JP7112292B2 - 湯水混合栓 - Google Patents
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Description
また、このサーモカートリッジを収容するハウジングは、樹脂製の内側ハウジングと樹脂製の外側ハウジングの二重のハウジングで構成され、湯側および水側の供給配管からサーモカートリッジの湯水混合機構に到る湯側通路と水側通路の他、湯水混合機構から吐水口に向かう混合湯水通路が設けられている。
しかも、湯水混合栓を組み立てる際、第1乃至第3のOリングは内側ハウジング内周面とすれ合いながら移動するため、この移動距離が長い(擦れ合う距離の長い)Oリング、即ち、ハウジングの最も奥に位置するOリングほど破損し易いという問題があった。
一方、前記ハウジングの内面は、第1フランジと対向する内径が第1フランジの直径以上の第1径となり、第2フランジおよび第3フランジと対向する内径が、第1径未満で第2フランジの直径、第3フランジの直径以上の第2径となるように形成されている。
そして、前記ハウジングの内面は、ハウジングにおけるサーモカートリッジ挿入側から、第1径を有する第1内面、第2径を有する第2内面と順に形成されている。
そのため、サーモカートリッジをハウジングに収納する際、ハウジングの最も奥に配置される第3フランジ上のOリングは、ハウジングの第2内面(第2径)に擦れ合いながら移動することとなり、破損する虞があった。
また、湯、水、混合湯水が混じらず、しかもサーモカートリッジを収容したハウジング内を気密するには、サーモカートリッジの外周面(サーモカートリッジが収容される内側ハウジング内周面と間)には、少なくとも3つのOリングを必要とするため、部品点数を削減し、コストの低減を図るという社会的要請を満たすものではなかった。
そして、本発明者らは、ハウジングの材質を樹脂製とし、サーモカートリッジの一部構成をハウジング側に形成するなど、サーモカートリッジの構成とハウジング構成を見直すことにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を想到するに至ったものである。
そのため、混合室からの混合湯水と水流入口からの水が混じりあうことがなく、従来にようにOリングを設ける必要がない。即ち、本発明にかかる湯水混合栓にあっては、湯流入口と水流入口との間に設けられ、湯流入口と水流入口とを仕切ると共に、制御弁体の弁体に接する一つのOリングを設けることで、湯、水、混合湯水の混じり合うのを阻止することができる。
このように、ケーシングを挿入するハウジング端からみて、湯弁座と水流入口の間に形成された最小径のハウジング内周面に形成された段部に、前記Oリングが配置されるため、ケーシングを挿入するハウジング端側からOリングを収容しても、Oリングはハウジングの内周面と擦れあることがなく、Oリングの損傷を抑制することができる。
このように構成されているため、ケーシングをハウジング内に収容することで、給湯口と連通し、かつ湯流入口と連通する湯流入路が形成され、また、前記Oリングがハウジングに設けられた段部に押圧され、湯流入口と水流入口が仕切られ、湯、水の混じり合うのを阻止することができる。
前記ハウジング、ケーシング、制御弁体は同一の樹脂で形成されている場合には、弁及び弁座の磨耗を抑制できる。
図1に示すように、湯水混合水栓1は、湯水を混合する混合栓機構2及び吐出切換機構3を収容するハウジング4を備えている。このハウジング4は略円筒状に形成され、前記湯水を混合する混合栓機構2はハウジング4の一端側に、湯水切換機構3はハウジング4の他端側に収容されている。
この給湯口5、給水口6は、略円筒状のハウジング4の背面側に設けられ、第1の吐出口7は略円筒状のハウジング4の下面側に設けられ、第2の吐出口8は前記ハウジング4の上面側に設けられている。
尚、吐出切換機構3は、図3に示すように、回転軸31の回転よって第1の吐出口、第2の吐出口を切換える切換弁32と、ハウジング4の吐出切換機構の収容端を密閉する蓋体33を備えている。吐出切換機構3は一般的に知られている構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
混合栓機構2は、図3示すように、回転軸21を回転可能に支持するケーシング22を有している。このケーシング22は樹脂製であり、樹脂としては、例えば、耐熱性を有する、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、PSF(ポリサルフォン)樹脂等が用いられ、成形によって形成される。
また、図7に示すように、ケーシング22の先端22cの外径D3は、前記湯流入口Aが形成されたケーシング22の外径D4よりも大きく形成され、前記Oリング24はハウジング4に設けられた段部4fとケーシング22の先端22c間に配置される。
更に、このケーシング22の外周面には蓋体22aが形成され、この蓋体22aの外周面には螺子部22bが形成され、ハウジング4の螺子部4aと螺合するように構成されている。
したがって、ハウジング4内にケーシング22(混合栓機構2)を収容した状態にあっては、ハウジング4内部は密閉され、湯水の漏出が防止される。
尚、前記Oリング24は、後述する制御弁体の弁体25aに接し、弁体25aが移動した際も、湯流入口Aと水流入口Bを仕切し、湯と水が混じり合わないようになされている。
また、ハウジング4には仕切壁4bが設けられ、この仕切壁4bによって、前記混合室Cと、吐出切換機構3が収容される切換室Dとに分けられる。
そして、湯弁座22dと水弁座4dとの間には、ハウジング4の軸方向に移動可能な、制御弁体25が組み込まれている。
即ち、湯弁座22dと水弁座4dに当接する、湯弁25fと水弁25g(弁体25a)を有する制御弁体25によって、湯流入口Aと水流入口Bの開度調整が行われ、混合室Cへの湯と水の供給量が調整される。
この調整ネジ軸26は、ケーシング22に回動することなく、ケーシング22の軸線方向に移動可能に構成されている。また、調整ネジ軸26には螺子部26aが形成され、回転軸21の螺子部21aと螺合している。
その結果、温調用ダイヤルを回転させることにより、回転軸21の螺子部21aが回転し、調整ネジ軸26を軸線方向に摺動させ、付勢体27を介して、制御弁体25を移動させる。
尚、図3中、符号29は前記調整ネジ軸26の戻しばねであり、一端が固定部材29ani係止され、他端は前記調整ネジ軸26に係止される。この戻しばね29により、調整ネジ軸26は、がたつきことなく、軸線方向に移動させることができる。
尚、この制御弁体25は、耐熱性を有する、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂、PSF(ポリサルフォン)樹脂等により成形によって形成される。
前記制御弁体25の湯弁25fがケーシング22の湯弁座22dに当接することによって、湯の供給が遮断され、また、前記制御弁体の水弁25gがハウジング4の水弁座4dに、当接することによって、水の供給が遮断される。
このように、制御弁体25の湯弁25fがケーシング22の湯弁座22dに当接し、また制御弁体の水弁25gがハウジング4の水弁座4dに当接するが、制御弁体25、ケーシング22、ハウジング4は樹脂で形成されているため、弁及び弁座の磨耗を抑制できる。特に、制御弁体25、ケーシング22、ハウジング4が同一の樹脂で形成されていることが望ましい。
即ち、この弁体25aの外周面は、一つのOリング24に接し支持され、湯弁25fと水弁25gとの間を気密になすと共に、弁体25aが軸線方向に摺動可能に構成されている。そして、弁体25aが軸線方向に摺動することにより、前記したように、湯弁25fと湯弁座22dの開度により湯の量が調整され、水弁25gと水弁座4dの開度により湯の量が調整される。
ここで、前記ケーシング22を挿入するハウジング端から水流入口Bとの間のハウジング内周面において、湯流入口Aと水流入口Bとの間に、最小径のハウジング内周面が形成されている。そして、この最小径のハウジング内周面に段部4fが形成されている。
即ち、この段部4fは、ケーシング22を挿入するハウジング4端から水流入口Bの間で、最小径のハウジング4内周面に形成される。そのため、このOリング24は、ハウジング4に設けられた段部4fに配置する際、ハウジング4の内周面に擦れあうことがなく、このOリング24の損傷を防止することができる。
この六フッ化プロピレン‐フッ化ビニリデン共重合体(FKM)は、耐熱性、反発弾性が小さく衝撃吸収性に優れているという性質を備え、ブチルゴムも、六フッ化プロピレン‐フッ化ビニリデン共重合体(FKM)と同様に、耐熱性、反発弾性は小さく衝撃吸収性に優れている性質を備えているため、好ましい。
これにより付勢体27の反発力を受けて、制御弁体25を水弁座4d側に摺動させることができる。
尚、付勢体収容部25bの底部25dの外面には、前記アクチュエータ28の一端部が接して配置されている。これによりアクチュエータ28の反発力を受けて、制御弁体25を湯弁座22d側に摺動させることができる。
そして、制御弁体25は、付勢体26およびアクチュエータ28から受ける荷重のバランスにより、湯弁25fと湯弁座22dとの間隔と、水弁25gと水弁座4dとの間隔とを調整する。この構成により、湯水混合栓1は、湯流入口Aから流入する湯と、水流入口Bから流入する水との混合比が調節される。
ハウジング4の混合室C内にアクチュエータ28を収容し、一端が仕切り壁4bに接するように配置する。
続いて、予め、弁体25の外周面にOリング24が装着されまた付勢体27が付勢体収容部25bに収容された制御弁体25aを、ハウジング4の混合室C内に収容する。
また、Oリング24の外径D1は、段部4fを除く、ハウジング(段部4fを除く)の内径D2よりも小さく形成されているため、制御弁体25の収容の際、Oリング24はハウジング4の内周面に擦れ合うことなく移動し、段部4fに係止される。
尚、ケーシングの先端22cの外径D3も、ハウジング(段部4fを除く)の内径D2よりも小さく形成されているため、ケーシング22の収容の際、ハウジング4の内周面に擦れ合うことなく移動し、Oリング24を押圧することができる。
このとき、ケーシング22の先端22cは、Oリング24と接し、湯流入口Aと、水流入口Bとを仕切り、湯と水が混じり合わないようになされる。
また、ケーシング22の外径D4が、ハウジング4の内径D2よりも小さく形成されているため、ケーシング22がハウジング4内に収容されることにより、ハウジング4とケーシング22との間に湯流入路Eが形成される。
更に、ケーシング22の外周面に設けられたOリング23によって、ハウジング4とケーシング22との間が気密になされ、湯、水の漏れを防止される。
尚、ケーシング22は、蓋体22aがハウジング4に対して螺合することによって、ハウジング4に固定され、抜けが防止される。
この湯水混合栓の組立て例は、予め、調整ネジ軸26、回転軸21、付勢体27、制御弁体25、アクチュエータ28、Oリング24等が組み込まれたケーシング22を用意する。
そして、ハウジング4の混合室C内に前記ケーシング22を収容し、制御弁体25の軸部25eを仕切り壁4bの軸案内孔4e内に挿入すると共に、制御弁体25の底部25dの外面2にアクチュエータ28の他端が接するように配置する。
また、ケーシング22がハウジング4内に収容されることにより、湯流入路Eが形成される。更に、ケーシング22の外周面に設けられたOリング23によって、ハウジング4とケーシング22との間が気密になされ、湯、水の漏れを防止される。
尚、ケーシング22は、蓋体22aがハウジング4に対して螺合することによって、ハウジング4に固定され、抜けが防止される。
また、ケーシングをハウジング内に収容することで、給湯口と連通し、かつ湯流入口と連通する湯流入路が形成され、また前記Oリングがハウジングに設けられた段部に押圧され、湯流入口と水流入口が仕切られ、湯、水の混じり合うのを阻止することができる。
更に、ハウジング、ケーシング、制御弁体は同一の樹脂で形成されている場合には、弁及び弁座の磨耗を抑制できる。
2 混合栓機構
3 吐出切換機構
4 ハウジング
4a 螺子部
4b 仕切り壁
4c 連通口
4d 水弁座
4e 軸案内孔
4f 段部
5 給湯口
6 給水口
7 第1の吐出口
8 第2の吐出口
21 回転軸
22 ケーシング
22c ケーシング先端
22d 湯弁座
23 Oリング
24 Oリング
25 制御弁体
25a 弁体
25f 湯弁
25g 水弁
26 調整ネジ軸
27 付勢体
28 アクチュエータ
A 湯流入口
B 水流入口
C 混合室
D 切換室
E 湯流入路
Claims (4)
- 給湯口と、給水口と、複数の吐出口と、前記給湯口から給湯された湯と前記給水口から給水された水を混合する混合室と、複数の吐出口の切換えを行う切換室と、前記混合室と切換室を仕切る仕切り壁と、前記仕切り壁に形成され、前記混合室と切換室を連通する連通孔と、を有する樹脂製の筒状のハウジングと、前記ハウジング内に収容された混合栓機構と、を少なくとも備える湯水混合栓であって、
前記混合栓機構は、少なくとも、
温度調整用の回転軸を回転可能に支持する、樹脂製のケーシングと、
前記ケーシングの先端部に形成された、前記給湯口と連通した湯流入口と、
前記ケーシングの湯流入口に設けられた湯弁座と、
前記湯流入口と軸方向に並列して、ハウジングに形成された、水が流入する水流入口と、
前記ハウジングの水流入口に設けられた水弁座と、
湯弁座と水弁座に当接する弁体を有し、湯流入口と水流入口の開度調整を行う、樹脂製の制御弁体と、
湯流入口と水流入口との間に設けられ、湯流入口と水流入口とを仕切ると共に、制御弁体の弁体に接するOリングと、
前記仕切り壁に一端が接し、他端が制御弁体に接して配置された、混合室に配置されたアクチュエータと、
を備えることを特徴とする湯水混合栓。 - 前記ケーシングを挿入するハウジング端から水流入口の間において、最小径のハウジング内周面が湯弁座と水流入口の間に形成され、
前記最小径のハウジング内周面に形成された段部に、前記Oリングが配置されていることを特徴とする請求項1記載の湯水混合栓。 - 前記ハウジングの内周面と前記ケーシングの外周面間に、前記給湯口と連通し、かつ湯流入口と連通する湯流入路が形成されると共に、
前記ケーシングの先端が、前記湯流入口が形成されたケーシングの外径よりも大径に形成され、
前記Oリングが、ハウジングに設けられた段部とケーシングの先端間に配置されることにより、湯流入口と水流入口が仕切られることを特徴とする請求項2記載の湯水混合栓。 - 前記ハウジング、ケーシング、制御弁体は同一の樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の湯水混合栓。
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