JP6805683B2 - 化粧シート及びこれを用いた成型品 - Google Patents

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Description

本発明は、化粧シート及びこれを用いた成型品に関する。
自動車用の内外装部品、建築物の内外装、建材、家具、もしくは家電製品用などの様々な部材には、樹脂成型品の表面や、金属板、無機質板(石膏ボード等)、木質板等の基板上に、化粧シートを貼り合わせ、色彩、模様、凹凸等を施すことにより意匠性を付与した部材が用いられている。
上述のような意匠性を付与した部材では、使用中に様々な原因による汚れが付着して意匠性を損なうことが問題となるため、汚れが付着しにくいようにしたり、付着した汚れを除去しやすくしたりする、いわゆる耐汚染性を高める取り組みがなされている。例えば特許文献1には、基材シート上に帯電防止層と表面保護層を順に積層してなる、室内のゴミやほこりが付着しにくく、かつふき取りやすい化粧シートが開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示された化粧シートは内装用途を想定したものであり、大気や雨水や水はねによる水滴に含まれる油分や、当該油分に含まれる汚れへの耐性まで考慮したものではなかった。
また、落ち着いた印象を与えるため、化粧シートは表面をマット(艶消し)調に形成することが求められる場合がある。表面をマット調とするためにはマット剤などによって表面に微細な凹凸形状を形成することが一般的であるが、マット調の化粧シートは凹凸形状によって汚れが付着しやすく、かつ除去しにくくなるため、耐汚染性に劣るという問題がある。
また、上述のような自動車用内外装部品等の部材は、様々な形状を有しており、化粧シートにはこれらの部材の表面に貼り合わせる際に、追従性や、スプリングバック、クラックの発生の抑制等の、いわゆる成型加工性が要求される。特許文献1に記載されている化粧シートでは、成型加工性が検討されておらず、成型加工性が十分でないという問題がある。
さらに、マット調の化粧シートの場合、部材の表面に化粧シートを貼り付ける際に治具やスキージの滑り性が低下し、折り曲げ部等に局所的に負荷がかかり、表面保護層に白化が生じやすいという問題がある。特に表面保護層にマット剤を添加することによりマット調とした構成の場合、部材の形状に合わせて貼り合わせた際に、マット剤がきっかけとなり、表面保護層の樹脂との間で割れが生じ、白化が発生しやすいという問題がある。
従って、耐汚染性に優れ、且つ、優れた成型加工性を示し、意匠性に優れたマットタイプの化粧シートの開発が求められている。
特開2015−182350号公報
本発明は、耐汚染性に優れ、且つ、優れた成型加工性を示し、意匠性に優れたマットタイプの化粧シートを提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、基材シート上に、少なくとも表面保護層を有する化粧シートにおいて、(1)表面保護層の表面の20°グロスが40未満であり、(2)表面保護層の表面のオレイン酸の接触角が12°以上であり、(3)表面保護層の表面の動摩擦係数が0.5以下であり、(4)化粧シートの厚みが50〜250μmであり、(5)化粧シートのクラック発生伸度が20〜300%であるとの構成とすることにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記の化粧シート及び成型品に関する。
1.基材シート上に、少なくとも表面保護層を有する化粧シートであって、
(1)前記表面保護層の表面の20°グロスが40未満であり、
(2)前記表面保護層の表面のオレイン酸の接触角が12°以上であり、
(3)前記表面保護層の表面の動摩擦係数が0.5以下であり、
(4)前記化粧シートの厚みが50〜250μmであり
(5)前記化粧シートは、クラック発生伸度が20〜300%である、
ことを特徴とする化粧シート。
2.前記表面保護層の厚みが1〜5μmである、項1に記載の化粧シート。
3.2%モジュラスが5〜25N/15mmである、項1又は2に記載の化粧シート。
4.前記表面保護層は、電離放射線硬化型樹脂を含む、項1〜3のいずれかに記載の化粧シート。
5.前記基材シートの裏面に、更に裏面プライマー層を有する、項1〜4のいずれかに記載の化粧シート。
6.被着材上に、項1〜5のいずれかに記載の化粧シートを有する成型品。
本発明の化粧シートは、高い意匠性を示すマットタイプの化粧シートであり、耐汚染性に優れ、且つ、優れた成型加工性を示す。
本発明の化粧シートの層構成の一例を示す模式図である。 本発明の化粧シートの層構成の一例を示す模式図である。
1.化粧シート
本発明の化粧シートは、基材シート上に、少なくとも表面保護層を有し、(1)上記表面保護層の表面の20°グロスが40未満であり、(2)上記表面保護層の表面のオレイン酸の接触角が12°以上であり、(3)上記表面保護層の表面の動摩擦係数が0.5以下であり、(4)上記化粧シートの厚みが50〜250μmであり、(5)上記化粧シートは、クラック発生伸度が20〜300%であることを特徴とする。上記構成備える本発明の化粧シートは、化粧シートの厚み、クラック発生伸度及び表面保護層の表面の動摩擦係数が特定の範囲であるので、成型加工性に優れており、且つ、耐汚染性に優れている。マットタイプの化粧シートは、様々な形状の被着材上に貼り合わせる加工の際に、表面保護層の表面が滑り難いために表面保護層が破損し易いところ、本発明の化粧シートは、表面保護層の表面の動摩擦係数が特定の範囲であるので、表面保護層の表面が滑り難いことに起因する表面保護層の破損が抑制される。また、本発明の化粧シートは、表面保護層の表面の接触角が12°以上であるので、化粧シートの成型加工性を付与するためにクラック発生伸度を上記範囲としても、耐汚染性に優れており、表面保護層の表面の20°グロスが40未満であり意匠性に優れたマットタイプの化粧シートにおいても、汚れが目立ち難い。
本発明の化粧シートの層構成について、図1及び2を用いて説明する。なお、本発明の化粧シートにおいて、表面とは、いわゆる「おもて面」であり、本発明の化粧シートが被着材等に積層して用いられる際に、被着材と接触する面とは反対側の面であり、積層後に視認される面である。また、本明細書では、本発明の化粧シートについて、上記表面の方向を「おもて」又は「上」と称し、その反対側を「裏」又は「下」と称する場合がある。
本発明の化粧シートの層構成は、基材シート上に少なくとも表面保護層を有していれば、その具体的層構成については限定されない。図1及び2は、本発明の化粧シートの一つの態様の断面を示す模式図である。図1に示される化粧シートは、基材シート1及び表面保護層2を有している。また、本発明の化粧シートは、図2に示すように、基材シート1、着色隠蔽層3、絵柄模様層4、プライマー層5、表面保護層2、及びマスキングフィルム6を順に有し、かつ基材シートの表面保護層を有する側とは反対側(以後、単に裏面と称する場合がある。)に裏面プライマー層7を有する層構成であってもよい。
以下、本発明の化粧シートについて説明し、かかる層構成の化粧シートを代表例として、各層について具体的に説明する。
本発明の化粧シートは、厚みが50〜250μmである。厚みが50μm未満であると、耐白化性が低下して成型加工性に劣り、また、下地の不陸を十分に吸収できない。厚みが250μmを超えると、被着材上に積層して成型品とした際にスプリングバックを生じ、成型加工性に劣る。80〜230μmが好ましく、100〜200μmがより好ましい。
本発明の化粧シートは、クラック発生伸度が20〜300%である。クラック発生伸度が20%未満であると、耐白化性が低下し、成型加工性に劣る。クラック発生伸度が300%を超えると、耐汚染性に劣る。上記クラック発生伸度は、25〜100%が好ましく、30〜80%がより好ましい。
なお、本明細書において、クラック発生伸度は、以下の測定方法により測定される値である。
[クラック発生伸度の測定方法]
化粧シートを用いてJIS K7127に準拠した短冊型の試験片を作製し、該試験片を、室温環境下において、引張試験機を用いて引張速度200mm/分、チャック間距離100mmの条件で、任意伸度で引っ張った後、該試験片をホワイトボード用マーカーでチャック間内を着色し、該着色部を布でふき取り、クラックの発生によりふき取れなくなったときの伸度をクラック発生伸度とした。また、本発明の化粧シートは、表面保護層上にさらにマスキングフィルムを有するマスキングフィルム付き化粧シートの態様や、裏面側にさらに接着剤層を有する接着剤層付き化粧シートの態様で実施し得るが、クラック発生伸度は、後述するマスキングフィルムや接着剤層を有さない状態で測定した値である。
本明細書において、室温とは23℃±5℃であり、室温環境下とは温度が23℃±5℃の実験室環境下を意味する。
なお、上記クラック発生伸度の測定方法においてホワイトボード用マーカーは、Pentelノックル ホワイトボードマーカー、青、丸芯、中字を用いた。また、チャック間内の着色は、引っ張った後のチャック間全体を着色した。
本発明の化粧シートの上記クラック発生伸度の調整は、表面保護層の硬さを調整することにより行うことができる。具体的には、例えば、表面保護層を形成する電離放射線硬化性樹脂組成物に含まれる電離放射線硬化性樹脂の官能基数、分子量等を調整することにより行うことができる。電離放射線硬化性樹脂の官能基数を増やすと樹脂が硬くなり、クラック発生伸度が小さくなり、官能基数を減らすと樹脂が柔らかくなり、クラック発生伸度が大きくなる傾向がある。電離放射線硬化性樹脂の分子量を小さくすると樹脂が硬くなり、クラック発生伸度が小さくなり、電離放射線硬化性樹脂の分子量を大きくすると樹脂が柔らかくなり、クラック発生伸度が大きくなる傾向がある。
また、化粧シートのクラック発生伸度の調整は、表面保護層を形成する際の電離放射線の照射強度を調整することによっても行うことができる。電離放射線の照射強度を強くすると表面保護層が硬くなり、クラック発生伸度が小さくなる。一方、電離放射線の照射強度を弱くすると表面保護層が柔らかくなり、クラック発生伸度が大きくなる。
更に、表面保護層を形成する電離放射線硬化性樹脂を複数混合し、配合比を適宜調整して表面保護層の硬さを調整することによっても化粧シートのクラック発生伸度を調整することができる。
また、表面保護層を形成する電離放射線硬化性樹脂組成物の塗布量を適宜調整することによっても化粧シートのクラック発生伸度を調整することができる。塗布量を多くするとクラック発生伸度が小さくなり、塗布量を少なくするとクラック発生伸度が大きくなる。
本発明の化粧シートは、2%モジュラスが5〜25N/15mmであることが好ましく、8〜15N/15mmがより好ましい。2%モジュラスが上記範囲であることにより、化粧シートの成型加工性及び耐汚染性がより向上する。
なお、本明細書において、2%モジュラスは、JIS K7127に準拠した測定方法により、15mm×140mmの短冊型の試験片を用いて、室温環境下で引張速度200mm/min、チャック間距離100mmで、伸度2%の条件で測定した荷重の値(N/15mm)である。また、本発明の化粧シートは、表面保護層上にさらにマスキングフィルムを有するマスキングフィルム付き化粧シートの態様や、裏面側にさらに接着剤層を有する接着剤層付き化粧シートの態様で実施し得るが、2%モジュラスは、後述するマスキングフィルムや接着剤層を有さない状態で測定した値である。
本発明の化粧シートの上記2%モジュラスの調整は、基材シートを形成する樹脂の種類又は配合、基材シートの厚み等を調整することにより行うことができる。具体的には、例えば、基材シートを形成するポリオレフィン系樹脂を複数混合し、配合比を適宜調整して基材シートの硬さを調整することにより化粧シートの2%モジュラスを調整することができる。また、基材シートの厚みを薄くすると2%モジュラスが小さくなり、基材シートの厚みを厚くすると2%モジュラスが大きくなる。
また、化粧シートの2%モジュラスの調整は、表面保護層の物性を調整することにより行うこともできる。具体的には、表面保護層を形成する電離放射線硬化性樹脂組成物の塗布量を適宜調整することにより行うことができる。塗布量を多くすると2%モジュラスが大きくなり、塗布量を少なくすると2%モジュラスが小さくなる。あるいは、表面保護層を形成する際の電離放射線の照射強度を調整することによっても行うことができる。電離放射線の照射強度を強くすると表面保護層が硬くなり、2%モジュラスが大きくなる。一方、電離放射線の照射強度を弱くすると表面保護層が柔らかくなり、2%モジュラスが小さくなる。さらに、表面保護層を形成する電離放射線硬化性樹脂を複数混合し、配合比を適宜調整して表面保護層の硬さを調整することによっても化粧シートの2%モジュラスを調整することができる。
(表面保護層)
表面保護層は、本発明の化粧シートに耐汚染性、耐傷性等の表面特性を付与し、かつ意匠性を付与する層である。
表面保護層の表面の20°グロスは40未満である。表面保護層の表面の20°グロスが40未満であることにより、本発明の化粧シートにマット感を付与し、優れた意匠性を示すことができる。上記20°グロスは、30以下が好ましく、20以下がより好ましい。表面保護層の表面の20°グロスが上記範囲であることにより、本発明の化粧シートがより優れたマット感を示し、より意匠性が向上する。
なお、上記20°グロスは、JIS Z−8741に準拠した方法により、光沢度測定器(BYKガードナー社製マイクログロス)を用いて、表面保護層の任意の5箇所について測定した値の平均値である。
上記20°グロスの調整は、表面保護層の膜厚や表面保護層中のマット剤の添加量や粒径を調整することにより行うことができる。膜厚を薄くすると20°グロスが小さくなり、膜厚を厚くすると20°グロスが大きくなる。また、マット剤の粒径を大きくすると20°グロスが小さくなり、マット剤の粒径を小さくすると20°グロスが大きくなる。
表面保護層の表面のオレイン酸の接触角は12°以上である。オレイン酸の接触角が12°未満であると、化粧シートの耐汚染性が劣る。上記オレイン酸の接触角は、15°以上が好ましく、25°以上がより好ましい。また、上記オレイン酸の接触角の上限は特に限定されないが、上記オレイン酸の接触角は75°以下が好ましく、70°以下がより好ましい。表面保護層の表面のオレイン酸の接触角が上記範囲であることにより、本発明の化粧シートがより優れた耐汚染性を示す。
なお、上記オレイン酸の接触角は、化粧シートの表面保護層の表面にオレイン酸を2μL滴下し、協和界面科学株式会社製CA−X型接触角計改良を用いて、液滴法にて測定温度23℃の条件で測定される値である。
上記オレイン酸の接触角の調整は、表面保護層の表面張力を調整することにより行うことができる。具体的には、例えば、表面保護層にシリコーンやフッ素添加剤等の撥油成分を適宜選択して添加し、また、当該撥油性分の添加量を適宜調整することにより行うことができる。
表面保護層の表面の動摩擦係数は、0.5以下である。動摩擦係数が0.5を超えると、成型加工性時(成型品へのシート貼り付け等)においての治具やスキージのすべり性が低下し、折り曲げ部等に局所的に負荷がかかり、また、マット剤がクラックのきっかけとなる現象と相まって、表面保護層の耐白化性が著しく低下する。上記動摩擦係数は、0.4以下が好ましい。また、本発明の化粧シートにおいて、上記オレイン酸の接触角が大きくなると、上記動摩擦係数が低くなる傾向にあり、優れた成型加工性や耐汚染性を示すことができる。
なお、上記動摩擦係数は、滑り/剥離試験機「SP−102C−3m90」(INSTRUMENTORS製)を用いて、JIS P8147に準拠して測定される値である。
上記表面保護層の表面の動摩擦係数は、表面保護層の表面張力を調整することにより行うことができる。具体的には、例えば、表面保護層にシリコーンやフッ素添加剤等の撥油成分やその添加量を適宜調整することにより行うことができる。
表面保護層は、電離放射線硬化性樹脂を含み、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物により構成されることが好ましい。ここで、電離放射線硬化性樹脂組成物は電離放射線を照射することにより硬化する樹脂組成物であり、電離放射線としては、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するもの、例えば、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるほか、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も用いられる。
電離放射線硬化性樹脂組成物に含まれる電離放射線硬化性樹脂としては、従来電離放射線硬化性の樹脂として慣用されている重合性モノマー及び重合性オリゴマー(ないしはプレポリマー)の中から適宜選択して用いることができる。
例えば、単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレートなどの重合性モノマーや、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、アクリル(メタ)アクリレートオリゴマーなどの重合性オリゴマー、ないしはプレポリマーの中から単独で、又は2種以上を組み合わせて、用いることができる。
本発明においては、電離放射線硬化性樹脂として重合性オリゴマーを用いることが好ましく、官能基数が2以上の多官能重合性オリゴマーが好ましく、官能基数3以上の多官能重合性オリゴマーがより好ましい。
また、電離放射線硬化性樹脂組成物の粘度を調整し、塗布適性を向上させる観点から、重合性オリゴマーと重合性モノマーとを組み合わせて使用することもできる。
電離放射線硬化性樹脂として紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、光重合用開始剤を樹脂100質量部に対して、0.1〜5質量部程度添加することが望ましい。光重合用開始剤としては、従来慣用されているものから適宜選択することができ、特に限定されず、例えば、ベンゾイン系、アセトフェノン系、フェニルケトン系、ベンゾフェノン系、アントラキノン系などの光重合用開始剤が好ましく挙げられる。
また、光増感剤としては、例えばp−ジメチル安息香酸エステル、第三級アミン類、チオール系増感剤などを用いることができる。
上記電離放射線硬化性樹脂は、電子線硬化性樹脂であることが好ましい。電子線硬化性樹脂の場合は無溶剤化が可能であって、環境や健康の観点からより好ましく、かつ、光重合用開始剤を必要とせず、安定した硬化特性が得られ、優れた表面特性が得られるからである。
電離放射線硬化性樹脂組成物には、各種添加成分として、耐摩耗フィラー、マット形成フィラー、耐傷フィラーなどのフィラー(充填剤)、あるいは耐候性向上のために、紫外線吸収剤(UVA)やヒンダードアミン系の光安定剤(HALS)などの耐候剤を含有させることができる。また、これらの耐候剤は、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基などのエチレン性二重結合を有する反応性官能基を有する反応性紫外線吸収剤、あるいは反応性光安定剤(HALS)であることが耐候剤のブリードアウトが生じることなく、安定した耐候性が得られる点から好ましい。
また、電離放射線硬化性樹脂組成物は、各種添加成分として、得られる化粧シートにおける表面保護層の隠蔽性向上、基材の黄変防止や耐光性の向上などを図る目的で、酸化チタン、アルミペースト、カーボンブラックなどの無機系着色顔料を適宜添加することができる。
表面保護層の厚みは、1〜5μmが好ましく、2〜3μmがより好ましい。表面保護層の厚みを上記範囲とすることにより、表面保護層の20°グロスを40未満に調整することが容易になるとともに、本発明の化粧シートがより優れた成型加工性を示すことができる。
(基材シート)
基材シートの材質は、本発明の効果を妨げなければ特に限定されず、公知のプラスチック基材を用いることができる。プラスチック基材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂シート;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂シート;アクリロニトリルブタジエンスチレン;ポリ塩化ビニル等の各種のプラスチックシート等が使用できる。これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂シートが好ましく、ポリプロピレン樹脂により構成されるオレフィン系樹脂シートがより好ましい。ポリプロピレン樹脂を採用することにより、基材シートを薄いものとしても糊(接着剤)の塗布むら、あるいは被着材の表面の凹凸などの、いわゆるダクを拾いにくく、また優れた成型加工性が得られ、材料費や輸送費のコストアップを抑えることも可能となる。さらに、本発明の化粧シートに優れた耐候性、耐汚染性、耐傷性、耐溶剤性、及び耐熱性などの特性を付与することもできる。
ポリプロピレン樹脂としては、ホモポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂、あるいはポリプロピレン結晶部を有するポリプロピレン樹脂、ポリプロピレン結晶部を有するポリプロピレン樹脂以外の炭素数2〜20のα−オレフィン共重合体などが好ましく挙げられる。その他、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどを15モル%以上含むプロピレン−α−オレフィン共重合体、例えばエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体なども好ましく挙げられる。
ポリプロピレン樹脂は、ガラス転移点(Tg)が−50〜70℃であり、かつ融点(Tm)が130〜220℃である結晶性樹脂を用いることが好ましい。基材シートを構成するポリプロピレン樹脂が結晶性樹脂であると、ガラス転移温度(Tg)よりも高い温度領域でも融点(Tm)以下であれば安定した結晶構造を有するため、温度の変化による柔軟性の変化が少ない、すなわち柔軟性の温度依存性が低く、例えば化粧シートを加温(50〜120℃)しながら被着体にラッピング加工する際に、糊(接着剤)の塗布むら、あるいは被着体表面の凹凸などの、いわゆるダクを拾うことが抑制される。
結晶性樹脂としてのポリプロピレン樹脂のガラス転移点(Tg)は、−50〜70℃であることが好ましく、−20〜50℃であることがより好ましい。
ここで、ガラス転移点(Tg)は、JIS K7121−1987に準拠して測定される値である。具体的には、基材シートを試験片として、該試験片を室温から20℃/分の割合で昇温させ、示差走査熱量計(DSC)にて発熱量を測定し、吸熱曲線図又は発熱曲線図を作成し、変曲点前後の直線部分にそれぞれ延長線を引き、2本の延長線間の1/2直線と吸熱曲線又は発熱曲線との交点をTgとする。
結晶性樹脂としてのポリプロピレン樹脂の融点(Tm)は、130〜220℃であることが好ましく、130〜200℃であることがより好ましい。ポリプロピレン樹脂の融点を上記範囲とすることにより、本発明の化粧シートがより優れた成型加工性を示すことができる。
ここで、融点(Tm)は、JIS K7121−1987に準拠して測定される値である。具体的には、基材シートを試験片として、該試験片を室温から10℃/分の割合で昇温させて融解ピーク終了時より30℃高い温度まで加熱し、10分間保った後、10℃/分で40℃まで冷却し、再度同様の加熱及び冷却を繰返して得られたDSC曲線において、融解ピークの頂点の温度を融点(Tm)とした。なお、DSC曲線に複数の吸熱ピークがある場合には、最大面積の吸熱ピークの頂点温度を採用する。
基材シートの厚みは50〜280μmが好ましく、80〜250μmがより好ましく、100〜200μmが更に好ましい。基材シートの厚みが上記範囲であることにより、スプリングバックや白化が抑制されて、化粧シートがより優れた成型加工性を示すことができる。
基材シートは、着色剤により着色されていることが好ましい。着色されていることにより、化粧シートを設ける基板などの被着体の下地の隠蔽を行うことができると同時に、優れた意匠性が得られる。
基材シートに用いうる着色剤としては、カーボンブラック(墨)、鉄黒、チタン白、アンチモン白、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルーなどの無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルーなどの有機顔料、又は染料、アルミニウム、真鍮などの鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛などの鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料などが好ましく挙げられる。
着色剤の使用量は、基材シートを押出し成形して得る際の製膜性や、機械的強度を低下させない範囲であれば特に制限はない。
基材シートの形成に用いられる樹脂材料には、必要に応じて、添加剤が配合されてもよい。添加剤としては、例えば、充填剤、難燃剤、酸化防止剤、滑剤、発泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤などが挙げられる。
上記添加剤のうち、優れた加工特性を得る観点から、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルクなどの無機充填剤を含有することが好ましい。これらの無機充填剤の含有量は、基材シートに対して1〜60質量%の範囲が好ましい。
(プライマー層)
プライマー層は、基材シートと表面保護層との間に設けられ、これらの層の密着性や加工性を向上させるために好ましく設けられる層である。
プライマー層は、例えばバインダー樹脂とマット剤とを含む樹脂組成物により構成される。バインダー樹脂としては、特に制限はないが、例えば、ウレタン/アクリル共重合体、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリプロピレン樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂などが好ましく挙げられる。また、優れた密着性が得られる観点から2液硬化性樹脂が好ましい。
2液硬化性樹脂としては、主剤に硬化剤を添加して硬化する樹脂であれば特に制限はなく、主剤がポリオール(多価アルコール)であり、硬化剤がイソシアネート硬化剤である、2液硬化性ウレタン樹脂が好ましい。
主剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオールなどのポリオールのほか、(メタ)アクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸エステルと、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどのヒドロキシル基を有するモノマーとの付加重合によって得られるアクリルポリオール;公知のジオール類、例えばエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類とアジピン酸、マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸などの二塩基酸、これらの酸エステルなどから選ばれる少なくとも一種との重縮合反応によって得られるポリエステルポリオール;前記のジオール類とエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフランなどとの付加重合によって得られるポリエーテルポリオール;カーボネート構造を持ち、水酸基を両末端に有するポリカーボネートジオールなどの官能基として水酸基を有するポリオールが好ましく挙げられる。これらは単独又は複数種を混合して使用できる。
イソシアネート硬化剤としては、従来公知の化合物を適宜使用すればよく、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレンジイソシアネート 、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族イソシアネート、あるいは1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチレンジイソシアネート(MDI)、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂肪族(ないしは脂環式)イソシアネートなどのポリイソシアネートが用いられる。また、これら各種イソシアネートの付加体又は多量体、例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体(trimer)なども用いられる。
2液硬化性樹脂として、主剤(ポリカーボネートジオール)と硬化剤(ジイソシアネート)とを反応させて得られるポリカーボネート系ポリウレタンを、ラジカル重合開始剤を使用し、アクリルモノマーをラジカル重合させることにより得られるポリカーボネート系ウレタン/アクリル共重合体を使用することが好ましい。
製造工程におけるブロッキングを防止するため、プライマー層はマット剤を含むことが好ましい。マット剤としては、例えば、アルミナ、シリカ、カオリナイト、酸化鉄、ダイヤモンド、炭化ケイ素などの無機粒子や、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ナイロン樹脂、ポリプロピレン樹脂、尿素系樹脂などの有機粒子が好ましく挙げられ、いずれか1種を用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
マット剤の形状は、球、楕円体、多面体、鱗片形などが挙げられ、特に制限はないが、球状が好ましい。
マット剤の平均粒子径は、0.5〜5μmであることが好ましく、1〜3μmであることがより好ましい。ここで、平均粒子径は、レーザー回折式、あるいはレーザー散乱式粒子径分布測定により測定される体積基準の粒子径である。
マット剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して0.5〜30質量部であることが好ましく、1〜25質量部であることがより好ましく、3〜20質量部であることがさらに好ましい。含有量が上記範囲内であると、優れた密着性が得られる。
プライマー層の厚さは、通常0.5〜20μm程度であり、1〜10μmが好ましい。プライマー層の厚さが上記範囲内であると、優れた密着性が得られる。
(裏面プライマー層)
裏面プライマー層は、基材シートと各種の被着材との接着性を向上させる目的で好ましく設けられる層であり、基材シートの表面保護層を設ける側の面とは反対側の面に設けられる。
裏面プライマー層は、例えばバインダー樹脂とマット剤とを含む樹脂組成物により構成される。バインダー樹脂としては、上記のプライマー層において用いられるバインダー樹脂が好ましく挙げられ、被着材の材質などに応じて、適宜選択される。
また、マット剤としては、上記のプライマー層において用いられるマット剤が好ましく挙げられ、その平均粒子径、含有量も上記と同様である。
裏面プライマー層の厚さは、0.5〜5μm程度であることが好ましく、より好ましくは1〜3μm厚さが上記範囲内であると、基材シートと各種の被着体との優れた密着性が得られる。
(絵柄模様層)
本発明の化粧シートは、基材シート又は後述する着色隠蔽層の上に、必要に応じて絵柄模様層を形成してもよい。
絵柄模様層は、化粧シートに意匠性を付与する。絵柄模様としては、例えば木目模様、石目模様、砂目模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、布目模様、皮絞模様、幾何学図形、文字、記号、抽象模様、草花模様等が挙げられ、目的に応じて選択できる。
絵柄模様層は、例えば、絵柄模様を印刷することで形成できる。印刷手法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等が挙げられる。印刷インキとしては、着色剤、結着材樹脂、溶剤を含む印刷インキが使用できる。これらのインキは公知又は市販のものを使用してもよい。
着色剤としては特に限定されず、公知の無機顔料又は有機顔料を用いることができる。無機顔料としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等が挙げられる。また、有機顔料としては、例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等が挙げられる。顔料の含有量は、樹脂成分100質量部に対して10〜100質量部程度が好ましく、15〜50質量部程度がより好ましい。
結着材樹脂は、基材シートの種類に応じて設定できる。例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキド系樹脂、石油系樹脂、ケトン樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、繊維素誘導体、ゴム系樹脂等が挙げられる。
溶剤(又は分散媒)としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の石油系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル等のエステル系有機溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系有機溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤、;ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の塩素系有機溶剤;水などが挙げられる。これらの溶剤(又は分散媒)は、単独又は混合物の状態で使用できる。
絵柄模様層の厚みは、絵柄模様の種類より異なるが、一般には0.1〜20μm程度が好ましく、1〜5μm程度がより好ましい。
(着色隠蔽層)
基材シート上には、必要に応じて着色隠蔽層を形成してもよい。着色隠蔽層は、基材シート上に全面ベタ印刷層として形成される。
着色隠蔽層は、均一に着色が施されていてもよいし、種々の色彩が付与された絵柄層であってもよい。着色隠蔽層を設けることにより、被着材の表面を隠蔽することができ、また、基材シートが着色していたり色ムラがある場合に、意図した色彩を与えて表面の色を整えることができる。
着色隠蔽層は、例えば、顔料及び結着材樹脂を含む層とすることができる。この着色隠蔽層は、例えば、着色材、結着材樹脂、溶剤を含む印刷インキを使用し、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等の既知の印刷法により形成できる。これらのインキは公知又は市販のものを使用してもよい。
着色材、結着剤樹脂及び溶剤は、上述の絵柄模様層に用いられるものを用いることができる。
着色隠蔽層の厚みは、通常0.5〜20μm程度であり、1〜10μmが好ましく、1〜4μmがより好ましい。着色隠蔽層の厚さが上記範囲内にあれば、化粧シートに優れた意匠性を付与することができ、また隠蔽性を付与することができる。
粘着剤層を形成する粘着剤としては、保管時に剥離しにくく、使用時に剥離しやすく、また粘着剤残りがしにくくなる観点から、例えば、(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーを主体とするアクリル系粘着剤のほか、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが好ましく挙げられる。
また、粘着剤層の厚さは、5〜40μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。厚さが上記範囲内であると、保管時に剥離しにくく、使用時に剥離しやすく、また粘着剤残りがしにくくなる。
2.化粧シートの製造方法
本発明の化粧シートの製造方法としては特に限定されず、例えば、(1)基材シートを形成する工程1、(2)該基材シートにプライマー層及び/又は裏面プライマー層を形成する工程2、(3)該基材シート又はプライマー層上に、電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布し、架橋硬化させて表面保護層を形成する工程3を順に経ることにより製造することができる。
工程1は、基材シートを形成する工程である。基材シートは、樹脂材料に所望により着色剤やその他添加剤を添加した樹脂組成物を、例えば、カレンダー法、インフレーション法、Tダイ押し出し法などの方法によりシート化して得る。ここで、必要に応じて、2軸延伸してもよい。
得られた基材シートは、接する層との密着性を向上させる観点から、その表面に所望によりコロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン−紫外線処理法などの酸化法や、サンドブラスト法、溶剤処理法などの凹凸化法といった物理的または化学的表面処理を施して易接着層を設けてもよい。
工程2は、基材シートにプライマー層及び/又は裏面プライマー層を形成する工程であり、好ましく有する工程である。プライマー層及び裏面プライマー層は、これらの層を形成する樹脂組成物を、グラビア印刷法、バーコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、コンマコート法などの公知の塗布方法により塗布して形成すればよい。また、プライマー層及び裏面プライマー層の両方を設ける場合、いずれの層を先に形成してもよい。
工程3は、基材シート又は好ましくは該基材シート上に好ましく設けられるプライマー層上に、電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布し、架橋硬化させて表面保護層を形成する工程である。
電離放射線硬化性樹脂組成物の塗布は、好ましくは硬化後の厚さが1〜5μmとなるような厚さで、基材シート、又は所望に応じて設けられたプライマー層の表面にグラビア印刷法、バーコート法、ロールコート法、リバースロールコート法、コンマコート法などの公知の方式、好ましくはグラビア印刷法により行う。電離放射線硬化性樹脂組成物の粘度は、基材シートあるいはプライマー層の表面に電離放射線硬化性樹脂組成物の未硬化樹脂層を形成し得る粘度であればよく、特に制限はない。
次いで、電離放射線硬化性樹脂組成物を塗布して形成した未硬化樹脂層に、電子線、紫外線などの電離放射線を照射して該未硬化樹脂層を硬化させて、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物である表面保護層が形成される。
電離放射線として電子線を用いる場合、その加速電圧については、用いる樹脂や層の厚みに応じて適宜選定し得るが、通常加速電圧70〜300kV程度で未硬化樹脂層を硬化させることが好ましい。
電子線の照射においては、加速電圧が高いほど透過能力が増加するため、基材層として電子線により劣化する素材を使用する場合には、電子線の透過深さと樹脂層の厚みが実質的に等しくなるように、加速電圧を選定することにより、基材シートへの余分の電子線の照射を抑制することができ、過剰電子線による基材層の劣化を最小限にとどめることができる。
照射線量は、樹脂層の架橋密度が飽和する量が好ましく、通常5〜300kGy(0.5〜30Mrad)、好ましくは10〜100kGy(1〜10Mrad)、さらに好ましくは30〜70kGy(3〜7Mrad)の範囲で選定される。
また、電子線源としては、特に制限はなく、例えばコックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器を用いることができる。
電離放射線として紫外線を用いる場合には、波長190〜380nmの紫外線を含むものを放射する。紫外線源としては特に制限はなく、例えば高圧水銀燈、低圧水銀燈、メタルハライドランプ、カーボンアーク燈などが用いられる。
このようにして得られる、本発明の化粧シートは高い意匠性を示すマットタイプの化粧シートであり、耐汚染性に優れ、且つ、優れた成型加工性を示す。この特徴を活かし、本発明の化粧シートは、被着材と貼り合わせて、意匠性、耐汚染性を示す成型品として、自動車用内外装部品、建築物の内外装、建材、家具、もしくは家電製品用などの様々な部材に好適に用いることができる。
3.成型品
本発明の成型品は、被着材上に、本発明の化粧シートを有する。このような成型品としては、被着材、接着剤層、及び本発明の化粧シートを順に有する成型品が挙げられる。
本発明の成型品に用いられる被着材としては、特に限定されず、例えば、自動車部品等のプラスチック成型品等が挙げられる。プラスチック成型品としては、各種の合成樹脂からなるものを用いることができる。合成樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
また、プラスチック成型品と化粧シートとの密着性を向上させるために、所望により、その片面または両面に、コロナ放電処理、クロム酸化処理、火炎処理、熱風処理、オゾン−紫外線処理法などの酸化法や、サンドブラスト法、溶剤処理法などの凹凸化法といった物理的または化学的表面処理を施すことができる。
被着材と化粧シートとを接着するための接着剤層に用いられる接着剤としては特に限定されず、感熱接着剤や感圧接着剤(粘着剤)などが挙げられる。この接着剤層を構成する接着剤に用いられる樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合樹脂、スチレン−アクリル系共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂などの中から選ばれる少なくとも1種の樹脂が使用される。また、イソシアネートなどを硬化剤とするアクリル系接着剤、二液硬化型ポリウレタン系接着剤又はポリエステル系接着剤も適用し得る。
接着剤層は、上記の樹脂を溶液、あるいはエマルジョンなど塗布可能な形にしたものを、化粧シートの裏面又は被着材の表面に、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法などの手段により塗布、乾燥して形成することができる。
また、接着剤層は、上記の樹脂を溶液、あるいはエマルジョンなど塗布可能な形にしたものを、バーコーターによる塗布方法や、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法などの手段により剥離層(ライナー)上に塗布、乾燥し、一旦剥離層上に形成してもよい。剥離層上に形成した接着剤層を、被着材又は化粧シートの表面保護層とは反対側の面に貼り合わせ、剥離層を剥離することで、接着剤層を形成することができる。
剥離層としては特に限定されず、従来公知の剥離層として用いられているフィルムを用いることができ、例えば、シリコーン処理されたポリエステルフィルム等が挙げられる。
接着剤層の厚さは特に制限はないが、通常、1〜100μmの範囲である。この範囲とすることで、被着材と、化粧シートとの接着性をより向上させることができる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
実施例1
着色ポリプロピレン樹脂シート(「アートプライ(商品名)」,三菱樹脂株式会社製,厚さ:110μm)を基材シートとして用意し、その一方の面にポリエステル樹脂組成物(二液熱硬化型樹脂タイプ)を塗布してプライマー層(厚さ:2μm)を形成し、他方の面にポリエステル−ウレタン樹脂組成物を塗布して裏面プライマー層(厚さ:2μm)を形成した。
次いで、プライマー層上に、電離放射線硬化性樹脂組成物(ウレタンアクリレートオリゴマー(官能基数:2、重量平均分子量:3000)とウレタンアクリレートオリゴマー(官能基数:2、重量平均分子量:4000)との混合物(混合比(モル比)5:5)を100質量部、シリカを15質量部含有)をグラビア印刷によって塗布量10g/m2で塗布して、塗膜を形成した。次いで、175keV及び5Mrad(50kGy)の条件で電子線を照射して上記塗膜を架橋硬化させ、表面保護層(厚み:10μm)を形成し、化粧シートを得た。
次いで、接着剤層を形成するための接着剤として、アクリル系感圧接着剤(三洋化成工業株式会社製、商品名:ポリシック470−S)を用意した。この接着剤を、剥離層(ライナー)上にバーコータを用いて塗布し、90℃で乾燥して、剥離層上に20μmの接着剤層を形成した。剥離層としては、シリコーン処理を施したポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製 商品名:クリスパーK2372)を用いた。
次いで、得られた化粧シートの裏面プライマー層側の面に剥離層上の接着剤層を貼り合わせ、化粧シートの裏面に接着剤層を形成した。
接着剤層が形成された化粧シートを、ABS樹脂製の1Rの凸部を有する被着材に貼り合わせることができるよう、最適な寸法及び形状で打ち抜き加工を行った。
最後に、打ち抜き加工後の化粧シート裏面の接着剤層上の剥離層を剥離し、上記被着材の表面にスキージを用いて貼付し、成型品を製造した。貼付の際の、端部を凸部の裏側に巻き込むように折り返す作業において、巻き込み幅は、10mmとした。
実施例2〜9、比較例1〜7
化粧シートの総厚み、クラック発生伸度、及び2%モジュラス、並びに、表面保護層の厚み、オレイン酸の接触角、20°グロス、及び動摩擦係数を表1のように変更した以外は実施例1と同様にして、化粧シート及び成型品を製造した。
製造された化粧シート及び成型品について、以下の測定方法により性状を測定した。
(1)20°グロス
JIS Z−8741に準拠した方法により、光沢度測定器(BYKガードナー社製マイクログロス)を用いて、角度20°の条件により測定した。測定は、表面保護層の任意の5箇所について行い、平均値を測定値とした。
(2)オレイン酸の接触角
化粧シートの表面保護層の表面にオレイン酸を2μL滴下し、協和界面科学株式会社製CA−X型接触角計改良を用いて、液滴法にて測定温度23℃の条件で測定した。
(3)クラック発生伸度
化粧シートを用いてJIS K7127に準拠した短冊型の試験片を作製し、該試験片を、室温環境下において、引張試験機を用いて引張速度200mm/分、チャック間距離100mmの条件で、任意伸度で引っ張った後、該試験片をホワイトボード用マーカーでチャック間内を着色し、該着色部を布でふき取り、クラックの発生によりふき取れなくなったときの伸度をクラック発生伸度とした。
(4)2%モジュラス
JIS K7127に準拠した測定方法により、15mm×140mmの短冊型の試験片を用いて、室温環境下で引張速度200mm/min、チャック間距離100mmで、伸度2%の条件で荷重の値(N/15mm)を測定した。
(5)動摩擦係数
表面保護層の表面の動摩擦係数を、滑り/剥離試験機「SP−102C−3m90」(INSTRUMENTORS製)を用いて、荷重2Nの測定条件で測定した。
製造された化粧シート及び成型品について、以下の測定方法により特性を評価した。
(1)耐汚染性
化粧シートを屋外に6ヶ月間放置する実曝試験により、化粧シートの表面保護層を汚染し、汚れの状態を目視により観察して、下記評価基準に従って評価した。
◎:汚れが全く目立たない
○:汚れが殆ど目立たない
○△:汚れが多少目立つ
△:汚れが目立つ
×:汚れが非常に目立つ
(2)成型加工性
実施例及び比較例で得られた成型品の化粧シートの(i)クラック、(ii)白化、及び(iii)追従性(スプリングバック)の発生を、蛍光灯(直管型)の下で目視により観察し、下記の基準で評価した。
(i)クラック
◎:クラックが全く確認されない
○:クラックがわずかに発生しているが、外観上殆ど分からない
○△:クラックが多少発生し、外観上やや変化が見られる
△:クラックが発生し、外観上変化しているが、実使用上問題ない程度である
△×:クラックが発生し、外観上大きく変化している
×:クラックが強く発生し、外観に著しい変化がある
(ii)白化)
◎:白化が全く確認されない
○:白化がわずかに発生しているが、外観上殆ど分からない
○△:白化が多少発生し、外観上やや変化が見られる
△:端部に局所的に白化が発生し、外観上変化しているが、実使用上問題ない程度である
△×:端部に局所的に白化が発生し、外観上大きく変化している
×:端部に局所的に白化が強く発生し、外観に著しい変化がある
(iii)追従性(スプリングバック)
◎:化粧シートの浮きが全く確認されない
○:化粧シートの浮きがわずかに発生しているが、外観上殆ど分からない
○△:化粧シートの浮きが多少発生し、外観上やや変化が見られる
△:化粧シートの浮きがみられ、外観上変化しているが、実使用上問題ない程度である
△×:化粧シートの浮き、又はスプリングバックがみられ、外観上大きく変化している
×:化粧シートの浮き、又はスプリングバックが強く発生し、外観に著しい変化がある
評価結果を表1に示す。
1.基材シート
2.表面保護層
3.着色隠蔽層
4.絵柄模様層
5.プライマー層
6.マスキングフィルム
7.裏面プライマー層

Claims (4)

  1. 基材シート上に、少なくとも表面保護層を有する化粧シートであって、
    (1)前記表面保護層の表面の20°グロスが40未満であり、
    (2)前記表面保護層の表面のオレイン酸の接触角が12°以上であり、
    (3)前記表面保護層の表面の動摩擦係数が0.5以下であり、
    (4)前記化粧シートの厚みが50〜250μmであり
    (5)前記化粧シートは、クラック発生伸度が20〜300%であ
    (6)前記表面保護層の厚みが1〜5μmであり、
    (7)前記表面保護層は、電離放射線硬化型樹脂を含む、
    ことを特徴とする化粧シート。
  2. 2%モジュラスが5〜25N/15mmである、請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記基材シートの裏面に、更に裏面プライマー層を有する、請求項1又は2に記載の化粧シート。
  4. 被着材上に、請求項1〜のいずれかに記載の化粧シートを有する成型品。
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