JP4347097B2 - 排水処理システム及びそれを用いた排ガス処理システム - Google Patents

排水処理システム及びそれを用いた排ガス処理システム Download PDF

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Description

本発明は、排水処理システム及びそれを用いた排ガス処理システムに関する。
半導体関連産業等の電子産業、発電所、アルミニウム工業などから排出される排水中には、フッ素、アルカリ金属や重金属、COD成分などの環境汚染物質が含まれており、これらの環境汚染物質を排水から効率よく除去することができるシステムが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
火力原子力発電,「石炭火力排煙脱硫排水処理における発生汚泥の減量化(その2)」白倉 茂生,恵藤 良弘,高土居 忠,三浦 寅男,Vol.33,No.12, pp. 1319-1324 (1982)
しかしながら、上記システムを用いて排水から環境汚染物質を効率よく除去しようとすると、大量の薬品が必要となり、また、排水を処理することにより多量の汚泥が発生するという問題があった。
近年においては、汚泥は産業廃棄物として処理する必要があり、多額の費用を要するという状況に陥っている。他方では、産業廃棄物処分のための埋立地を確保することが困難な状況にあり、埋立処分費が増大する傾向にある。
そこで、本発明は、汚泥の発生量を大幅に削減することができ、排水を効率よく処理することが可能な排水処理システム、及びそれを用いた排ガス処理システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る排水処理システムは、排水中のフッ素を除去するフッ素処理装置と、前記排水中のアルカリ金属及び重金属を除去する重金属処理装置と、前記排水中のCOD成分を除去するCOD処理装置とを備える排水処理システムにおいて、前記フッ素処理装置は、排水、カルシウム剤、種晶、及び高分子凝集剤を混合し、混合液を調製する反応槽と、前記反応槽から送出された前記混合液中でフッ化カルシウムを凝集させる凝集槽と、を備え、前記重金属処理装置は、前記フッ化カルシウムを凝集させた後の上澄液と高分子凝集剤とを混合し、混合液を調製する他の反応槽と、前記他の反応槽から送出された混合液を沈殿分離する沈殿槽と、を備え、前記沈殿槽によって分離された沈殿物を前記排水のpH調整剤として前記反応槽に添加する手段を備えることとする。
なお、前記フッ素処理装置は、さらに、前記沈殿槽によって分離された沈殿物から遠心力により種晶を分離回収する分離手段と、前記分離手段によって回収された種晶を反応槽に添加する手段と、を備えることとしてもよいし、前記沈殿槽によって分離された沈殿物から粒径5〜100μmの範囲内のみの種晶を分離回収する分離手段を備えることとしてもよい。
前記分離手段としては、例えば、液体サイクロン(ハイドロサイクロンや高性能ハイドロサイクロンなどを含む)等の遠心分離機、遠心沈降分離機、遠心濾過分離機、遠心脱水機、濾過機、圧搾脱水分離機などを用いることができる。なお、前記沈殿物から粒径5〜100μmの範囲内のみの種晶を分離回収する際には、例えば、液体サイクロン等の遠心分離機や遠心沈降分離機などを用いることができる。また、前記重金属処理装置は、前記排水と高分子凝集剤とを混合し、混合液を調製する反応槽と、前記反応槽から送出された混合液を沈殿分離する沈殿槽と、を備え、前記沈殿槽によって分離された沈殿物を排水のpH調整剤としてフッ素処理装置に添加する手段を備えることとしてもよい。
また、本発明に係る排ガス処理システムは、排ガス中の固体成分と脱塵剤とを接触させた後、前記固体成分を含む脱塵剤を回収し、前記固体成分を含む脱塵剤を排水として系外に排出することにより排ガス中の固体成分を除去する脱塵装置と、前記脱塵装置から排出された前記排水中のフッ素を除去するフッ素処理装置と、前記排水中のアルカリ金属及び重金属を除去する重金属処理装置と、前記排水中のCOD成分を除去するCOD処理装置とを備える排ガス処理システムにおいて、前記フッ素処理装置は、排水、カルシウム剤、種晶、及び高分子凝集剤を混合し、混合液を調製する反応槽と、前記反応槽から送出された前記混合液中でフッ化カルシウムを凝集させる凝集槽と、を備え、前記重金属処理装置は、前記フッ化カルシウムを凝集させた後の上澄液と高分子凝集剤とを混合し、混合液を調製する他の反応槽と、前記他の反応槽から送出された混合液を沈殿分離する沈殿槽と、を備え、前記沈殿槽によって分離された沈殿物を前記排水のpH調整剤として前記反応槽に添加する手段を備えることとする。
なお、本発明に係る排ガス処理システムに、前記固体成分が除去された排ガスに含まれる硫黄酸化物と脱硫剤とを接触させた後、前記硫黄化合物を含む脱硫剤を回収し、前記硫黄酸化物を含む脱硫剤を系外に排出することにより排ガス中の硫黄酸化物を除去する吸収塔と、前記吸収塔から排出された前記硫黄酸化物を含む脱硫剤を固体成分と液体成分とに固液分離し、液体成分を排水として系外に排出する固液分離手段とをさらに備えさせることとしてもよい。
前記種晶は、例えば、フッ化カルシウムなどである。前記カルシウム剤としては、カルシウム又はその化合物であればどのようなものでもよいが、カルシウムの過剰注入によるスケーリングを防止することができる点で炭酸カルシウム(石灰岩、大理石など)、石膏、アパタイト、ハイドロキシアパタイト(骨粉)、リン酸カルシウムなどの難溶性のカルシウム剤を用いることが好ましい。また、前記高分子凝集剤としては、フッ化カルシウムを凝集させることができるものであればアニオン性、ノニオン性、カチオン性のいずれを用いてもよいが、フッ化カルシウムを効率良く凝集させることができる弱アニオン〜中アニオンのアニオン性凝集剤を用いることが好ましい。なお、高分子凝集剤として用いるアニオン性凝集剤としては、コロイド当量値が−0.7〜−7.0 meq/g の範囲内のものが好ましく、コロイド当量値が−0.7〜−2.8 meq/g の範囲内のものが特に好ましい。
本発明によれば、汚泥の発生量を大幅に削減することができ、排水を効率よく処理することが可能な、排水処理システム及び排ガス処理システムを提供することができる。
以下、好ましい実施の形態につき、添付図面を用いて詳細に説明する。
===排水処理システムの構成図===
図1は本発明の一実施例として説明する排水処理システムを備えた排ガス処理システムの構成図を示す。
図1に示すように、排ガス処理システムは、脱硫装置100、排水処理システムなどを備えている。排水処理システムは、フッ素処理装置200、重金属処理装置500、濾過装置600、COD処理装置700、COD吸着塔再生廃液処理装置800、放流槽900などを備えている。
脱硫装置100は、脱塵塔(脱塵装置)110、吸収塔120、沈降濃縮槽130などを備えており、脱塵塔110と吸収塔120とは配管2によって接続されている。脱塵塔110は、排ガスに含まれる固体成分(SS成分)を脱塵剤(例えば、上水、海水、排水処理水、工業用水、河川水などの水)により除去するものである。脱塵塔110には、排ガスを供給するための配管1と、ダスト(アルミナ、シリカなど)、煤塵、硫黄化合物、窒素化合物、フッ素化合物などのSS成分を除去した排ガスを排出するための配管2と、SS成分を含む脱塵剤(スラリー)を排出するための配管3と、脱塵剤を塔内に導入するための配管6と、配管3によって排出されたSS成分を含む脱塵剤の一部を塔内に導入するための配管4が接続されている。なお、配管3に接続された配管5は、脱塵塔110から排出されたSS成分を含む脱塵剤の一部を冷却槽140に排出するためのものである。
吸収塔120は、排ガスに含まれる硫黄酸化物(SOx)を除去するためのものである。吸収塔120には、脱硫した排ガスを排出するための配管7と、排ガスから硫黄酸化物を取り除くための脱硫剤(例えば、石灰石を含むスラリー溶液など)を塔内に導入するための配管8と、硫黄酸化物と脱硫剤との反応によって得られた生成物を含むスラリーを排出するための配管9と、配管9を通して排出されたスラリーの一部を塔内に戻すための配管10が接続されている。
吸収塔120の下流にはシックナーなどの沈降濃縮槽130が設置されている。沈降濃縮槽130には、槽内で分離された脱硫剤を吸収塔120に戻すための配管10が接続されている。
フッ素処理装置200は、冷却槽140から排出された冷却系脱硫排水に含まれるフッ素を除去するためのものである。フッ素処理装置200は、中和槽(反応槽)210、超高速凝集沈殿槽220などを備えている。中和槽210は、冷却系脱硫排水のpHを調整したり、カルシウム剤、フッ化カルシウム、及び高分子凝集剤(有機系凝集剤)と、pH調整後の冷却系脱硫排水とを混合したりするためのものである。超高速凝集沈殿槽220は、排水中のフッ素とカルシウム剤とを反応することにより生成されたフッ化カルシウムを高速に凝集沈殿させ、上澄液と灰とに分離するためのものである。超高速凝集沈殿槽220は、例えば、排水中のフッ素とカルシウム剤とを反応させることにより生成したフッ化カルシウムを凝集させる凝集槽と、凝集したフッ化カルシウムを含む灰を高濃度に濃縮する汚泥濃縮槽とを含んで構成されるものである。
重金属処理装置500は、排水中のアルカリ金属や重金属を除去するためのものである。重金属処理装置500は、反応槽(重金属処理槽)520、沈殿槽530などを備えている。反応槽520は、例えば、攪拌機などを用いて排水と高分子凝集剤とを混合するためのものである。沈殿槽530は、高分子凝集剤により凝集されたアルカリ金属や重金属を固液分離するためのものである。
濾過装置600は、排水中のSS成分を除去するためのものであり、pH調整槽610、濾過器620などを備えている。pH調整槽610は、後述するCOD吸着塔710のCOD吸着性能を維持させるために、排水のpHを4〜5に調整するためのものである。濾過器620は、COD吸着塔710で弊害とならない程度まで排水中のSS成分を除去するためのものである。
COD処理装置700は、排水中のCOD成分を除去するためのものであり、COD吸着塔710、中和処理槽720などを備えている。COD吸着塔710は排水中に含まれるCOD成分を吸着除去するためのものであり、中和処理槽720はCOD除去された排水を放流するためにpH7〜8.3に調整するためのものである。COD吸着塔再生廃液処理装置800は、COD吸着塔710により除去されたCOD成分を処理するためのものである。放流槽900は、SS成分、アルカリ金属や重金属、COD成分などを除去した排水のpH、濁度を測定して異常のないことを確認するために排水を一旦貯めておくためのものである。
次に、本実施の形態における排ガス処理システムの処理手順の一例について説明する。
石炭などの燃料を燃焼させた場合に発生する排ガスは、配管1を通って脱塵塔110に供給される。脱塵塔110では、配管6から補給される脱塵剤を散布して、排ガス中に含まれるダスト(アルミナ、シリカなど)、煤塵、硫黄化合物、窒素化合物、フッ素化合物などのSS成分を除去する。SS成分が除去された排ガスは、配管2から排出される。また、脱塵塔110内でSS成分を吸収した脱塵剤は、配管3,5などを通って冷却槽140に排出される。なお、SS成分を吸収した脱塵剤の一部は、配管3,4を通って脱塵塔110に戻される。
冷却槽140で冷却された冷却系脱硫排水は、中和槽210に移され、pH7〜9に調整される。そして、pH7.0に調整した冷却系脱硫排水にカルシウム剤を添加してフッ化カルシウムを生成し、その後、種晶としてのフッ化カルシウム及び高分子凝集剤を添加して種晶を核としたフロックを形成させ、超高速凝集沈殿槽220にて凝集沈殿させる。超高速凝集沈殿槽220で凝集沈殿した沈殿物は灰として排出され、上澄液は貯槽310に移される。なお、必要な場合には、中和槽210の排水に無機系凝集剤(例えば、硫酸バンドなど)を添加することとしてもよい。
一方、脱塵塔110で脱塵された排ガスは、配管2を通って吸収塔120に送出される。吸収塔120では、配管8,10などから供給される脱硫剤を噴霧して排ガス中に含まれる硫黄酸化物を吸収し、硫黄酸化物を吸収した脱硫剤(スラリー)を沈降濃縮槽130に排出する。なお、一部のスラリーは、脱硫剤として配管9,10を通って吸収塔120に循環する。吸収塔120において脱硫された排ガスは、配管7を通って排出される。
沈降濃縮槽130では、スラリーを濃縮沈降させ、そこから石膏を取り出す。取り出された石膏は、脱水機等により脱水し、セメントや石膏ボード用原料として有効利用する。沈降濃縮槽130内にて石膏を取り除いた吸収系脱硫排水は貯槽310に排出される。なお、沈降濃縮槽130内の一部の吸収系脱硫排水は配管10を通って吸収塔120に循環する。以上のように、脱塵塔110と吸収塔120とを備えた脱硫装置100は、環境汚染を引き起こすSS成分や硫黄酸化物を排ガスから除去することができることから、環境汚染などの問題を未然に防止することが可能となる。
貯槽310で集められた排水は中継槽510を介して反応槽520に移される。反応槽520で、攪拌機によって攪拌しながらアルカリ薬剤(例えば、苛性ソーダなど)を注入してpH10〜11に調整した排水に、高分子凝集剤を添加した後、沈殿槽530において排水中のアルカリ金属や重金属を水酸化物として凝集沈殿させる。凝集沈殿により沈降分離された上澄水はPH調整槽610に移される。この段階においてフッ素濃度は放流可能な濃度(10mg/lより低濃度)になっている。一方、凝集沈殿により沈降分離されたフロック(汚泥;主に水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムなどが含まれている)は脱硫排水の中和や、脱硫排水のフッ素の除去に用いるために中和槽210に循環させて再利用する。このように、フロックを再利用することにより、アルカリ薬剤の使用量を低減させることができ、また、フロックの量の低減を図ることができる。
PH調整槽610では、COD吸着装置の吸着剤SS汚染防止のために、上澄水に酸性薬剤(例えば、硫酸など)を注入してpH3〜4に調整し、これを濾過器620に通してSS除去する。濾過器620にてSS除去された排水はCOD吸着塔710に運ばれる。
COD吸着塔710では、塔内に設置された合成吸着剤(例えば、ジチオン酸イオン交換樹脂、活性炭など)からなる樹脂板や活性炭などに通水して排水からCOD成分を吸着除去し、排水中のCOD成分の濃度を10ppm以下にする。COD成分の濃度が10ppm以下の排水は、中和処理槽720に移され、アルカリ薬剤(例えば、苛性ソーダなど)によってpH7に調整され、放流槽900に移される。そして、pH、濁度を測定して異常のないことが確認された後、放流される。一方、吸着除去されたCOD成分は、COD吸着塔再生廃液処理装置800において酸−塩基触媒反応による酸加熱分解法により処理される。処理された廃液は貯槽310に移される。
以上のように、本発明に係る排ガス処理システム1000は、産業廃棄物として処理するために多額の費用を要し、埋立地確保の困難な状況にあった汚泥の発生量を大幅に削減することができる。また、フッ素処理に投入していた薬品の使用量も大幅に削減することができるので、トータル運転コストを低減することができる。
本実施の形態においては、高濃度のフッ素を処理するためのフッ素処理装置200のみを設けることとしているが、低濃度のフッ素を処理するためのフッ素処理装置300を更に設けることとしてもよい。なお、フッ素処理装置300は、図1に示すように、硫酸バンド、高分子凝集剤、アルカリ薬剤などを用いてフッ素を処理するための反応槽320と、水酸化アルミニウムとフッ素を沈殿させるための沈殿槽330と、沈殿槽330において沈殿した汚泥を濃縮するための濃縮槽340と、汚泥を脱水するための汚泥脱水機350などを備えている。
また、本発明の排ガス処理システム1000に窒素処理装置400を備えることとしてもよい。これにより、排水中に含まれる窒素を除去し、窒素の濃度を所定値(70ppm)以下にすることが可能となる。なお、窒素処理装置400は、図1に示すように、中継槽410と、窒素を処理するための反応槽(窒素処理槽)420と、沈殿槽430などを備えている。
なお、上述において、排ガス処理システム1000のフッ素処理装置200は、中和槽(反応槽)210、超高速凝集沈殿槽220などを備えていることとしているが、pH調整槽1110、反応槽1120、凝集槽1130、沈殿槽1140、ポンプ1150、ハイドロサイクロン1170などを備えることとしてもよい。以下、pH調整槽1110、反応槽1120、凝集槽1130、沈殿槽1140、ポンプ1150、ハイドロサイクロン1170などを備えたフッ素処理装置1100について説明する。
図2は本発明の一実施例として説明するフッ素処理装置1100の構成図を示す。なお、本実施の形態においては、分離手段がハイドロサイクロン70である場合について説明するが、これに限定されるものではない。
図2に示すように、フッ素処理装置1100は、pH調整槽1110、反応槽1120、凝集槽1130、沈殿槽1140、ポンプ1150、ハイドロサイクロン1170などを備えている。
pH調整槽1110は、排水のpHを調整するためのものである。反応槽1120は、攪拌機1121によって攪拌しながら、pHを調整した排水にカルシウム剤、種晶としてのフッ化カルシウム、及び高分子凝集剤を混合するためのものである。なお、反応槽1120では、混合液を高速で撹拌することにより化学反応を促進させている。
凝集槽1130は、攪拌機1131によって攪拌しながら、槽内の溶液中のフッ素化合物を凝集させるためのものである。なお、凝集槽1130では、フッ化カルシウム(汚泥フロック)の凝集速度を促進させている。従って、凝集したフッ化カルシウムを壊さないようにするために、攪拌機31を低速で攪拌するように制御することが好ましい。沈殿槽1140は、凝集槽1130から送出された混合液から凝集したフッ素化合物を沈殿分離するためのものである。
ハイドロサイクロン1170は、沈殿槽1140からポンプ1150によって供給された沈殿物を汚泥とフッ素を除去するための薬品(例えば、カルシウム剤及び種晶など)とに分離するためのものである。ハイドロサイクロン1170の分離性能によって、フッ素を除去するための薬品の粒径の大きさは決定されるが、通常は粒径5μm〜100μmの範囲内の薬品を用いることができ、フッ素の除去効率が高い点で粒径5μm〜30μmの範囲内の薬品を用いることが好ましく、ハイドロサイクロン1170で確実に分離できる点で粒径10μm〜30μmの範囲内の薬品を用いることが特に好ましい。このように、ハイドロサイクロン1170を用いることにより、沈殿物を高速に分離することが可能となる。なお、本実施の形態においては、ハイドロサイクロン1170を用いることとしているが、その他の遠心分離機や、遠心沈降分離機、遠心濾過分離機、遠心脱水機、濾過機、圧搾脱水分離などを用いることとしてもよい。
なお、本実施の形態においては、沈殿物は配管1160を通してハイドロサイクロン1170に供給されるように構成されている。また、ハイドロサイクロン1170により分離回収された種晶及びカルシウム剤は、反応槽1120に供給されるように構成されている。
また、本実施の形態においては、pH調整処理や、pHを調整した排水、カルシウム剤、種晶、及び高分子凝集剤などの混合処理や、混合液からフッ素化合物を凝集させる処理や、凝集槽1130から送出された混合液を沈殿分離させる処理などは、別々の槽で行うこととしているが、1つの槽でこれらの処理を行えるようにしてもよいし、2又は3つの槽でこれらの処理を行えるようにしてもよい。
次に、本発明に係るフッ素処理装置1100の処理手順について説明する。
冷却槽140から移された排水は、pH調整槽1110でアルカリ薬剤(苛性ソーダなど)によってフッ化カルシウムの溶解度が低いpH7〜pH10の範囲内に調整されるが、中性のpH(pH7〜8)に調整することが好ましい。これにより、フッ化カルシウムが溶解せずに、効率よくフッ素を除去することが可能となる。また、中性から弱アルカリ性の範囲内では、難溶性のカルシウム剤は低い溶解度でしか排水中に溶解しないので、排水中には低濃度のカルシウムイオンしか含まれないこととなり、処理水に対するカルシウムイオンの流出を防止できる。従って、カルシウムが多量に溶出することにより生じる配管でのスケーリングを防止することが可能となり、軟化処理によりカルシウムを除去する操作が不要となる。なお、必要であれば、硫酸バンド等の無機凝集剤を用いることとしてもよい。この硫酸バンドを用いることにより、汚泥の発生量を削減することが可能となる。なお、この無機凝集剤の添加は、pH調整する前に行うことが好ましい。
次に、pH調整された排水は反応槽1120に移される。そして、添加されたカルシウム剤と排水中のフッ素とを反応させ、反応物であるフッ素カルシウム(フロック)を形成させる。
また、反応槽1120では、種晶としてのフッ化カルシウムと高分子凝集剤とを添加し、凝集槽1130において攪拌機1131で攪拌することにより、種晶を核とした重いフロックを形成させる。これにより、フロックの沈降速度を高め、沈殿槽1140において重いフロックを迅速に分離させることが可能となる。なお、沈殿槽1140において凝集沈殿される沈殿物には、上記フロック以外に、種晶や未反応のカルシウム剤が含まれている。本実施の形態においては、沈殿物に含まれている種晶や未反応のカルシウム剤を再利用するために、ハイドロサイクロン1170によって沈殿物から粒径の大きな種晶及び未反応のカルシウム剤を分離回収することとしている。なお、粒径が小さなフロックはハイドロサイクロン1170によって分離され、汚泥として排出される。このように、ハイドロサイクロン1170を用いて種晶及び未反応のカルシウム剤を分離し循環利用することにより、半永久的に種晶を使用することや、未反応のカルシウム剤を有効利用することができるようになる。従って、種晶やカルシウム剤などの薬品の使用量や汚泥の発生量を削減させることができ、トータル運転コストの低減を図ることが可能となる。
なお、本実施の形態に係る排水処理システムや排ガス処理システム1000におけるフッ素処理装置200,1100は、各槽(反応槽(中和槽)210,1120、凝集槽1130、沈殿槽1140、超高速凝集沈殿槽220など)を個別に設けて各処理を行うこととしているが、1つの槽で各処理を行うようにしてもよいし、2以上の槽でこれらの処理を行うようにしてもよい。この場合において、凝集槽220,1130で凝集させたフッ化カルシウムを回収する際共に回収された前記種晶は、分離手段によってさらに分離回収され、再利用する手段によって所定の槽(例えば、凝集槽220,1130など)で再利用されることとなる。前記再利用する手段は、例えば、ハイドロサイクロン1170と所定の槽を接続する配管などである。
以上のように、本発明に係るフッ素処理装置1100を用いることにより、カルシウムによるスケーリングを防止し、排水中のフッ素を効率よく除去することが可能となる。また、従来、フッ素処理において用いていた硫酸バンドの使用量を最小限に抑えることができ、廃棄物の少ないフッ素処理が可能となる。
本発明の一実施例として説明する排水処理システムを備えた排ガス処理システムの構成を示す図である。 本発明の一実施例として説明するフッ素処理装置の構成を示す図である。
符号の説明
100 脱硫装置
110 脱塵塔
120 吸収塔
200 フッ素処理装置
310 貯槽
500 重金属処理装置
600 濾過装置
700 COD処理装置
800 COD吸着塔再生廃液処理装置
900 放流槽
1000 排ガス処理システム
1100 排水中のフッ素除去装置

Claims (11)

  1. 排水中のフッ素を除去するフッ素処理装置と、前記排水中のアルカリ金属及び重金属を除去する重金属処理装置と、前記排水中のCOD成分を除去するCOD処理装置とを備える排水処理システムにおいて、
    前記フッ素処理装置は、排水、カルシウム剤、種晶、及び高分子凝集剤を混合し、混合液を調製する反応槽と、前記反応槽から送出された前記混合液中でフッ化カルシウムを凝集させる凝集槽と、を備え、
    前記重金属処理装置は、前記フッ化カルシウムを凝集させた後の上澄液と高分子凝集剤とを混合し、混合液を調製する他の反応槽と、前記他の反応槽から送出された混合液を沈殿分離する沈殿槽と、を備え、
    前記沈殿槽によって分離された沈殿物を前記排水のpH調整剤として前記反応槽に添加する手段を備えることを特徴とする排水処理システム。
  2. 請求項1に記載の排水処理システムにおいて、
    前記フッ素処理装置は、さらに、凝集させたフッ化カルシウムを回収する際共に回収された前記種晶をさらに遠心力により分離回収する分離手段と、前記分離手段によって回収された種晶を再利用する手段と、を備えることを特徴とする排水処理システム。
  3. 請求項1に記載の排水処理システムにおいて、
    前記フッ素処理装置は、さらに、凝集させたフッ化カルシウムを回収する際共に回収された前記種晶のうち、粒径5〜100μmの範囲内のみの種晶を分離回収する分離手段と、前記分離手段によって回収された種晶を再利用する手段と、を備えることを特徴とする排水処理システム。
  4. 請求項1に記載の排水処理システムにおいて、
    前記フッ素処理装置は、さらに、前記凝集槽から送出された前記混合液を沈殿分離する沈殿槽を備えることを特徴とする排水処理システム。
  5. 請求項4に記載の排水処理システムにおいて、
    前記フッ素処理装置は、さらに、前記沈殿槽によって分離された沈殿物から遠心力により種晶を分離回収する分離手段と、前記分離手段によって回収された種晶を反応槽に添加する手段と、を備えることを特徴とする排水処理システム。
  6. 請求項4に記載の排水処理システムにおいて、
    前記フッ素処理装置は、さらに、前記沈殿槽によって分離された沈殿物から粒径5〜100μmの範囲内のみの種晶を分離回収する分離手段と、前記分離手段によって回収された種晶を反応槽に添加する手段と、を備えることを特徴とする排水処理システム。
  7. 請求項2,3,5又は6のいずれか1項に記載の排水処理システムにおいて、
    前記分離手段が、液体サイクロンであることを特徴とする排水処理システム。
  8. 排ガス中の固体成分と脱塵剤とを接触させた後、前記固体成分を含む脱塵剤を回収し、前記固体成分を含む脱塵剤を排水として系外に排出することにより排ガス中の固体成分を除去する脱塵装置と、前記脱塵装置から排出された前記排水中のフッ素を除去するフッ素処理装置と、前記排水中のアルカリ金属及び重金属を除去する重金属処理装置と、前記排水中のCOD成分を除去するCOD処理装置とを備える排ガス処理システムにおいて、
    前記フッ素処理装置は、排水、カルシウム剤、種晶、及び高分子凝集剤を混合し、混合液を調製する反応槽と、前記反応槽から送出された前記混合液中でフッ化カルシウムを凝集させる凝集槽と、を備え、
    前記重金属処理装置は、前記フッ化カルシウムを凝集させた後の上澄液と高分子凝集剤とを混合し、混合液を調製する他の反応槽と、前記他の反応槽から送出された混合液を沈殿分離する沈殿槽と、を備え、
    前記沈殿槽によって分離された沈殿物を前記排水のpH調整剤として前記反応槽に添加する手段を備えることを特徴とする排ガス処理システム。
  9. 請求項8に記載の排ガス処理システムにおいて、
    前記フッ素処理装置は、さらに、前記凝集槽から送出された前記混合液を沈殿分離する沈殿槽を備えることを特徴とする排ガス処理システム。
  10. 請求項8又は9に記載の排ガス処理システムにおいて、
    前記固体成分が除去された排ガスに含まれる硫黄酸化物と脱硫剤とを接触させた後、前記硫黄化合物を含む脱硫剤を回収し、前記硫黄酸化物を含む脱硫剤を系外に排出することにより排ガス中の硫黄酸化物を除去する吸収塔と、前記吸収塔から排出された前記硫黄酸化物を含む脱硫剤を固体成分と液体成分とに固液分離し、液体成分を排水として系外に排出する固液分離手段と、を備えることを特徴とする排ガス処理システム。
  11. 請求項10に記載の排ガス処理システムにおいて、
    前記他の反応槽は、前記フッ化カルシウムを凝集させた後の上澄液及び前記脱硫剤の液体成分と高分子凝集剤とを混合し、混合液を調製することを特徴とする排ガス処理システム。
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