JP7109483B2 - タイヤを製造するための装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明はタイヤを製造するための装置に関している。本発明は更にタイヤを製造するための方法に関している。本装置は、未加硫の生タイヤを製造するために、層の折返しを実現するためのデバイスを有するタイヤ構成ドラムを含んでいる。
未加硫の生タイヤを製造する際は、通常、層の折返し時における必要な押圧力(接触圧力)を準備するためにエアベローズが用いられる。その種のドラムは比較的高価であり、所定のサイクル間隔でのエアベローズの交換を必要とする。特許文献1からは既に、複数の機械的なビード折返し装置を実現することが知られており、それらのビード折返し装置においては必要な押圧力は個別のレバーを複数用いて達成されるが、それらは傘の骨の様に配設されている。これらの機械的な装置は、エアベローズを用いる場合と比べて長い耐用年数を有しているが、しかしながら対称な運転運動を可能にするものではない。
対称的な運転運動を可能とするタイヤを製造するための方法並びにタイヤ構成ドラムについては、特許文献2から知られている。
特許文献2には、層(プライ)の折返しを実現させるためのデバイスが複数の折返し指部を有しており、当該複数の折返し指部がスライドリングを介して、タイヤ構成ドラムの外部に配設されている1つの駆動部と連結されていること、が開示されている。
折返し指部の移動はその際コアセット装置(コアセッティング装置)を用いて実現されており、当該コアセット装置は半径方向の移動によりタイヤ構成ドラムの連結部内へ連結可能であり、また連結後に軸方向の移動により駆動部を折返し指部と連結させる。
しかしながら上述の従来技術に記載の装置によっては、タイヤ構成ドラムの同時の回転なしで、折返し指部の駆動部との連結のみが可能となる。これは、その様に設計されるタイヤ構成ドラムの援用領域を、生タイヤの側壁部上へベルトパッケージ(トレッド)が折り返されているタイヤ構造(TOS:トレッド・オーバー・サイドウォール、英:tread over sidewall)の製造に限定する。
それに対して、ベルトパッケージ上へ生タイヤの側壁部が折り返されているタイヤ構造(SOT:サイドウォール・オーバー・トレッド、英:sidewall over tread)を製造するためには、製造方法中にタイヤ構成ドラムの回転が可能とされることが必要である。それを用いて、カーカスはその場合高い点精度でドラム上に固定されたままであり、少なくとも回転時に実現される外側肩部(アウターショルダ)が、発生する圧力によってカーカスがそのクランプ部から外れることを回避するために、必要である。
ドラム上でのカーカスのスライドをもたらすことが出来るであろう可能な押圧力は、例えば、生タイヤの製造時のカーカスの巻きつけの押圧力と関連してカーカス内圧の様態で発生する。
EP-A 1 001 876 DE 2006 012 026 A1
従って本発明の第一の課題は、タイヤ構成ドラムの外側に装備された折返し指部の駆動部を備えるタイヤを製造するための装置を、SOT構造でも、また同様にTOS構造でも、タイヤ構造体の製造が可能とされるように、構成することである。
本発明の更なる第二の課題は、タイヤ構成ドラムの外側に装備された折返し指部の駆動部を備えるタイヤを製造するための方法を、SOT構造でも、また同様にTOS構造でも、タイヤ構造の製造が可能とされるように、決定することである。
第一の課題は本発明に従い、特許請求の範囲の独立請求項1に開示の特徴に対応するタイヤを製造するための装置を実現することによって解決される。
請求項1に対応的に、タイヤを製造するための本発明に従う装置は、未加硫の生タイヤを製造するためのタイヤ構成ドラムを有しており、その際、タイヤ構成ドラムは層の折返しを実現するためのデバイスを有している。層の折返しを実現するためのデバイスは複数の折返し指部を含んでおり、それらは少なくとも2つのスライドリングを介してタイヤ構造ドラムの外部に配設された駆動部と連結可能である。本発明に従い、折返し指部はタイヤ構成ドラムの静止状態においても、回転状態においても、駆動部と連結可能であり、またそれを用いて制御可能である。
第二の課題は本発明に従い、特許請求の範囲の独立請求項13に開示の特徴に対応するタイヤを製造するための方法によって解決される。
折返し指部の駆動部は、タイヤを製造するための本発明に従う装置の有利な実施形態においては静止状態にあるタイヤ構造リングに装備されており、また、好ましくは3つのスピンドルを有しており、当該スピンドルは有利には個別に対向的にそして同期して駆動可能である。制御としては、好ましくはトルク制御が用いられる。スピンドルを調整するためには、例えば好ましくは単相駆動部或いは三相駆動部として形成されているサーボモータが用いられる。
更に好ましくは、3つのスピンドルが周方向で実質的に互いに等間隔に配設されている。
タイヤ構成ドラムに組み込まれた適切なメカニズムへの駆動スピンドルの力の伝達は、有利な実施形態においては、半径方向へ移動可能なドライバを介して行われる。ドライバは本発明の特に有利な実施形態においてはコアセット装置の一部であり得る。
タイヤ構成ドラムの外部に駆動部を配置することによって、折返し指部をいわゆるスライドリングを介して操作することが可能となり、当該スライドリングは個別の折返し指部の完全に対称的な運転運動を設定する。それにより生タイヤを非常に高くまた均一な品質で製造することが可能である。
生タイヤへ均等に力を及ぼすために、折返し指部は本発明の有利な実施形態においては、均等に、特には等間隔に、タイヤ構成ドラムの周囲の延び部分に配設されている。タイヤ構成ドラムの直径に応じて、タイヤを構成するための本発明に従う装置は、ドラム半体ごとに、有利には約40から約80の折返し指部を有している。
好ましい実施形態においては、タイヤを製造するための本発明に従う方法は、タイヤ構成ドラム、ドラムシャフト、インボードドラム半体、アウトボードドラム半体、及び、中心部品を有している。
内側及び外側のドラム半体は、本発明の特に有利な実施形態においては、軸方向に可動的にドラムシャフトに支持されている。中心部品は本発明の有利な実施形態においては、ドラムシャフトに固定的に接続されている。
内側及び外側のドラム半体は、それぞれコアクランプ装置及びショルダーサポートを有しており、それらは半径方向でドラムシャフトの軸に対して相対的に移動可能である。
更に内側及び外側のドラム半体は、有利な実施形態においては、それぞれ複数の折返し指部を有しており、それらを用いてタイヤを製造するために材料の層が折り返し可能である。本発明の格別に有利な実施形態においては、折返し指部はドラム半体の領域で確動ガイド(所定の動きのみを可能とするガイド部)によって、製造されるべき生タイヤへの格別に有利な力の作用実現されているように、案内されている。
タイヤ構成ドラムの外部で支持されている駆動部の半径方向に移動可能なドライバは、ドラム半体の領域に配されたスライドリングを介して折返し指部と連結可能である。スライドリングは有利な実施形態においては、連結装置の対向構造としてドライバを収容するために利用されるリングノッチを有している。
タイヤ製造のための本発明に従う装置の格別に有利な実施形態においては、タイヤ構成ドラムの外部に配設されている駆動部は、タイヤ構成ドラムの回転状態においても、制止状態においても、駆動部と折返し指部の連結が実現可能であるように、スライドリングと連結可能である。
本発明に従い、駆動部及び折返し指部の回転耐性のある連結は、有利にはスライドリングの回転可能な軸受によって行われ、当該ベアリングは例えばそれぞれ回転軸受として形成されている。回転軸受は本発明の有利なバリエーションにおいては、玉軸受(ボールベアリング)として形成され得て、また本発明の別の有利な実施形態においては、ころ軸受(ローラベアリング)として形成され得る。
しかしながら、駆動部及び折返し指部の回転耐性のある連結の別の実施形態も考えられる。その場合、連結された状態での回転を可能にする要素を駆動側の複数の連結要素の領域に配設することが考えられ、それらは、例えば少なくとも連結領域に、タイヤ構成ドラムのドラムシャフトに対する放射軸(径方向軸)の周りに、回転可能な要素を有していてもよい。
更に駆動部及びスライドリングの電磁的な連結も考えられており、それは駆動部及びスライドリングの回転耐性のある連結を、磁場を介して実現する。
スライドリングの本発明に従う回転可能な支持は、タイヤ構成ドラムが制止状態にある場合でも、また同様に回転状態にある場合でも、タイヤ構成ドラムの外部に配設されている駆動部を用いて、折返し指部の位置の制御を可能とするので、その結果、折返し指部は製造されるべき生タイヤの領域で、少なくとも1つの外側肩部を少なくとも一時的に実現するためのように、狙って力を作用させるために制御可能である。それにより、生タイヤのコアは、タイヤ構成ドラムの回転中にも、追加的に外側で固定可能である。
タイヤを製造するための装置の別の有利な実施形態においては、フラット構造の生タイヤも、クラウン構造の生タイヤも製造可能である。
これは有利には、カーカスマシン(ケーシングマシン)が第2の駆動ユニットを有していることによって、実現されている。更に本発明に従う装置は、交換可能なタイヤ構成ドラムを有しており、それはそれぞれ少なくとも1つの構成タイプをサポートしている。
タイヤを製造するための本発明に従う方法の有利な実施形態においては、フラット構造の生タイヤも、クラウン構造の生タイヤも、製造可能である。これは本発明に従い、クラウン構造のタイヤを製造するためのカーカスマシン内の第2の駆動ユニットを制御することによって実現されている。
更に、タイヤを製造するための本発明に従う方法は、折返し指部の駆動部にしてタイヤ構成ドラムの外側で支持されている駆動部を備えまた折返し指部及び駆動部の回転耐性のある連結部を備えるタイヤ製造用の装置を用いることにより、SOT構造の生タイヤも、また同様に、TOS構造の生タイヤも製造可能であることによって、特徴づけられている。
タイヤを製造するための本発明に従う方法の通常の経過が以下に説明される。格納された折返し指部、コアクランプ装置、及び肩支持部を備えるシリンダ状のドラム体へは、カーカスを製造するための複数の材料が層状に積み重ねられる。その後、セグメント化されたリング状のコアセット装置を用いて、2つのコアがドラム体上へセットされる。それらのコアはクランプ装置を用いてタイヤ構成ドラムに固定される。
他方でコアセット装置は、タイヤ構成ドラム内で左ネジ/右ネジのスピンドルに支持されており、当該スピンドルはサーボモータを介して正確に、又、プログラム制御されて、軸方向に移動可能である。
コアのセッティング後、左右のコアセット装置(ドライバ)は外側へ移動し、その結果、それらは連結部(スライドリングのリングノッチ)上方にある。結合されたコアセッティング及び軸駆動セグメントはこの場合、半径方向内側で連結部内へ移動する。それにより、コアセット装置及び折返し指部の間のサーボ制御された装置が製造される。
コアの間隔は、スピンドルの回転によってドラムシャフト内で減少される。同時にショルダーサポートは半径方向で外部へ出され、そして、後続の層の折返しプロセスのための安定な接触を形成する。非常に近密にインボード及びアウトボードのドラム半体上に配設されている複数の折返し指部は、それらの上にあるカーカス材料を持ち上げる。
製造されるべきタイヤ構造タイプ(SOT又はTOS)に応じて、先ず、タイヤ構成ドラムが回転する場合にはランニングストリップ-ベルトパッケージが、又は、側壁部材料が、形成中のカーカスへ回転接近される。
コア間隔を徐々に狭めさせること及び同時に膨らんでいくカーカス内へ圧力空気を供給することに伴い、複数の折返し指部は軸方向の運動を介して外側へ向かって屈曲される。インボードドラム半体及びアウトボードドラム半体の複数の折返し指部の複数のローラは、完全に対称的にカーカス材料を形成カーカス(生タイヤ)へ丸める。外側へ屈曲された折返し指部は、ローラヘッド領域にて拡がる間隔を形成し、当該間隔は、今度はダブルローラ機構によって占められる。
これにより、層の折返しの際のフラットローリングが達成され、また従って、エアポケットの発生が避けられる。層の折返しが完全に終了した後、外部側から更なる半製品構成要素が供給される。
タイヤ構成ドラムは、必要に応じて連結されるサーボ制御式の外部コアセット装置を設けられている。それにより、両方のドラム半体のローラシステムの完全な同期運転が保証される。同時に、モータ駆動の同期運転によってどのようなスリップスティック効果(slip-stick effects)も又は空圧的な折返し指部操作の困難な又は不安定な調整も生じない。結果的に、使用者にとっては、明らかに改善された同心特性や、特には改善された円錐度及び横力変動に関して明らかに改善された均等性を期待することが出来る。
本発明に従うタイヤ構成ドラムは、モジュール構造に関して更なる長所を有するべきである。コアクランプ部及びショルダーサポート部の領域は、ツーベローズドラムタイプ(Two-bellows drum type)と構造的に同一に実現され得て、それにより、半径方向で外へ移動可能な機械的ショルダーサポートとの関連で、完全に確実なコアクランプが与えられている。
複数の折返し指部をそれらの全ての中間空間と共に使用するにもかかわらず、タイヤ構成ドラムは自動的なスプライス継ぎ目(スプライス接続)を形成するための完全に連続的な載置面を有している。
図中には本発明の実施例が概略的に示されている。
層の折返しを実現するための機械的な装置を備える本発明に従うタイヤ構成ドラムの長手断面の部分図を、材料が載せられていない状態で示す。 図1に示されているタイヤ構成ドラムの長手断面を、側壁部材料が載せられている状態で示す。 図2に示されているタイヤ構成ドラムの長手断面を、追加的にインナーライナー材料が載せられた状態で示す。 図3に示されているタイヤ構成ドラムの長手断面を、追加的にボディプライ材が載せられた状態で示す。 タイヤを製造するための本発明に従う装置内での、ランニングストリップサーバからタイヤ構成リングへの、ベルトドラムの移動を表している。 図4に示されているタイヤ構成ドラムの長手断面を、タイヤ構成リングに位置決めされ、コアをセッティングされた状態で示す。 図6に示されているタイヤ構成ドラムの長手断面を、内側肩部が引き出されそしてカーカスに空気が入れられた状態で示す。 図7に示されているタイヤ構成ドラムの長手断面を、スライドリングのリングノッチ内にドライバが位置決めされた状態で示す。 図8に示されているタイヤ構成ドラムの長手断面を、層を折り返すため及び外側肩部を実現するための動かされた折返し指部と共に示す。 図9に示されているタイヤ構成ドラムの長手断面を、折返し工程の前に、また、ベルトパッケージ用巻きつけ装置の図と共に示す。 図10に示されているタイヤ構成ドラムの長手断面を、巻きつけ工程の後に、追加的に、ランニングストリップのベルトパッケージがカーカスに接続された状態で示す。 生タイヤのSOT構造のために行われた層の折返しの後の、図11に示されているタイヤ構成ドラムの長手断面を示す。 タイヤを製造するための本発明に従う装置の概略図を示す。 コアセッティング間隔及び結果的に生じる接触圧力の概略図を示す。
図1に図示されているタイヤ構成ドラムの一部は、層サーバ(プライサーバ)21の中心Lの領域に配設されており、外機式(アウトボード)ドラム半体3及び内機式ドラム(インボード)半体5を有しており、それらはドラムシャフト2に支持されている。両方のドラム半体3、5は、中心部4と関連して、円筒状の円体(ドラム体)を形成している。この円体にはカーカスプライが施されそして生タイヤへと形成される。
両方のドラム半体3、5はドラムシャフト2においてロック可能である。ドラム半体3、5の軸方向の調整は駆動部によって実現されており、当該駆動部は例えばスピンドルを回転させまたそれにより軸運動を発生させる。
ドラム半体3、5はそれぞれコアクランプ装置6及びショルダーサポート(肩部支持部)7を有しており、それらはタイヤ構成ドラム1のドラムシャフト2に対して相対的に半径方向で移動可能である。
更に、ドラム半体3、5はそれぞれ、層の折返しを実現するための複数の折返し指部8を有している。折返し指部8は改良された力の伝達のための確動ガイド9を介して製造されるべき生タイヤへ案内されている。折返し指部8はタイヤ構成ドラム1内部で長手溝内に位置している。折返し指部8をタイヤ構成ドラム1の外部に配設されている不図示の駆動部と連絡させるために、ドラム半体3、5はそれぞれ1つのスライドリング10を有しており、当該スライドリング10にはそれぞれのドラム半体3、5に割り当てられた折返し指部8が回転運動可能に接続されている。
スライドリング10のリングノッチ10a内へは、折返し指部8の駆動部にしてタイヤ構成ドラム1の外部に配設されている駆動部に連結されているそれぞれ1つのドライバ11が移動され、その結果、折返し指部8の駆動部との連結が実現される。
スライドリング10はそれぞれ、回転可能なベアリング12を介してドラム半体3、5と接続されており、当該ベアリングは図示されている本発明の実施形態においてはそれぞれ転がり軸受として実現されている。
図2には、本発明に従うタイヤ構成ドラム1が図1に対応的に示されている。更に、タイヤを製造するための本発明に従う方法の1つのプロセスステップが表されている。タイヤ構成ドラム1が本発明に従うタイヤを製造するための装置の層サーバ21の中心の領域に存在している間、様々な材料層が順々に積み重ねられる。図2は、側壁部材料13を載置した後のタイヤ構成ドラムを示している。その後インナーライナー材料14が載置されるが、これは図3において明示されている。図4には、ボディプライ材15を載置した後のタイヤ構成ドラム1が示されており、当該ボディ層材料15は初めに置かれた層13、14の上に載せ置かれる。
図5はタイヤを製造するための本発明に従う方法の次のステップを示している。ベルトドラム25は、ランニングストリップサーバ24によってタイヤ構成リング(タイヤ形成リング)16へ移送される。タイヤ構成リング16はグリップ部(グリッパー)17を有しており、当該グリップ部17はベルトドラム25から生タイヤのベルトパッケージ(トレッド)18を受容しまた保持する。それに関してベルトドラム25は、タイヤ構成リング16の中心線Rの領域に位置決めされる。ベルトパッケージ18がタイヤ構成リング16のグリップ部17によって受容された後、ベルトドラム25は再度ランニングストリップサーバ24へ移送される。
図6は本発明に従うタイヤ構成ドラムの長手断面を示しており、当該タイヤ構成ドラムは図5に示されているプロセスステップに従い、タイヤ構成リング16へ移動されたものである。複数のコア19がセットされたが、それらは半径方向外側へ移動するコアクランプ装置6を用いて固定される。
図7に図示されている、タイヤを製造するための本発明に従う方法の続きのステップはドラム半体3、5の移動であり、その結果、形成位置におけるコア間隔が実現されている。更に、図示されている方法ステップでは、ショルダーサポート7が外へ出され、また、カーカスは低い圧力下で空気を入れられる。必要な内圧は例えば空圧的に実現される。
図8はタイヤを製造するための本発明に従う方法の次のステップを示している。タイヤ構成ドラム1の外部に配設されている駆動部に連結されているドライバ11は、駆動部を用いて、スライドリング10のリングノッチ10a内へ移動され、それにより、折返し指部8の駆動部との連結が実現される。
続いて、図9に示されているように、ドライバ11は軸方向でタイヤ構成ドラム1の中心部4に向かって移動され、それにより折返し指部8は確動ガイド9によって設定される運動に対応的に始動(アクティブ化)される。ドライバ11が共に移動する場合は、折返し指部8はコア19へと上昇し、そして製造されるべき生タイヤ用の外側肩部(アウトショルダー)を形成する。
その際、有利には均等に周方向に分配されている複数の折返し指部8は、複数のローラを介して、それらの生タイヤに向き合う側にて、先ず、傾斜して配設されている不図示のリング形状の機械的な平面を、上方移動させる。
それに続き、図10に図示されているように、ベルトパッケージ18を保持するグリップ部17は取り外される。タイヤ構成ドラム1はドラムシャフト2の周りで回転され、また、カーカスの内圧は上昇される。折返し指部8によって実現される外側肩部は、タイヤ構成ドラム1上のショルダーサポート7と共にカーカスを固定する。本発明に従うスライドリング10の回転可能な軸受12によって、タイヤ構成ドラム1の外側に配設される駆動部及び折返し指部8を、タイヤ構成ドラム1が回転する間も、連結したままにすることが可能である。ベルトパッケージ18は巻きつけ装置(ローリング装置)20を用いてカーカスに巻きつけられる。
カーカス(ケーシング、ケース)へベルトパッケージ18を巻きつける方法ステップは、図11にてより明らかにされる。巻きつけ装置20はベルトパッケージ18の両側部をカーカス上へ巻きつけた。タイヤ構成ドラム1はその際そのドラムシャフト2の周りで回転し、カーカスはコア19の範囲にて再び折返し指部8及びショルダーサポート7によって固定されている。
図12はランニングストリップのベルトパッケージ18の両側壁部をカーカス上へ巻きつける方法ステップを図示している。折返し指部8は、ドライバ11と共に更に移動することによって、カーカスに接して上方へと移動され、その後その上で、先に配置された層(プライ)のエラストマー材料が立ち上げられ、そしてコア19の周りで折り返される。更なるステップでは、折返し指部8におけるローラは材料をカーカスに押し付ける。
それに続きドライバ11の離間移動(互いに離れる移動)によってスライドリング10が引き戻される際、折返し指部8は再びタイヤ構成ドラム1の長手溝内へ降下される。その後、複数のドライバ11は逆移動されまたスライドリング10のリング溝10aを再び解放する。
コアクランプ装置6及びショルダーサポート7を引き入れることによって、生タイヤは引き続きタイヤ構成ドラム1から取り外される。
図13にはタイヤを製造するための本発明に従う装置の有利な実施形態が概略的に示されている。タイヤを製造するための装置はタイヤ構成ドラム1を有しており、当該タイヤ構成ドラム1は図示されている方法ステップでは層サーバ21の中心Lの領域に配設されている。更に、層サーバ21の領域ではタイヤ構成ドラムの側方にカーカスマシン22が配設されている。
更に、タイヤを製造するための装置の示されている実施形態は、挿入サーバ(インサートサーバ)23を有しており、当該挿入サーバ23を用いて、強化ストリップを製造されるべき生タイヤ内へ入れることが出来る。
更にタイヤを製造するための装置はタイヤ構成リングを有しており、当該タイヤ構成リングの領域では、ドライバ11及びローラ20が配設されている。
追加的に本装置はランニングストリップサーバ24を有しており、それを用いて、製造されるべき生タイヤのベルトパッケージ18はベルトドラム上に製造可能である。
図14は、本発明に従うコアセッティングによって折返しプロセスにおいて発生する接触圧力Fを明示して示す。生タイヤは、セットされたコアそれぞれのより大きな間隔又は少なくとも同一の間隔によって、従来技術と比べて、より平坦な輪郭又は最大限同等な高さの輪郭を有している。折返し長さIが同じ場合、力ベクトルの関連する水平方向の力成分FHF(F水平力)は、タイヤを構成するための装置の本発明に従う実施形態においては、従来技術に従う水平方向の力の成分FSdT(F従来技術)と比べて、より大きいか、又は、少なくとも同じ大きさである。
1 タイヤ構成ドラム
2 ドラムシャフト
3 アウトボードドラム半体
4 中心部品
5 インボードドラム半体
8 折返し指部
10 スライドリング
12 軸受

Claims (15)

  1. 未加硫の生タイヤを製造するためのタイヤ構成ドラム(1)を有する、タイヤを製造するための装置にして、前記タイヤ構成ドラム(1)が層の折返しを実現するためのデバイスを有しており、層の折返しを実現するための前記デバイスが複数の折返し指部(8)を有しており、当該折返し指部(8)が少なくとも2つのスライドリング(10)を介して前記タイヤ構成ドラム(1)の外側に配設されている駆動部と連結可能である装置であって、
    前記折返し指部(8)が、前記タイヤ構成ドラム(1)の回転時にも、静止時にも、前記駆動部と連結可能であり、また、この駆動部を用いて制御可能である装置において、
    前記折返し指部(8)の前記タイヤ構成ドラム(1)の外部で支持されている前記駆動部が、個別に駆動される複数のスピンドルとして実現されており、それらスピンドルが固定状態にあるタイヤ構成リング(16)内で支持されておりまた対向方向に同期して動くこと、
    を特徴とする装置。
  2. 請求項1に記載の装置において、
    前記タイヤ構成ドラム(1)の外部にて支持される前記駆動部との前記折返し指部(8)の連結が、前記スライドリング(10)の回転可能なベアリング(12)によって実現されていること、
    を特徴とする装置。
  3. 請求項2に記載の装置において、
    前記スライドリング(10)の前記回転可能なベアリング(12)がそれぞれ玉軸受として実現されており、当該玉軸受により半径方向及び軸方向の力が受容可能であること、
    を特徴とする装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の装置において、
    前記タイヤ構成ドラム(1)がドラムシャフト(2)、アウトボードドラム半体(3)、インボードドラム半体(5)、及び、中心部品(4)を有しており、少なくともドラム半体(3、)が前記ドラムシャフト(2)にて軸方向に移動可能であること、
    を特徴とする装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の装置において、
    前記折返し指部(8)の前記駆動部にして前記タイヤ構成ドラム(1)の外部に配設されている前記駆動部が、サーボ駆動部として形成されていること、
    を特徴とする装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の装置において、
    前記スライドリング(10)がそれぞれ1つのリングノッチ(10a)を有しており、当該リングノッチ(10a)が前記タイヤ構成ドラム(1)の外部に配設された前記駆動部に前記折返し指部(8)を連結させるために用いられること、
    を特徴とする装置。
  7. 請求項1に記載のタイヤを製造するための装置において、
    異なる複数のタイヤ構成ドラム(1)を用いることでフラット構造の生タイヤもクラウン構造の生タイヤも製造され得るように、カーカスマシン(22)が設計されていること、
    を特徴とする装置。
  8. 請求項7に記載のタイヤを製造するための装置において、
    フラット構造又はクラウン構造の生タイヤの柔軟な製造が、前記カーカスマシン(22)内の第2の駆動ユニットによって可能とされること、
    を特徴とする装置。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載のタイヤを製造するための装置において、
    固定状態にあるタイヤ構成リング(16)内の駆動ユニットが、半径方向に移動可能なドライバ(11)によって、前記タイヤ構成ドラム(1)の前記スライドリング(10)に連結可能であること、
    を特徴とする装置。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載のタイヤを製造するための装置において、
    前記折返し指部(8)が確動ガイド(9)によってその運動に関して案内可能であること、
    を特徴とする装置。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載のタイヤを製造するための装置において、
    前記折返し指部(8)によって少なくとも一時的に少なくとも1つの外側肩部が実現されているように前記折返し指部(8)が駆動制御可能であり、当該外側肩部によってコア(19)がコアクランプ装置(6)に加えて、前記タイヤ構成ドラム(1)の回転中も外側で固定可能であること、
    を特徴とする装置。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載のタイヤを製造するための装置において、
    別のタイヤ構成プロセスにおいて到達されるコアとコアの間の最小の大きさと同じかそれよりも大きいコアセット間隔が達成されるように、折返しプロセス中のコアセット間隔が設定可能であることによって、より効率的に利用可能な材料押圧力が達成されること、
    を特徴とする装置。
  13. タイヤを製造するための方法において、
    請求項1から12のいずれか一項に記載のタイヤを製造するための装置を提供すること、
    タイヤ材料の折返しプロセスが、折返し指部(8)の駆動部にしてタイヤ構成ドラム(1)の外部で支持されている駆動部によって、駆動されること、及び、生タイヤの材料の層の折返しが前記タイヤ構成ドラム(1)の回転中に実行されること
    特徴とする方法。
  14. 請求項13に記載の方法において、
    前記タイヤ構成ドラム(1)の両方のドラム半体(3、5)で折返しメカニズムを同期して作動制御することにより、生タイヤの層の格別に均一な折返しが実施されること、
    を特徴とする方法。
  15. 請求項13又は14に記載の方法において、
    生タイヤ製造の別の経過において到達される最小のコア間隔と同じか又はそれよりも大きいコアとコアの間に大きさでコアをセットすることにより、材料接触圧力の効果的な利用を可能とする有利な力と角度の比率が生じること、
    を特徴とする方法。
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