JP2010036478A - ゴム部材のターンアップ装置 - Google Patents

ゴム部材のターンアップ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ビード部材を包むように折り返したゴム部材の端部を、対向するビード部材やゴム部材に確実に密着できるゴム部材のターンアップ装置を提供する。
【解決手段】成形ドラム11の周方向に所定ピッチで設けた複数の押上げレバー5が内挿する剛性材からなる筒状規制体7を、制御装置10を備えた電動アクチュエータ8aに接続して、ドラム軸方向の任意の位置で、ドラム軸方向に任意の速度で移動させて、ターンアップの際に押上げレバー5の背面に当接させて、押上げレバー5の先端部のドラム半径方向外側への移動量を規制することにより、押圧ローラ5aによる折り返したゴム部材12の端部の押圧力を調整して、対向するビード部材13およびゴム部材12に密着させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ゴム部材のターンアップ装置に関し、さらに詳しくは、ビード部材を包むように折り返したゴム部材の端部を、対向するビード部材やゴム部材に確実に密着させることができるゴム部材のターンアップ装置に関するものである。
空気入りタイヤを成形する際には、成形ドラムに巻付けたカーカス層などのゴム部材の端部の所定位置にビード部材を外嵌するようにセットし、このビード部材を包むようにビード部材のセット位置よりもドラム軸方向外側の範囲のゴム部材の端部を、インフレートさせたドラム軸方向内側の範囲のゴム部材に圧着させる、いわゆるターンアップ工程を行なっている。
このターンアップの方法として、ビード部材のセット位置よりもドラム軸方向外側の範囲のゴム部材の端部を、膨張するブラダによって折り返して押圧する方式(ブラダ方式)と、剛体の押上げレバーによって折り返して押圧する方式(メカニカル方式)が知られている。ブラダ方式は、押圧の際に変形し易いブラダを用いるので、剛性の高いゴム部材の場合は、ビード部材を包むようにゴム部材の端部を折り返してビード部材とゴム部材とを十分に密着させることができない。このように、両者が十分に密着せずにすき間があると、製造したタイヤの品質に悪影響が生じる。
一方、メカニカル方式では、折り返したゴム部材の端部を押圧する際に、変形しない剛体の押上げレバーを用いるので、高剛性のゴム部材をターンアップさせるには、ブラダ方式に比べて有利である(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この押上げレバーの押圧力は、ドラム周方向に配置された複数の押上げレバーに外嵌するように取付けられたゴムバンド等の弾性復元力によるものであるため、押圧力を増大させるには限界があった。そのため、相対的に剛性が高いビード部材の根元部周辺で、折り返したゴム部材の端部を強力に押圧することができない等、対向するビード部材やゴム部材の剛性や形状等に適するように、折り返したゴム部材の端部を確実に密着させることが難しいという問題があった。
特開2003−80612号公報
本発明の目的は、ビード部材を包むように折り返したゴム部材の端部を、対向するビード部材やゴム部材に確実に密着させることができるゴム部材のターンアップ装置を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明のゴム部材のターンアップ装置は、成形ドラムのドラム軸方向所定位置にドラム周方向に沿って設けられたビードセット部と、成形ドラムの周方向に所定ピッチで設けた複数の押上げレバーとを備え、ビードセット部よりもドラム軸方向外側に配置されたこれら押上げレバーの後端部をドラム軸方向に移動可能に成形ドラムに取付けるとともに、この後端部を回動中心として押上げレバーの先端部をドラム半径方向に移動可能にしたゴム部材のターンアップ装置において、前記複数の押上げレバーが内挿する剛性材からなる筒状規制体を設け、この筒状規制体を、制御装置を備えた電動アクチュエータに接続して、ドラム軸方向の任意の位置で、ドラム軸方向に任意の速度で移動できる構成にしたことを特徴とするものである。
ここで、前記複数の押上げレバーを、制御装置を備えた電動アクチュエータに接続して、これら押上げレバーをドラム軸方向の任意の位置で、ドラム軸方向に任意の速度で移動できる構成にすることもできる。前記筒状規制体として、内径の異なる複数サイズの筒状規制体を付け替え可能に備えることもできる。
本発明によれば、成形ドラムの周方向に所定ピッチで設けた複数の押上げレバーが内挿する剛性材からなる筒状規制体を設け、この筒状規制体を、制御装置を備えた電動アクチュエータに接続して、ドラム軸方向の任意の位置で、ドラム軸方向に任意の速度で移動できるので、筒状規制体のドラム軸方向の位置を変えることによって、押上げレバーの先端部のドラム半径方向外側への移動量を規制して変化させることができ、これによって、折り返したゴム部材の端部の押圧力を精度よく調整することが可能になる。例えば、筒状規制体を押上げレバーの先端方向に移動させて、押上げレバーの先端部のドラム半径方向外側への移動量を小さくすることで、押圧力を大きくすることができる。このように、折り返したゴム部材を、対向するビード部材やゴム部材の剛性や形状等に適するように確実に密着させることが可能になる。
以下、本発明のゴム部材のターンアップ装置を、空気入りタイヤを成形する場合を例にして図に示した実施形態に基づいて説明する。
図1〜図3に例示する本発明のゴム部材のターンアップ装置1(以下、ターンアップ装置1という)は、成形ドラム11のドラム軸方向中心に対して左右一対の対称構造になっているので、図面には一対のうち、一方側(右側)のターンアップ装置1のみを示して説明する。
このターンアップ装置1は、ビードセット部2と複数の押上げレバー5とを備えた、いわゆるメカニカルターンアップ装置である。成形ドラム11のドラム軸方向所定位置にドラム周方向に沿って設置されているビードセット部2は、載置部3と、この載置部3のドラム軸方向内側位置に設けられた押さえ部4と、載置部3と押さえ部4とに跨ってこれらの表面を覆う伸縮性を有する被覆材9とで構成されている。即ち、被覆材9の一方端部は、載置部3の表面に形成された嵌合溝に嵌合した載置部カバーゴム3aによって載置部3に固定され、他方端部は、押さえ部4のドラム軸方向内側に配置されたガイド部4aと、ガイド部4aにボルト固定されているクランプにより挟まれて固定されている。
載置部3とガイド部4aとに挟まれて配置されている押さえ部4は、ドラム軸方向に直交するようにドラム半径方向に移動する。尚、押さえ部4は、載置部3およびガイド部4aとは独立に単独でドラム半径方向に移動する。
それぞれの押上げレバー5は、種々の金属や硬質樹脂製等の剛性材で形成されている。押上げレバー5の先端部には押圧ローラ5aが設けられ、後端部は支軸5bにより軸支されてドラム軸方向に移動するスライド機構6に連結されている。図3に例示するように2種類の長さの異なる押上げレバー5が、ドラム周方向に1つ置きに配置されている。押上げレバー5は、例えば、ドラム周方向に中心角度2°〜5°程度の等ピッチで設けられる。
このスライド機構6は制御装置10を備えた電動アクチュエータ6aを有している。これにより、それぞれの押上げレバー5は、接続された電動アクチュエータ6aと制御装置10によって、ドラム軸方向の任意の位置で、ドラム軸方向に任意の速度で移動できるようになっている。
また、ドラム周方向に所定ピッチで設置されたそれぞれの押上げレバー5が内挿するように筒状規制体7が設けられている。筒状規制体7は、鋼(ステンレス鋼等)、アルミ合金などの種々の金属や硬質樹脂などの容易に変形しない剛性材で形成されている。筒状規制体7は両端を開口し、内周面が円形の円筒状になっていて、その内径は、ターンアップをする前の状態、即ち、先端部が拡径する前のそれぞれの押上げレバー5の外周面に対して、ある程度のすき間を有するように設定されている。
この筒状規制体7は、押上げレバー5の先端部(押圧ローラ5a)が支軸5bを中心に回動してドラム半径方向外側へ移動する際に所定の移動量になると、押上げレバー5の背面に当接して、押上げレバー5の先端部のドラム半径方向外側への移動を規制する。この実施形態では、押上げレバー5に当接する筒状規制体7の当接部7aが曲面(断面半円状)になっている。
この筒状規制体7は、ドラム軸方向に移動するスライド機構8に連結されている。そして、スライド機構8は、制御装置10を備えた電動アクチュエータ8aを有している。これにより、筒状規制体7は、接続された電動アクチュエータ8aと制御装置10によって、それぞれの押上げレバー5が内挿した状態のまま、ドラム軸方向の任意の位置で、ドラム軸方向に任意の速度で移動できるようになっている。この実施形態では、押上げレバー5と筒状規制体7を同一の制御装置10によって制御する構成になっているが、それぞれを別の制御装置10によって制御することもできる。
筒状規制体7の内径は、折り返したゴム部材12の端部に対して必要とされる押圧力やタイヤサイズ等によって適宜設定される。内径の異なる複数サイズの筒状規制体7を用意しておき、これらを電動アクチュエータ8aに付け替え可能しておくとよい。これにより、様々なサイズのタイヤを製造する際に、そのタイヤに最適なサイズの筒状規制体7を迅速に電動アクチュエータ8aに取付けて、ターンアップを行なうことができる。また、筒状規制体7は、例えば、内径がドラム軸方向内側ほど拡径した円筒体にすることもできる。
以下、このターンアップ装置1を用いたゴム部材のターンアップ方法の手順を説明する。
まず、図1に例示するように、ゴム部材12が成形ドラム11の外周面に巻き付けられる。タイヤ製造においては、このゴム部材12は、インナーライナ、カーカス材、サイドゴム等となる。次いで、成形ドラム11に巻付けたゴム部材12の端部の所定位置となるビードセット部2の外周位置に、リング状のビード部材13を外嵌するようにセットする。より詳しくは、ビード部材13のビード部13aを被覆材8と一体化した載置部カバーゴム3aで覆われた載置部3に載置して、ビード部材13をセットする。例えば、載置部3はドラム半径方向に移動できる構造にしておき、載置部3をドラム半径方向外側に移動させてビード部材13を載置する。タイヤ製造においては、このビード部材13は、ビード部13aと、ビード部13aの外周に取付けられたビードフィラー等となる。
図2に例示するように、載置部3にビード部13aを載置した際には、押さえ部4を載置部3よりもドラム半径方向外側に突出させる。そして、一対のビードセット部2を、互いが近接するようにドラム軸方向に移動させ、ゴム部材12のドラム軸方向中央部をインフレートさせる。また、スライド機構6をドラム軸方向内側に移動させる。これに伴って、押上げレバー5の後端部はドラム軸方向内側に移動して、押上げレバー5の先端部は、支軸5bを中心にして回動してインフレートしているゴム部材12、ビード部材13の表面に沿ってドラム半径方向外側に移動し、押上げレバー5は図3に例示するように放射状に広がる。
この押上レバー5の移動とともに、筒状規制体7をスライド機構8によりドラム軸方向内側に移動させて、放射状に広がった押上げレバー5の背面に、当接部7aを当接させて押上げレバー5の拡径移動を規制する。これにより、ドラム半径方向外側に移動する押圧ローラ5aは、ビード部材13を包むように、ビード部材13のセット位置よりもドラム軸方向外側の範囲のゴム部材12の端部を折り返す。折り返しの基点部となるビード部13a周辺のゴム部材12の剛性が高くても、剛体の押上げレバー5が剛性材からなる筒状規制体7によって、拡径移動が規制されているので、確実にゴム部材11の端部を折り返すことができる。この際に、当接部7aが曲面になっているので、押上げレバー5に生じる圧縮応力を緩和することができる。また、突出させた押さえ部4によってビード部13aのドラム軸方向のずれが防止されるので、一段と大きな押圧力を発生させることができる。
引き続き、押上げレバー5をドラム軸方向内側に移動させることにより、折り返したゴム部材12を押圧ローラ5aによって押圧する。この押圧の際にも、電動アクチュエータ8aおよび制御装置10により、筒状規制体7の動作を制御して、筒状規制体7の当接部7aが押上げレバー5の背面に当接する位置を適切に調節して、折り返したゴム部材12を対向するビード部材13やゴム部材12の剛性や形状等に適するように確実に密着させることが可能になる。
例えば、大きな押圧力が必要な部分では、筒状規制体7を押上げレバー5の先端に向って(押圧ローラ5aに向って)移動させて、押上げレバー5の先端から当接部7aが当接する位置までの距離を短くするように制御することで、拡径しようとする押上げレバー5の先端部のドラム半径方向外側への移動量が小さくなって、押圧力を大きくすることができる。したがって、相対的に剛性が高いビード部13aの周辺のゴム部材12に対しても、押上げレバー5(押圧ローラ5a)によって押圧して、すき間を生じることなくビード部13aに密着させることができる。一方、大きな押圧力が不要な部分では、押上げレバー5の先端から当接部7aが当接する位置までの距離を長くするように制御する。
このような筒状規制体7の移動制御とともに、押上げレバー5をドラム軸方向の任意の位置で、ドラム軸方向に任意の速度で移動制御することにより、押圧力をより詳細に精度よくコントロールすることが可能になる。
押上げレバー5のスライド機構6と筒状規制体7のスライド機構8とは、図3に例示したように成形ドラム11を挟んで対向するように配置するだけでなく、図4に例示するように、上下に重なるように配置することもできる。この配置によれば、必要なスペースが小さくなり、ターンアップ装置1をコンパクトにすることができる。
本発明は、押圧ローラ5aを省略した構成にして、押上げレバー5で直接、ゴム部材12をターンアップさせることもできる。また、本発明はタイヤの成形だけでなく、タイヤ以外のゴム製品の製造工程において、ビード部材13を包むようにゴム部材12の端部をターンアップする場合に適用することができる。
本発明のターンアップ装置の要部を例示するドラム軸方向断面図である。 図1のゴム部材を折り返しているターンアップ装置を例示するドラム軸方向断面図である。 図2のA矢視図である(ドラム上半分部分を示す)。 図2の筒状規制体の変形例を示すA矢視図である(ドラム上半分部分を示す)。
符号の説明
1 ターンアップ装置
2 ビードセット部
3 載置部
3a カバーゴム部
4 押さえ部
4a ガイド部
5 押上げレバー
5a 押圧ローラ
5b 支軸
6 スライド機構
6a 電動アクチュエータ
7 筒状規制体
7a 当接部
8 スライド機構
8a 電動アクチュエータ
9 被覆材
10 制御装置
11 成形ドラム
12 ゴム部材
13 ビード部材
13a ビード部

Claims (3)

  1. 成形ドラムのドラム軸方向所定位置にドラム周方向に沿って設けられたビードセット部と、成形ドラムの周方向に所定ピッチで設けた複数の押上げレバーとを備え、ビードセット部よりもドラム軸方向外側に配置されたこれら押上げレバーの後端部をドラム軸方向に移動可能に成形ドラムに取付けるとともに、この後端部を回動中心として押上げレバーの先端部をドラム半径方向に移動可能にしたゴム部材のターンアップ装置において、前記複数の押上げレバーが内挿する剛性材からなる筒状規制体を設け、この筒状規制体を、制御装置を備えた電動アクチュエータに接続して、ドラム軸方向の任意の位置で、ドラム軸方向に任意の速度で移動できる構成にしたゴム部材のターンアップ装置。
  2. 前記複数の押上げレバーを、制御装置を備えた電動アクチュエータに接続して、これら押上げレバーをドラム軸方向の任意の位置で、ドラム軸方向に任意の速度で移動できる構成にした請求項1に記載のゴム部材のターンアップ装置。
  3. 前記筒状規制体として、内径の異なる複数サイズの筒状規制体を付け替え可能に備えた請求項1または2に記載のゴム部材のターンアップ装置。
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