JP2023035060A - 水栓装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】固定部においてバルブ装置の固定に必要な強度および浸出性能を適切に確保することができる水栓装置を提供する。【解決手段】実施形態に係る水栓装置は、中空状の本体部と、本体部に収容されるバルブ装置と、バルブ装置を本体部に対して固定する固定部とを備える。固定部は、バルブ装置の上部を押圧して固定するバルブ押さえ部材と、バルブ押さえ部材より下方の位置であって、バルブ装置と本体部の内壁との間の位置に配置され、本体部に対して水密に取り付けられるとともに、内部にバルブ装置を収容するハウジング部材とを備える。バルブ押さえ部材とハウジング部材とは、互いに異なる材質で形成される。【選択図】図3
Description
開示の実施形態は、水栓装置に関する。
従来、ハンドルの操作に応じて本体部内に収容されたバルブ装置が作動し、かかる作動によって洗浄水の流量や温度を調節することができる水栓装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
ところで、従来技術にあっては、バルブ装置を本体部に固定部を用いて固定するように構成される。しかしながら、従来技術に係る固定部においては、バルブ装置の固定に必要な強度および浸出性能を適切に確保するという点で、さらなる改善の余地があった。
すなわち、従来技術に係る固定部は、本体部内において部分的に洗浄水と接するように配置されるとともに、1つの部材で構成される。そのため、従来技術に係る固定部においては、バルブ装置の固定に必要な強度および浸出性能の両方を確保することができる材質を選定する必要があることから、例えば設計の自由度の低下を招くおそれがあり、改善の余地があった。
実施形態の一態様は、固定部においてバルブ装置の固定に必要な強度および浸出性能を適切に確保することができる水栓装置を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係る水栓装置は、中空状の本体部と、前記本体部に収容されるバルブ装置と、前記バルブ装置を前記本体部に対して固定する固定部とを備え、前記固定部は、前記バルブ装置の上部を押圧して固定するバルブ押さえ部材と、前記バルブ押さえ部材より下方の位置であって、前記バルブ装置と前記本体部の内壁との間の位置に配置され、前記本体部に対して水密に取り付けられるとともに、内部に前記バルブ装置を収容するハウジング部材とを備え、前記バルブ押さえ部材と前記ハウジング部材とは、互いに異なる材質で形成されることを特徴とする。
これにより、固定部にあっては、バルブ装置の固定に必要な強度および浸出性能を適切に確保することができる。すなわち、バルブ押さえ部材およびハウジング部材について、それぞれの機能に適した材質を選定することが可能になる。例えば、バルブ押さえ部材については、バルブ装置の固定に必要な強度を確保した材質(材料)を選定し、ハウジング部材については、浸出性能を確保した材質(材料)を選定することが可能となり、結果として固定部にあっては、バルブ装置の固定に必要な強度および浸出性能を適切に確保することができる。
また、前記バルブ押さえ部材は、金属材料で形成され、前記ハウジング部材は、樹脂材料で形成されることを特徴とする。
このように、バルブ押さえ部材が金属材料で形成されることで、バルブ装置の固定に必要な強度を確実に確保することができる。また、ハウジング部材が樹脂材料で形成されることで、浸出性能を確実に確保することができる。すなわち、固定部にあっては、バルブ装置の固定に必要な強度および浸出性能をより適切に確保することができる。また、ハウジング部材が比較的安価な樹脂材料で形成されるため、固定部を含む水栓装置のコストダウンを図ることが可能になる。
また、前記ハウジング部材と前記本体部の前記内壁との間を周方向に沿ってシールする第1シール部材を備え、前記ハウジング部材と前記バルブ押さえ部材との間には、前記ハウジング部材と前記バルブ押さえ部材とが組み付けられた状態において隙間が形成されることを特徴とする。
これにより、例えばハウジング部材の寸法公差がばらつく場合であっても、隙間によって第1シール部材の取り付け位置を適宜に調整することが可能になる。すなわち、ハウジング部材が、例えば樹脂材料で形成されると、寸法公差がばらつきやすい。そこで、ハウジング部材とバルブ押さえ部材との間に隙間が形成されることで、ハウジング部材の寸法公差のばらつきを隙間で吸収し、第1シール部材の取り付け位置を本体部の内壁に適切に当接するような位置に調整することが可能になる。
また、前記ハウジング部材は、上下非対称に形成されることを特徴とする。
これにより、ハウジング部材にあっては、上下の向きを容易に確認することが可能となり、よって上下を間違えて本体部に取り付けてしまう逆組みを防止することができる。従って、固定部が、バルブ押さえ部材とハウジング部材とに2部品化されても、組み立て性が低下することを抑制することができる。
また、前記ハウジング部材と前記本体部の前記内壁との間を周方向に沿ってシールする第1シール部材を備え、前記ハウジング部材は、前記第1シール部材を保持する保持部と、前記保持部から下方へ延在し、前記ハウジング部材の組み付け時のガイドとして機能するガイド部とを備えることを特徴とする。
これにより、ハウジング部材の組み付け性を向上させることができる。すなわち、例えばハウジング部材を本体部に挿入して組み付ける際、ガイド部が先頭となって本体部の内壁に沿って移動するため、ハウジング部材をガイドすることができ、よってハウジング部材の組み付け性を向上させることができる。
また、前記ハウジング部材は、外壁から外方へ向けて突出するフランジ部を備え、前記フランジ部が前記本体部に係止することで、前記ハウジング部材が前記本体部に対して位置決めされることを特徴とする。
これにより、例えばバルブ装置などの設計自由度を向上させることができる。すなわち、例えば仮に、ハウジング部材の下端が下方にある部材などに当接することで、ハウジング部材が本体部に対して位置決めされる構成とした場合、仕様による設計変更等でバルブ装置などが小型化したときに、ハウジング部材の下端が下方にある部材に当接しなくなって、ハウジング部材の位置決めができなくなることがあり、バルブ装置などの設計自由度の低下を招くおそれがあった。
これに対し、ハウジング部材は、フランジ部の係止によって位置決めされることから、例えば仕様による設計変更等でバルブ装置などが小型化しても、ハウジング部材の位置決めに対して影響を及ぼすことはない。そのため、例えばバルブ装置などを小型化するような場合における、バルブ装置などの設計の自由度を向上させることができる。
また、例えば仮に、ハウジング部材の下端が下方にある部材などに当接することで、ハウジング部材が本体部に対して位置決めされる構成とした場合、ハウジング部材が上下方向に長くなるため、バルブ装置から流出する水の流量等に影響を与えるおそれがある。これに対し、ハウジング部材は、フランジ部の係止によって位置決めされることから、ハウジング部材が上下方向に長くなることはなく、よってバルブ装置から流出する水の流量等に影響を与えることもない。
また、前記ハウジング部材と前記本体部の前記内壁との間を周方向に沿ってシールする第1シール部材と、前記ハウジング部材と前記バルブ装置との間を周方向に沿ってシールする第2シール部材とを備え、前記第2シール部材は、前記第1シール部材より上方に配置されることを特徴とする。
これにより、バルブ装置が上下方向に長くなって大型化することを抑制できる。すなわち、例えば仮に、第2シール部材が第1シール部材より下方に配置されると、バルブ装置は、下方の部分に第2シール部材と接する部位が形成されることとなる。バルブ装置の下方の部分には、例えば流出口などが側面に既に形成されているため、取り合い上、第2シール部材と接する部位が新たに形成されることとなり、バルブ装置は、その部位の分だけ上下方向に長くなって大型化するおそれがある。これに対し、第2シール部材が第1シール部材より上方に配置されると、バルブ装置が上下方向に長くなることはなく、バルブ装置の大型化を抑制することができる。
また、例えばハウジング部材にバルブ装置を挿入して組み付ける際、第2シール部材のハウジング部材との摺動抵抗区間を短くすることができ、組立性の向上を図ることができる。
実施形態の一態様によれば、固定部においてバルブ装置の固定に必要な強度および浸出性能を適切に確保することができる。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する水栓装置の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
まず、実施形態に係る水栓装置の全体構成について図1を参照して説明する。図1は、実施形態に係る水栓装置1の斜視図である。
図1に示すように、水栓装置1は、本体部2と、吐水部3と、操作ハンドル4とを備える。本体部2は、中空状に形成され、後述するバルブ装置10(図2参照)などを収容する。例えば、本体部2は、円筒状であって上端および下端に開口を有し、鉛直方向に沿って延在するように形成される。本体部2は、洗面台や台所などのカウンターA上に設置される。
吐水部3は、本体部2の外周面から側方へ向けて突出するように設けられ、水(洗浄水)を吐水する。なお、「水」という表現は、例えば常温の水の他、湯や湯水混合水、冷水などを含む意味で用いる場合がある。操作ハンドル4は、本体部2の上端に回動操作自在に設けられる。
上記した水栓装置1は、操作ハンドル4を鉛直方向の中心軸線Bを中心に水平方向に回動させることにより(矢印C1参照)、給水ホース5から供給される水(例えば水道水)と給湯ホース6から供給される湯との混合比を調節することができる。また、水栓装置1は、操作ハンドル4を鉛直方向に回動させることにより(矢印C2参照)、吐水部3から吐水される水の流量を調節することができる。
このように、水栓装置1は、1つの操作ハンドル4の操作により水の流量や温度を調節して吐水部3から吐水することができる、いわゆる、シングルレバー式の水栓装置(詳しくは湯水混合水栓装置)である。なお、上記した本体部2、吐水部3および操作ハンドル4は、水栓装置1の外観部材(外殻部材)である。
次に、実施形態に係る水栓装置1の内部構成について図2以降を参照して説明する。図2は、実施形態に係る水栓装置1の断面図である。
図2に示すように、水栓装置1は、バルブ装置10と、固定部20と、弁座50とを備える。バルブ装置10は、吐水部3から吐水される水の流量や温度を調節する装置(弁機構)であり、いわゆる、シングルレバーカートリッジである。バルブ装置10は、上記したように、本体部2に収容される。詳しくは、バルブ装置10は、下方に位置する弁座50に接続された状態で、本体部2に収容される。なお、バルブ装置10の詳細な構成については、図3を参照して後述する。
固定部20は、バルブ装置10を本体部2に対して固定する。固定部20は、バルブ押さえ部材30と、ハウジング部材40とを備えるが、これらの詳細な構成については、図3,4を参照して後述する。
弁座50は、円筒状の部材であり、本体部2に収容される。また、弁座50は、本体部2の内壁2aに対して水密に取り付けられる。弁座50には、図示しない給水路および給湯路が鉛直方向に沿って延在するように穿設される。かかる給水路には給水ホース5(図1参照)が接続され、給湯路には給湯ホース6が接続される。
次に、上記したバルブ装置10および固定部20について図3を参照して説明する。図3は、バルブ装置10および固定部20付近を拡大して示す断面図である。
まず、バルブ装置10について説明する。バルブ装置10は、上側ケーシング部材11と、下側ケーシング部材12と、固定弁体13と、可動弁体14と、バルブガイド部材15と、レバーガイド部材16と、レバー17とを備える。
上側ケーシング部材11は、円筒状に形成され、上方と下方に開口を有する。下側ケーシング部材12は、円筒状に形成され、上方に開口を有する。下側ケーシング部材12は、上方の開口が上側ケーシング部材11の下方の開口と対向した状態で、上側ケーシング部材11の下方に取り付けられる。上記のようにして取り付けられた上側ケーシング部材11および下側ケーシング部材12の内部には、固定弁体13、可動弁体14、バルブガイド部材15、レバーガイド部材16およびレバー17の一部(下方部分)が収容される。
下側ケーシング部材12の下端には、図示しない水流入路および湯流入路が形成される。下側ケーシング部材12の水流入路は、上記した弁座50の給水路に接続され、湯流入路は、弁座50の給湯路に接続される。また、下側ケーシング部材12の側面には、後述する固定弁体13の湯水混合水流出路からの水を流出させる流出口(図示せず)が形成される。すなわち、本実施形態に係るバルブ装置10は、いわゆる、サイドオープン型の装置であるが、これに限定されるものではない。
固定弁体13は、下側ケーシング部材12の下端に固定される。固定弁体13には、図示しない水流入路、湯流入路および湯水混合水流出路が形成される。固定弁体13の水流入路は、下側ケーシング部材12の水流入路と連通し、湯流入路は、下側ケーシング部材12の湯流入路と連通する。固定弁体13の湯水混合水流出路は、下側ケーシング部材12の流出口を介して吐水部3と連通する。
可動弁体14は、固定弁体13の上部に摺動および回転可能に配置される。バルブガイド部材15は、可動弁体14の上部に取り付けられる。バルブガイド部材15は、中央付近に形成される開口15aにレバー17の下端が接続され、かかるレバー17の動作に応じて可動弁体14をガイドしつつ可動させる。レバーガイド部材16は、バルブガイド部材15の上方に配置され、レバー17を保持しつつレバー17の動作をガイドする。
レバー17は、可動弁体14を操作する部材である。例えば、レバー17は、棒状の部材であり、下端がバルブガイド部材15に回動可能に接続され(嵌め込まれ)、上端が操作ハンドル4に接続される。このため、操作ハンドル4が操作されると、レバー17が回動し、バルブガイド部材15を介して可動弁体14が操作される(可動する)。
例えば、止水状態において、可動弁体14は、固定弁体13の水流入路および湯流入路を閉弁(閉鎖)するように配置される。そして、操作ハンドル4が上方に操作されると、レバー17が回動し、可動弁体14は固定弁体13上で並進移動し、固定弁体13の水流入路および(または)湯流入路が開弁される。これにより、給水ホース5(図1参照)や給湯ホース6から供給される水や湯は、下側ケーシング部材12の水流入路および湯流入路、固定弁体13の水流入路および湯流入路を介してバルブ装置10内に流入し、混合された湯水混合水は、固定弁体13の湯水混合水流出路等から流出する。固定弁体13の湯水混合水流出路等から流出した湯水混合水は、下側ケーシング部材12の側面にある流出口を通り、図2に矢印Dで示すように、吐水部3の吐水管3aを介して吐水口3bから吐出される。
また、操作ハンドル4が上下方向(図1の矢印C2参照)に操作されると、レバー17が回動し、可動弁体14が固定弁体13上で並進移動する。これにより、固定弁体13の水流入路および湯流入路を流れる水および湯の流量が変化し、可動弁体14の移動量に応じてバルブ装置10から流出する湯水混合水の流量が変化する。また、操作ハンドル4が中心軸線Bを中心に水平方向(図1の矢印C1参照)に操作されると、レバー17が回動し、可動弁体14は固定弁体13上で回動して、固定弁体13の水流入路および湯流入路を流れる水および湯の流量の割合が変化し、バルブ装置10から流出する湯水混合水の温度が変化する。
このように、バルブ装置10は、操作ハンドル4の操作に応じて作動し、水栓装置1から吐出される水(例えば湯水混合水)の流量や温度を調節することができる。
続いて、固定部20について説明する。固定部20は、本体部2に収容され、上記したようにバルブ装置10を本体部2に対して固定する。
ところで、かかる固定部20は、部分的に水(例えば湯水混合水)と接するように配置される。詳しくは、バルブ装置10から流出した水は、本体部2の内部、吐水部3を通って吐出されることから、本体部2に収容されてバルブ装置10を固定する固定部20は、下方部分など一部が水と接することとなる。そのため、固定部20においては、例えば鉛成分等が水へ溶出することを規制する、浸出性能を満たすことが求められる。
ここで、従来技術においては、固定部が1つの部材で構成されていたため、バルブ装置の固定に必要な強度および浸出性能の両方を確保することができる材質を選定する必要があった。そのため、従来技術においては、例えば固定部を含む水栓装置における設計の自由度の低下を招くおそれがあり、改善の余地があった。
そこで、本実施形態に係る固定部20にあっては、バルブ装置10の固定に必要な強度および浸出性能を適切に確保することができるような構成とした。
以下、固定部20の構成について図4も参照しつつ詳しく説明する。図4は、固定部20の分解斜視図である。
図3および図4に示すように、固定部20は、バルブ押さえ部材30と、ハウジング部材40とを備える。このように、本実施形態に係る固定部20は、複数(ここでは2つ)の部材で構成され、バルブ押さえ部材30がバルブ装置10を固定する機能を有し、ハウジング部材40が本体部2内で水と接するとともにバルブ装置10と本体部2の内壁2aとの間を水密に封止する機能を有するようにした。
具体的に説明すると、バルブ押さえ部材30は、バルブ装置10の上部を押圧して固定する。例えば、バルブ押さえ部材30は、円筒状(言い換えると環状)に形成され、内部にバルブ装置10が配置される。そして、バルブ押さえ部材30は、バルブ装置10の上側ケーシング部材11に形成された段差部11aに当接して段差部11aを上方から押圧することで、バルブ装置10を固定する。
ハウジング部材40は、円筒状(言い換えると環状)に形成され、内部にバルブ装置10を収容する。また、ハウジング部材40は、本体部2に組み付けられた状態において、バルブ押さえ部材30より下方の位置であって、バルブ装置10と本体部2の内壁2aとの間の位置に配置される。
また、ハウジング部材40は、本体部2に対して水密に取り付けられる。これにより、例えば本体部2内の水が、バルブ装置10と本体部2の内壁2aとの間からハウジング部材40より上方側へ流出することを防止することができる。なお、ハウジング部材40は、第1シール部材61などによって水密に取り付けられるが、これについては後述する。
また、ハウジング部材40は、本体部2に組み付けられた状態(取り付けられた状態)において、下方部分など一部が本体部2内の水と接するように構成される、詳しくは第1シール部材61より下方側の部位などが水と接するように構成される。
そして、上記したバルブ押さえ部材30とハウジング部材40とは、互いに異なる材質で形成される。
これにより、固定部20にあっては、バルブ装置10の固定に必要な強度および浸出性能を適切に確保することができる。すなわち、バルブ押さえ部材30およびハウジング部材40について、それぞれの機能に適した材質を選定することが可能になる。例えば、バルブ押さえ部材30については、バルブ装置10の固定に必要な強度を確保した材質(材料)を選定し、ハウジング部材40については、浸出性能を確保した材質(材料)を選定することが可能となり、結果として固定部20にあっては、バルブ装置10の固定に必要な強度および浸出性能を適切に確保することができる。
ここで、バルブ押さえ部材30およびハウジング部材40の材質の一例について説明する。例えば、バルブ押さえ部材30は、金属材料で形成される。なお、金属材料としては、例えば黄銅などを用いることができるが、これに限定されるものではない。また、例えば、ハウジング部材40は、樹脂材料で形成される。樹脂材料としては、例えばPOM(ポリアセタール)などを用いることができる。なお、樹脂材料は、上記したPOMに限定されるものではなく、例えばPP(ポリプロピレン)やPPS(ポリフェニレンサルファイド)などその他の種類の樹脂材料であってもよい。
このように、バルブ押さえ部材30が金属材料で形成されることで、バルブ装置10の固定に必要な強度を確実に確保することができる。また、ハウジング部材40が樹脂材料で形成されることで、浸出性能を確実に確保することができる。すなわち、固定部20にあっては、バルブ装置10の固定に必要な強度および浸出性能をより適切に確保することができる。また、ハウジング部材40が比較的安価な樹脂材料で形成されるため、固定部20を含む水栓装置1のコストダウンを図ることが可能になる。
また、バルブ押さえ部材30は、比較的被削性の良い黄銅で形成されることで、比較的被削性の悪いステンレス鋼(SUS)などで形成される場合に比べて、例えば製作時の切削時間を短縮することが可能となり、結果としてさらなるコストダウンを図ることができる。
以下、バルブ押さえ部材30およびハウジング部材40の形状等について、さらに詳しく説明する。
バルブ押さえ部材30は、突出部31と、フランジ部32とを備える。突出部31は、バルブ押さえ部材30の内壁(内周面)30aから径方向の内側へ向けて突出するように形成される、環状の部位である。バルブ押さえ部材30は、かかる突出部31がバルブ装置10の段差部11aに当接し、段差部11aを上方から押圧することで、バルブ装置10を固定する(図3参照)。
フランジ部32は、バルブ押さえ部材30の外壁(外周面)30bから径方向の外側(外方)へ向けて突出するように形成される、環状の部位である。また、フランジ部32は、バルブ押さえ部材30が本体部2に組み付けられた状態において、突出部31より上方となる位置に形成されるが、これに限定されるものではない。バルブ押さえ部材30は、かかるフランジ部32が本体部2の内壁2aに形成された段差部2bに当接して係止することで、本体部2に対して位置決めされる(図3参照)。
ハウジング部材40の形状の説明に入る前に、ハウジング部材40が、バルブ装置10と本体部2の内壁2aとの間を水密に封止する構成について説明する。
本実施形態に係る水栓装置1は、図3に示すように、第1シール部材61と、第2シール部材62とを備える。なお、第1シール部材61および第2シール部材62としては、例えばOリングを用いることができる。
例えば、第1シール部材61は、ハウジング部材40の外壁(外周面)40b側に設けられ、ハウジング部材40と本体部2の内壁2aとの間を周方向に沿ってシールする(軸シールする)。例えば、第2シール部材62は、ハウジング部材40の内壁(内周面)40a側に設けられ、ハウジング部材40とバルブ装置10との間を周方向に沿ってシールする(軸シールする)。
このような第1シール部材61および第2シール部材62がハウジング部材40に設けられることで、ハウジング部材40は、バルブ装置10と本体部2の内壁2aとの間を水密に封止することができる。これにより、例えば本体部2内の水が、バルブ装置10と本体部2の内壁2aとの間からハウジング部材40より上方側へ流出することを防止できることは、既に述べた通りである。
第2シール部材62は、ハウジング部材40が本体部2に組み付けられた状態において、第1シール部材61に対して上下方向にずれた位置に配置される。例えば、第2シール部材62は、ハウジング部材40が本体部2に組み付けられた状態において、第1シール部材61より上方に配置される。
これにより、バルブ装置10が上下方向に長くなって大型化することを抑制できる。すなわち、例えば仮に、第2シール部材62が第1シール部材61より下方に配置されると、バルブ装置10は、下方の部分(例えば下側ケーシング部材12の部分)に第2シール部材62と接する部位が形成されることとなる。下側ケーシング部材12には、上記したように、流出口などが側面に既に形成されているため、取り合い上、第2シール部材62と接する部位が新たに形成されることとなり、バルブ装置10は、その部位の分だけ上下方向に長くなって大型化するおそれがある。これに対し、本実施形態にあっては、第2シール部材62が第1シール部材61より上方に配置されることから、バルブ装置10が上下方向に長くなることはなく、バルブ装置10の大型化を抑制することができる。
また、例えばハウジング部材40にバルブ装置10を挿入して組み付ける際、第2シール部材62のハウジング部材40との摺動抵抗区間を短くすることができ、組立性の向上を図ることができる。
ハウジング部材40の形状等について説明すると、ハウジング部材40は、図3および図4に示すように、保持部41と、ガイド部42と、フランジ部43とを備える。
保持部41は、円筒状に形成され、第1シール部材61を保持する。例えば、保持部41は、ハウジング部材40が本体部2に組み付けられた状態において、ハウジング部材40の上方側の部位であり、第1シール部材61を外壁(外周面)40b側で保持する。また、保持部41にあっては、ハウジング部材40が本体部2に組み付けられた状態において、内壁(内周面)40a側で第2シール部材62と接すように構成される。
ガイド部42は、保持部41から下方へ延在し、円筒状に形成される。例えば、ガイド部42は、ハウジング部材40が本体部2に組み付けられた状態において、ハウジング部材40の下方側の部位である。そして、ガイド部42は、ハウジング部材40の組み付け時のガイドとして機能する。すなわち、例えばハウジング部材40を本体部2に挿入して組み付ける際、ガイド部42が先頭となって本体部2の内壁2aに沿って移動するため、ハウジング部材40をガイドすることができ、よってハウジング部材40の組み付け性を向上させることができる。
フランジ部43は、ハウジング部材40の外壁(外周面)40bから外方へ向けて突出するように形成される。例えば、フランジ部43は、ハウジング部材40の保持部41の外壁40bから径方向の外側(外方)へ向けて突出するように形成される、環状の部位である。また、フランジ部43は、ハウジング部材40が本体部2に組み付けられた状態において、第1シール部材61より上方の位置に形成される。
そして、ハウジング部材40は、フランジ部43が本体部2に係止することで、本体部2に対して位置決めされる(図3参照)。詳しくは、フランジ部43が本体部2の内壁2aに形成された段差部2cに当接して係止することで、ハウジング部材40は本体部2に対して位置決めされる。このとき、ハウジング部材40の下端45は、下方にある弁座50などから離間した位置とされる、言い換えると、弁座50などと当接していない。
これにより、例えばバルブ装置10などの設計自由度を向上させることができる。すなわち、例えば仮に、ハウジング部材40の下端45が下方にある部材(ここでは弁座50)などに当接することで、ハウジング部材40が本体部2に対して位置決めされる構成とした場合、仕様による設計変更等でバルブ装置10や弁座50などが小型化したときに、ハウジング部材40の下端45が弁座50に当接しなくなって、ハウジング部材40の位置決めができなくなることがあり、バルブ装置10や弁座50などの設計自由度の低下を招くおそれがあった。
これに対し、本実施形態に係るハウジング部材40は、フランジ部43の係止によって位置決めされることから、例えば仕様による設計変更等でバルブ装置10や弁座50などが小型化しても、ハウジング部材40の位置決めに対して影響を及ぼすことはない。そのため、例えばバルブ装置10などを小型化するような場合における、バルブ装置10などの設計の自由度を向上させることができる。
また、例えば仮に、ハウジング部材40の下端45が下方にある部材(弁座50)などに当接することで、ハウジング部材40が本体部2に対して位置決めされる構成とした場合、ハウジング部材40が上下方向に長くなるため、バルブ装置10から流出する水の流量等に影響を与えるおそれがある。これに対し、本実施形態に係るハウジング部材40は、フランジ部43の係止によって位置決めされることから、ハウジング部材40が上下方向に長くなることはなく、よってバルブ装置10から流出する水の流量等に影響を与えることもない。
上記のように構成されたハウジング部材40は、上下非対称に形成される。例えば、ハウジング部材40は、フランジ部43や保持部41が上方に位置することから、上下非対称に形成される。
これにより、ハウジング部材40にあっては、上下の向きを容易に確認することが可能となり、よって上下を間違えて本体部2に取り付けてしまう逆組みを防止することができる。従って、固定部20が、バルブ押さえ部材30とハウジング部材40とに2部品化されても、組み立て性が低下することを抑制することができる。
また、図3に示すように、ハウジング部材40とバルブ押さえ部材30との間には、ハウジング部材40とバルブ押さえ部材30とが組み付けられた状態において隙間71,72が形成される。
詳しくは、隙間71は、バルブ押さえ部材30の突出部31の下面31aと、ハウジング部材40の上端44との間の空間である。また、隙間72は、バルブ押さえ部材30の下端33と、ハウジング部材40のフランジ部43との間の空間である。
これにより、例えばハウジング部材40の寸法公差がばらつく場合であっても、隙間71,72によって第1シール部材61の取り付け位置を適宜に調整することが可能になる。すなわち、ハウジング部材40が、例えば樹脂材料で形成されると、寸法公差がばらつきやすい。そこで、本実施形態にあっては、ハウジング部材40とバルブ押さえ部材30との間に隙間71,72が形成されることで、ハウジング部材40の寸法公差のばらつきを隙間71,72で吸収し、第1シール部材61の取り付け位置を本体部2の内壁2aに適切に当接するような位置に調整することが可能になる。
なお、隙間71,72が大きすぎると、ハウジング部材40が本体部2に対して移動し易くなって、第1シール部材61が本体部2の内壁2aに対してずれてシール機能が低下するおそれがある。従って、隙間71,72の上下方向の長さは、第1シール部材61が本体部2の内壁2aに対してずれてシール機能が低下しないような値に設定されるが、これに限定されるものではない。
次に、水栓装置1におけるバルブ装置10、バルブ押さえ部材30、ハウジング部材40の組み付け手順について説明する。
まず、ハウジング部材40が本体部2の上端の開口から挿入され、フランジ部43が本体部2に係止することで、ハウジング部材40は本体部2に対して位置決めされる。次いで、バルブ装置10が本体部2の上端の開口から挿入され、弁座50に接続される。次いで、バルブ押さえ部材30が本体部2の上端の開口から挿入され、フランジ部32が本体部2に係止することで、バルブ押さえ部材30は本体部2に対して位置決めされる。
なお、上記では、ハウジング部材40、バルブ装置10の順で組み付ける例を示したが、これに限られず、バルブ装置10、ハウジング部材40の順で組み付けてもよい。
上述してきたように、実施形態に係る水栓装置1は、中空状の本体部2と、本体部2に収容されるバルブ装置10と、バルブ装置10を本体部2に対して固定する固定部20とを備える。固定部20は、バルブ装置10の上部を押圧して固定するバルブ押さえ部材30と、バルブ押さえ部材30より下方の位置であって、バルブ装置10と本体部2の内壁2aとの間の位置に配置され、本体部2に対して水密に取り付けられるとともに、内部にバルブ装置10を収容するハウジング部材40とを備える。バルブ押さえ部材30とハウジング部材40とは、互いに異なる材質で形成される。これにより、固定部20においてバルブ装置10の固定に必要な強度および浸出性能を適切に確保することができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。従って、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 水栓装置
2 本体部
10 バルブ装置
20 固定部
30 バルブ押さえ部材
40 ハウジング部材
2 本体部
10 バルブ装置
20 固定部
30 バルブ押さえ部材
40 ハウジング部材
Claims (7)
- 中空状の本体部と、
前記本体部に収容されるバルブ装置と、
前記バルブ装置を前記本体部に対して固定する固定部と
を備え、
前記固定部は、
前記バルブ装置の上部を押圧して固定するバルブ押さえ部材と、
前記バルブ押さえ部材より下方の位置であって、前記バルブ装置と前記本体部の内壁との間の位置に配置され、前記本体部に対して水密に取り付けられるとともに、内部に前記バルブ装置を収容するハウジング部材と
を備え、
前記バルブ押さえ部材と前記ハウジング部材とは、
互いに異なる材質で形成されること
を特徴とする水栓装置。 - 前記バルブ押さえ部材は、金属材料で形成され、
前記ハウジング部材は、樹脂材料で形成されること
を特徴とする請求項1に記載の水栓装置。 - 前記ハウジング部材と前記本体部の前記内壁との間を周方向に沿ってシールする第1シール部材
を備え、
前記ハウジング部材と前記バルブ押さえ部材との間には、前記ハウジング部材と前記バルブ押さえ部材とが組み付けられた状態において隙間が形成されること
を特徴とする請求項1または2に記載の水栓装置。 - 前記ハウジング部材は、
上下非対称に形成されること
を特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の水栓装置。 - 前記ハウジング部材と前記本体部の前記内壁との間を周方向に沿ってシールする第1シール部材
を備え、
前記ハウジング部材は、
前記第1シール部材を保持する保持部と、
前記保持部から下方へ延在し、前記ハウジング部材の組み付け時のガイドとして機能するガイド部と
を備えることを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の水栓装置。 - 前記ハウジング部材は、
外壁から外方へ向けて突出するフランジ部
を備え、
前記フランジ部が前記本体部に係止することで、前記ハウジング部材が前記本体部に対して位置決めされること
を特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の水栓装置。 - 前記ハウジング部材と前記本体部の前記内壁との間を周方向に沿ってシールする第1シール部材と、
前記ハウジング部材と前記バルブ装置との間を周方向に沿ってシールする第2シール部材と
を備え、
前記第2シール部材は、
前記第1シール部材より上方に配置されること
を特徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載の水栓装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021141659A JP2023035060A (ja) | 2021-08-31 | 2021-08-31 | 水栓装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021141659A JP2023035060A (ja) | 2021-08-31 | 2021-08-31 | 水栓装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2023035060A true JP2023035060A (ja) | 2023-03-13 |
Family
ID=85505314
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2021141659A Pending JP2023035060A (ja) | 2021-08-31 | 2021-08-31 | 水栓装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023035060A (ja) |
-
2021
- 2021-08-31 JP JP2021141659A patent/JP2023035060A/ja active Pending
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