JP2023096227A - 部屋構造 - Google Patents

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惇 湯淺
Atsushi Yuasa
勇 太田
Isamu Ota
由佳理 平山
Yukari Hirayama
敬太 水野
Keita Mizuno
純 馬場
Jun Baba
宙祐 可児
Hirosuke Kani
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  • Residential Or Office Buildings (AREA)
  • Combinations Of Kitchen Furniture (AREA)

Abstract

【課題】家事スペースとの間の行き来がしやすく出来るとともに、家事スペースの広さに影響を及ぼしにくく、かつ、ユーザーが圧迫感や閉塞感を覚えにくく出来るとともに、快適な温熱環境を形成できる作業スペースを、家事スペースの近傍に配置し、その結果、仕事と家事の両立を図りやすくする。【解決手段】複数の壁5,6,7,8によって囲まれた一の部屋空間4において、第一スペース10に隣接する第二スペース20は、第一スペース10よりも床面積が小さく設定され、第一スペース10と第二スペース20との間に第一仕切壁31が設けられ、第一仕切壁31には、第二スペース20側の面から熱放射を行う放射冷暖房装置31aが組み込まれ、平面視において第一仕切壁31と直交するとともに第二スペース20に隣接して配置された壁6は外壁6とされ、当該外壁6には窓6aが設けられている。【選択図】図1

Description

新規性喪失の例外適用申請有り
本発明は、部屋構造に関する。
近年、省エネやワークライフバランス、感染症対策等を目的とし、様々な企業においても、また社会的にもテレワークが推奨されている。
例えば特許文献1には、オフィス機器の他、テレワークを補助するシステムを導入することで、サテライトオフィスとして機能するワーキングゾーンが設けられた住宅が開示されている。
特開2015-113616号公報
ところで、自宅でテレワークを行う場合、すきま時間を使って家事を行い、仕事と家事の両立を図りたいという要望がある。しかしながら、仕事を行う作業スペースと家事を行う家事スペースが極端に離間していたり、行き来のしやすさが考慮されていなかったりすると、仕事と家事の両立を図りにくい。さらに、家事スペースの近傍に、広い床面積の作業スペースが配置されてしまうと、その分、家事スペースが狭められてしまい、普段の家事が行いにくくなってしまう場合がある。
だからといって、作業スペースを、家事スペースの広さに影響を及ぼしにくい程度の小部屋とした場合に、周囲がしっかりと壁に囲まれてしまうと、その作業スペースのユーザーが圧迫感や閉塞感を覚えやすい。そのため、作業スペースには、屋外の景色を見たり、屋外から採光したりするための窓を設けることが求められる。その一方で、小部屋である作業スペースに対して屋外に面する窓を設けてしまうと、屋外の環境に影響を受けやすいため、作業スペースにおける快適な温熱環境の実現が併せて望まれている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、家事スペースとの間の行き来がしやすく出来るとともに、家事スペースの広さに影響を及ぼしにくく、かつ、ユーザーが圧迫感や閉塞感を覚えにくく出来るとともに、快適な温熱環境を形成できる作業スペースを、家事スペースの近傍に配置し、その結果、仕事と家事の両立を図りやすくすることである。
請求項1に記載の発明は、例えば図1,図2に示すように、複数の壁5,6,7,8によって囲まれた一の部屋空間4が、第一スペース10と、前記第一スペース10に隣接する第二スペース20と、を備えており、
前記第二スペース20は、前記第一スペース10よりも床面積が小さく設定され、
前記第一スペース10と前記第二スペース20との間には、前記第一スペース10と前記第二スペース20とを仕切る第一仕切壁31が設けられ、前記第一仕切壁31には、前記第二スペース20側の面から熱放射を行う放射冷暖房装置31aが組み込まれ、
前記複数の壁5,6,7,8のうち、平面視において前記第一仕切壁31と直交するとともに前記第二スペース20に隣接して配置された壁6は外壁6とされ、当該外壁6には窓6aが設けられていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、複数の壁5,6,7,8によって囲まれた一の部屋空間4が、第一スペース10と、第一スペース10に隣接する第二スペース20と、を備えており、第二スペース20は、第一スペース10よりも床面積が小さく設定されているので、第一スペース10と比較すると小部屋と認識される第二スペース20が、第一スペース10の近傍に配置されることとなる。したがって、第一スペース10と第二スペース20との間の行き来がしやすく、かつ、第二スペース20によって第一スペース10の広さが極端に狭められてしまうようなこともなくなる。
さらに、複数の壁5,6,7,8のうち、平面視において第一仕切壁31と直交するとともに第二スペース20に隣接して配置された壁6は外壁6とされ、当該外壁6には窓6aが設けられているので、第二スペース20のユーザーは窓6aから屋外の景色を見たり、屋外から採光したりすることで、圧迫感や閉塞感を覚えにくくなる。
しかも、第一スペース10と第二スペース20との間の第一仕切壁31には、第二スペース20側の面から熱放射を行う放射冷暖房装置31aが組み込まれているので、外壁6に窓6aを設けたことによる屋外環境からの影響を、放射冷暖房装置31aによる熱放射で抑制することができ、第二スペース20における快適な温熱環境を形成できる。
これにより、第一スペース10を家事スペースとし、第二スペース20を作業スペースとすれば、家事スペース10との間の行き来がしやすく出来るとともに、家事スペース10の広さに影響を及ぼしにくく、かつ、ユーザーが圧迫感や閉塞感を覚えにくく出来るとともに、快適な温熱環境を形成できる作業スペース20が、家事スペース10の近傍に配置され、その結果、仕事と家事の両立を図りやすくすることができる。
請求項2に記載の発明は、例えば図1,図2に示すように、請求項1に記載の部屋構造において、
前記第二スペース20は、前記第一スペース10よりも天井高が低く設定されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、第二スペース20は、第一スペース10よりも天井高が低く設定されているので、例えば北側斜線制限の都合上、あるいは階段下空間等のように、十分な天井高を確保しにくいスペースを有効活用することができ、第二スペース20によって第一スペース10の広さが極端に狭められてしまうようなことがなくなる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の部屋構造において、
前記第二スペース20は、前記部屋空間4のある階と上階とを接続する階段の階段下空間であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、第二スペース20は、部屋空間4のある階と上階とを接続する階段の階段下空間であることから、階段下空間のように十分な天井高を確保しにくい、あるいは階段構造に影響を受けて使用しづらいスペースを有効活用することができ、第二スペース20によって第一スペース10の広さが極端に狭められてしまうようなことがなくなる。
請求項4に記載の発明は、例えば図1,図2に示すように、請求項1から3のいずれか一項に記載の部屋構造において、
平面視において前記外壁6の正面に当該外壁6から間隔を空けて、前記第一スペース10と前記第二スペース20とを仕切る第二仕切壁32が設けられ、前記第二仕切壁32には、前記第二スペース20側の面から熱放射を行う放射冷暖房装置32aが組み込まれていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、平面視において外壁6の正面に当該外壁6から間隔を空けて、第一スペース10と第二スペース20とを仕切る第二仕切壁32が設けられ、第二仕切壁32には、第二スペース20側の面から熱放射を行う放射冷暖房装置32aが組み込まれているので、第一仕切壁31に組み込まれた放射冷暖房装置31aとは異なる方向から熱放射を行うことができる。これにより、外壁6に窓6aを設けたことによる屋外環境からの影響を、放射冷暖房装置32aによる熱放射で抑制することができるとともに、第一仕切壁31の放射冷暖房装置31aとの相乗効果で熱放射による効果を高めて、第二スペース20におけるより快適な温熱環境を形成できる。
請求項5に記載の発明は、例えば図1,図2に示すように、請求項4に記載の部屋構造において、
前記第一仕切壁31のうち前記外壁6とは反対側の端部と、前記第二仕切壁32のうち前記第一仕切壁31側の端部との間が、前記第一スペース10との間を行き来するための出入口21とされ、
前記出入口21には、当該出入口21を開閉する建具が設けられていないことを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、第一仕切壁31のうち外壁6とは反対側の端部と、第二仕切壁32のうち第一仕切壁31側の端部との間が、第一スペース10との間を行き来するための出入口21とされ、出入口21には、当該出入口21を開閉する建具が設けられていないので、第一スペース10と第二スペース20との間の行き来がしやすい。そのため、第一スペース10と第二スペース20で異なる作業を行っていても両立しやすい。
請求項6に記載の発明は、例えば図1,図2に示すように、請求項1から5のいずれか一項に記載の部屋構造において、
前記放射冷暖房装置31a(32a)は、他の部屋(例えばリビングルーム2)に設けられた他の放射冷暖房装置(例えば床暖房装置2a)と接続される熱媒管を有し、前記他の放射冷暖房装置と共通の熱媒が利用されることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、放射冷暖房装置31a(32a)は、他の部屋に設けられた他の放射冷暖房装置と接続される熱媒管を有し、他の放射冷暖房装置と共通の熱媒が利用されるので、小部屋である第二スペース20だけのために放射冷暖房のシステムを構築するのではなく、他の部屋でもシステムを併用でき、コストの無駄が生じることを抑制できる。
請求項7に記載の発明は、例えば図1,図2に示すように、請求項4を引用する請求項5又は6に記載の部屋構造において、
前記熱媒管が収納されるパイプスペースPS1,PS2が、前記第一仕切壁31と前記第二仕切壁32のそれぞれに隣接して配置されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、熱媒管が収納されるパイプスペースPS1,PS2が、第一仕切壁31と第二仕切壁32のそれぞれに隣接して配置されているので、熱媒管を配管しやすく、他の放射冷暖房装置との間で熱媒を共用しやすい。
本発明によれば、第一スペースを家事スペースとし、第二スペースを作業スペースとすれば、家事スペースとの間の行き来がしやすく出来るとともに、家事スペースの広さに影響を及ぼしにくく、かつ、ユーザーが圧迫感や閉塞感を覚えにくく出来るとともに、快適な温熱環境を形成できる作業スペースを、家事スペースの近傍に配置し、その結果、仕事と家事の両立を図りやすくすることができる。
第一スペースと第二スペースを備えた一の部屋空間を含む住宅の間取りの一部を示す平面図である。 第一スペースと第二スペースを備えた一の部屋空間の一部を示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。なお、以下の実施形態及び図示例における方角は、あくまでも説明の便宜上設定したものである。
図1,図2において符号1は、住宅等の建物に設けられた部屋を示す。この部屋1は、リビングルームとして利用される部屋空間2と、ダイニングルームとして利用される部屋空間3と、キッチンルームとして利用される部屋空間4と、を備える。つまり、この部屋1は、リビングルームとダイニングルームとキッチンルームの機能を一室に併存させた部屋(いわゆるLDK室)とされている。
リビングルームである部屋空間2には、ソファーSfが設置されており、床下には、床暖房装置として利用される放射冷暖房装置2aが組み込まれている。
図示はしないが、放射冷暖房装置2aは、高温又は低温の流体(熱媒)が流通する管材が内部に設けられた複数の冷暖房パネルを備えている。また、管材には、給水源との間で熱媒である流体を流通させて、複数の冷暖房パネルに熱媒を供給する熱媒管が接続されている。なお、給水源は、熱交換ユニットに接続されており、熱交換ユニットによって、夏場は冷水を、冬場は温水を放射冷暖房装置2aに対して循環させることができるようになっている。
ダイニングルームである部屋空間3は、リビングルーム2の西側に位置しており、ダイニングテーブルDt及び複数の椅子が設置されている。
また、リビングルーム2とダイニングルーム3は、間仕切壁によって仕切られずに空間的に連続した状態となっている。より詳細には、リビングルーム2とダイニングルーム3との間には、リビングルーム2の北側に位置する窓のある外壁と直交する袖壁部3aがある。この袖壁部3aによって、リビングルーム2とダイニングルーム3が、概略的に区切られている。
キッチンルームである部屋空間4は、ダイニングルーム3の北側に位置しており、ダイニングルーム3に面した箇所に、コンロ付き流し台4aが設置されている。また、キッチンルーム4の北側には、造り付けのカップボード(収納棚)4bが設置されている。
また、コンロ付き流し台4aとカップボード4bは、互いに間隔を空けて、かつ平行に配置されており、これらコンロ付き流し台4aとカップボード4bとの間は、調理等の家事を行うスペースとなっている。
さらに、コンロ付き流し台4aは、上記の袖壁部3aとの間に間隔を空けて配置されている。そして、コンロ付き流し台4aと袖壁部3aとの間は、人が通過できるようになっている。
なお、カップボード4bの東側には、後述する東側の外壁5が配置され、カップボード4bは、当該東側の外壁5との間に間隔を空けて配置されている。そして、カップボード4bと東側の外壁5との間は、冷蔵庫Rfが設置される冷蔵庫スペースとなっている。
キッチンルーム4は、複数の壁によって囲まれてエリアが規定されている。複数の壁には、平面視において、上記の袖壁部3aと同一直線上に位置する東側の外壁5と、この東側の外壁5と直交するキッチンルーム4の北側の外壁6と、この北側の外壁6と直交する西側の間仕切壁7と、この西側の間仕切壁7と直交する南側の間仕切壁8と、が含まれている。南側の間仕切壁8は、平面視において東西方向に伸びており、その延長線(図1における二点鎖線)上にコンロ付き流し台4aのダイニングルーム3側の縁部が位置し、かつ、当該延長線は袖壁部3aに突き当たる。
すなわち、キッチンルーム4は、概略的に、平面視において矩形状に形成されていることになる。
複数の壁5,6,7,8によって囲まれた部屋空間であるキッチンルーム4は、第一スペース10と、第一スペース10の西側に隣接する第二スペース20と、を備えている。
第一スペース10は、第二スペース20よりも床面積が広く設定され、キッチンルーム4の床面積のうち大半を占めている。換言すれば、第一スペース10の床面積は、キッチンルーム4における床面積に対して過半に設定されている。逆に言えば、第二スペース20は、第一スペース10よりも床面積が小さく(狭く)設定されている。
第一スペース10は、上記のように家事を行う家事スペースとされている。特に、本実施形態の第一スペース10は、キッチンルーム4に包含されるスペースであるため、キッチンルーム4にまつわる家事がメインで行われる。
第二スペース20は、テレワークやその他の作業を行う作業スペースとされている。
第一スペース10と第二スペース20との間には、これら第一スペース10と第二スペース20とを仕切る第一仕切壁31及び第二仕切壁32が設けられている。
第一仕切壁31は、平面視において北側の外壁6と直交して配置されることで、第一スペース10と第二スペース20とを東西に仕切っている。つまり、第二スペース20における東側の仕切壁として機能している。
第二仕切壁32は、平面視において北側の外壁6の正面(南側)に当該外壁6から間隔を空けて、かつ、西側の間仕切壁7と直交して配置されることで、第一スペース10と第二スペース20とを南北に仕切っている。つまり、第二スペース20における南側の仕切壁として機能している。
すなわち、キッチンルーム4の中で、第二スペース20は、当該第二スペース20に隣接して配置された複数の壁によって囲まれてエリアが規定されている。複数の壁には、第二スペース20の北側に位置する上記の外壁6と、東側の第一仕切壁31と、西側の間仕切壁7と、南側の第二仕切壁32と、が含まれている。
なお、第一仕切壁31のうち外壁6とは反対側の端部と、第二仕切壁32のうち第一仕切壁31側の端部との間が、第一スペース10との間を行き来するための出入口21とされている。そして、出入口21には、当該出入口21を開閉する建具が設けられていない状態となっている。つまり、第二スペース20は、出入口21を介して常に第一スペース10に向かって開放されている。
第一スペース10のうち、第二スペース20(第二仕切壁32)の南側に位置するスペースは、主としてキッチン用品や食品等が収納される収納スペース11とされている。収納スペース11の内部には収納棚12が設置されている。
収納スペース11を構成している第二仕切壁32の東側端部と、南側の間仕切壁8における東側端部との間は開口部とされており、両壁32,8間には、当該開口部を開閉する建具11aが設けられている。
第一スペース10に設置されたコンロ付き流し台4aの西側には間仕切壁13が設けられている。換言すれば、コンロ付き流し台4aは、この間仕切壁13に隣接して設置されている。
間仕切壁13は、第一仕切壁31の延長線上に配置されており、かつ、第一仕切壁31と間隔を空けて配置されている。そして、これら第一仕切壁31と間仕切壁13との間は、人が通過できるようになっている。すなわち、上記のように、コンロ付き流し台4aの北側及び東側も人が通過可能となっており、コンロ付き流し台4aの南側はダイニングルーム3となっているため、コンロ付き流し台4aの周囲には回遊動線が形成されることとなる。
第二スペース20には、座面の下に収納部を備えた収納付きベンチBcが設置されている。この収納付きベンチBcは、北側の外壁6と、西側の間仕切壁7と、第二仕切壁32とによって囲まれた箇所に配置されている。
また、この収納付きベンチBcの奥行寸法(東西方向の寸法)は、第二仕切壁32の幅寸法(東西方向の寸法)と略等しく設定されている。そのため、出入口21を通じての人の通過が、収納付きベンチBcによって妨げられない。
また、第二スペース20は、第一スペース10よりも天井高が低く設定されている。つまり、図2(b)に示すように、第二スペース20の天井20aの高さ位置は、第一スペース10の天井10aの高さ位置よりも下方となっている。
本実施形態の第二スペース20は、第一スペース10に比して床面積が小さく、天井高が低い小部屋とされているが、これに限られるものではなく、キッチンルーム4のある階と、その上階とを接続する階段の階段下空間であってもよい。階段下空間を利用する場合は、床面積が小さく、天井高が低いことに加えて、階段裏側の構造(段状に形成されていたり、勾配天井とされていたりする)に影響を受けて使用しづらいものの、デッドスペースとなりがちなスペースを有効活用することができる。そして、階段下空間である第二スペース20によって第一スペース10の広さが極端に狭められてしまうようなことがなくなるという利点がある。
第一スペース10は、全ての箇所で同一の天井高に設定されているのではなく、図2(a)に示すように、カップボード4bが設けられた箇所及び冷蔵庫Rfの設置箇所(第一仕切壁31の南側端部よりも北側に位置するエリア)の天井高は、第二スペース20の天井高と等しく設定されている。
なお、本実施形態においては、北側斜線制限の都合上であったり、階段下空間を利用したりといった理由により、第一スペース10におけるカップボード4bが設けられた箇所及び冷蔵庫Rfの設置箇所(第一スペース10の一部)の天井高と、第二スペース20の天井高は、第一スペース10の天井10aがある箇所の天井高よりも低く設定されているが、これに限られるものではない。すなわち、第二スペース20及び第一スペース10の一部が北側に配置されない場合は、第二スペース20の天井高は、第一スペース10と等しく設定されてもよい。また、第二スペース20の上方を吹き抜け空間とする場合は、第二スペース20の天井高は、第一スペース10より高く設定されてもよい。
北側の外壁6のうち第二スペース20に隣接する部位には、透光性及び透視性を有する窓6aが設けられている。また、窓6aは、上下に複数段に分かれた窓であり、開閉操作されない嵌め殺し窓とされている。ただし、これに限られるものではなく、上下に複数段に分かれた構成でなくてもよいし、開閉操作できる構成であってもよい。
北側の外壁6のうち第二スペース20に隣接する部位に窓6aが設けられることで、第二スペース20は、暑い・寒いといった屋外の温熱環境に影響を受けやすくなる。そのため、第一仕切壁31及び第二仕切壁32には、第二スペース20側の面から熱放射を行う放射冷暖房装置31a,32aが組み込まれている。
窓6aと、第一仕切壁31に組み込まれた放射冷暖房装置31aは、北側の外壁6と第一仕切壁31との間の入隅部を介して直角に略連続した状態で配置されることとなる。そのため、例えば窓6aからのコールドドラフトによって第二スペース20が冷やされそうになっても、すぐ近くの放射冷暖房装置31aの熱放射によって窓6a側の空気を温度調整することができる。
第二仕切壁32に組み込まれた放射冷暖房装置32aは、第一仕切壁31に組み込まれた放射冷暖房装置31aと直交する向きで配置されることとなる。そのため、第二スペース20を満遍なく温度調整しやすい。
第一仕切壁31に組み込まれた放射冷暖房装置31aも、第二仕切壁32に組み込まれた放射冷暖房装置32aも、上記のリビングルーム2における床暖房装置である放射冷暖房装置2aと同様に構成されている。すなわち、放射冷暖房装置31a,32aは、高温又は低温の流体(熱媒)が流通する管材が内部に設けられた複数の冷暖房パネルを備えている。また、管材には、給水源との間で熱媒である流体を流通させて、複数の冷暖房パネルに熱媒を供給する熱媒管が接続されている。
放射冷暖房装置は、西側の間仕切壁7に組み込まれてもよい。なお、北側の外壁6に放射冷暖房装置が組み込まれてもよいが、結露が生じやすくなる可能性があるため、回避されることが好ましい。
第二スペース20の放射冷暖房装置31a,32aは、リビングルーム2における他の放射冷暖房装置2aに向かって伸びる熱媒管を有している。そして、第二スペース20の放射冷暖房装置31a,32aと、リビングルーム2における他の放射冷暖房装置2aは、共通の熱媒が利用されるようになっている。つまり、複数の熱媒管によって、同一の給水源から供給される熱媒の供給経路を形成し、第二スペース20の放射冷暖房装置31a,32aと、リビングルーム2における他の放射冷暖房装置2aに対して、順繰りに熱媒を供給できるようになっている。
なお、第二スペース20の放射冷暖房装置31a,32aと、リビングルーム2における他の放射冷暖房装置2aを接続する管を戻り管(返り管)として給水源に接続し、第二スペース20の放射冷暖房装置31a,32aと、リビングルーム2における他の放射冷暖房装置2aに対して同時に熱媒を供給してもよい。
第一仕切壁31の放射冷暖房装置31aに接続された熱媒管は、第一仕切壁31に隣接して配置されたパイプスペースPS1に収納されている。パイプスペースPS1は、北側の外壁6とカップボード4bとの間に形成されている。
第二仕切壁32の放射冷暖房装置32aに接続された熱媒管は、第二仕切壁32に隣接して配置されたパイプスペースPS2に収納されている。より詳細に説明すると、第二仕切壁32は、他の内壁よりも壁厚が大きく形成されており、パイプスペースPS2は、その内部空間を利用して形成されている。放射冷暖房装置32aは、壁厚の大きい第二仕切壁32のうち第二スペース20側に組み込まれており、パイプスペースPS2は、そのような放射冷暖房装置32aが組み込まれた部分に隣接して配置されている。
本実施形態の部屋1(部屋空間4)で家事と仕事を行うユーザー(住人)は、出入口21を通じて、第一スペース10(家事スペース)と第二スペース20(作業スペース)とを容易に行き来することができる。
第二スペース20を作業スペースとし、テレワークを行う場合に、温度調整が必要な場合には、第一仕切壁31の放射冷暖房装置31aと第二仕切壁32の放射冷暖房装置32aのうち少なくとも一方を稼働させて温度調整を行うようにする。さらに、屋外からの採光も容易で、明るい環境でテレワークを行うことができる。
また、キッチンルーム4は、北側に配置される場合が多く、特に冬季においては寒さを感じやすい。そのため、第二スペース20は、窓6aからの冷気(コールドドラフト)の影響を受けやすいが、第一仕切壁31及び第二仕切壁32に組み込まれた放射冷暖房装置31a,32aによって温度調整を行うことができるので、快適な温熱環境でテレワークを行うことができる。
さらに、第二スペース20は、床面積も小さく、天井高も低いため、容積が小さい。その上、出入口21は常に開放された状態となっているので、温度調整された空気を吹き出すエアコンよりも低いランニングコストで、第二スペース20の温度調整を行うことができる。
ユーザーは、収納付きベンチBcに着座してテレワークを行うが、机も必要に応じて使用してもよい。机は、キャスター付きのものが好ましく、キャスター付きの机を使用すれば、非テレワーク中には収納スペース11に収納しておき、テレワークを行うときに収納スペース11から第二スペース20に移動させて使用することができるし、家事のときに机をワゴン代わりに使用することもできる。
また、テレワークで使用するパソコンや資料、文具等々の物品は、収納付きベンチBcの収納部に収納してもよいし、収納スペース11に収納してもよい。
また、テレワーク中に気分転換が必要であると感じた場合には、すぐ横の窓6aからの景色を眺めたり、近くにある冷蔵庫Rfから飲み物を取り出して飲んだりすることができる。あるいは、コンロ付き流し台4aのコンロで沸かしたお湯でお茶を入れたり、昼休憩時に昼食を作ったりすることもできる。
さらに、コンロ付き流し台4aを中心とした回遊動線が形成されているので、キッチンルーム4の第二スペース20と、リビングルーム2やダイニングルーム3との間の移動もしやすく、仕事と家事の両立を図る上でプラス要因となる。
なお、第二スペース20は、第一スペース10よりも格段に狭い小部屋とされている。例えば、北側の外壁6から第二仕切壁32までの寸法は850mm~900mm程度に設定され、第一仕切壁31の北側の外壁6からの出寸法は750mm~800mm程度に設定されている。また、第二スペース20の天井高は2100mm~2300mm程度に設定されている。
本実施形態によれば、以下のような優れた効果を奏する。
すなわち、複数の壁5,6,7,8によって囲まれた一の部屋空間4が、第一スペース10と、第一スペース10に隣接する第二スペース20と、を備えており、第二スペース20は、第一スペース10よりも床面積が小さく設定されているので、第一スペース10と比較すると小部屋と認識される第二スペース20が、第一スペース10の近傍に配置されることとなる。したがって、第一スペース10と第二スペース20との間の行き来がしやすく、かつ、第二スペース20によって第一スペース10の広さが極端に狭められてしまうようなこともなくなる。
さらに、複数の壁5,6,7,8のうち、平面視において第一仕切壁31と直交するとともに第二スペース20に隣接して配置された壁6は外壁6とされ、当該外壁6には窓6aが設けられているので、第二スペース20のユーザーは窓6aから屋外の景色を見たり、屋外から採光したりすることで、圧迫感や閉塞感を覚えにくくなる。
しかも、第一スペース10と第二スペース20との間の第一仕切壁31には、第二スペース20側の面から熱放射を行う放射冷暖房装置31aが組み込まれているので、外壁6に窓6aを設けたことによる屋外環境からの影響を、放射冷暖房装置31aによる熱放射で抑制することができ、第二スペース20における快適な温熱環境を形成できる。
これにより、第一スペース10を家事スペースとし、第二スペース20を作業スペースとすれば、家事スペース10との間の行き来がしやすく出来るとともに、家事スペース10の広さに影響を及ぼしにくく、かつ、ユーザーが圧迫感や閉塞感を覚えにくく出来るとともに、快適な温熱環境を形成できる作業スペース20が、家事スペース10の近傍に配置され、その結果、仕事と家事の両立を図りやすくすることができる。
また、第二スペース20は、第一スペース10よりも天井高が低く設定されているので、例えば北側斜線制限の都合上、あるいは階段下空間等のように、十分な天井高を確保しにくいスペースを有効活用することができ、第二スペース20によって第一スペース10の広さが極端に狭められてしまうようなことがなくなる。
また、平面視において外壁6の正面に当該外壁6から間隔を空けて、第一スペース10と第二スペース20とを仕切る第二仕切壁32が設けられ、第二仕切壁32には、第二スペース20側の面から熱放射を行う放射冷暖房装置32aが組み込まれているので、第一仕切壁31に組み込まれた放射冷暖房装置31aとは異なる方向から熱放射を行うことができる。これにより、外壁6に窓6aを設けたことによる屋外環境からの影響を、放射冷暖房装置32aによる熱放射で抑制することができるとともに、第一仕切壁31の放射冷暖房装置31aとの相乗効果で熱放射による効果を高めて、第二スペース20におけるより快適な温熱環境を形成できる。
また、第一仕切壁31のうち外壁6とは反対側の端部と、第二仕切壁32のうち第一仕切壁31側の端部との間が、第一スペース10との間を行き来するための出入口21とされ、出入口21には、当該出入口21を開閉する建具が設けられていないので、第一スペース10と第二スペース20との間の行き来がしやすい。そのため、第一スペース10と第二スペース20で異なる作業を行っていても両立しやすい。
また、放射冷暖房装置31aは、リビングルーム2に設けられた他の放射冷暖房装置2aと接続される熱媒管を有し、他の放射冷暖房装置2aと共通の熱媒が利用されるので、小部屋である第二スペース20だけのために放射冷暖房のシステムを構築するのではなく、リビングルーム2でもシステムを併用でき、コストの無駄が生じることを抑制できる。
また、熱媒管が収納されるパイプスペースPS1,PS2が、第一仕切壁31と第二仕切壁32のそれぞれに隣接して配置されているので、熱媒管を配管しやすく、他の放射冷暖房装置との間で熱媒を共用しやすい。
1 部屋
2 部屋空間(リビングルーム)
2a 放射冷暖房装置(床暖房装置)
3 部屋空間(ダイニングルーム)
3a 袖壁部
4 部屋空間(キッチンルーム)
4a コンロ付き流し台
4b カップボード
5 外壁(東側)
6 外壁(北側)
6a 窓
7 間仕切壁(西側)
8 間仕切壁(南側)
10 第一スペース(家事スペース)
10a 天井
11 収納スペース
12 収納棚
13 間仕切壁
20 第二スペース(仕事スペース)
20a 天井
21 出入口
31 第一仕切壁
31a 放射冷暖房装置
32 第二仕切壁
32a 放射冷暖房装置
PS1 パイプスペース
PS2 パイプスペース

Claims (7)

  1. 複数の壁によって囲まれた一の部屋空間が、第一スペースと、前記第一スペースに隣接する第二スペースと、を備えており、
    前記第二スペースは、前記第一スペースよりも床面積が小さく設定され、
    前記第一スペースと前記第二スペースとの間には、前記第一スペースと前記第二スペースとを仕切る第一仕切壁が設けられ、前記第一仕切壁には、前記第二スペース側の面から熱放射を行う放射冷暖房装置が組み込まれ、
    前記複数の壁のうち、平面視において前記第一仕切壁と直交するとともに前記第二スペースに隣接して配置された壁は外壁とされ、当該外壁には窓が設けられていることを特徴とする部屋構造。
  2. 請求項1に記載の部屋構造において、
    前記第二スペースは、前記第一スペースよりも天井高が低く設定されていることを特徴とする部屋構造。
  3. 請求項1又は2に記載の部屋構造において、
    前記第二スペースは、前記部屋空間のある階と上階とを接続する階段の階段下空間であることを特徴とする部屋構造。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の部屋構造において、
    平面視において前記外壁の正面に当該外壁から間隔を空けて、前記第一スペースと前記第二スペースとを仕切る第二仕切壁が設けられ、前記第二仕切壁には、前記第二スペース側の面から熱放射を行う放射冷暖房装置が組み込まれていることを特徴とする部屋構造。
  5. 請求項4に記載の部屋構造において、
    前記第一仕切壁のうち前記外壁とは反対側の端部と、前記第二仕切壁のうち前記第一仕切壁側の端部との間が、前記第一スペースとの間を行き来するための出入口とされ、
    前記出入口には、当該出入口を開閉する建具が設けられていないことを特徴とする部屋構造。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の部屋構造において、
    前記放射冷暖房装置は、他の部屋に設けられた他の放射冷暖房装置に向かって伸びる熱媒供給管を有し、前記他の放射冷暖房装置と共通の熱媒が利用されることを特徴とする部屋構造。
  7. 請求項4を引用する請求項5又は6に記載の部屋構造において、
    前記熱媒供給管が収納されるパイプスペースが、前記第一仕切壁と前記第二仕切壁のそれぞれに隣接して配置されていることを特徴とする部屋構造。
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