JPH1015533A - 火力発電所排水の処理方法 - Google Patents

火力発電所排水の処理方法

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JPH1015533A
JPH1015533A JP18999096A JP18999096A JPH1015533A JP H1015533 A JPH1015533 A JP H1015533A JP 18999096 A JP18999096 A JP 18999096A JP 18999096 A JP18999096 A JP 18999096A JP H1015533 A JPH1015533 A JP H1015533A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】火力発電所における排水を循環再利用し、工業
用水や河川水の使用量を大幅に低減することができる火
力発電所排水の処理方法を提供する。 【解決手段】火力発電所において発生する塩類低濃度系
排水を凝集、固液分離処理し、得られた処理水を排煙脱
硫排水の洗浄水として回収し、発生する排煙脱硫排水を
蒸発濃縮し、得られた凝縮水を火力発電所における用水
として回収することを特徴とする火力発電所排水の処理
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、火力発電所排水の
処理方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、火力発
電所において、塩類低濃度排水を固液分離処理して得ら
れる処理水を、排煙脱硫装置の洗浄水として利用し、排
煙脱硫排水を蒸発濃縮し、その凝縮水を発電所用水とし
て循環再利用し、工業用水や河川水の使用量を大幅に低
減することができる火力発電所排水の処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】火力発電所では、多量の用水を使用す
る。用水としては、通常工業用水を使用するが、使用目
的により工業用水をそのまま使用する系統と、工業用水
を処理して、例えば、凝集、ろ過、純水装置によって処
理して使用する系統とがある。工業用水を処理した上質
水は、蒸気生成用水として、あるいは純水装置や復水脱
塩装置の再生用水として使用される。本来の目的である
発電用の蒸気生成のために使用されるときは、使用済み
の蒸気は復水として回収され循環使用される。しかし、
ボイラ運転で発生する炉排ガスの脱硫処理用など多くの
他の目的でも用水が使用されるが、これらは排水として
排出されることになる。火力発電所排水は、一般に定時
排出される定常時排水と設備の定期補修などで不定期に
排出される非定常排水に大別される。非定常排水には、
エアヒータ水洗水やガスガスヒータ水洗水などがある
が、排水量としては全体の3〜10%程度と少ない。一
方、定常排水は排水量の90〜97%を占め、中でも排
煙脱硫排水は全体の40〜60%程度と多く、その他に
灰処理装置のブロー排水や純水装置の再生排水などがあ
る。これらの排水は、排水中に含まれる処理対象成分が
異なるので、非定常を含めた排煙脱硫排水系と、排煙脱
硫排水を除く汚染の少ない定常排水を一般系として、そ
れぞれ分別して処理している。排煙脱硫排水系は、pH、
懸濁物質、フッ素、重金属、CODなどを対象とする処
理プロセスで処理し、一般系排水は、pH、懸濁物質を主
体とした処理を行って無害にして放流している。火力発
電所における工業用水や河川水などの用水使用量は、概
ね発電量100万kW規模の発電所で日間10,000m3
程度であり、発生した排水の約4,000m3は無害化処
理を行って放流されている。近年、用水の使用量の多い
排煙脱硫装置では節水型の開発が進み、排水として高塩
類含有系に変わりつつあるが、それでも使用水量が多
く、降雨量の少ない水不足のシーズンではさらなる節水
化が要求されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、火力発電所
における排水を循環再利用し、工業用水や河川水の使用
量を大幅に低減することができる火力発電所排水の処理
方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、火力発電所の一
般排水を固液分離処理して得られる処理水を、排煙脱硫
装置の用水に供給し、排煙脱硫排水を蒸発濃縮し、その
凝縮水を発電所用水に利用することにより、用水使用量
を大幅に低減し得ることを見いだし、この知見に基づい
て本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、火
力発電所において発生する塩類低濃度系排水を凝集、固
液分離処理し、得られた処理水を排煙脱硫排水の洗浄水
として回収し、発生する排煙脱硫排水を蒸発濃縮し、得
られた凝縮水を火力発電所における用水として回収する
ことを特徴とする火力発電所排水の処理方法を提供する
ものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明方法は、火力発電所排水に
適用することができる。火力発電所において発生する排
水は、塩類を高濃度に含有するいわゆる塩類高濃度系排
水と、塩類を低濃度に含有するいわゆる塩類低濃度系排
水とに区分することができる。塩類低濃度系排水として
は、例えば、ボイラーブロー水、灰処理装置ブロー水、
分析室排水、床洗浄排水、冷却塔ブロー水、生活排水な
どが発生する。本館などから排出される生活排水は、通
常有機物濃度が高いので、あらかじめ生物処理などによ
って有機物を除去することが好ましい。床洗浄排水は油
分を含む場合が多いので、あらかじめ油分を分離除去す
ることが好ましい。また、復水脱塩装置や純水装置から
は、イオン交換樹脂を再生するときに再生廃液が発生
し、再生に続いて行う洗浄によって洗浄排水が発生す
る。再生廃液は塩類を高濃度に含むので塩類高濃度系排
水として処理し、洗浄排水は塩濃度が低いので、塩類低
濃度系排水として処理することができ、あるいは、再生
廃液と洗浄排水とを連続して貯留し、両者を併せて塩類
低濃度系排水として処理することができる。これらの塩
類低濃度系排水の混合物は、通常、汚濁成分は懸濁物質
が主であり、pHが酸性からアルカリ性にわたって変動す
る排水である。本発明方法において、塩類低濃度系排水
は、pH調整を行い、懸濁物質、重金属及び残存する微量
の油分除去のために、凝集剤を添加して固液分離を行
う。pH調整剤としては、酸又はアルカリを用い、凝集に
適したpH、通常は6〜10に調整する。凝集剤として
は、例えば、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、硫酸
第一鉄、塩化第二鉄、消石灰、カルシウム塩、マグネシ
ウム塩などの無機凝集剤を好適に使用することができ
る。必要に応じて、アルギン酸ナトリウム、カルボキシ
メチルセルロース、ポリアクリルアミドの部分加水分解
物の塩などのアニオン性高分子凝集剤、ポリエチレンイ
ミン、ポリチオ尿素、ポリジメチルジアリルアンモニウ
ムクロライドなどのカチオン性高分子凝集剤、ポリアク
リルアミドなどのノニオン性高分子凝集剤などを用い
て、分離性を改善することができる。これらの凝集剤
は、1種を単独で使用することができ、2種以上を組み
合わせて使用することができる。固液分離に用いる装置
には特に制限はなく、例えば、ろ過装置、沈殿装置、加
圧浮上装置、膜分離装置などを用いることができる。得
られる処理水は、塩類濃液としてはやや増加するもの
の、懸濁物質や重金属類は含まない。
【0006】本発明方法においては、塩類低濃度系排水
を固液分離して得られる処理水を、排煙脱硫装置の洗浄
水として使用する。炉の排煙ガスは、電気集塵機、エア
ヒーター、ガスガスヒーターなどを経由して脱硫装置に
導かれ、脱硫装置において排ガスは水と接触させられ、
SOXの吸収及び除塵が行われる。このガス浄化用の洗
浄水として、塩類低濃度系排水を固液分離して得られる
処理水を使用する。排煙脱硫装置の型式には特に制限は
なく、例えば、石灰−石こう法のスーツ分離型やスーツ
混合型の排煙脱硫装置などの洗浄水として使用すること
ができる。本発明方法においては、塩類高濃度系排水を
蒸発濃縮する。火力発電所においては、塩類高濃度系排
水の代表的なものが排煙脱硫排水であり、塩類高濃度系
排水の大部分の量を占める。火力発電所において発生す
る他の塩類高濃度系排水としては、先に述べた復水脱塩
装置、純水装置の再生廃液のほか、分析室雑排水、EP
床洗浄排水などがあり、これらの塩類高濃度系排水は、
排煙脱硫排水と混合して処理することができる。さら
に、日常は発生しないが、年に1〜2回の定期補修時に
発生する非定常排水、例えば、エアヒーター洗浄排水、
ガスガスヒーター洗浄排水などがある。非定常的に発生
する塩類高濃度系排水は、発生時に、あるいは分割して
排煙脱硫排水に混合して処理することができる。本発明
方法において、排煙脱硫排水は直接蒸発濃縮することが
でき、あるいは蒸発濃縮に先立って固液分離などの前処
理工程を設けることができる。排煙脱硫排水は、一般に
フライアッシュや石こうの微細粒子を含み、かつ、フッ
酸、硫酸、ケイ酸などの溶解性物質も多く含んでいる。
排煙脱硫排水の性状は、排煙脱硫方式によっても異な
る。例えば、スーツ分離方式では、排ガスを順次、除塵
塔、吸収塔に通して処理し、排水を除塵塔から排出する
ため、排水はpHが低く、フッ化物イオンを多く含む。ス
ーツ混合方式では、排ガスを吸収塔のみで処理するた
め、排水のpHは中性であり、フッ化物イオンの含有量は
少ない。スーツ混合方式の場合のように、中性でフッ化
物イオンが少ない排水は、そのまま蒸発濃縮することが
できるが、スーツ分離方式のようにpHが低くフッ化物イ
オンが多い排水では、フッ化物イオンが、蒸発濃縮工程
において用いる蒸発装置の腐食の原因となるため、蒸発
濃縮の前に中和、凝集などの前処理工程を設けることが
好ましい。
【0007】前処理工程においては、排煙脱硫排水中の
懸濁物質や、重金属イオン、フッ化物イオンを除去する
ために、pH調整を行ったのち凝集剤を添加して固液分離
処理を行う。pH調整剤として、例えば、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアル
カリ、又は、硫酸、塩酸などの酸などを用いて、pHを5
〜10に調整することが好ましく、pHを6〜9に調整す
ることがより好ましい。排煙脱硫排水中にアルミニウム
塩やカルシウム化合物などが存在するときは、pH調整の
みで凝集剤の添加を省略することができる場合もある
が、排煙脱硫排水中の無機化合物の濃度によって、無機
凝集剤の添加量を適宜決定することが好ましい。凝集剤
としては、例えば、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウ
ム、硫酸第一鉄、塩化第二鉄、消石灰、カルシウム塩、
マグネシウム塩などの無機凝集剤を好適に使用すること
ができる。必要に応じて、アルギン酸ナトリウム、カル
ボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミドの部分加
水分解物の塩などのアニオン性高分子凝集剤、ポリエチ
レンイミン、ポリチオ尿素、ポリジメチルジアリルアン
モニウムクロライドなどのカチオン性高分子凝集剤、ポ
リアクリルアミドなどのノニオン性高分子凝集剤などを
用いて、分離性を改善することができる。これらの凝集
剤は、1種を単独で使用することができ、2種以上を組
み合わせて使用することができる。固液分離に用いる装
置には特に制限はなく、例えば、ろ過装置、沈殿装置、
加圧浮上装置、膜分離装置などを用いることができる。
本発明方法において、排煙脱硫排水の蒸発濃縮工程にお
いて使用する蒸発濃縮装置に特に制限はなく、例えば、
減圧式蒸発缶、薄膜式蒸発缶、強制循環式蒸発缶など公
知の蒸発濃縮装置を用い、常法にしたがって行うことが
できる。蒸発濃縮工程においては、排水中の水を蒸発さ
せ、凝縮させて回収する。凝縮水は、溶存物質をほとん
ど含まない清澄な水として回収することができる。蒸発
濃縮装置には、供給水のpHを5〜8.5、好ましくはpH
を5〜6の微酸性とし、蒸気側に塩酸やフッ酸の移行を
防ぐとともに、水酸化マグネシウムや炭酸カルシウムの
スケールの析出を防止する条件下で、蒸発濃縮処理を行
うことが好ましい。また、スケールの防止のためには、
スケール防止剤を添加して中性付近で蒸発濃縮すること
ができ、あるいは、濃縮水を循環して種晶を存在させる
ことによりスケール化を防止し、蒸発濃縮することがで
きる。蒸発濃縮処理において、濃縮倍率には特に制限は
ないが、数倍〜数十倍程度とすることが好ましい。濃縮
倍率を高くすると水回収率は高くなるが、スケール生成
の問題が生ずるおそれがある。排煙脱硫排水に前処理を
行った水は、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カ
ルシウムなどの溶解成分を多く含むので脱塩処理が必要
であり、通常の脱塩処理方法として知られている逆浸透
膜、イオン交換膜、イオン交換樹脂などは、スケール発
生、汚泥発生量、水回収率などの面から適用は難しく、
蒸発濃縮法を有利に適用することができる。
【0008】本発明方法において、蒸発濃縮処理により
回収される凝縮水は清澄であり、工業用水よりも含有す
る塩類濃度が低く、かつ懸濁物質を含まない高品質の水
である。このため、凝縮水は、必要に応じてpH調整処理
を行い、用水ラインに戻して火力発電所の用水として再
利用することができる。凝縮水を戻す位置としては、工
業用水をさらに上質水に処理する給水ラインが好ましい
が、なかでも給水ラインに設けた純水装置の直前が適切
である。通常、給水ラインには、工業用水などの補給水
を処理するために、凝集、ろ過、純水装置などの水処理
装置が組み込まれている。凝縮水には懸濁物がほとんど
含まれていないため、凝集、ろ過処理を省略することが
でき、凝集、ろ過装置への負荷を軽減することができ
る。凝縮水は、上述のように給水ラインに戻すことが好
ましいが、火力発電所に供給された工業用水と混合し
て、蒸気生成用水のほか、他の目的の用水として使用す
ることもできる。蒸発濃縮処理によって得られる凝縮水
は、必要に応じて脱塩処理を行うが、通常は含有塩類が
少ないために、例えば、イオン交換を行ってもイオン交
換樹脂の再生頻度が極めて長くなるという利点を有す
る。本発明方法において、蒸発濃縮工程において蒸発に
より汚濁成分が濃縮された濃縮水には、懸濁物質、塩
類、重金属、COD成分などが数倍ないし数十倍に濃縮
されているので、適切な除去処理をして放流などの処分
をする。濃縮水の処理方法としては、例えば、濃縮水に
鉄塩、アルミニウム塩などを添加し、pHを調整して凝集
処理し、濃縮されているフッ化物イオン、重金属などを
不溶化し、固液分離する。さらに、分離水中のCOD成
分を除去するために、COD吸着樹脂に通水して処理
し、あるいは、有機物その他のTOC成分を除去するた
めに、活性炭処理工程を付加することができる。また、
固形分は、セメントなどによる固化処理して処分するこ
とができる。図1は、本発明方法の実施の一態様を示す
工程系統図である。受け入れられた工業用水は、(1)凝
集、ろ過工程を経て純水装置で処理され、純水となるも
の、(2)排煙脱硫装置の補給水とされるもの、(3)その
まま各種用途に使用されるものに分けられる。純水は、
さらに(4)ボイラで使用されるものと、(5)各種用途に
使用されるものに分けられる。(3)及び(5)の各種用途
から発生する塩類低濃度系排水は、凝集、固液分離処理
され、処理水は排煙脱硫装置の洗浄水として回収され
る。(2)の排煙脱硫排水は、蒸発濃縮され、凝縮水は、
(1)の純水装置の前に戻される。(4)のボイラ系から発
生する復水は、ボイラ水として使用される。本発明方法
を実施することにより、例えば、発電量100万kWの火
力発電所において、工業用水節減率30〜40%まで到
達することができる。
【0009】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 実施例1 発電量100万kWの火力発電所の受け入れ工業用水の量
は約4,000m3/日であり、その水質は、懸濁物質
2.5mg/リットル、電気伝導率7.8mS/mであった。
この凝集沈殿ろ過水を発電所用水として使用し、その塩
類低濃度排水の水質は、pH3.5、懸濁物質61mg/リ
ットル、鉄10mg/リットル、電気伝導率200mS/m
であった。この排水に、ポリ塩化アルミニウム200mg
/リットルを添加し、水酸化ナトリウムを加えて凝集沈
殿、ろ過した処理水の水質は、pH6.3、懸濁物質1mg
/リットル以下、鉄0.1mg/リットル以下、電気伝導
率210mS/mで、外観は無色透明であった。この処理
水を、排煙脱硫装置の洗浄水として使用した。排煙脱硫
装置からの排水の水質は、pH1.7、懸濁物質710mg
/リットル、鉄48mg/リットル、電気伝導率2,30
0mS/mで、外観は灰黒色であった。この排水に水酸化
カルシウムを添加して、pH6.5となるまでで中和し
た。その沈殿上澄水の水質は、pH6.5、懸濁物質5.0
mg/リットル、鉄0.2mg/リットル、電気伝導率51
0mS/mであった。この上澄水をpH5.5とし、蒸発量
5リットル/hrの蒸発濃縮装置(100℃)に5.3リ
ットル/hrで供給し、濃縮水0.3リットル/hrで引き
抜く条件で連続蒸発試験を行った。凝縮水を分析した結
果、その水質は、pH4.9、懸濁物質1mg/リットル以
下、電気伝導率0.7mS/mであり、用水として十分使
用可能な水質であった。また蒸発濃縮装置の水回収率
は、94%であった。この火力発電所の排水の内訳は、
定常排水であるものが、排煙脱硫52%、床処理ブロ
ー、純水再生その他43%であり、非定常排水であるも
のが、各種洗浄排水など5%であった。したがって、排
煙脱硫排水と各種洗浄排水の合計、すなわち全排水の5
7%を蒸発処理し、その94%を回収すれば全排水の5
4%を回収することができ、その量は、排煙脱硫以外の
定常排水43%を上回る用水を確保することができる。
これらの結果から、本発明方法をこの火力発電所に適用
すると、必要な工業用水の量は、排煙脱硫装置などから
の蒸発分、蒸発濃縮処理における濃縮水、汚泥ケーキ中
の水分などによる持ち出し分を補給し、従来に比べて
3,000〜4,000m3/日の水が節減できる。
【0010】
【発明の効果】本発明方法によれば、火力発電所におい
て用水の高度の再利用が可能となり、工業用水の使用量
を大幅に低減することができる。さらに、回収される凝
縮水は、工業用水よりも高品質である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明方法の実施の一態様を示す工程
系統図である。
【手続補正書】
【提出日】平成8年7月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、火力発電所の一
般排水を固液分離処理して得られる処理水を、排煙脱硫
装置の用水に供給し、排煙脱硫排水を蒸発濃縮し、その
凝縮水を発電所用水に利用することにより、用水使用量
を大幅に低減し得ることを見いだし、この知見に基づい
て本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、火
力発電所において発生する塩類低濃度系排水を凝集、固
液分離処理し、得られた処理水を排煙脱硫装置の洗浄水
として回収し、発生する排煙脱硫排水を蒸発濃縮し、得
られた凝縮水を火力発電所における用水として回収する
ことを特徴とする火力発電所排水の処理方法を提供する
ものである。
【その他】今回の補正は、
【0004】
【課題を解決するための手段】7行目の「排煙脱硫排
水」を「排煙脱硫装置」に変更する補正であります。こ
の補正は、本来「得られた処理水を排煙脱硫装置の洗浄
水として回収し、」と記載すべきところを、誤って「得
られた処理水を排煙脱硫排水の洗浄水として回収し、」
とした誤記の訂正であります。該「排煙脱硫排水」が
「排煙脱硫装置」の誤記であることは、下記の根拠から
明らかであります。 (1)根拠1
【0001】
【発明の属する技術分野】に、「本発明は、火力発電所
排水の処理方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、
火力発電所において、塩類低濃度排水を固液分離処理し
て得られる処理水を、排煙脱硫装置の洗浄水として利用
し、排煙脱硫排水を蒸発濃縮し、その凝縮水を発電所用
水として循環再利用し、工業用水や河川水の使用量を大
幅に低減することができる火力発電所排水の処理方法に
関する。」と記載されています。この記載から、火力発
電所において、塩類低濃度排水を固液分離処理して得ら
れる処理水を、排煙脱硫装置の洗浄水として用いること
が、本発明の発明特定事項であることが明らかでありま
す。 (2)根拠2
【0009】
【実施例】の7行目〜13行目に、塩類低濃度排水にポ
リ塩化アルミニウムを添加し、水酸化ナトリウムを加え
て凝集沈殿、ろ過して処理水を得、「この処理水を、排
煙脱硫装置の洗浄水として使用した。」ことが記載され
ており、この記載からも、塩類低濃度排水を固液分離処
理して得られる処理水を、排煙脱硫装置の洗浄水として
用いることが明らかであります。 (3)根拠3 図1において、「固液分離処理」後の「処理水」が(排
煙脱硫装置)の前に送られるフローが示されており、こ
の図からも、塩類低濃度排水を固液分離処理して得られ
る処理水を、排煙脱硫装置の洗浄水として用いることが
明らかであります。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】火力発電所において発生する塩類低濃度系
    排水を凝集、固液分離処理し、得られた処理水を排煙脱
    硫排水の洗浄水として回収し、発生する排煙脱硫排水を
    蒸発濃縮し、得られた凝縮水を火力発電所における用水
    として回収することを特徴とする火力発電所排水の処理
    方法。
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