JP7103403B2 - 加硫ゴム用接着前処理剤 - Google Patents

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Description

本発明は、加硫ゴム用接着前処理剤に関する。
従来、IoT(Internet of Things)を利用し、自動車に装着されたタイヤの情報(例えば、空気圧等)を監視するシステムがある。
上記システムにおいては、タイヤはその内部に、タイヤの情報を監視するためのセンサー(検知器)等の機器を収容する容器(コンテナ)を有する。通常、上記コンテナはタイヤ(例えば、インナーライナー)に接着剤で固定されている。また、タイヤに接着剤を塗布する際にはタイヤの表面を前処理することが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2005-350057号公報
タイヤ(例えば、インナーライナー)に接着剤でコンテナを固定した場合、硬化後の接着剤の接着性が不十分であると、タイヤの回転や振動によってコンテナが剥がれてしまう場合がある。そのため、硬化後の接着剤の接着性は極めて重要である。
このようななか、本発明者らが特許文献1を参考に、インナーライナーの表面を有機溶剤で処理してから接着剤を塗布して、センサーを収容するゴム製コンテナを圧着したところ、硬化後の接着剤の接着性は必ずしも十分ではないことが明らかになった。
そこで、本発明は、上記実情を鑑みて、タイヤ等の加硫ゴムに接着剤を塗布する前にその表面を処理するための処理剤であって、硬化後の接着剤が優れた接着性を示す、加硫ゴム用前処理剤を提供することを目的とする。
以下、硬化後の接着剤の接着性を、単に、接着性とも言う。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、特定ノニオン系界面活性剤と水と特定有機溶剤とを併用することで上記課題が解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) 特定ノニオン系界面活性剤と、水と、特定有機溶剤とを含有し、
上記特定ノニオン系界面活性剤が、HLB値が4.5以上10.5以下であり、下記式(1)で表される化合物であり、
上記特定有機溶剤が、下記式(2)で表される化合物であり、
上記特定ノニオン系界面活性剤の含有量が、0.5質量%以上30質量%以下である、加硫ゴム用接着前処理剤。
HO-(R11-O)-R12 (1)
式(1)中、R11は、-CH-CH-、-CH(CH)-CH-、又は、-CH-CH(CH)-を表す。R12は、脂肪族炭化水素基を表す。nは、1以上の整数を表す。
2122N-CO-R23 (2)
式(2)中、R21、R22及びR23は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を表す。R21又はR22とR23とは互いに結合して環を形成してもよい。
(2) 上記式(1)中のR12が、炭素数12~18の脂肪族炭化水素基である、上記(1)に記載の加硫ゴム用接着前処理剤。
(3) 上記式(1)中のnが、1~15の整数である、上記(1)又は(2)に記載の加硫ゴム用接着前処理剤。
(4) タイヤ用の接着前処理剤である、上記(1)~(3)のいずれかに記載の加硫ゴム用接着前処理剤。
(5) インナーライナー用の接着前処理剤である、上記(4)に記載の加硫ゴム用接着前処理剤。
以下に示すように、本発明によれば、加硫ゴムに接着剤を塗布する前に加硫ゴムの表面を処理するための処理剤であって、硬化後の接着剤が優れた接着性を示す、加硫ゴム用前処理剤を提供することができる。
以下に、本発明の加硫ゴム用前処理剤について説明する。
なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本発明の加硫ゴム用前処理剤に含有される各成分は、1種を単独でも用いても、2種以上を併用してもよい。ここで、各成分について2種以上を併用する場合、その成分について含有量とは、特段の断りが無い限り、合計の含有量を指す。
また、本明細書において、「加硫ゴム用接着前処理剤」を単に「前処理剤」とも言う。
[加硫ゴム用前処理剤]
本発明の加硫ゴム用前処理剤(以下、「本発明の前処理剤」とも言う)は、
特定ノニオン系界面活性剤と、水と、特定有機溶剤とを含有し、
上記特定ノニオン系界面活性剤が、HLB値が4.5以上10.5以下であり、後述する式(1)で表される化合物であり、
上記特定有機溶剤が、後述する式(2)で表される化合物であり、
上記特定ノニオン系界面活性剤の含有量が、0.5質量%以上30質量%以下である、加硫ゴム用接着前処理剤である。
本発明の前処理剤はこのような構成をとるため、上述した効果が得られるものと考えらえる。その理由はおよそ以下のとおりと考えられる。
インナーライナー等の加硫ゴムの表面には、通常、離型剤、カーボンブラック、充填剤、オイル、埃等の物質(以下、「表面付着物質」とも言う)が付着している。
本発明の前処理剤を用いて加硫ゴムの表面を処理した場合、上記表面付着物質が効率的に除去される(表面から浮く)ものと考えられる。その理由は明らかではないが、上記表面付着物質の中には極性の高いもの、極性が低いものが存在するところ、本発明の前処理剤は、特定のノニオン系界面活性剤と水と特定の有機溶剤とを併用するため、様々な極性の表面付着物質と相互作用し易いためと考えられる。また、本発明の前処理剤で使用される特定のノニオン系界面活性剤はHLB値が特定の範囲であるため、加硫ゴムの表面に残存しても油膜を形成し難いと考えられる。
結果として、本発明の前処理剤で加硫ゴムの表面を処理してから接着剤を塗布した場合、硬化後の接着剤の接着性は極めて優れるものと考えられる。
以下、本発明の前処理剤に含有される各成分について説明する。
〔特定ノニオン系界面活性剤〕
特定ノニオン系界面活性剤は、HLB値が4.5以上10.5以下であり、下記式(1)で表される化合物である。本発明の前処理剤は、2種以上の特定ノニオン系界面活性剤を含有してもよい。
<HLB値>
上述のとおり、特定ノニオン系界面活性剤は、HLB値が4.5以上10.5以下である。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、6.0~9.0であることが好ましい。
ここで、HLB値とは、Hydrophile-Lipophile-Balance、親水性-親油性-バランスのことであり、化合物の親水性又は親油性の大きさを示す値である。HLB値が小さいほど親油性が高く、値が大きいほど親水性が高くなる。本明細書において、HLB値とは、グリフィン法により求めたHLB値を指す。グリフィン法によるHLB値は以下の式により求めることができる。
式:HLB値=20×界面活性剤の親水部の式量/界面活性剤の全体の分子量
本明細書において、界面活性剤の親水部とは、後述する式(1)中のHO-(R11-O)-のことをいう。
<式(1)>
上述のとおり、特定ノニオン系界面活性剤は、式(1)で表される化合物である。
HO-(R11-O)-R12 (1)
式(1)中、R11は、-CH-CH-、-CH(CH)-CH-、又は、-CH-CH(CH)-を表す。R12は、脂肪族炭化水素基を表す。nは、1以上の整数を表す。
(R11
上述のとおり、R11は、-CH-CH-、-CH(CH)-CH-、又は、-CH-CH(CH)-を表す。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、-CH-CH-、であることが好ましい。式(1)中のnが2以上の整数である場合に複数存在するR11は同一であっても異なってもよい。
(R12
上述のとおり、R12は、脂肪族炭化水素基を表す。
脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。上記脂肪族炭化水素基の具体例としては、直鎖状又は分岐状のアルキル基、直鎖状又は分岐状のアルケニル基、直鎖状又は分岐状のアルキニル基などが挙げられる。脂肪族炭化水素基の炭素数は特に限定されないが、本発明の効果がより優れる理由から、5以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましい。脂肪族炭化水素基の炭素数の上限は特に限定されないが、本発明の効果がより優れる理由から、30以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましい。脂肪族炭化水素基の炭素数は、本発明の効果がより優れる理由から、12~18であることが好ましい。
(n)
上述のとおり、nは、1以上の整数を表す。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、2以上の整数であることが好ましく、5以上の整数であることがより好ましい。nの上限は特に限定されないが、本発明の効果がより優れる理由から、100以下の整数であることが好ましく、50以下の整数であることがより好ましく、20以下の整数であることがさらに好ましい。nは、本発明の効果がより優れる理由から、1~15の整数であることが好ましい。
<具体例>
特定ノニオン系界面活性剤の具体例としては、HLB値が4.5以上10.5以下である、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンプロピレンアルケニルエーテル等が挙げられる。
<含有量>
本発明の前処理剤において、前処理剤全体に対する特定ノニオン系界面活性剤の含有量は、0.5質量%以上30質量%以下である。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、0.5~20質量%であることが好ましく、0.5~15質量%であることがより好ましく、0.5~10質量%であることがさらに好ましく、0.5~5質量%であることが特に好ましい。
本発明の前処理剤において、後述する水に対する特定ノニオン系界面活性剤の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、1~100質量%であることが好ましく、1~50質量%であることがより好ましく、1~20質量%であることがさらに好ましい。
本発明の前処理剤において、後述する特定有機溶剤に対する特定ノニオン系界面活性剤の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、0.5~100質量%であることが好ましく、0.5~50質量%であることがより好ましく、0.5~20質量%であることがさらに好ましく、0.5~10質量%であることが特に好ましい。
〔水〕
上述のとおり、本発明の前処理剤は、水を含有する。
<含有量>
本発明の前処理剤において、前処理剤全体に対する水の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、10~50質量%であることが好ましく、20~40質量%であることがより好ましい。
〔特定有機溶剤〕
特定有機溶剤は、下記式(2)で表される化合物である。本発明の前処理剤は、2種以上の特定有機溶剤を含有してもよい。
<式(2)>
2122N-CO-R23 (2)
式(2)中、R21、R22及びR23は、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を表す。R21又はR22とR23とは互いに結合して環を形成してもよい。
上記置換基の具体例としては、ハロゲン原子、アルキル基(例えば、tert-ブチル基)(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基(ヘテロ環基といってもよい)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトロソ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルまたはアリールスルフィニル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールまたはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(-B(OH)2)、ホスファト基(-OPO(OH)2)、スルファト基(-OSO3H)、アルコキシシリル基、その他の公知の置換基などが挙げられる。上記の具体例のうち、イオン性基(カルボキシ基、スルホ基等)については塩であってもよい。
上記置換基は、本発明の効果がより優れる理由から、-L-Rで表される基であることが好ましい。ここで、Lは、単結合、又は、2価の連結基を表し、Rは、炭化水素基を表す。
Lで表される2価の連結基としては、2価の脂肪族炭化水素基(例えば、アルキレン基。好ましくは炭素数1~8)、2価の芳香族炭化水素基(例えば、アリーレン基。好ましくは炭素数6~12)、アルキレンオキシ基、-O-、-S-、-SO-、-N(R)-(R:アルキル基)、-CO-、-NH-、-COO-、-CONH-、又はこれらを組み合わせた基などが挙げられる。
Rで表される炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、またはこれらを組み合わせた基などが挙げられる。
上記脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。上記脂肪族炭化水素基の具体例としては、直鎖状または分岐状のアルキル基(特に、炭素数1~30)、直鎖状または分岐状のアルケニル基(特に、炭素数2~30)、直鎖状または分岐状のアルキニル基(特に、炭素数2~30)などが挙げられる。
上記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などの炭素数6~18の芳香族炭化水素基などが挙げられる。
21及びR22は、本発明の効果がより優れる理由から、脂肪族炭化水素基(特にアルキル基)であることが好ましく、R23は、本発明の効果がより優れる理由から、水素原子、又、は脂肪族炭化水素基(特にアルキル基)であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
上述のとおり、R21又はR22とR23とは互いに結合して環を形成してもよいが、本発明の効果がより優れる理由から、環を形成しない方がよい。R21又はR22とR23とは互いに結合して環を形成した態様としては、例えば、N-メチルピロリドンが挙げられる。
<具体例>
特定有機溶剤の具体例として、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルウレア、N-メチルピロリドン(NMP)等が挙げられる。なかでも、DMF及びジメチルウレアが好ましく、DMFがより好ましい。
<含有量>
本発明の前処理剤において、前処理剤全体に対する特定有機溶剤の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、20~90質量%であることが好ましく、30~70質量%であることがより好ましい。
〔水/特定有機溶剤〕
本発明の前処理剤において、上述した特定有機溶剤に対する上述した水の含有量は、本発明の効果がより優れる理由から、30~100質量%であることが好ましく、50~80質量%であることがより好ましい。
〔調製方法〕
本発明の前処理剤を調製する方法は特に限定されず、例えば、上述した各成分を混合する方法等が挙げられる。
〔用途〕
本発明の前処理剤は、加硫ゴム(例えば、タイヤ(特にインナーライナー))に接着剤を用いて他の材料(例えば、機器を収容するゴム製コンテナ)を固定する際に、加硫ゴムの表面を前処理する前処理剤として有用である。
前処理の方法は特に限定されないが、例えば、加硫ゴムの表面に塗布してから、乾燥させる方法等が挙げられる。
上記接着剤は特に限定されないが、その具体例としては、ゴム系接着剤、アクリル系接着剤、ビニルアルキルエーテル系接着剤、シリコーン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ウレタン系接着剤、シアノアクリレート系接着剤等が挙げられる。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔前処理剤の調製〕
下記表1に示される成分を同表に示される割合(質量部)で混合することで各前処理剤を調製した。
〔接着性〕
タイヤ(加硫後)の内面のインナーライナーに、得られた前処理剤を塗布(塗布量:0.2~0.5g/cm)し、25℃で1時間乾燥した。その後、前処理剤を塗布した箇所にアロンアルファEX(シアノアクリレート系一液湿気硬化型接着剤)を塗布し、センサーを収容するゴム製コンテナ(天然ゴムを含有するゴム組成物の加硫物)を圧着した。1日経過後、インナーライナーからゴム製コンテナを剥離し、そのときの剥離強度を測定した。そして、下記基準で接着性を評価した。結果を表1に示す。実用上、◎、○又は△であることが好ましく、◎又は○であることがより好ましく、◎であることがさらに好ましい。
・◎:25N/m以上
・○:20N/m以上24N/m未満
・△:8N/m以上19N/m未満
・×:8N/m未満
Figure 0007103403000001
表1中の各成分の詳細は以下のとおりである。
・比較ノニオン系界面活性剤1:上述した式(1)で表される化合物(ここで、R11は-CH-CH-であり、R12は炭素数8の直鎖状アルキル基(n-オクチル基)であり、nは1である)。HLB値は3である。比較ノニオン系界面活性剤1は、上述した式(1)で表される化合物であるが、HLB値が4.5未満であるため、上述した特定ノニオン系界面活性剤に該当しない。
・特定ノニオン系界面活性剤1:上述した式(1)で表される化合物(ここで、R11は-CH-CH-であり、R12は炭素数12の直鎖状アルキル基であり、nは4である)。HLB値は5である。
・特定ノニオン系界面活性剤2:上述した式(1)で表される化合物(ここで、R11は-CH-CH-であり、R12は炭素数14の直鎖状アルキル基であり、nは10である)。HLB値は7.8である。
・特定ノニオン系界面活性剤3:上述した式(1)で表される化合物(ここで、R11は-CH-CH-であり、R12は炭素数16の直鎖状アルキル基(セチル基)であり、nは10である)。HLB値は9.6である。
・特定ノニオン系界面活性剤4:上述した式(1)で表される化合物(ここで、R11は-CH-CH-であり、R12はオレイル基であり、nは12である)。HLB値は10.4である。
・比較ノニオン系界面活性剤2:上述した式(1)で表される化合物(ここで、R11は-CH-CH-であり、R12は炭素数23の直鎖状アルキル基であり、nは23である)。HLB値は12.5である。比較ノニオン系界面活性剤2は、上述した式(1)で表される化合物であるが、HLB値が10.5超であるため、上述した特定ノニオン系界面活性剤に該当しない。
表1中、ノニオン系界面活性剤について、カッコ内は、左から、HLB値、式(1)中のR12、式(1)中のnを表す。
表1から分かるように、特定ノニオン系界面活性剤と水と特定有機溶剤とを併用する前処理剤を用いた実施例1~9は、いずれも優れた接着性を示した。
実施例2と実施例5~8との対比(特定ノニオン系界面活性剤の含有量が異なる態様同士の対比)から、特定ノニオン系界面活性剤の含有量が0.5~20質量%である実施例2及び5~7は、より優れた接着性を示した。なかでも、特定ノニオン系界面活性剤の含有量が0.5~5質量%である実施例2及び5は、さらに優れた接着性を示した。
実施例2と実施例9との対比(特定ノニオン系界面活性剤2を5質量部含有する態様同士の対比)から、特定有機溶剤が上述した式(2)で表される化合物(ただし、R21又はR22とR23とが互いに結合して環を形成する態様を除く)のみからなる実施例2は、より優れた接着性を示した。
一方、特定ノニオン系界面活性剤を含有しない比較例1~2、特定有機溶剤を含有しない比較例3、及び、水を含有しない比較例4は、接着性が不十分であった。

Claims (5)

  1. 特定ノニオン系界面活性剤と、水と、特定有機溶剤とを含有し、
    前記特定ノニオン系界面活性剤が、HLB値が4.5以上10.5以下であり、下記式(1)で表される化合物であり、
    前記特定有機溶剤が、ジメチルホルムアミドであり、
    前記特定ノニオン系界面活性剤の含有量が、0.5質量%以上30質量%以下である、加硫ゴム用接着前処理剤。
    HO-(R11-O)-R12 (1)
    式(1)中、R11は、-CH-CH-、-CH(CH)-CH-、又は、-CH-CH(CH)-を表す。R12は、脂肪族炭化水素基を表す。nは、1以上の整数を表す
  2. 前記式(1)中のR12が、炭素数12~18の脂肪族炭化水素基である、請求項1に記載の加硫ゴム用接着前処理剤。
  3. 前記式(1)中のnが、1~15の整数である、請求項1又は2に記載の加硫ゴム用接着前処理剤。
  4. タイヤ用の接着前処理剤である、請求項1~3のいずれか1項に記載の加硫ゴム用接着前処理剤。
  5. インナーライナー用の接着前処理剤である、請求項4に記載の加硫ゴム用接着前処理剤。
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