JP7105594B2 - 建物 - Google Patents

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Description

本発明は、建物に関する。
一般的な建物は、室内と室外とを仕切る外周壁に断熱材を含む(例えば、特許文献1参照。)。
特開2015-161160号公報
建物の断熱性能は、建物の省エネルギー性能の向上に有効である。このため、建物の断熱性能を向上させることは、国や市場において大きく議論されるところである。
また近年、ヒートショック現象と呼ばれる現象も注目を浴びている。ヒートショック現象は主として、比較的暖かい空間(例えば、リビング)から寒い空間(例えば、トイレ・脱衣室・浴室)に移動する際、その温度差によって引き起こされる。このため、建物の断熱性能を向上させることは、ヒートショック対策としても有効である。
しかしながら、従来の建物は、上記特許文献1に記載のように、外周壁に接する空間の用途と関係なく、統一的に断熱材を配置しているにすぎない。このため、従来の建物において断熱性能を向上させようとした場合、全ての外周壁に含まれる断熱材の性能を変更しなければならない。即ち、従来の建物は、当該建物の空間の用途に応じて断熱されたものではなかった。
一方、従来の建物において、建物の空間の用途に応じて、当該空間をヒーター等の暖房装置を用いることによって個別に暖房することも考えられる。しかしながら、暖房装置で個別に空間を暖めるのみでは、人体に安全な室温になるまで時間を要する。また暖房装置による暖めのみでは、一度暖めた温度も、暖房を中止すると、安全な室温を維持することが困難である。
本発明の目的は、断熱を優先すべき空間が合理的に断熱された建物を提供することである。
本発明に係る建物は、外周壁に接した複数の空間を同一階に備えており、前記複数の空間のうちの、少なくとも1つの空間は、断熱性能が優先される断熱優先空間であり、前記複数の空間のうちの、残りの空間は、前記断熱優先空間以外の通常空間であり、前記断熱優先空間に接する前記外周壁の少なくとも一部の熱貫流率は、前記通常空間に接する前記外周壁の熱貫流率の最小値よりも低い。
本発明に係る建物において、前記外周壁の熱貫流率は、当該外周壁に含まれる断熱材の厚さによって設定されているものとすることが好ましい。
本発明に係る建物において、前記断熱材は、複数の単位断熱材からなり、前記断熱材の厚さは、前記単位断熱材の枚数によって設定されているものとすることが好ましい。ここで、「単位断熱材」とは、同一品種の断熱材、即ち、同一素材かつ同一熱伝導率を有する断熱材をいい、当該「単位断熱材」という用語には、通常の意味で用いられる「断熱材」という用語が含まれる。また前記単位断熱材には、同一の厚さのものは勿論、異なる厚さのものも含まれる。なお、同一品種の断熱材であっても、表面に仕上げ面を有する場合がある。この場合、断熱性能を担保している材料の種類が同一であるときには、同一の断熱材として扱う。
本発明に係る建物において、前記断熱優先空間に接する前記外周壁は、構造柱を内包するように配置されていることが好ましい。
本発明に係る建物において、前記複数の空間のうちの、複数の空間は、前記断熱優先空間であり、残りの空間は、複数の通常空間であり、前記断熱優先空間と前記通常空間との間の間仕切壁の熱貫流率は、前記断熱優先空間の相互間の間仕切壁の熱貫流率以下であり、かつ、前記通常空間の相互間の間仕切壁の熱貫流率以下であることが好ましい。
本発明に係る建物において、前記断熱材は、耐水性を有するものであることが好ましい。
本発明に係る建物において、前記複数の空間のうちの、複数の空間は、前記断熱優先空間であり、前記断熱優先空間は、前記外周壁に沿って互いに隣接して配置されていることが好ましい。
本発明に係る建物において、前記外周壁は、当該外周壁の全範囲が、前記断熱優先空間に接していることが好ましい。
本発明に係る建物において、前記断熱優先空間は、当該断熱優先空間と隣接する空間との間に温度差を生じ得る空間であることが好ましい。
本発明に係る建物において、前記複数の空間のうちの、複数の空間は、前記断熱優先空間であり、前記断熱優先空間の相互間の間仕切壁に、通気口が設けられているものとすることができる。
本発明に係る建物では、上記通気口を設けた場合、前記断熱優先空間のいずれか一方に、空調装置が設けられていることが好ましい。
本発明に係る建物では、前記複数の空間のうちの、複数の空間は、前記断熱優先空間であり、前記断熱優先空間の相互間の間仕切壁に、当該断熱優先空間のそれぞれを同時に空調する空調装置が設けられているものとすることができる。
本発明に係る建物において、前記空調装置は天井埋め込みタイプの空調装置であるものとすることができる。
本発明に係る建物において、前記空調装置は、ヒートポンプタイプの空調装置であるものとすることができる。
本発明に係る建物において、前記空調装置は、給湯熱・廃熱利用タイプの空調装置であるものとすることができる。
本発明に係る建物において、前記空調装置は、太陽エネルギー利用タイプの空調装置であるものとすることができる。
本発明に係る建物において、前記断熱優先空間は、玄関と連通した非採暖空間に接しており、当該非採暖空間に対して出入口建具を介して連通しているものとすることができる。前記非採暖空間としては、例えば、保温されてない通常空間が挙げられる。
本発明に係る建物において、前記断熱優先空間は、採暖空間に対して遮断されているものとすることができる。前記採暖空間としては、例えば、前記断熱優先空間又は保温された通常空間が挙げられる。
本発明に係る建物において、前記断熱優先空間及び前記通常空間は、接地階にあり、前記断熱優先空間の床側の熱貫流率は、前記通常空間の床側の熱貫流率よりも低いことが好ましい。
本発明に係る建物において、前記断熱優先空間の床は、床スラブ及び断熱材を含み、前記断熱材は、前記床スラブ上に配置されているとともに、前記外周壁の断熱材及び前記断熱優先空間を仕切る間仕切壁の断熱材の少なくともいずれか一方に連続していることが好ましい。
本発明に係る建物において、前記断熱優先空間及び前記通常空間の直上には、屋根が形成されており、前記断熱優先空間の屋根側の壁の熱貫流率は、前記通常空間の屋根側の壁の熱貫流率よりも低いことが好ましい。
本発明に係る建物において、前記断熱優先空間の屋根側の壁は、屋根スラブ及び断熱材を含み、前記断熱材は、前記屋根スラブ下に配置されているとともに、前記外周壁の断熱材及び間仕切壁の断熱材の少なくともいずれか一方に連続していることが好ましい。
本発明によれば、断熱を優先すべき空間が合理的に断熱された建物を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る建物の平面図である。 図1において、断熱優先空間に接する外周壁の断面を概略的に示す図である。 図1において、通常空間に接する外周壁の断面を概略的に示す図である。 本発明の第2実施形態に係る建物の拡大平面図である。 本発明に係る建物に適用可能な空調装置の一配置例を示す拡大断面図である。 本発明に係る建物に適用可能な空調装置の他の配置例を示す拡大断面図である。 本発明に係る建物に適用可能な空調装置の更に他の配置例を示す拡大断面図である。 本発明の第3実施形態に係る建物の1階部分の平面図である。 図6の建物の1階部分の拡大断面図である。 図6の建物の2階部分の拡大断面図である。 本発明の第4実施形態に係る建物の1階部分の平面図である。 図9の建物の1階部分の拡大断面図である。 図9の建物の2階部分の拡大断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の様々な実施形態に係る建物について説明をする。なお、以下の説明において、実質的に同一の部分は、同一の符号を使用する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る建物1Aの1階部分を示す。図1に示すように、建物1Aは、外周壁2に接した複数の空間を同一階に備えている。
建物1Aにおいて、複数の空間のうちの、少なくとも1つの空間は、断熱性能が優先される断熱優先空間である。図1において、斜線で示す部分には、複数の特別室(断熱優先空間)が配置されている。本実施形態では、特別室は、トイレ、洗面所(脱衣室)、浴室である。
また建物1Aにおいて、複数の空間のうちの、残りの空間は、断熱優先空間以外の通常空間である。図1において、斜線で示す部分以外の部分には、玄関(通常空間)、階段(通常空間)、収納室(通常空間)、廊下(通常空間)、一般室(通常空間)が配置されている。本実施形態では、一般室は、リビング、台所である。
建物1Aにおいて、前記断熱優先空間に接する外周壁2Aの少なくとも一部の熱貫流率U1は、前記通常空間に接する外周壁2の熱貫流率U2の最小値よりも低い。ここで、熱貫流率Uとは、U値とも呼ばれ、U値(W/m2・K)=1/熱抵抗値で表される。また熱抵抗値は、熱抵抗値(m2・K/W)=厚さ(m) /熱伝導率(W/m・K)で表される。
図1では、断熱優先空間(トイレ、洗面所、浴室)に接する外周壁2Aの範囲は、ドットで示されている。図1のドットの範囲で示されているように、3つの特別室(トイレ、洗面所、浴室)に接する外周壁2の熱貫流率U1は、通常空間(玄関、階段、廊下、収納室、リビング、台所)に接する外周壁2の熱貫流率U2の最小値よりも低い。言い換えれば、3つの特別室に接する外周壁2の熱貫流率U1は、通常空間に接する外周壁2の熱貫流率U2の最小値よりも小さい。従って、本実施形態に係る建物1Aによれば、断熱を優先すべき空間が合理的に断熱された建物を得ることができる。
熱貫流率Uは、例えば、外周壁2Aの厚さ、断熱材の厚さ、外周壁2Aを構成する部材の材質、断熱材の材質によって設定することができる。
本実施形態に係る建物1Aでは、外周壁2の熱貫流率Uは、当該外周壁2に含まれる断熱材の厚さによって設定されている。具体的には、トイレ、洗面所、浴室に接する外周壁2A(図1のドットの範囲で示した外周壁2A)の断熱材の厚さは、玄関、階段、廊下、収納室、リビング、台所に接する外周壁2(図1のドットの範囲で示した外周壁2A以外の外周壁2)に含まれる断熱材の厚さよりも厚くしている。この場合、断熱材の厚さを変更するだけの簡易な方法により、断熱を優先すべき空間が合理的に断熱された建物を得ることができる。具体例としては、例えば、前記断熱材として異なる厚さの複数の断熱材を用意する場合と、複数の単位断熱材を用意する場合とが挙げられる。但し、外周壁2の厚さを厚くする方法は、これらの方法に限定されるものではない。
前記断熱材として異なる厚さの複数の断熱材を用意する場合、断熱優先空間に接する外周壁2Aに対しては、通常空間に接する外周壁2よりも厚さの厚い断熱材を使用する。より具体的には、複数の断熱材のうち、厚さの厚い1枚の断熱材を、断熱優先空間に接する外周壁2Aに対して使用し、それ以外の、通常空間に接する外周壁2に対しては厚さの薄い1枚の断熱材を使用する。
これに対し、本実施形態に係る建物1Aでは、断熱材は、複数の単位断熱材からなり、断熱材の厚さは、単位断熱材の枚数によって設定されている。ここで、「単位断熱材」とは、同一品種の断熱材、即ち、同一素材かつ同一熱伝導率を有する断熱材をいい、当該「単位断熱材」という用語には、通常の意味で用いられる「断熱材」という用語が含まれる。また前記単位断熱材には、同一の厚さのものは勿論、異なる厚さのものも含まれる。この場合、単位断熱材の枚数を変更することによって所望の断熱性能を得ることができる。また使用する断熱材の品種を統一することができ、ひいては、異なる断熱材を使用することによって生じ得る誤施工を防止することができ、また、コストを削減することもできる。具体例としては、前記断熱材として複数の単位断熱材を用意し、断熱優先空間に接する外周壁2Aに対しては、通常空間に接する外周壁2よりも単位断熱材の枚数を多く使用する。より具体的には、通常空間に接する外周壁2に対しては、1枚の単位断熱材を使用し、それ以外の、断熱優先空間に接する外周壁2Aに対しては、2枚以上の単位断熱材を使用する。更なる具体例としては、外周壁2全体に同一の厚さの単位断熱材を貼ることによって、通常空間に接する外周壁2を形成し、更に特別室には必要な厚さの単位断熱材を貼り重ねることによって、断熱優先空間に接する外周壁2Aを形成する例が挙げられる。なお、通常空間に接する外周壁2に対して複数の単位断熱材を使用した場合、断熱優先空間に接する外周壁2Aに対しては、通常空間に接する外周壁2に対して使用した枚数以上の複数の単位断熱材を使用する。また、単位断熱材としては、同一の厚さの単位断熱材を用いることができることは勿論、異なる厚さの単位断熱材を用いることもできる。
図2には、3つの特別室に接する外周壁2Aの断面を模式的に示す。本実施形態に係る建物1Aでは、外周壁2Aは、室外から室内へと順に、ALC(Autoclaved Lightweight aerated Concret)3、断熱材4、ALC3で構成されている。本実施形態では、断熱材4は、2つの単位断熱材4Aで構成されている。これに対し、図3には、通常空間に接する外周壁2の断面を模式的に示す。本実施形態に係る建物1Aでは、外周壁2A以外の外周壁2は、室外から室内へと順に、ALC3、断熱材4、ALC3で構成されている。本実施形態では、断熱材4は、1つの単位断熱材4Aのみで構成されている。これにより、単位断熱材4の枚数を変更することによって、断熱優先空間に対して所望の断熱性能を得ることができる。
また従来の建物において断熱材の厚さを増加させて断熱性能を向上させようとした場合、全ての外周壁に含まれる断熱材の厚さを増加させなければならない。このため、従来の建物において断熱性能を向上させようとすると、コスト面で改善の余地がある。これに対し、本実施形態に係る建物1Aによれば、3つの特別室に接する外周壁2Aの厚さを変更するだけでよいため、コスト面で有利である。
また従来の建物のように、断熱材の厚さを全ての外周壁2で増加させた場合、当該外周壁2に接する空間の用途と関係なく、全ての外周壁2の厚さが増加してしまう。このため、従来の建物において断熱性能を向上させようとすると、有効利用可能な空間が減少してしまう。これに対し、本実施形態に係る建物1Aによれば、3つの特別室に接する外周壁2Aの厚さを変更するだけでよいため、空間を有効利用することができる。
また図1に示すように、本実施形態に係る建物1Aにおいて、3つの特別室に接する外周壁2Aは、構造柱6を内包するように配置されている。これにより、本実施形態では、構造柱6は、外周壁2Aの内部に存在する。この場合、構造柱6を内包させた分だけ、通常空間に接する外周壁2よりも断熱材の充填空間を広く確保することができ、ひいては、断熱性能をより向上させることができる。また構造柱6が外周壁2A内に内包されれば、建物の室内(特別室)には、いわゆる、柱型がない形態となる。これにより、建物の美観の向上が図れると共に、洗面化粧台等の、箱型の衛生設備機器・家具等を効率的に収納することができる。
また図1に示すように、本実施形態に係る建物1Aでは、前記断熱優先空間と前記通常空間との間の間仕切壁7の熱貫流率U7は、前記断熱優先空間の相互間の間仕切壁8の熱貫流率U8以下であり、かつ、前記通常空間の相互間の間仕切壁9の熱貫流率U9以下である。この場合、断熱優先空間から通常空間への熱の流出を抑制することができる。本実施形態では、前記断熱優先空間と前記通常空間との間の間仕切壁7は、トイレと収納室との間の間仕切壁、トイレ及び洗面所と廊下との間の間仕切壁、浴室と台所との間の間仕切壁である。また断熱優先空間の相互間の間仕切壁8は、トイレと洗面所との間の間仕切壁、洗面所と浴室との間の間仕切壁である。更に通常空間の相互間の間仕切壁9は、玄関と階段との間の間仕切壁、階段と収納室との間の間仕切壁、廊下とリビングとの間の間仕切壁、台所とリビングとの間の間仕切壁である。本実施形態のように、前記断熱優先空間の相互間の間仕切壁8及び前記通常空間の相互間の間仕切壁9が複数ある場合、熱貫流率U8及びU9は、それぞれ、例えば、熱貫流率U8及びU9それぞれの平均値を使用することができる。
また本実施形態に係る建物1Aにおいて、断熱材(単位断熱材)4は、耐水性を有するものであることが好ましい。この場合、断熱性能を長期にわたって維持することができる。こうした断熱材としては、例えば、発泡樹脂系断熱材、具体例としては、ウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、フェノールフォームが挙げられる。特に本実施形態では、フェノールフォームが好ましい。
また本発明に係る建物において、同一階で区画された複数の空間のうちの、複数の空間は、前記断熱優先空間であり、前記断熱優先空間は、外周壁2に沿って互いに隣接して配置されていることが好ましい。図1に示すように、本実施形態に係る建物1Aは、同一階に3つの特別室(トイレ、洗面所、浴室)を有し、これらの特別室は、外周壁2Aに沿って互いに隣接して配置されている。本実施形態に係る建物1Aでは、これらの特別室は、一直線に連続する外周壁2Aに沿って互いに隣接して配置されている。またこの場合、3つの特別室に接する外周壁2Aは、共通の1つの外周壁2で構成できることから、断熱優先空間に対する施工性が向上する。
また図4は、本発明の第2実施形態に係る建物1Bの1階部分を示す。図4に示すように、本実施形態に係る建物1Bは、同一階に4つの特別室(洗面所、浴室、介護室)を有し、これらの特別室は、外周壁2Aに沿って互いに隣接して配置されている。本実施形態に係る建物1Bでは、洗面所、浴室の特別室は、一直線に連続する外周壁2Aに沿って互いに隣接して配置されている。この場合、2つの特別室に接する外周壁2Aは、共通の1つの外周壁2で構成できる。また浴室、トイレ、介護室の特別室も、一直線に連続する外周壁2Aに沿って互いに隣接して配置されている。この場合、3つの特別室に接する外周壁2Aは、共通の外周壁2Aで構成できる。従って、これらの場合も、断熱優先空間に対する施工性が向上する。
特に本発明に係る建物において、外周壁2は、当該外周壁2の全範囲が、前記断熱優先空間に接していることが好ましい。図4に示すように、建物1Bにおいて、外周壁2Aは、平面視で、図面右側に一直線に連続する部分を有しており、当該部分の全範囲が、建物1Bの1つの外周壁を構成している。本実施形態では、建物1Bの図面右側の外周壁2の全範囲が、3つの特別室(浴室、トイレ、介護室)に接している。この場合、3つの特別室に接する外周壁2Aは、1つの共通の外周壁2Aで構成できる。この場合、断熱優先空間に対する施工性がより向上する。
また本発明に係る建物において、前記断熱優先空間は、当該断熱優先空間と隣接する空間との間に温度差を生じ得る空間であることが好ましい。図1に示すように、本実施形態に係る建物1Aでは、前記断熱優先空間は、トイレ、脱衣室、浴室である。また図4に示すように、本発明によれば、断熱優先空間は、隣接する空間との間に温度差を生じ得る空間であることが好ましい。具体例としては、廊下に面した、トイレ、脱衣室、浴室、寝室等の、ヒートショックを引起し得る空間(ヒートショック空間)が挙げられる。本実施形態に係る建物1Bでは、前記断熱優先空間は、トイレ、脱衣室、浴室、介護室である。図1の建物1A及び図4の建物1Bのそれぞれの場合、ヒートショック対策に有効である。
また本発明に係る建物において、前記断熱優先空間の相互間の間仕切壁に、通気口が設けられているものとすることができる。この場合、コストの抑制を図りつつ、効果的に、複数の断熱優先空間を保温することができる。特に大容量の空調装置が不要な断熱優先空間同士を保温する場合に有効である。
図5Aは、本発明に係る建物に適用可能な空調装置の一配置例を示す。この例では、前記空調装置は、脱衣室に配置されている。図5Aに示すように、図1の建物1Aには、トイレと洗面所との相互間の間仕切壁8に、通気口10が設けられている。通気口10は、トイレと洗面所との間の空気を流通させることができる。この場合、コストの抑制を図りつつ、効果的に、トイレと洗面所とを保温することができる。また、この場合、大容量の空調装置が不要なトイレ及び洗面所を同時に保温することができる。また本実施形態では、通気口10は、可動欄間11によって開閉することができる。
また図5Bは、本発明に係る建物に適用可能な空調装置の他の配置例を示す。図5Bに示すように、図4の建物1Bにも、洗面所とトイレとの相互間の間仕切壁8に、通気口10が設けられている。図5Bに示すように、本実施形態では、洗面所とトイレとは、ヒンジ扉12Aによって開閉可能に出入りすることができる。本実施形態では、通気口10は、ヒンジ扉12Aの上部に配置されている。また本実施形態でも、通気口10は、可動欄間11によって開閉することができる。
更に図5Cは、本発明に係る建物に適用可能な空調装置の更に他の配置例を示す。図1の建物1A及び図4の建物1Bには、洗面所と浴室との相互間の間仕切壁8にも、通気口10を設けることができる。この場合、通気口10は、洗面所と浴室との間の空気を流通させることができる。本実施形態では、洗面所と浴室とは、スライド扉12Bによって開閉可能に出入りすることができる。本実施形態では、通気口10は、スライド扉12Bの上部に配置されている。この場合、コストの抑制を図りつつ、効果的に、洗面所と浴室とを保温することができる。この場合、大容量の空調装置が不要な洗面所及び浴室を同時に保温することができる。また本実施形態でも、通気口10は、可動欄間11によって開閉することができる。また必要に応じて、トイレと介護室との相互間の間仕切壁8にも、スライド扉12Bの上部に、通気口10及び可動欄間11を設けることができる。
本実施形態に係る建物1A及び1Bのように、断熱優先空間の相互間の間仕切壁8に通気口10を設けた場合、前記断熱優先空間のいずれか一方に、空調装置が設けられていることが好ましい。この場合、効率的かつ同時に、複数の断熱優先空間を保温することができる。
図1の建物1A及び図4の建物1Bでは、洗面所に空調装置13が設けられている。この場合、効率的かつ同時に、トイレ、洗面所の2つの特別室、必要に応じて、浴室を加えた3つの特別室を保温することができる。
本発明に係る建物では、前記断熱優先空間の相互間の間仕切壁に、当該断熱優先空間のそれぞれを同時に空調する空調装置が設けられているものとすることができる。この場合も、共通の空調装置によって、コストの抑制を図りつつ、効果的かつ同時に、1つの間仕切壁で隔てられた複数の断熱優先空間を保温することができる。例えば、図1Aの建物1A及び図4の建物1Bでは、トイレと洗面所との間の間仕切壁8に、1つの空調装置を埋め込めば、トイレと洗面所とのそれぞれを空調することができる。とりわけ、空調装置が、輻射型の空調装置の場合、断熱優先空間相互間の視線の遮蔽と両空間の空調を同時に実現できるため望ましい。こうした輻射型の空調装置としては、例えば、放熱パネル「サーモマイルド」(登録商標)TM850-HCA(株式会社三菱樹脂販売製造、プロデューサー及びディレクター:旭化成ホームズ株式会社 住宅総合技術研究所)が挙げられる。特に図1Aの建物1A及び図4の建物1Bのように、大容量の空調装置が不要な断熱優先空間(トイレ、洗面所)同士を保温する場合に有効である。
次に本発明の断熱優先空間に熱を与える熱源について説明する。本発明において、断熱優先空間は、熱を損出しにくい。このため、熱源は特に限定されないが、その断熱性能を実感するために、熱を積極的に与えることが好ましい。とりわけエネルギー効率の高い空調装置、自然エネルギー、廃熱などを、熱源として活用することが省エネルギー性能を高める観点から好ましい。
本発明に係る建物において、空調装置は、天井埋め込みタイプの空調装置であるものとすることができる。本実施形態では、空調装置13は天井埋め込みタイプの空調装置である。この場合、トイレ、洗面所、浴室等の、断熱優先空間が比較的狭い空間であっても効率的に、当該断熱優先空間を保温することができる。
本発明に係る建物において、前記空調装置は、ヒートポンプタイプの空調装置であるものとすることができる。この場合、エアコン、ヒートポンプ床暖房、ヒートポンプ式の輻射パネルなどの既存の空調装置を使用して保温を行うことができる。例えば、図4の建物1Bにおいて、介護室にエアコンを配置すれば、トイレと介護室との間の前記通気口(10)を通して、トイレと介護室とを同時に保温することができる。
また本発明に係る建物において、前記空調装置は、給湯熱・廃熱利用タイプの空調装置であるものとすることができる。この場合、給湯器からの給湯熱・浴室の風呂湯などを使用して保温を行うことができる。具体例としては、給湯、風呂湯を熱源として用いた暖房装置が挙げられる。
更に本発明に係る建物において、前記空調装置は、太陽エネルギー利用タイプの空調装置であるものとすることができる。この場合、太陽熱(日射:直射日光)を開口部(例えば、窓)から取り入れることで断熱優先空間内を保温することができる。或いは、この場合、太陽熱を利用した温風・温水などを使用して保温を行うことができる。具体例としては、太陽熱を利用した温風・温水を熱源として用いた暖房装置が挙げられる。
また本発明に係る建物において、前記断熱優先空間は、玄関と連通した非採暖空間に接しており、当該非採暖空間に対して出入口建具を介して連通しているものとすることができる。非採暖空間としては、例えば、保温されてない通常空間が挙げられる。図1の建物1Aでは、トイレ、洗面所は、玄関と連通した廊下・収納室に接しており、当該廊下・収納室に対してヒンジ扉12A(出入口建具)・スライド扉12B(出入口建具)を介して連通している。本実施形態によれば、ヒートショック現象を引き起こしやすい間取りの、こうした場合でも、ヒートショック現象を起こし難くすることができる。また図4の建物1Bでは、洗面所は、玄関と連通した廊下に接しており、当該廊下に対してヒンジ扉12Aを介して連通している。この場合も、ヒートショック対策に有効である。
また本発明に係る建物において、前記断熱優先空間は、採暖空間に対して遮断されているものとすることができる。採暖空間としては、例えば、前記断熱優先空間又は保温された通常空間が挙げられる。図4の建物1Bでは、浴室は、廊下・リビングに対して遮断されている。本実施形態によれば、ヒートショック現象を引き起こしやすい間取りの、こうした場合でも、ヒートショック現象を起こし難くすることができる。
図6は、本発明の第3実施形態に係る建物1Cの1階部分の平面図である。図6において、建物1Cの内部構造は、特別室、一般室、外周壁2のみで簡略化して示してある。図6において、外周壁2は、ALC3、断熱材4(単位断熱材4A)のみを示している。図6に示すように、建物1Cにおいて、特別室に接する外周壁2Aには、2つの単位断熱材4Aが含まれている。これに対し、一般室に接する外周壁2には、1つの単位断熱材4Aが含まれている。このように、建物1Cにおいても、外周壁2に含まれる断熱材4の厚さを特別室と一般室との間で変更し、特別室に接する外周壁2A全体の厚さを一般室に接する外周壁2の厚さよりも厚くすれば、断熱材4の厚さを変更するだけの簡易な方法により、断熱を優先すべき空間が合理的に断熱された建物を得ることができる。
本実施形態に係る建物1Cは、陸屋根式の2階建て建物である。図7は、図6の建物1Cの1階部分の拡大断面図である。図7は、主として建物1Cの1階(接地階)を示している。図7において、1階の内部構造は、特別室、一般室、外周壁2、1階の床14、基礎16のみで簡略化して示してある。図7では、外周壁2は、ALC3、断熱材4(単位断熱材4A)のみを示している。また図7では、床14は、断熱材4(単位断熱材4A)及び床スラブ15のみを示している。
図8は、主として建物1Cの2階(最上階)を示している。図8は、図6の建物1Cの2階部分の拡大断面図である。図8において、2階の内部構造は、特別室、一般室、外周壁2、屋根壁(屋根側の壁)17、2階の床20のみで簡略化して示してある。図8では、外周壁2は、ALC3、断熱材4(単位断熱材4A)のみを示している。図8では、屋根壁17は、断熱材4(単位断熱材4A)及び屋根スラブ18のみを示している。また図8では、2階の床20は、床スラブ21及びフローリング材22のみを示している。
図6~図8に示すように、本実施形態に係る建物1Cは、断熱材4が外周壁2の内側に配置された内側断熱構造である。図6に示すように、1階の特別室及び一般室は、平面視で、2階の特別室及び一般室と整列する位置に配置されている。
本発明に係る建物において、前記断熱優先空間及び前記通常空間は、接地階にあり、前記断熱優先空間の床側の熱貫流率U3は、前記通常空間の床側の熱貫流率U4よりも低いことが好ましい。この場合、床側の断熱性能を向上させることにより、断熱優先空間全体の断熱性能を向上させることができる。本実施形態では、1階の床側の断熱性能は、建物1Cの床14に配置された断熱材によって獲得されている(床断熱収まり)。図7に示すように、建物1Cにおいて、1階の一般室の床14の断熱材4は、1枚の単位断熱材4Aからなる。これに対し、1階の特別室の床14の断熱材4は、複数の単位断熱材4Aからなる。本実施形態では、特別室の床14の断熱材4は2枚の単位断熱材4Aからなる。これにより、特別室の床14の断熱材4の厚さは、一般室の床14の断熱材4の厚さよりも厚くなる。この場合、1階の床14の断熱性能を向上させることにより、当該特別室全体の断熱性能を向上させることができる。
また本発明に係る建物において、前記断熱優先空間の床は、床スラブ及び断熱材を含み、前記断熱材は、床スラブ上に配置されているとともに、前記外周壁の断熱材及び前記断熱優先空間を仕切る間仕切壁の断熱材の少なくともいずれか一方に連続していることが好ましい。この場合、断熱優先空間全体の断熱性能をより向上させることができる。図7に示すように、建物1Cにおいて、1階の特別室の床14は、床スラブ15及び断熱材4を含み、断熱材4は、床スラブ15上に配置されている。また本実施形態では、1階の特別室の床14の断熱材4のうち、一方(室内側)の単位断熱材4Aは、外周壁2の断熱材4(室内側の単位断熱材4A)及び間仕切壁の断熱材4(単位断熱材4A)の両方に連続している。この場合、1階の特別室全体の断熱性能をより効率的に向上させることができる。
また本発明に係る建物において、前記断熱優先空間及び前記通常空間の直上には、屋根が形成されており、前記断熱優先空間の屋根側の壁の熱貫流率U5は、前記通常空間の屋根側の壁の熱貫流率U6よりも低いことが好ましい。この場合、屋根下の断熱性能を向上させることにより、断熱優先空間全体の断熱性能を向上させることができる。図8に示すように、建物1Cにおいて、2階の一般室の屋根壁17の断熱材4は、1枚の単位断熱材4Aからなる。これに対し、2階の特別室の屋根壁17の断熱材4は、複数の単位断熱材4Aからなる。本実施形態では、特別室の屋根壁17の断熱材4は2枚の単位断熱材4Aからなる。これにより、特別室の屋根壁17の断熱材4の厚さは、一般室の屋根壁17の断熱材4の厚さよりも厚くなる。この場合、屋根壁17の断熱性能を向上させることにより、特別室全体の断熱性能を向上させることができる。
本発明に係る建物において、前記断熱優先空間の屋根側の壁は、屋根スラブ及び断熱材を含み、前記断熱材は、屋根スラブ下に配置されているとともに、前記外周壁の断熱材及び間仕切壁の断熱材の少なくともいずれか一方に連続していることが好ましい。この場合、断熱優先空間全体の断熱性能をより向上させることができる。図8に示すように、建物1Cにおいて、2階の特別室の屋根壁17は、屋根スラブ18及び断熱材4を含み、断熱材4は、屋根スラブ18下に配置されている。また本実施形態では、2階の特別室の屋根壁17の断熱材4のうち、一方(内側)の単位断熱材4Aは、外周壁2の断熱材4(内側の単位断熱材4A)及び間仕切壁の断熱材4(単位断熱材4A)の両方に連続している。この場合、2階の特別室全体の断熱性能をより効率的に向上させることができる。
なお、本実施形態に係る建物1Cにおいて、2階の床20は、断熱材4を含んでいない。これは、上下階の特別室を互いに一方の断熱層として機能させることができるためである。ただし、2階の床20に断熱材4を含めることは可能である。また建物1Cでは、1階の床14と同様、特別室に接する床20の断熱材4の厚さは、一般室に接する床20の断熱材4の厚さよりも厚くすることができる。
図9は、本発明の第4実施形態に係る建物1Dの1階部分の平面図である。本実施形態に係る建物1Dも、陸屋根式の2階建て建物である。図10は、図9の建物1Dの1階部分の拡大断面図である。また図11は、図9の建物1Dの2階部分の拡大断面図である。
図9~図11に示すように、本実施形態に係る建物1Dは、断熱材4が外周壁2の外側に配置された外側断熱構造である。図9に示すように、1階の特別室及び一般室は、図6の建物1Cと同様、平面視で、2階の特別室及び一般室と整列する位置に配置されている。
本実施形態に係る建物1Dも、図9に示すように、同一階において、断熱優先空間に接する外周壁2Aの少なくとも一部の熱貫流率U1は、通常空間に接する外周壁2の熱貫流率U2の最小値よりも低い。本実施形態において、外周壁2の熱貫流率U1も、当該外周壁2に含まれる断熱材の厚さによって設定されている。本実施形態に係る建物1Dにおいて、特別室に接する外周壁2Aは、ALC3と断熱材4とを有している。本実施形態では、特別室の断熱材4は、2つの単位断熱材4Aからなる。本実施形態では、ALC3は、中間壁として、2つの単位断熱材4Aの間に介在している。これに対し、一般室に接する外周壁2も、断熱材4と、ALC3とを有している。本実施形態では、一般室の断熱材4は、1つの単位断熱材4Aである。このように、外周壁2に含まれる断熱材4の総和を特別室と一般室との間で変更し、特別室に接する外周壁2A全体の厚さを一般室に接する外周壁2の厚さよりも厚くした場合も、断熱材4の厚さを変更するだけの簡易な方法により、断熱を優先すべき空間が合理的に断熱された建物を得ることができる。
また本実施形態に係る建物1Dも、建物1Cと同様、接地階の前記断熱優先空間の床側の熱貫流率U3は、前記通常空間の床側の熱貫流率U4よりも低い。本実施形態では、図10に示すように、建物1Dにおいて、1階の一般室の床14は、断熱材4を含まない。本実施形態では、1階の一般室の床側の断熱性能は、基礎16の外側に配置された断熱材4(本実施形態では、1つの単位断熱材4A)によって獲得されている(基礎断熱収まり)。これに対し、1階の特別室の床側の断熱性能は、建物1Dの床14に配置された断熱材4(本実施形態では、1つの単位断熱材4A)を含み、当該断熱材4Aよって獲得されている(床断熱収まり)。即ち、1階の特別室の床側の断熱性能は、基礎16の外側に配置された断熱材4(4A)と、床14に含まれた断熱材4(4A)との、床断熱収まりと基礎断熱収まりとの組み合わせによって獲得されている。この場合も、1階の床の断熱性能を向上させることにより、当該特別室全体の断熱性能を向上させることができる。
また本実施形態に係る建物1Dも、前記断熱優先空間及び前記通常空間の直上には、屋根が形成されており、前記断熱優先空間の屋根側の壁の熱貫流率U5は、前記通常空間の屋根側の壁の熱貫流率U6よりも低い。本実施形態では、図11に示すように、建物1Dにおいて、2階の一般室の屋根壁17の断熱材4は、1枚の単位断熱材4Aからなる。これに対し、2階の特別室の屋根壁17の断熱材4は、複数の単位断熱材4Aからなる。本実施形態では、特別室の屋根壁17は2枚の単位断熱材4Aからなる。本実施形態では、ALC3は、中間壁として、2つの単位断熱材4Aの間に介在している。このように、屋根壁17に含まれる断熱材4の総和を特別室と一般室との間で変更し、特別室の真上の屋根壁17全体の厚さを一般室の真上の屋根壁17の厚さよりも厚くした場合も、屋根壁17の断熱性能を向上させることにより、特別室全体の断熱性能を向上させることができる。
以上、本発明によれば、断熱を優先すべき空間が合理的に断熱された建物を提供することができる。
上述したところは、本発明の様々な実施形態の一例であって、特許請求の範囲の記載によれば、種々の変更が可能である。本発明に係る建物において、外周壁2は、複数の単位外周壁で構成されていることが好ましい。この場合、断熱優先空間及び通常空間に対する施工性が向上する。上述した各実施形態に採用された様々な構成は、相互に適宜、置き換えることができる。
1A:建物(第1実施形態), 1B:建物(第2実施形態), 1C:建物(第3実施形態), 2:外周壁(通常空間に接する外周壁), 2A:外周壁(断熱優先空間に接する外周壁), 3:ALC, 4:断熱材, 4A:単位断熱材, 6:構造柱, 7:断熱優先空間と通常空間との間の間仕切壁, 8:断熱優先空間の相互間の間仕切壁, 9:通常空間の相互間の間仕切壁, 10:通気口, 11:可動欄間, 12A:ヒンジ扉, 12B:スライド扉, 13:空調装置, 14:1階(接地階)の床, 15:床スラブ, 16:基礎, 17:屋根壁(屋根側の壁), 18:屋根スラブ, 20:2階(最上階)の床, 21:床スラブ, 22:フローリング材

Claims (21)

  1. 外周壁に接した複数の空間を同一階に備えており、
    前記複数の空間のうちの、少なくとも1つの空間は、断熱性能が優先される断熱優先空間であり、
    前記複数の空間のうちの、残りの空間は、前記断熱優先空間以外の通常空間であり、
    前記断熱優先空間に接する前記外周壁の少なくとも一部の熱貫流率は、前記通常空間に接する前記外周壁の熱貫流率の最小値よりも低 く、さらに、
    前記複数の空間のうちの、複数の空間は、前記断熱優先空間であり、残りの空間は、複数の前記通常空間であり、
    前記断熱優先空間と前記通常空間との間の間仕切壁の熱貫流率は、前記断熱優先空間の相互間の間仕切壁の熱貫流率以下であり、かつ、前記通常空間の相互間の間仕切壁の熱貫流率以下である 、建物。
  2. 前記外周壁の熱貫流率は、当該外周壁に含まれる断熱材の厚さによって設定されている、請求項1に記載の建物。
  3. 前記断熱材は、複数の単位断熱材からなり、前記断熱材の厚さは、前記単位断熱材の枚数によって設定されている、請求項2に記載の建物。
  4. 前記断熱優先空間に接する前記外周壁は、構造柱を内包するように配置されている、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の建物。
  5. 前記断熱材は、耐水性を有するものである、請求項2又は3に記載の建物。
  6. 前記 断熱優先空間は、前記外周壁に沿って互いに隣接して配置されている、請求項1乃至のいずれか1項に記載の建物。
  7. 前記断熱優先空間に接している外周壁は、当該外周壁の全範囲が、前記断熱優先空間に接している、請求項1乃至のいずれか1項に記載の建物。
  8. 前記断熱優先空間は、当該断熱優先空間と隣接する空間との間に温度差を生じ得る空間である、請求項1乃至のいずれか1項に記載の建物。
  9. 前記 断熱優先空間の相互間の間仕切壁に、通気口が設けられている、請求項1乃至のいずれか1項に記載の建物。
  10. 前記断熱優先空間のいずれか一方に、空調装置が設けられている、請求項に記載の建物。
  11. 前記断熱優先空間の相互間の間仕切壁に、当該断熱優先空間のそれぞれを同時に空調する空調装置が設けられている、請求項1乃至のいずれか1項に記載の建物。
  12. 前記空調装置は、天井埋め込みタイプの空調装置である、請求項10に記載の建物。
  13. 前記空調装置は、ヒートポンプタイプの空調装置である、請求項10乃至12のいずれか1項に記載の建物。
  14. 前記空調装置は、給湯熱・廃熱利用タイプの空調装置である、請求項10乃至12のいずれか1項に記載の建物。
  15. 前記空調装置は、太陽エネルギー利用タイプの空調装置である、請求項10乃至12のいずれか1項に記載の建物。
  16. 前記断熱優先空間は、玄関と連通した非採暖空間に接しており、当該非採暖空間に対して出入口建具を介して連通している、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の建物。
  17. 前記断熱優先空間は、採暖空間に対して遮断されている、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の建物。
  18. 前記断熱優先空間及び前記通常空間は、接地階にあり、
    前記断熱優先空間の床側の熱貫流率は、前記通常空間の床側の熱貫流率よりも低い、請求項1乃至17のいずれか1項に記載の建物。
  19. 前記断熱優先空間の床は、床スラブ及び断熱材を含み、
    前記断熱材は、前記床スラブ上に配置されているとともに、前記外周壁の断熱材及び前記断熱優先空間を仕切る間仕切壁の断熱材の少なくともいずれか一方に連続している、請求項18に記載の建物。
  20. 前記断熱優先空間及び前記通常空間の直上には、屋根が形成されており、
    前記断熱優先空間の屋根側の壁の熱貫流率は、前記通常空間の屋根側の壁の熱貫流率よりも低い、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の建物。
  21. 前記断熱優先空間の屋根側の壁は、屋根スラブ及び断熱材を含み、
    前記断熱材は、前記屋根スラブ下に配置されているとともに、前記外周壁の断熱材及び間仕切壁の断熱材の少なくともいずれか一方に連続している、請求項20に記載の建物。
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