JP7097162B2 - シート剥離装置およびシート剥離方法 - Google Patents
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さらに、冷却手段を備えれば、高周波誘電接着剤層が、加熱によって接着した後、冷却することによって強い接着力で接着する性質のものの場合、高周波誘電接着剤層を強制的に冷却し、自然冷却に比べて短時間で接着シートに剥離用シートを強い接着力で貼付することができる。
また、温度検知手段を備えれば、高周波誘電接着剤層が良好に接着する温度に達したことを確実に確認することができ、接着シートを被着体から剥離できなくなる剥離不良が発生することを確実に防止することができる。
さらに、高周波誘電接着剤層の温度が所定の第1温度以上となるまで、当該高周波誘電接着剤層に高周波を印加する構成とすれば、高周波誘電接着剤層が第1温度以上となることで良好に接着する性質のものの場合、剥離用シートを介して確実に接着シートを保持することができ、接着シートを被着体から剥離できなくなる剥離不良が発生することをより確実に防止することができる。
また、出力手段を備えれば、高周波誘電接着剤層が、加熱によって接着した後、冷却することによって強い接着力で接着する性質のものの場合、当該高周波誘電接着剤層が確実に所定の第2温度以下となったことを確認した後に、剥離用シートに張力を付与して被着体から接着シートを剥離することができ、剥離用シートが接着シートから剥がれることを確実に防止し、接着シートを被着体から剥離できなくなる剥離不良が発生することをより確実に防止することができる。
なお、本発明における接着または接着剤は、粘着または粘着剤を含むこととする。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な図1(AAおよびBBで示した図除く)中手前方向から観た場合を基準とし、図を指定することなく方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸と平行な図1中手前方向で「後」がその逆方向とする。
繰出手段22は、駆動機器としての回動モータ22Aと、その図示しない出力軸に支持され、支持ローラ21Cに支持された剥離用シートPSに回転力を付与する繰出ローラ22Bとを備えている。
リード保持手段23は、駆動機器としての直動モータ23Aの出力軸23Bに支持された収容手段23Cと、収容手段23Cの底面である吸着面23Dに形成された吸引孔23Eを介して吸着保持が可能な減圧ポンプや真空エジェクタ等の支持手段としての吸引手段23Fとを備えている。
保持補助手段24は、駆動機器としての直動モータ24Aと、その出力軸24Bに支持され、剥離用シートPSを吸着面23Dに当接させる補助ローラ24Cとを備えている。
高周波誘電加熱処理手段25は、収容手段23C内に収容された駆動機器としてのリニアモータ25Aと、そのスライダ25Bに支持され、剥離用シートPSを接着シートASに当接させる当接部材25Cと、当接部材25Cの内部に設けられ、高周波の電界を形成する高周波印加電極25D、25Eと、高周波電源や高周波発振機等によって所定の周波数、例えば、40.68MHzの高周波電流を高周波印加電極25D、25Eに供給する高周波発生装置25Fとを備えている。なお、高周波印加電極25D、25Eは、図1中AAで示す図のように、それぞれが1体ずつで構成されていてもよいし、同図中BBで示す図のように、それぞれが複数体ずつで構成されていてもよい。
切断手段26は、収容手段23C内に収容された駆動機器としてのリニアモータ26Aと、そのスライダ26Bに支持され、剥離用シートPSを切断可能な切断刃26Cとを備えている。
移動手段31は、駆動機器としてのリニアモータ31Aと、そのスライダ31Bに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段によって吸着保持が可能な支持面31Cを有する支持部材としてのテーブル31Dとを備えている。
誘導手段32は、駆動機器としてのリニアモータ32Aと、そのスライダ32Bに支持され、被着体WKから剥離した接着シートASが掛け回される誘導ローラ32Cとを備えている。
先ず、図1中実線で示す初期位置に各部材が配置されたシート剥離装置10に対し、当該シート剥離装置10の使用者(以下、単に「使用者」という)が同図のように剥離用シートPSをセットした後、図示しない操作パネルやパーソナルコンピュータ等の入力手段を介して自動運転開始の信号を入力すると、保持手段20が吸引手段23Fを駆動し、吸着面23Dでの剥離用シートPSの吸着保持を開始する。そして、人手または多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段によって、接着シートASが上方となる状態で被着体WKが支持面31C上に載置されると、張力付与手段30が図示しない減圧手段を駆動し、被着体WKの吸着保持を開始する。次いで、張力付与手段30がリニアモータ31Aを駆動し、テーブル31Dを右方向に移動させ、図1中二点鎖線で示すように、接着シートASの左端部を当接部材25Cの直下に位置させる。
テープ支持手段21は、繰出手段22方向に付勢されることなく剥離用シートPSを支持してもよく、この場合、繰出手段22は、繰出ローラ22Bとで剥離用シートPSを挟み込むピンチローラ等を採用すればよい。
保持補助手段24は、補助ローラ24Cに代えてまたは併用して、棒状部材、板状部材、エアの吹き付け等で剥離用シートPSを吸着面23Dに当接させる構成を採用してもよいし、接着シートAS剥離後の剥離用シートPSをリード保持手段23のみで保持可能であれば、なくてもよい。
高周波誘電加熱処理手段25は、高周波印加電極25D、25Eのうち一方を1体とし、他方を複数体としてもよいし、高周波印加電極25D、25Eのうち一方を当接部材25Cの内部に設け、他方をテーブル31Dの内部やその他の位置に設けてもよいし、当接部材25Cの外部に高周波印加電極25D、25Eや高周波発生装置25Fを設けてもよいし、当接部材25Cの代わりに、気体を吹き付けて剥離用シートPSを接着シートASに当接させる構成を採用してもよいし、当接部材25Cで剥離用シートPSを接着シートASに押圧して、または押圧することなく当接させてもよいし、当接部材25Cがなくてもよい。当接部材25Cがない場合、剥離用シートPSが自重で接着シートASに当接すればよい。
高周波発生装置25Fが高周波印加電極25D、25Eに供給する高周波電流の周波数は、例えば、13.56MHz、27.12MHz、60MHz、100MHz、200MHz等、工業用に割り当てられた周波数でもよいし、その他、例えば、5MHz、127MHz、270MHz等でもよく、高周波と言われる例えば3MHz~300MHzの範囲さらには、その前後の範囲のどのような周波数でもよく、高周波誘電接着剤層HAに印可することで、当該高周波誘電接着剤層HAが加熱して接着力を生じる、または、接着力が増加する周波数であればどのような周波数でもよい。
高周波発生装置25Fが高周波印加電極25D、25Eに高周波電流を供給する所定時間は、シート剥離装置10が予め記憶していてもよいし、高周波誘電接着剤層HAの特性、特質、性質、材質、組成、構成、形状、寸法および重量や、雰囲気の条件や、その他の要因等を考慮して使用者が任意に決定してもよい。
高周波誘電加熱処理手段25および切断手段26の少なくとも一方は、収容手段23Cに収容されていなくてもよいし、収容手段23Cがなくてもよい。
切断手段26は、剥離用シートPSを切断しなくてもよいし、他の装置で剥離用シートPSを切断する場合、本発明のシート剥離装置10に備わっていなくてもよい。
張力付与手段30は、本発明のシート剥離装置10に備わっていなくてもよく、この場合、接着シートASが貼付された被着体WKを他の装置で支持し、当該他の装置が保持手段20に対して被着体WKを相対移動させ、接着シートASに貼付された剥離用シートPSに張力を付与して被着体WKから接着シートASを剥離すればよい。
張力付与手段30は、接着シートASが貼付された被着体WKを他の装置で支持する場合、他の装置で支持した被着体WKを移動させずにまたは移動させつつ保持手段20を移動させ、接着シートASに貼付された剥離用シートPSに張力を付与して被着体WKから接着シートASを剥離する構成としてもよい。
誘導手段32は、誘導ローラ32Cに代えてまたは併用して、棒状部材、板状部材、エアの吹き付け等で接着シートASを誘導してもよいし、なくてもよい。
温度検知手段50は、高周波発生装置25Fが高周波電流の供給を行っている最中に、高周波誘電接着剤層HAの温度を検知する構成としてもよく、この場合、保持手段20は、高周波誘電接着剤層HAの温度が第1温度以上となったことを温度検知手段50が検知した時点で、高周波発生装置25Fの駆動を停止するように構成してもよいし、高周波誘電接着剤層HAの温度が第1温度以上となったことを温度検知手段50が検知した時点から、当該第1温度以下にならないように制御しつつ所定の時間経過した後、高周波発生装置25Fの駆動を停止するように構成してもよい。
第1温度は、高周波誘電接着剤層HAが接着シートASに良好に接着することができる温度であれば何度でもよく、シート剥離装置10が予め記憶していてもよいし、高周波誘電接着剤層HAの特性、特質、性質、材質、組成、構成、形状、寸法および重量や、雰囲気の条件や、その他の要因等を考慮して使用者が任意に決定してもよい。
第2温度は、高周波誘電接着剤層HAが冷却前の接着力に比べて強い接着力で接着することができる温度であれば何度でもよく、シート剥離装置10が予め記憶していてもよいし、高周波誘電接着剤層HAの特性、特質、性質、材質、組成、構成、形状、寸法および重量や、雰囲気の条件や、その他の要因等を考慮して使用者が任意に決定してもよい。
剥離用シートPSは、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形等、その形状に限定されることはないし、例えば、高周波誘電接着剤層HAだけの単層のものでもよいし、基材シートBSと高周波誘電接着剤層HAとの間に中間層を有するものでもよいし、基材シートBS側および高周波誘電接着剤層HA側の少なくとも一方に剥離シートを有する3層以上のものでもよいし、基材シートBSを高周波誘電接着剤層HAから剥離可能なものでもよいし、基材シートBSが樹脂、紙、布、金属等の材料で形成されたものでもよいし、基材シートBSが糸や紐状等のシート状でないもので形成されたものでもよい。
前記実施形態において、ローラ等の回転部材が採用されている場合、当該回転部材を回転駆動させる駆動機器を備えてもよいし、回転部材の表面や回転部材自体をゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、回転部材の表面や回転部材自体を変形しない部材で構成してもよいし、支持(保持)手段や支持(保持)部材等の被支持部材を支持または保持するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤、粘着剤、磁力、吸引力、ベルヌーイ吸着、駆動機器等で被支持部材を支持(保持)する構成を採用してもよいし、切断手段や切断部材等の被切断部材を切断するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、カッター刃、レーザカッタ、イオンビーム、火力、熱、水圧、電熱線、気体や液体等の吹付け等で切断するものを採用したり、適宜な駆動機器を組み合わせたもので切断するものを移動させて切断するようにしたりしてもよいし、付勢手段が採用されている場合、ばね、ゴム、樹脂等の弾性部材で構成してもよい。
20…保持手段
25…高周波誘電加熱処理手段
40…冷却手段
50…温度検知手段
60…出力手段
AS…接着シート
HA…高周波誘電接着剤層
PS…剥離用シート
WK…被着体
Claims (6)
- 被着体に貼付された接着シートに剥離用シートを貼付し、当該剥離用シートを介して前記接着シートを保持する保持手段を備え、当該保持手段で保持した前記剥離用シートに張力を付与して前記被着体から前記接着シートを剥離するシート剥離装置において、
前記剥離用シートおよび前記接着シートの少なくとも一方における相手方に当接する面側には、高周波が印加されることで加熱して接着力を生じる、または、接着力が増加する高周波誘電接着剤層が設けられ、
前記保持手段は、前記高周波誘電接着剤層に高周波を印加する高周波誘電加熱処理手段を備えていることを特徴とするシート剥離装置。 - 前記高周波が印加されて加熱した高周波誘電接着剤層を冷却する冷却手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のシート剥離装置。
- 前記高周波誘電接着剤層の温度を検知する温度検知手段を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシート剥離装置。
- 前記保持手段は、前記高周波誘電接着剤層の温度が所定の第1温度以上となったことを前記温度検知手段が検知するまで、前記高周波誘電接着剤層に高周波を印加することを特徴とする請求項3に記載のシート剥離装置。
- 所定の信号を出力する出力手段を備え、当該出力手段は、前記高周波誘電接着剤層の温度が所定の第2温度以下となったことを前記温度検知手段が検知すると、前記接着シートに貼付した前記剥離用シートに張力を付与することを許可する前記所定の信号を出力することを特徴とする請求項3または請求項4に記載のシート剥離装置。
- 被着体に貼付された接着シートに剥離用シートを貼付する貼付工程と、前記貼付工程で貼付した前記剥離用シートを介して前記接着シートを保持する保持工程とを実施し、当該保持工程で保持した前記剥離用シートに張力を付与して前記被着体から前記接着シートを剥離するシート剥離方法において、
前記貼付工程において相手方に当接する面側に、高周波が印加されることで加熱して接着力を生じる、または、接着力が増加する高周波誘電接着剤層が設けられた前記剥離用シートおよび前記接着シートの少なくとも一方を用意する用意工程と、
前記高周波誘電接着剤層に高周波を印加する高周波誘電加熱処理工程とを実施することを特徴とするシート剥離方法。
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