JP7124928B2 - 排水の処理方法 - Google Patents
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Description
〔2〕前記二酸化炭素を含む排ガスが、火力発電所、製鉄所、セメント工場、又は焼却炉から排出される排ガスである、前記〔1〕に記載の排水の処理方法。
〔3〕前記二酸化炭素を含む排ガスが、セメント工場から排出される排ガスであり、前記排ガスが、電気集塵機及び/又はバグフィルターを通過した後の排ガス、並びに窯尻ダクトから燃焼ガスが抽気されて脱塩ダストを回収する脱塩バイパス設備から排出される排ガスから選ばれる少なくとも1つである、前記〔1〕又は〔2〕に記載の排水の処理方法。
〔4〕前記アルカリ土類金属イオンを含む排水が、塩素含有焼却灰を洗浄した排水である、前記〔1〕~〔3〕に記載の排水の処理方法。
〔5〕前記アルカリ土類金属イオンを含む排水が、塩素含有焼却灰と水とを含み、塩素含有焼却灰と水との質量比が1:1~1:10である、前記〔4〕に記載の排水の処理方法。
〔6〕前記アルカリ金属水酸化物が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化リチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の排水の処理方法。
〔7〕前記第1の溶液に含まれるアルカリ金属水酸化物に対する前記第1の溶液に接触させる排ガス中に含まれる二酸化炭素のモル比(二酸化炭素/アルカリ金属水酸化物)が0.1~1.0である、前記〔1〕~〔6〕のいずれかに記載の排水の処理方法。
〔8〕前記排水に対する前記第2の溶液の体積比(第2の溶液/排水)が0.01~0.1である、前記〔1〕~〔7〕に記載の排水の処理方法。
図1は、本発明の一実施形態の排水の処理方法における各工程を示すフロー図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態の排水の処理方法は、二酸化炭素を含む排ガスとアルカリ金属水酸化物を含む第1の溶液とを接触させてアルカリ金属炭酸塩を含む第2の溶液を製造する工程と、前記第2の溶液とアルカリ土類金属イオンを含む排水とを接触させて、排水中のアルカリ土類金属イオンをアルカリ土類金属炭酸塩として得る工程とを含む。
二酸化炭素(CO2)を含む排ガスとしては、火力発電所、製鉄所、セメント工場又は焼却炉から排出される排ガスであることが好ましい。火力発電所、製鉄所、セメント工場又は焼却炉等の設備に近接して、排水処理設備が存在する場合には、前記設備から排出された排ガスを直接排水処理に利用することが可能であるが、前記設備に近接して排水処理設備が存在するとは限らない。火力発電所、製鉄所、セメント工場又は焼却炉等の設備から排出される排ガスを直接排水処理に使用する場合には、前記設備から排水処理設備まで配管ダクトを長距離に亘り敷設する必要があり、排ガスを利用することは容易ではない。その他に、例えば、セメント工場等においては、排ガスを流通させる配管のルートを大幅に変更し、ガス排出口などが既設の位置から変更することは法規制の問題があり、容易ではない。
Me(OH)2+CO2→MeCO3+H2O (I)
(式(I)中、Meは、Mg、Ca、Ba及びSrからなる群より選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属原子である。)
二酸化炭素を含む排ガスが、電気集塵機及び/又はバグフィルターを通過した後の排ガスであると、電気集塵機及び/又はバグフィルターによって排ガス中から粉塵が除去されているため、排ガス中の二酸化炭素と、第1の溶液中のアルカリ金属水酸化物とを効率よく反応させて、金属炭酸塩を含む第2の溶液を得ることができる。
二酸化炭素を含む排ガスが、窯尻ダクトから燃焼ガスが抽気されて脱塩ダストを回収する塩素バイパス設備から排出される排ガスであると、電気集塵機及び/又はバグフィルターを通過した排ガス中の二酸化炭素の濃度と同程度の濃度の二酸化炭素が含まれるため、第1の溶液中のアルカリ金属水酸化物と効率よく反応させることができる。電気集塵機及び/又はバグフィルターを通過した排ガス中の二酸化炭素の濃度は15~25体積%であり、塩素バイパス設備から排出される排ガス中の二酸化炭素の濃度も15~25体積%である。
アルカリ金属水酸化物は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化リチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。安価であり、入手しやすいことから、アルカリ金属水酸化物は、水酸化ナトリウムであることが好ましい。
図1に示すように、二酸化炭素(CO2)を含む排ガスと、アルカリ金属水酸化物(MaOH)を含む第1の溶液とを接触させることにより、下記式(II)で示すように、アルカリ金属炭酸塩を含む第2の溶液を得ることができる。
2MaOH+CO2→Ma2CO3+H2O (II)
(式(II)中、Maは、Na、K及びLiからなる群から選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属原子である。)
MaOH+CO2→MaHCO3 (III)
(式(III)中、Maは、Na、K及びLiからなる群から選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属原子である。)
第1の溶液に含まれるアルカリ金属水酸化物に対する第1の溶液に接触させる排ガス中に含まれる二酸化炭素のモル比(二酸化炭素/アルカリ金属水酸化物:CO2/MaOH)が0.1~1.0であると、排ガスを有効利用して、排水からアルカリ土類金属イオンをアルカリ土類金属炭酸塩として除去するための十分なアルカリ炭酸塩を含む第2の溶液を製造することができる。
第2の溶液を製造する工程は、排ガス中の二酸化炭素を有効に利用することから、温室効果ガスの発生抑制にも貢献する
図1に示すように、本発明の一実施形態の排水の処理方法は、前記第2の溶液を製造する工程と、前記第2の溶液とアルカリ土類金属イオン(Me 2+、図1において、Me 2+は、アルカリ土類金属イオンを表わす。)を含む排水を接触させて、排水中のアルカリ土類金属イオンをアルカリ土類金属炭酸塩(MeCO3、図1において、MeCO3は、アルカリ土類金属炭酸塩を表わす。)として得る工程とを含む。アルカリ金属炭酸塩を含む第2の溶液と、アルカリ土類金属イオンを含む排水との接触は、例えば、図2に示す第1の水槽から第2の溶液を第1の水槽とは別の第2の水槽に移し、この第2の水槽に、アルカリ土類金属イオンを含む排水を流入させて、前記第2の溶液と排水とを接触させることができる。第1の水槽と第2の水槽は、配管で連結されていてもよい、第1の水槽と第2の水槽は、配管で連結されていなくてもよく、アルカリ金属炭酸塩を含む第2の溶液を製造する工程と、アルカリ土類金属炭酸塩を得る工程とは別の場所で行なってもよい。アルカリ土類金属炭酸塩を得る工程において、溶液中に生成されたアルカリ土類金属炭酸塩は、二酸化炭素と接触し続けることによって結晶として溶液中に析出し、濾過によってアルカリ土類金属炭酸塩を溶液から濾別して得ることが好ましい。
排水中のアルカリ土類金属イオンが、例えば水酸化物の形態で排水に含まれている場合には、下記式(IV)又は(V)に示す反応によって、アルカリ土類金属炭酸塩を得ることができる。
Me(OH)2+Ma2CO3→MeCO3+2MaOH (IV)
(式(IV)中、Maは、Na、K及びLiからなる群から選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属原子であり、Meは、Mg、Ca、Sr及びBaからなる群から選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属原子である。)
(式(V)中、Maは、Na、K及びLiからなる群から選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属原子であり、Meは、Mg、Ca、Sr及びBaからなる群から選ばれる少なくとも1種のアルカリ土類金属原子である。)
アルカリ土類金属イオンを含む排水は、塩素含有焼却灰を洗浄した排水であることが好ましい。塩素含有焼却灰を洗浄した排水である場合は、塩素含有焼却灰に含まれる塩類等の成分が一定ではない場合であっても、塩素含有焼却灰を洗浄した排水中に含まれるアルカリ土類金属イオンからアルカリ土類金属炭酸塩が得られる濃度のアルカリ金属炭酸塩を含む第2の溶液を接触させればよく、スケールの原因となるアルカリ土類金属イオンを排水中から除去することができる。本明細書において、スケールとは、石膏などの硫酸塩、炭酸カルシウムなどの炭酸塩を意味し、具体的には、スケールとは、石膏(CaSO4)、炭酸カルシウム(CaCO3)、硫酸バリウム(BaSO4)からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
図3に示すように、アルカリ土類金属イオンを含む排水は、塩酸等のpH調整剤によってpH調整を行い、塩化第二鉄等の凝集剤の添加によって重金属を除去する第1の水処理工程を行なった後に、アルカリ金属炭酸塩(Ma2CO3,MaHCO3)を含む第2の溶液と接触させることが好ましい。アルカリ土類金属イオンを含む排水にpH調整剤及び/又は凝集剤を添加して、pH調整及び/又は重金属の除去を行なう第1の水処理工程を行なうことによって、排水中に含まれるアルカリ土類金属イオンと第2の溶液に含まれるアルカリ金属炭酸塩の反応の効率を向上することができる。第1の水処理工程において、二酸化炭素を含む排ガスの処理に利用した湿式スクラバーの吸収液を、アルカリ土類金属イオンを含む排水に添加して、重金属が含まれる凝集剤等を適切に除去するようにしてもよい。
図4に示すように、アルカリ土類金属イオンを含む排水とアルカリ金属炭酸塩を含む第2の溶液を接触させた後、塩酸等のpH調整剤によってpH調整を行い、塩化第二鉄等の凝集剤の添加によって重金属を除去する第2の水処理工程を行なってもよい。第2の水処理工程を行なうことにより、排水中に含まれるアルカリ土類金属イオンと第2の溶液に含まれるアルカリ金属炭酸塩の反応の効率をより向上することができる。第2の水処理工程において、二酸化炭素を含む排ガスの処理に利用した湿式スクラバーの吸収液を、排水と第2の溶液とを含む溶液に添加して、重金属が含まれる凝集剤等を適切に除去するようにしてもよい。
アルカリ土類金属イオンを含む排水に対するアルカリ金属炭酸塩を含む第2の溶液の体積比(第2の溶液/排水)が0.01~0.1であることが好ましい。排水に対する第2の溶液の体積比が0.01~0.1の範囲であると、アルカリ土類金属イオンを含む排水とアルカリ金属炭酸塩を含む第2の溶液を反応させてアルカリ土類金属炭酸塩を得る場合に、排水の量にもよるが大容量の水槽を必要とせずに排水の処理を行うことができる。アルカリ土類金属イオンを含む排水に対するアルカリ金属炭酸塩を含む第2の溶液の体積比(第2の溶液/排水)が、より好ましくは0.01~0.09であり、さらに好ましくは0.01~0.08である。
二酸化炭素(CO2)を含む排ガスの準備
セメント工場から排出される排ガスを模擬して、空気80体積%、CO2ガス20体積%の割合で混合した模擬排ガスを製造した。
第1の溶液として、水道水を溶媒とし、20質量%の水酸化ナトリウム(NaOH、特級試薬、関東化学株式会社製)を含む水酸化ナトリウム溶液を準備した。
図2に示す第2の溶液を製造するため設備を用いてアルカリ金属炭酸塩を含む第2の溶液を製造した。具体的には、図2に示すように、第1の水槽1に、第1の溶液として、前記水酸化ナトリウム溶液を500mL貯留した。第1の水槽1中の水酸化ナトリウム溶液に、配管2から模擬排ガス2を5L/minの流通速度で、60分間通気すると、第1の溶液が途中から白濁したことから、炭酸水素ナトリウムが飽和し、炭酸ナトリウム(Na2CO3)を含む第2の溶液が得られた。得られた第2の溶液中の炭酸ナトリウムの含有量は3700mmol/Lであった。
第2の溶液中の炭酸ナトリウムの含有量は、以下のとおり測定した。
炭酸ナトリウムが生成された第2の溶液を適当量採取し、20質量%濃度の塩酸を滴下して、第2の溶液からCO2ガスを発生させ、発生したCO2ガスを粒状の塩化カルシウムを詰めた配管に通過させて水分を除去した後、ソーダ石灰を詰めた配管にCO2ガスを吸収させ、CO2ガスを通過させる前のソーダ石灰の質量と、CO2ガスを通過させた後のソーダ石灰の質量の変化を測定し、変化した差分の質量をソーダ石灰が吸収したCO2ガスとして測定した。測定したCO2ガスの質量から、第2の溶液中に含まれる炭酸ナトリウムの量を換算した。
また、第1の溶液中の水酸化ナトリウムに対する第1の溶液に接触させる模擬排ガス中のCO2のモル比(CO2/NaOH)は、0.740であった。ここで、水酸化ナトリウム溶液の密度は、水の密度1g/cm3として換算した。
一般ごみ焼却炉から排出される飛灰(塩素含有廃棄物)1質量部に対して水道水5質量部(飛灰:水が1:5)の割合で水洗した。30分間、飛灰と水の混合水を撹拌した後、フィルタープレス(製品名;ポータブル型フィルタープレス FS-3C-20、日本濾過装置株式会社製)により固液分離し、水洗水を得て、模擬排水とした。模擬排水のpHは10.8であり、アルカリ土類金属イオン(Me 2+)として、カルシウムイオン(Ca2+)が含まれており、模擬排水中のカルシウム濃度は11000mg/Lであった。模擬排水中のカルシウム濃度は、ICP発光分光分析装置(誘導結合プラズマ発光分光分析装置)(ICP-AES、製品名:ARCOS、SPECTRO社製)により測定した。
得られた模擬排水を、塩酸でpHが中性(pHが7)になるように調整し、塩化第二鉄、凝集剤(製品名:アコフロック(登録商標)A-150、MTアクアポリマー株式会社製)を用いて、重金属を除去し、第1の水処理を行った(図3参照)。第1の水処理後の模擬排水を静置しておくと、模擬排水中から石膏が析出し、溶液の壁面に付着した。このことから、模擬排水中には、カルシウムイオンが含まれることが確認できた。
表1に示す配合で、得られた模擬排水に対して、炭酸ナトリウム(Na2CO3)が含まれる第2の溶液を添加し、第2の溶液を添加後の模擬排水中のカルシウム濃度を測定した。カルシウム濃度の測定は、模擬排水中のカルシウム濃度の測定と同様にして行なった。第2の溶液を添加した後の模擬排水中のカルシウム濃度の結果を表1に示す。
二酸化炭素(CO2)を含む排ガスの準備
セメント工場から排出される排ガスを模擬して、空気80体積%、CO2ガス20体積%の割合で混合した模擬排ガスを製造した。
第1の溶液として、水道水を溶媒とし、20質量%の水酸化カリウム(KOH、特級試薬、関東化学株式会社製)を含む水酸化カリウム溶液を準備した。
図2に示す第2の溶液を製造するため設備を用いて第2の溶液を製造した。具体的には、図2に示すように、第1の水槽1に、第1の溶液として、前記水酸化ナトリウム溶液を500mL貯留した。第1の水槽1中の水酸化カリウム溶液に、配管2から模擬排ガス2を5L/minの流通速度で、60分間通気すると、第1の溶液が途中から白濁したことから、炭酸水素ナトリウムが飽和し、炭酸カリウム(K2CO3)含む第2の溶液が得られた。得られた第2の溶液中の炭酸ナトリウムの含有量は1300mmol/Lであった。
第2の溶液中の炭酸ナトリウムの含有量は、以下のとおり測定した。
炭酸ナトリウムが生成された第2の溶液を適当量採取し、20質量%濃度の塩酸を滴下して、第2の溶液からCO2ガスを発生させ、発生したCO2ガスを粒状の塩化カルシウムを詰めた配管に通過させて水分を除去した後、ソーダ石灰を詰めた配管にCO2ガスを吸収させ、CO2ガスを通過させる前のソーダ石灰の質量と、CO2ガスを通過させた後のソーダ石灰の質量の変化を測定し、変化した差分の質量をソーダ石灰が吸収したCO2ガスとして測定した。測定したCO2ガスの質量から、第2の溶液中に含まれる炭酸ナトリウムの量を換算した。
また、第1の溶液中の水酸化カリウムに対する第1の溶液に接触させる模擬排ガス中のCO2のモル比(CO2/KOH)は、0.365であった。ここで、水酸化ナトリウム溶液の密度は、水の密度1g/cm3として換算した。
セメント脱塩ダスト1質量部に対して水道水5質量部(セメント脱塩ダスト:水が1:5)の割合で水洗した。30分間、セメント脱塩ダストと水の混合水を撹拌した後、フィルタープレス(製品名;ポータブル型フィルタープレス FS-3C-20、日本濾過装置株式会社製)により固液分離し、水洗水を得て、模擬排水とした。模擬排水のpHは12.3であった。
得られた模擬排水を、塩酸でpHが9になるように調整し、硫酸第二鉄、凝集剤(製品名:アコフロック(登録商標)A-150、MTアクアポリマー株式会社製)を用いて、重金属を除去し、第1の水処理を行った(図3参照)。
得られた模擬排水1000mLに対して、炭酸カリウム(K2CO3、特級試薬、関東化学株式会社製)が含まれる第2の溶液50mLを添加し、硫酸第二鉄、凝集剤(製品名:アコフロック(登録商標)A-150、MTアクアポリマー株式会社製)を用いて、重金属を除去し、第2の水処理を行った(図4参照)。第2の水処理後の模擬排水中に溶存している表2に示す各成分(原子又はイオン)の含有量をICP発光分光分析装置(誘導結合プラズマ発光分光分析装置)(ICP-AES、製品名:ARCOS、SPECTRO社製)により測定した。結果を表2に示す。
さらに、晶析法を用いて模擬排水中から析出させた析出塩(100質量%)中のカルシウム(Ca)の含有量をICP発光分光分析装置(誘導結合プラズマ発光分光分析装置)(ICP-AES、製品名:ARCOS、SPECTRO社製)により測定した。晶析法は、具体的には、ロータリーエバポレーターを用い、ロータリーエバポレーターのフラスコ内に模擬排水を入れて、ダイヤフラムポンプでフラスコ内を真空状態にして、ウォーターバスで60℃に加熱しながら、フラスコ内の模擬排水をおおよそ5分の1(1/5)の体積となるまでの濃縮し、結晶を濾過により回収した。
実施例5における模擬排水に、炭酸カリウム(K2CO3)が含まれる第2の溶液を添加しなかったこと以外は、実施例5と同様にして、比較例2における模擬排水中の表2に示す各成分(原子又はイオン)の含有量を測定し、比較例2における模擬排水中から析出させた析出塩(100質量%)中のカルシウム(Ca)の含有量を測定した、結果を表2及び表3に示す。
Claims (7)
- 二酸化炭素を含む排ガスとアルカリ金属水酸化物を含む第1の溶液とを接触させてアルカリ金属炭酸塩を含む第2の溶液を製造する工程と、アルカリ土類金属イオンを含む排水から重金属を除去する第1の水処理工程と、前記第1の水処理工程を行った後に前記第2の溶液と前記排水とを接触させて、排水中のアルカリ土類金属イオンをアルカリ土類金属炭酸塩として得る工程とを含み、
前記第2の溶液と前記排水とを接触させた後に、前記第2の溶液及び前記排水から重金属を除去する第2の水処理工程を更に含む、排水の処理方法。 - 前記二酸化炭素を含む排ガスが、火力発電所、製鉄所、セメント工場、又は焼却炉から排出される排ガスである、請求項1に記載の排水の処理方法。
- 前記二酸化炭素を含む排ガスが、セメント工場から排出される排ガスであり、前記排ガスが、電気集塵機及び/又はバグフィルターを通過した後の排ガス、並びに窯尻ダクトから燃焼ガスが抽気されて脱塩ダストを回収する脱塩バイパス設備から排出される排ガスから選ばれる少なくとも1つである、請求項1又は2に記載の排水の処理方法。
- 前記アルカリ土類金属イオンを含む排水が、塩素含有焼却灰を洗浄した排水である、請求項1~3のいずれか1項に記載の排水の処理方法。
- 前記アルカリ土類金属イオンを含む排水が、塩素含有焼却灰と水とを含み、塩素含有焼却灰と水との質量比が1:1~1:10である、請求項4に記載の排水の処理方法。
- 前記アルカリ金属水酸化物が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化リチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1~5のいずれか1項に記載の排水の処理方法。
- 前記第1の溶液に含まれるアルカリ金属水酸化物に対する前記第1の溶液に接触させる排ガス中に含まれる二酸化炭素のモル比(二酸化炭素/アルカリ金属水酸化物)が0.1~1.0である、請求項1~6のいずれか1項に記載の排水の処理方法。
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