JP6738268B2 - 水処理方法および水処理システム - Google Patents

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本発明は、フッ素イオン、マグネシウムイオンおよび硫酸イオンを含有する被処理水を処理する水処理方法および水処理システムに関する。
石炭火力発電所やコークス工場や製鉄工場等では、石炭やコークスを燃焼させることにより発生した排ガスを脱硫処理することで、硫酸イオンとともにフッ素イオンを含む排煙脱硫廃水が発生する。排煙脱硫廃水中にはフッ素イオンが比較的高濃度に含まれる場合があり、これを放流するに当たっては、当該廃水中からフッ素イオンを除去することが必要となる。排ガスの脱硫方法としては、水酸化カルシウムや水酸化マグネシウムを用いて湿式処理する方法が知られているが、脱硫剤として水酸化マグネシウムを用いると、排煙脱硫廃水にマグネシウムイオンも比較的高濃度に含まれることとなる。このようにフッ素イオンとマグネシウムイオンと硫酸イオンを含有する廃水からフッ素イオンを除去する方法として、例えば特許文献1には、フッ素イオンとマグネシウムイオンと硫酸イオンを含有する廃水にカルシウム系アルカリ剤を添加してpHを9.4〜9.8に調整する方法が開示されている。特許文献2には、フッ素イオンとマグネシウムイオンと硫酸イオンを含有する廃水にアルカリ剤を添加してpHを9.0〜10.0に調整し、沈殿物を生成する工程と、前記沈殿物の生成工程で生成した沈殿物を固液分離する工程と、前記固液分離工程で分離した沈殿物由来のフッ素分を含む懸濁スラッジに酸を添加してpHを3.0〜8.5に調整し、懸濁スラッジ中のフッ素含有率を高める工程と、最終的なスラッジの固液分離工程を有するフッ素含有廃水の処理方法が開示されている。
特開平8−57486号公報 特開2016−87562号公報
上記のように、フッ素イオンとマグネシウムイオンと硫酸イオンを含有する被処理水からフッ素イオンを除去する場合、フッ素イオンをマグネシウムイオンとともに不溶化して汚泥(濃縮スラリー)側に移行させることにより、被処理水中のフッ素イオン濃度を低減することができるが、フッ素を安定して系外に取り出すためには、フッ素が取り込まれた汚泥が固液分離に適したものとなっていることが重要となる。たとえフッ素イオンを不溶化して汚泥側に移行させても、固液分離を良好に行うことができなければ、結局はフッ素を分離・除去することができないためである。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、フッ素イオンとマグネシウムイオンと硫酸イオンを含有する被処理水からフッ素イオンを除去する水処理方法であって、フッ素を取り込んだ汚泥の固液分離性状を向上させることができる水処理方法および水処理システムを提供することにある。
上記課題を解決することができた本発明の水処理方法とは、フッ素イオン、マグネシウムイオンおよび硫酸イオンを含有する被処理水にアルカリ金属水酸化物を加えて、マグネシウムイオンの少なくとも一部とフッ素イオンの少なくとも一部を不溶化した後、固液分離して濃縮スラリーを回収する第1処理工程と、前記濃縮スラリーに酸およびカルシウム塩を加えた後、固液分離する第2処理工程とを有するところに特徴を有する。本発明の水処理方法によれば、第1処理工程でフッ素イオンが不溶化された濃縮スラリーが得られ、この濃縮スラリーに第2処理工程で酸とともにカルシウム塩を添加することにより、ろ過性を向上させることができる。そのため、フッ素を含む汚泥(濃縮スラリー)の固液分離が容易になり、フッ素を系外に除去することが容易になる。また、汚泥の減量化を図ることもできる。
第1処理工程では、アルカリ金属水酸化物を加えてpHを9.0〜10.0の範囲に調整することが好ましい。また、第2処理工程では、酸およびカルシウム塩を加えてpHを4.0〜8.0の範囲に調整することが好ましい。第2処理工程では、前記カルシウム塩として、塩化カルシウムおよび/または炭酸カルシウムを用いることが好ましい。
第1処理工程で得られた濃縮スラリーの容量をV1とし、第2処理工程で濃縮スラリーに酸およびカルシウム塩を加えた後の容量をV2としたとき、比V2/V1を2以下とすることが好ましい。これにより、第1処理工程で得られた濃縮スラリーの希釈が抑えられ、フッ素イオンの再溶解を抑えることができる。
第2処理工程では、固液分離をろ過により行うことが好ましい。これにより、含水率の少ない脱水汚泥を効率的に得やすくなる。
第2処理工程で固液分離により得られた液分は、第1処理工程またはそれよりも上流側に返送することが好ましい。当該液分にはマグネシウムイオンが含まれているため、これを第1処理工程かそれよりも上流側に返送することにより、第1処理工程でのフッ素除去に寄与するマグネシウム源として作用させることができる。
本発明の水処理方法は、第1処理工程で固液分離により得られたフッ素低減液分をフッ素吸着剤と接触させる工程をさらに有することが好ましい。これにより最終的に得られる処理水のフッ素濃度をさらに低減することができる。
被処理水としては、水酸化マグネシウムを用いた排煙脱硫廃水が挙げられ、本発明の水処理方法はこのような排煙脱硫廃水に好適に適用することができる。
本発明はまた、アルカリ金属水酸化物供給手段を備え、フッ素イオン、マグネシウムイオンおよび硫酸イオンを含有する被処理水を、アルカリ金属水酸化物供給手段から供給されたアルカリ金属水酸化物と接触させ、生成した固形分を固液分離して濃縮スラリーとして取り出す第1処理部と、酸供給手段とカルシウム塩供給手段を備え、前記第1処理部で得られた濃縮スラリーを、酸供給手段から供給された酸とカルシウム塩供給手段から供給されたカルシウム塩と接触させ、固液分離する第2処理部とを有する水処理システムも提供する。
第1処理部は、例えば、被処理水とアルカリ金属水酸化物とを接触させる第1反応槽と、第1反応槽の流出水を固液分離する第1沈殿槽とから構成される。また第2処理部は、例えば、濃縮スラリーと酸とカルシウム塩とを接触させる第2反応槽と、第2反応槽の流出水を固液分離する第2沈殿槽および/または脱水機とから構成される。本発明の水処理システムはさらに、第2処理部で固液分離することにより得られた液分を第1処理部またはそれよりも上流側に返送する返送路を有することが好ましい。
本発明の水処理方法および水処理システムによれば、フッ素イオン、マグネシウムイオンおよび硫酸イオンを含有する被処理水からフッ素イオンを除去して濃縮スラリー側に移行させ、この濃縮スラリーに酸とともにカルシウム塩を添加することにより、ろ過性を向上させることができる。そのため、フッ素を含む汚泥の固液分離が容易になり、フッ素を系外に除去することが容易になる。
本発明の水処理システムの一例を表す。 本発明の水処理システムの他の一例を表す。 実施例で検討した処理例1〜5のヌッチェ試験によるろ過性評価結果を表す。
本発明は、フッ素イオン、マグネシウムイオンおよび硫酸イオンを含有する被処理水を処理する水処理方法および水処理システムに関する。本発明によれば、被処理水に含まれるフッ素イオンを効果的に除去できるとともに、処理に伴い発生した汚泥を改質し、汚泥のろ過性(脱水性)を向上させることができる。
本発明の水処理方法は、フッ素イオン、マグネシウムイオンおよび硫酸イオンを含有する被処理水にアルカリ金属水酸化物を加えて、マグネシウムイオンの少なくとも一部とフッ素イオンの少なくとも一部を不溶化した後、固液分離して濃縮スラリーを回収する第1処理工程と、前記濃縮スラリーに酸およびカルシウム塩を加えた後、固液分離する第2処理工程とを有する。第1処理工程では、被処理水にアルカリ金属水酸化物を加えて被処理水に含まれるフッ素イオンを不溶化して、フッ素イオン濃度の低減された液分(フッ素低減液分)を得るとともに、固液分離により濃縮スラリーを得る。第2処理工程では、第1処理工程で得られた濃縮スラリーに酸とカルシウム塩を加えて汚泥を減量化するとともに、汚泥のろ過性(脱水性)を向上させる。
第1処理工程に供する被処理水は、少なくともフッ素イオン、マグネシウムイオンおよび硫酸イオンを含有するものであれば特に限定されないが、本発明では、そのようなイオンを比較的高濃度に含む被処理水として、水酸化マグネシウムを用いた排煙脱硫廃水を用いることが好ましい。石炭火力発電所やコークス工場や製鉄工場等では、石炭やコークスを燃焼させることにより硫黄分やフッ素分を含む排ガスが排出されるが、当該排ガスを排煙脱硫装置により脱硫処理を行うと、硫酸イオンとともにフッ素イオンが比較的高濃度に含まれた排煙脱硫廃水が発生する。排煙脱硫装置における脱硫方法としては、水酸化カルシウムや水酸化マグネシウムを用いて湿式処理する方法が知られているが、脱硫剤として水酸化マグネシウムを用いると、排煙脱硫廃水にマグネシウムイオンも比較的高濃度に含まれることとなる。水酸化マグネシウムを用いた脱硫処理では、排ガス中の硫黄分が硫酸マグネシウムとして廃水中に捕捉されるが、排煙脱硫廃水は硫黄酸化物が硫酸イオンとして溶け込むことにより通常酸性〜中性のpHとなるため、硫酸マグネシウムは少なくとも一部が廃水中に溶解した状態で排煙脱硫装置から排出されることとなる。
被処理水中の各成分の濃度は特に限定されないが、第1処理工程でのフッ素除去率(被処理水のフッ素不溶化率)を高める点から、フッ素濃度は60mg/L以上が好ましく、80mg/L以上がより好ましく、100mg/L以上がさらに好ましい。被処理水のフッ素濃度の上限は特に限定されないが、例えば1,000mg/L以下であってもよく、800mg/L以下であってもよい。なお、被処理水のフッ素濃度は、アルカリ金属水酸化物を添加する直前の(すなわちアルカリ金属水酸化物の添加対象となる)被処理水中のフッ素濃度を意味する。下記のその他の濃度やpHについても同様である。なお、ここで説明したフッ素濃度は、イオンとして溶解しているフッ素と、マグネシウムなどと塩や錯体を形成しているフッ素を含む濃度を意味する。
被処理水のマグネシウム濃度は、第1処理工程でのフッ素除去率を高める点から、例えば3,000mg/L以上が好ましく、5,000mg/L以上がより好ましく、8,000mg/L以上がさらに好ましい。被処理水のマグネシウム濃度の上限は特に限定されないが、例えば200,000mg/L以下であってもよく、150,000mg/L以下であってもよく、100,000mg/L以下であってもよい。なお、ここでのマグネシウム濃度は、溶解性と不溶性を合わせた全マグネシウム濃度を意味する。被処理水は、第1処理工程でのフッ素除去性能を高める点から、水酸化マグネシウムやマグネシウム塩などを添加して被処理水中のマグネシウム濃度を高めた上で、第1処理工程のアルカリ金属水酸化物の添加を行ってもよい。
被処理水の硫酸イオン濃度は特に限定されず、例えば1,000mg/L〜100,000mg/Lであればよい。なお、ここでの硫酸濃度は、イオンとして溶解した硫酸イオンと、金属等と塩や錯体を形成した硫酸イオンの両方を含む濃度を意味する。
被処理水のpHは、第1処理工程においてアルカリ金属水酸化物を加えてフッ素イオンを不溶化することの効果がより奏されるようにする点から、8.0以下が好ましく、7.0以下がより好ましい。pHの下限は、通常の排煙処理廃水を想定すると、例えば3.0以上であってもよく、4.0以上であってもよい。
第1処理工程では、被処理水にアルカリ金属水酸化物を加えることにより、マグネシウムイオンが水酸化物を含む形態で不溶化するとともに、そこにフッ素イオンが取り込まれてフッ素イオンも不溶化すると考えられる。第1処理工程では下記の反応が起こり、フッ素イオンは塩基性硫酸マグネシウムに吸着されて不溶化されていると推測される。なお、下記反応式において、Mはアルカリ金属を表す。
MgSO4+xF-+mMOH
→ (1−m)MgSO4・mMg(OH)(Fx)↓+mMSO4 -
MgSO4+2MOH → Mg(OH)2↓+M2SO4
被処理水に加えるアルカリ金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム等を用いることができ、これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよいが、コスト面から水酸化ナトリウムを用いることが好ましい。アルカリ金属水酸化物は溶液として取り扱うことが好ましい。
第1処理工程では、被処理水にアルカリ金属水酸化物を添加してpHを9.0〜10.0の範囲に調整することが好ましい。pHを9.0以上に調整することにより、フッ素イオンが水酸化マグネシウムとともに不溶化されやすくなり、被処理水からのフッ素除去率を高めやすくなる。一方、pHが10.0を超えるとマグネシウムイオンがフッ素イオンを取り込まずに単独で水酸化マグネシウムとして不溶化される割合が増え、汚泥発生量が増加する傾向となるため、汚泥発生量を低減する観点からpHは10.0以下が好ましい。
第1処理工程では、アルカリ金属水酸化物に加えて凝集剤を添加してもよい。凝集剤を加えることにより、被処理水にアルカリ金属水酸化物を添加した反応生成液の固液分離性(沈降性やろ過性)を高めることができる。凝集剤としては、無機系凝集剤を用いてもよく、有機系凝集剤を用いてもよく、これらの両方を用いてもよい。無機系凝集剤としては、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、ポリ硫酸第二鉄、塩化第一鉄、硫酸第一鉄等の鉄系凝集剤;塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)等のアルミニウム系凝集剤等が挙げられる。有機系凝集剤としては、アニオン性、カチオン性、両性、ノニオン性等の高分子凝集剤等が挙げられる。第1処理工程で凝集剤を添加する場合、被処理水は、アルカリ金属水酸化物と凝集剤を添加してpHが9.0〜10.0の範囲となるようにすることが好ましい。
なお第1処理工程では、被処理水中のフッ素イオンを不溶化するためのアルカリ剤として水酸化カルシウムを用いたり、カルシウム塩を添加しないことが好ましい。第1処理工程において被処理水に水酸化カルシウムやカルシウム塩を添加すると、得られる濃縮スラリーのアルカリ度が高くなり、第2処理工程での酸の添加量が増加する傾向となる。第1処理工程において水酸化カルシウムやカルシウム塩を添加する場合でも、その添加量(モル基準)は、アルカリ金属水酸化物の添加量の1/2以下とすることが好ましく、1/3以下がより好ましく、1/5以下がさらに好ましい。
アルカリ金属水酸化物を添加した被処理水、あるいはさらに凝集剤を添加した被処理水は、これらの薬剤との反応性を高めるために適宜撹拌することが好ましい。アルカリ金属水酸化物と凝集剤は、逐次的に添加してもよく、同時に添加してもよい。なお、凝集剤の添加は、アルカリ金属水酸化物の添加前には行わないことが好ましい。アルカリ金属水酸化物と凝集剤の添加は、1つの反応槽で行ってもよく、別々の反応槽で行ってもよい。
第1処理工程では、被処理水にアルカリ金属水酸化物を加えて、マグネシウムイオンの少なくとも一部とフッ素イオンの少なくとも一部を不溶化した後、固液分離することにより、濃縮スラリーとフッ素低減液分が得られる。濃縮スラリーは、被処理水にアルカリ金属水酸化物を添加した反応生成液よりも固形分濃度が高く、フッ素低減液分は、被処理水にアルカリ金属水酸化物を添加した反応生成液よりも固形分濃度が低くなる。具体的な固液分離方法としては、沈降分離、遠心分離、ろ過分離等が挙げられるが、固液分離により得られる固形分濃度が高い成分は濃縮スラリーとして回収できればよく、必要以上に固形分濃度を高める必要はないことから、コスト的に有利な沈降分離(沈殿分離)を採用することが好ましい。固液分離を沈降分離により行う場合、濃縮スラリーは液状の沈殿物として得られ、フッ素低減液分は上澄みとして得られる。沈降分離を行う沈殿槽は、被処理水とアルカリ金属水酸化物(あるいはさらに凝集剤)との反応槽の後段に設けてもよく、反応槽と兼ねるものであってもよい。
第1処理工程で得られるフッ素低減液分は、フッ素イオンがマグネシウムイオンとともに不溶化され、フッ素イオン濃度の低減されたものとなる。フッ素低減液分のフッ素イオン濃度は、被処理水のマグネシウム濃度や共存イオンの影響によって変わるため、一概には言えないが、被処理水に十分な量のマグネシウムが含まれる場合、フッ素低減液分のフッ素濃度は例えば50mg/L以下に低減することができ、あるいは30mg/L以下や20mg/L以下に低減することもできる。
なお、第1処理工程だけでは十分にフッ素濃度を低減することができない場合や、さらに高度なフッ素除去が求められる場合などは、第1処理工程で得られたフッ素低減液分をフッ素吸着剤と接触させる工程(高度処理工程)をさらに設けることが好ましい。フッ素吸着剤としては、アルミナ系吸着剤、フェライト鉄系吸着剤、ジルコニウム系吸着剤、セリウム系吸着剤など公知のフッ素吸着剤を用いることができる。フッ素吸着剤はカラムに充填して吸着塔とし、これにフッ素低減液分を流通させてフッ素イオンを吸着除去することが好ましい。
第1処理工程で得られるフッ素低減液分に固形分がある程度の濃度で含まれる場合は、フッ素の高度処理工程に先立って、フッ素低減液分のろ過工程を設けることが好ましい。ろ過工程では、ろ材によりフッ素低減液分をろ過して、フッ素低減液分に含まれる固形分を除去する。ろ過方法としては、砂ろ過、膜ろ過、担体ろ過、フィルタープレスろ過等の公知のろ過方法を用いればよい。
フッ素イオンを吸着除去した吸着剤は、アルカリ溶液と接触させることにより、フッ素イオンを吸着剤から脱着させることができる。アルカリ溶液としては、上記に説明したアルカリ金属水酸化物の溶液を用いることができ、好ましくは水酸化ナトリウム溶液を用いる。フッ素イオンが脱着したアルカリ溶液は、カルシウムやマグネシウムの塩、水酸化物または酸化物を加えることにより、フッ化カルシウムやフッ化マグネシウムとして回収することもできるし、第1処理工程かそれよりも上流側に返送し、第1処理工程で添加するアルカリ金属水酸化物として用いることもできる。後者の場合、アルカリ溶液に含まれるフッ素イオンは、第1処理工程でマグネシウム水酸化物に取り込まれて一部が不溶化されることとなる。なお、フッ素イオンが脱着したアルカリ溶液にカルシウムやマグネシウムの塩、水酸化物または酸化物を加えることにより、フッ素イオンをフッ化カルシウムやフッ化マグネシウムの形態で固形分として回収する場合、それを固液分離して得られる液分を第1処理工程かそれよりも上流側に返送してもよい。また、上記に説明した排ガスの脱硫処理に用いてもよい。
第1処理工程で得られた濃縮スラリーは、第2処理工程において、酸およびカルシウム塩が添加される。濃縮スラリーに酸を添加することにより、濃縮スラリーに含まれる固形分の一部が溶解し、汚泥量を低減することができる。この際、濃縮スラリーの固形分中のマグネシウムが優先的に溶解し、フッ素イオンは多くを固形分中に留めておくことができる。このときの反応としては、マグネシウムのうち水酸化マグネシウムの形態のものが酸によって溶解するのに対し、塩基性硫酸マグネシウムの形態のものは酸によって溶解せずに固形分として留まることにより、フッ素イオンが塩基性硫酸マグネシウムに吸着した状態で固形分として留まるものと推測される。あるいは、マグネシウムイオンとフッ素イオンが反応してMgF2等の形態に変化し、固形分として留まっていることも推測される。一方、濃縮スラリーにカルシウム塩を添加することにより、汚泥の改質を図ることができる。具体的には、汚泥のろ過性(脱水性)を改善することができ、ろ過時間の短縮を図ることができる。そのため、実際に設備化した際に、ろ過機(脱水機)の設置台数を減らしたり、ろ過機(脱水機)の仕様をより小型のものにすることができる。ろ過性(脱水性)は、酸のみを添加した場合やカルシウム塩のみを添加した場合と比べて、酸とカルシウム塩の両方を添加する場合に劇的に改善され、酸とカルシウム塩の両方を添加した場合はろ過速度(脱水速度)が大きく向上する。
濃縮スラリーに添加する酸としては、無機酸であってよく、有機酸であってもよいが、系外に排出される処理水のBOD(生物学的酸素要求量)を低減する点から、無機酸を使用することが好ましい。無機酸としては、系外に排出される処理水の窒素やリン濃度を低減する点から、これらの元素を含まない酸が好ましく、塩酸や硫酸が好ましく用いられる。汚泥量を低減する点からは、カルシウム塩と反応して沈殿物を生成しない塩酸を用いることがより好ましい。濃縮スラリーに酸を添加することにより、濃縮スラリーの固形分量を、例えば、50質量%以上(あるいは60質量%以上)低減することが可能となる。固形分量は、例えばJIS K 0102の14.1に記載の方法に従って求めることができる。
濃縮スラリーに添加するカルシウム塩としては、塩化カルシウムおよび/または炭酸カルシウムを用いることが好ましい。これらのカルシウム塩は比較的溶解度が高いため、濃縮スラリーに添加することにより、汚泥の改質効果が発揮されやすくなる。カルシウム塩は溶液として濃縮スラリーに加えられることが好ましく、これにより濃縮スラリー中でのカルシウム塩の反応性を高めることができる。濃縮スラリーに添加したカルシウム塩の一部は、濃縮スラリー中の硫酸イオンと反応して、硫酸カルシウムとして不溶化されると考えられる。酸の添加によりフッ素イオンの一部が再溶解するような場合は、カルシウム塩がフッ素イオンと反応してフッ化カルシウムとして不溶化する効果も期待される。濃縮スラリー中でのカルシウム塩の反応性を勘案すると、カルシウム塩としては、塩化カルシウムを用いることがより好ましい。
酸およびカルシウム塩は、逐次的に添加してもよく、同時に添加してもよい。なお、カルシウム塩の添加は、酸の添加前には行わないことが好ましい。より好ましくは、酸を添加した後にカルシウム塩を添加する。酸とカルシウム塩の添加は、1つの反応槽で行ってもよく、別々の反応槽で行ってもよい。
第2処理工程では、濃縮スラリーに酸およびカルシウム塩を加えてpHを4.0〜8.0の範囲に調整することが好ましい。pHをこのような範囲に調整することにより、フッ素イオンの再溶解を抑えつつ、濃縮スラリーの固形分中のマグネシウム溶解を促進し、汚泥量の低減を図ることが容易になる。pHは、4.5以上がより好ましく、5.0以上がさらに好ましく、また7.5以下がより好ましい。
カルシウム塩の添加量は、酸およびカルシウム塩を加えた濃縮スラリーの改質状況(ろ過性の改善効果)を見ながら適宜調整すればよい。カルシウム塩は例えば、濃縮スラリーに酸のみを添加したときの固形分量に対して、Caとして0.1質量倍以上の量を加えることが好ましく、0.15質量倍以上がより好ましく、0.2質量倍以上がさらに好ましく、また0.6質量倍以下が好ましく、0.5質量倍以下がより好ましく、0.4質量倍以下がさらに好ましい。このようにカルシウム塩の添加量を調整することにより、カルシウム塩の添加による汚泥量の増加を抑えつつ、汚泥の改質を図りやすくなる。なお、濃縮スラリーに酸のみを添加したときの固形分量は、濃縮スラリーに酸のみを添加したときの浮遊物質(SS)濃度に、酸添加後の濃縮スラリーの容量を乗ずることにより算出される。
酸およびカルシウム塩を添加した濃縮スラリーは、これらの薬剤との反応性を高めるために適宜撹拌することが好ましい。酸とカルシウム塩を逐次的に添加する場合は、各薬剤の添加後にそれぞれ撹拌することが好ましい。撹拌は、濃縮スラリーと各薬剤との反応を十分に進行させる点から、ある程度の時間(例えば10分以上)をかけて行ってもよい。
第2処理工程では、フッ素イオンの再溶解をできるだけ抑える点から、濃縮スラリーに酸やカルシウム塩が添加されることによって濃縮スラリーが過剰に希釈されないことが好ましい。またそれ以外にも、第1処理工程で得られた濃縮スラリーはできるだけ希釈されないことが好ましい。従って、第1処理工程で得られた濃縮スラリーの容量をV1とし、第2処理工程で濃縮スラリーに酸およびカルシウム塩を加えた後の容量をV2としたとき、比V2/V1が2以下となることが好ましく、1.5以下がより好ましく、1.2以下がさらに好ましく、1.1以下が特に好ましい。
第2処理工程では、濃縮スラリーに酸およびカルシウム塩を加えた後、固液分離を行う。固液分離により、汚泥と、それから分離された液分が得られる。ここで得られる汚泥は、フッ素を含む汚泥として系外に排出されることが想定されるものであるため、できるだけ水分を除去して減容化することが望ましい。上記に説明したように、濃縮スラリーに酸およびカルシウム塩を添加することにより得られた汚泥は、ろ過性が改善されたものとなるため、第2処理工程における固液分離はろ過により行うことが好ましく、これにより含水率の少ない脱水汚泥を効率的に得やすくなる。固液分離はろ過分離のみで行ってもよいが、固液分離を効率的に行う点から、沈降分離を行った後、ろ過分離を行うことが好ましい。具体的には、沈降分離により得られた液状の沈殿物を、ろ過による脱水を行って、脱水汚泥を得ることが好ましい。脱水汚泥は、例えば含水率が90質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましく、80質量%以下がさらに好ましく、75質量%以下が特に好ましい。脱水汚泥の含水率の下限としては、例えば50質量%以上であればよい。沈降分離を行う沈殿槽は、濃縮スラリーと酸またはカルシウム塩の反応槽の後段に設けてもよく、反応槽と兼ねるものであってもよい。ろ過による脱水としては、ろ布や金属フィルターにより汚泥のろ過脱水を行う脱水機を用いればよく、ベルトプレス脱水機、フィルタープレス脱水機、スクリュープレス脱水機、ロータリープレス脱水機等を用いることができる。
第2処理工程で固液分離することにより得られた液分は、第1処理工程かそれよりも上流側に返送することが好ましい。当該液分にはマグネシウムイオンが含まれているため、これを第1処理工程かそれよりも上流側に返送することにより、第1処理工程でのフッ素除去に寄与するマグネシウム源として作用させることができる。第2処理工程で固液分離することにより得られた液分としては、沈降分離により得られる上澄みやろ過分離により得られるろ液等が挙げられる。
次に、本発明の水処理システムの構成例について、図面を参照して説明する。なお、本発明は、図面に示した実施態様に限定されるものではない。
本発明の水処理システムは、図1に示すように、第1処理工程を行う第1処理部21と第2処理工程を行う第2処理部27とを有する。第1処理部21は、アルカリ金属水酸化物供給手段23を備え、マグネシウムイオン、フッ素イオンおよび硫酸イオンを含有する被処理水1を、アルカリ金属水酸化物供給手段23から供給されたアルカリ金属水酸化物2と接触させ、生成した固形分を固液分離して濃縮スラリー6として取り出す。第2処理部27は、酸供給手段29とカルシウム塩供給手段30を備え、第1処理部21で得られた濃縮スラリー6を、酸供給手段29から供給された酸7とカルシウム塩供給手段30から供給されたカルシウム塩8と接触させ、固液分離する。
図1では、第1処理部21が、被処理水1とアルカリ金属水酸化物2とを接触させる第1反応槽22と、第1反応槽22の流出水3を固液分離する第1沈殿槽24とから構成されている。第1反応槽22では、被処理水1にアルカリ金属水酸化物2が添加され、マグネシウムイオンの少なくとも一部とフッ素イオンの少なくとも一部が不溶化される。ここでの反応生成液が流出水3として第1沈殿槽24に移送され、固液分離されることにより、フッ素を高濃度に含む濃縮スラリー6とフッ素低減液分4が得られる。具体的には、第1沈殿槽24で沈降分離されることにより、第1沈殿槽24の下部から濃縮スラリー6が引き抜かれ、第1沈殿槽24の上部から上澄みとしてフッ素低減液分4が得られる。
図1では、第2処理部27が、濃縮スラリー6と酸7とカルシウム塩8とを接触させる第2反応槽28と、第2反応槽28の流出水9を固液分離する第2沈殿槽31と脱水機32とから構成されている。第2反応槽28で濃縮スラリー6に酸7が添加されることにより、濃縮スラリー6の固形分中のマグネシウムが溶解し、固形分濃度が低減する。さらに第2反応槽28でカルシウム塩8が添加されることにより、濃縮スラリー6の汚泥性状が改善され、ろ過性(脱水性)が高められる。第2反応槽28の反応生成液は流出水9として第2沈殿槽31に移送され、沈降分離されることにより、液状の沈殿物11と上澄みとして液分10が得られる。図1では、さらにこの沈殿物11が脱水機32に供給され、ろ過脱水されることにより、脱水汚泥13と脱水ろ液12が得られる。なお、濃縮スラリー6の性状や最終的に得られる汚泥の要求される性状によっては、第2沈殿槽31と脱水機32の一方を省くこともできる。
第2処理部27で最終的に得られる汚泥(図1では脱水汚泥13)は、フッ素が濃縮されたものとなり、系外に排出される。一方、第2処理部27で固液分離することにより得られた液分、具体的には、第2沈殿槽31で沈降分離された液分10や脱水機32でろ過分離された脱水ろ液12は、第1処理部21かそれより上流側に返送することが好ましい。第1処理部21に返送する場合は、第1反応槽22に返送されることが好ましい。
第1処理部21で固液分離することにより得られたフッ素低減液分4は、フッ素濃度が十分に低減されている場合はそのまま放流してもよいし、さらに高度なフッ素除去処理を行う場合は、フッ素吸着塔25に導入してフッ素吸着剤と接触させることにより、処理水5を得てもよい。
図1では、アルカリ金属水酸化物2、酸7、カルシウム塩8はそれぞれ溶液の状態で扱われ、アルカリ金属水酸化物供給手段23、酸供給手段29、カルシウム塩供給手段30として薬注ポンプが用いられている。なお、これらの各手段としてポンプを用いることは必須ではなく、例えば、自然流下で各薬剤を移送可能な場合はポンプを用いなくてもよく、例えば各手段として管路や開渠等が備えられていればよい。また、第1反応槽22と第2反応槽28には、機械的撹拌手段が設けられることが好ましい。さらに、第2反応槽28は、酸7と接触させる槽とカルシウム塩8と接触させる槽とに分かれていてもよい。
本発明の水処理システムの他の一例について、図2を参照して説明する。なお図2の説明において、図1と重複する部分は説明を省く。
図2に示した水処理システムは、図1に示した水処理システムの第1反応槽22と第1沈殿槽24を合わせて第1混合沈殿槽26とし、第2反応槽28と第2沈殿槽31を合わせて第2混合沈殿槽33として構成している。例えば被処理水1をバッチ的に処理する場合などは、第1混合沈殿槽26で被処理水1をアルカリ金属水酸化物2と接触させた後、同じ槽内で沈降分離させて濃縮スラリー6を得て、第2混合沈殿槽33で濃縮スラリー6を酸7とカルシウム塩8と接触させた後、同じ槽内で沈降分離させて沈殿物11を得てもよい。このように設備を簡略化して水処理システムを構成することもできる。
以下に、実施例を示すことにより本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
(1)実験方法
排煙脱硫廃水(フッ素濃度310mg/L、MgSO4濃度72,000mg/L、浮遊物質(SS)濃度2,900mg/L、pH7.3)に水酸化ナトリウム溶液および凝集剤を加えてpHを9.1に調整し、60分間静置した。静置後、傾斜分離により上澄み(フッ素低減液分)を分離し、SS分が濃縮された濃縮スラリーを回収した。上澄み中のフッ素濃度は54mg/Lであり、濃縮スラリー中のフッ素濃度は922mg/L、濃縮スラリーのSS濃度は31,500mg/Lであった。
上記のようにして得られた濃縮スラリーに、塩酸、塩化カルシウム、または塩酸と塩化カルシウムを添加し、フッ素除去効果(汚泥への回収効果)とヌッチェ試験によるろ過性評価を行った。濃縮スラリーの処理は、処理例1では塩酸を加え、処理例2では塩化カルシウムを12,000mg/L加え、処理例3では塩酸と塩化カルシウム4,000mg/Lを加え、処理例4では塩酸と塩化カルシウム6,000mg/Lを加え、処理例5では塩酸と塩化カルシウム12,000mg/Lを加えた。処理例1,3〜5では、pHが7.1になるように塩酸を加えた。
(2)実験結果
表1には、各処理例で、塩酸、塩化カルシウム、または塩酸と塩化カルシウムを添加したときのpHおよびSS濃度を示すとともに、これを30分静置した後のろ液と汚泥のフッ素濃度の分析結果を示した。図3には、各処理例で処理した濃縮スラリーのろ過試験結果を示した。なお、表1および図3には、塩酸も塩化カルシウムも加えない未処理の濃縮スラリーの結果も示した。
図3に示した結果から分かるように、塩酸と塩化カルシウムの両方を添加した処理例3〜5では、それぞれを単独で添加した処理例1,2よりもろ過性が劇的に改善し、塩酸と塩化カルシウムを併用することの相乗効果が見られた。例えば、濃縮スラリー中の液分の80%を透過させるのに、塩酸と塩化カルシウム6,000mg/Lを添加した処理例4では25秒程度しかかからず、塩酸と塩化カルシウム12,000mg/Lを添加した処理例5では15秒程度しかかからなかったのに対し、塩酸のみを添加した処理例1では液分の80%が透過するのに345秒かかり、塩化カルシウムのみを添加した処理例2では600秒後でも液分の43%しか透過しなかった。処理例2ではゲル状の脱水ケーキが得られ、実質的に脱水処理が困難なものであったのに対し、処理例1,3〜5の脱水ケーキは比較的水分が少なく、ろ過脱水処理も実用上可能なものであった。
一方、フッ素除去効果については、塩酸と塩化カルシウムを添加した処理例3〜5では、塩酸のみを添加した処理例1よりもろ液中フッ素濃度が減少し、塩化カルシウム添加量を増やすほどろ液中フッ素濃度は減少する傾向を示した。なお、塩化カルシウムのみを添加した処理例2は、ろ液中フッ素濃度は低くなるものの、上記に説明したように実用上ろ過脱水処理が難しいものであった。
Figure 0006738268
本発明は、石炭火力発電所、コークス工場、製鉄工場等の排煙脱硫廃水の処理に用いることができる。
1: 被処理水
2: アルカリ金属水酸化物
4: フッ素低減液分
6: 濃縮スラリー
7: 酸
8: カルシウム塩
10: 液分(上澄み)
12: 液分(脱水ろ液)
13: 脱水汚泥
21: 第1処理部
22: 第1反応槽
23: アルカリ金属水酸化物供給手段
24: 第1沈殿槽
27: 第2処理部
28: 第2反応槽
29: 酸供給手段
30: カルシウム塩供給手段
31: 第2沈殿槽
32: 脱水機

Claims (11)

  1. フッ素イオン、マグネシウムイオンおよび硫酸イオンを含有する被処理水にアルカリ金属水酸化物を加えて、マグネシウムイオンの少なくとも一部とフッ素イオンの少なくとも一部を不溶化した後、固液分離して濃縮スラリーを回収する第1処理工程と、
    前記濃縮スラリーに酸および塩化カルシウムを加えた後、固液分離する第2処理工程とを有し、
    前記第1処理工程で得られた濃縮スラリーの容量をV1とし、前記第2処理工程で濃縮スラリーに酸および塩化カルシウムを加えた後の容量をV2としたとき、比V2/V1が2以下であることを特徴とする水処理方法。
  2. 前記第1処理工程において、アルカリ金属水酸化物を加えてpHを9.0〜10.0の範囲に調整する請求項1に記載の水処理方法。
  3. 前記第2処理工程において、酸および塩化カルシウムを加えてpHを4.0〜8.0の範囲に調整する請求項1または2に記載の水処理方法。
  4. 前記第2処理工程において、固液分離をろ過により行う請求項1〜のいずれか一項に記載の水処理方法。
  5. 前記第2処理工程で固液分離により得られた液分を前記第1処理工程またはそれよりも上流側に返送する請求項1〜のいずれか一項に記載の水処理方法。
  6. 前記第1処理工程で固液分離により濃縮スラリーとフッ素低減液分が得られ、
    前記フッ素低減液分をフッ素吸着剤と接触させる工程をさらに有する請求項1〜のいずれか一項に記載の水処理方法。
  7. 前記被処理水が、水酸化マグネシウムを用いた排煙脱硫廃水である請求項1〜のいずれか一項に記載の水処理方法。
  8. アルカリ金属水酸化物供給手段を備え、フッ素イオン、マグネシウムイオンおよび硫酸イオンを含有する被処理水を、前記アルカリ金属水酸化物供給手段から供給されたアルカリ金属水酸化物と接触させ、生成した固形分を固液分離して濃縮スラリーとして取り出す第1処理部と、
    酸供給手段と塩化カルシウム供給手段を備え、前記第1処理部で得られた濃縮スラリーを、前記酸供給手段から供給された酸と前記塩化カルシウム供給手段から供給された塩化カルシウムと接触させ、固液分離する第2処理部とを有し、
    前記第1処理部で取り出された濃縮スラリーの容量をV1とし、前記第2処理部で濃縮スラリーに酸および塩化カルシウムを加えた後の容量をV2としたとき、比V2/V1が2以下であることを特徴とする水処理システム。
  9. 前記第1処理部は、前記被処理水と前記アルカリ金属水酸化物とを接触させる第1反応槽と、前記第1反応槽の流出水を固液分離する第1沈殿槽とから構成される請求項に記載の水処理システム。
  10. 前記第2処理部は、前記濃縮スラリーと前記酸と前記塩化カルシウムとを接触させる第2反応槽と、前記第2反応槽の流出水を固液分離する第2沈殿槽および/または脱水機とから構成される請求項またはに記載の水処理システム。
  11. さらに、前記第2処理部で固液分離することにより得られた液分を第1処理部またはそれよりも上流側に返送する返送路を有する請求項10のいずれか一項に記載の水処理システム。
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