JP6625989B2 - 重合性単量体、重合性単量体の製造方法、硬化性組成物および樹脂部材 - Google Patents
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Description
本発明の重合性単量体は、下記一般式(1’)で示されることを特徴とする。
本実施形態の重合性単量体は、この重合性単量体を含む組成物として利用することができる。しかしながら、様々な用途において利用する観点からは、本実施形態の重合性単量体とその他の材料とを含む組成物として用いることも好適である。この場合、本実施形態の重合性単量体を少なくとも含む組成物に対してさらに重合開始剤を添加することで、硬化性組成物を調合してもよい。なお、本実施形態の重合性単量体を含む組成物が重合開始剤を含まない組成物である場合、この組成物(A剤)の使用に際しては、重合開始剤を含むその他の組成物(B剤)と組み合わせて使用することもできる。この場合は、A剤とB剤とを混合して重合させることにより硬化物を得ることができる(第一の硬化形態)。
[第一の重合性単量体(一般式(1)に示される重合性単量体)]
3G:トリエチレングリコールジメタクリレート
ND:1.9−ノナンジオールジメタクリレート
TCD:トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート
PM:2−メタクリロイルオキシエチルジハイドロジェンフォスフェートおよびビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ハイドロジェンフォスフェートをモル比1:1の割合で混合した混合物
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
CQ:カンファーキノン
DMBE:p−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル
BHT:2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール
F1:球状シリカージルコニア(平均粒径0.4μm)をγ―メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランにより疎水化処理したものと、球状シリカージルコニア(平均粒径0.07μm)をγ ―メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランにより疎水化処理したものとを質量比70:30にて混合した混合物。
重合性単量体の粘度は、CSレオメーターを用いて測定した。測定装置としてはコーン/プレートジオメトリ4cm/2°及び温度制御システムを具備した粘弾性測定装置CSレオメーター「CVO120HR」(ボーリン社製)を用いた。そして、測定温度(プレート温度)25℃、ずり速度1rpsの測定条件にて、3回の測定を行い、3回の測定値の平均値を粘度とした。
第一の重合性単量体と第二の重合性単量体とを表1に示す所定の質量比で混合し、これら重合性単量体の混合物100質量部に対して、CQ0.5質量部、DMBE0.8質量部、およびBHT0.1質量部を添加した後、暗所にて均一になるまで攪拌した。これにより、マトリックスモノマーサンプルを得た。
表1に示すように上述したマトリックスモノマーサンプルを101.4質量部、無機フィラーF1を513質量部を秤り取り、メノウ乳鉢で混合して混合物を得た。続いてこの混合物を真空下にて、脱泡して気泡を取り除きペースト状の硬さ・曲げ強度評価用の硬化性組成物サンプルを得た。なお、この無機フィラー入りの硬化性組成物は、歯科用硬化性組成物、好ましくはコンポジットレジンとしても利用できるものである。なお、表1に示すように、一部のマトリックスモノマーサンプルについては、無機フィラーと混合せずに真空下にて、脱泡して気泡を取り除くことで曲げ強度評価用の硬化性組成物サンプルも準備した。
JIS T6514:2013によって規定される、クラス2グループ1の歯科充填用コンポジットレジンに対する曲げ強さ測定法に従って、可視光線照射器(トクソーパワーライト、株式会社トクヤマ製)により可視光照射を各々20秒間行って硬化物サンプルを作製し、曲げ強度を測定した。尚、測定には万能試験機(オートグラフ、株式会社島津製作所製)を用いた。
23℃恒温室において、SUS製ナット状の型にペースト(無機フィラー入りの硬化性組成物サンプル)を填入し、表面を平らにならし、2分間放置した。サンレオメーター((株)サン科学製)に感圧軸としてφ5mmのSUS製棒を取り付け、60mm/分の速度で1mmの深さ、あるいは、120mm/分の速度で2mmの深さまで圧縮進入した時の最大荷重[kg]をペーストの硬さとした。
第一の重合性単量体と第二の重合性単量体とを表2に示す所定の質量比で混合した。次に、これら重合性単量体の混合物100質量部に対して、CQ1.5質量部、DMBE1.5質量部、精製水10質量部、アセトン85質量部、およびBHT0.3質量部を添加した後、暗所にて均一になるまで攪拌した。これにより、接着強度試験用の硬化性組成物サンプルを得た。この硬化性組成物サンプルは、歯科用接着剤(いわゆるボンディング材)としても利用できるものである。
接着強度試験は、接着対象物として、表面が親水性を示す部材を用いて評価を行った。ここで、表面が親水性を示す部材としては、象牙質が表面に露出した歯牙を選択した。なお、象牙質は、ヒドロキシアパタイト、水分およびその他の有機物を含む親水性材料である。以下に、接着強度試験方法の詳細を説明する。
屠殺後24時間以内に抜去した牛前歯を、注水下、耐水研磨紙P600で研磨し、唇面に平行かつ平坦になるように、象牙質平面を削り出した。次に、削り出した平面に圧縮空気を約10秒間吹き付けて乾燥させた。次に、この平面に直径3mmの穴を有する両面テープを貼り付け、さらに、厚さ0.5mmおよび直径8mmの穴を有するパラフィンワックスを、先に貼り付けられた両面テープの穴の中心に、パラフィンワックスの穴の中心をあわせて固定することで、模擬窩洞を形成した。この模擬窩洞に、接着強度試験用の硬化性組成物サンプル(調整直後の硬化性組成物サンプル)を塗布し、20秒間放置後、圧縮空気を約10秒間吹き付けて乾燥した。可視光線照射器(トクソーパワーライト、株式会社トクヤマ製)により可視光照射を10秒間行い硬化性組成物サンプルを硬化させた。更にその上にコンポジットレジン(トクヤマデンタル製エステライトシグマクイック)を充填し、ポリエステルシートで圧接し、充填後同じく可視光を10秒間照射して硬化させて、接着試験片を作製した。
アタッチメント付き接着試験片Iを熱衝撃試験器に入れ、4℃の水槽に1分間浸漬後、60℃の水槽に移し1分間浸漬し、再び4℃の水槽に戻す操作を、3000回繰り返す耐久試験を実施した。その後、この耐久試験を実施した接着試験片Iについて、初期接着強度を求める場合と同様に引張り接着強度を測定し、耐久試験後の接着強度とした。
初期接着強度の測定に際して用いた調整直後の硬化性組成物サンプルの代わりに、調整した硬化性組成物サンプルを、インキュベーター中にて60℃の環境下で20日間保存したものを用いた以外は、(5B−1)に示す手順にて接着強度を測定した。
マトリックスモノマーサンプルの調整に際して用いた第一の重合性単量体のうち、一般式(1)に示される重合性単量体に該当するものについては、以下の手順で合成した。
12.8gのメタクリル酸グリシジル(0.09モル)に4,4’−ビフェニルジカルボン酸12.1g(0.05mol)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド0.02g(0.00009モル)、BHT0.02g(0.00009モル)、ジメチルホルムアミド20gを加え、100℃で4時間反応させた。得られた液に酢酸エチル40mlを加え、均一な溶液にした後、分液ロートに移し、10wt%炭酸カリウム水溶液40mlで3回洗浄した。さらに蒸留水で3回洗浄した後、回収した酢酸エチル層に硫酸マグネシウムを加え、含まれる水分を除去した。その後硫酸マグネシウムをろ別し、ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮した。濃縮物を更に真空乾燥して、4−BPGMA(収量:22.3g、収率85%、HPLC純度95%)を得た。なお、得られた4−BPGMAの1H NMRスペクトルのデータは、次の通りであった。
1H NMR δ 1.93(s,6H),3.95(d,0.8H),4.30〜4.70(m,9.2H),6.10(s,2H),7.59(d,4H),8.06(s,4H)
4,4’−ビフェニルジカルボン酸11.5g(0.052モル)、ジメチルホルムアミド0.46g(0.0065モル)およびトルエン40mlの混合液を作製した。攪拌状態の上記混合液に、塩化チオニル24.8g(0.208モル)とトルエン10mlの混合液を室温下で徐々に滴下した。滴下終了後の混合液を95℃に昇温し、3h還流した。得られた黄色透明液体を放冷し、4,4’−ビフェニルジカルボン酸クロライドのトルエン溶液を得た。トルエン溶液をロータリーエバポレーターにかけ、40℃でトルエン、塩化チオニル、塩化水素を除去し、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸クロライド(以下、酸クロライドAと呼称する)の固体13.3g(0.052モル)を得た。その後、固体状の酸クロライドAに塩化メチレン30mlを加え、酸クロライドA−塩化メチレン溶液とした。
1H NMR δ1.93(s,6H),3.95(d,0.2H),4.30〜4.70(m,9.8H),5.59(s,2H),6.10(s,2H),7.59(d,4H),8.06(s,4H)
上記の方法で4−BPGMAを合成後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(充填剤:SiO2、展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=3/1〜2/1)によって、精製することで、4−BPGMAII(収量16.8g、収率64%、HPLC純度99%)を得た。なお、得られた4−BPGMAIIの1H NMRスペクトルのデータは、次の通りであった。
1H NMR δ1.93(s,6H),4.30〜4.45(m,10H),5.59(s,2H),6.10(s,2H)),7.59(d,4H),8.06(s,4H)
上記の方法で4−BPGMAを合成後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(充填剤:SiO2、展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=3/1〜2/1)によって、精製することで、4−BPGMAIII(収量2.1g、収率8%、HPLC純度97%)を得た。なお、得られた4−BPGMAIIIの1H NMRスペクトルのデータは、次の通りであった。
1H NMR δ1.93(s,6H),3.95(d,3.2H)4.30〜4.70(m,6.8H),5.59(s,2H),6.10(s,2H),),7.59(d,4H),8.06(s,4H)
4,4’−ビフェニルジカルボン酸12.1g(0.05mol)の代わりに2,2’−ビフェニルジカルボン酸12.1g(0.05mol)を用いた以外は、4−BPGMAの合成法と同様の方法で、2−BPGMA(収量22.6g、収率86%、HPLC純度96%)を得た。なお、得られた2−BPGMAの1H NMRスペクトルのデータは、次の通りであった。
1H NMR δ1.93(s,6H),3.83(d,2H),4.00〜4.65(m,8H),5.59(s,2H),6.16(s,2H),7.34(d,2H),7.56(d,4H),8.06(d,2H)
2,2’−ビフェニルジカルボン酸ジアリル43.5g(0.135mol)を塩化メチレン50mlに溶解後、60質量%メタクロロ過安息香酸/水混合物58g(0.338mol相当)を加え、室温で10時間撹拌した。撹拌後、副生成物のメタクロロ安息香酸をろ別し、ろ液を15質量%亜硫酸ナトリウム水溶液75mlで還元処理を行った。塩化メチレン層を分液後、5質量%炭酸カリウム水溶液で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレーター濃縮し、濃縮物をさらに真空乾燥して、2,2’−ビフェニルジカルボキシグリシジルエステル44.0g(収率92%)を得た。
1H NMR δ1.93(s,6H),3.81(d,2H),4.00〜4.65(m,8H),5.58(s,2H),6.15(s,2H),7.33(d,2H),7.57(d,4H),8.09(d,2H)
4,4’−ビフェニルジカルボン酸12.1g(0.05mol)の代わりに2,2’−ビフェニルジカルボン酸12.1g(0.05mol)を用いた以外は、4−BPGMAIの合成法と同様の方法で、2−BPGMAII(収量22.6g、収率93%、HPLC純度96%)を得た。なお、得られた2−BPGMAIIの1H NMRスペクトルのデータは、次の通りであった。
1H NMR δ1.93(s,6H),3.83(d,0.2H)4.00〜4.65(m,9.8H),5.59(s,2H),6.16(s,2H),7.34(d,2H),7.56(d,4H),8.06(d,2H)
上記の方法で2−BPGMAを合成後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(充填剤:SiO2、展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=3/1〜2/1)によって、精製することで、2−BPGMAIII(収量17.6g、収率67%、HPLC純度99%)を得た。なお、得られた2−BPGMAIIIの1H NMRスペクトルのデータは、次の通りであった。
1H NMR δ1.93(s,6H),4.30〜4.41(m,10H),5.59(s,2H),6.16(s,2H),7.34(d,2H),7.56(d,4H),8.06(d,2H)
上記の方法で4−BPGMAを合成後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(充填剤:SiO2、展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=3/1〜2/1)によって、精製することで、2−BPGMAIV(収量2.2g、収率9%、HPLC純度96%)を得た。なお、得られた2−BPGMAIVの1H NMRスペクトルのデータは、次の通りであった。
1H NMR δ1.93(s,6H),3.83(d,3.2H)4.00〜4.65(m,6.8H),5.59(s,2H),6.16(s,2H),7.34(d,2H),7.56(d,4H),8.06(d,2H)
5−ヘキセン−1−オール(30.1g,0.3mol)を塩化メチレン100mlに溶解後、トリエチルアミン33.4g(0.33mol)、N,N−ジメチルアミノピリジン1.8g(0.015mol)を加えた。得られた溶液を氷冷し、メタクリル酸クロライド31.4g(0.3mol)の塩化メチレン(50ml)溶液を滴下した。滴下終了後の溶液を、室温で3時間撹拌した後に、蒸留水100mlを加え、塩化メチレンで3回抽出した。得られた塩化メチレン層をロータリーエバポレーターを用いて除媒後、残さを100mlトルエンで溶解した。得られたトルエン溶液を0.5規定塩酸溶液で3回洗浄後、飽和食塩水溶液で3回洗浄し、硫酸マグネシウム溶液で乾燥した。乾燥後硫酸マグネシウム溶液をろ別し、ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮、濃縮物をさらに真空乾燥して、メタクリル酸5−ヘキセン−1−イル46.4g(収率92%)を得た。
1H NMR δ1.29(t,4H),1.44(m,4H),1.57(t,4H),1.93(s,6H),3.85(d,1.9H),4.15〜4.70(m,8.1H),5.59(s,2H),6.16(s,2H),7.57(d,4H),8.05(d,4H)
アリルオキシエタノール30.6g(0.3mol)を塩化メチレン100mlに溶解後、トリエチルアミン33.4g(0.33mol)、N,N−ジメチルアミノピリジン1.8g(0.015mol)を加えた。得られた溶液を氷冷し、メタクリル酸クロライド31.4g(0.3mol)の塩化メチレン溶液50mlを滴下した。滴下終了後の溶液を、室温で3時間撹拌した後に、蒸留水100mlを加え、塩化メチレンで3回抽出した。得られた塩化メチレン層をロータリーエバポレーターを用いて除媒後、残査を100mlのトルエンで溶解した。得られたトルエン溶液を0.5規定塩酸溶液で3回洗浄後、飽和食塩水溶液で3回洗浄し、硫酸マグネシウム溶液で乾燥した。乾燥後硫酸マグネシウム溶液をろ別し、ろ液をロータリーエバポレーターで濃縮、濃縮物をさらに真空乾燥して、メタクリル酸−アリルオキシエチル46.0g(収率90%)で得た。
1H NMR δ1.93(s,6H),3.50〜4.50(m,18H),4.15〜4.70(m,8.1H),5.59(s,2H),6.16(s,2H),7.58(d,4H),8.03(d,4H)
4,4’−ビフェニルジカルボン酸24.1g(0.10mol)、5−ヘキセン−1−オール(21.0g,0.21mol)、およびp−トルエンスルホン酸(0.01mol、1.72g)を混合した混合液を、120℃で2時間加熱攪拌し、その後、減圧により副生した水を取り除いた。室温まで放冷後、5質量%炭酸カリウム水溶液を加え、有機層をトルエンで抽出した。得られたトルエン層を更に飽和食塩水で2回洗浄し、炭酸マグネシウムで乾燥した。乾燥後、ロータリーエバポレーターを用いてトルエンを留去し、ビス(5−ヘキセン)−4,4’−ビフェニルジカルボキシレート(収量38.6g、収率95%)が得られた。
1H NMR δ1.23−1.76(m,6H),1.93(d,6H),3.80(m,4H)4.03(m,1.6H),4.24(m,4H),4.31(d,2.4H),5.58(s,2H),6.15(s,2H),7.58(d,2H),8.04(d,4H),
4,4’−ビフェニルジカルボン酸12.1g(0.05mol)の代わりにテレフタル酸8.3g(0.05mol)を用いた以外は、4−BPGMAの合成方法と同様の方法で、BGMA(収量20.7g、収率92%、HPLC純度95%)を得た。なお、得られたBGMAの1H NMRスペクトルのデータは、次の通りであった。
1H NMR δ1.93(s,6H),3.75(d,2H),4.35〜4.75(m,8H),5.57(s,2H),6.13(s,2H),8.09(d,4H)
4,4’−ビフェニルジカルボン酸12.1g(0.05mol)の代わりに2,6−ナフタレンジカルボン酸10.8g(0.05mol)を用いた以外は、4−BPGMAの合成方法と同様の方法で、NGMA(収量22.8g、収率91%、HPLC純度96%)を得た。なお、得られたNGMAの1H NMRスペクトルのデータは、次の通りであった。
1H NMR δ1.93(s,6H),3.85(d,2H),4.40〜4.75(m,8H),5.58(s,2H),6.15(s,2H),7.90(d,2H),8.09(d,2H),8.57(d,2H)
2,3−ナフタレンジカルボン酸ジアリル40.0g(0.135mol)を塩化メチレン50mlに溶解後、60質量%メタクロロ過安息香酸/水混合物99g(0.338mol相当)を加え、室温で10時間撹拌した。撹拌後、副生成物のメタクロロ安息香酸をろ別し、ろ液を15質量%亜硫酸ナトリウム水溶液75mlで還元処理を行った。塩化メチレン層を分液後、1規定水酸化ナトリウム溶液で2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ロータリーエバポレーター濃縮し、濃縮物をさらに真空乾燥して、2,3−ナフタレンジカルボン酸ジグリシジルエステル39.9g(収率90%)を得た。
1H NMR δ1.93(s,6H),3.84(d,2H),4.40〜4.75(m,8H),5.58(s,2H),6.15(s,2H),7.60(d,2H),7.94(d,2H),8.60(d,2H)
4,4’−ビフェニルジカルボン酸12.1g(0.05mol)の代わりに9,10−アントラセンジカルボン酸13.3g(0.05mol)を用いた以外は、4−BPGMAの合成方法と同様の方法で、AGMA(収量24.8g、収率90%、HPLC純度94%)を得た。なお、得られたAGMAの1H NMRスペクトルのデータは、次の通りであった。
1H NMR δ1.93(s,6H),3.80(d,2H),4.42〜4.70(m,8H),5.55(s,2H),6.12(s,2H),7.55(d,4H),8.62(d,4H)
第一の重合性単量体を用いて作製した硬化性組成物サンプルの組成、ならびに、硬化物の硬さおよび曲げ強度の評価結果を表1に、また、第一の重合性単量体を用いて作製した硬化性組成物サンプルの組成および接着強度の評価結果を表2に示す。
Claims (9)
- 下記一般式(1’)で示されることを特徴とする重合性単量体。
〔前記一般式(1’)中、Ar1およびAr2は、各々、2価または3価から選択されるいずれかの価数を持つ芳香族基を表し、各々同一であっても異なっていてもよく、L1およびL2は、各々、主鎖の原子数が2〜10の範囲内であり、かつ、少なくとも1つの水酸基を含む2価の炭化水素基を表し、各々同一であっても異なっていてもよく、R1およびR2は、各々、水素またはメチル基を表す。また、m1およびm2は、各々、1または2である。〕 - 請求項1に記載の重合性単量体において、
下記一般式(2)で示されることを特徴とする重合性単量体。
〔前記一般式(2)中、R1およびR2は、前記一般式(1’)中に示すものと同様である。〕 - 請求項1に記載の重合性単量体において、
下記一般式(3’)で示されることを特徴とする重合性単量体。
〔前記一般式(3’)中、Ar1およびAr2は、価数が2価のみを取りえることを除いて前記一般式(1’)中に示すものと同様であり、L3およびL4は、各々、主鎖の原子数が1〜8の範囲内の2価の炭化水素基を表し、各々同一であっても異なっていてもよく、R3およびR4は、各々、水素またはメチル基を表し、左側の括弧内に示す基および右側の括弧内に示す基は、中央に示す基;−Ar 1 −Ar 2 −の2つの結合手のいずれに対しても結合可能であり、j、kの値に応じて、(a)前記左側の括弧内に示す基が前記中央に示す基の両側に結合していてもよく、(b)前記右側の括弧内に示す基が前記中央に示す基の両側に結合していてもよく、(c)前記一般式(3’)そのものとして示されるように、前記中央に示す基の一方側に前記左側の括弧内に示す基が結合し、他方側に前記右側の括弧内に示す基が結合していてもよいものである。また、jは0、1または2であり、kは0、1または2であり、j+k=2である。〕 - 請求項3に記載の重合性単量体において、
前記一般式(3’)に示す値j、kの組み合わせ(j、k)が、(1、1)および(0、2)からなる群より選択されるいずれかであることを特徴とする重合性単量体。 - 請求項3に記載の重合性単量体において、
前記一般式(3’)に示す値j、kの組み合わせ(j、k)が、(2、0)、(1、1)および(0、2)からなる群より選択されるいずれか2種類以上の構造異性体を含むことを特徴とする重合性単量体。 - 請求項5に記載の重合性単量体おいて、
全ての重合性単量体分子における値kの平均値が0.05以上2.0未満であることを特徴とする重合性単量体。 - 下記一般式(4’)に示す化合物と、下記一般式(5)に示す化合物とを反応させる反応工程を少なくとも経て、下記一般式(6’)〜(8’)に示す化合物からなる群より選択される2種類以上の構造異性体を含む重合性単量体を製造することを特徴とする重合性単量体の製造方法。
〔前記一般式(4’)、(5)、(6’)〜(8’)中、Ar1およびAr2は、各々、2価の芳香族基を表し、各々同一であっても異なっていてもよく、L5は主鎖の原子数が1〜7の2価の炭化水素基を表す。また、pは0または1である。〕 - 請求項1〜6のいずれか1つに記載の重合性単量体と、重合開始剤と、を含むことを特徴とする硬化性組成物。
- 請求項1〜6のいずれか1つに記載の重合性単量体を含む組成物を用いて得られた硬化物を含むことを特徴とする樹脂部材。
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