JP7095984B2 - モータ搭載自動車の駆動制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、モータ搭載自動車の駆動制御装置に関し、インバータのスイッチング素子の温度を精度よく検出することができる技術に関する。
電気自動車(EV:Electric Vehicle)、ハイブリッド電気自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)等の駆動用モータを搭載した自動車において、モータおよびインバータを冷却する冷却装置がある。冷却装置では冷却水の温度によって、ファンを回すまたは冷却水の流量を変更する場合がある。
またインバータでは、内部のスイッチング素子の温度をモニタし、上限温度に達しそうな場合は、トルク制限または電流制限を行うかあるいは駆動を停止させることでスイッチング素子の異常を防止する。例えば、スイッチング素子の検出温度が実際の温度より大きい方にずれた場合は、電流制限する温度に直ぐに達してしまい、過剰にトルク制限がかかってしまう。逆に、スイッチング素子の検出温度が実際の温度より小さい方にずれた場合は、本来、電流制限をかけるべき温度になっても電流制限をかけることができず、スイッチング素子に異常が発生する場合がある。よって、各温度センサが正常に動作することは重要である。
特許第5770649号公報 特許第3409756号公報
温度センサの異常検出には、簡単な方法では、正常温度範囲から外れるような場合は、回路または配線のオープンまたはショート故障が発生したものとして異常だと判定する。例えば、-50℃以下の場合、200℃以上等の場合に温度センサの異常と判定する。
但し、このような検出方法では、中途半端な異常の検出ができない。中途半端な異常として、例えば、正常な温度範囲内に入るが温度検出値が固定値となってしまう、または、正常な温度範囲内に入るが温度検出値が実際の温度からずれてしまうような異常である。
特許文献1では、電流積算値と温度変化量をそれぞれ座標軸として異常な領域に入る場合、異常と判定する方法が提案されている。
特許文献2では、電流積算値から推定した温度が所定値以上変化したときに検出温度が所定値以上温度変化しているか確認する方法が提案されている。
これらの方法では、温度変化量は確認できるが、温度変化前の温度が正しいか分からないため、検出温度が実際の温度よりずれている可能性がある。
したがって、従来技術においても、スイッチング素子の検出温度が実際の温度より大きい方にずれた場合、電流制限する温度に直ぐに達してしまい、過剰にトルク制限がかかってしまう。逆に、スイッチング素子の検出温度が実際の温度より小さい方にずれた場合、本来、電流制限をかけるべき温度になっても電流制限をかけることができず、スイッチング素子に異常が発生する場合がある。
この発明の目的は、インバータのスイッチング素子の温度を精度よく検出することができるモータ搭載自動車の駆動制御装置を提供することである。
この発明のモータ搭載自動車の駆動制御装置16は、左右の駆動輪2,2を駆動する二つのモータ6,6をそれぞれ独立して駆動可能な車両に搭載され、直流電力を前記各モータ6の駆動に用いる交流電力に変換する二つのインバータ25a,25aを含むパワー回路部25,25と、与えられる指令トルクに従って前記パワー回路部25,25を介して前記各モータ6を制御するモータコントロール部26とを備え、前記各インバータ25aは、複数のスイッチング素子33の開閉により直流電力を交流電力に変換するモータ搭載自動車の駆動制御装置において、
一方のモータ6を駆動するインバータ25aの複数のスイッチング素子33のいずれか一つ、および他方のモータ6を駆動するインバータ25aの複数のスイッチング素子33のいずれか一つに設けられて対応するスイッチング素子33の温度をそれぞれ検出する二つの温度検出部29,29と、
これら温度検出部29,29で検出された温度を互いに比較することで各温度検出部29に異常があるか否かを判定する温度検出異常判定部30と、を備え、
この温度検出異常判定部30は、前記モータコントロール部26に指令トルクが与えられていない前記各モータ6の非通電時に、二つの前記温度検出部29,29で検出された温度の差が定められた範囲内に入っていないとき、いずれかの温度検出部29に異常があると判定する。
前記定められた範囲は、設計等によって任意に定める範囲であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な範囲を求めて定められる。
この構成によると、温度検出異常判定部30は、各モータ6の非通電時に、二つのスイッチング素子33,33の温度を互いに比較する。前記非通電時は、このモータ搭載自動車の停車時であり、前記非通電時であれば、例えば、スイッチング素子、ヒートシンク、インバータを冷却する水温等が上昇していないため、二つのインバータ25a,25aは略同じ温度となるはずである。このため、温度検出異常判定部30は、前記非通電時において、単純に二つのスイッチング素子33,33の温度を比較することで、温度変化前の検出温度が正しいかどうかを判定することができる。これにより各温度検出部29に異常があるか否かを精度よく判定し得る。
前記温度検出異常判定部30は、前記指令トルクが零となった後定められた時間の経過後の前記各モータ6の非通電時に異常判定を行うか、または前記指令トルクが零となった後二つの前記温度検出部29,29で検出された温度が定められた下降度合よりも小さくなった前記各モータ6の非通電時に異常判定を行ってもよい。
前記下降度合とは、単位時間当たりに下降する温度を言う。
前記定められた時間、前記定められた下降度合は、それぞれ設計等によって任意に定める時間、下降度合であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な時間、下降度合を求めて定められる。
この構成によると、非通電時であっても直前まで電流を流していたことによる温度上昇分を考慮することができる。温度検出異常判定部30は、指令トルクが零となった後定められた時間を経過させることで、例えば、温められたヒートシンク等も冷却水により冷やされて、略水温に近い値まで二つのスイッチング素子温度が下がる。また、その際に温度の下降度合が冷却水温に近づくにつれて小さくなるため、温度の下降度合が小さくなったことで二つのスイッチング素子温度が水温に近い値になってきたことが推測できる。
前記温度検出異常判定部30は、前記指令トルクが零となった後時間の経過に従って前記定められた範囲を小さくしてもよい。このように定められた範囲を可変とすることで、温度検出部29の異常を判定するタイミングを早めることができる。すなわち、非通電時間が短くても温度検出部29の異常を判定することができる。
前記各インバータ25aに冷却液を個別に流す二つの冷却路18,18と、各冷却路18にわたる循環経路19に冷却液を循環させるポンプ22と、前記冷却液を冷却するラジエータ23とを備え、前記二つの冷却路18,18が直列に接続され、
前記温度検出異常判定部30は、前記モータコントロール部26から指令トルクが与えられている前記各モータ6の通電時に、前記ラジエータ23に対し循環経路19の上流側のインバータ25aに通電する電流の指令値または検出値から、冷却液の温度上昇値を冷却液温度上昇推定値として推定する冷却液温度上昇値推定部30aと、前記二つのインバータ25a,25aに通電する電流の指令値または検出値から、前記上流側の前記インバータ25aにおける前記スイッチング素子33および前記ラジエータ23に対し前記循環経路19の下流側の前記インバータ25aにおける前記スイッチング素子33の温度上昇値をそれぞれスイッチング素子温度上昇推定値として推定するスイッチング素子温度上昇値推定部30bと、を有し、
前記温度検出異常判定部30は、
前記上流側の前記インバータ25aにおける前記スイッチング素子33を対応する温度検出部29で検出した温度検出値T1から、前記上流側の前記インバータ25aにおける前記スイッチング素子33のスイッチング素子温度上昇推定値T1uを減算した値と、
前記下流側の前記インバータ25aにおける前記スイッチング素子33を対応する温度検出部29で検出した温度検出値T2から、前記下流側の前記インバータ25aにおける前記スイッチング素子33のスイッチング素子温度上昇推定値T2uを減算した値に対し、冷却液温度上昇推定値Tw1uを減算した値との差が、定められた範囲内に入っていないとき、いずれかの温度検出部29に異常があると判定してもよい。
この構成によると、二つの冷却路18,18が直列に接続されている場合において、上流側のインバータ25aを通過したときの冷却液温度上昇分が、二つのインバータ25a,25aのスイッチング素子温度の違いとして現れる。二つのモータ6,6が異なるトルク(異なる電流)の場合は、冷却液温度上昇値に加え、各インバータ25a,25aのスイッチング素子33,33の温度上昇分が二つのインバータ25a,25aのスイッチング素子温度の違いとして現れる。よって、通電時においても、上流側のスイッチング素子33の温度検出値T1からスイッチング素子温度上昇推定値T1uを減算した値(T1-T1u)と、下流側のスイッチング素子33の温度検出値T2からスイッチング素子温度上昇推定値T2uを減算した上で冷却液温度上昇推定値Tw1uを減算した値(T2-T2u-Tw1u)との差(|(T1-T1u)-(T2-T2u-Tw1u)|)が定められた範囲内か否かで温度検出部29の異常を判定することができる。
前記上流側および下流側のインバータ25a,25aに通電する電流が同一のとき、前記温度検出異常判定部30は、
前記上流側における前記インバータ25aの前記スイッチング素子33を対応する温度検出部29で検出した温度検出値T1と、
前記下流側における前記インバータ25aの前記スイッチング素子33を対応する温度検出部29で検出した温度検出値T2から、冷却液温度上昇推定値Tw1uを減算した値との差が、定められた範囲内に入っていないとき、いずれかの温度検出部29に異常があると判定してもよい。
この上流側および下流側のインバータ25a,25aに通電する電流が同一の場合、上流側および下流側の二つのスイッチング素子33,33の温度上昇値は同じであるため、スイッチング素子33の温度上昇値を計算する必要がなくなり、温度検出部29の異常判定の簡略化が可能となる。
前記各インバータ25a,25aに冷却液を個別に流す二つの冷却路18,18と、各冷却路18にわたる循環経路19に冷却液を循環させるポンプ22と、前記冷却液を冷却するラジエータ23とを備え、前記二つの冷却路18,18が並列に接続され、
前記温度検出異常判定部30は、前記モータコントロール部26から指令トルクが与えられている前記各モータ6の通電時に、前記二つのインバータ25a,25aに通電する電流の指令値または検出値から、対応するスイッチング素子33の温度上昇値をそれぞれスイッチング素子温度上昇推定値として推定するスイッチング素子温度上昇値推定部30bを有し、
前記温度検出異常判定部30は、
一方のスイッチング素子33を対応する温度検出部29で検出した温度検出値T1から、前記一方のスイッチング素子33のスイッチング素子温度上昇推定値T1uを減算した値と、
他方のスイッチング素子33を対応する温度検出部29で検出した温度検出値T2から、前記他方のスイッチング素子33のスイッチング素子温度上昇推定値T2uを減算した値と、の差が、定められた範囲内に入っていないとき、いずれかの温度検出部29に異常があると判定してもよい。
この構成によると、二つの冷却路18,18が並列に接続されている場合において、スイッチング素子33の温度上昇値を推定することで、通電時でも温度検出部29の異常判定を行うことができる。さらに並列接続の場合、上流側での冷却液温度上昇値を推定しなくてもよくなるため、直列接続よりも簡単に温度検出部29の異常判定を行うことができる。
前記二つのインバータ25a,25aに通電する電流が同一のとき、前記温度検出異常判定部30は、一方のスイッチング素子33を対応する温度検出部29で検出した温度検出値T1と、他方のスイッチング素子33を対応する温度検出部29で検出した温度検出値T2との差が定められた範囲内に入っていないとき、いずれかの温度検出部29に異常があると判定してもよい。
この二つのインバータ25a,25aに通電する電流が同一の場合、二つのスイッチング素子33,33の温度上昇値は同じであるため、スイッチング素子33の温度上昇値を計算する必要がなくなり、温度検出部29の異常判定の簡略化が可能となる。
この発明のモータ搭載自動車の駆動制御装置は、左右の駆動輪を駆動する二つのモータをそれぞれ独立して駆動可能な車両に搭載され、直流電力を前記各モータの駆動に用いる交流電力に変換する二つのインバータを含むパワー回路部と、与えられる指令トルクに従って前記パワー回路部を介して前記各モータを制御するモータコントロール部とを備え、前記各インバータは、複数のスイッチング素子の開閉により直流電力を交流電力に変換するモータ搭載自動車の駆動制御装置において、一方のモータを駆動するインバータの複数のスイッチング素子のいずれか一つ、および他方のモータを駆動するインバータの複数のスイッチング素子のいずれか一つに設けられて対応するスイッチング素子の温度をそれぞれ検出する二つの温度検出部と、これら温度検出部で検出された温度を互いに比較することで各温度検出部に異常があるか否かを判定する温度検出異常判定部と、を備え、この温度検出異常判定部は、前記モータコントロール部に指令トルクが与えられていない前記各モータの非通電時に、二つの前記温度検出部で検出された温度の差が定められた範囲内に入っていないとき、いずれかの温度検出部に異常があると判定する。このため、インバータのスイッチング素子の温度を精度よく検出することができる。
この発明の実施形態に係る駆動制御装置を搭載したモータ搭載自動車を平面図で示す概念構成のブロック図である。 同モータ搭載自動車におけるインホイールモータ駆動装置の断面図である。 同駆動制御装置のインバータの冷却路の接続例を示す図である。 同インバータの冷却路を直列に接続した例を示す図である。 同駆動制御装置の制御系のブロック図である。 通電停止後、定められた時間経過後に異常判定を行う例を示す図である。 通電停止後、スイッチング素子の温度の下降度合が定められた下降度合よりも小さくなったときに異常判定を行う例を示す図である。 通電停止後時間経過に従って定められた範囲を小さくする例を示す図である。 通電時に二つのスイッチング素子の温度が飽和してきたときに異常判定を行う例を示す図である。 スイッチング素子の温度上昇を推定するマップ例を示す図である。 水温上昇を推定するマップ例を示す図である。 (A)はこの発明の他の実施形態に係る駆動制御装置のインバータの冷却路の接続例を示す図、(B),(C)はさらに他の冷却路の接続例を示す図である。 (A)は、この発明のさらに他の実施形態に係る駆動制御装置のインバータの冷却路の接続例を示す図、(B)は、図13(A)の各インバータの冷却路を拡大して示す図である。 (A)はこの発明のさらに他の実施形態に係る駆動制御装置のインバータの冷却路の接続例を示す図、(B),(C)はさらに他の冷却路の接続例を示す図である。 この発明のさらに他の実施形態に係る駆動制御装置を搭載したモータ搭載自動車を平面図で示す概念構成のブロック図である。
この発明の実施形態を図1ないし図11と共に説明する。
<このモータ搭載自動車の概念構成について>
図1は、この実施形態に係る駆動制御装置を搭載したモータ搭載自動車を平面図で示す概念構成のブロック図である。このモータ搭載自動車は、車体1の左右の後輪となる車輪2が駆動輪とされ、左右の前輪となる車輪3が従動輪とされた4輪の電気自動車である。前輪となる車輪3は操舵輪とされている。駆動輪となる左右の車輪2,2は、それぞれ独立の走行用のモータ6により駆動される。各モータ6は、後述のインホイールモータ駆動装置IWMを構成する。各車輪2,3には、ブレーキが設けられている。また左右の前輪となる操舵輪である車輪3,3は、図示しない転舵機構を介して転舵可能であり、ハンドル等の操舵手段15により操舵される。
<インホイールモータ駆動装置IWMの概略構成について>
図2に示すように、左右のインホイールモータ駆動装置IWMは、それぞれ、モータ6、減速機7および車輪用軸受4を有し、これらの一部または全体が車輪内に配置される。モータ6の回転は、減速機7および車輪用軸受4を介して駆動輪である車輪2に伝達される。車輪用軸受4のハブ輪4aのフランジ部には前記ブレーキを構成するブレーキロータ5が固定され、同ブレーキロータ5は、車輪2と一体に回転する。
モータ6は、三相のモータであり、例えば、ロータ6aのコア部に永久磁石が内蔵された埋込磁石型同期モータである。このモータ6は、ハウジング8に固定したステータ6bと、回転出力軸9に取り付けたロータ6aとの間にラジアルギャップを設けたモータである。
<冷却系統について>
図1および図3に示すように、この駆動制御装置16は、左右のモータ6,6の制御を行うインバータ装置13を有する。このインバータ装置13は、各モータ6に対応する二つのインバータ25a,25aに冷却液を個別に流す二つの冷却路18,18を有する。図3および図4に示すように、このモータ搭載自動車は、各冷却路18にわたる循環経路19に冷却液を循環させるポンプ22と、この冷却液を冷却するラジエータ23とを備える。ラジエータ23は、例えば、走行風に当たり易い車体の前部に設置される。ポンプ22としては、いわゆるウォーターポンプが適用される。
ラジエータ23の下流に、順次、各インバータ25a,25aの冷却路18,18、ポンプ22が直列に配管接続され、このポンプ22にラジエータ23が配管接続されることで、循環経路19を構成する。またこの例では、ラジエータ23の直ぐ下流で且つ上流側の冷却路18よりも上流の循環経路途中に、冷却液の水温を検出する水温センサ24が設けられている。ECU14(図1)は、例えば、水温センサ24で検出される水温が定められた温度以上になると、ラジエータ23のファン23aを回転駆動させ、またポンプ22により流量を増加させる等の制御を行う。
<制御系について>
図5は、この駆動制御装置16の制御系のブロック図である。駆動制御装置16は、自動車全般の制御を行う電気制御ユニットであるECU14と、このECU14の指令に従って走行用の左右のモータ6,6の制御を行うインバータ装置13とを有する。ECU14は、電気自動車の場合、VCU(車両制御ユニット)とも称される。
インバータ装置13は、各モータ6に対してそれぞれ設けられたパワー回路部25,25と、これらパワー回路部25,25を制御するモータコントロール部26とを有する。モータコントロール部26は、各モータ6に対応するモータ駆動制御部27,27と、指令電流演算部28,28と、温度測定回路29a,29aと、温度検出異常判定部30と、トルク制限部31とを備える。モータコントロール部26は、このモータコントロール部26が持つインホイールモータ駆動装置IWM(図1)に関する各検出値および制御値等の各情報をECU14に出力する機能を有する。
各パワー回路部25は、バッテリ32の直流電力を各モータ6の駆動に用いる三相の交流電力に変換するインバータ25aと、このインバータ25aを駆動するゲートドライブ回路25bとを有する。各インバータ25aは、U相,V相,W相の半導体スイッチング素子(複数のスイッチング素子)33を含むハーフブリッジ回路で構成される。ゲートドライブ回路25bは、入力されたオンオフ指令を基に各半導体スイッチング素子(IGBT)33を駆動する。なお各インバータ25aはフルブリッジ回路で構成してもよい。
モータコントロール部26は、コンピュータとこれに実行されるプログラム、および電子回路により構成され、その基本となる制御部としてモータ駆動制御部27,27を有する。各モータ駆動制御部27は、各系統を個別に制御する。図1および図5に示すように、ECU14の指令トルク演算部14aは、アクセル操作部20の出力するアクセル開度の信号(加速指令)と、ブレーキ操作部21の出力する減速指令とから、あるいは加速指令と減速指令と操舵手段15の出力する旋回指令とから、左右の後輪2,2のモータ6,6に与える加速・減速指令を指令トルクとして生成し、モータコントロール部26のトルク制限部31を介して各指令電流演算部28へ出力する。
図5に示すように、トルク制限部31は、ECU14の指令トルク演算部14aから指令トルクが送られてきた際に、必要に応じてトルク制限をかける。このトルク制限部31では、半導体スイッチング素子33、モータ6および油温度等が高温になった場合等に制限をかけ最悪駆動を停止する。また、後述するように温度検出異常判定部30から検出温度が異常だと判定された場合、トルク制限部31は、過熱状態にならない程度のトルク(例えば最大トルクの半分)に制限して制御を継続してもよいし、制御を停止させてもよい。
各指令電流演算部28は、ECU14からトルク制限部31を介して与えられる指令トルク等による加速・減速指令に対応する電流指令を演算し、各モータ駆動制御部27および後述する温度検出異常判定部30へ与える。各モータ駆動制御部27は、インバータ25aから各モータ6に流す電流を電流センサ34から得て、電流指令に対し、検出される電流を追従させる電流フィードバック制御を行う。フィードバック制御により指令電圧を算出し、指令電圧をパルス幅変調信号にして、ゲートドライブ回路25bにオンオフ指令を与える。
<温度検出部、温度検出異常判定部等について>
このインバータ装置13には、二つの温度検出部29,29が設けられている。一方の温度検出部29は、一方のモータ6を駆動するインバータ25aの複数の半導体スイッチング素子33のいずれか一つに設けられた測定部29bと、この測定部29bで測定された電圧等から成る測定値を温度に変換する温度測定回路29aとを有する。この一方の温度検出部29により、対応する半導体スイッチング素子33の温度を検出し得る。
他方の温度検出部29は、他方のモータ6を駆動するインバータ25aの複数の半導体スイッチング素子33のいずれか一つに設けられた測定部29bと、この測定部29bで測定された測定値を温度に変換する温度測定回路29aとを有する。この他方の温度検出部29により、対応する半導体スイッチング素子33の温度を検出し得る。各温度検出部29の測定部29bとして、例えば、温度センシング用のダイオードまたはサーミスタを適用し得る。各温度検出部29の温度測定回路29aとして、例えば、測定値をリニアライズ(直線化)する手段、高電圧と低電圧との絶縁体、電圧増幅用のアンプ、フィルタ回路およびADコンバータ等が含まれる。
なお各温度検出部29は、例えば負電圧側のU相の半導体スイッチング素子33に測定部29bを固着してこの半導体スイッチング素子33の温度を検出しているが、この例に限定されるものではない。例えば、負電圧側の他の相の半導体スイッチング素子33、正電圧側のいずれかの相の半導体スイッチング素子33に測定部29bを固着してこの半導体スイッチング素子33の温度を検出してもよい。
温度検出異常判定部30は、非通電時および通電時に、いずれかの温度検出部29,29に異常があるか否かを判定する。前記非通電時は、ECU14からモータコントロール部26に指令トルクが与えられていない各モータ6の通電停止時であり、前記通電時は、ECU14からモータコントロール部26に指令トルクが与えられている状態である。
図4に示すように、各インバータ25a,25aの冷却路18,18が直列に接続されている場合、図5に示すように、温度検出異常判定部30は、二つのインバータ25a,25aのスイッチング素子温度の比較により温度検出部29の異常を判定する。温度検出部29の異常とは、例えば、(1)正常温度範囲から外れる場合、(2)正常な温度範囲内に入るが温度検出値が固定値となる場合、(3)正常な温度範囲内に入るが温度検出値が実際の温度からずれる場合等である。
<非通電時の異常判定について>
温度検出異常判定部30は、二つの温度検出部29,29で検出された温度の差が定められた範囲内に入っていないとき、いずれかの温度検出部29に異常があると判定する。非通電時には、二つのインバータ25a,25aで略同じ温度となるはずだからである。
但し、通電時から非通電時に移行した直後であると、スイッチング素子温度が下がりきるのに時間がかかるので、温度検出異常判定部30は、図6に示すように、指令トルクが零となった後定められた時間t1の経過後異常判定を行うか、または、図7に示すように、指令トルクが零となった後二つの温度検出部29,29(図5)で検出された温度が定められた下降度合よりも小さくなったときに異常判定を行う。前記下降度合とは、単位時間当たりに下降する温度を言う。
また図5および図8に示すように、温度検出異常判定部30は、指令トルクが零となった後時間の経過に従って定められた範囲(閾値)Kを小さくする。この場合の指令トルクが零となった後の最初の閾値Kは、直前の電流値または電流の二乗の積算値等から決める。ここでいう電流値は、各指令電流演算部28から与えられる電流指令を用いてもよいし、電流センサ34で検出される電流を用いてもよい。
<通電時の異常判定について>
図3および図5に示すように、上流側および下流側のインバータ25a,25aに通電する電流が同一(つまり二つのモータ6,6が同一トルク)のとき、温度検出異常判定部30は、上流側のスイッチング素子33を対応する温度検出部29で検出した温度検出値T1と、下流側のスイッチング素子33を対応する温度検出部29で検出した温度検出値T2から冷却液温度上昇推定値Tw1uを減算した値(T2-Tw1u)との差(|T1-(T2-Tw1u)|)が、定められた範囲内に入っていないとき、いずれかの温度検出部29に異常があると判定する。なお異常判定の前提条件として、二つのインバータ25a,25aは一体もしくは別体で、別体の場合は水路上で二つのインバータ25a,25a間には他の冷却対象物は入らないこと、つまり、上流側の一方のインバータ25aの直ぐ下流には他方のインバータ25aがあることが挙げられる。
温度検出異常判定部30は冷却液温度上昇値推定部30aを有し、この冷却液温度上昇値推定部30aは、上流側のインバータ25aに通電する電流の指令値または検出値から、演算またはマップ等で前記冷却液温度上昇推定値Tw1uとして推定する。電流の指令値または検出値と冷却液温度上昇推定値Tw1uとの関係は、図11に示すマップ例等により予め定められている。
冷却液温度上昇推定値Tw1uの推定に、前記電流の検出値を用いた場合、何らかの異常により電流が指令値より大きくまたは小さくなった場合でも正確に冷却液温度上昇推定値Tw1uの推定が行える。一方、前記電流の指令値を用いた場合、負荷変動または電圧変動、ノイズ、その他の外乱等により電流が変動した場合でも安定して冷却液温度上昇推定値Tw1uを算出することができる。
この通電時の異常判定では、図9に示すように、二つのスイッチング素子の温度T1,T2が飽和したときに異常判定を開始する。前記飽和したときとは、ある程度時間が経過した(所定時間経過した)とき、または温度変化の度合いが規定値以下になったときである。前記所定時間、前規定値は、試験またはシミュレーションのいずれか一方または両方により定められる。なお通電時において、スイッチング素子温度が飽和する前の過渡期も異常判定を行う場合、電流値の二乗の積分値と放熱量から常時スイッチング素子温度を推定することが必要である。
図3および図5に示すように、上流側および下流側のインバータ25a,25aに通電する電流が異なる(つまり二つのモータ6,6が異なるトルクである)場合、上記冷却液温度上昇推定値Tw1uに加え、各インバータ25aのスイッチング素子33の温度上昇分が二つのインバータ25a,25aのスイッチング素子温度の違いとして現れる。
よって、温度検出異常判定部30は、上流側のスイッチング素子33の温度検出値T1からスイッチング素子温度上昇推定値T1uを減算した値(T1-T1u)と、下流側のスイッチング素子33の温度検出値T2からスイッチング素子温度上昇推定値T2uを減算(T2-T2u)したうえで冷却液温度上昇推定値Tw1uを減算した値(T2-T2u-Tw1u)との差(|(T1-T1u)-(T2-T2u-Tw1u)|)が、定められた範囲内に入っていないとき、いずれかの温度検出部29に異常があると判定する。
温度検出異常判定部30はスイッチング素子温度上昇値推定部30bを有し、このスイッチング素子温度上昇値推定部30bは、二つのインバータ25a,25aに通電する電流の指令値または検出値から、演算またはマップ等を用いて上流側および下流側のスイッチング素子33,33の温度上昇値をそれぞれスイッチング素子温度上昇推定値T1u,T2uとして推定する。電流の指令値または検出値と、スイッチング素子温度上昇推定値T1u,T2uとの関係は、例えば、図10に示すマップ例等により予め定められている。
スイッチング素子温度上昇推定値T1u,T2uの推定に、前記電流の検出値を用いた場合、何らかの異常により電流が指令値より大きくまたは小さくなった場合でも正確にスイッチング素子温度上昇推定値T1u,T2uの推定が行える。一方、前記電流の指令値を用いた場合、負荷変動または電圧変動、ノイズ、その他の外乱等により電流が変動した場合でも安定してスイッチング素子温度上昇推定値T1u,T2uを算出することができる。
なお図3および図5に示すように、スイッチング素子温度上昇推定値T1u,T2uは、各インバータ25aに入る直前の冷却液温からの上流側および下流側のスイッチング素子33,33の温度上昇値である。厳密にいうと、温度測定ポイントまでの経路で冷却液温が上昇している可能性があるが、インバータ直前から温度測定ポイントまでの冷却液温上昇分も含めた温度である。
以下に異常判定方法を纏めて示す。なお、水路上でインバータ25a,25aが直列に設置される場合、インバータ25aが上流、インバータ25aが下流に設置されているものとする。
T1:インバータ25aのスイッチング素子の温度検出値
T2:インバータ25aのスイッチング素子の温度検出値
Tw1u:上流側のインバータでの冷却液温度上昇推定値
K:定められた範囲
T1u:インバータ25aのスイッチング素子温度上昇推定値
T2u:インバータ25aのスイッチング素子温度上昇推定値
1.非通電時
|T1-T2|>K 成立で異常
2.通電時
2-1.同じ電流の場合
直列:|T1-(T2-Tw1u)|>K 成立で異常
並列(後述する):|T1-T2|>K 成立で異常
2-2.異なる電流の場合
直列:|(T1-T1u)-(T2-T2u-Tw1u)|>K 成立で異常
並列(後述する):|(T1-T1u)-(T2-T2u)|>K 成立で異常
<作用効果について>
以上説明した駆動制御装置16によれば、温度検出異常判定部30は、各モータ6の非通電時に、二つのスイッチング素子33,33の温度を互いに比較する。前記非通電時は、このモータ搭載自動車の停車時であり、前記非通電時であれば、例えば、半導体スイッチング素子33、ヒートシンク、インバータ25a,25aを冷却する水温等が上昇していないため、二つのインバータ25a,25aは略同じ温度となるはずである。このため、温度検出異常判定部30は、前記非通電時において、単純に二つのスイッチング素子33,33の温度を比較することで、温度変化前の検出温度が正しいかどうかを判定することができる。これにより各温度検出部29に異常があるか否かを精度よく判定し得る。
温度検出異常判定部30は、指令トルクが零となった後定められた時間の経過後の各モータ6の非通電時に異常判定を行うか、または指令トルクが零となった後二つの温度検出部29,29で検出された温度が定められた下降度合よりも小さくなった各モータ6の非通電時に異常判定を行う。この場合、非通電時であっても直前まで電流を流していたことによる温度上昇分を考慮することができる。
温度検出異常判定部30は、指令トルクが零となった後定められた時間を経過させることで、例えば、温められたヒートシンク等も冷却水により冷やされて、略水温に近い値まで二つのスイッチング素子温度が下がる。また、その際に温度の下降度合が冷却水温に近づくにつれて小さくなるため、温度の下降度合が小さくなったことで二つのスイッチング素子温度が水温に近い値になってきたことが推測できる。
温度検出異常判定部30が、指令トルク「零」の後時間の経過に従って定められた範囲を小さくする場合、温度検出部29の異常を判定するタイミングを早めることができる。すなわち、非通電時間が短くても温度検出部29の異常を判定することができる。
<他の実施形態について>
以下の説明においては、各実施の形態で先行して説明している事項に対応している部分には同一の参照符号を付し、重複する説明を略する。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、特に記載のない限り先行して説明している形態と同様とする。同一の構成から同一の作用効果を奏する。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
図3のインバータの冷却路の接続例に代えて、以下の構成であってもよい。
図12(A)に示すように、二つのインバータ25a,25aが別体であり、上流側の一方のインバータ25aの下流に、他の冷却対象物を介在させることなく他方のインバータ25aが接続されてもよい。
図12(B)に示すように、二つのインバータ25a,25aが一体構造で、下流側のインバータ25aとポンプ22との間の循環経路途中に水温センサ24が設けられてもよい。
図12(C)に示すように、二つのインバータ25a,25aが別体で、下流側のインバータ25aとポンプ22との間の循環経路途中に水温センサ24が設けられてもよい。
図13(A),(B)に示すように、二つのインバータ25a,25aが一体構造で、これらの冷却路18,18が並列に接続されてもよい。前記並列における非通電時の異常判定は、前述の直列における非通電時の異常判定と同じである。
<通電時の異常判定について>
図5および図13(A),(B)に示すように、二つのインバータ25a,25aに通電する電流が同一(つまり二つのモータ6,6が同一トルク)のとき、温度検出異常判定部30は、二つのスイッチング素子33,33の温度差(|T1-T2|)が定められた範囲内に入っていないとき、いずれかの温度検出部29に異常があると判定する。二つのインバータ25a,25aに通電する電流が同一の場合、二つのスイッチング素子33,33の温度上昇値は同じであるため、スイッチング素子33の温度上昇値を計算する必要がなくなり、温度検出部29の異常判定の簡略化が可能となる。
二つのインバータ25a,25aに通電する電流が異なる場合、冷却液温度上昇推定値Tw1uに加え、各インバータ25aのスイッチング素子33の温度上昇分が二つのインバータ25a,25aのスイッチング素子温度の違いとして現れる。
よって、温度検出異常判定部30は、上流側のスイッチング素子33の温度検出値T1からスイッチング素子温度上昇推定値T1uを減算した値(T1-T1u)と、下流側のスイッチング素子33の温度検出値T2からスイッチング素子温度上昇推定値T2uを減算(T2-T2u)したうえで冷却液温度上昇推定値Tw1uを減算した値(T2-T2u-Tw1u)との差(|(T1-T1u)-(T2-T2u-Tw1u)|)が、定められた範囲内に入っていないとき、いずれかの温度検出部29に異常があると判定する。なお、異常判定の前提条件として、水路が分岐してから二つのインバータ25a,25aに入るまでに冷却対象物(過熱物)がないことが挙げられる。
二つの冷却路18,18が並列に接続されている場合において、スイッチング素子33の温度上昇値を推定することで、通電時でも温度検出部29の異常判定を行うことができる。さらに並列接続の場合、上流側での冷却液温度上昇値を推定しなくてもよくなるため、直列接続よりも簡単に温度検出部29の異常判定を行うことができる。
図13(A)インバータの冷却路の接続例に代えて、以下の構成であってもよい。
図14(A)に示すように、二つのインバータ25a,25aが別体で二つの冷却路18,18が並列に接続されていてもよい。
図14(B)に示すように、二つのインバータ25a,25aが一体構造で、各インバータ25a,25aとポンプ22との間の循環経路途中に水温センサ24が設けられてもよい。
図14(C)に示すように、二つのインバータ25a,25aが別体で各インバータ25a,25aとポンプ22との間の循環経路途中に水温センサ24が設けられてもよい。
インホイールモータ駆動装置においては、サイクロイド式の減速機、遊星減速機、2軸並行減速機、その他の減速機を適用可能である。また、前記の実施形態のインホイールモータ駆動装置においては、後輪駆動を示したが、前輪駆動でも4輪駆動としても良い。
前記の実施形態においては、インホイールモータ駆動装置を備えた電気自動車に駆動制御装置を適用した例を説明したが、図15に示すように、車体1に二台のモータ6,6および各モータ6に対応する減速機7,7を設け、これらモータ6,6により左右の車輪3,3を駆動する二モータオンボードタイプのモータ搭載自動車に、駆動制御装置16を備えても良い。図15において、モータ6で駆動する左右の車輪は前後輪3,2のいずれであっても良い。また、4輪駆動としても良い。
以上、実施形態に基づいてこの発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2…車輪(駆動輪)
6…モータ
18…冷却路
19…循環経路
22…ポンプ
23…ラジエータ
25…パワー回路部
25a…インバータ
26…モータコントロール部
29…温度検出部
30…温度検出異常判定部
30a…冷却液温度上昇値推定部
30b…スイッチング素子温度上昇値推定部
33…スイッチング素子

Claims (4)

  1. 左右の駆動輪を駆動する二つのモータをそれぞれ独立して駆動可能な車両に搭載され、直流電力を前記各モータの駆動に用いる交流電力に変換する二つのインバータを含むパワー回路部と、与えられる指令トルクに従って前記パワー回路部を介して前記各モータを制御するモータコントロール部とを備え、前記各インバータは、複数のスイッチング素子の開閉により直流電力を交流電力に変換するモータ搭載自動車の駆動制御装置において、
    一方のモータを駆動するインバータの複数のスイッチング素子のいずれか一つ、および他方のモータを駆動するインバータの複数のスイッチング素子のいずれか一つに設けられて対応するスイッチング素子の温度をそれぞれ検出する二つの温度検出部と、
    これら温度検出部で検出された温度を互いに比較することで各温度検出部に異常があるか否かを判定する温度検出異常判定部と、を備え、
    前記各インバータに冷却液を個別に流す二つの冷却路と、各冷却路にわたる循環経路に冷却液を循環させるポンプと、前記冷却液を冷却するラジエータとを備え、前記二つの冷却路が直列に接続され、
    前記温度検出異常判定部は、前記モータコントロール部から指令トルクが与えられている前記各モータの通電時に、前記ラジエータに対し循環経路の上流側のインバータに通電する電流の指令値または検出値から、冷却液の温度上昇値を冷却液温度上昇推定値として推定する冷却液温度上昇値推定部と、前記二つのインバータに通電する電流の指令値または検出値から、前記上流側の前記インバータにおける前記スイッチング素子および前記ラジエータに対し前記循環経路の下流側の前記インバータにおける前記スイッチング素子の温度上昇値をそれぞれスイッチング素子温度上昇推定値として推定するスイッチング素子温度上昇値推定部と、を有し、
    前記温度検出異常判定部は、
    前記上流側の前記インバータにおける前記スイッチング素子を対応する温度検出部で検出した温度検出値T1から、前記上流側の前記インバータにおける前記スイッチング素子のスイッチング素子温度上昇推定値T1uを減算した値と、
    前記下流側の前記インバータにおける前記スイッチング素子を対応する温度検出部で検出した温度検出値T2から、前記下流側の前記インバータにおける前記スイッチング素子のスイッチング素子温度上昇推定値T2uを減算した値に対し、冷却液温度上昇推定値Tw1uを減算した値との差が、定められた範囲内に入っていないとき、いずれかの温度検出部に異常があると判定するモータ搭載自動車の駆動制御装置。
  2. 請求項1に記載のモータ搭載自動車の駆動制御装置において、前記上流側および下流側のインバータに通電する電流が同一のとき、前記温度検出異常判定部は、
    前記上流側における前記インバータの前記スイッチング素子を対応する温度検出部で検出した温度検出値T1と、
    前記下流側における前記インバータの前記スイッチング素子を対応する温度検出部で検出した温度検出値T2から、冷却液温度上昇推定値Tw1uを減算した値との差が、定められた範囲内に入っていないとき、いずれかの温度検出部に異常があると判定するモータ搭載自動車の駆動制御装置。
  3. 左右の駆動輪を駆動する二つのモータをそれぞれ独立して駆動可能な車両に搭載され、直流電力を前記各モータの駆動に用いる交流電力に変換する二つのインバータを含むパワー回路部と、与えられる指令トルクに従って前記パワー回路部を介して前記各モータを制御するモータコントロール部とを備え、前記各インバータは、複数のスイッチング素子の開閉により直流電力を交流電力に変換するモータ搭載自動車の駆動制御装置において、
    一方のモータを駆動するインバータの複数のスイッチング素子のいずれか一つ、および他方のモータを駆動するインバータの複数のスイッチング素子のいずれか一つに設けられて対応するスイッチング素子の温度をそれぞれ検出する二つの温度検出部と、
    これら温度検出部で検出された温度を互いに比較することで各温度検出部に異常があるか否かを判定する温度検出異常判定部と、を備え、
    前記各インバータに冷却液を個別に流す二つの冷却路と、各冷却路にわたる循環経路に冷却液を循環させるポンプと、前記冷却液を冷却するラジエータとを備え、前記二つの冷却路が並列に接続され、
    前記温度検出異常判定部は、前記モータコントロール部から指令トルクが与えられている前記各モータの通電時に、前記二つのインバータに通電する電流の指令値または検出値から、対応するスイッチング素子の温度上昇値をそれぞれスイッチング素子温度上昇推定値として推定するスイッチング素子温度上昇値推定部を有し、
    前記温度検出異常判定部は、
    一方のスイッチング素子を対応する温度検出部で検出した温度検出値T1から、前記一方のスイッチング素子のスイッチング素子温度上昇推定値T1uを減算した値と、
    他方のスイッチング素子を対応する温度検出部で検出した温度検出値T2から、前記他方のスイッチング素子のスイッチング素子温度上昇推定値T2uを減算した値と、の差が、定められた範囲内に入っていないとき、いずれかの温度検出部に異常があると判定するモータ搭載自動車の駆動制御装置。
  4. 請求項3に記載のモータ搭載自動車の駆動制御装置において、前記二つのインバータに通電する電流が同一のとき、前記温度検出異常判定部は、一方のスイッチング素子を対応する温度検出部で検出した温度検出値T1と、他方のスイッチング素子を対応する温度検出部で検出した温度検出値T2との差が定められた範囲内に入っていないとき、いずれかの温度検出部に異常があると判定するモータ搭載自動車の駆動制御装置。
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