JP7098268B2 - 化粧シート及びこれを用いた成型品 - Google Patents

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Description

本発明は、化粧シート及びこれを用いた成型品に関する。
自動車用の内外装部品、家電製品等の曲面を有する部材には、プラスチックシートを基材として用い、これに色彩、模様、凹凸等を施すことにより美観を付与した化粧シートが貼り合わされており、基材の原料としては、主にポリ塩化ビニル(PVC)が使用されている。しかしながら、近年廃棄物処理に関わる処理コストを低減するため、環境負荷の小さい材料への代替が要望されており、ポリオレフィン系樹脂を使用することが検討されている。さらに、これらの部材には、近年の消費者の高級品志向により、鏡面性が要求性能となっており、特に加工後においても鏡面性が維持されたものが求められている。
ポリオレフィン系樹脂シートを基材とし、鏡面性及び加工性を有する化粧シートとして、ポリプロピレン樹脂により構成される基材シートと、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物である表面保護層とを有する化粧シートが提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1には、基材シートの厚さが150~500μmであり、表面の十点平均粗さ(RzJIS)が5μm以下であり、表面保護層の厚さが7~17μmであり、クラック発生伸度が10~20%であることにより鏡面性及び加工性を有する化粧シートが得られることが記載されている。
また、ロール巻き取り後に擦り傷及びシワを生じにくくするために、加飾シート(化粧シート)の裏面に粗面化処理を施すことが提案されている(例えば、特許文献2)。
国際公開第2015/141781号 特許第5625548号公報
しかしながら、特許文献1に記載の化粧シートは、2R曲げの加工には使用することができるが、さらに厳しい曲面を有する成形品には用いることは困難である。また、特許文献2に記載の方法によれば、ロールを巻き取る際に異物を巻き込むことによる表面の凹み及び傷が生じにくく、表面と裏面とが互いに密着することによる擦り傷及びシワが生じにくい加飾シートが得られるが、トップコートがハイグロスで、且つ基材にポリオレフィン樹脂等から構成される柔らかいシートを用いた場合には、裏面の凹凸を拾い鏡面性が低下する。
本発明は、このような状況下、優れた加工性、及び巻き取り後も良好な鏡面性を有する化粧シート、及びこれを用いた成型品を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、下記の発明により解決できることを見出した。すなわち本発明は、下記の化粧シート及びこれを用いた成型品を提供するものである。
すなわち、本発明は、下記に示す化粧シート及び成型品に係る。
1.基材シートの上にプライマー層及び表面保護層がこの順で積層されている化粧シートであって、
前記化粧シートの2%モジュラスが7~20N/15mmであり、且つJIS B0601:2001に準拠して測定した裏面の十点平均粗さ(RzJIS)が5~13μmであり、
前記基材シートが厚み50~250μmのポリプロピレン樹脂シートであり、
前記表面保護層が電離放射線硬化性樹脂とシリコーン成分とを含む電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物であり、前記電離放射線硬化性樹脂は官能基数が2以上の多官能重合性ウレタンアクリレートオリゴマーを含有し、前記表面保護層の表面の20°グロスが40以上であり、前記表面保護層の厚みが6~20μmである
化粧シート。
.前記表面保護層の、下記方法で測定されたクラック発生伸度が20~130%である、上記項1に記載の化粧シート。
(クラック発生伸度の測定)
化粧シートを用いてJIS K7127に準拠した短冊型の試験片を作製し、該試験片を、室温環境下において、引張試験機を用いて引張速度200mm/分、チャック間距離100mmの条件で、任意伸度で引っ張った後、該試験片をホワイトボード用マーカーでチャック間内を着色し、該着色部を布でふき取り、クラックの発生によりふき取れなくなったときの伸度をクラック発生伸度とした。
.前記シリコーン成分は、前記電離放射線硬化性樹脂組成物に含まれる電離放射線硬化性樹脂100質量部に対して0.5~2質量部である、上記項1又は2に記載の化粧シート。
.前記プライマー層のJIS B0601:2001に準拠して測定した表面の十点平均粗さ(RzJIS)が5μm以下である、上記項1~のいずれかに記載の化粧シート。
.前記基材シートの前記プライマー層を有する面とは反対の面に、さらに裏面プライマー層を有する、上記項1~のいずれかに記載の化粧シート。
.上記項1~のいずれかに記載の化粧シートの表面にマスキングフィルムを有する、マスキングフィルム付き化粧シート。
.上記項1~のいずれかに記載の化粧シートの裏面に接着剤層を有する、接着剤層付き化粧シート。
.被着材上に、上記項1~のいずれかに記載の化粧シート、又は上記項に記載のマスキングフィルム付き化粧シートを有する成型品。
本発明によれば、優れた加工性を有するとともに、加工後、特に巻き取り後においても良好な鏡面性を有する化粧シート、及びこれを用いた成型板を得ることができる。
本発明の化粧シートの一つの態様の断面を示す模式図である。 本発明の化粧シートの別の態様の断面を示す模式図である。
1.化粧シート
本発明の化粧シートは、基材シートの上にプライマー層及び表面保護層がこの順で積層されている化粧シートであって、前記化粧シートの2%モジュラスが5~30N/15mmであり、且つJIS B0601:2001に準拠して測定した裏面の十点平均粗さ(RzJIS)が15μm以下であり、前記基材シートがポリオレフィン樹脂により構成されており、前記表面保護層が電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物であり、前記表面保護層の表面の20°グロスが40以上であることを特徴とする。上記構成を備える本発明の化粧シートは、2%モジュラスが5~30N/15mmであり、その裏面の十点平均粗さ(RzJIS)が15μm以下であることにより、加工性(追従性及び施工性)に優れるとともに、20°グロスが40以上であって、鏡面性に優れている。特に、巻き取り時に化粧シートの裏面の凹凸が表面保護層に賦型することを防ぐことができるので、巻き取りの後においても良好な鏡面性を維持することができる。
本発明の化粧シートについて、図1及び2を用いて説明する。なお、本発明の化粧シートにおいて、表面とは、いわゆる「おもて面」であり、本発明の化粧シートが被着材等に積層して用いられる際に、被着材と接触する面とは反対側の面であり、積層後に視認される面である。また、本明細書では、本発明の化粧シートについて、上記表面の方向を「おもて」又は「上」と称し、その反対側を「裏」又は「下」と称する場合がある。
本発明化粧シートの層構成は、基材シート上に少なくともプライマー層及び表面保護層をこの順に有していれば、その具体的層構成については限定されない。図1及び2は、本発明の化粧シートの一つの態様の断面を示す模式図である。図1に示される化粧シート10は、基材シート1、プライマー層2及び表面保護層3を順に有している。また、図2に示される化粧シートは、基材シート1、プライマー層2、表面保護層3、及びマスキングフィルム5を順に有し、かつ基材シートのプライマー層及び表面保護層を有する側とは反対側(以後、単に裏面と称する場合がある。)に裏面プライマー層4を有している。
以下、本発明の化粧シートについて説明し、かかる層構成の化粧シートを代表例として、各層について具体的に説明する。
本発明の化粧シートは、2%モジュラスが5~30N/15mmであり、7~20N/15mmであることが好ましい。2%モジュラスが上記範囲であることにより、優れた加工性及び鏡面性を有する化粧シートを得ることができる。2%モジュラスが低すぎると、化粧シートが柔らかくなりすぎ、被着材に貼りにくくなるとともに、追従性がよすぎるため、施工時に被着材又は接着剤層の凹凸を拾い、鏡面性が低下する。2%モジュラスが高すぎると、化粧シートが硬くなりすぎて追従性が悪くなり、成型時に端部にスプリングバック等の浮きが発生する。
なお、本明細書において、2%モジュラスは、JIS K7127に準拠した測定方法により、15mm×140mmの短冊型の試験片を用いて、室温環境下で引張速度200mm/min、チャック間距離100mmで、伸度2%の条件で測定した荷重の値(N/15mm)である。また、本発明の化粧シートは、表面保護層上にさらにマスキングフィルムを有するマルキングフィルム付き化粧シートの態様、及び/又は裏面側にさらに接着剤層を有する接着剤層付き化粧シートの態様で実施し得るが、2%モジュラスは、後述するマスキングフィルム又は接着剤層を有さない状態で測定した値である。
本明細書において、室温とは23℃±5℃であり、室温環境下とは温度が23℃±5℃の実験室環境下を意味する。
本発明の化粧シートの上記2%モジュラスの調整は、基材シートを形成する樹脂の種類又は配合、基材シートの厚み等を調整することにより行うことができる。具体的には、例えば、基材シートを形成するポリオレフィン系樹脂を複数混合し、配合比を適宜調整して基材シートの硬さを調整することにより化粧シートの2%モジュラスを調整することができる。また、基材シートの厚みを薄くすると2%モジュラスが小さくなり、基材シートの厚みを厚くすると2%モジュラスが大きくなる。
また、化粧シートの2%モジュラスの調整は、表面保護層の物性を調整することにより行うこともできる。具体的には、表面保護層を形成する電離放射線硬化性樹脂組成物の塗布量を適宜調整することにより行うことができる。塗布量を多くすると2%モジュラスが大きくなり、塗布量を少なくすると2%モジュラスが小さくなる。あるいは、表面保護層を形成する際の電離放射線の照射強度を調整することによっても行うことができる。電離放射線の照射強度を強くすると表面保護層が硬くなり、2%モジュラスが大きくなる。一方、電離放射線の照射強度を弱くすると表面保護層が柔らかくなり、2%モジュラスが小さくなる。さらに、表面保護層を形成する電離放射線硬化性樹脂を複数混合し、配合比を適宜調整して表面保護層の硬さを調整することによっても化粧シートの2%モジュラスを調整することができる。
化粧シートのJIS B0601:2001に準拠して測定した裏面の十点平均粗さ(RzJIS)は、15μm以下である。化粧シートの裏面の十点平均粗さ(RzJIS)が15μm以下である、すなわち化粧シートの裏面を平滑にすることで、巻き取り後に化粧シートの表面(表面保護層)が平滑な裏面と接することになり、表面保護層が賦形するのを防いで鏡面性を維持することができる。化粧シートの裏面の十点平均粗さ(RzJIS)が15μmよりも大きいと、表面保護層が化粧シートの裏面の凹凸を賦型し、巻き取り後の鏡面性が低下する。優れた鏡面性が得られ、かつ化粧シートを巻き取った際のブロッキングの発生を抑制する観点から、十点平均粗さ(RzJIS)は3~15μmであることが好ましく、5~13μmであることがより好ましい。化粧シートの十点平均粗さ(RzJIS)は、例えば、製膜時に使用するロールの材質などにより基材シートの十点平均粗さ(RzJIS)を調整することによって調整することが可能である。また、十点平均粗さ(RzJIS)は、JIS B0601:2001に準拠して測定されるものであり、接触式表面粗さ計を用いて測定することができる。なお、化粧シートの裏面とは、化粧シートの1番下の層の裏面のことである。例えば、基材シートが化粧シートの最下層である場合には、基材シートの裏面が化粧シートの裏面に該当し、基材シートの裏面に後述する裏面プライマー層が設けられている場合には、裏面プライマー層の裏面が化粧シートの裏面に該当する。
(基材シート)
基材シートとしては、ポリオレフィン系樹脂からなるシートを用いる。通常は、ポリオレフィン系樹脂からなるフィルムを使用すればよい。
ポリオレフィン系樹脂としては特に限定されず、化粧シートの分野で通常用いられているものを使用することができる。このようなポリオレフィン系樹脂として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらの中でも、ポリプロピレン樹脂、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等が好ましい。
ポリプロピレン樹脂を採用することにより、基材シートを薄いものとしても糊(接着剤)の塗布むら、あるいは被着体表面の凹凸などの、いわゆるダクを拾いにくく、優れた鏡面性が得られ、また優れた生産効率が得られ、材料費又は輸送費のコストアップを抑えることも可能となる。
ポリプロピレン樹脂としては、ホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂、あるいはポリプロピレン結晶部を有するポリプロピレン樹脂、ポリプロピレン結晶部を有するポリプロピレン樹脂以外の炭素数2~20のα-オレフィン共重合体などが好ましく挙げられる。その他、エチレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、3-メチル-1-ブテン、4-メチル-1-ペンテンなどを15モル%以上含むプロピレン-α-オレフィン共重合体、例えばエチレン-プロピレン共重合体、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体なども好ましく挙げられる。
ポリプロピレン樹脂は、ガラス転移点(Tg)が-50~70℃であり、かつ融点(Tm)が130~220℃である結晶性樹脂を用いることが好ましい。基材シートを構成するポリプロピレン樹脂が結晶性樹脂であると、ガラス転移温度(Tg)よりも高い温度領域でも融点(Tm)以下であれば安定した結晶構造を有するため、温度の変化による柔軟性の変化が少ない、すなわち柔軟性の温度依存性が低く、例えば化粧シートを加温(50~120℃)しながら被着体にラッピング加工する際に、糊(接着剤)の塗布むら、あるいは被着体表面の凹凸などの、いわゆるダクを拾うことなく、被着体に貼着した後に鏡面性が低下することがなく、また、局所的な加熱による温度むらが生じても、優れた鏡面性を維持することができる。
結晶性樹脂としてのポリプロピレン樹脂のガラス転移点(Tg)は、-50~70℃であることが好ましい。ガラス転移点(Tg)が-50℃よりも低いと優れた鏡面性が得られないおそれがあり、70℃を超えると鏡面性が得られない、あるいは耐熱性が得られないおそれがある。優れた鏡面性及び耐熱性を得る観点から、-20~50℃であることがより好ましい。
ここで、ガラス転移点(Tg)は、JIS K7121-1987に準拠して測定される値である。具体的には、基材シートを試験片として、該試験片を室温から20℃/分の割合で昇温させ、示差走査熱量計(DSC)にて発熱量を測定し、吸熱曲線図又は発熱曲線図を作成し、変曲点前後の直線部分にそれぞれ延長線を引き、2本の延長線間の1/2直線と吸熱曲線又は発熱曲線との交点をTgとする。
結晶性樹脂としてのポリプロピレン樹脂の融点(Tm)は、130~220℃であることが好ましい。融点(Tm)が130℃未満であると、優れた鏡面性が得られないおそれがある。また220℃を超えると、とりわけ曲面形状を有する被着体に加工した際にスプリングバックが生じるおそれがあり、優れた加工特性が得られないおそれがある。優れた鏡面性と加工特性を得る観点から、130~200℃であることがより好ましい。
ここで、融点(Tm)は、JIS K7121-1987に準拠して測定される値である。具体的には、基材シートを試験片として、該試験片を室温から10℃/分の割合で昇温させて融解ピーク終了時より30℃高い温度まで加熱し、10分間保った後、10℃/分で40℃まで冷却し、再度同様の加熱及び冷却を繰返して得られたDSC曲線において、融解ピークの頂点の温度を融点(Tm)とした。なお、DSC曲線に複数の吸熱ピークがある場合には、最大面積の吸熱ピークの頂点温度を採用する。
基材シートの柔軟性を考慮し、ポリオレフィン系樹脂にエラストマーを配合することが好ましい。ポリオレフィン系樹脂にエラストマーを配合することにより、化粧シート加工時に、基材シートが伸びて薄くなる、急激に縮む等の基材シートの変形を防止することができる。前記エラストマーとして、ポリオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー等が挙げられる。これらの中で、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーが好ましい。前記エラストマーの配合量として、前記ポリオレフィン系樹脂全量に対して、10~60質量%程度が好ましく、30質量%程度がより好ましい。
基材シートの厚みは、50~250μmが好ましく、90~150μmがより好ましい。基材シートの厚みが上記範囲であることにより、鏡面性及び加工性に優れた化粧シートを得ることができる。
基材シートが化粧シートの最下層である場合には、基材シートのJIS B0601:2001に準拠して測定した裏面の十点平均粗さ(RzJIS)を15μm以下にする。基材シートの裏面の十点平均粗さ(RzJIS)が15μm以下である、すなわち化粧シートの裏面を平滑にすることで、巻き取り後に化粧シートの表面(表面保護層)が平滑な裏面(基材シート)と接することになり、表面保護層が賦形するのを防いで鏡面性を維持することができる。優れた鏡面性が得られ、かつ化粧シートを巻き取った際のブロッキングの発生を抑制する観点から、基材シートの十点平均粗さ(RzJIS)は3~15μmであることが好ましく、5~13μmであることがより好ましい。基材シートの十点平均粗さ(RzJIS)は、製膜時に使用するロールの材質などにより調整することが可能である。また、十点平均粗さ(RzJIS)は、JIS B0601:2001に準拠して測定されるものであり、接触式表面粗さ計を用いて測定することができる。
基材シートは、着色剤により着色されていることが好ましい。着色されていることにより、化粧シートを設ける基板などの被着体の下地の隠蔽を行うことができると同時に、優れた意匠性が得られる。
基材シートに用いうる着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルーなどの無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルーなどの有機顔料、又は染料、アルミニウム、真鍮などの鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛などの鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料などが好ましく挙げられる。
着色剤の使用量は、基材シートを押出し成形して得る際の製膜性や、機械的強度を低下させない範囲であれば特に制限はない。
基材シートの形成に用いられる樹脂材料には、必要に応じて、添加剤が配合されてもよい。添加剤としては、例えば、充填剤、難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、耐候剤などが挙げられる。
上記添加剤のうち、優れた加工特性を得る観点から、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルクなどの無機充填剤;耐候性向上のために、紫外線吸収剤(UVA)、ヒンダードアミン系の光安定剤(HALS)等の耐候剤を含有することが好ましい。これらの無機充填剤の含有量は、樹脂材料に対して1~60質量%の範囲が好ましい。
(プライマー層)
プライマー層は、基材シートと表面保護層との間に設けられ、これらの層の密着性を向上させるとともに、加工性を向上させ、また製造工程においてブロッキングを防止するために設けられる層である。
プライマー層は、例えばバインダー樹脂とマット剤とを含む樹脂組成物により構成される。バインダー樹脂としては、特に制限はないが、例えばウレタン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン/アクリル共重合体、ポリエステル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリプロピレン樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂などが好ましく挙げられる。また、優れた密着性と鏡面性とが得られる観点から、上記の樹脂を主剤とし、イソシアネート等を硬化剤とした2液硬化性樹脂が好ましい。
イソシアネート硬化剤としては、従来公知の化合物を適宜使用すればよく、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート 、4,4′-ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート、あるいは1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂肪族(ないしは脂環式)イソシアネートなどのポリイソシアネートが用いられる。また、これら各種イソシアネートの付加体又は多量体、例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート 3量体(trimer)なども用いられる。
製造工程におけるブロッキングを防止するため、プライマー層はマット剤を含むことが好ましい。プライマー層がマット剤を含むことにより、基材シート上にプライマー層を形成した後、表面保護層を形成する前に一度ロール状に巻き取る際にブロッキングが生じることを防止することができる。マット剤としては、例えば、アルミナ、シリカ、カオリナイト、酸化鉄、ダイヤモンド、炭化ケイ素などの無機粒子や、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ナイロン樹脂、ポリプロピレン樹脂、尿素系樹脂などの有機粒子が好ましく挙げられ、いずれか1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
マット剤の形状は、球、楕円体、多面体、鱗片形などが挙げられ、特に制限はないが、鏡面性が得られる点で、球状が好ましい。
マット剤の平均粒子径は、0.5~8μmであることが好ましく、1~5μmであることがより好ましい。平均粒子径が上記範囲内であると、優れた鏡面性が得られる。ここで、平均粒子径は、レーザー回折式、あるいはレーザー散乱式粒子径分布測定により測定される体積基準の粒子径である。
マット剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して0.5~30質量部であることが好ましく、1~25質量部であることがより好ましく、3~20質量部であることがさらに好ましい。含有量が上記範囲内であると、優れた密着性が得られる。
プライマー層には、必要に応じて、マット剤以外の添加剤が配合されてもよい。添加剤としては、例えば、充填剤、難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、耐候剤などが挙げられる。上記添加剤のうち、耐候性向上のために、紫外線吸収剤(UVA)、ヒンダードアミン系の光安定剤(HALS)等の耐候剤を含有することが好ましい。
プライマー層の厚みは、通常0.5~20μm程度であり、1~10μmが好ましい。プライマー層の厚みが上記範囲内であると、優れた密着性及び鏡面性が得られる。
また、プライマー層のJIS B0601:2001に準拠して測定した表面の十点平均粗さ(RzJIS)は、5μm以下である。5μmよりも大きいと、鏡面性が得られない。優れた鏡面性が得られ、かつ優れた加工性を得る観点から、十点平均粗さ(RzJIS)は1~5μmであることが好ましく、2.5~4.5μmであることが好ましい。プライマー層の十点平均粗さ(RzJIS)は、マット剤の平均粒径、含有量等を変えることにより調整することが可能である。また、十点平均粗さ(RzJIS)は、JIS B0601:2001に準拠して測定されるものであり、接触式表面粗さ計を用いて測定することができる。
(表面保護層)
表面保護層は、本発明の化粧シートに耐候性、耐汚染性、耐傷性、耐溶剤性、及び耐熱性などの表面特性を付与し、かつ優れた鏡面性を付与する、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物で構成される層である。
表面保護層を構成する材料としては、電離放射線硬化性樹脂を含む電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物により構成される。ここで、電離放射線硬化性樹脂組成物は電離放射線を照射することにより硬化する樹脂組成物であり、電離放射線としては、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するもの、例えば、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるほか、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も用いられる。
電離放射線硬化性樹脂組成物に含まれる電離放射線硬化性樹脂としては、従来電離放射線硬化性の樹脂として慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマー(ないしはプレポリマー)の中から適宜選択して用いることができる。
例えば、単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレートなどの重合性モノマーや、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、アクリル(メタ)アクリレートオリゴマーなどの重合性オリゴマー、ないしはプレポリマーの中から単独で、又は2種以上を組み合わせて、用いることができる。
本発明においては、電離放射線硬化性樹脂として重合性オリゴマーを用いることが好ましく、官能基数が2以上の多官能重合性オリゴマーが好ましい。
また、電離放射線硬化性樹脂組成物の粘度を調整し、塗布適性を向上させる観点から、重合性オリゴマーと重合性モノマーとを組み合わせて使用することもできる。
電離放射線硬化性樹脂として紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、光重合用開始剤を樹脂100質量部に対して、0.1~5質量部程度添加することが望ましい。光重合用開始剤としては、従来慣用されているものから適宜選択することができ、特に限定されず、例えば、ベンゾイン系、アセトフェノン系、フェニルケトン系、ベンゾフェノン系、アントラキノン系などの光重合用開始剤が好ましく挙げられる。
また、光増感剤としては、例えばp-ジメチル安息香酸エステル、第三級アミン類、チオール系増感剤などを用いることができる。
本発明で用いる電離放射線硬化性樹脂としては、電子線硬化性樹脂であることが好ましい。電子線硬化性樹脂の場合は無溶剤化が可能であって、環境や健康の観点からより好ましく、かつ、光重合用開始剤を必要とせず、安定した硬化特性が得られ、優れた表面特性が得られるからである。
電離放射線硬化性樹脂組成物には、各種添加成分として、シリコーン成分、耐摩耗フィラー、マット形成フィラー、耐傷フィラーなどのフィラー(充填剤)、あるいは耐候性向上のために、紫外線吸収剤、光安定剤などの耐候剤を含有させることができる。
シリコーン成分とは、有機基を有するケイ素と酸素とが交互に結合してできた構造を分子中に有する成分をいう。シリコーン成分として、具体的には、ポリシロキサン骨格を主成分とするシリコーンオイルの、側鎖又は末端にアミノ基、ビニル基、エポキシ基、カルボシキル基、アクリル基、メタクリル基等の反応性を有する有機基を導入した反応性シリコーン;側鎖又は末端にアルキル基、エーテル基、高級脂肪酸等の反応性を有さない有機基を導入した非反応性シリコーン;有機樹脂、電離放射線硬化性樹脂等の側鎖又は末端をシリコーンで変性したシリコーン変性樹脂等が挙げられる。シリコーン成分を添加することにより、電離放射線硬化性樹脂組成物を塗工した際のレベリング性が良好となって均一な塗膜を形成することができることに加え、シリコーン成分が塗膜の表面に浮かび上がる作用によって、電離放射線硬化性樹脂組成物がプライマー層に浸み込むことにより生じる平面平滑性の低下が抑制されるため、鏡面性を向上させることができる。これらの中で、反応性シリコーンが好ましい。
これらの中で、反応性シリコーンは電離放射線硬化性樹脂組成物が硬化する際に、電離放射線硬化性樹脂と反応して一体化し、ブリードアウトによる外観不良を発生しにくいので、長期にわたって鏡面性を保持することができる点で好ましい。
反応性シリコーンの種類としては、変性シリコーンオイルの側鎖型、変性シリコーンオイルの両末端型、変性シリコーンオイルの側鎖両末端型があり、導入する有機基により、アミノ変性、エポキシ変性、メルカプト変性、カルボキシル変性、カルビノール変性、フェノール変性、メタクリル変性、異種官能基変性等がある。
シリコーン成分の含有量は、電離放射線硬化性樹脂組成物に含まれる電離放射線硬化性樹脂に対して0.1~2質量%であることが好ましい。上記範囲とすることにより、表面に十分な滑性を付与することができるとともに、塗工の際にはじきが発生せず、塗膜面が荒れることがなく、しかも安定性を向上させることができる。該含有量は0.2~1質量%がより好ましい。
紫外線吸収剤としては、無機系、有機系のいずれも用いることができる。無機系紫外線吸収剤としては、平均粒径が5~120nm程度の酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛などを好ましく用いることができる。また、有機系紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系、サリチレート系、アクリロニトリル系などが好ましく挙げることができる。なかでも、紫外線吸収能が高く、また紫外線などの高エネルギーに対しても劣化しにくいトリアジン系がより好ましい。また、紫外線吸収剤として、分子内に電子線反応性基を有する紫外線吸収剤を用いることもできる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系の光安定剤(HALS)などが好ましく挙げられる。また、分子内に電子線反応性基である(メタ)アクリロイル基を有する光安定剤を用いることもできる。
上記の紫外線吸収剤、光安定剤等を耐候剤として使用することにより、耐候剤のブリードアウトが生じることなく、安定した耐候性を得ることができる。
また、電離放射線硬化性樹脂組成物は、各種添加成分として、得られる化粧シートにおける表面保護層の隠蔽性向上、基材の黄変防止や耐光性の向上などを図る目的で、酸化チタン、アルミペースト、カーボンブラックなどの無機系着色顔料を適宜添加することができる。
表面保護層は、下記の方法で測定されたクラック発生伸度が20~130%であることが好ましい。
(クラック発生伸度の測定)
化粧シートを用いてJIS K7127に準拠した短冊型の試験片を作製し、該試験片を、室温環境下において、引張試験機を用いて引張速度200mm/分、チャック間距離100mmの条件で、任意伸度で引っ張った後、該試験片をホワイトボード用マーカーでチャック間内を着色し、該着色部を布でふき取り、クラックの発生によりふき取れなくなったときの伸度をクラック発生伸度とした。また、本発明の化粧シートは、表面保護層上にさらにマスキングフィルムを有するマスキングフィルム付き化粧シートの態様、及び/又は裏面側にさらに接着剤層を有する接着剤層付化粧シートの態様で実施し得るが、クラック発生伸度は、後述するマスキングフィルム又は接着剤層を有さない状態で測定した値である。
なお、上記クラック発生伸度の測定方法においてホワイトボード用マーカーは、Pentelノックル ホワイトボードマーカー、青、丸芯、中字を用いた。また、チャック間内の着色は、引っ張った後のチャック間全体を着色した。
表面保護層のクラック発生伸度が20%未満であると、化粧シートの表面に割れを生じるおそれがある。また、クラック発生伸度が130%を超えると、化粧シートの表面が柔らか過ぎて、巻き取りの際に化粧シートの裏面の凹凸を賦型し、鏡面性が低下するおそれがある。上記クラック発生伸度は、20~80%がより好ましい。
表面保護層の上記クラック発生伸度の調整は、表面保護層の硬さを調整することにより行うことができる。具体的には、例えば、表面保護層を形成する電離放射線硬化性樹脂組成物に含まれる電離放射線硬化性樹脂の官能基数、分子量等を調整することにより行うことができる。電離放射線硬化性樹脂の官能基数を増やすと樹脂が硬くなり、クラック発生伸度が小さくなり、官能基数を減らすと樹脂が柔らかくなり、クラック発生伸度が大きくなる傾向がある。電離放射線硬化性樹脂の分子量を小さくすると樹脂が硬くなり、クラック発生伸度が小さくなり、電離放射線硬化性樹脂の分子量を大きくすると樹脂が柔らかくなり、クラック発生伸度が大きくなる傾向がある。
また、表面保護層のクラック発生伸度の調整は、表面保護層を形成する際の電離放射線の照射強度を調整することによっても行うことができる。電離放射線の照射強度を強くすると表面保護層は硬くなり、クラック発生伸度が小さくなる。一方、電離放射線の照射強度を弱くすると表面保護層は柔らかくなり、クラック発生伸度が大きくなる。更に、表面保護層を形成する電離放射線硬化性樹脂を複数混合し、配合比を適宜調整して表面保護層の硬さを調整することによっても表面保護層のクラック発生伸度を調整することができる。
また、表面保護層を形成する電離放射線硬化性樹脂組成物の塗布量を適宜調整することによってもクラック発生伸度を調整することができる。塗布量を多くするとクラック発生伸度が小さくなり、塗布量を少なくするとクラック発生伸度が大きくなる。
表面保護層の厚みは、6~20μmが好ましい。表面保護層の厚みが6μm未満であると優れた鏡面性が得られないおそれがあり、20μmを超えると優れた加工特性が得られないおそれがある。
優れた鏡面性、優れた加工性を得る観点から、表面保護層の厚みは、7~18μmがより好ましく、7~15μmがさらに好ましい。
表面保護層の表面の20°グロスは、40以上である。本明細書において、「グロス」とは「表面光沢度(Specular glossiness)」のことである。鏡面性を評価する際、入射光の角度として通常60°が用いられるが、鏡面性が非常に優れている場合、60°ではグロスの数値が飽和して、視覚に基づく鏡面光沢感覚と測定数値との相関性及び有意性が低下し、数値上の有意差が見られない。そのため、本願発明では、鏡面性の評価を20°の角度で行った。20°グロスは、JIS Z-8741に準拠した方法により、光沢度測定器(BYKガードナー社製マイクログロス)を用いて、表面保護層の任意の5箇所について測定した値の平均値である。
表面保護層の20°グロスが40以上であることから、本発明の化粧シートは優れた鏡面性を有している。表面保護層の
20°グロスは50以上であることが好ましく、60以上がより好ましい。
上記20°グロスの調整は、表面保護層の膜厚を調整することにより行うことができる。具体的には、膜厚を薄くすると20°グロスが小さくなり、膜厚を厚くすると20°グロスが大きくなる。
(裏面プライマー層)
裏面プライマー層は、基材シートと各種の被着材との接着性を向上させる目的で好ましく設けられる層であり、基材シートのプライマー層及び表面保護層を設ける側の面とは反対側の面(裏面)に設けられる。
裏面プライマー層は、例えばバインダー樹脂とマット剤とを含む樹脂組成物により構成される。バインダー樹脂としては、上記のプライマー層の項で記載したものが好ましく挙げられ、被着体の材質などに応じて、適宜選択される。
また、マット剤としては、上記のプライマー層の項で記載したものが好ましく挙げられ、その平均粒子径、含有量も上記と同様である。
裏面プライマー層の厚みは、0.5~5μm程度であることが好ましく、より好ましくは1~3μmである。厚みが上記範囲内であると、基材シートと各種の被着体との優れた密着性が得られる。
なお、基材シートの裏面に裏面プライマー層が設けられている場合には、裏面プライマー層の裏面が化粧シートの裏面に相当するので、化粧シートの裏面として、裏面プライマー層の裏面の十点平均粗さ(RzJIS)を15μm以下に設定する。
(装飾層)
装飾層は、化粧シートに装飾性を与えるものであり、均一に着色が施された隠蔽層(ベタ印刷層)でもよいし、種々の模様をインキと印刷機を使用して印刷することにより形成される絵柄層であってもよいし、隠蔽層と絵柄層とを組み合わせたものであってもよい。装飾層は、通常基材シートとプライマー層との間に設けられる。
隠蔽層を設けることにより、被着体の表面を隠蔽することができ、また、基材シートが着色していたり色ムラがある場合に、意図した色彩を与えて表面の色を整えることができる。
また、絵柄層を設けることで、木目模様、大理石模様(例えばトラバーチン大理石模様)などの岩石の表面を模した石目模様、布目や布状の模様を模した布地模様、タイル貼模様、煉瓦積模様など、あるいはこれらを複合した寄木、パッチワークなどの模様を化粧シートに付与することができる。これらの模様は通常の黄色、赤色、青色、及び黒色のプロセスカラーによる多色印刷によって形成される他、模様を構成する個々の色の版を用意して行う特色による多色印刷などによっても形成される。
装飾層に用いるインキ組成物としては、バインダー樹脂に顔料、染料などの着色剤、体質顔料、溶剤、安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤などを適宜混合したものが使用される。該バインダー樹脂としては特に制限はなく、例えば、ウレタン樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル共重合体樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂などが好ましく挙げられ、ポリウレタン樹脂がより好ましい。バインダー樹脂としては、これらの中から任意のものを、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
また、着色剤としては、基材シートに用いられる着色剤として例示したものが好ましく挙げられる。
装飾層の厚みは、通常0.5~20μm程度であり、1~10μmが好ましい。装飾層の厚みが上記範囲内にあれば、化粧シートに優れた意匠性を付与することができ、また隠蔽性を付与することができる。
(マスキングフィルム)
マスキングフィルムは、化粧シートの基板などの被着材への加工時をはじめとし、加工により得られた化粧板の運搬時又は施工時の傷付き防止のために、化粧シートの表面保護層の上に好ましく設けられるフィルムである。よって、本発明の化粧シートは、化粧シートの表面にマスキングフィルムを有する、マスキングフィルム付き化粧シートとすることができる。なお、化粧シートの2%モジュラスは、マスキングフィルムを有さない状態の化粧シートでの値である。
マスキングフィルムは、通常マスキングフィルム基材及び粘着剤層を有する構成をとる。
マスキングフィルム用基材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどのポリエステルフィルム;ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィンフィルム;ポリカーボネートフィルムなどが好ましく挙げられる。
このマスキングフィルム用基材の厚みについては特に制限はなく、10~100μmであることが好ましく、30~70μmであることがより好ましい。厚みが上記範囲内であると、良好な耐傷性が得られ、加工時にめくれや剥がれが生じにくく、またコストを抑えることができる。
粘着剤層を形成する粘着剤としては、保管時に剥離しにくく、使用時に剥離しやすく、また粘着剤残りがしにくくなる観点から、例えば、(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーを主体とするアクリル系粘着剤のほか、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが好ましく挙げられる。
また、粘着剤層の厚みは、5~40μmが好ましく、10~30μmがより好ましい。厚さが上記範囲内であると、保管時に剥離しにくく、使用時に剥離しやすく、また粘着剤残りがしにくくなる。
(化粧シートの製造方法)
本発明の化粧シートの製造方法は特に限定されず、例えば、(1)基材シートを形成する工程1、(2)該基材シートにプライマー層を形成し、必要であれば裏面プライマー層を形成する工程2、(3)該プライマー層上に、電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布し、架橋硬化させて表面保護層を形成する工程3を順に経ることにより製造することができる。
工程1は、基材シートを形成する工程である。
基材シートは、樹脂材料に所望により着色剤やその他添加剤を添加した樹脂組成物を、例えば、カレンダー法、インフレーション法、Tダイ押し出し法などの方法によりシート化して得る。ここで、必要に応じて、2軸延伸してもよい。
得られた基材シートは、接する層との密着性を向上させる観点から、その表面に所望によりコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン-紫外線処理法などの酸化法や、サンドブラスト法、溶剤処理法などの凹凸化法といった物理的または化学的表面処理を施して易接着層を設けてもよい。
工程2は、基材シートにプライマー層を形成し、必要であれば裏面プライマー層を形成する工程である。
プライマー層及び裏面プライマー層は、これらの層を形成する樹脂組成物を、グラビア印刷法、バーコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、コンマコート法などの公知の塗布方法により塗布して形成すればよい。また、プライマー層及び裏面プライマー層の両方を設ける場合、いずれの層を先に形成してもよい。
工程3は、プライマー層上に、電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布し、架橋硬化させて表面保護層を形成する工程である。
電離放射線硬化性樹脂組成物の塗布は、硬化後の厚みが7~16μmとなるような厚みで、基材シート、又は所望に応じて設けられたプライマー層の表面にグラビア印刷法、バーコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、コンマコート法などの公知の方式、好ましくはグラビア印刷法により行う。電離放射線硬化性樹脂組成物の粘度は、基材シートあるいはプライマー層の表面に電離放射線硬化性樹脂組成物の未硬化樹脂層を形成し得る粘度であればよく、特に制限はない。
次いで、電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布して形成した未硬化樹脂層に、電子線、紫外線などの電離放射線を照射して該未硬化樹脂層を硬化させて、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物である表面保護層が形成される。
電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70~300kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
電子線の照射においては、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、基材層として電子線により劣化する素材を使用する場合には、電子線の透過深さと樹脂層の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することにより、基材シートへの余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による基材層の劣化を最小限にとどめることができる。
照射線量は、樹脂層の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5~300kGy(0.5~30Mrad)、好ましくは10~100kGy(1~10Mrad)、さらに好ましくは30~70kGy(3~7Mrad)の範囲で選定される。
また、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190~380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈などが用いられる。
このようにして得られる、本発明の化粧シートは、優れた加工性を有し、加工後、特に巻き取り後においても良好な鏡面性を有している。この特徴を活かし、本発明の化粧シートは、曲面を有するプラスチック等の被着材を装飾するための化粧シートをして好適に使用することができる。具体的には、本発明の化粧シートの裏面に接着剤層を有する接着剤層付き化粧シートを、自動車用内外装部品、建築物の内外装、建材、家具、もしくは家電製品用などの様々な部材に適用することにより好適に用いることができる。
接着剤層付き化粧シートに用いられる接着剤としては特に限定されず、感熱接着剤、感圧接着剤(粘着剤)などが挙げられる。この接着剤に用いられる樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合樹脂、スチレン-アクリル系共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂などの中から選ばれる少なくとも1種の樹脂を使用することができる。また、イソシアネートなどを硬化剤とする二液硬化型ポリウレタン系接着剤又はポリエステル系接着剤も適用し得る。
接着剤層付き化粧シートは、上記の樹脂を溶液、あるいはエマルジョンなど塗布可能な形にしたものを、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法などの手段により化粧シートの裏面(基材シートの裏面)に塗布し、必要により乾燥することにより形成することができる。
接着剤層の厚みは特に制限はないが、通常、1~100μmの範囲である。この範囲とすることで、被着材と、化粧シートとの接着性をより向上させることができる。
2.成型品
本発明の成型品は、被着材上に、本発明の化粧シートを有する。このような成型品としては、被着材、接着剤層、及び本発明の化粧シートを順に有する成型品が挙げられる。
本発明の成型品に用いられる被着材としては、特に限定されず、例えば、自動車部品等のプラスチック成型品等が挙げられる。プラスチック成型品としては、各種の合成樹脂からなるものを用いることができる。合成樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
また、プラスチック成型品と化粧シートとの密着性を向上させるために、所望により、その片面または両面に、コロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン-紫外線処理法などの酸化法や、サンドブラスト法、溶剤処理法などの凹凸化法といった物理的または化学的表面処理を施すことができる。
被着材と化粧シートとを接着するための接着剤層に用いられる接着剤としては特に限定されず、感熱接着剤、感圧接着剤(粘着剤)などが挙げられる。この接着剤層を構成する接着剤に用いられる樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル系共重合樹脂、スチレン-アクリル系共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂などの中から選ばれる少なくとも1種の樹脂が使用される。また、イソシアネートなどを硬化剤とする二液硬化型ポリウレタン系接着剤又はポリエステル系接着剤も適用し得る。
接着剤層は、上記の樹脂を溶液、あるいはエマルジョンなど塗布可能な形にしたものを、化粧シートの裏面又は被着材の裏面に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法などの手段により塗布、乾燥して形成することができる。なお、上述のように予め化粧シートの裏面に接着剤層を設けた接着剤層付き化粧シートを用いる場合、被着材と接着する直前に接着剤層を形成する必要がなく、作業性又は生産性がよい。
接着剤層の厚みは特に制限はないが、通常、1~100μmの範囲である。この範囲とすることで、被着材と、化粧シートとの接着性をより向上させることができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
着色ポリプロピレン樹脂シート(「アートプライ(商品名)」、三菱樹脂株式会社製、厚み:110μm)を基材シートとして用意し、その一方の面に、下記成分を混合して調製したプライマー層形成用樹脂組成物を塗布してプライマー層(厚み:2μm)を形成し、他方の面にポリエステル-ウレタン樹脂組成物を塗布して裏面プライマー層(厚み:2μm)を形成した。
(プライマー層形成用樹脂組成物)
主剤(ポリカーボネート系ウレタン/アクリル共重合体からなる樹脂):100質量部
紫外線吸収剤(チヌビン400(商品名)、2-[4-[(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロピル)オキシ]-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、BASFジャパン株式会社製):5質量部
紫外線吸収剤(チヌビン479(商品名)、2-(2-ヒドロキシ-4-[1-オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジン、BASFジャパン株式会社製):5質量部
光安定剤(チヌビン123(商品名)、ビス(1-オクチロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、BASFジャパン株式会社製):1質量部
平均粒子径4μmのマット剤:15質量部
硬化剤(ヘキサメチレンジイソシアネート):5質量部
次いで、プライマー層上に、下記成分を混合して調製した電離放射線硬化性樹脂組成物をグラビア印刷によって塗布量10g/m2で塗布して、塗膜を形成した。次いで、175keV及び5Mrad(50kGy)の条件で電子線を照射して上記塗膜を架橋硬化させ、表面保護層(厚み:10μm)を形成し、化粧シートを得た。
(電離放射線硬化性樹脂組成物)
ウレタンアクリレートオリゴマー(官能基数:2、重量平均分子量:3000)とウレタンアクリレートオリゴマー(官能基数:2、重量平均分子量:4000)との混合物(混合比(モル比)5:5):100質量部
紫外線吸収剤(チヌビン479(商品名)、2-(2-ヒドロキシ-4-[1-オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル-4,6-ビス(4-フェニルフェニル)-1,3,5-トリアジン、BASFジャパン株式会社製):2質量部
反応性官能基を有する光安定剤(サノールLS-3410(商品名)、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニルメタクリレート、BASFジャパン株式会社製):4質量部
反応性シリコーン化合物(57ADDITIVE(商品名)、ポリエーテル変性シリコーン、東レダウコーニング株式会社製):0.5質量部
得られた化粧シートについて下記の測定方法により性状又は特性を評価した。
実施例2~11及び比較例1~5
実施例1において、化粧シートの2%モジュラス、化粧シートの裏面(基材シートの裏面)の十点平均粗さ(RzJIS)、表面保護層の厚み、クラック発生伸度及び反応性シリコーンの有無、並びにプライマー層の十点平均粗さ(RzJIS)を表1に示されるものとした以外は、実施例1と同様にして化粧シートを得た。
得られた化粧シートについて下記の測定方法により性状又は特性を評価した。
(1)2%モジュラス
JIS K7127に準拠した測定方法により、15mm×140mmの短冊型の試験片を用いて、室温環境下で引張速度200mm/min、チャック間距離100mmで、伸度2%の条件で荷重の値(N/15mm)を測定した。
(2)十点平均粗さ(RzJIS
JIS B0601:2001に準拠した方法により、表面粗さ計(株式会社東京精密製、ハンディサーフE-35A)を用いて、カットオフ値0.8mm、評価長さ4mmの条件により測定した。
(3)クラック発生伸度
化粧シートから、JIS K7127に準拠して短冊型の試験片を切り出し、当該試験片を、室温環境下において、引張試験機を用いて引張速度200mm/分、チャック間距離100mm、幅15mmの条件で、任意の伸度で引っ張った。次いで、該試験片のチャック間内をホワイトボード用マーカーで着色し、当該着色部を布でふき取り、クラックの発生によりふき取れなくなったときの伸度をクラック発生伸度とした。
(4)鏡面性(20°グロス)
JIS Z-8741に準拠した方法により、光沢度測定器(BYKガードナー社製マイクログロス)を用いて角度20°の条件により測定した。測定は、化粧シートを作成した後、及びロールとして巻き取った後に引き出したものについて、表面保護層の任意の5箇所について行い、平均値を測定値とした。20°グロスが40以上であれば、合格とする。
(5)加工性の評価(目視による外観評価)
実施例及び比較例で得られた化粧シートの裏面に接着剤(アクリル系感圧接着剤、三洋化成工業株式会社製、ポリシック470-S)を20g/mの厚みで塗布し、1.0Rの曲率を有する凸部に貼付し、蛍光灯(直管型)の下で化粧シートの外観を目視により観察し、下記の基準で評価した。
○:外観に変化なし(白化又はクラックが認められない)
△:外観に白化又はクラックの軽微な変化はみられるが、実使用上問題なし
×:外観に著しい変化あり(白化又はクラックが認められる)
(6)加工性の評価(追従性)
上記(5)と同様に、実施例及び比較例で得られた化粧シートの裏面に接着剤を塗布し、1.0Rの曲率を有する凸部に貼付したときの追従性を、下記の基準で評価した。
○:端部に剥がれ(スプリングバック)はほとんど発生せず、問題なく追従できた
△:端部に軽微な剥がれが見られ追従しにくいが、使用上問題なかった
×:端部に著しい剥がれが発生し、追従できなかった
(7)加工性の評価(施工性)
上記(5)と同様に、実施例及び比較例で得られた化粧シートの裏面に接着剤を塗布し、1.0Rの曲率を有する凸部に貼付したときの施工性を、下記の基準で評価した。
○:貼付の際に化粧シートに伸びは発生せず、問題なく施工できた
△:貼付の際に化粧シートに軽微な伸びが見られたが、施工できた
×:貼付の際に化粧シートに伸び又は破れが見られ、施工できなかった
(8)ブロッキング性の評価
実施例及び比較例の表面保護層を形成した時点のシートを50mm×50mmにカットして試験片を調製した。当該試験片を2枚用意し、1枚の表面保護層側と、他の1枚の裏面プライマー層側とが接触するように重ね、ブロッキングテスターにより挟んだ。次いで、圧縮ハンドルを締め込み、1kg/cmの圧力をかけた。次いで、ブロッキングテスターごと室温環境下に24時間放置した。2枚重なった状態の試験片を剥がし、その際の音及び感触により、下記評価基準に基づいて評価した。
○:音、剥離の感触が全くなかった。
△:音、剥離の感触があったが、実用上問題なし。
×:音、剥離の感触が大きく感じられ、シートが変形した。
評価結果を表1に示す。
Figure 0007098268000001
1. 基材シート
2. プライマー層
3. 表面保護層
4. 裏面プライマー層
5. マスキングフィルム
10.化粧シート

Claims (8)

  1. 基材シートの上にプライマー層及び表面保護層がこの順で積層されている化粧シートであって、
    前記化粧シートの2%モジュラスが7~20N/15mmであり、且つJIS B0601:2001に準拠して測定した裏面の十点平均粗さ(RzJIS)が5~13μmであり、
    前記基材シートが厚み50~250μmのポリプロピレン樹脂シートであり、
    前記表面保護層が電離放射線硬化性樹脂とシリコーン成分とを含む電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物であり、前記電離放射線硬化性樹脂は官能基数が2以上の多官能重合性ウレタンアクリレートオリゴマーを含有し、前記表面保護層の表面の20°グロスが40以上であり、前記表面保護層の厚みが6~20μmである
    化粧シート。
  2. 前記表面保護層の、下記方法で測定されたクラック発生伸度が20~130%である、請求項1に記載の化粧シート。
    (クラック発生伸度の測定)
    化粧シートを用いてJIS K7127に準拠した短冊型の試験片を作製し、該試験片を、室温環境下において、引張試験機を用いて引張速度200mm/分、チャック間距離100mmの条件で、任意伸度で引っ張った後、該試験片をホワイトボード用マーカーでチャック間内を着色し、該着色部を布でふき取り、クラックの発生によりふき取れなくなったときの伸度をクラック発生伸度とした。
  3. 前記シリコーン成分は、前記電離放射線硬化性樹脂組成物に含まれる電離放射線硬化性樹脂100質量部に対して0.5~2質量部である、請求項1又は2に記載の化粧シート。
  4. 前記プライマー層のJIS B0601:2001に準拠して測定した表面の十点平均粗さ(RzJIS)が5μm以下である、請求項1~のいずれかに記載の化粧シート。
  5. 前記基材シートの前記プライマー層を有する面とは反対の面に、さらに裏面プライマー層を有する、請求項1~のいずれかに記載の化粧シート。
  6. 請求項1~のいずれかに記載の化粧シートの表面にマスキングフィルムを有する、マスキングフィルム付き化粧シート。
  7. 請求項1~のいずれかに記載の化粧シートの裏面に接着剤層を有する、接着剤層付き化粧シート。
  8. 被着材上に、請求項1~のいずれかに記載の化粧シート、又は請求項に記載のマスキングフィルム付き化粧シートを有する成型品。
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