10Sの表面に二次元コード40が設けられている。
(サイドパターン)
図2は、一実施形態のタイヤ10のサイドウォール部10Sに設けられるサイドパターンの例を示す図である。図3は、図2に示すサイドパターンの一部を拡大した図である。
図2に示すように、サイドウォール部10Sの表面には、サイドパターンが形成されている。サイドパターンは、主に、リッジ模様領域と非リッジ模様領域を含む。なお、図2では、以降に説明する、サイドウォール部10Sの表面に刻印される二次元コードの図示は省略されている。
リッジ模様領域は、背景リッジ領域52と、第1帯状リッジ領域53と、第2帯状リッジ領域54と、標章表示領域57と、を含む。非リッジ模様領域は、平滑面領域(非リッジ模様領域)56を含む。
背景リッジ領域52は、一方向に連続して延びる複数のリッジが所定の間隔をあけて設けられた領域であり、第1帯状リッジ領域53、及び第2帯状リッジ領域54を目立たせる背景として機能する。
第1帯状リッジ領域53及び第2帯状リッジ領域54は、一方向に連続して延びる複数のリッジが所定の間隔をあけて設けられた帯状の領域であり、これらの領域は、タイヤ周方向に移動するときタイヤ径方向に変位する。これにより、帯がサイドウォール部10S上を波のように変動する模様を呈する。
背景リッジ領域52、第1帯状リッジ領域53及び第2帯状リッジ領域54は、視覚的に互いに区別できるように、リッジの種類が異なっている。リッジの種類が異なるとは、リッジから隣接するリッジ間の谷底までの谷深さ、隣接するリッジ間の距離、及びリッジの延びる方向、のいずれか少なくとも1つが異なることをいう。
第2帯状リッジ領域54は、図3に示すように、2つに分裂し、あるいは合流するように構成されている。図3では、リッジを線で表しており、図3に示す例では、隣接するリッジ間の距離は、小さい順に、背景リッジ領域52、第2帯状リッジ領域54、第1帯状リッジ領域53の順番になっており、第1帯状リッジ領域53のリッジ間の距離が最も大きい。リッジの延びる方向も、背景リッジ領域52、第1帯状リッジ領域53及び第2帯状リッジ領域54で互いに異なっている。
標章表示領域57は、平滑面領域56に囲まれるように設けられ、図2に示すように標章を表している。標章表示領域57の内部は、平滑面領域56と識別できるように、一方向に延びるリッジが設けられている。
平滑面領域56は、リッジを有さず、平滑面を形成する。
このようなサイドパターン上に、二次元コード40が設けられている。
(二次元コード)
図3に示すように、二次元コード40が、背景リッジ領域52上に刻印されている。このような二次元コード40は、タイヤ幅方向の両側にあるサイドウォール部10Sの双方の、サイドゴム部材20の表面に形成される。別の一実施形態によれば、いずれか一方のサイドウォール部10Sのサイドゴム部材20の表面に形成される。
二次元コード40は、表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成したものである。本実施形態の二次元コード40は、レーザ光をサイドウォール部10Sの表面に集めてエネルギを集中しサイドゴム部材20を局所的に加熱焼却して表面に微小なドット孔40a(図5(b)参照)を複数刻印することにより形成されたパターンである。ドット孔40aは、例えば円錐形状の孔であり、トレッド表面における直径は、例えば0.1〜1.0mmであり、深さは、例えば0.3〜1.0mmである。
二次元コード40は、二次元コードの濃淡要素を区分けする単位セルのうち濃領域の単位セル領域に1つのドット孔40a(凹部)が設けられて構成されている。すなわち、二次元コード40は、格子状に分割した同一サイズの矩形形状の複数の単位セル領域に対応して、1つのドット孔40aが濃淡要素の濃い1つの単位セル領域を形成するように、ドット孔40aが配置された構成を有する。図3中、単位セル領域の濃領域は、黒く塗りつぶされた領域で示されている。
図3に示す2次元コード40は、QRコード(登録商標)であり、2種類の濃淡要素でドットパターンが形成されたドットパターン領域42を含む。ドットパターン領域の周りには、濃淡要素のうち濃要素より淡い要素、好ましくは濃淡要素のうち淡要素と同じ淡い要素が取り囲む空白領域44が設けられている。空白領域44は、QRコード(登録商標)においてクワイエットゾーンとされる領域であり、QRコード(登録商標)を読み取る際に必要な領域である。空白領域44がドットパターン領域42の周りを取り囲む厚さは、例えば、ドットパターン領域42内の単位セル領域の寸法サイズの4〜5倍であることが好ましい。例えば、空白領域44の厚さwは、ドットパターン領域42の矩形形状における直交する2方向の寸法のうち最大寸法の10%〜25%であることが好ましい。
図3に示す二次元コード40はQRコード(登録商標)であるので、ドットパターン領域42は、QRコード(登録商標)のデータセルを表示したデータセル領域と、切り出しシンボルを表示した切り出しシンボル領域とを含む。
このように、二次元コード40は、背景リッジ領域52上に刻印されているので、リッジあるいはリッジ間の谷部に、ドット孔40aが形成されている。したがって、ドット孔40aが形成されていない淡要素の部分にも、リッジあるいは谷部が形成されている。
図4は、図3とは異なる態様のリッジ模様領域にQRコード(登録商標)を刻印した一例の写真を示す。図4に示すように、リッジ模様領域にQRコード(登録商標)を刻印しても、QRコード(登録商標)は視認可能であり、二次元コード読み取り器で読み取ることができる。
このようなリッジ模様領域のリッジは、タイヤ金型のサイド形成面に形成された凹凸によって形付けされるので、タイヤ金型のサイド形成面には、リッジに対応した筋状の微小溝が多数延在している。このため、タイヤ加硫時に、生タイヤを拡張させてタイヤ金型のサイド形成面に押し付けるとき、サイド形成面の多数の筋状の微小溝が、タイヤ金型と生タイヤの間にある気体を逃がす通路として機能するので、加硫故障が生じない。加硫故障とは、タイヤ加硫時、タイヤ金型と生タイヤの間の気体の排出が十分にできず、タイヤ金型と生タイヤの間の隙間に気体が閉じ込められ、この気体が、高温に制御されたサイド形成面と生タイヤとの接触を阻害して生タイヤの加硫を十分にさせない部分をいう。このような加硫故障は、タイヤ性能に影響を与えるので、加硫故障は生じにくいことが好ましい。特に、近年、転がり抵抗の低減及び軽量化のために、サイドゴム部材20の厚さを薄くするが、このようなタイヤを、タイヤ金型を用いて生産する場合、サイド形成面と生タイヤとの間の隙間が従来よりも広がり、タイヤ金型内から排出すべき気体の量が増大する。このため、生タイヤのわずかな形状の不揃いやタイヤ金型内での生タイヤの不均一な拡張等に起因して部分的に気体の排出が十分にできず、加硫故障を発生させ易くなっている。
二次元コード40の刻印は、タイヤ加硫後外観検査前のタイヤに行う場合が多い。この場合、加硫故障した部分に二次元コード40を刻印すると、刻印による熱で加硫故障の程度、すなわち、欠陥の程度を悪化させ、さらには、加硫故障の部分に刻印されたドット孔40a(図5(b)参照)の大きさを不揃いにし、さらには、タイヤの長期使用に伴ってクラックを発生させ易くなる。手直し可能な軽度の加硫故障、あるいは検出できない程度の極めて軽度な加硫故障の部分でも、加硫故障の部分のドット孔40aの大きさを不揃いにし、さらには、タイヤの長期使用に伴ってクラックを発生させ進展させ易くなる。クラックが発生し、進展すると、二次元コード40の表面凹凸が変化して濃淡要素の識別性が低下し、読み取り性が低下する。すなわち、軽度の加硫故障や極めて軽度な加硫故障であっても、その部分に二次元コード40を刻印することは、サイドウォール部10Sの耐久性及びタイヤの長期使用に伴って変化する読み取り性にとっても好ましくない。このような点から、二次元コード40の刻印位置は、加硫故障のない領域に設けることが望ましい。したがって、背景リッジ領域52のような加硫故障が生じないリッジ模様領域に二次元コード40を刻印することは有効である。リッジ模様領域に二次元コード40を刻印することにより、加硫故障(軽度及び極めて軽度な加硫故障を含む)の部分に二次元コード40を刻印することがなくなるので、加硫故障の部分に刻印することによるドット孔40aの大きさの不揃いを抑制することができる。さらに、軽度あるいは極めて軽度な加硫故障の部分に刻印をすることがないので、タイヤの使用に伴うクラックの発生と進展を抑制し、サイドウォール部10Sの耐久性及びタイヤの使用に伴う読み取り性の低下を抑制することができる。
二次元コード40をリッジ模様領域に刻印してタイヤを長期使用すると、リッジ模様の濃淡要素に対する二次元コード40の濃淡要素の識別が困難になり易く、二次元コード40の読み取り性が低下する可能性がある。しかし、タイヤを長期使用した場合、リッジ模様領域に刻印したことによる二次元コード40の読み取り性の低下は、上述の加硫故障(軽度の加硫故障及び極めて軽度の加硫故障を含む)した部分に二次元コード40を刻印することに起因して発生し進展するクラックによって読み取り性が低下する程度に比べて小さい。すなわち、二次元コード40をリッジ模様領域に刻印することにより、非リッジ模様領域に刻印する場合に比べて、タイヤを長期使用した場合の二次元コード40の読み取り性の低下は小さい。このように、加硫故障が発生しないリッジ模様領域に二次元コード40を刻印することは、タイヤを長期使用した後に二次元コード40を読み取る場合の読み取り性の点から好ましい。
本実施形態では、二次元コード40をリッジ模様領域に刻印する場合を示したが、リッジ模様領域の周囲の非リッジ模様領域、すなわち平滑面領域であっても、リッジ模様領域との境界近傍の領域では、加硫故障(軽度及び極めて軽度な加硫故障を含む)は極めて少ない。このため、平滑面領域の、リッジ模様領域との境界近傍の領域に、二次元コード40が刻印されてもよい。例えば、図2に示す領域Xに二次元コード40が刻印されてもよい。すなわち、二次元コード40すべてがリッジ模様領域に重なるように刻印されてもよく、また、二次元コード40が、リッジ模様領域及び平滑面領域(非リッジ模様領域)に重なるように刻印されてもよい。言い換えると、二次元コード40の少なくとも一部がリッジ模様領域に重なるように刻印されていればよい。このような二次元コード40は、リッジ模様領域との境界近傍の領域に刻印されるので、サイドウォール部10Sの耐久性及びタイヤの長期使用に伴う読み取り性の低下を抑制することができる。
このような二次元コード40では、ドットパターンを構成するドット孔40aの孔底は、リッジ間の谷部の谷底に比べて、サイドウォール部10Sの表面に対して凹む側に位置していることが好ましい。このため、ドット孔40aのほうがサイドウォール部10Sの表面を見たとき、図4に示すように、濃い(暗い)領域として視認することができ、ドットパターンをリッジ模様領域から容易に識別することができる。
図5(a),(b)は、リッジ模様領域の表面凹凸と二次元コード40の表面凹凸を模式的に説明する図である。ドット孔40aの孔底の孔深さd(図5(b)参照)と隣接するリッジ間の谷底の谷深さds(図5(a)参照)の差は、0.3mm以上であることが、ドットパターンをリッジ模様領域から容易に識別することができる点から好ましい。すなわち、リッジ間の谷部の谷底の深さに比べて、ドット孔40aの孔底の深さは深いことが好ましい。上記差を過度に大きくすると、ドット孔40aの孔深さdを過度に深くすることになり、サイドウォール部10Sの耐久性の点から好ましくない。このため、上記差は1mm以下であることが好ましい。なお、図4に示すように、ドット孔40の一部は、リッジ模様領域のリッジにかかってドット孔が形成されている。また、ドット孔が谷部に形成されている。孔深さdは、リッジ模様領域のリッジにかかってドット孔が形成されている場合、リッジの頂部から孔底までの深さであり、ドット孔が谷部に形成されている場合、谷部から孔底までの深さである。
また、一実施形態によれば、二次元コード40のドットパターンにおける単位セル領域の一辺の長さp(図5(b)参照)は、リッジ模様領域における隣接するリッジ間の間隔ps(図5(a)参照)に比べて短い、ことが好ましい。長さpが間隔ps以上であると、ドットパターンの単位セル領域中に複数のリッジが存在して、ドット孔40aのある単位セル領域とドット孔40aのない単位セル領域との間のドットパターンの陰影差は小さくなり読み取り性が低下する。
また、一実施形態によれば、二次元コード40の領域とリッジ模様領域とが重なる部分において、隣接するリッジ間の間隔psは、一定であることが好ましい。二次元コード40の領域とリッジ模様領域とが重なる部分において、リッジ間の間隔psが変化すると、リッジ間の間隔psが変化した部分とドットパターンの濃要素あるいは淡要素との間の陰影差と、リッジ間の間隔psが変化しない部分とドットパターンの濃要素あるいは淡要素との間の陰影差と、が異なるため、読み取り性が低下し易い。この点から、二次元コード40の領域とリッジ模様領域とが重なる部分において、隣接するリッジ間の間隔psは、一定であることが好ましい。
一実施形態によれば、二次元コード40の領域とリッジ模様領域とが重なる部分において、隣接するリッジ間の谷部の谷深さdsは、一定である、ことが好ましい。二次元コード40の領域とリッジ模様領域とが重なる部分において、谷深さdsが変化すると、谷深さdsが変化した部分とドットパターンの濃要素あるいは淡要素との間の陰影差と、谷深さdsが変化しない部分とドットパターンの濃要素あるいは淡要素との間の陰影差と、が異なるため、読み取り性が低下し易い。この点から、二次元コード40の領域とリッジ模様領域とが重なる部分において、隣接するリッジ間の谷深さdsは、一定であることが好ましい。
二次元コード40の領域とリッジ模様領域とが重なる部分において、リッジの延びる方向は、いずれの場所でも同じである、ことが好ましい。リッジは、光の照射方向によって濃く見え、あるいは薄く見えるので、重なり部分において、リッジの延びる方向が変化することは、二次元コード40の読み取り性を低下させるので好ましくない。
また、一実施形態によれば、二次元コード40の領域とリッジ模様領域とが重なる部分における隣接するリッジ間の谷部の谷深さdsは、二次元コード40の領域を囲む、二次元コード40の領域と接するリッジ模様領域の部分における隣接するリッジ間の谷部の谷深さdsに比べて浅い、ことが好ましい。二次元コード40の領域とリッジ模様領域とが重なる部分における谷深さdsが、二次元コードと接するリッジ模様領域における谷深さdsと同程度に深い場合、リッジ模様領域は濃くなり易く、二次元コード40の濃淡要素の濃い要素との区別がつき難くなり、二次元コード40の読み取り性が低下する。
一実施形態によれば、上述したように、空白領域44の少なくとも一部は、ドットパターン領域42とともに、リッジ模様領域に重なるように配置されている、ことが好ましい。空白領域44もドットパターンを読み取る際、濃淡要素のうち淡要素として読み取ることが必要であり、空白領域44も、ドットパターン領域42内の濃淡要素のうちの濃要素の領域より淡い要素、好ましくは、濃淡要素のうちの淡要素と同じ淡い要素として特定されることが好ましい。この点から、空白領域44の少なくとも一部も、加硫故障のないリッジ模様領域に重なるように配置されている、ことが好ましい。
また、一実施形態によれば、空白領域44は、リッジのない平滑面とすることもできる。平滑面は、リッジ模様領域よりも濃淡要素のうち淡要素として確実に機能するので、読み取り性の点から好ましい。
(実施例、従来例)
タイヤ10の効果を確認するために、二次元コード40、具体的にはQRコード(登録商標)を図2に示すサイドウォール部10Sに刻印してタイヤ10を走行させた後、二次元コード40の読み取りを行った。
二次元コード40を設けたタイヤ10(タイヤサイズ195/65R15 91H)をリム15×6Jに装着した。タイヤ10に対して、オゾン濃度100pphmの条件でオゾン照射をした後、FMVSS139に準拠した低圧試験(XL:空気圧160kPa、荷重100%LI)による室内ドラム走行(速度120km/時)を行いつつ、上記濃度のオゾン照射を所定の時間間隔で行って、1.5時間走行させた。この試験は、タイヤの長期使用によるタイヤの劣化を再現したものである。
実施例、従来例それぞれについて、二次元コード40を設けたタイヤを10本ずつ用意して上記試験を行った。
二次元コード40の読み取りは、二次元コード読み取り器で行い、二次元コード40に所定の方向から所定の照明光を当てて10本とも問題なく読み取りができた場合を評価Aとし、10本とも読み取りができたが、1〜2本のタイヤについては照明光の当て方を変更して読み取りができた場合を評価Bとし、3〜4本のタイヤについては照明光の当て方を変更して読み取りができた場合を評価Cとし、5〜6本のタイヤについては照明光の当て方を変更して読み取りができた場合を評価Dとし、7〜10本のタイヤについては照明光の当て方を変更して読み取りができた場合を評価Eとし、10本のタイヤのうち少なくとも1本のタイヤについて読み取りができない場合を評価Fとした。評価A〜Eは合格であり、評価Fは不合格である。
下記表1,2に各仕様と評価結果を示す。
下記表1、2において、二次元コード40の孔深さd=1.5mm、長さp=0.6mmとするQRコード(登録商標)を刻印した。二次元コード40は、背景リッジ領域52、あるいは図2に示すような領域Xの近傍に刻印し、重なり部分の、二次元コード40の領域に対する比率を変えた(15%,80%)。
実施例1〜9では、谷深さdsを1.0mm、1.2mm、あるいは1.3mmとし、間隔psを、0.8mmあるいは0.6mmとした。実施例9では、リッジの向きが変化する場所に二次元コード40を刻印した。
表1の従来例、実施例1〜3より、二次元コード40の少なくとも一部は、リッジ模様領域に刻印することが読み取り性の点から優れていることがわかる。二次元コード40の読み取り性は、上述したように、リッジ模様領域に二次元コード40を刻印することよりも、平滑面の領域に刻印する方が、タイヤの使用初期の読み取り性の点では好ましい。しかし、リッジ模様領域から離間した平滑面の部分では、加硫故障(軽度あるいは極めて軽度な加硫故障を含む)は発生し易いので、この部分に二次元コードを刻印した場合、リッジ模様領域あるいはその近傍に二次元コードを刻印する場合に較べて、タイヤの長期使用後のクラックの発生及びその進展により読み取り性の低下は大きい。このような点から、二次元コード40の少なくとも一部は、リッジ模様領域に刻印することが読み取り性の点から優れている。
また、表1,2の実施例3〜5の比較より、孔深さdは、谷深さdsより深く、孔深さd[mm]-谷深さds[mm]は、0.3mm以上であることが、読み取り性向上の点から好ましいことがわかる。
表1,2の実施例3,6の比較より、二次元コード40のドットパターンにおける単位セル領域の一辺の長さpは、リッジ模様領域における間隔psに比べて短いことが、読み取り性の点で好ましいことがわかる。
表1,2の実施例3、実施例7〜9の比較より、二次元コード40の領域と重なるリッジ模様領域のリッジ模様は、谷深さds、間隔ps、及びリッジの延びる向きが変化してもよいが、谷深さds、間隔ps、及びリッジの延びる向きが変化しないことが読み取り性の点で好ましいことがわかる。
以上、本発明の空気入りタイヤについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更してもよいのはもちろんである。
10 空気入りタイヤ
10T トレッド部
10S サイドウォール部
10B ビード部
12 カーカスプライ
14 ベルト
14a,14b ベルト材
16 ビードコア
18 トレッドゴム部材
20 サイドゴム部材
22 ビードフィラーゴム部材
24 リムクッションゴム部材
26 インナーライナゴム部材
30 ベルトカバー
40 二次元コード
40a ドット孔
44 空白領域
52 背景リッジ模様領域
53 第1帯状リッジ領域
54 第2帯状リッジ領域
56 平滑面領域
57 標章表示領域
一実施形態の空気入りタイヤの構成の一例を示す図である。 一実施形態のタイヤのサイドウォール部に設けられるサイドパターンの例を示す図である。 図2に示すサイドパターンの一部を拡大した図である。 一実施形態におけるリッジ模様領域にQRコード(登録商標)を刻印した一例の写真である。 (a),(b)は、リッジ模様領域の表面凹凸と二次元コードの表面凹凸を模式的に説明する図である。
(二次元コード)
図3に示すように、二次元コード40が、背景リッジ領域52上に刻印されている。このような二次元コード40は、タイヤ幅方向の両側にあるサイドウォール部10Sの双方の、サイドゴム部材20の表面に形成される。別の一実施形態によれば、いずれか一方のサイドウォール部10Sのサイドゴム部材20の表面に形成される。
二次元コード40は、表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成したものである。本実施形態の二次元コード40は、レーザ光をサイドウォール部10Sの表面に集めてエネルギを集中しサイドゴム部材20を局所的に加熱焼却して表面に微小なドット孔40a(図5(b)参照)を複数刻印することにより形成されたパターンである。ドット孔40aは、例えば円錐形状の孔であり、サイドウォール部10Sの表面における直径は、例えば0.1〜1.0mmであり、深さは、例えば0.3〜1.0mmである。
二次元コード40は、二次元コードの濃淡要素を区分けする単位セルのうち濃領域の単位セル領域に1つのドット孔40a(凹部)が設けられて構成されている。すなわち、二次元コード40は、格子状に分割した同一サイズの矩形形状の複数の単位セル領域に対応して、1つのドット孔40aが濃淡要素の濃い1つの単位セル領域を形成するように、ドット孔40aが配置された構成を有する。図3中、単位セル領域の濃領域は、黒く塗りつぶされた領域で示されている。
本実施形態では、二次元コード40をリッジ模様領域に刻印する場合を示したが、リッジ模様領域の周囲の非リッジ模様領域、すなわち平滑面領域であっても、リッジ模様領域との境界近傍の領域では、加硫故障(軽度及び極めて軽度な加硫故障を含む)は極めて少ない。このため、平滑面領域の、リッジ模様領域との境界近傍の領域に、二次元コード40が刻印されてもよい。例えば、図2に示す領域Xに二次元コード40が刻印されてもよい。すなわち、二次元コード40すべてがリッジ模様領域に重なるように刻印されてもよく、また、二次元コード40が、リッジ模様領域及び平滑面領域(非リッジ模様領域)に重なるように刻印されてもよい。言い換えると、二次元コード40の少なくとも一部がリッジ模様領域に重なるように刻印されていればよい。このような二次元コード40は、リッジ模様領域と平滑面領域との境界近傍の領域に刻印されるので、サイドウォール部10Sの耐久性及びタイヤの長期使用に伴う読み取り性の低下を抑制することができる。

Claims (11)

  1. 空気入りタイヤであって、
    タイヤ周方向に延びて環状を成したトレッド部をタイヤ幅方向の両側から挟むように設けられた一対のサイドウォール部を備え、
    前記サイドウォール部の少なくとも一方の表面には、一方向に連続して延びる複数のリッジが間隔をあけて設けられたリッジ模様領域と、前記リッジが設けられず、平滑面で構成された非リッジ模様領域と、表面の凹凸によって互いに識別可能に形成された2種類の濃淡要素でドットパターンを形成した二次元コードと、を備え、
    前記二次元コードは、前記二次元コードの領域すべてが前記リッジ模様領域に重なるように刻印され、あるいは、前記二次元コードの領域が、前記リッジ模様領域及び前記非リッジ模様領域に重なるように刻印されている、ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記二次元コードは、前記ドットパターンを構成するドット孔を備え、前記ドット孔の孔底は、前記リッジ間の谷部の谷底に比べて、前記サイドウォール部の表面に対して凹む側に位置している、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記孔底の孔深さdは、前記谷底の谷深さdsに比べて深く、孔深さd−谷深さdsは、0.3mm以上である、請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記二次元コードの前記ドットパターンにおける単位セル領域の一辺の長さpは、前記リッジ模様領域における隣接するリッジ間の間隔Psに比べて短い、請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記二次元コードの領域と前記リッジ模様領域とが重なる部分において、前記リッジ模様領域の隣接するリッジ間の間隔は、一定である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記二次元コードの領域と前記リッジ模様領域とが重なる部分において、前記リッジ模様領域の隣接するリッジ間の谷部の谷深さは、一定である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記二次元コードの領域と前記リッジ模様領域とが重なる部分において、前記リッジの延びる方向は、いずれの場所でも同じである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記二次元コードの領域と前記リッジ模様領域とが重なる部分における前記リッジ模様領域の隣接するリッジ間の谷部の谷深さは、前記二次元コードの領域を囲み、前記二次元コードの領域と接する前記リッジ模様領域の部分における隣接するリッジ間の谷部の谷深さに比べて浅い、請求項1〜7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記二次元コードは、前記2種類の濃淡要素でドットパターンが形成された矩形形状のドットパターン領域を含み、前記ドットパターン領域の周りには、前記濃淡要素のうち濃要素より淡い要素が取り囲む空白領域が設けられ、前記空白領域の前記ドットパターン領域を取り囲む厚さは、前記ドットパターン領域の矩形形状における直交する2方向の寸法のうち最大寸法の10%〜25%であり、
    前記空白領域の少なくとも一部は、前記リッジ模様領域に重なるように配置されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記二次元コードは、前記2種類の濃淡要素でドットパターンが形成された矩形形状のドットパターン領域を含み、前記ドットパターン領域の周りには、前記濃淡要素のうち濃要素より淡い要素が取り囲む空白領域が設けられ、前記空白領域の前記ドットパターン領域を取り囲む厚さは、前記ドットパターン領域の矩形形状における直交する2方向の寸法のうち最大寸法の10%〜25%であり、
    前記空白領域は、前記リッジのない平滑面である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記二次元コードは、前記空気入りタイヤのタイヤ幅方向の両側のサイドウォール部のそれぞれに設けられている、請求項1〜10のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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