JPH11207146A - 排煙脱硫排水からの石膏回収方法 - Google Patents

排煙脱硫排水からの石膏回収方法

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JPH11207146A
JPH11207146A JP10314417A JP31441798A JPH11207146A JP H11207146 A JPH11207146 A JP H11207146A JP 10314417 A JP10314417 A JP 10314417A JP 31441798 A JP31441798 A JP 31441798A JP H11207146 A JPH11207146 A JP H11207146A
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gas desulfurization
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gypsum
wastewater
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Takumi Nanaumi
匠 七海
Koichi Hosoda
浩一 細田
Hidenori Takahashi
英紀 高橋
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Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ランニングコストが安く簡素で必要設置面積
も小さく、運転管理も比較的容易であり、比較的純度の
高い石膏を回収することのできる排煙脱硫排水からの石
膏の回収方法を提供する。 【解決手段】 排煙脱硫排水を蒸発濃縮した後に固液分
離し、固体側で石膏を回収し、液体側の分離液中の重金
属イオン、フッ素イオンおよびCOD成分を除去するこ
とを特徴とする排煙脱硫排水からの石膏回収方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石炭火力発電所か
ら排出される排煙をスート混合排煙脱硫装置で処理して
得られる排煙脱硫排水から石膏を回収する方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】火力発電所等において、硫黄分が含まれ
ている重油や石炭等を燃料として使用するとSOxが発
生し公害の原因となるため、排煙を脱硫する必要があ
る。排煙を脱硫する方法として、ボイラー等の燃焼装置
から排出される排煙の硫黄酸化物を石膏として回収する
湿式石灰石−石膏法排煙脱硫装置を用いる方法が知られ
ている。
【0003】湿式石灰石−石膏法排煙脱硫装置を用いる
方法とは、排煙を石灰石(炭酸カルシウム)スラリーに
吸収させて亜硫酸カルシウムとし、これに空気などを吹
き込んで石膏(硫酸カルシウム2水和物)として回収す
る方法である。
【0004】排煙脱硫装置から排出される排煙脱硫排水
には硫酸イオンが高濃度で含まれているため、さらにカ
ルシウム塩などを添加して凝集沈澱処理を行った後に固
液分離して石膏を回収していることが多い。排煙脱硫排
水から得られる石膏は、排水中のフッ素除去のために添
加する水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムが混入
するため排煙脱硫装置内で回収した石膏に比べて純度が
低いが、純度の高い石膏と混合するなどして石膏ボード
の原料とすることが可能である。
【0005】排煙脱硫排水から石膏を回収する従来技術
の一例として、2段凝集沈澱濾過法のフローを図2に示
す。図2に示したように、従来の2段凝集沈殿濾過法
は、排水にカルシウム塩を添加してまず1段目の凝集沈
澱処理を行ない、石膏とフッ化カルシウムを含む汚泥を
沈澱分離し、上澄み液に炭酸ソーダなどの軟化剤を添加
することによって2段目の凝集沈澱処理を行ない上澄み
液中に残留するフッ素イオンを沈澱分離させる方法であ
る。排水中の重金属およびCOD成分は、この方法によ
り大部分除去されるが、後段にCOD吸着塔を設けるこ
ともある。分離された汚泥は、高純度の石膏と混合して
脱水され回収される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の排煙脱硫排水か
らの2段凝集沈澱濾過法による石膏回収方法では、凝集
沈澱処理を行うための運転制御方法が複雑で薬品使用量
が多く、また装置を設置するために広い面積が必要であ
るなどの問題点を有している。濃縮汚泥を固液分離する
方法として遠心分離により脱水する方法が一般的である
が、遠心分離脱水機では液側に比較的粒径が小さく沈降
性の悪い石膏が混入してしまい、回収率が悪くなること
がある。さらに、回収される石膏を石膏ボードの原料と
して使用できる程度に純度を上げるためには高純度の石
膏と混合する必要がある。しかしその場合には、高純度
石膏の価値を混合によりわざわざ下げてしまうことにな
る。本発明が解決しようとする課題は、ランニングコス
トが安く簡素で必要設置面積も小さく、運転管理も比較
的容易であり、比較的純度の高い石膏を回収することの
できる排煙脱硫排水からの石膏の回収方法を提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らが鋭意研究を
重ねた結果、排煙脱硫排水を蒸発濃縮して石膏を回収す
ることにより、上記課題を解決できることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0008】請求項1に係る本発明は、排煙脱硫排水を
蒸発濃縮した後に固液分離し、固体側で石膏を回収し、
液体側の分離液中の重金属イオン、フッ素イオンおよび
COD成分を除去することを特徴とする排煙脱硫排水か
らの石膏回収方法に関するものである。
【0009】請求項2に係る本発明は、分離液にキレー
ト系重金属捕集剤を添加することにより重金属イオンを
除去することを特徴とするものである。
【0010】請求項3に係る本発明は、分離液にフッ素
の難溶塩化剤を添加することにより分離液中のフッ素イ
オンを除去することを特徴とするものである。
【0011】請求項4に係る本発明は、分離液に無機凝
集剤を添加することにより分離液中のCOD成分を除去
することを特徴とするものである。
【0012】請求項5に係る本発明は、フッ素イオンを
除去する際に排煙脱硫排水の濃縮液の一部を分離液中に
添加することを特徴とするものである。
【0013】請求項6に係る本発明は、重金属イオンお
よびフッ素イオンを除去した後COD成分を除去するこ
とを特徴するものである。
【0014】請求項7に係る本発明は、キレート系重金
属捕集剤が硫化物系キレート化合物であることを特徴と
するものである。
【0015】請求項8に係る本発明は、フッ素の難溶塩
化剤がリン酸および/またはリン酸塩であることを特徴
とするものである。
【0016】請求項9に係る本発明は、無機凝集剤が鉄
塩および/またはアルミニウム塩であることを特徴とす
るものである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明方法の処理対象となる排煙
脱硫排水は、例えば石油や石炭を燃料とする火力発電所
の燃焼装置の排煙を石灰石−石膏法スート混合式排煙脱
硫装置から排出される排煙脱硫排水を挙げることがで
き、硫酸イオン、カルシウムイオン、フッ素イオンおよ
びその他の重金属イオンを含むものである。
【0018】本発明方法は、排煙脱硫排水を蒸発濃縮し
た後、固液分離することにより比較的高純度の石膏を回
収し、液体側の分離液中のフッ素イオン等の有害物質を
除去することを特徴とするものである。
【0019】本発明方法は、まず排煙脱硫排水を蒸発濃
縮するが、この蒸発濃縮手段は特に限定されない。蒸発
濃縮手段としては、例えば、水平伝熱管形式または竪型
の下降液膜形式の蒸発濃縮装置を挙げることができる。
蒸発濃縮の条件も特に限定されないが、例えば、大気圧
基準で−500〜−650mmHgの減圧下、外部加熱
方式または自己蒸気圧濃縮加熱方式で50〜70℃に加
熱して行えばよい。
【0020】排煙脱硫排水には、カルシウムイオンと硫
酸イオンがほぼ飽和濃度で存在するため、濃縮するとそ
れぞれのイオンは互いに結合し石膏として析出する。排
煙脱硫排水を濃縮してゆくと、イオンの飽和濃度を超え
た分が析出してくるため、従来の凝集沈殿法のように水
酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムを添加しないの
で生成する石膏の純度は高い。
【0021】蒸発濃縮の濃縮度は、濃縮液の全蒸発残留
物濃度で30〜55w/v%であることが好ましい。濃
縮度が55w/v%を超えると懸濁物質が蒸発濃縮装置
内部に堆積したり配管を閉塞する恐れや、塩化物イオン
や硫酸イオンによる金属材料の腐食の恐れがあるため、
好ましくない。また、30w/v%未満では析出による
石膏の生成が少なく、後段の固液分離の効率が悪く、好
ましくない。
【0022】全蒸発残留物濃度を30〜55w/v%と
した場合、石膏を主成分とする懸濁物質濃度は15〜3
0w/v%程度になる。この程度の範囲の懸濁物質濃度
の石膏であると固液分離手段として、フィルタープレス
による脱水手段を用いることができ、脱水効率が向上す
る。フィルタープレスにより濃縮液を脱水すると、含水
率20w/w%程度の脱水ケーキが得られる。なお、蒸
発濃縮後の濃縮液を固液分離する手段としては、上述の
フィルタープレスに限定されるものではなく、例えば遠
心分離機やベルトプレス型脱水機等の公知の固液分離手
段を用いることができる。
【0023】蒸発濃縮により排煙脱硫排水中に含まれる
各イオン濃度は上昇し、カルシウムイオンと硫酸イオン
は互いに結合して石膏(硫酸カルシウム)となる。溶解
度が比較的低く構成イオン濃度の高い物質は、排煙脱硫
排水中では石膏のみであるため、蒸発濃縮により得られ
る析出物は主として石膏であり、フィルタープレスなど
により固液分離を行えば、そのままで石膏ボードの原料
として再利用可能な程度に純度の高い石膏が得られる。
【0024】濃縮液のpHは、5〜7程度であることが
好ましい。pHが低すぎると蒸発濃縮装置を腐食する原
因となり、高すぎると重金属の水酸化物が生成し、固液
分離の際に不純物として石膏に混入する恐れがある他、
蒸発濃縮の際にアルカリスケール(水酸化マグネシウム
や炭酸カルシウムなど)の伝熱管への付着の恐れがあ
る。
【0025】排煙脱硫排水中には、カルシウムイオンな
どのスケール成分が多く含まれるため、蒸発濃縮に際し
て種晶となる石膏を添加する必要があるが、これは回収
された石膏を用いるか蒸発濃縮装置系内で循環させるな
どの方法を採用すればよい。その場合にも、蒸発濃縮装
置系内に一定量以上の石膏が存在すればよいので、実質
的に石膏の消費はなく、回収される石膏の量が減少する
ことはない。
【0026】本発明において、濃縮液を固液分離した際
に発生する分離液には、排煙脱硫排水中に含まれていた
フッ素イオンや各種の重金属イオン等の有害物質が濃縮
された状態で存在する。それらの有害物質の除去処理
は、以下のように行うことが好ましい。
【0027】まず分離液中の重金属イオンを除去するに
は、キレート系の重金属捕集剤を添加すればよい。キレ
ート系重金属捕集剤としては、特に限定されないが、例
えばジチオカルバミン酸系キレート化合物などの硫化物
系のキレート化合物が挙げられる。硫化物系キレート化
合物の重金属捕集剤を添加することにより、分離液中の
重金属イオンと該捕集剤とが結合して不溶化し、析出す
るので、この不溶物を無機凝集剤を添加することによっ
て凝集し、固液分離する。固液分離の手段としては例え
ばフィルタープレス脱水機を挙げることができ、脱水後
の脱水ケーキおよび脱水濾液の重金属を埋め立て基準や
排水基準を満足する程度にキレート処理することができ
る。硫化物系のキレート剤の過剰添加分は無機凝集剤を
添加することにより、不溶化して沈澱除去することがで
きる。
【0028】分離液中のフッ素イオンを除去するには、
従来の排煙脱硫排水の処理に用いられているカルシウム
塩を添加する凝集沈澱法や、リン酸塩を添加して難溶性
のフルオロアパタイトを生成させる方法がある。いずれ
にしても、排煙脱硫排水にそのままフッ素の難溶塩化剤
を添加する場合に比べて必要添加量は少なくなる。排煙
脱硫排水を蒸発濃縮する過程で排水中のフッ素イオンが
化学反応により析出して沈澱し、懸濁物質となるためで
ある。その理由は明確ではないが、排煙脱硫排水中のカ
ルシウムイオンと化学反応して難溶性のフッ化カルシウ
ムを生成するためと考えられる。
【0029】リン酸および/またはリン酸塩を添加して
フルオロアパタイトを生成させる場合は、過剰に添加し
たリン酸および/またはリン酸塩を除去するために後段
で鉄塩やアルミニウム塩などの無機凝集剤を添加して沈
澱除去する必要がある。なお、カルシウム塩を添加する
方法ではpHを7程度に、リン酸および/リン酸塩を添
加する方法ではpHを5〜7程度に調整することが好ま
しい。さらに、分離液中にマグネシウムが十分存在する
場合、アルカリを添加してpHを高め、水酸化マグネシ
ウムのフロックとし、これにフッ素を吸着させることも
できる。この場合、アルカリは、水酸化ナトリウムや水
酸化カルシウムなどでよく、pHを9〜11に調整する
のがよい。
【0030】フッ素の難溶塩化剤としての、リン酸塩と
して好ましいものは、リン酸ナトリウムやリン酸カリウ
ム等が挙げられる。これらのリン酸塩は、第一塩、第二
塩、第三塩のいずれでもよい。
【0031】分離液中のCOD成分の除去は、塩化鉄
(III)等の鉄塩および/または硫酸アルミニウム等の
アルミニウム塩の無機凝集剤を添加することにより沈澱
除去すればよい。分離液中には、排煙脱硫排水由来のC
OD成分と過剰に添加した重金属捕集剤由来のCOD成
分が存在するが、前者は発電所ボイラーの燃料によって
COD成分の種類および濃度が変動するため、鉄塩では
除去しきれない場合がある。その場合には、活性炭によ
る吸着処理等を行えばよい。
【0032】以上3種類の有害物質を対象として除去処
理を行う必要があるが、これらの処理の組み合わせは、
重金属処理およびフッ素処理を行った後、COD処理す
るという順序とするのが好ましい。その理由は、未反応
の残留重金属捕集剤、残留リン酸イオンと排煙脱硫排水
由来のCOD成分の除去処理を無機凝集剤の添加で同時
に行うことができるためである。従って、重金属処理と
フッ素処理はCOD処理の前に行えばよく、重金属処理
とフッ素処理は同時でもよく、どちらを先に行ってもよ
い。
【0033】なお、上記の分離液中の有害物質処理工程
において有害物質を除去するために固液分離する必要が
ある。固液分離の方法としては、特に限定されるもので
はないが、フィルタープレスが、約20w/w%程度の
低含水率の脱水ケーキが得られ、設備も小型であるため
好ましい。また固液分離は各工程毎に行う必要はなく、
重金属処理、フッ素処理、COD処理の薬品添加を行っ
た後に、まとめてフィルタープレスによる固液分離を行
うのが好ましい。また、フッ素処理においては結晶析出
の反応によりフッ素を沈澱させる方法であるため、種晶
となる懸濁物質が存在すると効率がよい。外部から種晶
を添加する方法もあるが、排煙脱硫排水の蒸発濃縮液に
含まれる懸濁物質が使用できるので、蒸発濃縮液の一部
(0〜20%)を添加するのが好ましい。なお、懸濁物
質の添加は種晶となる効果もあるが、フィルタープレス
の濾過性を高める効果もある。
【0034】以上の処理により、分離液は、排水基準を
満足する水質まで浄化される。また、有害物質処理工程
において発生する少量の脱水ケーキは重金属の溶出がな
く、埋め立て基準を満足する。
【0035】本発明の、排煙脱硫排水から石膏を回収す
る方法の一実施形態を、フロー図として図1に示す。な
お、図1においては、蒸発濃縮後の濃縮液の固液分離手
段としてフィルタープレス脱水機を用いた例を示してい
る。
【0036】
【実施例】実施例 石炭火力発電所の石灰石−石膏法スート混合式排煙脱硫
装置から排出される排煙脱硫排水(100kg/h)
を、苛性ソーダまたは硫酸を添加してpH6に調整し
た。pH調整した排煙脱硫排水を、水平伝熱管型の蒸発
濃縮装置を用い、大気圧基準で−530mmHg,70
℃での条件で濃縮液の比重が1.3(全蒸発残留物濃
度:50w/v%)となるまで濃縮し、93.5kg/
hの凝縮水と6.5kg/hの濃縮液が得られた。濃縮
液の5%を抜き出し、第1反応槽へ移送した。残りの濃
縮液の95%をフィルタープレスで脱水(固液分離)
し、固形分として石膏を1kg/h回収した。フィルタ
ープレスから得られる脱水濾液(分離液)を第1反応槽
へ導入し、「オルガナイト2050」(オルガノ(株)
製、重金属捕集剤)を15g/hで、リン酸二水素ナト
リウム(難溶塩化剤)を7.5g/h(PO4重量換
算)で添加し、苛性ソーダまたは硫酸でpH6に調整し
た。
【0037】pHを調整した処理液を第2反応槽に移
し、無機凝集剤として38%塩化第二鉄水溶液を加え
(30g/h)、凝集した固形物をフィルタープレスで
脱水し、固形物として脱水ケーキを得た(100g/
h)。脱水濾液は、活性炭吸着塔に通液し、排水として
放流(5.5kg/h)した。
【0038】排煙脱硫排水、その蒸発濃縮液および蒸発
濃縮液をフィルタープレス脱水機で固液分離し、脱水濾
液から各有害物質を除去処理して最終的に排出される放
流排水の水質を表1に示す。表1に「排水基準を定める
総理府令」に従って排水基準を併記した。
【0039】また、蒸発濃縮液を固液分離して得られた
石膏の重量および純度を表2に、有害物質沈澱除去後の
脱水ケーキの重量および溶出試験結果を表3に示す。溶
出試験の方法は、「金属等を含む産業廃棄物に係る判定
基準を定める総理府令の別表七」に従った。なお、実施
例の処理に使用した同じ排煙脱硫排水を用いて、図2に
示した従来の2段凝集沈澱濾過法により処理して回収さ
れた石膏の純度を表2に比較例として示した。また、重
金属捕集剤を添加しない以外は実施例に準じて処理して
得られる脱水ケーキの溶出試験結果を表3に併せて記載
した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】表1の結果から明らかなように、本発明方
法により処理された最終放流排水は、重金属、フッ素お
よびCODの有害物質は排水基準を満足しており、その
まま放流してもなんら問題はない。
【0044】また、表2の結果から明らかなように、本
発明方法により回収された石膏は、従来法の2段凝集沈
澱濾過法により回収された石膏に比べて純度が高く、石
膏ボードの原料として十分使用しうるものであった。
【0045】さらにまた、表3の結果から明らかなよう
に、本発明方法により処理された脱水ケーキは、重金属
捕集剤を添加しない場合に比べて、重金属の溶出量が少
なく、埋め立て基準を満足するものであった。
【0046】
【発明の効果】本発明方法は、ランニングコストが安
く、簡素で必要設置面積も小さく、運転管理も比較的容
易な蒸発濃縮装置を用いて排煙脱硫排水から比較的高純
度の石膏を回収することができる。回収された石膏は、
石膏ボードの原料として再利用することが可能である。
【0047】本発明方法により、最終的に排出される排
水は放流することができ、また最終的に排出される脱水
ケーキは重金属が漏れ出すことがないので埋め立て処分
をすることができる。蒸発濃縮工程の過程で発生する水
蒸気は凝縮させて回収し、再利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の一実施形態を示すフロー図。
【図2】従来の2段凝集沈澱濾過法を示すフロー図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C02F 1/52 C02F 1/58 M 1/58 1/62 Z 1/62 C09K 3/00 107 C09K 3/00 107 B01D 53/34 125E

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排煙脱硫排水を蒸発濃縮した後に固液分
    離し、固体側で石膏を回収し、液体側の分離液中の重金
    属イオン、フッ素イオンおよびCOD成分を除去するこ
    とを特徴とする排煙脱硫排水からの石膏回収方法。
  2. 【請求項2】 分離液にキレート系重金属捕集剤を添加
    することにより重金属イオンを除去することを特徴とす
    る請求項1に記載の排煙脱硫排水からの石膏回収方法。
  3. 【請求項3】 分離液にフッ素の難溶塩化剤を添加する
    ことにより分離液中のフッ素イオンを除去することを特
    徴とする請求項1に記載の排煙脱硫排水からの石膏回収
    方法。
  4. 【請求項4】 分離液に無機凝集剤を添加することによ
    り分離液中のCOD成分を除去することを特徴とする請
    求項1に記載の排煙脱硫排水からの石膏回収方法。
  5. 【請求項5】 フッ素イオンを除去する際に排煙脱硫排
    水の濃縮液の一部を分離液中に添加することを特徴とす
    る請求項1に記載の排煙脱硫排水からの石膏回収方法。
  6. 【請求項6】 重金属イオンおよびフッ素イオンを除去
    した後COD成分を除去することを特徴とする請求項1
    に記載の排煙脱硫排水からの石膏回収方法。
  7. 【請求項7】 キレート系重金属捕集剤が硫化物系キレ
    ート化合物であることを特徴とする請求項2に記載の排
    煙脱硫排水からの石膏回収方法。
  8. 【請求項8】 フッ素の難溶塩化剤がリン酸および/ま
    たはリン酸塩であることを特徴とする請求項3に記載の
    排煙脱硫排水からの石膏回収方法。
  9. 【請求項9】 無機凝集剤が鉄塩および/またはアルミ
    ニウム塩であることを特徴とする請求項4に記載の排煙
    脱硫排水からの石膏回収方法。
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